JP4986042B2 - バイオマス燃料対応型のエンジンシステム - Google Patents

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Description

本発明はバイオマス燃料対応型のエンジンシステムに関する。すなわち、バイオマスを熱分解して得られた生成ガスを改質して、燃料として使用することが可能な、バイオマス燃料対応型のエンジンシステムに関するものである。
《技術的背景》
例えば、木質廃材等の木質系バイオマスや、その他の廃棄物系バイオマスについては、最近、燃料としての有効利用が大きなテーマとなっている。すなわち、これらを加熱,気化して生成されたガスを、エンジンの燃料として利用し、もって発電等に活用するシステムが注目を集めている。
そして、これらの生成ガスは、一般的に低発熱量であると共に、その発熱量は、組成にも起因して様々であり各々差異がある。なお、このようなバイオマス燃料をエンジンの燃料とした際、空燃比は例えば、体積比で約1:1程度である。
《従来技術》
ところで、このようなバイオマスの生成ガスには、ガス化炉におけるガス化プロセス中に発生したタールが、含有されており、そのままエンジンの燃料として使用すると、各種トラブルが発生し、エンジンの耐久性に問題が生じてしまうことになる。
すなわち、生成ガス中に濃度0.5g/Nm程度以上含有されたタールが、エンジンの弁,その他に付着して、汚れやコーキングの原因となり、各種のエンジントラブル,作動トラブルの原因となる、等の弊害が発生する。
そこで、バイオマス燃料化に関するこの種従来例では、問題のタールを低減,除去することが大きな課題となっており、タール処理設備が、付帯設備として必須的に採用されていた。すなわち、バイオマスをガス化炉に投入して得られた生成ガスは、水スクラビング等の水処理装置付のタール処理設備、又は、酸素供給により部分燃焼させる方式のタール処理設備を経由し、もってタール分を低減,除去してから、発電用のエンジン等に供給されていた。
《先行技術文献情報》
部分燃焼方式のタール処理設備の従来技術としては、例えば、次の特許文献1の従来の技術欄に示されたものが、挙げられる。
特開2004−292720号公報
他方、従来のエンジン例えばロータリーエンジンは、ガソリン等の1種類の燃料使用を前提としており、周知のごとく、ガソリンの場合の空燃比は重量比で約1:15程度、体積比で約1:50程度となっている。
そして、ロータリーエンジンにおいて燃料は、空気との混合気供給方式によりエンジンへと供給されていた。すなわち、燃料をスロットルミキサーにて空気と混合してからエンジンに供給する、スロットルミキサー方式が採用されていた。
エンジンの燃料供給方式としては、この他、インジェクターからエンジン内に燃料を直接噴射する、直噴方式もあるが、この直噴方式は、効率や安全性に優れていることが知られているものの、ロータリーエンジンについてはまだ採用されていない。
《先行技術文献情報》
バイオマスその他の生成ガスを、ロータリーエンジン等の燃料として利用せんとした従来技術としては、例えば、次の特許文献2に示されたものが、挙げられる。
特開2001−214177号公報
ところで、バイオマスの生成ガス中からタールを低減,除去せんとしたこの種従来例については、次の問題が指摘されていた。
《第1の問題点》
第1に、水スクラビング等の水処理装置付のこの種従来例のタール処理設備については、水処理装置等の設備が大型化,大規模化すると共に、設備コスト,排水処理コスト,メンテナンスコスト等が嵩む、という問題が指摘されていた。このようにこの種従来例は、バイオマス燃料化に関し、付帯設備の規模面やコスト面に難点があった。
《第2の問題点》
第2に、部分燃料方式のこの種従来例のタール処理設備については、燃料となるべき生成ガスの一部が消費されてしまうと共に、タールのカロリーを活用していない、という問題が指摘されていた。
すなわち、部分燃焼方式では、バイオマスの生成ガスに酸素を吹き込んで供給し、もって生成ガスの一部を部分燃焼させつつ、相対的にタールを削減させる方式よりなるが、その分、エンジンへ燃料として供給されるべき生成ガスが、消費されてしまう、という問題があった。
又、炭化水素よりなるタール成分が、単に低減,除去されるに止まり、カロリー,熱量として生かされないという指摘もあった。更に、酸素の供給コストが嵩む、という指摘もあった。この種従来例は、このようにバイオマス燃料化に際し、燃料としての有効利用面等に難点があった。
《第3の問題点》
第3に、部分燃料方式のこの種従来例のタール処理設備については、更に、タール除去が不十分である、という問題も指摘されていた。
すなわち、エンジン燃料用としては、生成ガス中のタール濃度が、0.1g/Nm未満であることが要求されている。これに対し、この種従来例では、タール濃度0.2g/Nm〜0.3g/Nm程度が達成されるに過ぎなかった。この種従来例は、このようにバイオマス燃料化に際し、タールの低減,除去が不足するという難点もあった。
他方、バイオマス等の生成ガスを、例えばロータリーエンジンの燃料として利用するに際しては、従来、更に次の問題が指摘されていた。
《第4の問題点》
第4に、この種の生成ガスの発熱量や組成は、種々多様で各々差異があり、1種類の燃料を対象とした従来のエンジンでは、対応困難という問題が指摘されていた。
すなわち、例えばバイオマスの生成ガスは、燃料とした場合、発熱量が低いと共に、その組成そして発熱量が様々であり、もって空燃比やエンジン出力も異なっている。そこで、1種類の高発熱量の燃料、例えばガソリンのみを対象とした従来のエンジンでは、エンジンの始動性,負荷変動,発熱量変動等に適切に対応できない、という問題があった。燃料の噴射タイミング,噴射量,点火タイミング等を、その組成や発熱量が異なる各燃料毎に適切に対応,制御することは、従来、考えられていなかった。
《第5の問題点》
第5に、スロットルミキサー方式を、この種の生成ガスのエンジン燃料供給方式として採用した場合は、サイズ面等に種々の問題が指摘されていた。
すなわち、例えばバイオマスの生成ガスは、空燃比が体積比で約1:1程度であるため、スロットルミキサーのサイズが過大となり、制御性が劣化する。又、吸入空気量が約半分となるので、出力が低い。更に、始動性が悪いので、LPG等の補助燃料が使用されることが多いが、そのスロットルミキサーはサイズが違い過ぎるので共用できず、結局、2系統のスロットルミキサーが必要となる、等々の問題が指摘されていた。
そこで、より安全性や効率に優れた直噴方式を、この種の生成ガスのエンジン燃料供給方式として採用することも検討されたが、空燃比が体積比で約1:1程度となるので、従来の1個のインジェクターでは、サイズ的・容量的に対応困難,使用不能とされていた。従来のインジェクターは噴射量が小さく、大きな容量への対応が困難であり、もって直噴方式は採用に至っていなかった。なお、マニホールド噴射方式については、スロットルミキサー方式に準じた問題が指摘されていた。
《本発明について》
本発明のバイオマス燃料対応型のエンジンシステムは、このような実情に鑑み、上記従来例の課題を解決すべくなされたものである。
そして本発明は、第1に、タール改質反応器の設備が小型化し、コスト面にも優れ、第2に、タール改質反応器によりカロリーが向上し、燃料としての有効利用が促進され、第3に、タール改質反応器にてタールが確実に低減,除去されると共に、第4に、発熱量や組成の異なる各種燃料に対応したエンジン制御が行われ、第5に、エンジンについてこのような制御を可能ならしめると共に、容量的難点も克服されるインジェクターを採用した、バイオマス燃料対応型のエンジンシステムを提案することを目的とする。
《請求項について》
このような課題を解決する本発明の技術的手段は、次のとおりである。すなわち、請求項1のバイオマス燃料対応型のエンジンシステムは、タール改質反応器とエンジンとを、備えてなる。
そして該タール改質反応器は、バイオマスをガス化炉に投入して得られた生成ガスが供給され、もって該生成ガス中に含有されたタールを改質して、改質ガスが得られる。そして、バイオマスや石炭系資源を乾留して得られた炭化物粒が、該タール改質反応器に充填されており、該タールは、脱水素,コーク化され、高温下で水蒸気と反応して、水素と一酸化炭素や二酸化炭素に水蒸気改質されるようになっている。
該エンジンは、発熱量や組成が異なる各種の該改質ガスを燃料として使用可能であり、複数個のインジェクターと、各該燃料に対応した制御を実施する制御部と、を有してなる。かつ該エンジンは、ロータリーエンジンよりなり、その排気ガスが、800℃〜900℃であり、その未燃分を捕集,燃焼させて高温化させる燃焼部を介して、該タール改質反応器の内部配設された通過経路に導入される。
該ガス化炉に投入される該バイオマスは、木質廃材等の木質系バイオマスや、その他の廃棄物系バイオマスよりなる。
該タール改質反応器は、内部が600℃以上例えば850℃程度に維持されると共に、該生成ガスが、700℃以上で供給される。
そして、該タール改質反応器の内部に充填された該炭化物粒は、該ガス化炉で得られたものも使用可能であり、層状に充填されており、まず、該タールの捕捉,吸着,担持,一体化層として担持機能を発揮し、次いで、該タールの脱水素,コーク化,水蒸気改質反応促進用の触媒層として触媒機能を発揮する。これと共に、自ずからも水素と一酸化炭素に水蒸気改質される。
該ロータリーエンジンの各該インジェクターは、ローターの回転方向に沿って順次独立して配設され、それぞれ該燃料の噴射タイミングや噴射量を独立制御可能となっている。
該ロータリーエンジンの制御部は、使用される各該燃料によるエンジン回転数や出力等の駆動情報に基づき、各該燃料毎のエンジン始動性,負荷変動,発熱量変動等にも対応すべく、各該インジェクターに対し、該燃料の噴射タイミングおよび噴射量の制御信号を送出する。
《作用等について》
本発明は、このような手段よりなるので、次のようになる。
(1)バイオマスの生成ガスは、一酸化炭素や水素を含有するが、濃度0.5g/Nm以上のタールも含有している。
(2)そこで、この生成ガスは、ガス化炉から、エンジンシステムのタール改質反応器に、700℃以上の高温で供給される。タール改質反応器は、加熱手段により内部が600℃以上、例えば850℃程度に維持されている。
(3)又、このタール改質反応器には、例えばガス化炉で得られた木炭粒が、炭化物粒として内部に充填されている。さてそこで、タール改質反応器内では、タールが、まず木炭粒等の炭化物粒に吸着,次いでコークと水素に分解し、そのコークは木炭粒の一部となる。
(4)そして木炭粒は、水蒸気と反応して改質され、もって水素,一酸化炭素,二酸化炭素が生成する。なお水蒸気改質には、生成ガス中の水蒸気が利用されるが、生成ガス中の水蒸気が反応に足りない場合は、別途、水蒸気を供給してもよい。
(5)このタール改質反応器では、このように、タールや炭化物粒が、水素や一酸化炭素に水蒸気改質される。そこで生成ガスは、燃料成分が増加し、カロリーアップ,発熱量アップされた改質ガスとなって、ロータリーエンジンに燃料として供給される。そしてタールは、水蒸気改質により大幅に低減,除去せしめられており、改質ガスは、タール濃度が0.1g/Nm未満となっている。
(6)なお、このエンジンシステムのタール改質反応器は、炭化物粒を充填した簡単な構成よりなり、付帯設備も、加熱手段やスチーム供給手段に止まり、全体的に設備が小型化され、処理操作やメインテナンスも簡単容易である。
(7)さて、このエンジンシステムのロータリーエンジンでは、発熱量や組成の異なる各種燃料を使用可能である。そこで、タール改質反応器からの改質ガスは、ポンプを経由した後、燃料としてロータリーエンジンのインジェクターへと供給される。
(8)ロータリーエンジンは、吸気工程で、調整部を介し吸気孔から空気が吸入され、圧縮工程当初に、インジェクターから改質ガス等の燃料が噴射され、圧縮,膨張行程で、混合気が点火プラグにて点火されて、燃焼ガスが膨張しローターが回転され、排気工程で、排気ガスが排気孔から排出される。
(9)そして、このエンジンシステムのロータリーエンジンでは、複数個のインジェクターが採用されており、改質ガス等の燃料を独立して直接噴射する。又、電子制御システムが採用されており、制御部にて燃料噴射等が制御される。
(10)制御部は、発熱量や組成が異なる改質ガス等の燃料が供給されることに鑑み、各燃料に対応した制御を実施する。すなわち制御部は、使用される燃料によるエンジン回転数やエンジン出力等の駆動情報が入力されると共に、各燃料別の最適空燃比や所定エンジン出力値が、制御パラメータ値としてマッピングされており、これらに対応した制御信号を、インジェクターに出力する。
(11)このようにして、このエンジンシステムのロータリーエンジンでは、各インジェクターの噴射タイミング,噴射量,点火プラグの点火タイミング,調整部の空気導入量等が、使用される改質ガス等の燃料に対応して設定される。もって、燃料毎の始動性,負荷変動,発熱量変動等にも適切に応答でき、最適な空燃比が維持され、所定目標値のエンジン出力が安定的に得られるようになる。
(12)さてそこで、本発明のエンジンシステムは、次の効果を発揮する。
《第1の効果》
第1に、設備が小型化し、コスト面にも優れている。すなわち、本発明のバイオマス燃料対応型のエンジンシステムでは、そのタール改質反応器が、タールを脱水素,コーク化して水蒸気改質してしまうので、前述したこの種従来例のように、大型で大規模な水処理装置付のタール処理設備は、付帯設備として使用されない。もって、設備コスト,排水処理コスト,メンテナンスコスト等に優れている。
このように、本発明のエンジンシステムは、バイオマス燃料化に関し、設備が小型化されると共に、諸コスト面にも優れている。
《第2の効果》
第2に、カロリーが向上し、燃料としての有効利用が促進される。すなわち、本発明のバイオマス燃料対応型のエンジンシステムでは、そのタール改質反応器で、タールが炭化物粒表面でコークと水素に転化すると共に、炭化物が水蒸気改質され、水素,一酸化炭素,および二酸化炭素が生成し、燃料ガスの一部となる。炭化物粒には、ガス化反応器から排出される木炭粒のほか、バイオマスや石炭等の炭素系資源に由来する炭化物粒を使用できる。
前述したこの種従来例のように、部分燃焼方式のタール処理設備により、燃料として供給されるべき生成ガスの一部を消費してしまうこともなく、含有されたタール成分やガス化炉で得られた木炭粒が、エネルギーに変換される。なお、部分燃焼方式のように、酸素供給コストが嵩むこともない。
このように、本発明のエンジンシステムによると、バイオマス燃料化に際し、生成ガスが、カロリー,発熱量が向上した改質ガスとなって、エンジンへ燃料として供給される。
《第3の効果》
第3に、タールが確実に低減,除去される。すなわち、本発明のバイオマス燃料対応型のエンジンシステムでは、そのタール改質反応器で、バイオマス燃料化に際しタールが、水素,一酸化炭素,二酸化炭素等に水蒸気改質される。
もって、生成ガスの改質ガスは、タール濃度が確実に0.1g/Nm未満となり、前述したこの種従来例の部分燃焼方式のタール処理設備に比し、遥かにタール低減,除去性能に優れている。そこで得られた改質ガスは、エンジンの燃料として使用した場合、タール付着,汚れ,コーキングに起因したエンジントラブル,作動トラブル発生が防止され、エンジンの耐久性が向上する。
《第4の効果》
第4に、これらと共に、各種燃料に対応したエンジン制御が行われる。本発明のバイオマス燃料対応型のエンジンシステムでは、そのロータリーエンジンについて、発熱量や組成が様々な各種燃料に対応した制御が行われる。
すなわち、そのエンジンの制御部は、各燃料毎の空燃比やエンジン出力をベースに読み込まれたプログラムに基づき、駆動情報を勘案して、使用される燃料の噴射タイミング,噴射量等を制御する。もって、このロータリーエンジンは、始動性,負荷変動,発熱量変動等についても、各燃料毎に、個別かつ適切に対応可能である。
前述したこの種従来例のように、1種類の燃料のみに対応した制御しか実施できなかったのに比し、高発熱量の燃料から、バイオマスの生成ガス,改質ガスよりなる低発熱量の燃料まで、その組成にも対応しつつ、適切な制御が実現される。
《第5の効果》
第5に、このような制御を可能ならしめると共に、容量的難点も克服される、インジェクターが採用されている。本発明のバイオマス燃料対応型のエンジンシステムでは、そのエンジンについて、複数個のインジェクターが採用されており、それぞれ燃料を経時的に独立して直接噴射する。
そこで、直噴方式のこの種従来例に比し、インジェクターを複数集合させたことにより、サイズ的・容量的難点が克服されると共に、上述した各種燃料に個別対応した制御が実施可能となる。すなわち、複数個のインジェクターの噴射タイミングや噴射量を、各インジェクター毎に制御することにより、高発熱量の燃料から組成の異なる低発熱量の燃料まで、柔軟な対応が実現される。
このように、この種従来例に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
《図面について》
以下、本発明のバイオマス燃料対応型のエンジンシステムを、図面に示した発明を実施するための最良の形態に基づいて、詳細に説明する。
図1,図2,図3は、本発明を実施するための最良の形態の説明に供し、図1は、そのタール改質反応器等の構成フロー図であり、図2は、そのロータリーエンジン等の構成フロー図である。図3の(1)図は、実施例のタール改質反応器の正断面説明図、(2)図は、ロータリーエンジンの正断面説明図である。
《本発明の概要》
本発明のバイオマス燃料対応型のエンジンシステムは、図1等に示したタール改質反応器1と、図2等に示したロータリーエンジン2とを、備えている。
タール改質反応器1には、バイオマスAをガス化炉2に投入して得られた生成ガスBが、供給される。ロータリーエンジン10等のエンジンには、タール改質反応器1からの改質ガスDが、燃料Hとして供給可能となっている。
以下、このようなガス化炉2,タール改質反応器1,反応式等,燃料H,ロータリーエンジン10の構造,制御等について、詳細に説明する。
《ガス化炉2について》
本発明のエンジンシステムのタール改質反応器1には、バイオマスAをガス化炉2に投入して得られた生成ガスBが、供給される。そこで、まずガス化炉2等について、図1を参照して説明する。ガス化炉2は、例えば部分燃焼方式よりなり、炉内がバーナー等により例えば900℃〜1,100℃程度に、高温保持されている。
そして、例えば乾燥キルン等にて乾燥処理された木質廃材,木屑チップ等のバイオマスAが、ホッパーから投入される。投入されるバイオマスAとしては、このような木質系バイオマス資源が代表的であるが、その他各種の廃棄物系バイオマス資源も考えられる。例えば、生ゴミ,農作物の茎,芯,根,葉,屑,鶏糞,その他の動植物系廃棄物も使用可能である。
ガス化炉2内では、投入されたバイオマスAが、例えば部分燃焼されると共に部分乾留,熱分解され、もって、カーボンや灰分等の固形分と共に、生成ガスBが熱分解ガスとして生成される。
この生成ガスBは、一酸化炭素(CO),二酸化炭素(CO),水素(H),水分(HO),窒素(N)等を主成分とする。すなわち、生成ガスBの組成は体積比で、例えば、一酸化炭素が16.1%、二酸化炭素が10.7%、メタンが3.0%、水素が11.0%、水分が15.5%、酸素が0.3%、窒素が43.3%となっている。因に、そのカロリーは、LHVで例えば、4,467〜5,078kJ/Nm(1,067〜1,213kcal/Nm)である。
そして、このような生成ガスBに対し、更に、0.5g/Nm以上の濃度で、タールが混入している。タールは、炭化水素を主成分とし、粘性の微粒子状をなし、略ベーパー状態,略気化状態にある。
このようにタールを含有した生成ガスBは、例えば800℃程度でガス化炉2から排出される。そして、温度低下によるタールの液化,固化,付着,コーキング等を回避すべく、短い管路3で断熱材で保温されつつ除塵機を経由し、更に必要に応じ図示例のように予熱器4を経由して、タール改質反応器1に供給される。
ガス化炉2は、このようになっている。
《タール改質反応器1について》
次に、タール改質反応器1について、図1を参照して説明する。タール改質反応器1は、バイオマスAをガス化炉2に投入して得られた生成ガスBが供給され、もって生成ガスB中に含有されていたタールを改質する。
そして、炭化物粒が内部充填されており、タールは、炭化物粒に吸着,担持されてコーク化された後、高温下で水蒸気と反応して、水素と一酸化炭素や二酸化炭素に、水蒸気改質される。
このようなタール改質反応器1について、更に詳述する。まず、タール改質反応器1には、加熱手段5が付設されており、もって内部が、600℃以上例えば800℃〜900℃、代表的には850℃程度に維持されると共に、生成ガスBが、700℃以上で供給される。加熱手段5として、図示例では後述するように間接加熱方式が採用されているが、改質反応器1に酸素あるいは空気を投入し、その結果起きる部分燃焼反応の反応熱を利用する、直接加熱方式も可能である。
又、水蒸気改質は、生成ガスB中に含有された水蒸気を利用して実施されるが、付設されたスチーム供給手段6からも、水蒸気を供給可能となっている。すなわち、フィードされた生成ガスB中には水蒸気が含有されており、これにて水蒸気改質が進行するが、生成ガスB中に水蒸気が少ない場合は、スチーム供給手段6から不足分の水蒸気が供給される。
タール改質反応器1には、炭化物粒が内部充填されている。すなわち、バイオマスAや石炭系資源を乾留により熱分解して得られた炭化物粒が、内部充填されている。内部充填された炭化物粒は、ガス化炉2で得られた木炭粒も使用可能であり、タールの水蒸気改質用の担持機能と触媒機能とを発揮すると共に、自ずからも水素と一酸化炭素に水蒸気改質される。木炭粒は、炭素を主成分とし、炭素質物質の乾留,多孔質残留物として生成されるが、図示例では、ガス化炉2において例えば焦げた未燃焼分等として生成されたものが、使用されている。
そして木炭粒は、層状に充填されており、まず、タールの捕捉,吸着,担持,一体化層として機能すると共に、タールのコーク化,水蒸気改質反応促進用の触媒層として機能する。又、木炭粒は、自身も水蒸気改質されて、水素と一酸化炭素にガス化される。なお、結果的に不足した木炭粒は、適宜ガス化炉2等から補充される。
さてタール改質反応器1内では、改質対象である生成ガスB中のタールが、この木炭粒等の炭化物粒に吸着,担持されて脱水素,コーク化される。そしてコークが、熱の作用と触媒の作用とに基づき、水蒸気をガス化剤として反応して、水素,一酸化炭素,二酸化炭素に変換され、水蒸気改質される。いわゆる水性ガス化反応が進行する。
タール改質反応器1では、このようにして、バイオマスAの生成ガスB中のタールが、水蒸気改質され、更に内部充填された木炭粒等の炭化物粒も水蒸気改質され、もって改質ガスDが生成される。
このように生成ガスBが改質された改質ガスDは、タール濃度が0.1g/Nm未満となっており、そのカロリーは、LHVで例えば、5,542kJ/Nm(1,324kcal/Nm)程度となっている。つまり改質ガスDは、前述した改質前の生成ガスB当時のカロリーに比べ、タール更には炭化物粒の改質により、1〜2割程度カロリーアップ,発熱量アップされたリッチガスとなっている。
タール改質反応器1は、このようになっている。
《反応式等について》
次に、反応式等について説明する。タール改質反応器1内では、次の化学反応式により、水蒸気改質等が進行する。まず、炭化物粒例えば木炭粒が、熱の作用により水蒸気をガス化剤として、次の化1の化学反応式により水蒸気改質され、もって水素と一酸化炭素に気化,ガス化される。
Figure 0004986042
これと共に、このような反応が進む炭化物粒例えば木炭粒表面では、まず、タールが吸着,次いでコークと水素に分解し、コークは炭化物粒である木炭粒の一部となる。例えば、タールに含まれる化合物のうち、ベンゼンに次いで難分解性であるナフタレン(C10)は、次の化2で示される化学反応によりコークと水素に分解する。
Figure 0004986042
炭化物粒である木炭粒においては、次の化3,化4の反応が起こり、水素,一酸化炭素および二酸化炭素が生成する。
Figure 0004986042
Figure 0004986042
化3の反応式において、コークつまり炭素は、水蒸気と反応して、一酸化炭素と水素とに水蒸気改質される。炭素と水蒸気の系は、高温付与により系のエンタルピーが上がり、吸熱反応により一酸化炭素と水素の混合気体に完全ガス化されるが、生成水素量(水素収率)は最小である。
これに対し化4の反応式では、炭素は水蒸気と反応して、二酸化炭素と水素に水蒸気改質される。これは、化3の反応式より多量の水蒸気が作用すると共に、化3の反応式の一酸化炭素も完全に改質された場合であり、吸熱反応により二酸化炭素と水素とに完全ガス化され、生成水素量(水素収率)は最大となる。
すなわち、この化4の反応式では、化3の反応式で生成された一酸化炭素が、発熱反応である次の化5のシフト反応により、水蒸気と反応して、二酸化炭素と水素の混合気体に改質,変換される。そこで、化3の反応式に、次の式5の反応式を加えると、化4の反応式となる。
Figure 0004986042
タール改質反応器2内では、化5のシフト反応がまったく起こらない場合は、化3の反応式により、又、化5のシフト反応のみが起こる場合は、化4の反応式により、それぞれ水蒸気改質が進行する。
しかし実際は、一酸化炭素濃度を低減する化5のシフト反応の発生程度等に従い、化4と化5の中間の反応式により水蒸気改質が進行する可能性が高い。この場合は、一酸化炭素と二酸化炭素と水素との混合気体が、改質ガスDとして生成される。
勿論、これらの反応の高温律則性,温度依存性に鑑み、化4の反応式より化3の反応式の方が吸熱程度が高いので、例えば900℃程度と温度が高い程、化4の反応式より化3の反応式が起こりやすく、化5のシフト反応が抑えられる傾向が見られるのに対し、800℃程度の場合には、化5のシフト反応が起こりやすく、化4の反応式が起こりやすい傾向が見られる。
反応式等は、このようになっている。
《燃料Hについて》
次に、燃料Hについて説明する。バイオマスAの生成ガスBは、タール改質反応器1において、タールや炭化物粒の水蒸気改質による再生利用により、カロリーアップ,発熱量アップされ、もってその改質ガスDが、ロータリーエンジン10の燃料Hとして利用に供される。図1の例において、改質ガスDは、管路7にて、冷却水Eによる冷却部8や、圧送用兼流量調整用のポンプ9を経由して、ロータリーエンジン10に供給される。
そしてロータリーエンジン10は、改質ガスD中の水素や一酸化炭素、更には僅かに含有されたメタンや炭素等を、燃料Hとして運転される。又、このロータリーエンジン10は、その主軸が、隣接設置された発電機11に連結されており、その駆動が発電に利用されている。図中12は、ロータリーエンジン10への空気F導入量調節用の調整部である。
そして、ロータリーエンジン10の排気ガスGが、タール改質反応器1の加熱手段5として活用されている。すなわち、ロータリーエンジン10の排気ガスGは、800℃〜900℃であり、煙送である管路13を介して、その熱量がタール改質反応器1に導入されている。タール改質反応器1内には、排気ガスGの通過経路が内部配設されている。
又、図1中の14は燃焼部であり、この燃焼部14は、タール改質反応器1へと向かう排気ガスG中の未燃分を捕集,燃焼させ、もってより高温化させるべく管路13に介装されている。更に、タール改質反応器1から使用済として排出された排気ガスGは、まだ高温を維持しているので、図示例ではその熱量が、管路3で送られる生成ガスBの予熱器4用に、使用されている。
さて改質ガスGは、このように燃料Hとして利用可能である。そして、このエンジンシステムのエンジンには、発熱量や組成が異なる各種燃料Hが供給されて、使用される。
すなわち、このエンジンシステムのロータリーエンジン10には、燃料Hとして、木質廃材,木屑チップ,その他の木質系バイオマスA,その他の動植物系廃棄物バイオマスA,等々の各種バイオマスAを始め、揮発性有機化合物VOCの廃液,粗エタノール溶液,廃食油,灯油,又はその他の炭化水素系化合物から選択された1種類が、ガス化炉2等で加熱,気化された生成ガスBについて、水素や一酸化炭素を含有すべく水蒸気改質した改質ガスDが、燃料Hとして選択的に供給,使用可能となっている。
つまり、このロータリーエンジン10には、バイオマスAの生成ガスBを水蒸気改質した改質ガスDが燃料Hとして供給,使用されると共に、その他の改質ガスDも、燃料Hとして供給,使用される。そして、これらの改質ガスDのガス燃料Hは、一般的に低発熱量であると共に、そのガス組成も様々である。例えば、水素や一酸化炭素を燃料成分とするが、更に若干のメタンも燃料成分として含有していることもあり、他に窒素も組成となっている。そして、これらの組成比も様々である。バイオマスAの改質ガスDにあっても、具体的なバイオマスAの種類に応じ、各種の異なるガス組成,組成比,発熱量となっている。
更に、このロータリーエンジン10には、このような低発熱量の改質ガスDのみならず、例えばメタンの含有量が多いガスや、プロパン,水素,窒素等を組成とするガス等々、高発熱量のガスも、燃料Hとして供給,使用可能である。
つまり、このロータリーエンジン10は、発熱量がLHVで例えば、3,140kJ/Nm(750kcal/Nm)程度の極めて低発熱量の改質ガスDから、100,464kJ/Nm(24,000kcal/Nm)程度の高発熱量のガスまで、種々の幅広い発熱量のガスが、燃料Hとして、経時的,選択的に供給,使用可能となっている。
このような燃料Hが、供給,使用される。
《ロータリーエンジン10の構造について》
次に、ロータリーエンジン10について、図2や図3の(2)図を参照して、説明する。このエンジンシステムでは、そのエンジンとして、ロータリーエンジン10が使用される。
このエンジンシステムは、上述したように発熱量や組成が異なる各種燃料Hが供給,使用可能となっており、もってロータリーエンジン10は、燃料Hを噴射する複数個のインジェクター15と、各燃料H個々に対応した制御を実施する制御部16と、を有しており、各インジェクター15は、順次独立して配設されており、それぞれ燃料Hを直接噴射可能となっている。
このようなロータリーエンジン10の構造について、更に詳述する。図3の(2)図に示したように、ロータリーエンジン10は、周知のごとく、ハウジング17内の燃料室で、ローター18が偏心回転運動して動力を発生させて、その主軸に回転力を伝達する、間欠燃焼式・容積式の内燃機関である。そして、ローター18が1回転することにより、ローター18の3面が吸気工程,圧縮工程,膨張工程,排気工程の4サイクルにて作動し、このような工程が繰り返される。
そして、このロータリーエンジン10は、一般の公知例と同様に、ハウジング17の吸気工程サイドに吸気孔19が、排気工程サイドに排気孔20が、それぞれ1ポートずつ配設されると共に、圧縮,膨張工程サイドに、点火プラグ21が1個又は複数個配設されている。
これと共に本発明では、インジェクター15が1個ではなく複数個設けられており、燃料Hと空気Fが、ハウジング17内に別々の場所から導入されるようになっている。
すなわち各インジェクター15は、ローター18の回転方向に沿って順次独立して配設されており、それぞれ燃料Hを、ハウジング17内に順次独立的,直接的に噴射可能となっている。
まず、各インジェクター15の取付位置は、圧縮工程の当初サイドである。すなわち、吸気工程サイドに設けられた吸気孔19がローター18の回転により閉となった直後の圧縮工程当初サイドにおいて、つまり、ハウジング17と回転するローター18との間にて形成される工程容積が、ピークより減少すると共に、その内圧が上昇し始めるポイントにおいて、各インジェクター15が配設されている。
各インジェクター15の個数については、図示例では2個設けられているが、4個設けるのも実際的であり、更に燃料Hの発熱量次第では8個設けることも予測される。例えば、燃料Hの発熱量が低いケースでは、多量の燃料Hを噴射する必要があり、より多数個のインジェクター15からの燃料H噴射が望ましいと言える。
そして各インジェクター15は、ポンプ9を経由して圧送されてきた燃料Hを、所定の噴射タイミングと噴射量で噴射する。すなわちインジェクター15は、スプリングが内装されると共にソレノイドコイルが外装されたインジェクションノズルよりなり、常時は、スプリングにて閉に設定されると共に、ソレノイドコイルが通電されると開に切換わって、燃料Hを噴射する。
この燃料Hの噴射タイミングと噴射量の制御は、制御部16からの制御信号に基づいて行われる。例えば、燃料Hの発熱量が高いケースでは、噴射をストップするインジェクター15もあり得ることになる。なお、このようにインジェクター15が複数個使用されていることに鑑み、ポンプ9による供給圧はかなり高目に設定される。
又、このロータリーエンジン10において、吸気孔19からは、空気Fが調整部12を介して導入される。調整部12では、吸気される空気Fの量がスロットルバルブにより調節され、もって燃料Hに対応した空燃比の空気Fが導入される。なお、図示例のようにLPG等の補助燃料Sが使用される場合、調整部12は、スロットルミキサーとしても機能し、補助燃料Sと空気Fとの混合気が、吸気孔19へと供給される。
このような調整部12の制御は、制御部16からの制御信号にて行われる。又、点火プラグ21の制御も、制御部16からの制御信号にて行われる。
排気孔20からは、排気ガスGが排出される。図2中の22は、エンジンオイルの循環部であり、23は、エンジン冷却水の循環部である。又、このようなロータリーエンジン10の主軸は、隣接設置された発電機11に連結されており、その駆動が発電用に出力される。勿論、電力以外の駆動エネルギー源として、その他各種用途にも使用可能である。
ロータリーエンジン10の構造は、このようになっている。
《ロータリーエンジン10の制御部16について》
次に、このロータリーエンジン10の制御部16について、図2を参照して説明する。制御部16は、各燃料Hに対応した制御等を実施する。すなわち制御部16は、実際に使用される各燃料Hそれぞれの発熱量や組成に基づくロータリーエンジン10の駆動情報をも勘案して、各インジェクター15や点火プラグ21を制御する。
制御部16には、実際に使用された燃料Hによるロータリーエンジン10のエンジン回転数やエンジン出力等の駆動情報が、信号入力される。もって制御部16は、入力された駆動情報と予め読込まれたプログラムとに基づき、燃料H毎に異なるロータリーエンジン10の始動性,負荷変動,発熱量変動等にも対応すべく、各インジェクター15に対し、燃料Hの噴射タイミングおよび噴射量の制御信号を送出すると共に、点火プラグ21に対し、燃料Hの点火タイミングの制御信号を送出する。
このような制御部16について、更に詳述する。制御部16は、エンジン制御コンピュータECUにて構成されている。そして制御部16には、まず各種の情報が、エンジン廻りに配された各センサー等から、信号入力される。
すなわち、エンジン回転数,エンジン出力,エンジントルク等のいずれか又は各々の駆動情報を始め、吸気される空気Fの温度,圧力,酸素濃度、供給される燃料Hの温度,圧力、調整部12のスロットルバルブの開度ポジション、その他各種の情報データが、制御部16に入力される。エンジン出力は、回転数を基にダイナモメータで測定,演算されるが、トルクセンサーを付設して直接的に検出することも考えられる。
制御部16は、この種一般例と同様に、このように信号入力された各種の情報データを、予め読込まれたプログラムに基づいて演算処理し、もって各インジェクター15,点火プラグ21,調整部12等に制御信号を出力する。
さて、この制御部16のプログラムソフトには、この種一般例の上述したプログラムと共に、更に、各種燃料H別に、最適空燃比(A/F値)や目標値である所定エンジン出力値からなる制御パラメータ値が、マッピングされており、もって発熱量や組成が異なる各燃料Hに対応した制御が、可能となっている。
例えば、各種のバイオマスAの改質ガスDを燃料H化したそれぞれのケースについて、その最適空燃比や目標値である所定エンジン出力値が、そのバイオマスA毎に制御パラメータ値として、マッピングされている。
もって制御部16は、このようなプログラムに基づく演算処理により、使用された燃料Hに最適な空燃比を維持し、所定エンジン出力(エンジン主軸出力)を得べく、情報入力されたエンジンの始動性,負荷変動,途中での発熱量変動等にも、柔軟に対応する応答制御信号を出力する。
制御部16はまず、各インジェクター15に対し、燃料Hの噴射タイミングおよび噴射量の制御信号を送出する。
すなわち、各インジェクター15のソレノイドコイルに対し、時間設定されたオンオフ信号を送信し、もって各インジェクター15毎に各々個別に、燃料H噴射の要否選択,噴射時間,噴射回数等をコントロールし、もって供給される燃料Hに適した噴射量への増減や噴射時期を、きめ細かくコントロールする。
例えば、発熱量が低いバイオマスAの改質ガスDが燃料Hとして使用される場合は、エンジン回転数そしてエンジン出力を高めるため、より多数のインジェクター15からの燃料H噴射が実施されたり、インジェクター15からの噴射時間を長くしたり、噴射回数を増加させる制御が実施される。
又例えば、運転途中での負荷変動や、同じ種類のバイオマスAの改質ガスDが燃料Hとして使用された場合であっても、途中で発熱量が変化し低下することがあり、これらに起因して、回転数そして出力が低下した場合も、同様である。
更に、燃料Hの組成は様々である。例えば、バイオマスAの改質ガスDでも、バイオマスAの種類によって、その組成は様々である。そこで燃料Hによっては、エンジンスタートアップ当初は、着火性,燃焼速度に優れた水素にて着火,燃焼が開始され、それから、徐々に発熱量が高い一酸化炭素が燃焼して、エンジン出力が向上して行くケースも多く、この場合には、両者の組成比率を勘案した制御が実施される。
これと共に制御部16は、点火プラグ21に対し、使用される燃料Hに適したタイミングで点火信号を送出する。上述した各インジェクター15による燃料Hの噴射タイミングに適合したタイミングで、燃料Hが点火されるように、点火時期信号を送出する。
又制御部16は、使用される燃料Hに最適の空燃比とするため、調整部12のスロットルバルブに対し、導入される空気F量の補正開閉信号を出力する。
更に制御部16は、エンジンスタートアップ時には、通常、インジェクター15による燃料H噴射量を増加させるが、供給された燃料Hが低発熱量であることに基づき、エンジン回転数やエンジン出力が不足する場合は、調整部12に対し補助燃料S導入信号を送出する。例えば、調整部12に付設された補助燃料S用の常閉の電磁弁に対し、開信号を送出する。
このロータリーエンジン10の制御部16は、このようになっている。
《作用等》
本発明のバイオマス燃料対応型のエンジンシステムは、以上説明したように構成されている。そこで、以下のようになる。
(1)このエンジンシステムにおいて、バイオマスAをガス化炉2に投入して得られた高温の生成ガスBは、一酸化炭素や水素を含有しており、燃料H化が可能であるが、タールも含有している。タール濃度は、例えば0.5g/Nm以上となっている(図1を参照)。
(2)そこで生成ガスBは、ガス化炉2から、このエンジンシステムのタール改質反応器1に順次供給される(図1を参照)。
生成ガスBの供給温度は、700℃以上例えば800℃程度である。これと共にタール改質反応器1は、内部が600℃以上例えば850℃程度に、維持されている。そして、このようなタール改質反応器1の加熱手段5として、ロータリーエンジン10の排気ガスGの熱量が利用されている。
(3)又、このタール改質反応器1には、炭化物粒が内部充填されている。充填される炭化物粒としては、ガス化炉2で得られた木炭粒が、代表的に使用される。
そしてタール改質反応器1内では、次の各反応が進行する。タールは、まず、炭化物粒に吸着,担持されて、脱水素,コーク化される。すなわちタールは、例えば前述した化2の化学反応式により、炭素と水素とに熱分解され、もって水素が離脱せしめられる。
(4)それから、このコークつまり炭素は、熱の作用と炭化物粒の触媒作用とに基づき、水蒸気と反応して改質される。すなわち、前述した化3,化4の化学反応式により、水蒸気と反応して、水素,一酸化炭素,二酸化炭素に、水蒸気改質される。
これと共に、炭化物粒自身も、前述した化1の化学反応式により、水蒸気と反応して、水素と一酸化炭素に水蒸気改質される。
なお、このような水蒸気改質は、改質ガスD中に含有された水蒸気を利用して行われるが、不足分した場合は、付設されたスチーム供給手段6も利用可能となっている。
(5)このエンジンシステムのタール改質反応器1では、このようにして、バイオマスAの生成ガスBは含有していたタールが、水素,一酸化炭素,二酸化炭素に水蒸気改質される。更に炭化物粒、例えばバイオマスAのガス化炉2で得られた木炭粒も、内部充填されたタール改質反応器1内で、水素と一酸化炭素に水蒸気改質される。
従って生成ガスBは、燃料Hとして利用可能な成分が増加し、カロリーアップ,発熱量アップされた改質ガスDとなって、タール改質反応器1からロータリーエンジン10に、燃料Hとして供給される。
又、生成ガスB中のタールは、前述した水素,一酸化炭素,二酸化炭素への水蒸気改質により、大幅に低減,除去せしめられる。もって、タール改質反応器2からの改質ガスDは、タール濃度が0.1g/Nm未満となった状態で、ロータリーエンジン10等へ燃料Hとして供給される。
(6)ところで、このように用いられるこのエンジンシステムのタール改質反応器1は、内部に炭化物粒を充填した簡単な構成よりなる。そして、その付帯設備も、加熱手段5やスチーム供給手段6に止まり、全体的にも、設備が小型化されると共に、処理操作やメインテナンス等も簡単容易である。
(7)さて、このエンジンシステムのロータリーエンジン10は、発熱量や組成の異なる各種燃料Hを、供給,使用可能となっている。すなわち、木質系バイオマスA,その他の動植物系廃棄物バイオマスA,その他を加熱,気化して、水素や一酸化炭素を含有すべく改質されたガス、つまり低発熱量であると共にその発熱量に差異があるガス燃料Hや、一般的な高発熱量のガス燃料Hが、経時的,選択的に供給,使用可能である。
そして図示例のように、使用に供すべく選択されたある1種類の燃料HであるバイオマスAの改質ガスDが、タール改質反応器1からポンプ9を経由した後、ロータリーエンジン10のインジェクター15へと供給され、インジェクター15からハウジング17内に噴射される(図1,図2を参照)。
(8)ロータリーエンジン10は、周知のごとく、ローター18がハウジング17内で回転することにより、吸気工程,圧縮工程,膨張行程,排気工程を繰り返す(図3の(2)図を参照)。
そして吸気工程では、吸気孔19から調整部12を介した空気Fが吸入される。それから圧縮工程当初に、インジェクター15から燃料Hが噴射される。それから圧縮,膨張行程において、空気Fと燃料Hがミックスされた混合気が、点火プラグ21にて点火され、もって膨張する燃焼ガスにてローター18が回転され、排気工程で、排気ガスGが排気孔20から排出される。
(9)さて、このロータリーエンジン10では、複数個のインジェクター15が採用されており、燃料Hを、それぞれ経時的に独立して、ハウジング17内に直接噴射するようになっている。
すなわち、バイオマスAの改質ガスD等、空燃比が体積比で約1:1程度となる低発熱量の燃料Hも、供給,使用されることに鑑み、これにサイズ的・容量的に対応可能なように、複数個,多数個のインジェクター15が採用されている。つまり、従来より使用されているサイズ・容量のインジェクター15を、始めて複数個採用したことにより、その分、大容量の燃料H供給が達成されるようになっている。これと共に、このように複数個のインジェクター15を採用したことにより、制御部16による燃料H噴射量の細かい増減制御も可能となる。
そして、このロータリーエンジン10では、いわゆる電子制御システムが採用されており、制御部16にて燃料噴射制御等が実施される。すなわち制御部16には、ロータリーエンジン10のエンジン回転数やエンジン出力等の駆動情報、その他のエンジン廻りの情報が入力される。そして制御部16は、予め読込まれたプログラムに基づき、各インジェクター15,点火プラグ21,調整部12等に対し、最適の空燃比や所定のエンジン出力を得るべく、制御信号を出力する。
(10)そして、この制御部16では更に、発熱量や組成が異なる改質ガスD等の燃料Hが供給,使用されることに鑑み、このような各燃料Hに対応した燃料噴射制御等も、実施可能となっている。
すなわち制御部16には、実際に供給,使用される燃料Hの発熱量や組成に基づく、ロータリーエンジン10の駆動情報が入力される。これと共に制御部16には、予め各燃料H別に最適の空燃比や目標値である所定のエンジン出力値が、制御パラメータ値としてマッピングされている。この制御パラメータ値は、バイオマスAの改質ガスDに関しても、各バイオマスAの種類に基づき、それぞれ異なった値が個別にマッピングされている。
そして制御部16では、これらに基づく演算処理が行われ、もって各インジェクター15,点火プラグ21,調整部12等に対し、対応した制御信号が出力される。
(11)このようにして、このエンジンシステムのロータリーエンジン10では、発熱量や組成の異なる燃料Hに対応して、各インジェクター15の噴射タイミングや噴射量が設定され、点火プラグ21の点火タイミングも追従設定され、調整部12にて空気Fの導入量が調整される。
このロータリーエンジン10では、このようにして、燃料H毎の始動性,負荷変動,発熱量変動等にも柔軟適切に応答し、もって最適な空燃比が維持され、所定目標値のエンジン出力が安定的に得られるようになる。
(12)なお、このロータリーエンジン10に、燃料HとしてプロパンガスCを供給して、そのエンジン特性をテストしたところ、43kw/3600r.p.m.のエンジン出力が得られた。因に、前述したこの種従来例のスロットルミキサー方式のロータリーエンジンでは、38kw/3600r.p.m.程度のエンジン出力値となっており、直射方式よりなるこのロータリーエンジン10の効率の良さが裏付けられた。
(13)なお図1において、24は第1改質促進手段、25は第2改質促進手段であり、必要に応じ、そのいずれか一方又は双方が使用される。
まず第1改質促進手段24は、タール改質反応器1に付設されている。そして、常閉の弁を必要に応じ開に切換えることにより、タール改質反応器1内に空気Fを導入し、もって、タール改質反応器1内において部分燃焼を生じさせ、内部温度を上昇させる。これにより、実施中の水蒸気改質を一段と促進,活発化させることにより、改質ガスDの発熱量を増加させ、ロータリーエンジン10のエンジン出力を向上させるべく機能する。
又、第2改質促進手段25は、タール改質反応器1の排出口近くの管路7と、ロータリーエンジン10の排気孔20から燃焼部14に至る管路13との間に、介装されたバイパスラインよりなる。そして、途中に設けられた常閉の弁を必要に応じ開に切換えることにより、高温の改質ガスDを燃焼部14内に導入し、もって、燃焼部14内での燃焼をより促進,活発化させる。これにより、タール改質反応器1の内部温度を上昇させて、実施中の水蒸気改質を一段と促進,活発化させることにより、改質ガスDの発熱量を増加させ、ロータリーエンジン10のエンジン出力を向上させるべく機能する。
このような第1改質促進手段24や第2改質促進手段25は、例えばロータリーエンジン10の駆動途中において、エンジン出力が低下した場合に使用され、制御部16からそれぞれの弁(電磁弁)に開信号が送出されることにより使用され、その機能を発揮する。
ここで、本発明のバイオマス燃料対応型のエンジンシステムにおいて採用された、タール改質反応器1の実施例について、述べておく。表1は、実施例のテスト結果のデータであり、図3の(1)図は、実施例のテストに使用したタール改質反応器1の正断面説明図である。
この実施例では、図3の(1)図に示したように、木炭粒が層状に充填したタール改質反応器1に対し、高濃度の水蒸気ガスを供給し、もって水蒸気改質についてテストした。すなわち、タール改質反応器1内には、予め、木炭粒(又は、バイオマスAをガス化炉1に投入した際に、未ガス化分として得られた炭化物粒)を内部に充填しておいてから、水蒸気の供給ガスを導入,通過させた。
まず、テスト条件については、次のとおり。
・供給ガス中の水蒸気濃度(vol%)
: 15.5
・供給ガス中の希釈ガス
: N
・供給ガス中のH,CO,CO(vol%)
: 0
・内部温度(℃)
: 800,850,900
・木炭粒の充填量(g)
: 1.7
・木炭粒の充填層高さ(mm)
: 30
・供給ガスの滞留時間(s)
: 0.2
このようなテスト条件のもと、タール改質反応器1から生成,排出された改質ガスDを、温度条件別に計測した結果、次の表1に示したデータが得られた。
すなわち、この表1のデータによると、改質ガスDの組成は、一酸化炭素,二酸化炭素,メタン,水素,水分等よりなっていた。つまり、木炭粒は、所期のとおり、水蒸気と反応してガス化され水蒸気改質されたことが、実験データ的にも確認された。
そして、このような水蒸気改質は温度依存性が強く、800℃,850℃,900℃では、水蒸気反応率そして改質ガスDの組成に、差異が見られた。なお、ガス供給開始後40minまでに、充填された木炭粒の転化率(ガス化率)は、80%に達した。そして、その間の改質ガスDの各組成の生成速度は、ほぼ一定であった。つまり、供給ガスの滞留時間である0.2秒で、つまりほぼ瞬間的に化学平衡に達した解された。
実施例では、以上のことが確認された。
Figure 0004986042
本発明に係るバイオマス燃料対応型のエンジンシステムについて、発明を実施するための最良の形態の説明に供し、そのタール改質反応器等の構成フロー図である。 同発明を実施するための最良の形態の説明に供し、そのロータリーエンジン等の構成フロー図である。 同発明を実施するための最良の形態の説明に供し、(1)図は、実施例のタール改質反応器の正断面説明図であり、(2)図は、ロータリーエンジンの正断面説明図である。
符号の説明
1 タール改質反応器
2 ガス化炉
3 管路
4 予熱器
5 加熱手段
6 スチーム供給手段
7 管路
8 冷却部
9 ポンプ
10 ロータリーエンジン(エンジン)
11 発電機
12 調整部
13 管路
14 燃焼部
15 インジェクター
16 制御部
17 ハウジング
18 ローター
19 吸気孔
20 排気孔
21 点火プラグ
22 循環部
23 循環部
24 第1改質促進手段
25 第2改質促進手段
A バイオマス
B 生成ガス
C コーク
D 改質ガス
E 冷却水
F 空気
G 排気ガス
H 燃料
S 補助燃料

Claims (1)

  1. タール改質反応器とエンジンとを、備えたエンジンシステムであって、
    該タール改質反応器は、バイオマスをガス化炉に投入して得られた生成ガスが供給され、もって該生成ガス中に含有されたタールを改質して、改質ガスが得られ、
    バイオマスや石炭系資源を乾留して得られた炭化物粒が、該タール改質反応器に充填されており、該タールは、脱水素,コーク化され、高温下で水蒸気と反応して、水素と一酸化炭素や二酸化炭素に水蒸気改質されるようになっており、
    該エンジンは、発熱量や組成が異なる各種の該改質ガスを燃料として使用可能であり、複数個のインジェクターと、各該燃料に対応した制御を実施する制御部と、を有してなり、かつ該エンジンは、ロータリーエンジンよりなり、その排気ガスが、800℃〜900℃であり、その未燃分を捕集,燃焼させて高温化させる燃焼部を介して、該タール改質反応器の内部配設された通過経路に導入され、
    該ガス化炉に投入される該バイオマスは、木質廃材等の木質系バイオマスや、その他の廃棄物系バイオマスよりなり、該タール改質反応器は、内部が600℃以上例えば850℃程度に維持されると共に、該生成ガスが、700℃以上で供給され、
    該タール改質反応器の内部に充填された該炭化物粒は、該ガス化炉で得られたものも使用可能であり、層状に充填されており、まず、該タールの捕捉,吸着,担持,一体化層として担持機能を発揮し、次いで、該タールの脱水素,コーク化,水蒸気改質反応促進用の触媒層として触媒機能を発揮すると共に、自ずからも水素と一酸化炭素に水蒸気改質され、
    該ロータリーエンジンの各該インジェクターは、ローターの回転方向に沿って順次独立して配設され、それぞれ該燃料の噴射タイミングや噴射量を独立制御可能となっており、
    該ロータリーエンジンの制御部は、使用される各該燃料によるエンジン回転数や出力等の駆動情報に基づき、各該燃料毎のエンジン始動性,負荷変動,発熱量変動等にも対応すべく、各該インジェクターに対し、該燃料の噴射タイミングおよび噴射量の制御信号を送出すること、を特徴とする、バイオマス燃料対応型のエンジンシステム。
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