JP4987625B2 - 鋼板のセンタリング方法及びセンタリング装置 - Google Patents

鋼板のセンタリング方法及びセンタリング装置 Download PDF

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Description

本発明は、鋼板を冷間圧延する前に、当該鋼板をセンタリングする方法及びそのセンタリング装置に関する。
鋼板を冷間圧延する際、鋼板が搬送方向中心位置からずれると、圧延後の鋼板の急峻度(鋼板の長手方向に形成される波のピーク間の距離に対する波の高さの比)が悪化し、形状不良による歩留まりが低下する。このため、冷間圧延を行う前に鋼板のセンタリングが行われる。鋼板のセンタリングは、通常、鋼板を冷間圧延する冷間圧延機の入口側に設けられたセンタリング装置によって行われる。従来のセンタリング装置は、例えば鋼板を板曲がり方向と反対側に移動させるステアリングロールと、ステアリングロールと冷間圧延機の間でステアリングロールに近い側に設けられ、鋼板の幅方向端部の位置を検出するセンサとを有している。このセンタリング装置では、センサの検出結果に基づいて、ステアリングロールの回転方向が制御される。そして、制御された方向にステアリングロール自体の位置が回転することによって鋼板を板曲がり方向と反対側に移動させ、当該鋼板のセンタリングが行われる。
しかしながら、例えば鋼板を連続冷間圧延する際、特に鋼板の先端部と尾端部との溶接部において、キャンバ(横曲がり)等の急峻な板曲がりが発生しやすくなる。そして、例えばステアリングロールと冷間圧延機との距離が長い場合、この板曲がりによって、ウォーク(横ズレ)が発生する。かかる場合、従来のようにステアリングロールに近い側に設けられた1基のセンサでは、冷間圧延機の入口側のウォークを検出することができず、鋼板を適切にセンタリングすることができないことがある。前述のとおり、鋼板の冷間圧延機は鋼板の搬送方向中心位置を通板させることが前提となるため、このように鋼板にウォークが発生すると鋼板の冷間圧延形状を悪化させ、歩留まり落ちを招くことになる。
ところで、このような鋼板のセンタリングは、酸洗後の鋼板にサイドトリマーを用いてトリミングを行う前にも行われている。このトリミング前の鋼板のセンタリング装置には、例えばステアリングロールとサイドトリマーとの間に、ステアリングロールに近い側とサイドトリマーに近い側にそれぞれ2基のセンサが設けられている場合がある。そして、これら2基のセンサの検出結果を同時に用いてステアリングロールを制御し、鋼板のセンタリングを行っている(特許文献1)。
特開昭52−69082号公報
そこで発明者らは、ステアリングロールと冷間圧延機との距離が長い場合、まずステアリングロールと冷間圧延機の間に設けた1基のセンサの位置を変更して、当該センサの適正な位置の検討を行った。しかしながら、このように1基のセンサの位置を変更するとオーバーシュートが起きる場合があることが分かった。このオーバーシュートの原因の推定については、後述する。
次に、冷間圧延前の鋼板のセンタリングにおいても、トリミング前の鋼板をセンタリングする場合と同様に、ステアリングロールと冷間圧延機の間に、ステアリングロールに近い側と冷間圧延機に近い側に2基のセンサを設置し、それら2基のセンサで同時に鋼板の幅方向端部の位置を検出して、ステアリングロール自体の位置の回転を制御することを試みた。しかしながら、かかる場合においても、オーバーシュートが起こりやすいことが分かった。このオーバーシュートの原因の推定についても、後述する。
発明者らがこのオーバーシュートの原因について調べるため、トリミング前の鋼板をセンタリングする場合と冷間圧延前の鋼板をセンタリングする場合を比較したところ、トリミングの動作環境と冷間圧延機の動作環境には、種々の差異があることが分かった。特に、鋼板をトリミングする場合には、トリミングされる前の鋼板に対して大きな張力をかけるとトリミング途中に生成する鋼板の端部の亀裂から割れが発生して、鋼板が破断しやすくなるので、鋼板にかける張力は低くしなければならない。一方、鋼板を冷間圧延する場合には、主に冷間圧延時の鋼板形状制御のために、トリミングする場合に比べて鋼板にかける張力が高くしなければならないことが、オーバーシュートが起こりやすくなっている原因になることを見出した。なお、このオーバーシュートの原因について解析した結果については、後述する。
以上のように、冷間圧延前の鋼板のセンタリングにおいて、トリミングの場合と同様に単に2基のセンサを設置してその2基のセンサを同時に用いただけでは、ステアリングロールを適切に制御することができず、鋼板を適切にセンタリングすることができなかった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、ステアリングロールと冷間圧延機との距離が長い場合でも、冷間圧延前に鋼板を適切にセンタリングすることを目的とする。
前記の目的を達成するため、鋼板を冷間圧延する前に、当該鋼板をセンタリングする方法であって、鋼板を冷間圧延する冷間圧延機の入口側に設けられたステアリングロール自体の位置を回転させて、当該鋼板をセンタリングする工程と、前記ステアリングロールと前記冷間圧延機との間で前記ステアリングロールに近い側に設けられた第1のセンサと、前記ステアリングロールと前記冷間圧延機との間で前記冷間圧延機に近い側に設けられた第2のセンサとで、鋼板の幅方向端部の位置と鋼板の振動周波数を検出する工程と、前記第1のセンサ又は第2のセンサのいずれかの検出結果を用いて、前記ステアリングロールの回転方向を演算し、当該ステアリングロール自体の位置の回転を制御する工程と、を有し、前記ステアリングロール自体の位置の回転を制御する工程において、前記第1のセンサの検出結果を前記ステアリングロールの制御に用いる場合、前記第2のセンサが検出する鋼板の振動周波数が下記式(1)で算出される切替周波数F以下になれば、前記第2のセンサに切り替えて、当該第2のセンサの検出結果を用い、前記第2のセンサの検出結果を前記ステアリングロールの制御に用いる場合、前記第1のセンサが検出する鋼板の振動周波数が前記切替周波数Fより大きくなれば、前記第1のセンサに切り替えて、当該第1のセンサの検出結果を用いることを特徴としている。
F≦0.5/T・・・・式(1)
但し、Tは、前記第2のセンサが検出する鋼板の振動周波数がオーバーシュートしない最大のゲインで、当該第2のセンサが鋼板の幅方向端部の位置を検出してから鋼板のセンタリングが完了するまでの整定時間である。
別な観点による本発明においては、鋼板を冷間圧延する前に、当該鋼板をセンタリングする方法であって、鋼板を冷間圧延する冷間圧延機の入口側に設けられたステアリングロール自体の位置を回転させて、当該鋼板をセンタリングする工程と、前記ステアリングロールと前記冷間圧延機との間で前記ステアリングロールに近い側に設けられ、鋼板の幅方向端部の位置と鋼板の振動周波数を検出する第1のセンサ、又は、前記ステアリングロールと前記冷間圧延機との間で前記冷間圧延機に近い側に設けられ、鋼板の幅方向端部の位置と鋼板の振動周波数を検出する第2のセンサのいずれかの検出結果を用いて、前記ステアリングロールの回転方向を演算し、当該ステアリングロール自体の位置の回転を制御する工程と、を有し、前記ステアリングロール自体の位置の回転を制御する工程において、前記ステアリングロールの上流側における鋼板の幅方向端部の位置を測定して鋼板の長手方向の振動の波長を算出し、前記鋼板の幅方向端部の位置を測定した位置の鋼板が前記ステアリングロールを通過する際の通板速度を測定し、前記測定された通板速度を、前記算出された鋼板の長手方向の波長で除して振動周波数を算出し、前記第1のセンサの検出結果を前記ステアリングロールの制御に用いる場合、前記算出された振動周波数が下記式(1)で算出される切替周波数F以下になれば、前記第1のセンサから前記第2のセンサに切り替えて、当該第2のセンサの検出結果を用い、前記第2のセンサの検出結果を前記ステアリングロールの制御に用いる場合、前記算出された振動周波数が前記切替周波数Fより大きくなれば、前記第2のセンサから前記第1のセンサに切り替えて、当該第1のセンサの検出結果を用いることを特徴としている。
F≦0.5/T・・・・式(1)
但し、Tは、前記第2のセンサが検出する鋼板の振動周波数がオーバーシュートしない最大のゲインで、当該第2のセンサが鋼板の幅方向端部の位置を検出してから鋼板のセンタリングが完了するまでの整定時間である。
前記切替周波数Fは、下記式(2)で算出してもよい。
F=0.5/T−α・・・・式(2)
但し、αは、α≦0.5×(0.5/T)の関係を満たしている。
鋼板の冷間圧延の立ち上げ時の前記ステアリングロール自体の位置の回転の制御において、前記第2のセンサを用いて前記ステアリングロールの制御を行ってもよい。
前記冷間圧延機と前記ステアリングロールとの間の距離をLとし、鋼板の通板速度の最大値をVmaxとした場合、前記整定時間Tは、
T<2L/Vmax
の関係を満たしていることが好ましい。
前記第1のセンサは前記ステアリングロールから2m以内の位置に設けられ、前記第2のセンサは前記ステアリングロールから5m以上の位置に設けられていることが好ましい。
また別な観点による本発明においては、鋼板を冷間圧延する前に、当該鋼板をセンタリングする鋼板のセンタリング装置であって、鋼板を冷間圧延する冷間圧延機の入口側に設けられ、鋼板をセンタリングする回転自在のステアリングロールと、前記ステアリングロールと前記冷間圧延機との間であって、前記ステアリングロールに近い側に設けられ、鋼板の幅方向端部の位置と鋼板の振動周波数を検出する第1のセンサと、前記ステアリングロールと前記冷間圧延機との間であって、前記冷間圧延機に近い側に設けられ、鋼板の幅方向端部の位置と鋼板の振動周波数を検出する第2のセンサと、前記第1のセンサ又は第2のセンサのいずれかの検出結果を用いて、前記ステアリングロールの回転方向を演算し、当該ステアリングロール自体の位置の回転を制御する制御部と、を有し、前記制御部では、前記第1のセンサの検出結果を前記ステアリングロールの制御に用いる場合、前記第2のセンサが検出する鋼板の振動周波数が下記式(1)で算出される切替周波数F以下になれば、前記第2のセンサに切り替えて、当該第2のセンサの検出結果を用い、前記第2のセンサの検出結果を前記ステアリングロールの制御に用いる場合、前記第1のセンサが検出する鋼板の振動周波数が前記切替周波数Fより大きくなれば、前記第1のセンサに切り替えて、当該第1のセンサの検出結果を用いることを特徴としている。
F≦0.5/T・・・・式(1)
但し、Tは、前記第2のセンサが検出する鋼板の振動周波数がオーバーシュートしない最大のゲインで、当該第2のセンサが鋼板の幅方向端部の位置を検出してから鋼板のセンタリングが完了するまでの整定時間である。
さらに別な観点による本発明においては、鋼板を冷間圧延する前に、当該鋼板をセンタリングする鋼板のセンタリング装置であって、鋼板を冷間圧延する冷間圧延機の入口側に設けられ、鋼板をセンタリングする回転自在のステアリングロールと、前記ステアリングロールと前記冷間圧延機との間であって、前記ステアリングロールに近い側に設けられ、鋼板の幅方向端部の位置と鋼板の振動周波数を検出する第1のセンサと、前記ステアリングロールと前記冷間圧延機との間であって、前記冷間圧延機に近い側に設けられ、鋼板の幅方向端部の位置と鋼板の振動周波数を検出する第2のセンサと、前記第1のセンサ又は第2のセンサのいずれかの検出結果を用いて、前記ステアリングロールの回転方向を演算し、当該ステアリングロール自体の位置の回転を制御する制御部と、を有し、前記制御部では、前記ステアリングロールの上流側における鋼板の幅方向端部の位置を測定して鋼板の長手方向の振動の波長を算出し、前記鋼板の幅方向端部の位置を測定した位置の鋼板が前記ステアリングロールを通過する際の通板速度を測定し、前記測定された通板速度を、前記算出された鋼板の長手方向の波長で除して振動周波数を算出し、前記第1のセンサの検出結果を前記ステアリングロールの制御に用いる場合、前記算出された振動周波数が下記式(1)で算出される切替周波数F以下になれば、前記第1のセンサから前記第2のセンサに切り替えて、当該第2のセンサの検出結果を用い、前記第2のセンサの検出結果を前記ステアリングロールの制御に用いる場合、前記算出された振動周波数が前記切替周波数Fより大きくなれば、前記第2のセンサから前記第1のセンサに切り替えて、当該第1のセンサの検出結果を用いることを特徴としている。
F≦0.5/T・・・・式(1)
但し、Tは、前記第2のセンサが検出する鋼板の振動周波数がオーバーシュートしない最大のゲインで、当該第2のセンサが鋼板の幅方向端部の位置を検出してから鋼板のセンタリングが完了するまでの整定時間である。
前記切替周波数Fは、下記式(2)で算出してもよい。
F=0.5/T−α・・・・式(2)
但し、αは、α≦0.5×(0.5/T)の関係を満たしている。
前記冷間圧延機と前記ステアリングロールとの間の距離をLとし、鋼板の通板速度の最大値をVmaxとした場合、前記整定時間Tは、
T<2L/Vmax
の関係を満たしていることが好ましい。
前記第1のセンサは前記ステアリングロールから2m以内の位置に設けられ、前記第2のセンサは前記ステアリングロールから5m以上の位置に設けられていることが好ましい。
なお、前記ステアリングロール自体の位置の回転を制御する工程において、前記第1のセンサと第2のセンサを切り替える際に、前記第1のセンサと第2のセンサで検出される鋼板の幅方向端部の位置の差が所定の値より大きい場合、前記ステアリングロール自体の位置の回転を制御する際のゲインを小さくしてもよい。
本発明によれば、特に、ステアリングロールと冷間圧延機との距離が長い場合に鋼板のセンタリングを容易に行うことができる。このため、鋼板の形状不良が減少するので歩留まり向上に効果的である。さらに、鋼板の先端部や尾端部に発生しやすいウォーク(横ズレ)を防止することができ、従来は形状不良で切り捨てることが多かった先端部や尾端部を有効に使用することができるので、エネルギー資源の節約につながる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について説明する。まず、図1に基づいて、センタリング装置について説明する。図1は、本実施の形態にかかるセンタリング装置が設置された冷間圧延設備1の構成の要部を示す側面図である。
冷間圧延設備1には、図1に示すように、鋼板Hを冷間圧延する冷間圧延機2が設置されている。冷間圧延機2の入口側には、冷間圧延前に鋼板Hのセンタリングを行うセンタリング装置3が設置されている。
センタリング装置3は、鋼板Hを板曲がり方向と反対側に移動させて当該鋼板Hをセンタリングするステアリングロール4、5を有している。ステアリングロール4、5は上下に対向配置され、ステアリングロール4がステアリングロール5の下方に配置されている。本実施の形態にかかるステアリングロール4、5は、冷間圧延機2からの距離Lが5m超〜15mの位置に設置されている。そして、このステアリングロール4の下部に水平に進入した鋼板Hは、ステアリングロール4を経過後ステアリングロール5に向かって斜め上方に進行し、その後ステアリングロール5の上部から冷間圧延機2に向かって水平に進行する。なお、冷間圧延機によってはステアリングロールから冷間圧延機の入口側までの距離が5m以下の設備も多い。この距離は、他の付帯設備のレイアウトや、設備改造の際の取り合い等の理由により決定される。
ステアリングロール4、5の両端部は、図2に示すように、支持枠6、6でそれぞれ固定されている。ステアリングロール4、5は、例えばステアリングロール4の長手方向の中心下端Xを中心にステアリングロール4、5自体の位置を垂直平面内で回転させることができる。支持枠6、6には、図1に示すように、支持枠6、6を介してステアリングロール4、5自体の位置を回転させるシリンダー7が設けられている。シリンダー7には油圧装置8が設けられ、油圧装置8によってシリンダー7の動作が制御される。なお、ステアリングロール4、5は水平面内を回転してもよい。
冷間圧延機2とステアリングロール5の間には、鋼板Hの幅方向端部の位置や鋼板Hを伝播する振動の周波数、鋼板Hの通板速度(鋼板Hの通過速度)等を検出する2基のセンサ、第1センサ10と第2のセンサ11が設けられている。第1のセンサ10はステアリングロール5に近い側に設け、後述する理由からステアリングロール5からの距離L1が2m以内となる位置に設ける。第2のセンサ11は冷間圧延機2に近い側に設け、後述する理由からステアリングロール5からの距離L2が5m以上となる位置に設置する。第1のセンサ10には、例えば過流式センサが用いられ、受波器10aと送波器10bの間に発生する磁界を検出することで被測定物である鋼板Hの位置を検出する。第1のセンサ10には第1のアンプ12が設けられ、第1のセンサ10からの検出結果の信号は、第1のアンプ12で増幅され後述する制御部20に伝達される。第2のセンサ11にも、例えば受波器11aと送波器11bを有する過流式センサが用いられる。第2のセンサ11には第2のアンプ13が設けられ、第2のセンサ11からの検出結果の信号は、第2のアンプ13で増幅され制御部20に伝達される。
次に本発明の鋼板Hのセンタリングに使用する制御部20について説明する。制御部20では、第1のセンサ10又は第2のセンサ11のいずれかの検出結果に基づいて、油圧装置8の操作が制御される。制御部20には、第1のセンサ10又は第2のセンサ11のいずれのセンサの検出結果を用いるかを決定する切替制御部21が設けられている。
切替制御部21によるセンサの切替は以下のような特徴を有している。切替制御部21では、第2のセンサ11での検出結果に基づいてステアリングロール4、5の油圧装置8の操作が制御されている際に、第1のセンサ10が検出する鋼板Hの振動周波数が、下記式(1)で算出される切替周波数F以下であれば、そのまま第2のセンサ11での検出結果に基づきステアリングロール4、5の油圧装置8の操作が制御される。一方、第1のセンサ10が検出する鋼板Hの振動周波数が、下記式(1)で算出される切替周波数Fを超えると、切替制御部21でセンサの切替が行われて第1のセンサ10での検出結果に基づくステアリングロールの油圧装置8の操作の制御を開始する。同時に鋼板Hの振動周波数が切替周波数Fに対して大きいか小さいかの評価は、第2のセンサ11に切り替えて、第2のセンサ11が検出する鋼板Hの振動周波数により判断が行われる。
反対に、第1のセンサ10での検出結果に基づいて油圧装置8の操作が制御されている際には、第2のセンサ11が検出する鋼板Hの振動周波数が、下記式(1)で算出される切替周波数Fより大きければ、そのまま第1のセンサ10での検出結果に基づき油圧装置8の操作が制御される。一方、第2のセンサ11が検出する鋼板Hの振動周波数が、下記式(1)で算出される切替周波数F以下であれば、切替制御部21でセンサの切替が行われて第2のセンサ11での検出結果に基づく油圧装置8の操作の制御を開始する。同時に鋼板Hの振動周波数が切替周波数Fに対して大きいか小さいかの評価は第1のセンサ10に切り替えて、第1のセンサ10が検出する鋼板Hの振動周波数により判断が行われる。
切替制御部21から出力される第1のセンサ10又は第2のセンサ11の鋼板Hの位置の検出結果の信号は、CPCアンプ22で増幅されて、制御部20内に設けられた演算部23に出力される。演算部23では、切替え装置21から出力された第1のセンサ10又は第2のセンサ11の検出結果に基づいて、油圧装置8の操作量が演算される。演算部23の演算結果は油圧装置8に出力されて、油圧装置8の操作が制御される。そして油圧装置8が操作されて、シリンダー7を介してステアリングロール4、5の回転方向が制御される。
本発明の切替周波数Fは、整定時間Tとの関係で下記式(1)のように求められることを特徴とする。
F≦0.5/T・・・・式(1)
ここで、Tは、第2のセンサ11が検出する鋼板Hの振動周波数がオーバーシュートしない最大のゲイン(応答感度ともいう)で、第2のセンサ11が鋼板Hの幅方向端部の位置を検出してから鋼板Hのセンタリングが完了するまでの整定時間である。
前記式(1)の切替周波数Fは、下記式(3)で表される周波数fを基準として導出されている。
F=0.5/T・・・・式(3)
例えば第2のセンサ11が鋼板Hの幅方向端部の変位を検出してセンタリング制御(ステアリングロール4、5の制御)を行っている際に、センタリングが完了するまでの間に整定時間より短い周期の振動を第2のセンサ11が検出すると、第2のセンサ11によるセンタリングの整定が終了しない間に別の信号をCPCアンプ22に送ることになる。そうすると、鋼板Hのセンタリング制御が不安定になるおそれが生じる。このセンタリング制御の不安定を防止する周波数として、前記式(3)に示すように、整定時間Tを1/2周期とした時に得られる周波数fを設定した。したがって、切替周波数は前記式(3)の周波数fとすることがより好ましいが、冷間圧延機2の張力変動、あるいはゲインの変更等の要因で、整定時間Tが変更する可能性があるため、前記式(1)を切替周波数Fとして設定した。なお、前記式(1)の切替周波数Fは、下記式(2)のように表すことができるが、下記式(2)中のαは、α≦0.5×(0.5/T)の関係を満たしているのが好ましい。発明者らが調べたところ、αが0.5×fを超えた場合に、第1のセンサ10でステアリングロール4、5を制御すると、当該制御が不安定になるおそれが大きくなることを経験的に見出した。
F=0.5/T−α・・・・式(2)
また、整定時間Tは、ステアリングロール4、5と冷間圧延機2との間の距離Lと鋼板Hの通板速度の最大値Vmaxとの関係において、以下の式(4)を満たしていることが好ましい。
T<2L/Vmax・・・・式(4)
式(4)は整定時間Tの上限を設定したものである。これは、冷間圧延機2の入口側における鋼板Hの幅方向端部の変位方向と、ステアリングロール5の出口側における鋼板Hの幅方向の変位方向が、必ず逆になる最小の鋼板Hの振動波形から求めた最小の周波数を示している。すなわち、整定時間Tがこれより大きいと、センタリング制御開始時の冷間圧延機2の入口側における鋼板Hの変位方向と、整定時間T経過後、すなわちセンタリング制御を完了した時点での冷間圧延機2の入口側における鋼板Hの変位方向が異なりセンタリング制御が不安定になるおそれがある。
次に、前記の第1のセンサ10、第2のセンサ11の設置位置と、第1のセンサ10又は第2のセンサ11のいずれかを用いたステアリングロール4、5自体の位置の回転の制御との関係について説明する。鋼板Hは弾性体であり、鋼板Hの幅方向には曲がり難いが、厚み方向には自由に変形するので、ステアリングロール4、5から第2のセンサ11に伝わる鋼板Hの振動の波は、厚み方向の変位エネルギーとして吸収される割合が大きい。また、この縦方向の振動は鋼板Hが捩れた方向に振動すると横方向の変位としても検出されることがある。冷間圧延においては鋼板Hに大きな張力がかけられるので、この厚み方向に弾性変位して吸収されるエネルギーは、高周波成分の方が大きくなる。そしてさらに詳細に調べたところ、この高周波成分は、ステアリングロール5からセンサまでの距離が大きいほど、大きく減衰することを見出した。すなわち、第2のセンサ11がステアリングロール5から十分に離れた位置にあると、第2のセンサ11の位置では鋼板Hの振動の高周波成分が減衰するので、第2のセンサ11が高周波成分を拾うことなく、ゲインを大きくしても制御が不安定になりにくい。このようにステアリングロール5から第2のセンサ11までの距離が十分に大きく、ステアリングロール5から第2のセンサ11に伝播する鋼板Hの振動の高周波成分が十分に減衰される領域では、ゲインを大きくしてもオーバーシュートが起きないので、ステアリングロール4、5自体の位置の回転を制御する整定時間Tを短くできることを発明者は見出した。
図3は、ステアリングロール5と冷間圧延機2との間の各位置における、鋼板Hの振動周波数A、ゲインB、時定数C、鋼板Hの幅方向端部の位置を検出してから鋼板Hのセンタリングが完了するまでの整定時間Dの関係をさらに詳しく説明したものであり、縦軸の上方向にそれぞれの値が大きくなっている。
冷間圧延では、鋼板Hに対して大きな張力、例えば2ton〜10tonがかけられるので、鋼板Hの振動周波数Aはステアリングロール5に近い側の第1のセンサ10の位置では高周波成分の方が大きいが、この鋼板Hの振動周波数Aはステアリングロール5から第2のセンサ11までの距離L2が十分に大きいと十分に減衰する。しかしながら、この振動周波数Aはトリミングする場合(0.5トン程度の張力)に比べて張力の高い冷間圧延の場合には大きく、ステアリングロール5から制御する第2のセンサ11までの距離によっては、高周波成分が十分に減衰しないので、ゲインBを上がられない領域が存在することを見出した。しかも、ステアリングロール5から制御する第2のセンサ11までの距離が十分に長くないと、高周波成分が十分に減衰しないのでゲインBを上げるとオーバーショートしやすくなり、その為にゲインBを上げられない。この領域では時定数Cが大きくなり整定時間Dも長くなるので、この位置にセンサを設けて制御を試みたとしてもセンタリング制御には適さない。
しかしながら、ステアリングロール5から十分に離れた位置にある第2のセンサ11では、鋼板Hの振動周波数Aが十分に減衰するので、第2のセンサ11が高周波成分を拾うことなく、ゲインBを大きくしてもオーバーシュートが起きない。したがって、第2のセンサ11の位置では、時定数Cは大きくなるが、整定時間Dを短くできる。さらに、この第2のセンサ11を設置する領域は、整定時間Dの上限が第1のセンサ10の整定時間Dの上限とほぼ等しくなる領域である。具体的には、この距離L2は5m以上となる。
また、ステアリングロール5に近い側にある第1のセンサ10では、鋼板Hの振動周波数Aの減衰は起きていない。この場合には、ゲインBを大きくするとオーバーシュートが起きやすいので、ゲインBを小さくして制御を行う。しかしながら、ステアリングロール5と第1のセンサ10までの距離L1が短いと、時定数Cが小さくなり、整定時間Dを短くできる。さらに、この第1のセンサ10を設置する領域は整定時間Dが第2のセンサ11の整定時間の上限とほぼ等しくなる領域である。具体的には、この距離L1は2m以内である。
第1のセンサ10に整定時間Dよりも短い時間の信号が入った場合には、第1のセンサ10が誤動作をするおそれがある。この誤作動を防止するためには、ゲインBを極力小さくし、時定数Cを極力小さくする必要がある。さらに制御部20に入る前にローパスフィルタを設けて調整する等の対策を実施している。なお、第2のセンサ11では、ゲンイBを大きくすることが必要であるので、これらの対策は取るが、切替周波数Fを前記式(1)の関係に保つことが必要である。
上記のことをさらに説明すると、冷間圧延機2に近い側の第2のセンサ11では、鋼板Hの低周波成分を検出してステアリングロール4、5自体の位置の回転の制御ができ、ステアリングロール5に近い側の第1のセンサ10では、鋼板Hの高周波成分を検出してステアリングロール4、5自体の位置の回転を制御できる。したがって、鋼板Hの振動周波数によって、各々のセンサを使い分けて、ステアリングロール4、5の制御を行うことができる。この各々のセンサを使い分ける際の切替周波数Fは、前記式(1)で示した、F≦0.5/T(T:第2のセンサ11がオーバーシュートしない最高ゲインにより定まる整定時間)である。かかる場合に、第2のセンサ11の検出結果を用いてステアリングロール4、5自体の位置の回転の制御をする場合、第1のセンサ10が検出する鋼板Hの振動周波数が切替周波数F以下であれば、すなわち切替周波数Fの1/2周期が整定時間Tよりも大きくなる領域に第2のセンサ11が位置して鋼板の高周波成分が十分に減衰されていれば、ゲインを大きくしてもオーバーシュートしない。すなわち、センタリング制御をするセンサの設置位置として適する整定時間Dを短くできる領域は、鋼板Hの振動周波数AとゲインBおよび距離から決まる時定数C、及び時定数に関連した整定時間Dにより決めることができ、その領域はステアリングロール5に十分近い位置と、ステアリングロール5から十分離れた位置であり、その間には適さない領域があることを見出した。
なお、この現象は鋼板Hに大きな張力をかける必要がある冷間圧延で生じるものであると考えられる。トリミングのように張力が低い場合には、振動周波数Aの距離による減衰は大きくなると考えられる。また、張力が低いと時定数Cは大きくなると考えられるので、センタリング制御の方法は本発明とは全く異なったものになると考えられる。
以上のように、冷間圧延機2に近い側の第2のセンサ11では、鋼板Hの低周波成分を検出してステアリングロール4、5自体の位置の回転の制御ができ、ステアリングロール5に近い側の第1のセンサ10では、鋼板Hの高周波成分を検出してステアリングロール4、5自体の位置の回転の制御ができる。したがって、制御部20では、鋼板Hの切替周波数Fによって、第1のセンサ10で検出する振動周波数が切替周波数Fよりも大きい時は、第1のセンサ10に制御を切り替え、第2のセンサ11で検出する振動周波数が切替周波数Fよりも小さい時は、第2のセンサ11に制御を切り替えて、ステアリングロール4、5の制御を行うことができる。
なお、ステアリングロール5と冷間圧延機2の距離が5m超〜15mと大きい場合に、1つのセンサでは不安定になるおそれがある理由は、前述のとおり、ステアリングロール5から2m以内に1つのセンサのみ置いて制御すると、大きな周期で変位するキャンバがある場合に、冷間圧延機2の入口側で大きくセンタリングが外れるおそれがあるためである。また、ステアリングロール5からの距離が2m〜5mの位置に1つのセンサのみ設置すると、鋼板Hにかかる張力の高い場合には、特に高周波成分の減衰が少ないのでゲインを上げられず整定時間を短くできず、制御が不安定になるおそれがある。また、ステアリングロール5からの距離が5m超〜15mの位置に1つのセンサのみ設置した場合には、整定時間よりも短い周波数の変位があると制御が不安定になる。これらのことは、センサを2個設置して同時に作動させた場合においても、同様の制御の不安定さが生じると考えられる。
本実施の形態にかかるセンタリング装置3は以上のように構成されている。次にそのセンタリング装置3で行われる鋼板Hのセンタリング方法について説明する。
まず、鋼板Hをセンタリングする手順について説明する。鋼板Hは、センタリング装置3の下側のステアリングロール4の下部に水平に進入し、ステアリングロール4を経過後ステアリングロール5に向かって斜め上方に進行し、ステアリングロール5の上部に移動する。この際、鋼板Hが搬送方向の中心位置からずれている場合には、後述する方法でステアリングロール4、5の回転方向を制御し、ステアリングロール4、5自体の位置をステアリングロール4の長手方向の中心下端Xを中心に回転させる。そして、このようにステアリングロール5を回転させることで鋼板Hを板曲がり方向と反対側に移動させ、鋼板Hをセンタリングする。その後、鋼板Hはステアリングロール5の上部から冷間圧延機2に向かって水平に進行し、鋼板Hはセンタリングされた状態で冷間圧延機2に進入する。
次に、ステアリングロール4、5自体の位置の回転を制御する方法について説明する。図4はステアリングロール4、5自体の位置の回転の制御手順を示すフロー図である。
まず、鋼板Hの冷間圧延の立ち上げ時(すなわち、鋼板Hを接続して、通板速度を増加させる間)には、冷間圧延機2に近い第2のセンサ11を鋼板Hのセンタリング制御に用いる(ステップS1)。第2のセンサ11を用いる理由は、鋼板Hの通板速度が低速域であるので、鋼板Hの幅方向端部の変位の周波数が低いこと、また立ち上げ時は鋼板Hの先端部や溶接部を含むので、波長の長いキャンバが存在することが多いためである。なお、この時点では、第1のセンサ10でも振動周波数を検出している。
次に、第1のセンサ10で検出される鋼板Hの振動周波数が、切替周波数F以下の場合には、第2のセンサ11がそのまま鋼板Hのセンタリング制御に用いられる。一方、第1のセンサ10で検出される鋼板Hの振動周波数が、切替周波数Fより大きい場合には、鋼板Hのセンタリング制御は第1のセンサ10に切り替えられる(ステップS2)。
前記ステップS2で、鋼板Hのセンタリング制御に第1のセンサ10と第2のセンサ11のいずれのセンサを用いるかが決定され、鋼板Hのセンタリング制御が行われている間にも、第1のセンサ10又は第2のセンサ11で鋼板Hの振動周波数を検出し、切替制御部21によって、第1のセンサ10又は第2のセンサ11を切り替える。すなわち、第2のセンサ11を用いて鋼板Hのセンタリング制御を行っている場合には、第1のセンサ10が検出する鋼板Hの振動周波数が、切替周波数F以下であれば、そのまま第2のセンサ11を用い、第1のセンサ10が検出する鋼板Hの振動周波数が、切替周波数Fを超えると、第1のセンサ10に切り替えられる。また、第1のセンサ10を用いて鋼板Hのセンタリング制御を行っている場合には、第2のセンサ11が検出する鋼板Hの振動周波数が、切替周波数Fより大きければ、そのまま第1のセンサ10を用い、第1のセンサ10が検出する鋼板Hの振動周波数が、切替周波数F以下であれば、第2のセンサ11に切り替えられる(ステップS3)。
なお、前記ステップS2及びステップS3において、ステアリングロール4、5の上流側で鋼板Hの長手方向の幅方向の位置変化(振動の波長)が予め測定されている場合には、鋼板Hの通板速度を測定することで振動周波数が計算でき、これにより切替周波数Fより大きいか否かを判別できる。具体的には、鋼板Hの先端部と尾端部との溶接部直後における長手方向での鋼板Hの幅方向の位置変化の情報(振動の波長)とステアリングロール4、5を通過する際の鋼板Hの通板速度を用いて、鋼板Hの通板速度を予め測定した鋼板Hの振動の波長で除すことで、鋼板Hの振動周波数を算出する。そして、算出された振動周波数と切替周波数Fを比較する。この方法では、鋼板Hの幅方向の大きな位置変化をセンタリング装置3よりも前段階で検出できるので、キャンバのような大きな幅方向の位置変化に対しては応答性がよい場合もある。また、第1のセンサ10又は第2のセンサ11で測定した波形にノイズが入り周波数解析が困難な場合や、鋼種、サイズ、熱延条件、ステアリングロール4、5の磨耗条件等で、検出される振動周波数とステアリングロール4、5の動作周期が干渉するような場合には、前述のとおり鋼板Hの通板速度から鋼板Hの振動周波数を算定して、鋼板Hのセンタリング制御のために第1のセンサ10又は第2のセンサ11を切り替えることも有効である。
以上のように切替制御部21において、鋼板Hのセンタリング制御に第1のセンサ10と第2のセンサ11のいずれのセンサを用いるかが決定すると、当該第1のセンサ10又は第2のセンサ11による鋼板Hの幅方向端部の検出結果は、CPCアンプ22で増幅されて、演算部23に出力される。演算部23では、第1のセンサ10又は第2のセンサ11の検出結果に基づいて、ステアリングロール5と冷間圧延機2を通板する鋼板Hがセンタリングされるようにステアリングロール4、5の回転方向を演算する。そして演算部23では、このステアリングロール4、5の回転方向の演算結果に基づいて、油圧装置8の操作量が演算される。
演算部23での演算結果は油圧装置8に出力される。この出力結果に基づいて、油圧装置8がシリンダー7を作動させることで、ステアリングロール4、5自体の位置が所定の回転方向に回転する。そしてこのステアリングロール4、5自体の位置の回転により、鋼板Hがセンタリングされる。
以上の実施の形態によれば、制御部20の切替制御部21では、鋼板Hのセンタリング制御に第1のセンサ10の検出結果を用いている場合、第2のセンサ11で振動周波数を検出して、第2のセンサ11で検出した振動周波数が切替周波数F以下になる場合、センタリング制御に第2のセンサ11の検出結果を用いるように、制御を切り替える。一方、センタリング制御に第2のセンサ11の検出結果を用いている場合、第1のセンサ10で振動周波数を検出して、第1のセンサ10で検出した振動周波数が切替周波数Fより大きくなる場合、センタリング制御に第1のセンサ10の検出結果を用いるように、センタリング制御を切り替える。これによって、第1のセンサ10では、鋼板Hの高周波成分を検出してステアリングロール4、5自体の位置の回転を制御ができ、第2のセンサ11では、鋼板Hの低周波成分を検出してステアリングロール4、5自体の位置の回転の制御ができる。かかる場合、第1のセンサ10の検出結果を用いる場合には、第1のセンサ10が検出する鋼板Hの振動周波数は高周波成分であり、鋼板Hには、冷間圧延にかけられる許容張力の中でも比較的高い張力がかけられている。したがって、ステアリングロール4、5と冷間圧延機2の距離が長い場合でも、第1のセンサ10の検出結果を用いて冷間圧延機2の入口側直前の鋼板Hを適切にセンタリングすることができる。また、第2のセンサ11の検出結果を用いる場合には、第2のセンサ11が検出する鋼板Hの振動周波数は低周波成分であるので、オーバーシュートすることなく、冷間圧延機2の入口側直前の鋼板Hを適切にセンタリングすることができる。したがって、ステアリングロール4、5と冷間圧延機2の距離が長い場合でも、鋼板Hを適切にセンタリングすることができる。
また、第2のセンサ11の位置では鋼板Hの振動は十分に減衰し、第2のセンサ11は鋼板Hの低周波成分を検出するので、ゲインを大きくすることができ、整定時間を短くできる。また、第1のセンサ10の位置では、第1のセンサ10とステアリングロール5との距離L1が短いので、第1のセンサ10が鋼板Hの高周波成分を検出し、整定時間を短くできる。
また、第2のセンサがオーバーシュートしない最高ゲインにより定まる整定時間Tは、前記式(4)の関係を満たしているので、鋼板の急峻なキャンバ等の変動でも制御することができる。
以上の実施の形態の制御部20の切替制御部21において、第1のセンサ10又は第2のセンサ11の切り替える際に(図4ステップS2、S3)、第1のセンサ10と第2のセンサ11で検出される鋼板Hの幅方向端部の位置の差が所定の値より大きい場合、第1のセンサ10又は第2のセンサ11の検出結果の信号がCPCアンプ22で増幅される際のゲインを小さくしてもよい。第1のセンサ10と第2のセンサ11を切り替える際に、例えばそれぞれのセンサ10、11で検出される鋼板Hの幅方向端部の位置の偏差量が所定の値、例えば5mmより大きい場合には、急激な修正動作が行われることが予想される。そこで図5に示すように、偏差量が5mm〜10mmの場合に、CPCアンプ22におけるゲインを減少させ、偏差量が10mmを超えると、一定のゲインとする。このようにゲインを小さくすることによって、整定時間を長くし、急激な修正動作を抑えて鋼板Hを適切にセンタリングすることができる。
なお、第2のセンサ11と同時に第1のセンサ10でも切替周波数F以下の振動周波数を検出できる場合には、第1のセンサ10で切替周波数F以下の振動を検出した場合においても、鋼板Hのセンタリング制御を第2のセンサ11に切り替えるようにしてもよい。この場合に、第1のセンサ10で検出できる切替周波数以下の振動の振幅は、第2のセンサ11で検出できる切替周波数F以下の振動の振幅より小さいので、検出感度を上げる工夫を要する。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に相到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
以下、本発明の鋼板のセンタリング制御を行い、冷間圧延機の入口側に発生する鋼板のウォークの許容範囲について説明する。なお、本実施例の冷間圧延機としては、先に図1に示した冷間圧延機2を用いた。
本実施例においては、冷間圧延機2の入口側における鋼板Hのウォークを変化させて鋼板Hを冷間圧延し、冷間圧延後の鋼板Hの急峻度を測定した。そして、冷間圧延後の鋼板Hが製品として望ましい1%以下の急峻度を有するための、鋼板Hのウォークの許容範囲を探った。図6は、冷間圧延機2の入口側における鋼板Hのウォークと、鋼板Hの急峻度の関係を測定した結果である。図6の縦軸は鋼板Hの急峻度を示し、横軸は鋼板Hの幅方向の距離であり、0mが鋼板Hの中心位置である。図6を参照すると、冷間圧延後の鋼板Hの急峻度を1%以下にするためには、冷間圧延機2の入口側における鋼板Hのウォークは5mm以下であることが望ましいことが分かった。
以下、本発明の鋼板のセンタリング制御を行う実施例において、冷間圧延機に近い第2のセンサを用いて、その位置での整定時間を測定した例を示す。なお、鋼板のセンタリング装置としては、先に図1で示したセンタリング装置3を用いた。この実施例において、第2のセンサ11はステアリングロール5から約9mの位置に設置した。また、鋼板Hには厚み2.7mm、幅1030mmの鋼板を用い、冷間圧延機2の入口側の通板速度は17mpmである。なお、mpmとは、meter per minuteの略である。
本実施例においては、鋼板Hをセンタリング装置3に通板させている間に、一旦制御部20による制御を停止し、センサ10、11のセンター位置を鋼板Hの幅方向に10mmずらした後、再度第2のセンサ11の検出結果を用いて、制御部20による鋼板Hのセンタリングの制御を行った。この第2のセンサ11の位置での切替周波数Fは前記式(1)より0.33Hz以下が適正であることが求められた。このときの第2のセンサ11と第1のセンサ10で検出した鋼板Hのウォークの時系列を図7に示す。なお、図7は、チャートをそのまま書き写したので、時間は右端から左端に向かって流れている。図7を参照すると、第2のセンサ11の検出結果に基づいて鋼板Hのセンタリングを制御した場合、その整定時間は1.5秒と、短時間で鋼板Hのセンタリングを行うことができることが分かった。また、第2のセンサ11で制御した場合、鋼板Hのウォークは約±5mmであり、実施例1において述べた鋼板Hのウォークの許容範囲内である5mm以内に収まっていることが分かる。
次に、本発明の鋼板のセンタリング制御を行う実施例において、第1のセンサを用いた場合と第2のセンサを用いた場合について、説明する。本実施例は、鋼板でキャンバ等の急峻な板曲がりが発生しやすい先端部と尾端部との溶接部において、鋼板のセンタリングの制御を行い、後述する比較例との比較を行った。なお、鋼板のセンタリング装置としては、先に図1で示したセンタリング装置3を用いた。この実施例において、第1のセンサ10はステアリングロール5から2mの位置、第2のセンサ11はステアリングロール5から約9mの位置に設置した。本実施例の結果を示した図8中において、溶接部の前方の試験材1の鋼板Hは、厚み2.7mm、幅1024mmの鋼板であり、冷間圧延機2の入口側の通板速度は17mpmである。また、溶接部の後方の試験材2の鋼板Hは、厚み2.7mm、幅1013mmの鋼板であり、冷間圧延機2の入口側の通板速度は17mpmである。この場合の切替周波数Fは、0.3Hzとした。図8に、本実施例の鋼板Hのセンタリングを行った結果を示す。なお、図8は、チャートをそのまま書き写したので、時間は右端から左端に向かって流れている。
図8を参照すると、図8の右側の時点(図中aの点)で、第1のセンサ10で検出した振動周波数0.28Hzであり、予め設定された切替周波数Fの0.3Hzよりも小さかったので、第2のセンサ11に切り替えてセンタリング制御を行った。そして溶接部を通過する、範囲Qにおいて、第1のセンサ10で検出された鋼板Hの振動周波数は、0.01Hz〜0.02Hzであり、予め設定された切替周波数Fの0.3Hzよりも小さかったので、そのまま、第2のセンサ11を用いてセンタリング制御を行った。
この結果、鋼板Hの溶接部がステアリングロール5と冷間圧延機2の間を通過する範囲Qにおいて、第2のセンサ11の位置では、鋼板Hのウォークは±2mm〜±3mm以内であり、実施例1において述べた鋼板Hのウォークの許容範囲内である±5mmに収めることができた。したがって、鋼板Hを適切にセンタリングできていることが分かる。
次に、鋼板のセンタリング制御を行う比較例として、第1のセンサのみを用いた場合について、前述の実施例と比較して説明する。なお、鋼板のセンタリング装置としては、先に図1で示したセンタリング装置3を用いた。この比較例の結果を示した図9中において、溶接部の前方の試験材1の鋼板Hは、厚み2.7mm、幅1024mmの鋼板であり、冷間圧延機2の入口側の通板速度は17mpmである。また、溶接部の後方の試験材2の鋼板Hは、厚み2.7mm、幅1013mmの鋼板であり、冷間圧延機2の入口側の通板速度は同様に17mpmである。
本比較例においては、鋼板Hでキャンバ等の急峻な板曲がりが発生しやすい先端部と尾端部との溶接部において、鋼板Hのセンタリングの制御を行った場合の比較を前述の実施例と対照して比較行った。図9に、第1のセンサ10のみを用いて鋼板Hのセンタリングを行った結果を示す。なお、図9では、第2のセンサ11で検出した変位も合わせて記しているがこの場合には、第2のセンサ11で検出した振動周波数をもとに、第1のセンサ10から第2のセンサ11に切り替えることは行わなかった。したがって、図9は、第1のセンサ10のみを用いてセンタリング制御した場合の第1のセンサ10と第2のセンサ11で検出のみした鋼板Hのウォークの時系列を示している。また、図9は、チャートをそのまま書き写したので、時間は右端から左端に向かって流れている。
図9を参照すると、鋼板Hの溶接部がステアリングロール5と冷間圧延機2の間を通過する範囲Pの以前に、第2のセンサ11で、0.1Hzの振動周波数を検出した。一方、第1のセンサ10でも同程度の振動周波数を検出していた。そして、第1のセンサ10の位置では、0.01Hz〜0.02Hzの振動周波数は検出したが、鋼板Hのウォークは±1mm以内と、適切にセンタリングが行われた。しかしながら、本比較例では、切替周波数Fによりセンサを切り替えるという制御を行わなかったので、第2のセンサ11の位置では、鋼板Hのウォークは15mm程度であり、鋼板Hのセンタリングが適切に行われなかった。なお、この場合でも第2のセンサ11においても0.02Hz程度の振動周波数を検出していた。
以上の実施例(図8)と比較例(図9)の比較から、鋼板Hの溶接部が通過する範囲P、Qが存在するような場合のセンタリング制御において、鋼板Hの振動周波数が切替周波数Fよりも小さい場合、第2のセンサ11に切り替えて鋼板Hを制御すると、鋼板Hを適切にセンタリングできることが分かった。なお、本比較例では、第2のセンサ11と同時に第1のセンサ10でも切替周波数F以下の振動を検出している。このことから、第1のセンサ10で切替周波数F以下の振動を検出した場合にも、センタリング制御を第2のセンサ11に切り替えるようにしてもよい。
以下、本発明の鋼板のセンタリング制御を行う実施例において、ステアリングロールの上流側で鋼板の長手方向の幅方向の位置変化(振動の波長)が予め測定できる場合に、この測定された波長と鋼板の通板速度から鋼板の振動周波数を算出し、この振動周波数を用いて第1のセンサ又は第2のセンサを切り替える例を示す。なお、鋼板のセンタリング装置としては、図10に示すように、先に図1で示したセンタリング装置3の構成に加えて、ステアリングロール4、5の上流側の溶接機30とループ31の間に、鋼板Hの幅方向端部の位置を検出する第3のセンサ32が設けられている。
本実施例においては、第3のセンサ32において、鋼板Hの溶接部後で3.4mの波長の曲がりを検出した。この波長では、ステアリングロール4、5を通過する際の通板速度が1m/sであると、周波数が0.3Hz以下になることが予め計算でき、切替周波数F以下であった。なお、溶接前の鋼板Hは2m/sの速度でセンタリング装置を通板していたが、鋼板Hの溶接部が冷間圧延機2を通過する際には、鋼板Hの通板速度を1m/sに下げた。そこで、鋼板Hの溶接部が冷間圧延機2を通過するより前の時点で速度が1m/sになった時に、第1のセンサ10から第2のセンサ11に切り替えて、鋼板Hのセンタリング制御を行った。これによって、鋼板Hのウォークの許容範囲内である±5mmに収めることができ、鋼板Hを適切にセンタリングすることができた。
本発明は、鋼板を冷間圧延する前に、当該鋼板をセンタリングする際に有用である。
本実施の形態にかかるセンタリング装置が設置された冷間圧延設備の構成の要部を示す側面図である。 ステアリングロールが回転する様子を示した説明図である。 ステアリングロールと冷間圧延機の間に2基のセンサを設置した場合の、それぞれのセンサ位置における鋼板の振動周波数、ゲイン、時定数、整定時間を示した説明図である。 ステアリングロール自体の位置の回転の制御手順を示すフロー図である。 第1のセンサと第2のセンサで検出する鋼板の幅方向端部の位置の偏差量とゲインの関係を示す説明図である。 実施例1において、冷間圧延前の鋼板のウォークと冷間圧延後の鋼板の急峻度との関係し示す説明図である。 実施例2において、第2のセンサで鋼板のセンタリングを制御した場合の鋼板の位置を示す説明図である。 実施例3において、第1のセンサと第2のセンサで鋼板のセンタリングを制御した場合の鋼板の位置を示す説明図である。 比較例において、第1のセンサで鋼板のセンタリングを制御した場合の鋼板の位置を示す説明図である。 実施例4において、鋼板のセンタリング制御に用いたセンタリング装置の構成の概略を示す説明図である。
符号の説明
1 冷間圧延設備
2 冷間圧延機
3 センタリング装置
4、5 ステアリングロール
6 支持枠
7 シリンダー
8 油圧装置
10 第1のセンサ
10a 受波器
10b 送波器
11 第2のセンサ
11a 受波器
11b 送波器
12 第1のアンプ
13 第2のアンプ
20 制御部
21 切替制御部
22 CPCアンプ
23 演算部
30 溶接機
31 ループ
32 第3のセンサ
A 振動周波数
B ゲイン
C 時定数
D 整定時間
F 切替周波数
H 鋼板
L ステアリングロールと冷間圧延機との距離
L1 ステアリングロールと第1のセンサとの距離
L2 ステアリングロールと第2のセンサとの距離
T 第2のセンサがオーバーシュートしない最高ゲインにより定まる整定時間
X ステアリングロールの長手方向の中心下端
V 鋼板の通板速度

Claims (11)

  1. 鋼板を冷間圧延する前に、当該鋼板をセンタリングする方法であって、
    鋼板を冷間圧延する冷間圧延機の入口側に設けられたステアリングロール自体の位置を回転させて、当該鋼板をセンタリングする工程と、
    前記ステアリングロールと前記冷間圧延機との間で前記ステアリングロールに近い側に設けられた第1のセンサと、前記ステアリングロールと前記冷間圧延機との間で前記冷間圧延機に近い側に設けられた第2のセンサとで、鋼板の幅方向端部の位置と鋼板の振動周波数を検出する工程と、
    前記第1のセンサ又は第2のセンサのいずれかの検出結果を用いて、前記ステアリングロールの回転方向を演算し、当該ステアリングロール自体の位置の回転を制御する工程と、を有し、
    前記ステアリングロール自体の位置の回転を制御する工程において、
    前記第1のセンサの検出結果を前記ステアリングロールの制御に用いる場合、前記第2のセンサが検出する鋼板の振動周波数が下記式(1)で算出される切替周波数F以下になれば、前記第2のセンサに切り替えて、当該第2のセンサの検出結果を用い、
    前記第2のセンサの検出結果を前記ステアリングロールの制御に用いる場合、前記第1のセンサが検出する鋼板の振動周波数が前記切替周波数Fより大きくなれば、前記第1のセンサに切り替えて、当該第1のセンサの検出結果を用いることを特徴とする、鋼板のセンタリング方法。
    F≦0.5/T・・・・式(1)
    但し、Tは、前記第2のセンサが検出する鋼板の振動周波数がオーバーシュートしない最大のゲインで、当該第2のセンサが鋼板の幅方向端部の位置を検出してから鋼板のセンタリングが完了するまでの整定時間である。
  2. 鋼板を冷間圧延する前に、当該鋼板をセンタリングする方法であって、
    鋼板を冷間圧延する冷間圧延機の入口側に設けられたステアリングロール自体の位置を回転させて、当該鋼板をセンタリングする工程と、
    前記ステアリングロールと前記冷間圧延機との間で前記ステアリングロールに近い側に設けられ、鋼板の幅方向端部の位置と鋼板の振動周波数を検出する第1のセンサ、又は、前記ステアリングロールと前記冷間圧延機との間で前記冷間圧延機に近い側に設けられ、鋼板の幅方向端部の位置と鋼板の振動周波数を検出する第2のセンサのいずれかの検出結果を用いて、前記ステアリングロールの回転方向を演算し、当該ステアリングロール自体の位置の回転を制御する工程と、を有し、
    前記ステアリングロール自体の位置の回転を制御する工程において、
    前記ステアリングロールの上流側における鋼板の幅方向端部の位置を測定して鋼板の長手方向の振動の波長を算出し、
    前記鋼板の幅方向端部の位置を測定した位置の鋼板が前記ステアリングロールを通過する際の通板速度を測定し、
    前記測定された通板速度を、前記算出された鋼板の長手方向の波長で除して振動周波数を算出し、
    前記第1のセンサの検出結果を前記ステアリングロールの制御に用いる場合、前記算出された振動周波数が下記式(1)で算出される切替周波数F以下になれば、前記第1のセンサから前記第2のセンサに切り替えて、当該第2のセンサの検出結果を用い、
    前記第2のセンサの検出結果を前記ステアリングロールの制御に用いる場合、前記算出された振動周波数が前記切替周波数Fより大きくなれば、前記第2のセンサから前記第1のセンサに切り替えて、当該第1のセンサの検出結果を用いることを特徴とする、鋼板のセンタリング方法。
    F≦0.5/T・・・・式(1)
    但し、Tは、前記第2のセンサが検出する鋼板の振動周波数がオーバーシュートしない最大のゲインで、当該第2のセンサが鋼板の幅方向端部の位置を検出してから鋼板のセンタリングが完了するまでの整定時間である。
  3. 前記切替周波数Fは、下記式(2)で算出されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の鋼板のセンタリング方法。
    F=0.5/T−α・・・・式(2)
    但し、αは、α≦0.5×(0.5/T)の関係を満たしている。
  4. 鋼板の冷間圧延の立ち上げ時の前記ステアリングロール自体の位置の回転の制御において、
    前記第2のセンサを用いて前記ステアリングロールの制御を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼板のセンタリング方法。
  5. 前記冷間圧延機と前記ステアリングロールとの間の距離をLとし、鋼板の通板速度の最大値をVmaxとした場合、
    前記整定時間Tは、
    T<2L/Vmax
    の関係を満たすことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の鋼板のセンタリング方法。
  6. 前記第1のセンサは前記ステアリングロールから2m以内の位置に設けられ、
    前記第2のセンサは前記ステアリングロールから5m以上の位置に設けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の鋼板のセンタリング方法。
  7. 鋼板を冷間圧延する前に、当該鋼板をセンタリングする鋼板のセンタリング装置であって、
    鋼板を冷間圧延する冷間圧延機の入口側に設けられ、鋼板をセンタリングする回転自在のステアリングロールと、
    前記ステアリングロールと前記冷間圧延機との間であって、前記ステアリングロールに近い側に設けられ、鋼板の幅方向端部の位置と鋼板の振動周波数を検出する第1のセンサと、
    前記ステアリングロールと前記冷間圧延機との間であって、前記冷間圧延機に近い側に設けられ、鋼板の幅方向端部の位置と鋼板の振動周波数を検出する第2のセンサと、
    前記第1のセンサ又は第2のセンサのいずれかの検出結果を用いて、前記ステアリングロールの回転方向を演算し、当該ステアリングロール自体の位置の回転を制御する制御部と、を有し、
    前記制御部では、
    前記第1のセンサの検出結果を前記ステアリングロールの制御に用いる場合、前記第2のセンサが検出する鋼板の振動周波数が下記式(1)で算出される切替周波数F以下になれば、前記第2のセンサに切り替えて、当該第2のセンサの検出結果を用い、
    前記第2のセンサの検出結果を前記ステアリングロールの制御に用いる場合、前記第1のセンサが検出する鋼板の振動周波数が前記切替周波数Fより大きくなれば、前記第1のセンサに切り替えて、当該第1のセンサの検出結果を用いることを特徴とする、鋼板のセンタリング装置。
    F≦0.5/T・・・・式(1)
    但し、Tは、前記第2のセンサが検出する鋼板の振動周波数がオーバーシュートしない最大のゲインで、当該第2のセンサが鋼板の幅方向端部の位置を検出してから鋼板のセンタリングが完了するまでの整定時間である。
  8. 鋼板を冷間圧延する前に、当該鋼板をセンタリングする鋼板のセンタリング装置であって、
    鋼板を冷間圧延する冷間圧延機の入口側に設けられ、鋼板をセンタリングする回転自在のステアリングロールと、
    前記ステアリングロールと前記冷間圧延機との間であって、前記ステアリングロールに近い側に設けられ、鋼板の幅方向端部の位置と鋼板の振動周波数を検出する第1のセンサと、
    前記ステアリングロールと前記冷間圧延機との間であって、前記冷間圧延機に近い側に設けられ、鋼板の幅方向端部の位置と鋼板の振動周波数を検出する第2のセンサと、
    前記第1のセンサ又は第2のセンサのいずれかの検出結果を用いて、前記ステアリングロールの回転方向を演算し、当該ステアリングロール自体の位置の回転を制御する制御部と、を有し、
    前記制御部では、
    前記ステアリングロールの上流側における鋼板の幅方向端部の位置を測定して鋼板の長手方向の振動の波長を算出し、
    前記鋼板の幅方向端部の位置を測定した位置の鋼板が前記ステアリングロールを通過する際の通板速度を測定し、
    前記測定された通板速度を、前記算出された鋼板の長手方向の波長で除して振動周波数を算出し、
    前記第1のセンサの検出結果を前記ステアリングロールの制御に用いる場合、前記算出された振動周波数が下記式(1)で算出される切替周波数F以下になれば、前記第1のセンサから前記第2のセンサに切り替えて、当該第2のセンサの検出結果を用い、
    前記第2のセンサの検出結果を前記ステアリングロールの制御に用いる場合、前記算出された振動周波数が前記切替周波数Fより大きくなれば、前記第2のセンサから前記第1のセンサに切り替えて、当該第1のセンサの検出結果を用いることを特徴とする、鋼板のセンタリング装置。
    F≦0.5/T・・・・式(1)
    但し、Tは、前記第2のセンサが検出する鋼板の振動周波数がオーバーシュートしない最大のゲインで、当該第2のセンサが鋼板の幅方向端部の位置を検出してから鋼板のセンタリングが完了するまでの整定時間である。
  9. 前記切替周波数Fは、下記式(2)で算出されることを特徴とする、請求項7又は8に記載の鋼板のセンタリング装置。
    F=0.5/T−α・・・・式(2)
    但し、αは、α≦0.5×(0.5/T)の関係を満たしている。
  10. 前記冷間圧延機と前記ステアリングロールとの間の距離をLとし、鋼板の通板速度の最大値をVmaxとした場合、
    前記整定時間Tは、
    T<2L/Vmax
    の関係を満たすことを特徴とする、請求項7〜9のいずれかに記載の鋼板のセンタリング装置。
  11. 前記第1のセンサは前記ステアリングロールから2m以内の位置に設けられ、
    前記第2のセンサは前記ステアリングロールから5m以上の位置に設けられていることを特徴とする、請求項7〜10のいずれかに記載の鋼板のセンタリング装置。
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