JP4987756B2 - 多層回路基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、多層回路基板の製造方法に係り、詳しくは導電性突起で層間の接続を行う多層回路基板、特に可撓性ケーブル部を有する多層回路基板の製造方法に関する
近年、電子機器の小型化および高機能化は益々促進されてきており、そのために回路基板に対する高密度化の要求が高まってきている。そこで、回路基板を片面から両面や三層以上の多層回路基板とすることにより、回路基板の高密度化を図っている。
この一環として、多層回路基板間を接続する可撓性ケーブル部を構成していた別体のフレキシブル基板やフレキシブルフラットケーブルを一体化した多層フレックスリジッド基板、あるいは多層フレキシブル基板などの多層回路基板が、携帯電話などの小型電子機器を中心に広く普及している。この多層回路基板の代表的な構造は、内層にスルーホール接続を有する2〜6層程度の多層コア回路基板にビアホール接続の1〜2層程度のビルドアップ層を両面あるいは片面に有する構造であり、フレキシブル基板によるケーブル部は、多層コア回路基板またはビルドアップ層に設ける構造である。
従来、多層コア回路基板やビルドアップ層の層間接続には、レーザー、NCドリル、プラズマエッチング、化学エッチング等による開孔後、メッキ処理を行う手法が採用されている。しかし、メッキ処理工程自体の歩留まりが悪いという欠点と、絶縁樹脂層の導通をとるための工程が煩雑であるという欠点を有する。
このビルドアップ層は部品実装部であり、実装密度および配線密度を向上させる目的で、ビルドアップ層の電気的な接続を従来のメッキ法によるビアホール接続から、所謂、導電ペーストによる印刷バンプやメッキまたはエッチングによる金属バンプなどの導電性突起を用いた接続に置き換える手法が開発されている。
特許文献1には、金属板の表面に縦断面形状が山形の複数の導電性バンプ(導電性突起部)が形成され、この金属板上に絶縁シートが設けられた回路基材が示されている。
図3および図4は、従来工法による、導電性突起を用いた接続によるビルドアップ層をケーブル部とする多層回路基板の製造法を示す、工程図である。多層回路基板の製造の際に、図3(1)に示すように、導電性突起1を、銅箔2上に印刷、エッチング、メッキ等の手法で形成する。
上記目的達成のため、本発明では、
少なくとも一面に導電性突起が立設された金属箔と、この金属箔の前記一面に前記導電性突起が貫通した状態で積層される絶縁樹脂層とを有する回路基材が他の回路部材と積層され、前記導電性突起により回路層間の接続を行う多層回路基板の製造方法において、
前記金属箔の前記一面に、樹脂を1層ずつ塗布乾燥して、温度250℃で圧縮弾性率が15GPa以上であるポリイミド系樹脂からなるコア樹脂層と、前記導電性突起が当接される面に被着される接着層とを有する複層構造である前記絶縁樹脂層を形成し、
前記絶縁樹脂層のうちの一層は、塗布時にはポリイミド前駆体であるポリアミック酸樹脂液であり、塗布後に加熱乾燥して溶剤を除去し、熱処理を施してイミド化を行い、ポリイミド樹脂層を形成することにより前記導電性突起の高さより厚みが薄い前記絶縁樹脂層が、前記金属箔の前記一面および前記導電性突起上に形成され、
前記導電性突起の頂部及びこの頂部上の絶縁樹脂層を研磨して除去するようにしたことを特徴とする多層回路基板の製造方法、
を提供するものである。
このときには熱可塑性ポリイミドの接着性はなく、導電性突起1がポリイミドフィルム19に突き刺さっている状態である。ここまでの工程で、導電性突起1がポリイミドフィルム19を貫通した基材20を得る。
図3(4)〜図4(2)に、多層コア回路基板の製造方法を示す。図3(4)に示すような両面銅張り積層板7を用意する。
次に図3(5)に示すように、NCドリル、金型等の手法で導通用孔8を形成する。この後、図3(6)に示すように、導電化処理、無電解メッキ等の処理を施した後、電解メッキ9で導通用孔8を介しての両面間の導通をとる。
次に図4(1)に示すように、定法により、両面の回路11を形成する。続いて、図4(2)に示すように、金型等で基板の不要な部分を抜き加工する。ここまでの工程によって、多層コア回路基板13が製造される。基板を構成する層数が増えた場合でも、基本的に同様の工程で製造される。
次いで、図4(3)に示すように、多層コア回路基板13に、導電性突起がポリイミドフィルムを貫通した基材21,22を積層する。必要に応じて、予め導電性突起がポリイミドフィルムを貫通した基材を金型等で枠抜きしてから積層する。
この後、図4(4)に示すように、定法により積層した基材の銅箔に回路パターン23,24を形成する。さらに定法により、カバーフィルムおよびソルダーレジスト層の形成や無電解ニッケル、金メッキ等を行い、多層回路基板18を得る。
特開平6−350258号公報 特開2002−141629号公報 特開平8−46321号公報 特開平2−234494号公報
上述のように、導電性突起を用いた接続によるビルドアップ層の層間絶縁材を、可撓性のある例えば両面に熱可塑性ポリイミド等の接着性樹脂を有するポリイミドフィルムで形成し、ビルドアップ層をケーブル部とする構造がある。
この構造は、銅箔上の導電性突起がポリイミドを貫通した構造の基材を、予め作製された多層コア回路基板に積層プレスすることで、多層回路基板として製造される。
しかしながら、この多層回路基板は、ケーブル部に相当する部分のポリイミドが、積層プレスで押切れずにポリイミドと銅箔との密着が得られないことがある、という問題がある。さらに、ポリイミドフィルムは、導電性突起を用いた接続では直接貫通することができないため、特許文献2に記載されているように、導電性突起の頂部を露出させるための研磨等の工程に掛かる手間が大きい、という問題もある。
また、特許文献3には、ポリイミドフィルムを予め穴明けして、接着層のみに導電性突起を貫通させる製造方法が記載されている。
しかし、穴明けの工程が煩雑であることや、穴と導電性突起との位置合わせの問題があり、上記問題を解決するには到っていない。
また、ケーブル部に相当する部分の層間絶縁材を可撓性のある熱可塑性の樹脂、例えば熱可塑性ポリイミドだけで形成する場合には、上記問題に加え、特許文献3に記載されている樹脂の流れ出しという問題もある。
結局、導電性突起による貫通性、金属箔との密着性、高温接合に絶える耐熱性、高密度接続および高密度実装のための寸法安定性、そして、フレキシブル基板としての可撓性や耐屈曲性などの屈曲特性とを同時に満たす適切な絶縁樹脂が無い、という問題がある。
このような背景から、従来の工法では、導電性突起を用いた接続による回路層をケーブル部とする多層回路基板を安価かつ安定的に製造することは困難である。
本発明は、上述の点を考慮してなされたもので、導電性突起を用いた接続によるビルドアップ層やコア回路層をケーブル部とする多層回路基板の製造方法およびそれに適した回路基材を提供することを目的とする。
上記目的達成のため、本願では、下記の発明を提供する。
上記目的達成のため、本発明では、
少なくとも一面に導電性突起が立設された金属箔と、この金属箔の前記一面に前記導電性突起が貫通した状態で積層される絶縁樹脂層とを有する回路基材が他の回路部材と積層され、前記導電性突起により回路層間の接続を行う多層回路基板の製造方法において、
前記金属箔の前記一面に、樹脂を1層ずつ塗布乾燥して複層構造を有する前記絶縁樹脂層を形成し、
前記絶縁樹脂層のうちの一層は、塗布時にはポリイミド前駆体であるポリアミック酸であり、塗布後にイミド化を行い、ポリイミド樹脂層を形成することにより前記絶縁樹脂層が、前記金属箔の前記一面および前記導電性突起の頂部のみに形成され、前記導電性突起の頂部の絶縁樹脂層を研磨して除去するようにしたことを特徴とする多層回路基板の製造方法、
を提供するものである。
これらの特徴により、本発明によれば、銅箔の導電性突起を有する面に樹脂を1層ずつ塗布乾燥し、導電性突起の頂面と銅箔の上面のみに複層構造を有する絶縁樹脂層を形成させることができる上に、導電性突起頂部の研磨等の工程が簡略化できる。
この結果、本発明によれば、従来の製造方法では困難であった可撓性ケーブル部をビルドアップ層に有する多層回路基板が安価かつ安定的に提供できる。
まず、本発明に係る多層回路基板に用いる複層構造の絶縁樹脂層、つまり温度250℃で圧縮弾性率が15GPa以上であるポリイミド系樹脂からなるコア樹脂層と、前記導電性突起が当接される面に被着される接着層とを有する複層構造の絶縁樹脂層について説明する。
ここで、コア樹脂層とは、温度250℃における圧縮弾性率が15Gpa以上であるポリイミド系樹脂により構成される層であり、好ましくは、線膨張係数が30×10-6[1/K]以下のものを言う。接着層以外の層が2層以上からなる場合、コア樹脂層は接着層以外の最も厚い層である。
絶縁樹脂層は、2以上の樹脂層から形成されており、その少なくとも1層は、線膨張係数が30×10−6[1/K]以下の低熱膨張性ポリイミド樹脂層(a)であり、また導電性突起を有する金属箔から最も離れた最外樹脂層は、導電性突起部を有さない銅箔と熱圧着して測定されるピール強度が0.7KN/m以上の接着層(b)である。また、ピール強度の測定方法は、後記する実施例による。
したがって、本発明の多層回路基板用の導電性突起が絶縁樹脂層を貫通した基材の絶縁樹脂層は、少なくとも2層の異なる種類の樹脂層を有する。好ましくは、絶縁樹脂層の全てをポリイミド樹脂層とすることで、他の樹脂を接着層として使用した場合などに生じる特性低下を招くことなく、高耐熱で寸法安定性にも優れた絶縁樹脂層を形成することができる。
ここで、本発明におけるポリイミド樹脂層とは、分子中にイミド結合を持った重合体を含有する樹脂層を指し、好ましくは主成分がポリイミドまたはポリアミドイミドからなるものをいう。この種のポリイミド樹脂としては、例えば特許2746555号公報や特許3034838号公報記載のものが挙げられる。
また、下記説明において、金属箔は導電性突起を有する金属箔を、a層は圧縮弾性率が15Gpa以上であるポリイミド樹脂により構成されるコア樹脂層または線膨張係数が30×10-6[1/K]以下の低熱膨張性ポリイミド樹脂層(a)を、b層はピール強度0.7KN/m以上の接着層(b)を意味する。また、α層は、限定されない任意の絶縁樹脂層である。
そして、本発明に用いる絶縁樹脂層に金属箔を加えた構成例を示すと、次の(i)〜(iv)の通りである。
(i) 金属箔/a層/b層
(ii) 金属箔/α層/a層/b層
(iii) 金属箔/a層/α層/b層
(iv) 金属箔/α層/a層/α層/b層
図5に、上記(iv)に係る回路基材の断面構成図を示す。
本発明に係る多層回路基板用の導電性突起が絶縁樹脂層を貫通した基材においては、絶縁樹脂層の全厚さに対して、低熱膨張性ポリイミド樹脂層(a)の厚さは、40〜80%の範囲とすることが好ましい。また、接着層の厚さ(b)と低熱膨張性ポリイミド樹脂層の厚さ(a)との厚み比(b/a)であるb/aは、0.05〜1.7の範囲とすることが好ましい。
このように厚みを設定することで、絶縁樹脂層全体の低熱膨張性を維持することができ、また、接着特性とのバランスも良好となる。絶縁樹脂層の低熱膨張性ポリイミド樹脂層(a)は、多層回路基板の反りや工程上のハンドリング等の問題から、線膨張係数が30×10−6[1/K]以下であることを必要とする。このような低熱膨張性を示すポリイミド樹脂としては、下記一般式(1)で表されるポリイミド構造単位を80モル%以上含むものが好ましい。
Figure 0004987756
ここで、式中のRは下記式(2)または(3)で表される基であり、Rは下記式(4),(5),(6)または(7)で表される基から選択される少なくとも1種の基である。なお、下記式(2)中、XはSO、COまたは直結合を示す。
Figure 0004987756
絶縁樹脂層の接着層(b)は、ピール強度0.7KN/m以上を示すものであり、特に100〜350℃の範囲の軟化温度を有するものが好ましい。本発明においては、ピール強度0.7KN/m以上の接着層を金属層から最外層に位置させることで、後に、接着層と接する材料との接着性を発現させることができる。接着層(b)は、特に銅箔に例示される金属と良接着性を示す樹脂材料である、上記一般式(1)で表されるポリイミド構造を有するものが好ましい。
ここで、式中のRは上記式 (2),(3)で表される基から選択される少なくとも1種の基であり、Rは上記式(5),(7)または(8)で表される基から選択される少なくとも1種の基である。
絶縁樹脂層の接着層(b)としては、シリコーンユニットを有するシロキサン変性ポリイミド樹脂を用いてもよい。
このシリコーンユニットを有するポリイミド樹脂は、下記一般式(9)および(10)の構成単位を有するものとして例示することができる。
Figure 0004987756
上記一般式(9)中、Rは4価の芳香族基を示し、R,Rは2価の炭化水素基を示し、R〜Rは炭素数1〜6の炭化水素基を示し、nは1〜20の整数を示す。
Figure 0004987756
上記一般式(10)において、R10は4価の芳香族基を示し、R11は2価の芳香族基または下記一般式(11)で示される3価もしくは4価の芳香族基を示している。Xは水酸基、アミノ基、カルボキシル基を示し、mは1または2である。
Figure 0004987756
接着層(b)は、上記シロキサン変性ポリイミド樹脂だけで形成してもよいが、シロキサン変性ポリイミドに、エポキシ樹脂1〜40重量%を配合して得られるものが好ましい。シロキサン変性ポリイミドの構造単位中に、上記式(11)の部位を有しない場合には、特にエポキシ樹脂硬化剤1〜40重量%を配合することで好ましい態様となる。
本発明において、絶縁樹脂層中における低熱膨張性ポリイミド樹脂層(a)と接着層(b)との厚み割合は、導電性突起が絶縁樹脂層を貫通した基材の寸法安定性、接着性との関係に影響するので、各層の厚み範囲には好ましい範囲がある。絶縁樹脂層に占める低熱膨張性ポリイミド樹脂層(a)の厚み割合は、40〜80%であることが好ましい。
この割合が40%に満たないと、上記基材の寸法安定性が悪くなり易く、一方80%を超えると接着層の厚みが確保できないため、後に接着層と接する部材との接着性が不十分なものとなる恐れがある。また、接着層の厚さ(b)と低熱膨張性ポリイミド樹脂層の厚さ(a)との厚み比(b/a)は、b/a=0.05から1.7の範囲とすることが好ましい。
厚み比がこの範囲から外れると、寸法安定性と接着性との両立が難しくなる。絶縁樹脂層には、低熱膨張性ポリイミド樹脂層(a)および接着層(b)以外に、他の絶縁樹脂層を有していてもよい。
ただし、絶縁樹脂層全体の線膨張係数が35×10−6[1/K]を超えると、多層回路基板としての寸法安定性が低下したり、金属箔の線膨張係数との差が大きくなったりして、基板全体が反り易くなる。したがって、絶縁樹脂層全体の線膨張係数は35×10−6[1/K]以下とすることが必要である。
導電性突起部は、その高さが10μm以上あることが必要である。この高さは、金属箔平面部からの高さを意味し、この高さが10μmに満たないと、圧接後、金属箔の粗化表面と同じ高さになり、回路層間で短絡する。一方、高さが、200μmを超えると、導電性突起部間ピッチが大きくなり、微細配線が不可能となる。
この金属箔上に存在している導電性突起部の形成方法は印刷、メッキ、エッチング等特に制限されないが、例えば、金属板表面に形成しようとする導電性突起部の大きさにあったメタルマスクを用意し、上記メタルマスク上から導電性ペーストを印刷し、乾燥させることにより、導電性突起部を有する金属箔を形成するという方法が挙げられる。
導電性突起部を有する金属箔の材質としては、銅、アルミニウム、金が例示される。金属箔の平面部と導電性突起部との材質は同じであっても異なってもよい。好ましくは、両部分は銅で形成される。
また、この金属箔の厚さは、すなわち、導電性突起部を有する部分以外の厚さは、ほぼ一定であり、一般的には、5〜75μmの厚さ範囲であり、5〜35μmの範囲が好ましい。
以下、実施例につき具体的に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。なお、本発明における線膨張係数、接着力、圧縮弾性率の評価は、下記評価に基づくものである。
[線膨張係数]
線膨張係数は、イミド化反応が充分に終了した試料を使用し、セイコー電子工業(株)製サーモメカニカルアナライザー(TMA100)を用いて250℃に昇温後、10℃/分の温度で冷却し、240℃から100℃の範囲における平均の線膨張係数を求めたものである。
[ピール強度(接着力)]
突起部を有しない銅箔上に、絶縁樹脂層を設けて得た積層体を試料として使用し、この樹脂面上に厚さ35μmの電解銅箔(三井金属鉱業製3EC−III箔、Rz=6.0μm)粗化面を重ね、ガラス転移温度または軟化点温度で、圧力3MPa、時間1時間熱圧着した。これを引張試験機(東洋精機製テンシロンテスター)にて幅10mmの樹脂付き銅箔(導電性突起部なし)の樹脂側を両面テープによりアルミ板に固定し、銅を180度方向に5mm/分の速度で剥離して求めた。
[圧縮弾性率]
圧縮弾性率は、(株)島津製作所製微小硬度計(DUH−W201)を用いて250℃に昇温後、直径20μmのフラット面を持つ微小圧子によって13.24mN/sで試験力196mNまで負荷を掛けて2秒保持し、その後、13.24mN/sで除荷したときの、除荷弾性変形領域における応力およびひずみを基に計算した。
(実施例で使用した原料の略号)
1,3−BAB:1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン
BAPP: 2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン
DADMB: 4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニル
PMDA: 無水ピロメリット酸
BPDA: 3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
PSX−X: 平均分子量740のジアミノシロキサン
DMAc: N,N−ジメチルアセトアミド
DSDA: 3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物
HAB: 4,4’−ジアミノ−3,3’−ヒドロキシ−ビフェニル
次に、本発明の実施例で用いた樹脂の合成例1ないし3につき、上記した原料の略号を用いて説明する。
コア樹脂層の合成
(合成例1)
308gのDMAcに、DADMB 20.32g(0.096モル)および1,3−BAB 3.11 g(0.011モル)を溶解させた。次に、6.20g(0.021モル)のBPDAおよび18.37g(0.084モル)のPMDAを加えた。その後、室温にて約4時間撹拌を続けて重合反応を行い、250poise(25℃)のコア樹脂層となるポリイミド前駆体樹脂液aを得た。
また、得られたポリイミド前駆体溶液aを、簡易アプリケータを用いて銅箔に200μmの厚みで均一に塗布し、室温から330℃まで約4時間の熱処理を施して銅箔上に厚み20μmのポリイミド層を形成し、銅箔−ポリイミド層の積層体を得た。
次いで、塩化第二鉄水溶液を用いて、得られた積層体の銅箔をエッチング除去して、ポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドの圧縮弾性率は20GPa、線熱膨張係数は22×10−6[1/K]であった。
接着層の合成(2例)
(合成例2)
294gのDMAcに、BAPP 29.13g(0.071モル)を溶解させた。次に、3.225g(0.011モル)のBPDAおよび13.55g(0.062モル)のPMDAを加えた。その後、室温にて約3時間撹拌を続けて重合反応を行い、35poise(25℃)の接着用のポリイミド前駆体樹脂液bを得た。 イミド化後に線膨張係数を測定したところ、60×10−6[1/K]であった。
(合成例3)
N−メチル−2−ピロリドン200gにDSDA39.41g(0.110モル)、およびキシレン10gを入れて窒素ガスを流し、系中を室温で十分に混合した。次に、PSX−X(東レダウコーニング社製 BY16−853X)10.74g(0.015モル)を滴下し、この反応溶液を攪拌下で氷冷し、BAPP36.95g(0.090モル)およびHAB0.87g(0.004モル)を添加し、室温にて2時間攪拌し、ポリアミック酸を得た。
このポリアミック酸を190℃に昇温し、14時間加熱しながら攪拌を続け、加熱時に発生する水を系外に除いた。14時間加熱したところで、系を冷却することにより対数粘度0.60dl/gのポリイミド溶液を得た。
次に、得られたポリイミド溶液の固形分100重量%に対し、ノボラック型エポキシ樹脂(B−CNB)25重量%およびシランカップリング剤として3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン0.5重量%を混合し、3時間攪拌して接着用のポリイミド樹脂溶液cを調製した。
線膨張係数を測定したところ60×10−6[1/K]であった。
銅箔の準備
厚さ12μmの銅箔に、平均粒径1μmの銀粉およびポリスルホン樹脂からなる導体ペーストを、180メッシュのステンレススクリーンを用いて印刷し、高さ80または100μmの導電性突起部を有する銅箔を準備した。各突起部は断面が山形状の形状となっており、突起部のない部分は厚み12μmの平坦な形状となっていた。
基材および基板の製造方法
次いで、上記ポリイミド前駆体溶液を用いた多層回路基板の製造工程における、導電性突起が絶縁樹脂層を貫通した基材の製造方法、および上記基材を多層コア回路基板に積層した多層回路基板の製造方法を説明する。
図1(1)ないし(6)および図2(1)ないし(4)は、本発明の一実施例による導電性突起を用いた接続による、ビルドアップ層をケーブル部とする多層回路基板の製造法を示す、工程図である。
図1(1)に示すように、多層回路基板の製造の際に、導電性突起1を銅箔2上に印刷、エッチング、メッキ等の手法で形成する。次に、図1(2)に示す絶縁樹脂層の形成を経て、図1(3)に示すような銅箔2上の導電性突起4が絶縁樹脂層5を貫通した構造の基材6を製造する。
絶縁樹脂層の形成
図1(2)に示す絶縁樹脂層3の形成は、次の通りである。絶縁樹脂層3は、コア樹脂層3aおよび接着層3bにより構成される。金属箔としての銅箔2上にポリイミド前駆体溶液3を塗付し、その後イミド化して絶縁樹脂層3とするキャスト法と、フィルム化したポリイミド前駆体をラミネートし、その後イミド化して絶縁樹脂層3とするラミネート法とがある。ここで、絶縁樹脂層3の接着層の厚みは、導電性突起1が当接される他の回路部材の回路厚みの50〜200%、ベタの金属箔の場合では1〜5μmとするとよい。
まず、キャスト法の一実施例を説明する。
(キャスト法の実施例1)
銅箔2の導電性突起1(高さ100μm)面上に、上記合成例1で調製したコア樹脂層3aとなるポリイミド前駆体樹脂液aを200μmの厚みで均一に塗布し、130℃で加熱乾燥して溶剤を除去し、コア樹脂層3aを形成する。この後、コア樹脂層3aを室温から330℃まで約4時間の熱処理を施してイミド化させ、厚み約20μmのポリイミド樹脂層が導電性突起1を有する銅箔2上に形成されてなる積層体を得る。
次いで、コア樹脂層3aのポリイミド面上に上記合成例3で調製した接着用のポリイミド樹脂液cを100μmの厚みで均一に塗布し、120℃で加熱乾燥して溶剤を除去して接着層3bを形成する。これにより、コア樹脂層3aおよび接着層3bにより構成される2層構造のポリイミド樹脂層からなる合計厚み約50μmの絶縁樹脂層3が、導電性突起1を有する銅箔2上に形成されてなる回路基材を得た(図1(2)参照)。
次に、ラミネート法の一実施例を示す。
(ラミネート法の実施例1)
樹脂溶液が塗布される基材(支持基材)は、特に限定されるものではないが、その表面が剥離し易くするために離型処理されているPETフィルムがよい。好ましい基材の厚さは、100μm以下である。
まずナイフコーターを用いて、離型PETフィルム(50μm)上に上記合成例2で調製した接着用のポリイミド前駆体樹脂液bを15μmの厚みで均一に塗布した後、130℃で加熱乾燥して溶剤を除去し、接着層3bを形成する。
そして、その上に積層するように、上記合成例1で調製したコア樹脂層3aとなるポリイミド前駆体樹脂液aを180μmの厚みで均一に塗布し、次いで130℃で加熱乾燥して溶剤を除去し、接着層3bおよびコア樹脂層3aにより構成されるポリイミド前駆体の2層フィルムを形成する。
この後、上記ポリイミド前駆体の2層フィルムを基材から剥離し、銅箔2の導電性突起1(高さ100μm)を有する面に、接着層3bとなるポリアミック酸樹脂層の面を対接配置した後、真空ラミネーターを用いて真空度4hPa、温度150℃、圧力0.9MPaでラミネートを行い、導電性突起1を有する銅箔2上に絶縁樹脂層3が形成されてなる積層体を得る(図1(2)参照)。
次いで、室温から330℃まで約4時間の熱処理を施してイミド化させ、2層のポリイミド樹脂層からなる合計厚み約20μmの絶縁樹脂層3が、導電性突起1を有する銅箔2上に形成されてなる積層体を得る(図1(2)参照)。
次に、ナイフコーターを用いて、離型PETフィルム(50μm)上に、上記合成例3で調製した接着用のポリイミド前駆体樹脂液cを100μmの厚みで均一に塗布した後、120℃で加熱乾燥して溶剤を除去し、厚み30μmの接着用のポリイミドフィルムを得る。このポリイミドフィルムは、コア樹脂層3aの接着層3bとは反対側に配される、接着用の第3層を形成するものである。
続いて、この第3層を形成するためのポリイミドフィルムを基材から剥離し、図1(2)に示した積層体のポリイミド樹脂面上に対接して配置し、真空ラミネーターを用いて真空度4hPa、温度150℃、圧力0.9MPaでラミネートを行う(ラミネート時間5分)。これにより、3層のポリイミド樹脂層からなる合計厚み約50μmの絶縁樹脂層3が、導電性突起1を有する銅箔2上に形成されてなる回路基材を得る。
上述したように、キャスト法による2層構造の絶縁樹脂層あるいはラミネート法による3層構造の絶縁樹脂層を銅箔2上に接着された状態で形成する。
研磨工程
図1(3)に示すように、研磨等の工程で、絶縁樹脂層3から導電性突起1の頂部を露出させる。露出した導電性突起4は、後述するように他の回路部材(図示せず)との接続に利用される。
ここにおいて、図1(2)に示すように、銅箔2の上面および導電性突起1の頂部のみに絶縁樹脂層3が形成されるので、キャスト法、ラミネート法の何れでも、研磨工程は比較的簡便に行える。
多層回路基板の製造工程
図1(4)〜図2(2)に、多層コア回路基板の製造方法を示す。まず図1(4)に示すように、両面銅張り積層板7を用意する。次に、図1(5)に示すように、NCドリル、金型等の手法で導通用孔8を形成する。この後、図1(6)に示すように、導電化処理、無電解メッキ等の処理を施した後、電解メッキでスルーホール9による両面の導通をとる。
続いて、図2(1)に示すように、定法により、両面の回路11を形成する。この後、図2(2)に示すように、金型等で基板の不要な部分を抜き加工する。ここまでの工程で、多層コア回路基板13が製造される。層数が増えた場合でも、基本的に同様の工程で製造可能である。
次に図2(3)に示すように、多層コア回路基板13に上述した回路基材14,15を積層する。必要に応じて、予め回路基材14,15を金型等で枠抜きしてから積層する。
この後、図2(4)に示すように、定法により積層した基材14,15の銅箔に回路パターンを形成する。さらに、定法により、カバーフィルムおよびソルダーレジスト層の形成や無電解ニッケル、金メッキ等を行い、多層回路基板16を得る。
また、多層回路基板16の回路基材14,15の銅箔をエッチング除去して、ポリイミドフィルム単体を得た。得られたポリイミドの線熱膨張係数は、30×10−6[1/K]であった。
なお、図示しないが、銅箔2の導電性突起1に絶縁樹脂層3を形成し、導電性突起1の頂部を露出させて導電性突起4とした後、銅箔2と積層プレスし、両面に定法により回路パターンを形成することで可撓性両面回路基板を製造することもできる。
キャスト法、ラミネート法による他の実施例
(キャスト法の実施例2)
銅箔2の導電性突起1(高さ100μm)の上面に、上記合成例1で調製したコア樹脂層となるポリイミド前駆体樹脂液aを180μmの厚みで均一に塗布し、130℃で加熱乾燥して溶剤を除去した。そして、樹脂液aによるコアとしてのポリイミド前駆体層上に、上記合成例2で調製した接着用のポリイミド前駆体樹脂液bを15μmの厚みで均一に塗布し、130℃で加熱乾燥して溶剤を除去した。
この後、室温から330℃まで約4時間の熱処理を施すことによりイミド化させ、2層のポリイミド樹脂層からなる合計厚み約20μmの絶縁樹脂層が、導電性突起1を有する銅箔2上に形成されてなる積層体を得た。また、塩化第二鉄水溶液を用いて銅箔をエッチング除去して得たポリイミドフィルムの線熱膨張係数は、22×10−6[1/K]であった。
(ラミネート法の実施例2)
ナイフコーターを用いて、離型PETフィルム(50μm)上に上記合成例2で調製した接着用のポリイミド前駆体樹脂液bを15μmの厚みで均一に塗布した後、130℃で加熱乾燥して溶剤を除去する。続いて、その上に積層するように、上記合成例1で調製したコア樹脂層となるポリイミド前駆体樹脂液aを170μmの厚みで均一に塗布し、130℃で加熱乾燥して溶剤を除去する。
そして、ポリイミド前駆体樹脂液aによるコアとしてのポリイミド前駆体層上に、上記合成例2で調製した接着用のポリイミド前駆体樹脂液bを15μmの厚みで均一に塗布し、130℃で加熱乾燥して溶剤を除去することにより、3層のポリイミド前駆体フィルムを作成した。
この後、3層ポリイミド前駆体フィルムを基材から剥離し、銅箔2の導電性突起1(高さ100μm)を有する面に対接配置した後、真空ラミネーターを用いて真空度4hPa、温度150℃、圧力0.9MPaでラミネートを行い(ラミネート時間5分)、絶縁樹脂層が導電性突起1を有する銅箔2上に形成されてなる積層体を得た(図1(2)参照)。
次いで、室温から330℃まで約4時間の熱処理を施してイミド化させ、3層のポリイミド樹脂層からなる合計厚み約20μmの絶縁樹脂層が、導電性突起1を有する銅箔2上に形成されてなる回路基材6を得た。また、塩化第二鉄水溶液を用いて銅箔2をエッチング除去し、ポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドの圧縮弾性率は20GPa、線熱膨張係数は22×10−6[1/K]であった。
(キャスト法の実施例3)
銅箔2の導電性突起1(高さ80μm)の上面に、合成例2で調製したポリイミド前駆体樹脂液bを15μmの厚みで均一に塗布したのち、130℃で加熱乾燥し溶剤を除去した。次に、その上に積層するように合成例1で調製したポリイミド前駆体樹脂液aを170μmの厚みで均一に塗布し、130℃で加熱乾燥し溶剤を除去した。さらに、ポリイミド前駆体a層上に合成例2で調製したポリイミド前駆体樹脂液bを15μmの厚みで均一に塗布し、130℃で加熱乾燥し溶剤を除去した。
この後、室温から330℃まで約4時間の熱処理を施してイミド化させ、3層のポリイミド系樹脂層からなる合計厚み約20μmの絶縁樹脂層が導電性突起部を有する銅箔上に形成された積層体1を得た。
また、ピール強度測定のために、導電性突起部を有さない所定の電解銅箔上に上記積層体1と同様の層構成の絶縁樹脂層を形成した。得られた積層体の樹脂層側に、電解銅箔(三井金属鉱業製3EC−III箔、Rz=6.0μm)粗化面を向かい合わせ、温度320℃、圧力3MPa、時間1時間で熱圧着した。これを、上記記載のピール強度測定方法にしたがって測定したところ、ピール強度は1.2kN/mであった。
(キャスト法の実施例4)
銅箔2の導電性突起1(高さ80μm)の上面に、合成例2で調製したポリイミド前駆体樹脂液bを15μmの厚みで均一に塗布したのち、130℃で加熱乾燥して溶剤を除去した。次に、その上に積層するように合成例1で調製したポリイミド前駆体樹脂液aを180μmの厚みで均一に塗布し、130℃で加熱乾燥し溶剤を除去した。
この後、室温から330℃まで約4時間の熱処理を施してイミド化させ、2層のポリイミド系樹脂層からなる合計厚み約20μmの絶縁樹脂層が導電性突起部を有する銅箔上に形成された積層体を得た。また、塩化第二鉄水溶液を用いてこの銅箔をエッチング除去して、ポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドの線熱膨張係数は、22×10−6[1/K]であった。
次いで、上記積層体のポリイミド面上に合成例3で調製したポリイミド樹脂液cを100μmの厚みで均一に塗布し、120℃で加熱乾燥して溶剤を除去し、4層のポリイミド樹脂層からなる合計厚み約50μmの絶縁樹脂層が導電性突起部を有する銅箔上に形成された積層体2を得た。また、この積層体2を180℃で1時間熱処理した後、塩化第二鉄水溶液を用いて銅箔をエッチング除去して、ポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドの線熱膨張係数は、30×10−6[1/K]であった。
また、ピール強度測定のために、導電性突起部を有さない所定の電解銅箔上に積層体1と同様の層構成の絶縁樹脂層を形成した。得られた積層体の樹脂層側に、電解銅箔(三井金属鉱業製3EC−III箔、Rz=6.0μm)粗化面を向かい合わせ、温度180℃、圧力3MPa、時間1時間で熱圧着した。これを、上記記載のピール強度測定方法にしたがって測定したところ、ピール強度は1.5kN/mであった。
(キャスト法の実施例5)
銅箔2の導電性突起1(高さ80μm)の上面に、合成例2で調製したポリイミド前駆体樹脂液bを15μmの厚みで均一に塗布したのち、130℃で加熱乾燥し溶剤を除去した。次に、その上に積層するように合成例1で調製したポリイミド前駆体樹脂液aを170μmの厚みで均一に塗布し、130℃で加熱乾燥し溶剤を除去した。さらに、ポリイミド前駆体a層上に合成例2で調製したポリイミド前駆体樹脂液bを15μmの厚みで均一に塗布し、130℃で加熱乾燥し溶剤を除去した。
この後、室温から330℃まで約4時間の熱処理を施してイミド化させ、3層のポリイミド系樹脂層からなる合計厚み約20μmの絶縁樹脂層が導電性突起部を有する銅箔上に形成された積層体を得た。また、塩化第二鉄水溶液を用いてこの銅箔をエッチング除去して、ポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドの線熱膨張係数は、22×10−6[1/K]であった。
次いで、上記積層体のポリイミド面上に合成例3で調製したポリイミド樹脂液cを100μmの厚みで均一に塗布し、120℃で加熱乾燥して溶剤を除去し、4層のポリイミド樹脂層からなる合計厚み約50μm(厚み精度±10%、以下の例における積層体の樹脂層の厚み精度も同様)の絶縁樹脂層が導電性突起部を有する銅箔上に形成された積層体3を得た。また、この積層体3を180℃1時間熱処理した後、塩化第二鉄水溶液を用い銅箔をエッチング除去して、ポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドの線熱膨張係数は、33×10−6[1/K]であった。
また、ピール強度測定のために、導電性突起部を有さない所定の電解銅箔上に上記積層体1と同様の層構成の絶縁樹脂層を形成した。得られた積層体の樹脂層側に、電解銅箔(三井金属鉱業製3EC−III箔、Rz=6.0μm)粗化面を向かい合わせ、温度180℃、圧力3MPa、時間1時間で熱圧着した。これを、上記ピール強度測定方法にしたがって測定したところ、ピール強度は1.5kN/mであった。
(比較例1)
銅箔2の導電性突起1(高さ80μm)の上面に、合成例3で調製したポリイミド樹脂液cを200μmの厚みで均一に塗布し、120℃で加熱乾燥して溶剤を除去し積層体4を得た。銅箔上に塗布した樹脂の厚みは、約60μmであった。
上記積層体を180℃1時間熱処理した後、塩化第二鉄水溶液を用いて銅箔をエッチング除去し、ポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドの線熱膨張係数は、60×10−6[1/K]であった。
また、ピール強度測定のために、導電性突起部を有さない所定の電解銅箔上に積層体1と同様の層構成の絶縁樹脂層を形成した。得られた積層体の樹脂層側に、電解銅箔(三井金属鉱業製3EC−III箔、Rz=6.0μm)粗化面を向かい合わせ、温度180℃、圧力3MPa、時間1時間で熱圧着した。これを、上記ピール強度測定方法にしたがって測定したところ、ピール強度は1.5kN/mであった。
(比較例2)
銅箔2の導電性突起1(高さ80μm)の上面に、合成例2で調製したポリイミド前駆体樹脂液bを200μmの厚みで均一に塗布したのち、130℃で加熱乾燥し溶剤を除去した。この後、室温から330℃まで約4時間かけて熱処理しイミド化させ、厚み約20μmの絶縁樹脂層が導電性突起部を有する銅箔上に形成された積層体を得た。また、塩化第二鉄水溶液を用いてこの銅箔をエッチング除去し、ポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドの線熱膨張係数は、60×10−6[1/K]であった。
その上に、合成例3で調製したポリイミド樹脂液cを100μmの厚みで均一に塗布し、120℃で加熱乾燥し溶剤を除去し積層体5を得た。銅箔上に塗布した樹脂の厚みは、銅箔側から約50μmであった。
上記積層体を180℃1時間熱処理した後、塩化第二鉄水溶液を用いて銅箔をエッチング除去して、ポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドの線熱膨張係数は、60×10−6[1/K]であった。
また、ピール強度測定のために、導電性突起部を有さない所定の電解銅箔上に上記積層体1と同様の層構成の絶縁樹脂層を形成した。得られた積層体の樹脂層側に、電解銅箔(三井金属鉱業製3EC−III箔、Rz=6.0μm)粗化面を向かい合わせ、温度180℃、圧力3MPa、時間1時間で熱圧着した。これを上記ピール強度測定方法にしたがって測定したところ、ピール強度は1.5kN/mであった。
得られた積層体とその評価結果を表1に示す。実施例3〜5は、接着性と低線膨張性(寸法安定性)の両性質を充足していることが分る。
Figure 0004987756
本発明の一実施例におけるビルドアップ層をケーブル部とする多層回路基板の製造方法の工程図。 図2の工程に続く本発明における工程図。 従来工法によるビルドアップ層をケーブル部とする多層回路基板の製造方法の工程図。 図3の工程に続く工程図。 本発明の一実施例における回路基材の概念的断面構成図。
符号の説明
1 導電性突起
2 銅箔
3 絶縁樹脂層
3a コア樹脂層
3b 接着層
4 研磨された導電性突起
5 研磨された絶縁樹脂層
6 導電性突起が絶縁樹脂層を貫通した基材
7 両面銅張り積層板
8 導通用孔
9 スルーホール
10 電解メッキされた両面銅張り積層板
11 電解メッキ後に回路形成された両面銅張り積層板
12 枠抜きされて回路形成された両面銅張り積層板
13 多層コア回路基板
14 積層されて導電性突起が絶縁樹脂層を貫通した基材
15 枠抜き後、積層されて導電性突起が絶縁樹脂層を貫通した基材
16 多層回路基板
19 両面に熱可塑ポリイミドを有するポリイミドフィルム
20 導電性突起がポリイミドフィルムを貫通した基材
21 積層されて導電性突起がポリイミドフィルムを貫通した基材
22 枠抜き後、積層されて導電性突起がポリイミドフィルムを貫通した基材
23 回路形成されて導電性突起がポリイミドフィルムを貫通した基材
24 回路形成されて枠抜き後の導電性突起がポリイミドフィルムを貫通した基材

Claims (1)

  1. 少なくとも一面に導電性突起が立設された金属箔と、この金属箔の前記一面に前記導電性突起が貫通した状態で積層される絶縁樹脂層とを有する回路基材が他の回路部材と積層され、前記導電性突起により回路層間の接続を行う多層回路基板の製造方法において、
    前記金属箔の前記一面に、樹脂を1層ずつ塗布乾燥して、温度250℃で圧縮弾性率が15GPa以上であるポリイミド系樹脂からなるコア樹脂層と、前記導電性突起が当接される面に被着される接着層とを有する複層構造である前記絶縁樹脂層を形成し、
    前記絶縁樹脂層のうちの一層は、塗布時にはポリイミド前駆体であるポリアミック酸樹脂液であり、塗布後に加熱乾燥して溶剤を除去し、熱処理を施してイミド化を行い、ポリイミド樹脂層を形成することにより前記導電性突起の高さより厚みが薄い前記絶縁樹脂層が、前記金属箔の前記一面および前記導電性突起上に形成され、
    前記導電性突起の頂部及びこの頂部上の絶縁樹脂層を研磨して除去するようにした
    ことを特徴とする多層回路基板の製造方法。
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