JP4986402B2 - Al拡散コーティング層の形成方法及びAl拡散コーティング層を有する耐熱部材 - Google Patents

Al拡散コーティング層の形成方法及びAl拡散コーティング層を有する耐熱部材 Download PDF

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Description

本発明は、Ni基材にAl拡散コーティング層を形成する方法及びAl拡散コーティング層を有する耐熱部材に関する。
Niめっき被膜やNi材料からなる基材に対し、その耐酸化性・耐食性を高めるために、クロムメッキなどを施すことがあるが、環境問題の面からクロムを利用することが難しくなってきた。
一方、金属基材の表面にAl拡散コーティング層を形成して、耐酸化性・耐食性を高める表面処理方法として、Alパック法が開発されている(特許文献1及び特許文献2)。Alパック法とは、金属基材をパック剤(通常、Al粉末、アルミナ粉末及びハロゲン化活力剤からなる)に埋め込み、不活性ガス中で高温処理して、金属基材表面にAl拡散コーティング層を形成する方法である。
しかしながら、従来のAlパック処理は、金属基材を埋め込むパック剤に含まれる活性種のAl粉末量が20〜30重量%程度と多いので、非常に反応速度が速い。従って、基材の厚さが数十mm以上であれば問題ないが、厚さが数十mm以下、特に数mm以下の微細基材や薄膜基材の場合には、基材に含まれるAl含有率が高くなることにより脆くなるため、適用することができなかった。
特開昭56−81668号公報 特開昭62−17165号公報
本発明の課題は、Ni基材の表面に薄くて均一なAl拡散コーティング層を形成する方法及び該方法によって得られる耐熱部材を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、Alパック処理における、パック剤中のAl粉末含有量及び処理温度が互いに影響し合って、反応速度に大きく寄与することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記に示すとおりのAl拡散コーティング層の形成方法及びAl拡散コーティング層を有する耐熱部材を提供するものである。
項1. Ni基材を、4〜10重量%のAl粉末を含有するパック剤中に埋め込み、460℃から、1〜20℃/時間の昇温速度で、530〜620℃の範囲まで昇温することにより加熱処理することを特徴とするAl拡散コーティング層の形成方法。
項2. Ni基材を、4〜10重量%のAl粉末を含有するパック剤中に埋め込み、450〜550℃の範囲で15〜90時間保持することにより加熱処理することを特徴とするAl拡散コーティング層の形成方法。
項3. Ni基材が多孔体状であることを特徴とする項1または2に記載のAl拡散コーティング層の形成方法。
項4. 項1〜3のいずれかに記載の方法によって得られる、Ni基材の表面に1nm〜1mmの厚さで均一にAl拡散コーティング層が形成されていることを特徴とする耐熱部材。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のAl拡散コーティング層の形成方法は、Ni基材をAlパック剤中に埋め込み、加熱処理することにより行われる。
本発明に用いるNi基材の形状としては、多孔体状、繊維状、中空形状などが挙げられ、特に限定されないが、金属骨格の太さが100〜500μmの三次元網状構造多孔体や、直径が1nm〜500μmで長さが10nm〜1mの繊維などのような微細な形状の場合には、本発明の方法が特に効果的である。また、Ni基材は、FeやCrなどの元素を含んでいてもよい。
本発明に用いるパック剤は、Al粉末、不活性耐火材料(例えば、アルミナ)の粉末、及びハロゲン化活力剤(例えば、NH4Cl、NH4I、NH4F、NaCl、NaFなど)の粉末からなる。パック剤中のAl粉末の含有量は、4〜10重量%であり、5〜7重量%であるのが好ましい。パック剤中のAl粉末量が多すぎると、Alパック処理におけるAlの拡散速度が速すぎてAl拡散が広がり、処理後のNi基材が脆くなる。逆に、Al粉末量が少なすぎると、Alの拡散にばらつきを生じ、均一なAl拡散コーティング層が形成されない。
加熱処理は、N2、H2、Ar及びこれらの混合ガスなどの非酸化雰囲気中で行う。
加熱処理の際には、任意の昇温速度で室温から460℃まで昇温した後、1〜20℃/時間の昇温速度で、530〜620℃の範囲まで昇温する。目的物の品質と作業性のバランスを考慮すると、460℃からの昇温は、5〜10℃/時間の昇温速度で行うのが好ましい。
また、上記方法以外に、450〜550℃の範囲で15〜90時間保持することにより加熱処理することもできる。この場合、温度が低すぎたり時間が短すぎると反応が不十分である。一方、温度が高すぎると脆化が促進され、時間が長すぎると脆化の促進だけでなく生産に支障をきたす。450〜490℃の範囲で20〜30時間保持することが好ましい。
以上のようにして、Alパック処理における、パック剤中のAl粉末含有量及び処理温度を特定することにより、Alパック処理の反応速度を好適に制御することができる。そして、Ni基材の表面に1nm〜1mmの厚さで均一にAl拡散コーティング層が形成されるので、耐熱性、耐酸化性、耐食性に優れた耐熱部材を得ることができる。
本発明のAl拡散コーティング層の形成方法は、比較的低温で、且つ活性のあるAl粉末の使用を少量に抑えた状態で実施されるため、Ni基材の脆化を抑制し、微細基材や薄膜基材にも均一に表面処理を施すことが可能である。
本発明の耐熱部材は、Ni基材の表面に1nm〜1mmの厚さで均一にAl拡散コーティング層が形成されているので、耐熱性、耐酸化性、耐食性、耐衝撃性、強度(硬度)、耐摩耗性、耐傷付き性、耐熱衝撃性、耐変色性等に優れている。また、Al成分が表層に存在しているため、更に表面をAl由来の化合物(例えば、アルミナ)等で被覆する場合に、親和性を高め、密着性を良好にする効果もある。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例1
150×150×300mmの蓋付るつぼの中で、75×75×11mmの三次元網状構造Ni多孔体(大阪ガスケミカル(株)製「グリスフィルター」、金属骨格の太さ400μm)2個を、アルミナ粉末87.0重量%、Al粉末5.0重量%及びNH4Cl粉末8.0重量%からなるAlパック剤中に埋め込み、窒素希釈の水素雰囲気下で、電気炉にて480℃まで4時間かけて昇温し、その後、7℃/時間の昇温速度で620℃まで20時間かけて昇温した(Alパック処理)。EPMA(電子プローブマイクロ分析)により測定したAl拡散コーティング層の厚さは90μmであった。
実施例2
150×150×300mmの蓋付るつぼの中で、75×75×11mmの三次元網状構造Ni多孔体(大阪ガスケミカル(株)製「グリスフィルター」、金属骨格の太さ400μm)2個を、アルミナ粉末87.0重量%、Al粉末5.0重量%及びNH4Cl粉末8.0重量%からなるAlパック剤中に埋め込み、Ar雰囲気下で、電気炉にて450℃で20時間保持した(Alパック処理)。EPMAにより測定したAl拡散コーティング層の厚さは2μmであった。
比較例1
Alパック剤の組成を、アルミナ粉末72.0重量%、Al粉末20.0重量%及びNH4Cl粉末8.0重量%に変えた以外は実施例1と同様にしてAlパック処理を施した。骨格の全体にAlが拡散し、Al拡散コーティング層の厚さの測定ができなかった。
比較例2
480℃からの昇温速度を次のように変えた以外は実施例1と同様にしてAlパック処理を施した。すなわち、窒素希釈の水素雰囲気下で、電気炉にて480℃まで4時間かけて昇温し、その後、70℃/時間の昇温速度で620℃まで2時間かけて昇温した。EPMAにより測定したAl拡散コーティング層の厚さは、40〜150μmの範囲でばらつきがあった。
比較例3
処理温度を次のように変えた以外は実施例1と同様にしてAlパック処理を施した。すなわち、窒素希釈の水素雰囲気下で、電気炉にて480℃まで4時間かけて昇温し、その後、7℃/時間の昇温速度で500℃まで3時間かけて昇温した。EPMAにより測定したAl拡散コーティング層の厚さは5μmであった。
実施例1、2及び比較例1〜3で得られたサンプルについて、以下の外観検査、脆性評価及び耐酸化性評価を行った。
外観検査:著しい色むらの有無
脆性評価:20kg重/cmの荷重をかけたときの破壊の有無
耐酸化性評価:空気雰囲気下で700℃にて50時間焼成したときの重量変化。増加量が少ない方が耐酸化性に優れる。
その結果を表1に示す。
Figure 0004986402
表1から明らかなように、実施例1及び2で得られたサンプルは、外観、脆性、耐酸化性の全ての特性において優れていた。

Claims (4)

  1. Ni基材を、4〜10重量%のAl粉末を含有するパック剤中に埋め込み、460℃から、1〜20℃/時間の昇温速度で、530〜620℃の範囲まで昇温することにより加熱処理することを特徴とするAl拡散コーティング層の形成方法。
  2. 多孔体状であるNi基材を、4〜10重量%のAl粉末を含有するパック剤中に埋め込み、450〜550℃の範囲で15〜90時間保持することにより加熱処理することを特徴とするAl拡散コーティング層の形成方法。
  3. Ni基材が多孔体状であることを特徴とする請求項1に記載のAl拡散コーティング層の形成方法。
  4. 請求項2又は3に記載の方法によって得られる、Ni基材の表面に1nm〜1mmの厚さでAl拡散コーティング層が形成されていることを特徴とする耐熱部材。
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