JP4987253B2 - イソプロピルクロライド合成用触媒および該触媒を用いたイソプロピルクロライドの合成方法 - Google Patents

イソプロピルクロライド合成用触媒および該触媒を用いたイソプロピルクロライドの合成方法 Download PDF

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Description

本発明は、溶媒、医・農薬の原料、船底塗料として有用なイソプロピルクロライドを、収率よくで且つ長時間安定に製造する方法および該方法で使用される触媒に関する。
従来、イソプロピルクロライドの合成方法としては、(1)イソプロピルアルコールと塩酸を反応させる方法(英国特許第1042705号、特許文献1)及び(2)プロピレンと塩化
水素を反応させる方法(ケミカル・エンジニアリング・プログレス、第48巻、No.11,564-569ページ,(1952)、非特許文献1、および特開昭50−130702号公報(特許文
献2)、特公昭64−3853号公報(特許文献3))等がある。
)等がある。
英国特許第1042705号 ケミカル・エンジニアリング・プログレス、第48巻、NO.11,564〜569ページ、(1952) 特開昭50−130702号公報 特公昭64−3853号公報
しかしながら、前者(1)の方法は、イソプロピルアルコールがプロピレンと比べて高価であることと、酸化ケイ素(SiO2)に酸化アルミニウム(Al2O3)を含有させた触媒を用い
るために反応率が低いという欠点のため、工業的には採用し難い。
後者(2)の方法は、プロピレンと塩化水素とを酸化アルミニウム触媒の存在下に気相で接触させるが、反応温度が100℃を越えると、触媒が橙色から黒色に変わる沈着物で覆われるにいたり、触媒が急速に失活することが記載されており、このため、特許文献2では、高められた圧力(約3〜8気圧)と温度(約50〜200℃)で反応させることが提唱されている。
しかしながら、この方法でも、プロピレンの重合反応が併発し、生成したプロピレンの重合物(オリゴマー等)が触媒上に沈着し、触媒を急速に失活させ、かつ選択性を低下させる問題があった。
このように失活したアルミナ触媒は、その都度反応塔から抜き出し、新たな触媒を再充填しなければならず、この間の生産停止とも相俟って、生産の連続性と経済性を大きく損なう原因となっていた。
また、一般に安価に得られる塩化水素の圧力はせいぜい3.5気圧であるため、この方法では原料の塩化水素の昇圧とプロピレンの加圧が必要となり、前記問題点と併せて、工業的に有効な方法とは言えない。
以上のような情況のもと、イソプロピルクロライドを高収率で且つ長時間安定に合成するためのイソプロピルクロライド合成用触媒および該触媒を用いたイソプロピルクロライド合成方法を提供することを求められている。
本発明者らは、上記問題点に鑑み鋭意検討した結果、水熱処理された酸化アルミニウムを使用するか、あるいは周期律表IIIA族から選ばれる1種以上の元素の酸化物を酸化ア
ルミニウムに担持することにより前記重合物の生成が抑制できるとともにイソプロピルクロライドへの選択性が向上することを見出して本発明を完成するに至った。
すなわち本発明に係るイソプロピルクロライド合成用触媒の態様は、以下の通りである。
(1)250〜800℃の温度で、0.1〜10時間水熱処理された酸化アルミニウムからなることを特徴とするイソプロピルクロライド合成用触媒。
(2)前記水熱処理の後、周期律表IIIA族から選ばれる1種以上の元素を、酸化物とし
て0.05〜5重量%の範囲で担持した(1)のイソプロピルクロライド合成用触媒。
(3)周期律表IIIA族から選ばれる1種以上の元素を、酸化物として0.05〜5重量
%の範囲で含むことを特徴とする酸化アルミニウムからなるイソプロピルクロライド合成用触媒。
(4)250〜800℃の温度で、0.1〜10時間水熱処理されたことを特徴とする(3)のイソプロピルクロライド合成用触媒。
(5)前記周期律表IIIA族から選ばれる元素が、ランタノイド族から選ばれる1種以上
の元素である(1)〜(4)のイソプロピルクロライド合成用触媒。
(6)プロピレンと塩化水素と前記イソプロピルクロライド合成用触媒とを接触させることを特徴とするイソプロピルクロライド合成方法。
(7)反応圧力が1〜3気圧(絶対圧)、反応温度が50〜240℃の範囲で接触させる(6)のイソプロピルクロライド合成方法。
(8)前記プロピレンのモル数(MP)と塩化水素のモル数(MHCl)とのモル比(MP
/(MHCl)が1〜1.5、空塔速度(SV)が100〜1200/hrの範囲にある(
6)または(7)のイソプロピルクロライド合成方法。
本発明によれば、プロピレン重合物の生成を抑制することができ、このため、活性および選択性に優れ、さらに、長期に使用可能なイソプロピルクロライド合成用触媒および該触媒を用いたイソプロピルクロライド合成方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
イソプロピルクロライド合成用触媒
本発明に係るイソプロピルクロライド合成用触媒の形状は、粉状であってもよいが、通常所望の形状に成形されたものが望ましく、ペレット状、錠剤状、ビード状のいずれもが使用できる。これらの中でもビード状の触媒が好ましい。ペレット状の触媒は、反応塔への触媒充填時や使用時にペレットの両端が粉化しやすく、圧力損失を高める原因となることがあり、錠剤状の触媒では成形コストが高くなるなどの欠点がある。
ビード状触媒の平均粒径は、0.5〜7mm、さらには2〜5mmの範囲にあることが好ましい。
ビード状触媒の平均粒径が前記範囲にあると、反応塔の圧力損失を軽減できるほか、充填密度を高めることができ、イソプロピルクロライドの収率を高めることができる。また、反応塔への触媒の充填や抜き出しの操作も、容易である。
ビード状触媒の平均粒径が前記範囲下限未満の場合は、触媒の充填密度が高くなるために、加えて粒子の強度が低下するために粉化しやすく、反応塔の圧力損失が過大となることがある。ビード状触媒の平均粒径が前記範囲上限を超えると、反応塔に充填した触媒間の空隙が大きくなり、触媒と原料の接触効率が低下して反応率が下がることがある。
本発明に用いる酸化アルミニウムとしては従来公知のアルミナを用いることができる。例えば、サンビードA(触媒化成工業(株)製、3mm径のビード)等を好適に採用するこ
とができる。
このような本発明に係るイソプロピルクロライド合成用触媒には、以下の態様がある。
1)第1のイソプロピルクロライド合成用触媒
本発明に係る第1のイソプロピルクロライド合成用触媒は、250〜800℃の温度で、0.1〜10時間水熱処理された酸化アルミニウムからなることを特徴としている。
水熱処理は、通常、250〜800℃、好ましくは400〜650℃の温度で行われる。水熱処理温度が低い場合は、重合物の生成を抑制する効果が不十分となり、また高くとも反応率が低下することがある。
また、水熱処理時間は、通常0.1〜10時間、さらには2〜6時間が好ましい。処理時間が短い場合は、水熱処理効果が不充分となることがあり、重合物の生成を抑制する効果が不充分であったり、抑制効果が安定的に再現しない場合がある。また処理時間が長すぎても、重合物の生成を抑制する効果がさらに向上することもなく、触媒の製造効率が低下することがある。
水熱処理する方法としては、例えば、円筒状の加熱処理容器にアルミナを充填し、所定の温度に維持しながら、一方から水または水蒸気を供給する方法がある。このとき、加熱処理容器は横向きであっても、縦向きであってもよく、さらに加熱処理容器を回転させながら処理してもよい。
水熱処理の程度は、処理の温度、時間、供給する水または水蒸気の量とその接触効率によって種々の組み合わせが可能である。
水熱処理を終了するまでに供給する水または水蒸気の量は、水熱処理温度によっても異なるが、充填したアルミナの重量の概ね0.01〜0.5倍、さらには0.1〜0.4倍が好ましい。
供給する水または水蒸気の量が少ない場合は、水熱処理効果が不十分となり重合物の生成を抑制する効果が不充分となり、多すぎても水熱処理が過度に進み、反応率が低下することがある。
このような水熱処理されたアルミナには、周期律表IIIA族から選ばれる1種以上の元
素が、酸化物として0.05〜5重量%、さらには0.1〜3重量%の範囲で含まれていることが好ましい。
周期律表IIIA族から選ばれる1種以上の元素としては、スカンジウム、イットリウム
、ランタノイド元素、アクチノイド元素が挙げられる。
酸化物としてはSc23、Y23の他La23、CeO2、Pr23、Nd23等の希土類酸化物、Ac23、Th23、Pa23等のアクチノイド属元素の酸化物が挙げられる。なか
でも、ランタノイド元素は、安価の入手でき、反応率を増大させながら、重合物の生成を抑制できるので、好適に用いることができる。
このような、周期律表IIIA族から選ばれる1種以上の元素を、酸化物として0.05
〜5重量%、さらには0.1〜3重量%の範囲で含むことが好ましい。前記IIIA族元素の酸化物含有量が少ないと、重合物の生成を抑制する効果が不充分となり、多すぎても反応率の低下が生じることがある。
前記酸化物の担持方法は、アルミナに酸化物が前記範囲となるように担持できれば特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができる。
例えば、前記ペレット状、錠剤状、ビード状のアルミナに、周期律表IIIA族から選ば
れる1種以上の元素を含む塩の水溶液を吸収させ、乾燥し、ついで、塩が分解して酸化物となるのに充分な温度で加熱することによって担持することができる。
吸収させる塩水溶液の量は、アルミナの細孔容積と同程度かそれ以下が好ましい。また、塩水溶液の濃度は、最終的に得られるイソプロピルクロライド合成用触媒中の周期律表IIIA族から選ばれる1種以上の元素からなる酸化物の含有量が0.05〜5重量%とな
るように調整して用いる。塩水溶液を吸収させた後、60〜120℃で1〜5時間乾燥し、ついで300〜800℃、さらには400〜600℃で焼成することが望ましい。
なお、必要に応じて、乾燥および/または焼成した後、追加の塩水溶液を吸収させ、ついで、乾燥、焼成することもできる。(以下、本方法を含浸法ということがある。)
また、別の前記酸化物の担持方法は、ペレット状、錠剤状、ビード状のアルミナの分散液に前記と同様の塩水溶液を加え、必要に応じて酸またはアルカリを加えて分散液のpHを調整し、さらに必要に応じて加温し、暫く静置または撹拌する。この時の分散液のpHは元素の種類によっても異なるが、4〜8、さらには、4.5〜7の範囲にあることが望ましい。なお、分散液のpHが小さい場合、はアルミナが溶解することがあり、分散液のpHが大きい場合、水酸化物の沈殿が生成することがあり、この場合、重合物の生成を抑制する効果が低下することがある。
塩水溶液の濃度および量は特に制限はないが、最終的に得られるイソプロピルクロライド合成用触媒中の周期律表IIIA族から選ばれる1種以上の元素の酸化物の含有量が0.
05〜5重量%となるように濃度を調整すればよい。ついで、アルミナを濾過分離し、必要に応じて洗浄し、前記含浸法と同様に乾燥し、ついで焼成することによって酸化物を担持することができる。なお、本方法(以下、イオン交換法ということがある)においても、乾燥および/または焼成した後、再び分散液とし、分散液に塩水溶液を添加し、暫く静置または撹拌した後、乾燥および/または焼成を繰り返し行うことができる。
周期律表IIIA族から選ばれる1種以上の元素は、通常、酸化物、場合によって金属や
イオンとして、触媒中に存在し、上記酸化アルミニウムを担体として担持されている。
なお、水熱処理された酸化アルミニウム自体が高い触媒能を有する。また、周期律表IIIA族の元素が酸化物・金属等として担持されていると、触媒の活性成分として作用するので、重合物の生成効率を高めることが可能となる上、触媒の使用量を減らす効果もある。
2)第2のイソプロピルクロライド合成用触媒
本発明に係るイソプロピルクロライド合成用触媒の別態様は、周期律表IIIA族から選
ばれる1種以上の元素を、酸化物として0.05〜5重量%の範囲で含む酸化アルミニウムからなることを特徴としている。
周期律表IIIA族から選ばれる1種以上の元素の酸化物としては前記と同様である。
周期律表IIIA族から選ばれる1種以上の元素を、酸化物として0.05〜5重量%、
さらには0.1〜3重量%の範囲で含むことが好ましい。
前記酸化物の含有量が少ないと、重合物の生成を抑制する効果が不充分となり、多くとも反応率の低下が生じることがある。
このような第2のイソプロピルクロライド合成用触媒の製造方法は、前記第1のイソプロピルクロライド合成用触媒の調製において、水熱処理したペレット状、錠剤状、ビード
状のアルミナの代わりに水熱処理を施してないアルミナに前記前素の塩を担持する以外は同様にして製造することができる。
さらに、得られた第2のイソプロピルクロライド合成用触媒は、250〜800℃、さらには400〜650℃の温度で、0.1〜10時間、さらには2〜6時間水熱処理されていることが好ましい。水熱処理温度が低い場合、重合物の生成を抑制する効果が不十分となり、高くとも反応率が低下する。
また、水熱処理時間が短い場合は、水熱処理効果が不充分となることがあり、このため重合物の生成を抑制する効果が不充分であったり、抑制効果が安定的に再現しない場合がある。水熱処理時間が長くとも重合物の生成を抑制する効果がさらに向上することもなく、触媒の製造効率が低下する。
水熱処理を終了するまでに供給する水または水蒸気の量は、前記第1の触媒と同様に、水熱処理温度によっても異なるが、充填したアルミナの重量の概ね0.01〜0.5倍、さらには0.1〜0.4倍が好ましい。
イソプロピルクロライド合成方法
本発明に係るイソプロピルクロライド合成方法は、プロピレンと塩化水素と前記イソプロピルクロライド合成用触媒とを接触させることを特徴としている。合成条件は、次の範囲にあることが好ましい。
イ)反応温度 50〜240℃、好ましくは80〜180℃
ロ)反応圧力(絶対圧) 1〜3気圧、好ましくは1〜2.5気圧
イ)、ロ)の条件を満足することで、プロピレンの重合体を生成することなく、イソプロピルクロライドを効率的に合成することができる。
反応温度が低すぎると、反応管内で生成したイソプロピルクロライドが触媒層で凝縮するために触媒表面が湿潤して反応効率が低下することがある。また、反応温度が高すぎるとかえってプロピレンの重合が進行することがある。
反応圧力が低いと、生成したイソプロピルクロライドの回収率が低下するので好ましくない。また、反応圧力を上記範囲を越えて高くすることは、通常の塩酸蒸留等により容易に得られる無水塩化水素の圧力はせいぜい2.5気圧であることから、この塩化水素の圧
力を高めるプロセスが必要となる。なお、本発明に係る前記触媒を用いると、重合物の生成が抑制できることからこのような昇圧を必要としない。
また、より好適には反応条件として以下を満足することが望ましい。
ハ)プロピレン/塩化水素のモル比(MP/MHCl) 1〜1.5、好ましくは1〜1.1
ニ)空塔速度SV(1/hr) 100〜1200、好ましくは200〜1100
プロピレンと塩化水素のモル比は、当量比以上あればよいが、反応圧力の維持、生成したイソプロピルクロライドの回収率の向上、反応への塩化水素の利用率の向上、および残存塩化水素による装置腐食の防止等の観点から、僅かにプロピレン過剰の方が好ましい。
プロピレンと塩化水素の混合原料の供給速度である空塔速度(SV)は、前述の反応温度および反応圧力を維持できれば特に限定されるものではないが、前記した範囲であれば、安定した合成反応を行うことが可能である。
イソプロピルクロライドの合成反応は、前述の触媒を反応管に充填し、予めプロピレンと塩化水素とを所定のモル比に混合した原料を気相で接触させ、反応温度、反応圧力およびSVを前期範囲で一定に保ちながら行う。
本反応は発熱反応であるため、例えば、反応管にジャケットを付け、これに冷却水を通じて冷却しながら反応温度を一定に制御しながら反応させることが望ましい。
本発明によれば、イソプロピルクロライド合成時にプロピレンの重合反応が発生することがなく、このため、触媒を長期間安定に使用できる。このため、連続生産も可能であるとともに、不純物も少ないイソプロピルクロライドを安定的に合成できる。
[実施例]
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
イソプロピルクロライド合成用触媒(1)の調製
ビード状アルミナ(触媒化成工業(株)製:サンビードA、3mm径、細孔容積:0.54ml/g、比表面積:341m2/g)500gに270gの水を吸収させ、内容積
1リットル(10cm×10cm×10cm)のステンレス製容器に高さ約8cmまで充填し、磁性の蓋で上部を半開きの状態で覆い、550℃に保持した電気炉で3時間水熱処理してイソプロピルクロライド合成用触媒(1)を調製した。
得られたイソプロピルクロライド合成用触媒(1)の比表面積、細孔容積、平均細孔径お
よびアルミナ以外の成分の含有量を表1に示した。
また、以下の方法で寿命試験を行い、結果を表1に示した。
標準寿命試験
得られたイソプロピルクロライド合成用触媒(1)360gを、内径25mm、高さ100
0mmのジャケット付き筒型反応管に充填し、ジャケットに冷水を通じて冷却しながらプロピレンと塩化水素のモル比が1:1の混合ガスを、SV=400/hrで供給し、反応圧力を2気圧、反応温度を160〜180℃になるように制御して、反応を行い、以下の基準で評価した。
触媒寿命は、反応後の出口ガスを苛性ソーダ溶液に吸収させ、塩素イオン量を滴定法で求め、反応に供した塩化水素の反応率が80%まで低下した時間とした。
また、反応率が80%になった時の選択性は99%であった。このときの選択性は、ガスクロマトグラフィー法でイソプロピルクロライドを定量し、反応に供したプロピレンのうち、イソプロピルクロライドになったプロピレンの割合とした。
加速寿命試験
イソプロピルクロライド合成用触媒(1)70gを、内径20mm、高さ300mmのジ
ャケット付き筒型反応管に充填し、ジャケットに冷水を通じて冷却しながらプロピレンと塩化水素のモル比が1:1の混合ガスを、SV=1,000/hrで供給し、反応圧力を2気圧、反応温度を180〜200℃になるように制御して反応をおこない、標準寿命試験と同様の基準で評価し、結果を表1に示した。
[実施例2]
イソプロピルクロライド合成用触媒(2)の調製
実施例1と同様に、ビード状アルミナを3時間水熱処理して得たイソプロピルクロライド合成用触媒(1)500gに、粗塩化希土(和光純薬工業(株)製:希土酸化物(RE2O3)含有量:46重量%、希土類の種類として、セリウム(Ce),ランタン(La)、プラセオジウム(Pr)及びネオジムム(Nd)を混合して含有)を溶解して得た希土酸化物(RE2O3)としての濃度0.20重量%の水溶液270gを吸収させ、110℃で12時間乾燥し、ついで、550℃で3時間焼成してイソプロピルクロライド合成用触媒(2)を調製した。
得られたイソプロピルクロライド合成用触媒(2)の比表面積、細孔容積、平均細孔径お
よびアルミナ以外の成分の含有量を表1に示した。
標準寿命試験
実施例1において、イソプロピルクロライド合成用触媒(2)を用いた以外は同様にして
、標準寿命試験を行い、結果を表1に示した。
加速寿命試験
実施例1において、イソプロピルクロライド合成用触媒(2)を用いた以外は同様にして
、加速寿命試験を行い、結果を表1に示した。
[実施例3]
イソプロピルクロライド合成用触媒(3)の調製
実施例2において、希土酸化物(RE2O3)としての濃度1.46重量%の水溶液270g
を吸収させた以外は同様にしてイソプロピルクロライド合成用触媒(3)を調製した。得ら
れたイソプロピルクロライド合成用触媒(3)の比表面積、細孔容積、平均細孔径およびア
ルミナ以外の成分の含有量を表1に示した。
標準寿命試験
実施例1において、イソプロピルクロライド合成用触媒(3)を用いた以外は同様にして
、標準寿命試験を行い、結果を表1に示した。
加速寿命試験
実施例1において、イソプロピルクロライド合成用触媒(3)を用いた以外は同様にして
、加速寿命試験を行い、結果を表1に示した。
[実施例4]
イソプロピルクロライド合成用触媒(4)の調製
実施例2において、希土酸化物(RE2O3)としての濃度5.24重量%の水溶液270g
を吸収させた以外は同様にしてイソプロピルクロライド合成用触媒(4)を調製した。得ら
れたイソプロピルクロライド合成用触媒(4)の比表面積、細孔容積、平均細孔径およびア
ルミナ以外の成分の含有量を表1に示した。
標準寿命試験
実施例1において、イソプロピルクロライド合成用触媒(4)を用いた以外は同様にして
、標準寿命試験を行い、結果を表1に示した。
加速寿命試験
実施例1において、イソプロピルクロライド合成用触媒(4)を用いた以外は同様にして
、加速寿命試験を行い、結果を表1に示した。
[実施例5]
イソプロピルクロライド合成用触媒(5)の調製
ビード状アルミナ(触媒化成工業(株)製:サンビードA、3mm径、細孔容積:0.54ml/g、比表面積:341m2/g)250gを充填した金網を、ランタン酸化物(La2O3)としての濃度0.10重量%、pH5.3、温度90℃に調整した硝酸ランタン水溶液2500g中に懸濁し、アルミナに1時間吸収させた。
ついで、金網を取り出し、アルミナ粒子を濾過し、アルミナ粒子の50重量倍の脱イオン水で洗浄した後、110℃で12時間乾燥し、ついで、空気中550℃で3時間焼成してイソプロピルクロライド合成用触媒(5)を調製した。得られたイソプロピルクロライド
合成用触媒(5)の比表面積、細孔容積、平均細孔径およびアルミナ以外の成分の含有量を
表1に示した。
標準寿命試験
実施例1において、イソプロピルクロライド合成用触媒(5)を用いた以外は同様にして
、標準寿命試験を行い、結果を表1に示した。
加速寿命試験
実施例1において、イソプロピルクロライド合成用触媒(5)を用いた以外は同様にして
、加速寿命試験を行い、結果を表1に示した。
[実施例6]
イソプロピルクロライド合成用触媒(6)の調製
実施例5と同様にして硝酸ランタンを吸収させ、洗浄し、110℃で12時間乾燥したアルミナ粒子を得た。ついで、実施例1と同様の方法で水熱処理を行い、イソプロピルクロライド合成用触媒(6)を調製した。得られたイソプロピルクロライド合成用触媒(6)の比表面積、細孔容積、平均細孔径およびアルミナ以外の成分の含有量を表1に示した。
標準寿命試験
実施例1において、イソプロピルクロライド合成用触媒(6)を用いた以外は同様にして
、標準寿命試験を行い、結果を表1に示した。
加速寿命試験
実施例1において、イソプロピルクロライド合成用触媒(6)を用いた以外は同様にして
、加速寿命試験を行い、結果を表1に示した。
[比較例1]
イソプロピルクロライド合成用触媒(R-1)の調製
ビード状アルミナ触媒(触媒化成工業(株)製:サンビードA3mm径)を空気中、550℃で3時間焼成してイソプロピルクロライド合成用触媒(R-1)を調製した。得られたイ
ソプロピルクロライド合成用触媒(R-1)の比表面積、細孔容積、平均細孔径およびアルミ
ナ以外の成分の含有量を表1に示した。
標準寿命試験
実施例1において、イソプロピルクロライド合成用触媒(R-1)を用いた以外は同様にし
て、標準寿命試験を行い、結果を表1に示した。
加速寿命試験
実施例1において、イソプロピルクロライド合成用触媒(R-1)を用いた以外は同様にし
て、加速寿命試験を行い、結果を表1に示した。
Figure 0004987253
なお、いずれも反応率が80%となった時点での選択性はいずれも99%であった。

Claims (8)

  1. 250〜800℃の温度で、0.1〜10時間水熱処理された酸化アルミニウムからなることを特徴とするイソプロピルクロライド合成用触媒。
  2. 前記水熱処理の後、周期律表IIIA族から選ばれる1種以上の元素を、酸化物として0.05〜5重量%の範囲で担持したことを特徴とする請求項1に記載のイソプロピルクロライド合成用触媒。
  3. 周期律表IIIA族から選ばれる1種以上の元素を、酸化物として0.05〜5重量%の範囲で含むことを特徴とする酸化アルミニウムからなるイソプロピルクロライド合成用触媒。
  4. 250〜800℃の温度で、0.1〜10時間水熱処理されたことを特徴とする請求項3に記載のイソプロピルクロライド合成用触媒。
  5. 前記周期律表IIIA族から選ばれる元素が、ランタノイド族から選ばれる1種以上の元素であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のイソプロピルクロライド合成
    用触媒。
  6. プロピレンと塩化水素と請求項1〜5のいずれかに記載のイソプロピルクロライド合成用触媒とを接触させることを特徴とするイソプロピルクロライド合成方法。
  7. 反応圧力が1〜3気圧(絶対圧)、反応温度が50〜240℃の範囲で接触させることを特徴とする請求項6に記載のイソプロピルクロライド合成方法。
  8. 前記プロピレンのモル数(MP)と塩化水素のモル数(MHCl)とのモル比(MP)/(MHCl)が1〜1.5、空塔速度(SV)が100〜1200/hrの範囲にあることを特徴とする請求項6または7に記載のイソプロピルクロライド合成方法。
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