JP2003019505A - 冷間圧延機のロール偏心補償装置 - Google Patents

冷間圧延機のロール偏心補償装置

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JP2003019505A
JP2003019505A JP2001201866A JP2001201866A JP2003019505A JP 2003019505 A JP2003019505 A JP 2003019505A JP 2001201866 A JP2001201866 A JP 2001201866A JP 2001201866 A JP2001201866 A JP 2001201866A JP 2003019505 A JP2003019505 A JP 2003019505A
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JP
Japan
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roll
eccentricity
angle
load
backup
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JP2001201866A
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Kenichiro Sasamoto
健一郎 笹本
Yasuaki Nakamura
康昭 中村
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B37/00Control devices or methods specially adapted for metal-rolling mills or the work produced thereby
    • B21B37/58Roll-force control; Roll-gap control
    • B21B37/66Roll eccentricity compensation systems

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Control Of Metal Rolling (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 バックアップロール角度を推定して角度補正
し、製品生産性の悪化やコストアップを招くことなく最
終製品の板厚精度の向上させた冷間圧延機のロール偏心
補償装置を得る。 【解決手段】 実績荷重を検出する荷重計6と、ワーク
ロール角度を検出する角度検出器11と、一定時間に収
集された偏心情報に基づいて制御パラメータを算出する
計算機13と、被圧延材1の板厚を調整するロール間隔
調整装置10とを備え、計算機13は、ワークロール角
度からバックアップロール角度を算出する回路14と、
実績荷重に対しバックアップロール角度によるFFTを
施してロール偏心量およびロール偏心周期を算出する回
路12と、バックアップロール角度の補正角度を推定演
算する回路15とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鋼板などの冷間
圧延プラントに用いられるロール(Roll)偏心補償
装置であって、ロール偏心に起因した最終製品の板厚変
動を抑制するための冷間圧延機のロール偏心補償装置に
関し、特に圧延工程の第1スタンドのバックアップロー
ルに発生するロール偏心を効果的に抑制した冷間圧延機
のロール偏心補償装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、鋼板の冷間圧延プラントに用い
られる連続圧延機の1つのスタンドにおいて、ワークロ
ールの外側に位置するバックアップロールで発生するロ
ール偏心は、最終製品の板厚に変動を引き起こし易いの
で、当該スタンドで除去されるように制御しなければな
らない。
【0003】図9はたとえば特開平1−293915号
公報または特開平8−132113号公報などに参照さ
れる従来の冷間圧延機のロール偏心補償装置を説明する
ための圧延機制御装置を示すブロック構成図である。
【0004】図9において、1は鋼板などの被圧延材、
2は被圧延材1を上方から押圧補助するトップバックア
ップロール、3は被圧延材1を下方から押圧補助するボ
トムバックアップロール、4および5は被圧延材1を上
下から挟んで圧延するモータを含むワークロールであ
る。
【0005】6はトップバックアップロール2に設けら
れた荷重計、7は各バックアップロール2および3に設
けられた角度検出器、8は各種センサ情報を処理するデ
ータ処理回路、9はデータ処理回路8の後段に接続され
たFFT(Fast Fourier Transfo
rm:高速フーリエ変換)演算回路、10はボトムバッ
クアップロール3に設けられて各バックアップロール2
および3の間隔を調整するロール間隔調整装置である。
【0006】次に、図9に示した従来の圧延機制御装置
の概略動作について説明する。まず、各種センサに基づ
くデータ収集構成およびデータ処理フローについて説明
する。
【0007】被圧延材1に対する圧延荷重は、荷重計6
によって検出され、トップバックアップロール2および
ボトムバックアップロール3の回転角度は、各バックア
ップロール2および3に取り付けられた角度検出器7に
よって検出される。
【0008】荷重計6により検出された圧延荷重、なら
びに、角度検出器7により検出された各バックアップロ
ール2および3の回転角度は、データ処理回路8に送ら
れ、データ処理された後、FFT演算回路9に送られ
る。
【0009】FFT演算回路9は、データ処理回路8を
介した各種センサ情報を用いてフーリエ級数展開を行
い、各バックアップロール2および3毎に級数を合成
し、ロール偏心量を求める。
【0010】次に、ロール間隔調整装置10は、FFT
演算回路9で演算されたロール偏心量がゼロになるよう
な制御量を演算し、ロール間隔調整信号を生成してボト
ムバックアップロール3を最適に調整し、冷間圧延プラ
ントを制御する。以上の処理を所定タイミング毎に実行
することにより、ロール偏心量をゼロにすることができ
る。
【0011】次に、図9を参照しながら、従来の圧延機
制御装置によるロール偏心補償装置について具体的に説
明する。まず、被圧延材1に対する圧延が開始される
と、荷重計6および角度検出器7により、圧延荷重およ
び各バックアップロール2、3の回転角度(以下、「バ
ックアップロール角度」という)が検出され、データ処
理回路8により処理された後、FFT演算回路9により
フーリエ展開される。
【0012】ここで、たとえば各バックアップロール2
および3でロール偏心が発生している場合には、ロール
偏心により圧延荷重F(t)に周期変動が発生するの
で、ロール偏心荷重F(t)の周期変動を、各バックア
ップロール角度を用いて、以下の(1)〜(8)式のよ
うに各波数の級数に展開して求める。
【0013】
【数1】
【0014】ただし、(1)〜(8)式において、θT
(t)はトップバックアップロール2の回転角度、θB
(t)はボトムバックアップロール3の回転角度、FT
(t)はトップバックアップロール2の偏心量、F
B(t)はボトムバックアップロール3の偏心量、αT
トップバックアップロール2の回転位相補正角度、αB
はボトムバックアップロール3の回転位相補正角度であ
る。
【0015】また、nは波数であり、1倍波の場合に
は、n=1であり、2倍波の場合には、n=2である。
上記(1)〜(8)式により求められた各ロール偏心量
T(t)、FB(t)および回転位相補正角度αT、αB
は、ロール間隔調整装置10に送られる。
【0016】これにより、ロール間隔調整装置10、ロ
ール偏心量がゼロになるようなロール間隔調整信号を圧
延プラントに出力する。以上の処理は所定タイミングで
実行され、ロール偏心量がゼロとなるように制御が行わ
れる。
【0017】このように、荷重計6から検出される圧延
荷重と、各バックアップロール2、3に装着された角度
検出器7から検出される回転角度とを用いて、高価な専
用コントローラを用いたFFT演算によりロール偏心量
を求め、ロール偏心を除去するように圧延プラントをフ
ィードバック制御している。
【0018】しかしながら、各バックアップロール2、
3に角度検出器7を装着すると、ロール交換の際に、角
度検出器7も取り外さなければならず、ロール交換に要
する時間が増えるので、圧延工程が遅れて製品生産の障
害となってしまう。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】従来の冷間圧延機のロ
ール偏心補償装置は以上のように、各バックアップロー
ル2、3の回転角度を検出する角度検出器7を、各バッ
クアップロール2、3に設け、データ処理回路8、FF
T演算回路9およびロール間隔調整装置10を含む高価
な専用コントローラを用いて、短周期でロール偏心量を
制御しているので、コストアップを招くという問題点が
あった。
【0020】また、各バックアップロール2、3に角度
検出器7を設けていることから、各バックアップロール
2、3の交換時に角度検出器7も取り外さなければなら
ず、バックアップロール2、3の交換時間が増大して圧
延工程が遅れ、製品生産に障害をおよぼすという問題点
があった。
【0021】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、冷間圧延プラントのバックアッ
プロールに発生する周期的な荷重変動と、容易に検出可
能なワークロール角度とからロール偏心成分(周期およ
び振幅)を抽出し、比較的簡易な回路を用いて各バック
アップロールの回転角度(位相補正角度)を推定して角
度補正することにより、ロール偏心による板厚変動を抑
制し、製品生産性の悪化やコストアップを招くことなく
最終製品の板厚精度の向上させた冷間圧延機のロール偏
心補償装置を得ることを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】この発明に係る冷間圧延
機のロール偏心補償装置は、被圧延材を直接圧延するた
めのワークロールと、ワークロールの外側に配設された
バックアップロールと、バックアップロールを制御して
被圧延材の板厚を調節するロール間隔調整装置と、バッ
クアップロールで発生するロール偏心に関連した偏心情
報を検出するセンサ手段と、偏心情報に基づいてロール
間隔調整装置に対する制御パラメータを算出する演算手
段とを備え、ロール偏心を補償する冷間圧延機のロール
偏心補償装置において、センサ手段は、冷間圧延機の実
績荷重を検出する荷重計と、ワークロールの回転角度を
ワークロール角度として検出する角度検出器とを含み、
演算手段は、ワークロールのキスロール状態で検出され
た偏心情報に基づいて制御パラメータを算出する計算機
を含み、計算機は、ワークロール角度に基づいてバック
アップロールの回転角度をバックアップロール角度とし
て算出する角度変換回路と、キスロール状態で検出され
た実績荷重に対してバックアップロール角度によるFF
T演算処理を施し、ロール偏心量およびロール偏心周期
を算出するFFT演算回路と、角度変換回路およびFF
T演算回路と関連してバックアップロール角度の補正角
度を推定演算する補正角度推定回路とを含み、補正角度
推定回路は、被圧延材の圧延時に検出される実績荷重か
ら算出されたロール偏心周期の波形を抽出して、バック
アップロール角度が360度回転する区間での最小荷重
を検索し、最小荷重を示す最小ポイントでのバックアッ
プロール角度を補正角度として算出し、ロール間隔調整
装置は、ロール偏心量、ロール偏心周期および補正角度
を制御パラメータとして、ロール偏心を抑制するように
バックアップロールを制御するものである。
【0023】また、この発明に係る冷間圧延機のロール
偏心補償装置は、被圧延材を直接圧延するためのワーク
ロールと、ワークロールの外側に配設されたバックアッ
プロールと、バックアップロールを制御して被圧延材の
板厚を調節するロール間隔調整装置と、バックアップロ
ールで発生するロール偏心に関連した偏心情報を検出す
るセンサ手段と、偏心情報に基づいてロール間隔調整装
置に対する制御パラメータを算出する演算手段とを備
え、ロール偏心を補償する冷間圧延機のロール偏心補償
装置において、センサ手段は、冷間圧延機の実績荷重を
検出する荷重計と、ワークロールの回転角度をワークロ
ール角度として検出する角度検出器とを含み、演算手段
は、一定時間に収集された偏心情報に基づいて制御パラ
メータを算出する計算機を含み、計算機は、ワークロー
ル角度に基づいてバックアップロールの回転角度をバッ
クアップロール角度として算出する角度変換回路と、実
績荷重に対してバックアップロール角度によるFFT演
算処理を施し、ロール偏心量およびロール偏心周期を算
出するFFT演算回路と、角度変換回路およびFFT演
算回路と関連してバックアップロール角度の補正角度を
推定演算する補正角度推定回路とを含み、補正角度推定
回路は、ロール偏心周期の波形を抽出して、バックアッ
プロール角度が360度回転する区間での最小荷重を検
索し、最小荷重を示す最小ポイントでのバックアップロ
ール角度を補正角度として算出し、ロール間隔調整装置
は、ロール偏心量、ロール偏心周期および補正角度を制
御パラメータとして、ロール偏心を抑制するようにバッ
クアップロールを制御するものである。
【0024】また、この発明に係る冷間圧延機のロール
偏心補償装置による計算機は、偏心荷重分離回路を含
み、偏心荷重分離回路は、角度変換回路と、補正角度推
定回路およびFFT演算回路との間に挿入され、実績荷
重から、被圧延材の板厚に応じた自動制御量と、ロール
偏心制御動作分とを減算し、さらに平滑化処理を施した
補正荷重を、補正角度推定回路およびFFT演算回路に
入力し、補正角度推定回路は、補正荷重を用いて最小荷
重を示す最小ポイントを検索し、最小ポイントでのバッ
クアップロール角度を補正角度とするものである。
【0025】また、この発明に係る冷間圧延機のロール
偏心補償装置は、被圧延材を直接圧延するためのワーク
ロールと、ワークロールの外側に配設されたバックアッ
プロールと、バックアップロールを制御して被圧延材の
板厚を調節するロール間隔調整装置と、バックアップロ
ールで発生するロール偏心に関連した偏心情報を検出す
るセンサ手段と、偏心情報に基づいてロール間隔調整装
置に対する制御パラメータを算出する演算手段とを備
え、ロール偏心を補償する冷間圧延機のロール偏心補償
装置において、センサ手段は、冷間圧延機の実績荷重を
検出する荷重計と、ワークロールの回転角度をワークロ
ール角度として検出する角度検出器とを含み、演算手段
は、ワークロール角度に基づいてバックアップロールの
回転角度をバックアップロール角度として算出するため
の角度変換回路を有する第1のコントローラと、一定時
間に収集されたバックアップロール角度および実績荷重
に基づいてロール偏心周期およびロール偏心量を推定演
算するための偏心周期推定回路および偏心量推定回路を
有する計算機と、ロール偏心周期およびロール偏心量に
基づいてバックアップロール角度の補正角度を推定演算
するための補正角度推定回路を有する第2のコントロー
ラとを含み、計算機は、実績荷重の最大ポイントおよび
最小ポイントを検索し、バックアップロール角度、最大
ポイントおよび最小ポイントに基づいて、ロール偏心周
期およびロール偏心量を推定演算し、補正角度推定回路
は、バックアップロール角度が360度回転する区間で
の最小荷重を検索し、最小荷重を示す最小ポイントでの
バックアップロール角度を補正角度として算出して、さ
らにバックアップロール角度をバックアップロールの一
定回転毎に移動平均した値を補正角度として算出し、ロ
ール間隔調整装置は、ロール偏心量、ロール偏心周期お
よび補正角度を制御パラメータとして、ロール偏心を抑
制するようにバックアップロールを制御するものであ
る。
【0026】また、この発明に係る冷間圧延機のロール
偏心補償装置による計算機は、第1の偏心成分抽出回路
を有し、第2のコントローラは、第2の偏心成分抽出回
路を有し、第1の偏心成分抽出回路は、一定時間に収集
された実績荷重から、被圧延材の板厚に応じた自動制御
量とロール偏心制御動作分とを減算し、さらに平滑化処
理を施した補正荷重を、第2のコントローラに入力し、
第2のコントローラは、補正荷重を用いて、バックアッ
プロール角度が360度回転する区間での最小荷重を検
索し、最小荷重を示す最小ポイントでのバックアップロ
ール角度を算出して、さらにバックアップロール角度を
バックアップロールの一定回転毎に移動平均した値を補
正角度とするものである。
【0027】また、この発明に係る冷間圧延機のロール
偏心補償装置は、被圧延材を直接圧延するためのワーク
ロールと、ワークロールの外側に配設されたバックアッ
プロールと、バックアップロールを制御して被圧延材の
板厚を調節するロール間隔調整装置と、バックアップロ
ールで発生するロール偏心に関連した偏心情報を検出す
るセンサ手段と、偏心情報に基づいてロール間隔調整装
置に対する制御パラメータを算出する演算手段とを備
え、ロール偏心を補償する冷間圧延機のロール偏心補償
装置において、センサ手段は、冷間圧延機の実績荷重を
検出する荷重計と、ワークロールの回転角度をワークロ
ール角度として検出する角度検出器とを含み、演算手段
は、ワークロール角度に基づいてバックアップロールの
回転角度をバックアップロール角度として算出するため
の角度変換回路と、一定時間に収集された実績荷重か
ら、被圧延材の板厚に応じた自動制御量とロール偏心制
御動作分とを減算し、さらに平滑化処理を施した補正荷
重を算出する偏心成分抽出回路と、一定時間に収集され
たバックアップロール角度および補正荷重に基づいて、
ロール偏心周期およびロール偏心量を推定演算するため
の偏心周期推定回路および偏心量推定回路と、補正荷
重、ロール偏心周期およびロール偏心量に基づいて、バ
ックアップロール角度の補正角度を推定演算するための
補正角度推定回路とを含み、偏心周期推定回路および偏
心量推定回路は、補正荷重の最大ポイントおよび最小ポ
イントを検索し、バックアップロール角度、最大ポイン
トおよび最小ポイントに基づいて、ロール偏心周期およ
びロール偏心量を推定演算し、補正角度推定回路は、補
正荷重を用いて、バックアップロール角度が360度回
転する区間での最小荷重を検索し、最小荷重を示す最小
ポイントでのバックアップロール角度を算出して、さら
にバックアップロール角度をバックアップロールの一定
回転毎に移動平均した値を補正角度とし、ロール間隔調
整装置は、ロール偏心量、ロール偏心周期および補正角
度を制御パラメータとして、バックアップロールが一定
回転する毎に、ロール偏心を抑制するようにバックアッ
プロールを制御するものである。
【0028】また、この発明に係る冷間圧延機のロール
偏心補償装置によるロール間隔調整装置は、制御パラメ
ータが被圧延材の溶接点付近を示す場合には、制御パラ
メータに基づくバックアップロールの制御を禁止するも
のである。
【0029】また、この発明に係る冷間圧延機のロール
偏心補償装置は、冷間圧延機の第1スタンドに関連して
設けられたものである。
【0030】また、この発明に係る冷間圧延機のロール
偏心補償装置は、被圧延材を直接圧延するためのワーク
ロールと、ワークロールの外側に配設されたバックアッ
プロールと、バックアップロールを制御して被圧延材の
板厚を調節するロール間隔調整装置と、バックアップロ
ールで発生するロール偏心に関連した偏心情報を検出す
るセンサ手段と、偏心情報に基づいてロール間隔調整装
置に対する制御パラメータを算出する演算手段とを備
え、ロール偏心を補償する冷間圧延機のロール偏心補償
装置において、センサ手段は、スタンド入側での被圧延
材の板厚を検出する板厚計と、冷間圧延機の実績荷重を
検出する荷重計と、ワークロールの回転角度をワークロ
ール角度として検出する角度検出器とを含み、演算手段
は、ワークロール角度に基づいてバックアップロールの
回転角度をバックアップロール角度として算出するため
の角度変換回路と、一定時間に収集された実績荷重か
ら、被圧延材の板厚に応じた自動制御量とロール偏心制
御動作分とを減算し、さらに平滑化処理を施した補正荷
重を算出する偏心成分抽出回路と、一定時間に収集され
たバックアップロール角度および補正荷重に基づいて、
ロール偏心周期およびロール偏心量を推定演算するため
の偏心周期推定回路および偏心量推定回路と、補正荷
重、ロール偏心周期およびロール偏心量に基づいて、バ
ックアップロール角度の補正角度を推定演算するための
補正角度推定回路とを含み、偏心周期推定回路および偏
心量推定回路は、補正荷重の最大ポイントおよび最小ポ
イントを検索し、バックアップロール角度、最大ポイン
トおよび最小ポイントに基づいて、ロール偏心周期およ
びロール偏心量を推定演算し、補正角度推定回路は、補
正荷重を用いて、バックアップロール角度が360度回
転する区間での最小荷重を検索し、最小荷重を示す最小
ポイントでのバックアップロール角度を算出して、さら
にバックアップロール角度をバックアップロールの一定
回転毎に移動平均した値を補正角度として算出し、ロー
ル間隔調整装置は、ロール偏心量、ロール偏心周期およ
び補正角度を制御パラメータとして、バックアップロー
ルが一定回転する毎に、ロール偏心を抑制するようにバ
ックアップロールを制御するとともに、制御パラメータ
が被圧延材の溶接点付近を示す場合には、制御パラメー
タに基づくバックアップロールの制御を禁止するもので
ある。
【0031】また、この発明に係る冷間圧延機のロール
偏心補償装置は、被圧延材を直接圧延するためのワーク
ロールと、ワークロールの外側に配設されたバックアッ
プロールと、バックアップロールを制御して被圧延材の
板厚を調節するロール間隔調整装置と、バックアップロ
ールで発生するロール偏心に関連した偏心情報を検出す
るセンサ手段と、偏心情報に基づいてロール間隔調整装
置に対する制御パラメータを算出する演算手段とを備
え、ロール偏心を補償する冷間圧延機のロール偏心補償
装置において、センサ手段は、特定スタンド入側での被
圧延材の板厚を検出する板厚計と、冷間圧延機の実績荷
重を検出する荷重計と、ワークロールの回転角度をワー
クロール角度として検出する角度検出器とを含み、演算
手段は、ワークロール角度に基づいてバックアップロー
ルの回転角度をバックアップロール角度として算出する
ための角度変換回路と、一定時間に収集された実績荷重
から、被圧延材の板厚に応じた自動制御量とロール偏心
制御動作分とを減算し、さらに平滑化処理を施した補正
荷重を算出する偏心成分抽出回路と、一定時間に収集さ
れたバックアップロール角度および補正荷重に基づい
て、ロール偏心周期およびロール偏心量を推定演算する
ための偏心周期推定回路および偏心量推定回路と、補正
荷重、ロール偏心周期およびロール偏心量に基づいて、
バックアップロール角度の補正角度を推定演算するため
の補正角度推定回路とを含み、偏心周期推定回路および
偏心量推定回路は、補正荷重の最大ポイントおよび最小
ポイントを検索し、バックアップロール角度、最大ポイ
ントおよび最小ポイントに基づいて、ロール偏心周期お
よびロール偏心量を推定演算し、補正角度推定回路は、
補正荷重を用いて、バックアップロール角度が360度
回転する区間での最小荷重を検索し、最小荷重を示す最
小ポイントでのバックアップロール角度を算出して、さ
らにバックアップロール角度をバックアップロールの一
定回転毎に移動平均した値を補正角度として算出し、ロ
ール間隔調整装置は、ロール偏心量、ロール偏心周期お
よび補正角度を制御パラメータとして、バックアップロ
ールが一定回転する毎に、ロール偏心を抑制するように
バックアップロールを制御するとともに、制御パラメー
タが被圧延材の溶接点付近を示す場合には、制御パラメ
ータに基づくバックアップロールの制御を禁止し、さら
に、特定スタンド以外のスタンドに関する上流スタンド
入側または下流スタンド出側の板厚変動をトラッキング
して、板厚変動に起因する荷重変動を実績荷重から減算
した値を補正荷重として算出し、特定スタンドに対する
処理と同様の処理を施すことにより、ロール偏心を抑制
するものである。
【0032】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、図面を参照
しながら、この発明の実施の形態1について詳細に説明
する。図1はこの発明の実施の形態1による圧延運転時
の状態を示すブロック構成図であり、前述(図9参照)
と同様のものについては同一符号を付して詳述を省略す
る。
【0033】図1において、11はワークロール4およ
び5内のモータに常備されている角度検出器である。1
2は各種センサ情報を収集するコントローラであり、荷
重計6から検出される圧延荷重と、角度検出器11から
検出されるワークロール4および5の回転角度とを収集
して、計算機13に送信する。
【0034】13はコントローラ12を介した収集デー
タを取り込む計算機であり、前述のFFT演算回路9に
加えて、角度変換回路14および補正角度推定回路15
を備え、一定時間の収集データに対して演算処理を施す
ようになっている。
【0035】次に、図1に示したこの発明の実施の形態
1による動作について説明する。最初に、各バックアッ
プロール2、3の偏心量の振幅を検出する演算処理につ
いて説明する。
【0036】まず、コントローラ12は、被圧延材1の
非挿入時でのワークロール4、5のキスロール状態(ワ
ークロール4、5が相互に直接接触した状態)におい
て、圧延プラントの1つのスタンドから検出される各種
センサ情報(荷重計6からの圧延荷重、角度検出器11
からのワークロール角度)を収集して計算機13に送信
する。
【0037】この場合、各バックアップロール2、3に
は角度検出器8(図9参照)が設けられておらず、ワー
クロール4、5に装着された角度検出器11を用いてい
るので、計算機13内の角度変換回路14は、以下の
(9)式、(10)式のように、各ワークロール4、5
の回転角度θWT(t)、θWB(t)から各バックアップ
ロール2、3回転角度θT(t)、θB(t)を算出す
る。
【0038】
【数2】
【0039】ただし、(9)式、(10)式において、
BT、RBBは各バックアップロール2、3の半径、
WT、RWBはワークロール4、5の半径である。このよ
うに、圧延プラントの1つのスタンドから検出される各
種センサ情報から各バックアップロール2、3の回転角
度を計算することができる。
【0040】以下、FFT演算回路9は、前述の(1)
〜(8)式と同様のFFT演算処理により、以下の(1
1)〜(16)式のように、各バックアップロール2、
3の偏心量を算出する。
【0041】
【数3】
【0042】そして、1倍波または2倍波のどちらか大
きい方をロール間隔調整装置(PLC)10に送信す
る。
【0043】次に、図2を参照しながら、実際に被圧延
材1を圧延するときに用いられるバックアップロール位
相補正角度の演算処理について説明する。図2はコント
ローラ12により収集された圧延荷重を時系列的に示す
説明図であり、横軸は時間[sec]、縦軸は圧延荷重
[KN]を示している。
【0044】図2において、荷重変化が負方向から正方
向に反転する最小ポイント(極小点)Aは、各バックア
ップロール角度θT1、θB1に対応し、最小ポイントB
は、各バックアップロール角度θT2、θB2に対応し、極
小点A、B間の区間は荷重変化量Fの1周期を示してい
る。
【0045】前述のように、コントローラ12は、圧延
荷重および各ワークロール角度を収集して計算機13に
送信する。ここで、図2のように、360度(2πra
d)の区間でロール偏心荷重が現れているものとし、こ
のときの荷重変化量Fが、以下の(17)式で表される
ものとする。
【0046】F=F(t) ・・・(17)
【0047】次に、計算機13は、以下の(18)式の
ように、全区間にわたってロール偏心荷重F(t)の微
分係数Δを計算する。
【0048】
【数4】
【0049】ここで、圧延荷重に現れている波の最小ポ
イントを抽出するためには、微分係数の極性が負から正
に変化したポイント(図2内のAとB)を抽出すればよ
い。そして、隣り合う最小ポイント間(区間A−B)で
の各バックアップロール角度θT、θBを、以下の(1
9)式、(20)式のように計算する。
【0050】
【数5】
【0051】(19)式、(20)式から求められる各
バックアップロール角度θT、θBは、コントローラ12
に送信されるロール偏心周期の角度(すなわち、コント
ローラ12に送信された振幅が1倍波)であるならば、
2πとなる(すなわち、抽出される最小ポイントA、B
の角度区間は2πに一致する)。
【0052】また、各バックアップロール角度θT、θB
は、コントローラ12に送信された振幅が2倍波である
ならば、πとなる(すなわち、抽出される最小ポイント
A、Bの角度区間は2πに一致する)。
【0053】こうして、2πまたはπに一致する場合の
最小ポイントA、Bの角度を抽出していき、その平均値
をバックアップロール位相補正角度とする。図2におい
ては、各バックアップロール角度θT、θBがコントロー
ラ12に送信されるロール偏心周期と一致すれば、ポイ
ントA(または、B)の角度が抽出される。
【0054】計算機13は、上記のように計算されたロ
ール偏心波の周期と、ロール偏心波の振幅と、バックア
ップロール位相補正角度とをロール間隔調整装置10に
送信し、ロール偏心制御を実行させる。
【0055】これにより、従来のロール偏心制御と比較
して、各バックアップロール2、3に角度検出器8を装
着することなく、各バックアップロール2、3に発生す
るロール偏心を効果的に除去することができ、最終製品
の板厚精度を向上させることができる。
【0056】すなわち、各バックアップロール2、3の
交換時に、角度検出器8をはずす時間が不要となり、バ
ックアップロール交換時間を短縮することができ、製品
生産性を向上させることができる。
【0057】実施の形態2.なお、上記実施の形態1で
は、被圧延材1の非挿入時におけるキスロール状態での
各種センサ情報を検出したが、キスロール状態での測定
を省略してもよい。
【0058】以下、図面を参照しながら、この発明の実
施の形態2について詳細に説明する。この場合のブロッ
ク構成および偏心情報については、前述(図1、図2参
照)と同様なので詳述を省略する。
【0059】したがって、図1を参照しながら、この発
明の実施の形態2による動作について説明する。まず、
各バックアップロール2、3の偏心量の振幅を検出する
演算処理について説明する。
【0060】コントローラ12は、圧延プラントの1つ
のスタンドから検出される各種センサ情報(荷重計6か
らの圧延荷重、角度検出器11からのワークロール角
度)を収集して計算機13に送信する。
【0061】ここで、前述と同様に、各バックアップロ
ール2、3には角度検出器8(図9参照)が設けられい
ないので、計算機13内の角度変換回路14は、前述の
(9)式、(10)式のように、各ワークロール4、5
の回転角度θWT(t)、θWB(t)から各バックアップ
ロール2、3回転角度θT(t)、θB(t)を算出す
る。
【0062】これにより、圧延プラントの1つのスタン
ドから検出される各種センサ情報から各バックアップロ
ール2、3の回転角度を計算することができる。以下、
FFT演算回路9は、前述の(11)〜(16)式のよ
うに、各バックアップロール2、3の偏心量を算出し、
1倍波または2倍波のどちらか大きい方をロール間隔調
整装置(PLC)10に送信する。
【0063】次に、図2を参照しながら、バックアップ
ロール位相補正角度の演算処理について説明する。前述
のように、コントローラ12は、圧延荷重および各ワー
クロール角度を収集して計算機13に送信する。
【0064】ここで、図2のように、360度(2πr
ad)の区間でロール偏心荷重が現れており、このとき
の荷重変化量Fは、前述の(17)式で表される。次
に、計算機13は、前述の(18)式のように、全区間
にわたってロール偏心荷重F(t)の微分係数Δを計算
する。
【0065】ここで、圧延荷重に現れている波の最小ポ
イントを抽出するためには、微分係数の極性が負から正
に変化したポイント(図2内のAとB)を抽出すればよ
い。そして、隣り合う最小ポイント間(区間A−B)で
の各バックアップロール角度θT、θBを、前述の(1
9)式、(20)式のように計算する。
【0066】(19)式、(20)式から求められる各
バックアップロール角度θT、θBは、コントローラ12
に送信されるロール偏心周期の角度(すなわち、コント
ローラ12に送信された振幅が1倍波)であるならば、
2πとなる(すなわち、抽出される最小ポイントA、B
の角度区間は2πに一致する)。
【0067】また、各バックアップロール角度θT、θB
は、コントローラ12に送信された振幅が2倍波である
ならば、πとなる(すなわち、抽出される最小ポイント
A、Bの角度区間は2πに一致する)。
【0068】こうして、2πまたはπに一致する場合の
最小ポイントA、Bの角度を抽出していき、その平均値
をバックアップロール位相補正角度とする。図2におい
ては、各バックアップロール角度θT、θBがコントロー
ラ12に送信されるロール偏心周期と一致すれば、ポイ
ントA(または、B)の角度が抽出される。
【0069】計算機13は、上記のように計算されたロ
ール偏心波の周期と、ロール偏心波の振幅と、バックア
ップロール位相補正角度とをロール間隔調整装置10に
送信し、ロール偏心制御を実行させる。
【0070】これにより、従来のロール偏心制御と比較
して、各バックアップロール2、3に角度検出器8を装
着することなく、各バックアップロール2、3に発生す
るロール偏心を効果的に除去することができ、最終製品
の板厚精度を向上させることができる。
【0071】すなわち、各バックアップロール2、3の
交換時に、角度検出器8をはずす時間が不要となり、バ
ックアップロール交換時間を短縮することができ、製品
生産性を向上させることができる。
【0072】また、前述の実施の形態1と比較して、キ
スロール時の測定が省略されているので、さらに、計算
ロジックの簡略化および製品生産量の増大化を実現する
ことができる。
【0073】実施の形態3.なお、上記実施の形態2で
は、角度変換回路14の算出結果をFFT演算回路9に
直接入力したが、ロール偏心荷重成分のみを分離した後
にFFT演算回路9に入力してもよい。
【0074】以下、図3を参照しながら、計算機13A
内に偏心荷重分離回路16を追加したこの発明の実施の
形態3について説明する。図3はこの発明の実施の形態
3を示すブロック構成図であり、前述(図1参照)と同
様のものについては、同一符号を付して、または符号の
後に「A」を付して詳述を省略する。
【0075】図3において、計算機13Aは、前述の構
成に加えて、偏心荷重分離回路16を含む。偏心荷重分
離回路16は、角度変換回路14の算出結果からロール
偏心荷重成分のみを分離してFFT演算回路9に入力す
る。
【0076】次に、前述の図2を参照しながら、図3に
示したこの発明の実施の形態3によるバックアップロー
ル位相補正角度の演算処理について説明する。まず、コ
ントローラ12は、圧延荷重および各バックアップロー
ル角度を収集して計算機13Aに送信する。
【0077】角度変換回路14は、ロール偏心量に関し
て、前述の(9)式および(10)式のように、各ワー
クロール角度θWT(t)、θWB(t)からバックアップ
ロール角度θT(t)、θB(t)を求める。
【0078】続いて、偏心荷重分離回路16は、角度変
換回路14により算出された圧延荷重から、ロール偏心
荷重成分のみを抽出してFFT演算回路9に入力する。
【0079】すなわち、圧延荷重をFR(t)とし、被
圧延材1の板厚に応じた自動制御量AGC(Auto
Gage Control)によって発生した荷重をF
AGC(t)とし、ロール偏心制御の動作中に発生する荷
重をFREC(t)とすれば、実際のロール偏心荷重F
(t)は、以下の(21)式で表される。
【0080】
【数6】
【0081】(21)式において、ロール偏心荷重F
(t)は、圧延荷重FR(t)から、板厚自動制御量A
GCに相当する荷重FAGC(t)と、ロール偏心制御量
に相当する荷重FREC(t)とを減算した値である。実
際には、ロール偏心荷重F(t)をさらに平滑化した値
が用いられる。
【0082】すなわち、ロール偏心波形から短周期の波
形(ノイズ成分)を除去するために、ロール偏心荷重F
(t)に対して、以下の(22)式のように、平滑化処
理が行われる。
【0083】
【数7】
【0084】ただし、(22)式において、kは定数で
ある。以下、FFT演算回路9は、(22)式から得ら
れたロール偏心荷重F(t)に対して、前述の(1)〜
(8)式と同様のFFT演算処理を施し、ロール偏心の
振幅をロール偏心量として算出する。
【0085】ただし、この場合、ロール偏心荷重F
(t)は、(21)式および(22)式のように、板厚
自動制御量およびロール偏心制御量に相当する荷重F
AGC(t)および荷重FREC(t)を減算して平滑化され
た圧延荷重である。
【0086】たとえば、計算機13Aは、図2に示す圧
延荷重の時系列グラフにおいて、360度の区間でロー
ル偏心荷重が現れているとすると、このときのロール偏
心荷重F(t)を上記(22)式のように平滑化する。
【0087】また、計算機13Aは、前述の(18)式
のように全区間での圧延荷重の微分係数Δを計算し、圧
延荷重に現れている波の最小ポイントA、Bを抽出し
て、隣り合う最小ポイントA、B間のバックアップロー
ル角度θT、θBを、前述の(19)式、(20)のよう
に計算する。
【0088】そして、算出されたバックアップロール角
度θT、θBがロール間隔調整装置10への送信波数の角
度(すなわち、1倍波)ならば、2π(2倍波ならば、
π)と一致する場合の最小ポイントA(または、B)の
角度を抽出していき、その平均値をバックアップロール
位相補正角度とする。
【0089】計算機13Aは、こうして算出されたロー
ル偏心波の周期、ロール偏心波の振幅およびバックアッ
プロール位相補正角度をロール間隔調整装置10に送信
し、ロール間隔調整装置10は、送信情報に基づいて圧
延機のロール偏心制御を実行する。
【0090】これにより、前述の実施の形態2と比較し
て、実績荷重FR(t)から正確にロール偏心荷重F
(t)から実際にロール偏心成分のみを抽出することが
できるので、さらに効果的にロール偏心制御を行うこと
ができる。
【0091】実施の形態4.なお、上記実施の形態1〜
3では、ロール偏心に対する制御量の演算にFFT演算
回路9を用いたが、他の回路機能で代用してもよい。
【0092】以下、図4を参照しながら、FFT演算回
路9の代用となる演算回路を用いたこの発明の実施の形
態4について説明する。図4はこの発明の実施の形態4
を示すブロック構成図であり、前述(図1、図3参照)
と同様のものについては、同一符号を付して、または符
号の後に「B」を付して詳述を省略する。
【0093】図4において、各ワークロール4、5の角
度検出信号がコントローラ12Bに取り込まれている
が、実際の演算には、後述するように、トップワークロ
ール4、5の一方の角度検出信号のみが用いられる。
【0094】コントローラ12Bは、前述のデータ収集
機能12Aに加えて、角度変換回路14を備えている。
計算機13Bは、前述のFFT演算回路9の代わりに、
偏心周期推定回路17および偏心量推定回路18を備え
ている。
【0095】19は計算機13Bとロール間隔調整装置
10との間に挿入されたコントローラであり、補正角度
推定回路15Bを備えている。以下、図4に示したこの
発明の実施の形態4によるロール偏心量の推定演算につ
いて説明する。
【0096】まず、コントローラ12B内の角度変換回
路14は、たとえば、前述の(9)式または(10)式
のように、トップ側またはボトム側のワークロール4、
5の回転角度θWT(t)またはθWB(t)からトップバ
ックアップロール角度θT(t)またはθB(t)を求め
る。
【0097】また、コントローラ12B内のデータ収集
機能12Aは、圧延プラントの全スタンドの圧延荷重お
よびワークロール角度から計算したバックアップロール
角度θT(t)またはθB(t)を計算機13Bに送信す
る。
【0098】次に、図4とともに、図5の説明図を参照
しながら、計算機13Bによるロール偏心量およびロー
ル偏心周期の演算処理について説明する。図5において
は、前述(図2参照)と同様の制御区間(周期)Xとと
もに、次の制御区間Yが示されている。
【0099】上述したように、コントローラ12Bは、
データ収集機能12Aにより、圧延荷重とトップ側(ま
たは、ボトム側)のワークロール角度θWT(t)(また
は、θWB(t))とを収集し、角度変換回路14によ
り、トップ(または、ボトム)バックアップロール角度
θT(t)(または、θB(t))に変換し、計算結果を
計算機12Bに送信する。
【0100】図5に示した圧延荷重の時系列グラフにお
いて、360度の区間でロール偏心荷重が現れている場
合、圧延荷重Fは、前述の(17)式のように時間tの
関数で表される。
【0101】次に、計算機13Bは、前述の(18)式
のように、全区間にわたるロール偏心荷重F(t)の微
分係数Δを計算し、微分係数Δの極性が負から正に変化
したポイント(圧延荷重波形の最小ポイント)A、Bを
抽出する。
【0102】また、隣り合う最小ポイントA、B間のバ
ックアップロール角度θT(または、θB)を、前述の
(19)式(または、(20)式)により計算する。以
下、計算されたバックアップロール角度θTが2πであ
るか、またはπであるかにより、ロール偏心周期を計算
する。
【0103】さらに、このときのロール偏心量(図5内
のF)は、圧延荷重に現れている波形の最大ポイントC
の圧延荷重FCから最小ポイントの圧延荷重FAを減算
すれば求められる。または、最大ポイント荷重FCか
ら、最小ポイントA、B間を結ぶ直線上(図5内の実線
参照)の荷重を減算すればよい。
【0104】なお、最大ポイントCは、微分係数Δが正
から負に変化するポイントである。計算機13Bは、こ
うして求められたロール偏心量Fをトップバックアップ
ロール偏心量FTとし、また、波数nをロール偏心周期
として、後段のコントローラ19に送信する。
【0105】以上の処理は、計算機13B内の偏心周期
推定回路17および偏心量推定回路18により行われ
る。
【0106】次に、図5を参照しながら、この発明の実
施の形態4によるバックアップロール位相補正角度の演
算処理について説明する。まず、図5のようにロール偏
心荷重が現れている場合、このロール偏心荷重を、(1
7)式のように時間tの関数F(t)とする。
【0107】以下、区間X(この間のトップバックアッ
プロール2の移動角度は2π)で最小荷重を示すポイン
トAのバックアップロール角度θT1、θB1を算出し、さ
らに、バックアップロール角度θT1、θB1をトップバッ
クアップロール2の一定回転毎に移動平均する。
【0108】こうして算出された移動平均値は、バック
アップロール位相補正角度として、次の制御区間Yでの
バックアップロール位相補正角度の演算に用いられる。
このタイミングでの制御量は、最終的なロール偏心荷重
F(t)として、以下の(23)式のように表される。
【0109】
【数8】
【0110】これにより、前述の実施の形態3と比較し
て、FFT演算回路9のような複雑な処理回路を用いる
ことなく、正確にロール偏心成分を抽出することができ
るので、コストダウンを実現しつつ、さらに効果的にロ
ール偏心制御を行うことができる。
【0111】実施の形態5.なお、上記実施の形態4で
は、ロール偏心成分の抽出機能について特に考慮しなか
ったが、図6のように、偏心成分抽出回路20および2
1を設けてもよい。
【0112】以下、図6を参照しながら、偏心成分抽出
回路を設けたこの発明の実施の形態5について説明す
る。図6はこの発明の実施の形態5を示すブロック構成
図であり、前述(図4参照)と同様のものについては、
同一符号を付して、または符号の後に「C」を付して詳
述を省略する。
【0113】図6において、計算機13Cは、前述の偏
心周期推定回路17および偏心量推定回路18に加え
て、偏心成分抽出回路20を備えている。同様に、コン
トローラ19Cは、補正角度推定回路15Cに加えて、
偏心成分抽出回路21を備えている。
【0114】次に、前述の図5の説明図を参照しなが
ら、図6に示したこの発明の実施の形態5によるロール
偏心量およびロール偏心周期の推定演算処理について説
明する。
【0115】まず、コントローラ12Bは、前述と同様
に、圧延荷重およびワークロール角度から計算したバッ
クアップロール角度θT(t)またはθB(t)を計算機
13Cに送信する。
【0116】ここで、収集された圧延荷重の時系列グラ
フは、図5のように、360度の区間でロール偏心荷重
F(t)が現れているものとする。
【0117】このとき、偏心成分抽出回路20および2
1は、前述の(21)式のように、圧延荷重FR(t)
から、AGCにより発生する荷重FAGC(t)と、ロー
ル偏心制御中に発生する荷重FREC(t)とを減算した
荷重をロール偏心荷重F(t)とする。
【0118】また、(21)式から算出された値F
(t)をさらに平滑化処理するために、前述の(22)
式と同様に、以下の(24)式により、ロール偏心成分
よりも短周期の成分を除去する。
【0119】
【数9】
【0120】このとき、ロール偏心荷重Fは、前述の
(17)式のように、F(t)で表される。次に、計算
機13Cは、前述の(18)式のように、全区間での圧
延荷重の微分係数Δを計算する。
【0121】また、微分係数Δの極性が負から正に変化
したポイントA、Bを、ロール偏心荷重F(t)に現れ
ている波形の最小ポイントとして抽出し、前述の(1
9)式のように、隣り合う最小ポイントA、B間のバッ
クアップロール角度θTを計算する。
【0122】そして、計算されたθTが2πであるか、
またはπであるかによりロール偏心周期を計算する。さ
らに、このときのロール偏心量Fは、圧延荷重に現れて
いる波形の最大ポイントCの圧延荷重FCから最小ポイ
ントAの圧延荷重FAを減算すれば求められる。
【0123】このロール偏心量Fをトップバックアップ
ロール偏心量FTとし、波数nをロール偏心周期とす
る。以上の処理は、計算機13C内のロール偏心周期
(波数)推定回路17および偏心量推定回路18で行わ
れる。
【0124】こうして計算された波数nとロール偏心量
(振幅)Fは、後段のコントローラ19Cに送信され
る。次に、図5を参照しながら、補正角度推定回路15
Cによるバックアップロール位相補正用の補正角度の推
定演算処理について説明する。
【0125】ここで使用されるロール偏心荷重F(t)
は、計算機13C内の偏心成分抽出回路20と同様の偏
心成分抽出回路21を通した結果で得られる荷重であ
る。
【0126】図5のように、360度の区間でロール偏
心荷重が現れているとすると、区間X(この間でのトッ
プバックアップロールの移動角度は2π)で最小荷重を
示すポイントAのバックアップロール角度θT1、θB1
算出し、さらに、バックアップロール角度θT1、θB1
トップバックアップロール2の一定回転毎に移動平均す
る。
【0127】こうして算出された移動平均値は、バック
アップロール位相補正角度として、次の制御区間Yのバ
ックアップロール位相補正角度に用いられる。
【0128】このタイミングでの制御量は、最終的に前
述の(23)式のように表される。このように、偏心成
分抽出回路20および21を設けることにより、前述の
実施の形態4と比較して、より正確にロール偏心成分を
抽出することができ、さらに効果的にロール偏心制御を
行うことができる。
【0129】実施の形態6.なお、上記実施の形態5で
は、計算機13Cを用いたが、計算機機能を全てコント
ローラ内に含め、リアルタイムに制御パラメータを演算
するように構成してもよい。
【0130】以下、図7を参照しながら、計算機機能を
コントローラ内に含めたこの発明の実施の形態6につい
て説明する。図7はこの発明の実施の形態6を示すブロ
ック構成図であり、前述(図6参照)と同様のものにつ
いては、同一符号を付して、または符号の後に「D」を
付して詳述を省略する。
【0131】図7において、コントローラ12Dは、前
述のデータ収集機能12Aおよび角度変換回路に加え
て、偏心周期推定回路17D、偏心量推定回路18D、
補正角度推定回路15Dおよび偏心成分抽出回路20D
を備え、前述の計算機13Cおよびコントローラ19C
の機能を含んでいる。
【0132】コントローラ12Dは、バックアップロー
ル2、3の一定回転(たとえば、1回転)毎に周期的に
起動し、演算処理を実行する。次に、前述の図5を参照
しながら、図7に示したこの発明の実施の形態6による
ロール偏心量およびロール偏心周期の推定演算処理につ
いて説明する。
【0133】まず、コントローラ12D内のデータ収集
機能12Aは、荷重計6から検出された圧延荷重と、角
度検出器11から検出したワークロール4、5の回転角
度とを収集し、角度変換回路14は、ワークロール4ま
たは5の回転角度から、前述の(9)式または(10)
式により、バックアップロール角度を求める。
【0134】算出されたバックアップロール角度は、コ
ントローラ12D内のデータ収集機能12Aにより偏心
周期推定回路17Dに送信される。ここで、図5の時系
列グラフのように、360度の区間Xでロール偏心荷重
F(t)が現れているとする。
【0135】このとき、偏心成分抽出回路20Dは、前
述の(21)式のように、圧延荷重FR(t)から、A
GCにより発生した荷重FAGC(t)と、ロール偏心制
御中に発生した荷重FREC(t)とを減算してロール偏
心荷重F(t)とし、さらに、前述の(24)式のよう
に平滑化処理して、ロール偏心成分よりも短周期の成分
を除去する。
【0136】以下、前述の(18)式により、図5に示
したロール偏心荷重F(t)に関する全区間での微分係
数Δを計算して、圧延荷重に現れている波形の最小ポイ
ントA、B(図5参照)を抽出し、前述の(19)式に
より、最小ポイントA、B間のバックアップロール角度
θTを計算する。
【0137】また、偏心周期推定回路17Dは、計算さ
れたバックアップロール角度θTが2πであるか、また
はπであるかに応じて、ロール偏心周期を推定演算す
る。
【0138】また、幅推定回路18Dは、図5内の最大
ポイントCの圧延荷重FCから最小ポイントAの圧延荷
重FAを減算して、ロール偏心量Fを推定演算する。こ
のロール偏心量Fはトップバックアップロール偏心量F
Tとなり、波数nはロール偏心周期となる。
【0139】以上の処理は、コントローラ12D内の偏
心周期推定回路17Dおよび偏心量推定回路18Dで行
われ、算出されたロール偏心周期およびロール偏心量
は、補正角度推定回路15Dに送信される。
【0140】次に、図5を参照しながら、図7内の補正
角度推定回路15Dの演算処理について説明する。ここ
で用いられる荷重は、偏心成分抽出回路20Dを通した
結果のロール偏心荷重F(t)である。
【0141】図5において、360度の区間でロール偏
心荷重F(t)が現れているとすると、区間Xで最小荷
重を示すポイントAのバックアップロール角度θT1とし
て算出し、さらに、バックアップロール角度θT1をトッ
プバックアップロール2の一定回転毎に移動平均する。
【0142】こうして算出された移動平均値は、バック
アップロール位相補正角度として、次の制御区間Yでの
バックアップロール位相補正角度に用いられる。このタ
イミングでの制御量は、最終的に前述の(23)式のよ
うになる。
【0143】ここで、偏心周期推定回路17D、偏心量
推定回路18D、補正角度推定回路15Dおよび偏心成
分抽出回路20Dは、トップバックアップロール2が一
定回転する毎に周期的に起動される。
【0144】このように、全ての機能を一括化したコン
トローラ12Dを用いることにより、リアルタイムのパ
ラメータ演算制御を実現することができるので、前述の
実施の形態5の場合(計算機13C(図6参照)でロー
ル偏心周期およびロール偏心量を設定する)よりも、高
速且つ正確に制御することができる。
【0145】実施の形態7.なお、上記実施の形態6で
は、ロール間隔調整装置10による具体的な板厚制御に
ついて特に言及しなかったが、リアルタイムの演算機能
を有効に活用するために、被圧延材1の溶接点(接続
点)付近に対する制御パラメータを他の圧延部分とは異
なるように設定してもよい。
【0146】以下、図8を参照しながら、溶接点付近に
対する制御パラメータを異なるように設定したこの発明
の実施の形態7について説明する。図8はこの発明の実
施の形態7を示すブロック構成図であり、前述(図7参
照)と同様のものについては、同一符号を付して、また
は符号の後に「E」を付して詳述を省略する。
【0147】図8において、ロール間隔調整装置10E
は、コントローラ12Dから入力される補正角度の演算
値に基づいて、被圧延材1の溶接点付近を検知すると、
板厚のフィードバック制御を非起動として、十分な厚さ
を維持可能にするようになっている。
【0148】次に、前述の図5を参照しながら、図8に
示したこの発明の実施の形態7によるロール偏心量およ
びロール偏心周期の演算処理について説明する。まず、
コントローラ12D内のデータ収集機能12Aは、圧延
荷重およびワークロール回転角度を収集し、角度変換回
路14は、ワークロール回転角度から、前述の(9)式
または(10)式により、バックアップロール角度を求
める。
【0149】算出されたバックアップロール角度は、コ
ントローラ12D内のデータ収集機能12Aにより偏心
周期推定回路17Dに送信される。ここで、図5のよう
に、区間Xでロール偏心荷重F(t)が現れていた場
合、偏心成分抽出回路20Dは、前述の(21)式のよ
うに、圧延荷重FR(t)からAGC荷重FAGC(t)お
よびロール偏心制御荷重FREC(t)を減算し、さらに
前述の(24)式のように平滑化処理する。
【0150】以下、前述の(18)式により、図5に示
したロール偏心荷重F(t)に関する全区間での微分係
数Δを計算して、圧延荷重に現れている波形の最小ポイ
ントA、B(図5参照)を抽出し、前述の(19)式に
より、最小ポイントA、B間のバックアップロール角度
θTを計算する。
【0151】また、偏心周期推定回路17Dは、計算さ
れたバックアップロール角度θTが2πであるか、また
はπであるかに応じて、ロール偏心周期を推定演算す
る。また、幅推定回路18Dは、図5内の最大ポイント
Cの圧延荷重FCから最小ポイントAの圧延荷重FAを
減算して、ロール偏心量Fを推定演算する。ロール偏心
量Fはトップバックアップロール偏心量FTとなり、波
数nはロール偏心周期となる。
【0152】以上の処理は、コントローラ12D内の偏
心周期推定回路17Dおよび偏心量推定回路18Dで行
われ、算出されたロール偏心周期およびロール偏心量
は、補正角度推定回路15Dに送信される。
【0153】次に、図5を参照しながら、図8内の補正
角度推定回路15Dの演算処理について説明する。ここ
で用いられる荷重は、偏心成分抽出回路20Dを通した
結果のロール偏心荷重F(t)である。
【0154】図5において、360度の区間でロール偏
心荷重F(t)が現れているとすると、区間Xで最小荷
重を示すポイントAのバックアップロール角度θT1をバ
ックアップロール位相補正角度として算出し、さらに、
バックアップロール角度θT1をトップバックアップロー
ル2の一定回転毎に移動平均する。
【0155】こうして算出された移動平均値は、次の制
御区間Yでのバックアップロール位相補正角度として用
いられる。このタイミングでの制御量は、最終的に前述
の(23)式のようになる。
【0156】ここで、偏心周期推定回路17D、偏心量
推定回路18D、補正角度推定回路15Dおよび偏心成
分抽出回路20Dは、トップバックアップロール2が一
定回転する毎に周期的に起動される。
【0157】ただし、ロール間隔調整装置10Eは、被
圧延材1の溶接点付近が検知される毎に、上記周期的起
動を禁止してオープンループ制御に移行し、一定振幅、
一定波数および一定補正角度で板厚制御を行う。
【0158】これにより、被圧延材1の溶接点(接続
点)においては、ロール偏心周期に基づくフィードバッ
ク制御が禁止されるので、十分な板厚が確保されて被圧
延材1の強度を維持することができる。また、溶接点に
対する一定制御パラメータは、必要に応じて、任意に設
定することができる。
【0159】このように、全ての機能を一括化したコン
トローラ12Dを用いて、被圧延材1の溶接点付近に対
する制御を適切に可変設定することにより、前述の実施
の形態6と比較して、溶接点付近での板厚制御を良好に
することができる。
【0160】なお、上記実施の形態1〜7では、冷間圧
延機内の適用スタンドについて言及しなかったが、冷間
圧延機の最上流に位置する第1スタンドに適用してもよ
い。この場合、特に影響の大きい第1スタンドのバック
アップロールで最初に発生するロール偏心を抑制するこ
とができる。
【0161】すなわち、実施の形態1〜3においては、
計算機13、13Aにより、第1スタンドから一定時間
で収集された実績荷重をトップ側およびボトム側のワー
クロール4、5のワークロール角度に基づいてバックア
ップロール角度を計算し、FFT演算回路9によりロー
ル偏心量およびロール偏心周期を計算する。
【0162】また、図2のように、計算された周期の波
を有する波形を抽出し、バックアップロール角度が36
0度回転する毎にその区間での最小荷重を検索し、最小
ポイントのバックアップロール角度を補正角度としてロ
ール間隔調整装置10に送信する。これにより、ロール
偏心を抑制して、被圧延材1の製品板厚にロール偏心が
現れることを防止し、製品板厚の精度を向上させること
ができる。
【0163】また、計算機13、13Aは、一定時間で
収集された実績荷重からAGC動作分およびロール偏心
制御動作分を減算し、さらに平滑化した荷重をバックア
ップロール角度でFFT演算にかけ、ロール偏心量とロ
ール偏心周期を計算して波形を抽出し、バックアップロ
ール角度が360度回転する区間での最小荷重を実績荷
重から上記平滑化荷重を用いて検索し、そのポイントの
バックアップロール角度を補正角度とすることにより、
第1スタンドのバックアップロール2、3で発生するロ
ール偏心を高精度に算出することができる。
【0164】また、ロール偏心の抑制制御するギャップ
方向が圧延荷重変動を少なくする場合にのみ、製品板厚
にロール偏心が現れることを防止し、製品板厚精度を向
上させることができる。
【0165】また、第1スタンドのみならず、仕上圧延
機(最終スタンド)のバックアップロールで発生するロ
ール偏心を求めることもできる。この場合、一定時間で
収集された実績荷重から最大ポイントおよび最小ポイン
トを検索し、各ポイントからロール偏心量およびロール
偏心周期を計算し、バックアップロール角度が360度
回転する区間での最小荷重を検索し、最小ポイントのバ
ックアップロール角度を補正角度とする。
【0166】これにより、計算されたロール偏心量およ
びロール偏心周期とともに、ロール偏心を抑制し、製品
板厚にロール偏心が現れることを防止し、製品板厚精度
を向上させることができる。
【0167】また、一定時間で収集された実績荷重から
AGC動作分およびロール偏心制御動作分を減算しさら
に平滑化した荷重を用いて、実績荷重の最大ポイントお
よび最小ポイントを検索し、各ポイントからロール偏心
量およびロール偏心周期を計算して、第1スタンドのバ
ックアップロール2、3で発生するロール偏心を求め、
バックアップロール角度が360度回転する区間での最
小荷重を上記平滑化荷重を用いて検索し、最小ポイント
のバックアップロール角度を補正角度とすることによ
り、ロール偏心量およびロール偏心周期とともにロール
偏心を抑制し、製品板厚にロール偏心が現れることを防
止し、製品板厚精度を向上させることができる。
【0168】また、実施の形態6、7(計算機やFFT
演算回路を用いない)の場合でも、圧延開始から一定時
間で収集された実績荷重からAGC動作分およびロール
偏心制御動作分を減算しさらに平滑化した荷重を用い
て、実績荷重の最大ポイントおよび最小ポイントを検索
し、各ポイントからロール偏心量およびロール偏心周期
を計算して、第1スタンドのバックアップロール2、3
で発生するロール偏心を求め、上記平滑化荷重を用いて
バックアップロール角度が360度回転する区間での最
小荷重を検索し、最小ポイントのバックアップロール角
度を補正角度とすることができる。
【0169】また、最初に計算されたロール偏心量およ
びロール偏心周期とともに、ロール偏心制御を実行し、
且つ、コントローラ内でロール偏心量およびロール偏心
周期およびバックアップロール補正角度計算をバックア
ップロールが一定回転する毎に実行することにより、ロ
ール偏心を抑制し、製品板厚にロール偏心が現れること
を防止することができる。
【0170】また、圧延開始から一定時間で収集された
実績荷重からAGC動作分およびロール偏心制御動作分
を減算しさらに平滑化した荷重を用いて、実績荷重の最
大ポイントおよび最小ポイントを検索してロール偏心量
およびロール偏心周期を計算し、冷間圧延機の第1スタ
ンドのバックアップロールで発生するロール偏心を求
め、上記平滑化荷重を用いてバックアップロール角度が
360度回転する区間での最小荷重を検索し、最小ポイ
ントのバックアップロール角度を補正角度とすることが
できる。
【0171】さらに、被圧延材1の溶接点付近の検出時
には、バックアップロール補正角度計算を禁止すること
により、ロール偏心を抑制して製品板厚にロール偏心が
現れることを防止するとともに、溶接点付近の製品板厚
精度を向上させることができる。
【0172】実施の形態8.なお、上記実施の形態1〜
7が適用される冷間圧延機内のスタンドとしては、圧延
プラントの最上流に位置する第1スタンドに限定される
ことはなく、スタンド入側に板厚計を必要とする任意の
スタンドに適用してもよい。
【0173】この場合のブロック構成は、任意スタンド
の入側に、被圧延材1の板厚を検出するための板厚計が
設けられている点を除けば、図7または図8に示した通
りである。
【0174】すなわち、コントローラ12Dは、バック
アップロール角度をバックアップロールの一定回転毎に
移動平均をとって補正角度とし、その補正角度(平均
値)を次の制御周期(区間Y)のバックアップロール位
相補正角度に用いる。
【0175】これにより、上記実施の形態6、7と比較
して、第1スタンド以外の任意スタンド(入側に板厚計
を必要とするスタンド)でもロール偏心制御が実行され
るので、最終的な製品板厚形状の精度を向上させること
ができる。
【0176】また、任意スタンドについて、バックアッ
プロール2、3の一定回転毎に移動平均値を算出するの
みならず、前述(実施の形態7)と同様に、溶接点付近
でのバックアップロール補正角度演算を禁止してもよ
い。
【0177】さらに、溶接点付近の検出時には、スタン
ド入側に板厚計を有していないスタンドについては、上
流スタンド入側または下流スタンド出側の板厚変動をト
ラッキングして、板厚変動に起因する荷重変動を圧延荷
重から減算し、その減算結果を補正荷重として、スタン
ド入側に板厚計があるスタンドと同様の処理を行うよう
にしてもよい。
【0178】この場合、コントローラ12D(図7参
照)は、スタンド入側(上流)の板厚変動またはスタン
ド出側(下流)の板厚変動をトラッキングし、この結
果、それ以降の任意(i番目)のスタンドにおいて、板
厚変動に起因して発生した荷重変動をFh i(t)とす
る。
【0179】そして、入側に板厚計を有するスタンドの
ロール偏心荷重F1(t)は、前述の(21)式と同様
に、圧延荷重FR(t)から、AGCによって発生した
荷重FAGC(t)と、ロール偏心制御荷重FREC(t)と
を減算して算出する。
【0180】また、入側に板厚計を有していないスタン
ドのロール偏心荷重F2(t)は、圧延荷重FR(t)か
ら、トラッキングによって予測された当該スタンド直下
の予測板厚変動によって発生した荷重変動Fh i(t)
と、ロール偏心制御荷重FRE C(t)とを減算して算出
する。
【0181】すなわち、ロール偏心荷重F1(t)、F2
(t)は、以下の(25)式、(26)式のように表さ
れる。
【0182】
【数10】
【0183】(25)式、(26)式から算出された値
は、さらに、前述の(24)のように平滑化処理され、
ロール偏心成分よりも短周期の成分が除去される。な
お、この場合、(24)式の右辺は、F1×F2のように
も表され得る。
【0184】このときのロール偏心荷重Fは、前述の
(17)式のように、F(t)で表され、全区間での圧
延荷重の微分係数Δは、(18)式のように算出され、
バックアップロール角度θTは、(19)式のように算
出される。
【0185】また、図5において、区間X(その間での
トップバックアップロールの移動角度が2π)で最小荷
重を示すポイントAのバックアップロール角度θT1をバ
ックアップロール位相補正角度とし、さらにこれをバッ
クアップロール2、3の一定回転毎に平均化処理し、そ
の移動平均値を次の制御周期(区間Y)のバックアップ
ロール位相補正角度に用いる。
【0186】さらに、溶接点付近が検出された場合に
は、周期起動を停止させ、一定振幅、一定波数および一
定補正角度で板厚制御を行う。これにより、上記実施の
形態7と比較して、圧延プラントの全スタンドについて
ロール偏心制御を実行することができるので、最終的な
製品板厚形状の精度をさらに向上させることができる。
【0187】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、被圧
延材を直接圧延するためのワークロールと、ワークロー
ルの外側に配設されたバックアップロールと、バックア
ップロールを制御して被圧延材の板厚を調節するロール
間隔調整装置と、バックアップロールで発生するロール
偏心に関連した偏心情報を検出するセンサ手段と、偏心
情報に基づいてロール間隔調整装置に対する制御パラメ
ータを算出する演算手段とを備え、ロール偏心を補償す
る冷間圧延機のロール偏心補償装置において、センサ手
段は、冷間圧延機の実績荷重を検出する荷重計と、ワー
クロールの回転角度をワークロール角度として検出する
角度検出器とを含み、演算手段は、ワークロールのキス
ロール状態で検出された偏心情報に基づいて制御パラメ
ータを算出する計算機を含み、計算機は、ワークロール
角度に基づいてバックアップロールの回転角度をバック
アップロール角度として算出する角度変換回路と、キス
ロール状態で検出された実績荷重に対してバックアップ
ロール角度によるFFT演算処理を施し、ロール偏心量
およびロール偏心周期を算出するFFT演算回路と、角
度変換回路およびFFT演算回路と関連してバックアッ
プロール角度の補正角度を推定演算する補正角度推定回
路とを含み、補正角度推定回路は、被圧延材の圧延時に
検出される実績荷重から算出されたロール偏心周期の波
形を抽出して、バックアップロール角度が360度回転
する区間での最小荷重を検索し、最小荷重を示す最小ポ
イントでのバックアップロール角度を補正角度として算
出し、ロール間隔調整装置は、ロール偏心量、ロール偏
心周期および補正角度を制御パラメータとして、ロール
偏心を抑制するようにバックアップロールを制御するよ
うにしたので、製品生産性の悪化やコストアップを招く
ことなく最終製品の板厚精度の向上させた冷間圧延機の
ロール偏心補償装置が得られる効果がある。
【0188】また、この発明によれば、被圧延材を直接
圧延するためのワークロールと、ワークロールの外側に
配設されたバックアップロールと、バックアップロール
を制御して被圧延材の板厚を調節するロール間隔調整装
置と、バックアップロールで発生するロール偏心に関連
した偏心情報を検出するセンサ手段と、偏心情報に基づ
いてロール間隔調整装置に対する制御パラメータを算出
する演算手段とを備え、ロール偏心を補償する冷間圧延
機のロール偏心補償装置において、センサ手段は、冷間
圧延機の実績荷重を検出する荷重計と、ワークロールの
回転角度をワークロール角度として検出する角度検出器
とを含み、演算手段は、一定時間に収集された偏心情報
に基づいて制御パラメータを算出する計算機を含み、計
算機は、ワークロール角度に基づいてバックアップロー
ルの回転角度をバックアップロール角度として算出する
角度変換回路と、実績荷重に対してバックアップロール
角度によるFFT演算処理を施し、ロール偏心量および
ロール偏心周期を算出するFFT演算回路と、角度変換
回路およびFFT演算回路と関連してバックアップロー
ル角度の補正角度を推定演算する補正角度推定回路とを
含み、補正角度推定回路は、ロール偏心周期の波形を抽
出して、バックアップロール角度が360度回転する区
間での最小荷重を検索し、最小荷重を示す最小ポイント
でのバックアップロール角度を補正角度として算出し、
ロール間隔調整装置は、ロール偏心量、ロール偏心周期
および補正角度を制御パラメータとして、ロール偏心を
抑制するようにバックアップロールを制御し、荷重変動
からロール偏心成分を抽出することにより、比較的簡易
な回路を用いて各バックアップロールの回転角度を推定
して角度補正するようにしたので、製品生産性の悪化や
コストアップを招くことなく最終製品の板厚精度の向上
させた冷間圧延機のロール偏心補償装置が得られる効果
がある。
【0189】また、この発明によれば、計算機は、偏心
荷重分離回路を含み、偏心荷重分離回路は、角度変換回
路と、補正角度推定回路およびFFT演算回路との間に
挿入され、実績荷重から、被圧延材の板厚に応じた自動
制御量と、ロール偏心制御動作分とを減算し、さらに平
滑化処理を施した補正荷重を、補正角度推定回路および
FFT演算回路に入力し、補正角度推定回路は、補正荷
重を用いて最小荷重を示す最小ポイントを検索し、最小
ポイントでのバックアップロール角度を補正角度とした
ので、実際のロール偏心荷重に基づいて制御パラメータ
を求めることができ、さらに最終製品の板厚精度の向上
させた冷間圧延機のロール偏心補償装置が得られる効果
がある。
【0190】また、この発明によれば、被圧延材を直接
圧延するためのワークロールと、ワークロールの外側に
配設されたバックアップロールと、バックアップロール
を制御して被圧延材の板厚を調節するロール間隔調整装
置と、バックアップロールで発生するロール偏心に関連
した偏心情報を検出するセンサ手段と、偏心情報に基づ
いてロール間隔調整装置に対する制御パラメータを算出
する演算手段とを備え、ロール偏心を補償する冷間圧延
機のロール偏心補償装置において、センサ手段は、冷間
圧延機の実績荷重を検出する荷重計と、ワークロールの
回転角度をワークロール角度として検出する角度検出器
とを含み、演算手段は、ワークロール角度に基づいてバ
ックアップロールの回転角度をバックアップロール角度
として算出するための角度変換回路を有する第1のコン
トローラと、一定時間に収集されたバックアップロール
角度および実績荷重に基づいてロール偏心周期およびロ
ール偏心量を推定演算するための偏心周期推定回路およ
び偏心量推定回路を有する計算機と、ロール偏心周期お
よびロール偏心量に基づいてバックアップロール角度の
補正角度を推定演算するための補正角度推定回路を有す
る第2のコントローラとを含み、計算機は、実績荷重の
最大ポイントおよび最小ポイントを検索し、バックアッ
プロール角度、最大ポイントおよび最小ポイントに基づ
いて、ロール偏心周期およびロール偏心量を推定演算
し、補正角度推定回路は、バックアップロール角度が3
60度回転する区間での最小荷重を検索し、最小荷重を
示す最小ポイントでのバックアップロール角度を算出し
て、さらにバックアップロール角度をバックアップロー
ルの一定回転毎に移動平均した値を補正角度として算出
し、ロール間隔調整装置は、ロール偏心量、ロール偏心
周期および補正角度を制御パラメータとして、ロール偏
心を抑制するようにバックアップロールを制御し、荷重
変動からロール偏心成分を抽出することにより、比較的
簡易な回路を用いて各バックアップロールの回転角度を
推定して角度補正するようにしたので、製品生産性の悪
化やコストアップを招くことなく最終製品の板厚精度の
向上させた冷間圧延機のロール偏心補償装置が得られる
効果がある。
【0191】また、この発明によれば、計算機は、第1
の偏心成分抽出回路を有し、第2のコントローラは、第
2の偏心成分抽出回路を有し、第1の偏心成分抽出回路
は、一定時間に収集された実績荷重から、被圧延材の板
厚に応じた自動制御量とロール偏心制御動作分とを減算
し、さらに平滑化処理を施した補正荷重を、第2のコン
トローラに入力し、第2のコントローラは、補正荷重を
用いて、バックアップロール角度が360度回転する区
間での最小荷重を検索し、最小荷重を示す最小ポイント
でのバックアップロール角度を算出して、さらにバック
アップロール角度をバックアップロールの一定回転毎に
移動平均した値を補正角度としたので、実際のロール偏
心荷重に基づいて制御パラメータを求めることができ、
さらに最終製品の板厚精度の向上させた冷間圧延機のロ
ール偏心補償装置が得られる効果がある。
【0192】また、この発明によれば、被圧延材を直接
圧延するためのワークロールと、ワークロールの外側に
配設されたバックアップロールと、バックアップロール
を制御して被圧延材の板厚を調節するロール間隔調整装
置と、バックアップロールで発生するロール偏心に関連
した偏心情報を検出するセンサ手段と、偏心情報に基づ
いてロール間隔調整装置に対する制御パラメータを算出
する演算手段とを備え、ロール偏心を補償する冷間圧延
機のロール偏心補償装置において、センサ手段は、冷間
圧延機の実績荷重を検出する荷重計と、ワークロールの
回転角度をワークロール角度として検出する角度検出器
とを含み、演算手段は、ワークロール角度に基づいてバ
ックアップロールの回転角度をバックアップロール角度
として算出するための角度変換回路と、一定時間に収集
された実績荷重から、被圧延材の板厚に応じた自動制御
量とロール偏心制御動作分とを減算し、さらに平滑化処
理を施した補正荷重を算出する偏心成分抽出回路と、一
定時間に収集されたバックアップロール角度および補正
荷重に基づいて、ロール偏心周期およびロール偏心量を
推定演算するための偏心周期推定回路および偏心量推定
回路と、補正荷重、ロール偏心周期およびロール偏心量
に基づいて、バックアップロール角度の補正角度を推定
演算するための補正角度推定回路とを含み、偏心周期推
定回路および偏心量推定回路は、補正荷重の最大ポイン
トおよび最小ポイントを検索し、バックアップロール角
度、最大ポイントおよび最小ポイントに基づいて、ロー
ル偏心周期およびロール偏心量を推定演算し、補正角度
推定回路は、補正荷重を用いて、バックアップロール角
度が360度回転する区間での最小荷重を検索し、最小
荷重を示す最小ポイントでのバックアップロール角度を
算出して、さらにバックアップロール角度をバックアッ
プロールの一定回転毎に移動平均した値を補正角度と
し、ロール間隔調整装置は、ロール偏心量、ロール偏心
周期および補正角度を制御パラメータとして、バックア
ップロールが一定回転する毎に、ロール偏心を抑制する
ようにバックアップロールを制御し、荷重変動からロー
ル偏心成分を抽出することにより、比較的簡易な回路を
用いて各バックアップロールの回転角度を推定して角度
補正するようにしたので、製品生産性の悪化やコストア
ップを招くことなく最終製品の板厚精度の向上させた冷
間圧延機のロール偏心補償装置が得られる効果がある。
【0193】また、この発明によれば、ロール間隔調整
装置は、制御パラメータが被圧延材の溶接点付近を示す
場合には、制御パラメータに基づくバックアップロール
の制御を禁止するようにしたので、溶接点付近の強度を
確保した冷間圧延機のロール偏心補償装置が得られる効
果がある。
【0194】また、この発明に係る冷間圧延機のロール
偏心補償装置は、冷間圧延機の第1スタンドに関連して
設けられたので、最初のスタンドにおける制御精度を確
保することができ、製品生産性の悪化やコストアップを
招くことなく、さらに最終製品の板厚精度の向上させた
冷間圧延機のロール偏心補償装置が得られる効果があ
る。
【0195】また、この発明によれば、被圧延材を直接
圧延するためのワークロールと、ワークロールの外側に
配設されたバックアップロールと、バックアップロール
を制御して被圧延材の板厚を調節するロール間隔調整装
置と、バックアップロールで発生するロール偏心に関連
した偏心情報を検出するセンサ手段と、偏心情報に基づ
いてロール間隔調整装置に対する制御パラメータを算出
する演算手段とを備え、ロール偏心を補償する冷間圧延
機のロール偏心補償装置において、センサ手段は、スタ
ンド入側での被圧延材の板厚を検出する板厚計と、冷間
圧延機の実績荷重を検出する荷重計と、ワークロールの
回転角度をワークロール角度として検出する角度検出器
とを含み、演算手段は、ワークロール角度に基づいてバ
ックアップロールの回転角度をバックアップロール角度
として算出するための角度変換回路と、一定時間に収集
された実績荷重から、被圧延材の板厚に応じた自動制御
量とロール偏心制御動作分とを減算し、さらに平滑化処
理を施した補正荷重を算出する偏心成分抽出回路と、一
定時間に収集されたバックアップロール角度および補正
荷重に基づいて、ロール偏心周期およびロール偏心量を
推定演算するための偏心周期推定回路および偏心量推定
回路と、補正荷重、ロール偏心周期およびロール偏心量
に基づいて、バックアップロール角度の補正角度を推定
演算するための補正角度推定回路とを含み、偏心周期推
定回路および偏心量推定回路は、補正荷重の最大ポイン
トおよび最小ポイントを検索し、バックアップロール角
度、最大ポイントおよび最小ポイントに基づいて、ロー
ル偏心周期およびロール偏心量を推定演算し、補正角度
推定回路は、補正荷重を用いて、バックアップロール角
度が360度回転する区間での最小荷重を検索し、最小
荷重を示す最小ポイントでのバックアップロール角度を
算出して、さらにバックアップロール角度をバックアッ
プロールの一定回転毎に移動平均した値を補正角度とし
て算出し、ロール間隔調整装置は、ロール偏心量、ロー
ル偏心周期および補正角度を制御パラメータとして、バ
ックアップロールが一定回転する毎に、ロール偏心を抑
制するようにバックアップロールを制御するとともに、
制御パラメータが被圧延材の溶接点付近を示す場合に
は、制御パラメータに基づくバックアップロールの制御
を禁止するようにしたので、任意スタンドについて補正
制御が可能となり、さらに最終製品の板厚精度の向上さ
せた冷間圧延機のロール偏心補償装置が得られる効果が
ある。
【0196】また、この発明によれば、被圧延材を直接
圧延するためのワークロールと、ワークロールの外側に
配設されたバックアップロールと、バックアップロール
を制御して被圧延材の板厚を調節するロール間隔調整装
置と、バックアップロールで発生するロール偏心に関連
した偏心情報を検出するセンサ手段と、偏心情報に基づ
いてロール間隔調整装置に対する制御パラメータを算出
する演算手段とを備え、ロール偏心を補償する冷間圧延
機のロール偏心補償装置において、センサ手段は、特定
スタンド入側での被圧延材の板厚を検出する板厚計と、
冷間圧延機の実績荷重を検出する荷重計と、ワークロー
ルの回転角度をワークロール角度として検出する角度検
出器とを含み、演算手段は、ワークロール角度に基づい
てバックアップロールの回転角度をバックアップロール
角度として算出するための角度変換回路と、一定時間に
収集された実績荷重から、被圧延材の板厚に応じた自動
制御量とロール偏心制御動作分とを減算し、さらに平滑
化処理を施した補正荷重を算出する偏心成分抽出回路
と、一定時間に収集されたバックアップロール角度およ
び補正荷重に基づいて、ロール偏心周期およびロール偏
心量を推定演算するための偏心周期推定回路および偏心
量推定回路と、補正荷重、ロール偏心周期およびロール
偏心量に基づいて、バックアップロール角度の補正角度
を推定演算するための補正角度推定回路とを含み、偏心
周期推定回路および偏心量推定回路は、補正荷重の最大
ポイントおよび最小ポイントを検索し、バックアップロ
ール角度、最大ポイントおよび最小ポイントに基づい
て、ロール偏心周期およびロール偏心量を推定演算し、
補正角度推定回路は、補正荷重を用いて、バックアップ
ロール角度が360度回転する区間での最小荷重を検索
し、最小荷重を示す最小ポイントでのバックアップロー
ル角度を算出して、さらにバックアップロール角度をバ
ックアップロールの一定回転毎に移動平均した値を補正
角度として算出し、ロール間隔調整装置は、ロール偏心
量、ロール偏心周期および補正角度を制御パラメータと
して、バックアップロールが一定回転する毎に、ロール
偏心を抑制するようにバックアップロールを制御すると
ともに、制御パラメータが被圧延材の溶接点付近を示す
場合には、制御パラメータに基づくバックアップロール
の制御を禁止し、さらに、特定スタンド以外のスタンド
に関する上流スタンド入側または下流スタンド出側の板
厚変動をトラッキングして、板厚変動に起因する荷重変
動を実績荷重から減算した値を補正荷重として算出し、
特定スタンドに対する処理と同様の処理を施すことによ
り、ロール偏心を抑制するようにしたので、全スタンド
について補正制御が可能となり、さらに最終製品の板厚
精度の向上させた冷間圧延機のロール偏心補償装置が得
られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1、2を示すブロック
構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1、2による偏心情報
を示す説明図である。
【図3】 この発明の実施の形態3を示すブロック構成
図である。
【図4】 この発明の実施の形態4を示すブロック構成
図である。
【図5】 この発明の実施の形態4による偏心情報を示
す説明図である。
【図6】 この発明の実施の形態5を示すブロック構成
図である。
【図7】 この発明の実施の形態6を示すブロック構成
図である。
【図8】 この発明の実施の形態7、8を示すブロック
構成図である。
【図9】 従来の冷間圧延機のロール偏心補償装置を示
すブロック構成図である。
【符号の説明】
1 被圧延材、2、3 バックアップロール、4、5
ワークロール、6 荷重計(センサ手段)、9 FFT
演算回路、10、10E ロール間隔調整装置、11
角度検出器(センサ手段)、12、12B、12D、1
9、19C コントローラ、12A データ収集機能、
13、13A〜13C 計算機、14角度変換回路、1
5、15B〜15D 補正角度推定回路、16 偏心荷
重分離回路、17、17D 偏心周期推定回路、18、
18D 偏心量推定回路、20、20D、21 偏心成
分抽出回路、A、B 最小ポイント、F ロール偏心
量、X、Y 区間、θT バックアップロール角度。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被圧延材を直接圧延するためのワークロ
    ールと、 前記ワークロールの外側に配設されたバックアップロー
    ルと、 前記バックアップロールを制御して前記被圧延材の板厚
    を調節するロール間隔調整装置と、 前記バックアップロールで発生するロール偏心に関連し
    た偏心情報を検出するセンサ手段と、 前記偏心情報に基づいて前記ロール間隔調整装置に対す
    る制御パラメータを算出する演算手段とを備え、 前記ロール偏心を補償する冷間圧延機のロール偏心補償
    装置において、 前記センサ手段は、 前記冷間圧延機の実績荷重を検出する荷重計と、 前記ワークロールの回転角度をワークロール角度として
    検出する角度検出器とを含み、 前記演算手段は、前記ワークロールのキスロール状態で
    検出された前記偏心情報に基づいて前記制御パラメータ
    を算出する計算機を含み、 前記計算機は、 前記ワークロール角度に基づいて前記バックアップロー
    ルの回転角度をバックアップロール角度として算出する
    角度変換回路と、 前記キスロール状態で検出された実績荷重に対して前記
    バックアップロール角度によるFFT演算処理を施し、
    ロール偏心量およびロール偏心周期を算出するFFT演
    算回路と、 前記角度変換回路および前記FFT演算回路と関連して
    前記バックアップロール角度の補正角度を推定演算する
    補正角度推定回路とを含み、 前記補正角度推定回路は、前記被圧延材の圧延時に検出
    される実績荷重から算出された前記ロール偏心周期の波
    形を抽出して、前記バックアップロール角度が360度
    回転する区間での最小荷重を検索し、前記最小荷重を示
    す最小ポイントでのバックアップロール角度を前記補正
    角度として算出し、 前記ロール間隔調整装置は、前記ロール偏心量、前記ロ
    ール偏心周期および前記補正角度を前記制御パラメータ
    として、前記ロール偏心を抑制するように前記バックア
    ップロールを制御することを特徴とする冷間圧延機のロ
    ール偏心補償装置。
  2. 【請求項2】 被圧延材を直接圧延するためのワークロ
    ールと、 前記ワークロールの外側に配設されたバックアップロー
    ルと、 前記バックアップロールを制御して前記被圧延材の板厚
    を調節するロール間隔調整装置と、 前記バックアップロールで発生するロール偏心に関連し
    た偏心情報を検出するセンサ手段と、 前記偏心情報に基づいて前記ロール間隔調整装置に対す
    る制御パラメータを算出する演算手段とを備え、 前記ロール偏心を補償する冷間圧延機のロール偏心補償
    装置において、 前記センサ手段は、 前記冷間圧延機の実績荷重を検出する荷重計と、 前記ワークロールの回転角度をワークロール角度として
    検出する角度検出器とを含み、 前記演算手段は、一定時間に収集された前記偏心情報に
    基づいて前記制御パラメータを算出する計算機を含み、 前記計算機は、 前記ワークロール角度に基づいて前記バックアップロー
    ルの回転角度をバックアップロール角度として算出する
    角度変換回路と、 前記実績荷重に対して前記バックアップロール角度によ
    るFFT演算処理を施し、ロール偏心量およびロール偏
    心周期を算出するFFT演算回路と、 前記角度変換回路および前記FFT演算回路と関連して
    前記バックアップロール角度の補正角度を推定演算する
    補正角度推定回路とを含み、 前記補正角度推定回路は、前記ロール偏心周期の波形を
    抽出して、前記バックアップロール角度が360度回転
    する区間での最小荷重を検索し、前記最小荷重を示す最
    小ポイントでのバックアップロール角度を前記補正角度
    として算出し、 前記ロール間隔調整装置は、前記ロール偏心量、前記ロ
    ール偏心周期および前記補正角度を前記制御パラメータ
    として、前記ロール偏心を抑制するように前記バックア
    ップロールを制御することを特徴とする冷間圧延機のロ
    ール偏心補償装置。
  3. 【請求項3】 前記計算機は、偏心荷重分離回路を含
    み、 前記偏心荷重分離回路は、前記角度変換回路と、前記補
    正角度推定回路および前記FFT演算回路との間に挿入
    され、前記実績荷重から、前記被圧延材の板厚に応じた
    自動制御量と、ロール偏心制御動作分とを減算し、さら
    に平滑化処理を施した補正荷重を、前記補正角度推定回
    路および前記FFT演算回路に入力し、 前記補正角度推定回路は、前記補正荷重を用いて前記最
    小荷重を示す最小ポイントを検索し、前記最小ポイント
    でのバックアップロール角度を前記補正角度とすること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷間圧延
    機のロール偏心補償装置。
  4. 【請求項4】 被圧延材を直接圧延するためのワークロ
    ールと、 前記ワークロールの外側に配設されたバックアップロー
    ルと、 前記バックアップロールを制御して前記被圧延材の板厚
    を調節するロール間隔調整装置と、 前記バックアップロールで発生するロール偏心に関連し
    た偏心情報を検出するセンサ手段と、 前記偏心情報に基づいて前記ロール間隔調整装置に対す
    る制御パラメータを算出する演算手段とを備え、 前記ロール偏心を補償する冷間圧延機のロール偏心補償
    装置において、 前記センサ手段は、 前記冷間圧延機の実績荷重を検出する荷重計と、 前記ワークロールの回転角度をワークロール角度として
    検出する角度検出器とを含み、 前記演算手段は、 前記ワークロール角度に基づいて前記バックアップロー
    ルの回転角度をバックアップロール角度として算出する
    ための角度変換回路を有する第1のコントローラと、 一定時間に収集された前記バックアップロール角度およ
    び前記実績荷重に基づいてロール偏心周期およびロール
    偏心量を推定演算するための偏心周期推定回路および偏
    心量推定回路を有する計算機と、 前記ロール偏心周期および前記ロール偏心量に基づいて
    前記バックアップロール角度の補正角度を推定演算する
    ための補正角度推定回路を有する第2のコントローラと
    を含み、 前記計算機は、前記実績荷重の最大ポイントおよび最小
    ポイントを検索し、前記バックアップロール角度、前記
    最大ポイントおよび前記最小ポイントに基づいて、前記
    ロール偏心周期および前記ロール偏心量を推定演算し、 前記補正角度推定回路は、前記バックアップロール角度
    が360度回転する区間での最小荷重を検索し、前記最
    小荷重を示す最小ポイントでのバックアップロール角度
    を算出して、さらに前記バックアップロール角度を前記
    バックアップロールの一定回転毎に移動平均した値を前
    記補正角度として算出し、 前記ロール間隔調整装置は、前記ロール偏心量、前記ロ
    ール偏心周期および前記補正角度を前記制御パラメータ
    として、前記ロール偏心を抑制するように前記バックア
    ップロールを制御することを特徴とする冷間圧延機のロ
    ール偏心補償装置。
  5. 【請求項5】 前記計算機は、第1の偏心成分抽出回路
    を有し、 前記第2のコントローラは、第2の偏心成分抽出回路を
    有し、 前記第1の偏心成分抽出回路は、前記一定時間に収集さ
    れた前記実績荷重から、前記被圧延材の板厚に応じた自
    動制御量とロール偏心制御動作分とを減算し、さらに平
    滑化処理を施した補正荷重を、前記第2のコントローラ
    に入力し、 前記第2のコントローラは、前記補正荷重を用いて、前
    記バックアップロール角度が360度回転する区間での
    最小荷重を検索し、前記最小荷重を示す最小ポイントで
    のバックアップロール角度を算出して、さらに前記バッ
    クアップロール角度を前記バックアップロールの一定回
    転毎に移動平均した値を前記補正角度とすることを特徴
    とする請求項4に記載の冷間圧延機のロール偏心補償装
    置。
  6. 【請求項6】 被圧延材を直接圧延するためのワークロ
    ールと、 前記ワークロールの外側に配設されたバックアップロー
    ルと、 前記バックアップロールを制御して前記被圧延材の板厚
    を調節するロール間隔調整装置と、 前記バックアップロールで発生するロール偏心に関連し
    た偏心情報を検出するセンサ手段と、 前記偏心情報に基づいて前記ロール間隔調整装置に対す
    る制御パラメータを算出する演算手段とを備え、 前記ロール偏心を補償する冷間圧延機のロール偏心補償
    装置において、 前記センサ手段は、 前記冷間圧延機の実績荷重を検出する荷重計と、 前記ワークロールの回転角度をワークロール角度として
    検出する角度検出器とを含み、 前記演算手段は、 前記ワークロール角度に基づいて前記バックアップロー
    ルの回転角度をバックアップロール角度として算出する
    ための角度変換回路と、 一定時間に収集された前記実績荷重から、前記被圧延材
    の板厚に応じた自動制御量とロール偏心制御動作分とを
    減算し、さらに平滑化処理を施した補正荷重を算出する
    偏心成分抽出回路と、 前記一定時間に収集された前記バックアップロール角度
    および前記補正荷重に基づいて、ロール偏心周期および
    ロール偏心量を推定演算するための偏心周期推定回路お
    よび偏心量推定回路と、 前記補正荷重、前記ロール偏心周期および前記ロール偏
    心量に基づいて、前記バックアップロール角度の補正角
    度を推定演算するための補正角度推定回路とを含み、 前記偏心周期推定回路および偏心量推定回路は、前記補
    正荷重の最大ポイントおよび最小ポイントを検索し、前
    記バックアップロール角度、前記最大ポイントおよび前
    記最小ポイントに基づいて、前記ロール偏心周期および
    前記ロール偏心量を推定演算し、 前記補正角度推定回路は、前記補正荷重を用いて、前記
    バックアップロール角度が360度回転する区間での最
    小荷重を検索し、前記最小荷重を示す最小ポイントでの
    バックアップロール角度を算出して、さらに前記バック
    アップロール角度を前記バックアップロールの一定回転
    毎に移動平均した値を前記補正角度として算出し、 前記ロール間隔調整装置は、前記ロール偏心量、前記ロ
    ール偏心周期および前記補正角度を前記制御パラメータ
    として、前記バックアップロールが一定回転する毎に、
    前記ロール偏心を抑制するように前記バックアップロー
    ルを制御することを特徴とする冷間圧延機のロール偏心
    補償装置。
  7. 【請求項7】 前記ロール間隔調整装置は、前記制御パ
    ラメータが前記被圧延材の溶接点付近を示す場合には、
    前記制御パラメータに基づく前記バックアップロールの
    制御を禁止することを特徴とする請求項6に記載の冷間
    圧延機のロール偏心補償装置。
  8. 【請求項8】 前記冷間圧延機の第1スタンドに関連し
    て設けられたことを特徴とする請求項1から請求項7ま
    でのいずれかに記載の冷間圧延機のロール偏心補償装
    置。
  9. 【請求項9】 被圧延材を直接圧延するためのワークロ
    ールと、 前記ワークロールの外側に配設されたバックアップロー
    ルと、 前記バックアップロールを制御して前記被圧延材の板厚
    を調節するロール間隔調整装置と、 前記バックアップロールで発生するロール偏心に関連し
    た偏心情報を検出するセンサ手段と、 前記偏心情報に基づいて前記ロール間隔調整装置に対す
    る制御パラメータを算出する演算手段とを備え、 前記ロール偏心を補償する冷間圧延機のロール偏心補償
    装置において、 前記センサ手段は、 スタンド入側での前記被圧延材の板厚を検出する板厚計
    と、 前記冷間圧延機の実績荷重を検出する荷重計と、 前記ワークロールの回転角度をワークロール角度として
    検出する角度検出器とを含み、 前記演算手段は、 前記ワークロール角度に基づいて前記バックアップロー
    ルの回転角度をバックアップロール角度として算出する
    ための角度変換回路と、 一定時間に収集された前記実績荷重から、前記被圧延材
    の板厚に応じた自動制御量とロール偏心制御動作分とを
    減算し、さらに平滑化処理を施した補正荷重を算出する
    偏心成分抽出回路と、 前記一定時間に収集された前記バックアップロール角度
    および前記補正荷重に基づいて、ロール偏心周期および
    ロール偏心量を推定演算するための偏心周期推定回路お
    よび偏心量推定回路と、 前記補正荷重、前記ロール偏心周期および前記ロール偏
    心量に基づいて、前記バックアップロール角度の補正角
    度を推定演算するための補正角度推定回路とを含み、 前記偏心周期推定回路および偏心量推定回路は、前記補
    正荷重の最大ポイントおよび最小ポイントを検索し、前
    記バックアップロール角度、前記最大ポイントおよび前
    記最小ポイントに基づいて、前記ロール偏心周期および
    前記ロール偏心量を推定演算し、 前記補正角度推定回路は、前記補正荷重を用いて、前記
    バックアップロール角度が360度回転する区間での最
    小荷重を検索し、前記最小荷重を示す最小ポイントでの
    バックアップロール角度を算出して、さらに前記バック
    アップロール角度を前記バックアップロールの一定回転
    毎に移動平均した値を前記補正角度として算出し、 前記ロール間隔調整装置は、 前記ロール偏心量、前記ロール偏心周期および前記補正
    角度を前記制御パラメータとして、前記バックアップロ
    ールが一定回転する毎に、前記ロール偏心を抑制するよ
    うに前記バックアップロールを制御するとともに、 前記制御パラメータが前記被圧延材の溶接点付近を示す
    場合には、前記制御パラメータに基づく前記バックアッ
    プロールの制御を禁止することを特徴とする冷間圧延機
    のロール偏心補償装置。
  10. 【請求項10】 被圧延材を直接圧延するためのワーク
    ロールと、 前記ワークロールの外側に配設されたバックアップロー
    ルと、 前記バックアップロールを制御して前記被圧延材の板厚
    を調節するロール間隔調整装置と、 前記バックアップロールで発生するロール偏心に関連し
    た偏心情報を検出するセンサ手段と、 前記偏心情報に基づいて前記ロール間隔調整装置に対す
    る制御パラメータを算出する演算手段とを備え、 前記ロール偏心を補償する冷間圧延機のロール偏心補償
    装置において、 前記センサ手段は、 特定スタンド入側での前記被圧延材の板厚を検出する板
    厚計と、 前記冷間圧延機の実績荷重を検出する荷重計と、 前記ワークロールの回転角度をワークロール角度として
    検出する角度検出器とを含み、 前記演算手段は、 前記ワークロール角度に基づいて前記バックアップロー
    ルの回転角度をバックアップロール角度として算出する
    ための角度変換回路と、 一定時間に収集された前記実績荷重から、前記被圧延材
    の板厚に応じた自動制御量とロール偏心制御動作分とを
    減算し、さらに平滑化処理を施した補正荷重を算出する
    偏心成分抽出回路と、 前記一定時間に収集された前記バックアップロール角度
    および前記補正荷重に基づいて、ロール偏心周期および
    ロール偏心量を推定演算するための偏心周期推定回路お
    よび偏心量推定回路と、 前記補正荷重、前記ロール偏心周期および前記ロール偏
    心量に基づいて、前記バックアップロール角度の補正角
    度を推定演算するための補正角度推定回路とを含み、 前記偏心周期推定回路および偏心量推定回路は、前記補
    正荷重の最大ポイントおよび最小ポイントを検索し、前
    記バックアップロール角度、前記最大ポイントおよび前
    記最小ポイントに基づいて、前記ロール偏心周期および
    前記ロール偏心量を推定演算し、 前記補正角度推定回路は、前記補正荷重を用いて、前記
    バックアップロール角度が360度回転する区間での最
    小荷重を検索し、前記最小荷重を示す最小ポイントでの
    バックアップロール角度を算出して、さらに前記バック
    アップロール角度を前記バックアップロールの一定回転
    毎に移動平均した値を前記補正角度として算出し、 前記ロール間隔調整装置は、 前記ロール偏心量、前記ロール偏心周期および前記補正
    角度を前記制御パラメータとして、前記バックアップロ
    ールが一定回転する毎に、前記ロール偏心を抑制するよ
    うに前記バックアップロールを制御するとともに、 前記制御パラメータが前記被圧延材の溶接点付近を示す
    場合には、前記制御パラメータに基づく前記バックアッ
    プロールの制御を禁止し、 さらに、前記特定スタンド以外のスタンドに関する上流
    スタンド入側または下流スタンド出側の板厚変動をトラ
    ッキングして、前記板厚変動に起因する荷重変動を前記
    実績荷重から減算した値を前記補正荷重として算出し、
    前記特定スタンドに対する処理と同様の処理を施すこと
    により、ロール偏心を抑制することを特徴とする冷間圧
    延機のロール偏心補償装置。
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