JPH09260030A - Ni−Cr−Al系の金属多孔体 - Google Patents
Ni−Cr−Al系の金属多孔体Info
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- JPH09260030A JPH09260030A JP6360296A JP6360296A JPH09260030A JP H09260030 A JPH09260030 A JP H09260030A JP 6360296 A JP6360296 A JP 6360296A JP 6360296 A JP6360296 A JP 6360296A JP H09260030 A JPH09260030 A JP H09260030A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】優れた高温耐酸化性を有し、また体積抵抗率が
大きい、三次元に連通孔を有する金属多孔体を提供す
る。 【解決手段】金属多孔体を形成している骨格が、芯がN
iまたはNi合金の焼結金属で、芯の外面には浸透撹散
によるCr層が、更にCr層の外面には浸透撹散による
Al層が形成されている、Ni−Cr−Al系の金属多
孔体。電気抵抗発熱材料として用いる場合はAl層は3
時間以上の浸透撹散により形成する事が好ましく、また
Ni−Cr−Al系の金属多孔体は1000℃以上の温
度で1時間以上熱処理する事が好ましい。
大きい、三次元に連通孔を有する金属多孔体を提供す
る。 【解決手段】金属多孔体を形成している骨格が、芯がN
iまたはNi合金の焼結金属で、芯の外面には浸透撹散
によるCr層が、更にCr層の外面には浸透撹散による
Al層が形成されている、Ni−Cr−Al系の金属多
孔体。電気抵抗発熱材料として用いる場合はAl層は3
時間以上の浸透撹散により形成する事が好ましく、また
Ni−Cr−Al系の金属多孔体は1000℃以上の温
度で1時間以上熱処理する事が好ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた高温耐酸化
性を有し、あるいは電気抵抗材料として好ましい、金属
多孔体に関する。
性を有し、あるいは電気抵抗材料として好ましい、金属
多孔体に関する。
【0002】
【従来の技術】JIS C 2520には電熱用合金として、ニッ
ケル−クロム系(NCH1〜3)、鉄−クロム−アルミ
ニウム系(FCH1〜2)が記載されている。これ等の
合金は高温耐酸化性に優れ、また電気抵抗値も高い。し
かしこれ等は高合金であるために、細線あるいは薄帯等
への成形加工が容易ではない。
ケル−クロム系(NCH1〜3)、鉄−クロム−アルミ
ニウム系(FCH1〜2)が記載されている。これ等の
合金は高温耐酸化性に優れ、また電気抵抗値も高い。し
かしこれ等は高合金であるために、細線あるいは薄帯等
への成形加工が容易ではない。
【0003】例えば電熱用材料としては、電気抵抗値を
高めるために細線や薄帯に成形加工する場合が多い。特
開昭49−120195号は、Alを含有する合金は成
形加工が容易ではないために、Alを含有しない成形加
工が容易なNi−Cr合金を用いて成形加工を行い、成
形加工した後で、Alのイオンプレーティングによりあ
るいは溶融Al中に浸漬する事により合金表面にAlを
被覆し、これを撹散させて、Alを含有する電気抵抗体
を製造する方法が記載されている。しかしこれは金属多
孔体に関するものではなく、またNi−Cr合金を用い
るものであり、Niの外面にCrの浸透撹散層を形成す
るものではない。
高めるために細線や薄帯に成形加工する場合が多い。特
開昭49−120195号は、Alを含有する合金は成
形加工が容易ではないために、Alを含有しない成形加
工が容易なNi−Cr合金を用いて成形加工を行い、成
形加工した後で、Alのイオンプレーティングによりあ
るいは溶融Al中に浸漬する事により合金表面にAlを
被覆し、これを撹散させて、Alを含有する電気抵抗体
を製造する方法が記載されている。しかしこれは金属多
孔体に関するものではなく、またNi−Cr合金を用い
るものであり、Niの外面にCrの浸透撹散層を形成す
るものではない。
【0004】特開昭54−41545号公報、特開昭5
9−23861号公報は、電気抵抗発熱材料や高温耐酸
化性材料ではないが、金属多孔体を形成している骨格が
Niで、骨格の外面にCrの浸透撹散層を形成した金属
多孔体を記載している。しかしこの際の金属多孔体を形
成しているNiの骨格は、専ら金属めっきによって形成
したNiの骨格であり、焼結の骨格ではない。また、専
ら一種類の、例えばCrの浸透撹散層を形成したもので
あり、例えばCr浸透撹散層とAl浸透撹散層の2種類
の浸透撹散層を形成したものではない。
9−23861号公報は、電気抵抗発熱材料や高温耐酸
化性材料ではないが、金属多孔体を形成している骨格が
Niで、骨格の外面にCrの浸透撹散層を形成した金属
多孔体を記載している。しかしこの際の金属多孔体を形
成しているNiの骨格は、専ら金属めっきによって形成
したNiの骨格であり、焼結の骨格ではない。また、専
ら一種類の、例えばCrの浸透撹散層を形成したもので
あり、例えばCr浸透撹散層とAl浸透撹散層の2種類
の浸透撹散層を形成したものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】例えば自動車の廃ガス
処理装置には、排ガスと十分に接触するために、また高
温耐酸化性が優れているためにセラミックスの多孔体が
用いられているが、衝撃に弱く破損し易いという問題点
がある。また既に述べた如く電熱用合金は細線や薄帯に
する場合が多いが、細線や薄帯への成形加工が容易では
ないという問題点がある。
処理装置には、排ガスと十分に接触するために、また高
温耐酸化性が優れているためにセラミックスの多孔体が
用いられているが、衝撃に弱く破損し易いという問題点
がある。また既に述べた如く電熱用合金は細線や薄帯に
する場合が多いが、細線や薄帯への成形加工が容易では
ないという問題点がある。
【0006】高温耐酸化性に優れた金属多孔体が製造で
きると、自動車の廃ガス処理装置に使用しても破損し難
いために好ましい。また金属多孔体は、金属の細い骨格
の集合体であるために、細線や薄帯に形成しないでもよ
い。本発明は従って、骨格が高温耐酸化性に優れまた電
気抵抗が大きい金属よりなるために、自動車の廃ガス処
理装置や電気抵抗体に用いることができる金属の多孔体
の提供を課題としている。
きると、自動車の廃ガス処理装置に使用しても破損し難
いために好ましい。また金属多孔体は、金属の細い骨格
の集合体であるために、細線や薄帯に形成しないでもよ
い。本発明は従って、骨格が高温耐酸化性に優れまた電
気抵抗が大きい金属よりなるために、自動車の廃ガス処
理装置や電気抵抗体に用いることができる金属の多孔体
の提供を課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)三次元
に連通した空孔を有する金属多孔体を形成している骨格
が、芯がNiまたはNi合金の焼結金属であり、芯の外
面には浸透撹散法によるCr層が、更に浸透撹散法によ
るCr層の外面には浸透撹散法によるAl層が形成され
ている事を特徴とするNi−Cr−Al系の金属多孔体
であり、また(2)用途が電気抵抗発熱材料であり、浸
透撹散法によるAl層が、3時間以上好ましくは5時間
以上の浸透拡散処理によって形成されたAl層である事
を特徴とする、前記(1)に記載のNi−Cr−Al系
の金属多孔体であり、また(3)用途が電気抵抗発熱材
料であり、該Ni−Cr−Al系の金属多孔体は、10
00℃以上の温度で1時間以上の熱処理が施されたNi
−Cr−Al系の金属多孔体であることを特徴とする前
記(1)または(2)に記載のNi−Cr−Al系の金
属多孔体である。
に連通した空孔を有する金属多孔体を形成している骨格
が、芯がNiまたはNi合金の焼結金属であり、芯の外
面には浸透撹散法によるCr層が、更に浸透撹散法によ
るCr層の外面には浸透撹散法によるAl層が形成され
ている事を特徴とするNi−Cr−Al系の金属多孔体
であり、また(2)用途が電気抵抗発熱材料であり、浸
透撹散法によるAl層が、3時間以上好ましくは5時間
以上の浸透拡散処理によって形成されたAl層である事
を特徴とする、前記(1)に記載のNi−Cr−Al系
の金属多孔体であり、また(3)用途が電気抵抗発熱材
料であり、該Ni−Cr−Al系の金属多孔体は、10
00℃以上の温度で1時間以上の熱処理が施されたNi
−Cr−Al系の金属多孔体であることを特徴とする前
記(1)または(2)に記載のNi−Cr−Al系の金
属多孔体である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のNi−Cr−Al系の金
属多孔体は、先ずNiまたはNi合金よりなる金属多孔
体を作成し、これに浸透撹散法によるCr層を形成し、
これに更に浸透撹散法によるAl層を形成し、必要に応
じて更に熱処理を施して製造する。
属多孔体は、先ずNiまたはNi合金よりなる金属多孔
体を作成し、これに浸透撹散法によるCr層を形成し、
これに更に浸透撹散法によるAl層を形成し、必要に応
じて更に熱処理を施して製造する。
【0009】NiまたはNi合金よりなる金属多孔体に
はNiめっき法で作成したものと焼結法により作成した
ものとがある。Niめっき法では、発泡樹脂例えばウレ
タンフォームの骨格に導電化処理を施し、次にNiめっ
き層を形成し、その後加熱する。ウレタンフォームはこ
の加熱に際して消失し、骨格がNi金属多孔体となる。
しかしこの方法の導電化処理は操作が煩瑣である。また
Ni骨格の太さはNiめっき時間を調整する事により行
うが、十分な太さを有するNi骨格を得るには長時間の
Niめっきが必要で能率が悪い。またNiめっき層の厚
さが不均一になり易い。
はNiめっき法で作成したものと焼結法により作成した
ものとがある。Niめっき法では、発泡樹脂例えばウレ
タンフォームの骨格に導電化処理を施し、次にNiめっ
き層を形成し、その後加熱する。ウレタンフォームはこ
の加熱に際して消失し、骨格がNi金属多孔体となる。
しかしこの方法の導電化処理は操作が煩瑣である。また
Ni骨格の太さはNiめっき時間を調整する事により行
うが、十分な太さを有するNi骨格を得るには長時間の
Niめっきが必要で能率が悪い。またNiめっき層の厚
さが不均一になり易い。
【0010】このため、本発明のNiまたはNi合金よ
りなる金属多孔体は焼結法により作成する。焼結法で
は、発泡樹脂例えばウレタンフォームの骨格に、Ni又
はNi合金の金属粉末を含有するスラリーを塗着し、そ
の後加熱する。この加熱に際してウレタンフォームは熱
分解して消失し、またスラリー中のNi又はNi合金の
金属粉末は相互に焼結して、骨格がNiの金属多孔体と
なる。
りなる金属多孔体は焼結法により作成する。焼結法で
は、発泡樹脂例えばウレタンフォームの骨格に、Ni又
はNi合金の金属粉末を含有するスラリーを塗着し、そ
の後加熱する。この加熱に際してウレタンフォームは熱
分解して消失し、またスラリー中のNi又はNi合金の
金属粉末は相互に焼結して、骨格がNiの金属多孔体と
なる。
【0011】焼結法は導電化処理を行わないため、Ni
またはNi合金よりなる金属多孔体の作成工程が簡易で
ある。電気抵抗発熱材料や高温耐酸化性材料では、高温
においても自重を支える必要があるため過度に細いNi
の骨格は好ましくないが、焼結法においてはスラリー中
のNi粉末の量を調整する事により、所望の太さのNi
の骨格を有する金属多孔体を容易に且つ能率よく作成す
ることができる。また焼結法によるNi骨格は多孔質で
かつ凹凸が多いため、後で述べるCr層を形成すると、
Cr層は多孔質の孔や凹凸に入り込んでNi骨格(芯)
との密着力が優れたCrの層が形成される。
またはNi合金よりなる金属多孔体の作成工程が簡易で
ある。電気抵抗発熱材料や高温耐酸化性材料では、高温
においても自重を支える必要があるため過度に細いNi
の骨格は好ましくないが、焼結法においてはスラリー中
のNi粉末の量を調整する事により、所望の太さのNi
の骨格を有する金属多孔体を容易に且つ能率よく作成す
ることができる。また焼結法によるNi骨格は多孔質で
かつ凹凸が多いため、後で述べるCr層を形成すると、
Cr層は多孔質の孔や凹凸に入り込んでNi骨格(芯)
との密着力が優れたCrの層が形成される。
【0012】金属多孔体は空孔を有するために多孔体で
ない金属に比べて体積抵抗率は大きい。しかし金属Ni
は電気伝導性がよいために、多孔体にしただけではその
体積抵抗率は電気抵抗発熱材料としては不十分である。
またNiは高温耐酸化性が不十分である。このために本
発明では、多孔体の芯となるNi骨格に浸透撹散法によ
りCrとAlを含有せしめて体積抵抗率を大きくして高
温耐酸化性を改善する。
ない金属に比べて体積抵抗率は大きい。しかし金属Ni
は電気伝導性がよいために、多孔体にしただけではその
体積抵抗率は電気抵抗発熱材料としては不十分である。
またNiは高温耐酸化性が不十分である。このために本
発明では、多孔体の芯となるNi骨格に浸透撹散法によ
りCrとAlを含有せしめて体積抵抗率を大きくして高
温耐酸化性を改善する。
【0013】本発明では芯(Ni骨格)に浸透撹散法に
より先ずCrの中間層を形成し、次にCr層の外面に浸
透撹散法によりAl層を形成する。本発明とは異なる
が、Crの中間層を形成しないで、Niの骨格に直接に
Alの浸透撹散層を形成する事が考えられる。しかしこ
の際にはNiとAlとが高温で軟質の合金を形成するた
めに、金属多孔体の骨格は自重に耐えられなくなり、金
属多孔体は崩壊し易い。また本発明とは異なるが、Cr
の中間層を形成しないで、Niの骨格に直接にCrとA
lの浸透撹散層を同時に形成する事が考えられる。しか
しこの際にはAlの浸透撹散がCrの浸透撹散よりも先
行して進行するために、金属多孔体は矢張り崩壊し易
い。
より先ずCrの中間層を形成し、次にCr層の外面に浸
透撹散法によりAl層を形成する。本発明とは異なる
が、Crの中間層を形成しないで、Niの骨格に直接に
Alの浸透撹散層を形成する事が考えられる。しかしこ
の際にはNiとAlとが高温で軟質の合金を形成するた
めに、金属多孔体の骨格は自重に耐えられなくなり、金
属多孔体は崩壊し易い。また本発明とは異なるが、Cr
の中間層を形成しないで、Niの骨格に直接にCrとA
lの浸透撹散層を同時に形成する事が考えられる。しか
しこの際にはAlの浸透撹散がCrの浸透撹散よりも先
行して進行するために、金属多孔体は矢張り崩壊し易
い。
【0014】本発明ではNiの芯に、浸透撹散法による
Crの層が形成されているが、NiとCrは高強度の合
金を形成して高温でも十分な強度を有し、且つCrの層
は優れた高温耐酸化性を備えている。本発明ではこのC
r層の外面に、更に浸透撹散法によるAl層が形成され
ている。このAl層の外表面は高温に加熱されると緻密
で且つ耐食性の優れたアルミナの皮膜を形成し、酸化の
進行や腐食の進行を更に十分に防止する。従って本発明
のNi−Cr−Al系の金属多孔体を例えば自動車の廃
ガス装置に用いた際には、セラミックスの多孔体に遜色
のない耐食性を有し、かつ金属多孔体の骨格の芯が金属
Niであるために、衝撃にも強く破損し難い。
Crの層が形成されているが、NiとCrは高強度の合
金を形成して高温でも十分な強度を有し、且つCrの層
は優れた高温耐酸化性を備えている。本発明ではこのC
r層の外面に、更に浸透撹散法によるAl層が形成され
ている。このAl層の外表面は高温に加熱されると緻密
で且つ耐食性の優れたアルミナの皮膜を形成し、酸化の
進行や腐食の進行を更に十分に防止する。従って本発明
のNi−Cr−Al系の金属多孔体を例えば自動車の廃
ガス装置に用いた際には、セラミックスの多孔体に遜色
のない耐食性を有し、かつ金属多孔体の骨格の芯が金属
Niであるために、衝撃にも強く破損し難い。
【0015】本発明のNi−Cr−Al系の金属多孔体
はまた、電気抵抗発熱材料としても用いる事ができる。
この際には、Al層は3時間以上好ましくは5時間以上
の浸透拡散処理によって形成する事が好ましい。また1
000℃以上の温度で1時間以上の熱処理を施すことが
好ましい。5時間以上の浸透撹散によりAl層を形成す
ると、Alは奥深く浸透し、金属多孔体の骨格には十分
な量のAlが含有されて、体積抵抗率が大きい金属多孔
体となる。また1000℃以上の温度で1時間以上の熱
処理を施されても、金属多孔体の骨格には十分な量のA
lが含有されて、体積抵抗率が大きい金属多孔体とな
る。
はまた、電気抵抗発熱材料としても用いる事ができる。
この際には、Al層は3時間以上好ましくは5時間以上
の浸透拡散処理によって形成する事が好ましい。また1
000℃以上の温度で1時間以上の熱処理を施すことが
好ましい。5時間以上の浸透撹散によりAl層を形成す
ると、Alは奥深く浸透し、金属多孔体の骨格には十分
な量のAlが含有されて、体積抵抗率が大きい金属多孔
体となる。また1000℃以上の温度で1時間以上の熱
処理を施されても、金属多孔体の骨格には十分な量のA
lが含有されて、体積抵抗率が大きい金属多孔体とな
る。
【0016】尚本発明者等は、Crの浸透撹散条件やA
lの浸透撹散条件を変えて各種の本発明のNi−Cr−
Al系の金属多孔体を試作したが、浸透撹散条件を選定
する事により、Crが15%以上のCrの浸透撹散層と
骨格の表面から150μの深さ迄形成する事は容易であ
り、またAlが50%以上のAlの浸透撹散層を骨格の
表面から100μの深さ迄形成する事も容易であった。
lの浸透撹散条件を変えて各種の本発明のNi−Cr−
Al系の金属多孔体を試作したが、浸透撹散条件を選定
する事により、Crが15%以上のCrの浸透撹散層と
骨格の表面から150μの深さ迄形成する事は容易であ
り、またAlが50%以上のAlの浸透撹散層を骨格の
表面から100μの深さ迄形成する事も容易であった。
【0017】
【実施例】平均粒径が4μmの金属Ni粉末を75wt
%含有するスラリーを厚さが38mmのポリウレタンフォ
ームにロールスキーズ法により塗着し、これを乾燥後、
水素を含有する非酸化性雰囲気内で1000℃で焼成
し、長さ1インチ当たりの空孔数が13(13PPI,
169セル/in2)で空孔の空隙率が95%の、骨格
がNiの焼結金属の金属多孔体を作成した。
%含有するスラリーを厚さが38mmのポリウレタンフォ
ームにロールスキーズ法により塗着し、これを乾燥後、
水素を含有する非酸化性雰囲気内で1000℃で焼成
し、長さ1インチ当たりの空孔数が13(13PPI,
169セル/in2)で空孔の空隙率が95%の、骨格
がNiの焼結金属の金属多孔体を作成した。
【0018】このNiの焼結金属の多孔体に、先ずクロ
マイジング処理を施し、次にカロライジング処理を施し
て、金属多孔体を形成している骨格が、芯がNiの焼結
金属で、芯の外面には浸透拡散法によるCr層と、更に
外面には浸透拡散法によるAl層とが形成されている、
Ni−Cr−Al系の金属多孔体を作成した。尚クロマ
イジングは何れの場合も900℃×3時間で行ったが、
カロライジングは、処理温度と処理時間を、500℃×
10hr、600℃×10hr,600℃×3hr,7
00℃×3hr,800℃×3hrの5種類に変えて試
験した。尚作成したNi−Cr−Al系の金属多孔体に
は700℃×1hrあるいは1200℃×1hrの熱処
理を施して性状を調査した。その結果を表1に示した。
マイジング処理を施し、次にカロライジング処理を施し
て、金属多孔体を形成している骨格が、芯がNiの焼結
金属で、芯の外面には浸透拡散法によるCr層と、更に
外面には浸透拡散法によるAl層とが形成されている、
Ni−Cr−Al系の金属多孔体を作成した。尚クロマ
イジングは何れの場合も900℃×3時間で行ったが、
カロライジングは、処理温度と処理時間を、500℃×
10hr、600℃×10hr,600℃×3hr,7
00℃×3hr,800℃×3hrの5種類に変えて試
験した。尚作成したNi−Cr−Al系の金属多孔体に
は700℃×1hrあるいは1200℃×1hrの熱処
理を施して性状を調査した。その結果を表1に示した。
【0019】表1の圧縮強さの欄にみられる如く、何れ
も10kg/cm2以上であり、十分な強度を有する。表1
の番号1〜3および4〜6の体積抵抗率の欄にみられる
如く、カロライジング処理に3時間以上好ましくは5時
間以上をかけた場合は、格別の熱処理を行われない場合
も体積抵抗率は大きい。尚番号3,6の熱処理欄にみら
れる如く、1000℃×1hr以上の熱処理を施すと、
体積抵抗比率は更に顕著に上昇する。
も10kg/cm2以上であり、十分な強度を有する。表1
の番号1〜3および4〜6の体積抵抗率の欄にみられる
如く、カロライジング処理に3時間以上好ましくは5時
間以上をかけた場合は、格別の熱処理を行われない場合
も体積抵抗率は大きい。尚番号3,6の熱処理欄にみら
れる如く、1000℃×1hr以上の熱処理を施すと、
体積抵抗比率は更に顕著に上昇する。
【0020】一方、番号7〜9,10〜12,13〜1
5はカロライジング処理が5時間未満の例であるが、体
積抵抗率の欄にみられる如く、1000℃×1hr以上
の熱処理を行わない場合は体積抵抗率は低く、電気抵抗
発熱材料として用いる場合には1000℃×1hr以上
の熱処理が不可欠である。尚本発明のNi−Cr−Al
系の金属多孔体は何れも、1000℃×1hr以下の熱
処理では酸化増量がなく、1000℃×1hr以上の熱
処理でも酸化増量が僅かであり、高温耐酸化性に優れて
いる。
5はカロライジング処理が5時間未満の例であるが、体
積抵抗率の欄にみられる如く、1000℃×1hr以上
の熱処理を行わない場合は体積抵抗率は低く、電気抵抗
発熱材料として用いる場合には1000℃×1hr以上
の熱処理が不可欠である。尚本発明のNi−Cr−Al
系の金属多孔体は何れも、1000℃×1hr以下の熱
処理では酸化増量がなく、1000℃×1hr以上の熱
処理でも酸化増量が僅かであり、高温耐酸化性に優れて
いる。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】本発明のNi−Cr−Al系の金属多孔
体は、優れた高温耐酸化性や耐食性を有するために、従
来のセラミックスの多孔体に代えて、例えば自動車の廃
ガス処理装置に用いるのに適している。また体積抵抗率
が大きいために、電気抵抗発熱材料として用いるのに適
している。
体は、優れた高温耐酸化性や耐食性を有するために、従
来のセラミックスの多孔体に代えて、例えば自動車の廃
ガス処理装置に用いるのに適している。また体積抵抗率
が大きいために、電気抵抗発熱材料として用いるのに適
している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 義継 富山県高岡市吉久1−1−1 日本重化学 工業株式会社高岡事業所内 (72)発明者 生地 貞男 富山県高岡市吉久1−1−1 日本重化学 工業株式会社高岡事業所内 (72)発明者 上坂 健一 東京都中央区日本橋小網町8番4号 日本 重化学工業株式会社内 (72)発明者 中田 勇 東京都中央区日本橋小網町8番4号 日本 重化学工業株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】三次元に連通した空孔を有する金属多孔体
を形成している骨格が、芯がNiまたはNi合金の焼結
金属で、芯の外面には浸透撹散法によるCr層が、更に
浸透撹散法によるCr層の外面には浸透撹散法によるA
l層が形成されていることを特徴とする、Ni−Cr−
Al系の金属多孔体。 - 【請求項2】用途が電気抵抗発熱材料であり、浸透撹散
法によるAl層が、3時間以上の浸透撹散処理によって
形成されたAl層であることを特徴とする、請求項1に
記載のNi−Cr−Al系の金属多孔体。 - 【請求項3】用途が電気抵抗発熱材料であり、該Ni−
Cr−Al系の金属多孔体は、1000℃以上の温度で
1時間以上の熱処理が施されたNi−Cr−Al系の金
属多孔体であることを特徴とする、請求項1または2に
記載のNi−Cr−Al系の金属多孔体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6360296A JPH09260030A (ja) | 1996-03-21 | 1996-03-21 | Ni−Cr−Al系の金属多孔体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6360296A JPH09260030A (ja) | 1996-03-21 | 1996-03-21 | Ni−Cr−Al系の金属多孔体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09260030A true JPH09260030A (ja) | 1997-10-03 |
Family
ID=13234003
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6360296A Pending JPH09260030A (ja) | 1996-03-21 | 1996-03-21 | Ni−Cr−Al系の金属多孔体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09260030A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005281861A (ja) * | 2004-03-03 | 2005-10-13 | Osaka Gas Co Ltd | Al拡散コーティング層の形成方法及びAl拡散コーティング層を有する耐熱部材 |
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JP2014011091A (ja) * | 2012-07-02 | 2014-01-20 | Ngk Spark Plug Co Ltd | シースヒータ及びグロープラグ |
JP2017001006A (ja) * | 2015-06-04 | 2017-01-05 | 日本精線株式会社 | 複合ワイヤー型触媒部材とこれを用いた水素製造用の触媒反応器 |
JP2021079382A (ja) * | 2019-11-22 | 2021-05-27 | フォルシア・システム・デシャプモン | 金属発泡体加熱要素を有する排ガス加熱装置 |
-
1996
- 1996-03-21 JP JP6360296A patent/JPH09260030A/ja active Pending
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US11713701B2 (en) | 2019-11-22 | 2023-08-01 | Faurecia Systemes D'echappement | Exhaust gas heating device, having a metal foam heating element |
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