JP5054051B2 - エンジンシステム - Google Patents
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Description
木質廃材等の木質バイオマス,その他の炭化水素系化合物を加熱,気化して得られた、木質バイオマスガス,その他の生成ガスについては、燃料としての有効利用が、最近注目を集めている。
すなわち、この種の生成ガスをエンジンの燃料ガスとして使用し、もって発電等に活用するシステムの構築が、最近大きなテーマとなっている。
ところで、現在開発,使用されているこの種従来例のエンジンシステムは、木質バイオマスガス,その他の生成ガスの種類毎の特殊仕様や、その用途毎の特殊仕様よりなると共に、自然給気のミクスチャー方式や特殊直噴方式のものが代表的である。
例えば、木質バイオマスガスを燃料ガスとして使用する場合は、各種のエンジントラブルの原因となる含有タールの除去対策が必要であり、その為の特殊専用仕様が付帯設備とされていた。又、タービンやボイラーの燃料ガスとして使用する場合は、それなりの特殊専用仕様の設備が設けられていた。
又、これらと共に、自然給気された空気と生成ガスとを、混合器を経由してディーゼルエンジン等に供給する方式や、特殊制御されるインジェクターを使用する方式、等々が採用されていた。又、軽油,A重油,LPG等が、補助燃料として併用されることも多かった。
このような従来例としては、例えば、次の特許文献1や特許文献2に示されたものが、挙げられる。
《第1の問題点》
第1に、この種の生成ガスは発熱量が低い場合が多々あり、エンジンシステムの安定運転に支障が生じる、という問題が指摘されていた。
すなわち、この種の生成ガスは、水素,一酸化炭素,更にはメタン,プロパン等の燃料成分の他、窒素,二酸化炭素,水蒸気等の不燃成分を含有するが、その成分量(組成比)は、生成ガスの種類に応じ様々である。例えば、木質バイオマスガスにあっても、原料となる木質バイオマスの種類により様々である。もって、生成ガスの発熱量も様々であり、発熱量変動も大きい。
そこで、前述したこの種従来例のエンジンシステムにあっては、燃料ガスとして使用される生成ガスの発熱量の低さや低下変動に起因して、エンジン駆動に必要な出力パワーが得られず、エンジンの燃焼,駆動,運転が困難化する事態が、多々発生していた。連続運転不能,エンジンストップの事態が発生していた。
もって、生成ガスの発熱量2,800kcal/Nm3(11,721kJ/Nm3)が、燃料ガスとしての使用の限界とされており、これを安定的に越える発熱量が必要とされており、それ以下については、燃料ガスとしてカロリー的に使用不能とされていた。
第2に、この種従来例のエンジンシステムについては、コスト面にも問題が指摘されていた。
すなわち、従来例のエンジンシステムは、前述したように、燃料ガスとして使用される生成ガスの種類や用途毎の特殊仕様,専用方式よりなっていたので、汎用性に乏しく設備コストやメンテナンスコストが嵩む、という問題が指摘されていた。又、前述したように生成ガスの発熱量の低さ等に起因して、軽油,A重油,LPG,その他の補助燃料が多用されており、この面からもメンテナンスコストが嵩む、という問題が指摘されていた。
本発明のエンジンシステムは、このような実情に鑑み、上記従来例の課題を解決すべくなされたものである。
そして本発明は、第1に、低い発熱量の生成ガスを燃料ガスとした場合でも、支障なく安定運転可能となり、第2に、しかもこれが簡単容易な構成により、コスト面にも優れて実現される、エンジンシステムを提案することを、目的とする。
このような課題を解決する本発明の技術的手段、つまり特許請求の範囲記載の技術的手段は、次の請求項1のとおりである。
このエンジンシステムは、燃料ガスを使用するエンジンシステムであって、エンジンがロータリーエンジンよりなると共に、過給器を備えている。
そして該燃料ガスは、木質バイオマス,VOC,廃食油,その他の炭化水素系化合物を、ガス化炉で加熱,気化してから、改質反応器で水蒸気改質して得られ、少なくとも水素や一酸化炭素を主成分として含有した生成ガスよりなる。もって該生成ガスつまり燃料ガスは、成分,組成比が様々なので発熱量も様々である。
該過給器に付随して、該過給器下流側に冷却用のインタークーラーが付設されている。該過給器およびインタークーラーは、該燃料ガスの発熱量が低い場合、より多量の該燃料ガスを燃焼可能とすべく機能する。該インタークーラーは、更に、該燃料ガス中の水素の燃焼爆発予防機能も発揮する。
このエンジンシステムでは、該燃料ガスと空気が、混合器にて混合された後、該過給器にて圧縮されてから、該ロータリーエンジンのハウジング内へと供給されること、を特徴とする。
本発明は、このような手段よりなるので、次のようになる。
(1)このエンジンシステムには、木質バイオマス,その他の炭化水素系化合物を加熱,気化,改質した生成ガスが、燃料ガスとして供給される。
(2)この生成ガスの成分は様々であり、その発熱量も様々である。すなわち、水素や一酸化炭素を主成分とするが、メタン等を含有することもある反面、窒素や二酸化炭素等の不燃成分も含有する。
(3)そこで、このエンジンシステムは、過給器更にはインタークーラーを備えており、燃料ガスや空気を圧縮,過給して充填効率を増加させ、より多量の燃料ガスを燃焼可能とする。
(4)もって、燃料ガスとして供給される生成ガスの発熱量が低い場合でも、エンジン駆動に必要な出力パワーが得られるようになる。
(5)すなわち、生成ガスの発熱量が2,800kcal/Nm3を下廻っても、燃料ガスとして使用可能となり、その下限は、1,600kcal/Nm3、更には1,400kcal/Nm3程度まで可能となる。
(6)なお、このエンジンシステムでは、燃料ガスと空気が、混合器から過給器を介して、ロータリーエンジンへと供給される。
(7)このエンジンシステムは、過給器,インタークーラー,混合器等を、ロータリーエンジンに組み込んだ、簡単容易な構成よりなる。しかも、発熱量の低い生成ガスでも、エンジン駆動に必要な出力パワーが得られるので、補助燃料の必要性が低下する。
(8)さてそこで、本発明のエンジンシステムは、次の効果を発揮する。
第1に、低い発熱量の生成ガスを燃料ガスとした場合も、安定運転が可能となる。
すなわち、本発明のエンジンシステムは、まず、木質バイオマス,その他の炭化水素系化合物を加熱,気化,改質した生成ガスを、燃料ガスとすると共に、過給器更にはインタークーラーを備えている。
そこで、より多量の燃料を燃焼させることが可能となり、燃料ガスとして使用される生成ガスの発熱量が低い場合でも、エンジンの燃焼,駆動,運転が確保される。生成ガスの発熱量の低さや低下変動に起因して、前述したこの種従来例のエンジンシステムのように、連続運転不能,エンジンストップの事態が発生することは、大幅に解消される。
更に、本発明のエンジンシステムは、過給器としてメカニカルスーパーチャージャーを採用したので、次の(1),(2),(3)のようになる。
(1)スーパーチャージャーは、ロータリーエンジンのトルク性能が向上し、エンジン回転の低速時でも応答性が高い、という利点がある。
(2)本発明のエンジンシステムで使用する燃料ガスは、水素が多量に含有されており、高温下での水素の燃焼,爆発反応回避に留意する必要がある。
そこで、例えばターボチャージャーを過給器として採用すると、排気ガスの熱が伝達され、もってロータリーエンジンに供給される前の段階の燃料ガス中の水素の燃焼,爆発を、誘発する虞が存在する。これに対し、スーパーチャージャーを過給器として採用したので、このような危険が一切なく、安全性に優れている。
(3)更にスーパーチャージャーでは、ターボチャージャーのように排気ガスを利用しないので、排気ガスの温度低下が回避される。従って、スーパーチャージャーを過給器として採用すると、排気ガスの熱を、改質反応器における改質用に利用したり、ガス化炉での加熱用に利用可能となる。
このように、この種従来例に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
第2に、しかもこれは、簡単容易な構成により、従来例に比しコスト面にも優れて実現される。
すなわち、本発明のエンジンシステムは、公知公用されている過給器,インタークーラー,混合器等を、汎用品のロータリーエンジンに組み込んだ簡単な構成よりなり、上述した第1の効果が容易に実現される。前述したこの種従来例のエンジンシステムのように、特殊仕様,専用方式を要することもなく、その分、設備コストやメンテナンスコストに優れている。しかも、軽油,A重油,LPG,その他の補助燃料の使用も、この種従来例に比し大幅削減され、この面からもメンテナンスコストに優れている。
このように、この種従来例に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
以下、本発明のエンジンシステムを、図面に示した発明を実施するための最良の形態に基づいて、詳細に説明する。
図1〜図4は、本発明を実施するための最良の形態の説明に供する。そして図1は、構成フロー図、図2は、構成説明図、図3は、本発明には属さない参考例の構成説明図である。図4は、構成ブロック図であり、(1)図は本発明の例を示す。(2)図,(3)図,(4)図は、本発明には属さない参考例を示す。
まず、図1を参照して、本発明のエンジンシステム1で使用される燃料ガスAについて、説明する。
この燃料ガスAとしては、例えば、木質バイオマス,VOC,廃食油,その他の炭化水素系化合物を、加熱,気化,改質して得られる生成ガスが使用され、少なくとも水素や一酸化炭素を含有している。
そして、このように燃料ガスAとして供給,使用される生成ガスは、その成分そして成分量(組成比)が、原料となる炭化水素系化合物の種類に応じ様々である。もって、その発熱量も様々であるが、低い発熱量よりなることも多い。
すなわち、水素(H2)と一酸化炭素(CO)を主成分とすることが多いが、更にメタン(CH4),エチレン(C2H4),プロパン(C3H8),ブタン(C4H10)等の高発熱量の低級炭化水素を含有することも多い。その反面、これらの燃料成分と共に、窒素(N2),二酸化炭素(CO2),水蒸気(H2O)等の不燃成分も、含有している。
それから、この木質バイオマスガスは、→改質反応器3へと供給され、タール蒸気が、高温加熱された熱の作用と充填された触媒の作用とに基づき、水蒸気更には空気中の酸素を酸化剤として反応して、→水素,一酸化炭素,二酸化炭素等に、水蒸気改質される。
もって、このようにタール成分が改質されてカロリーアップされた生成ガス(改質ガス)が、→燃料ガスAとしてエンジンシステム1へと供給される。
次に、VOCの例について述べる。揮発性有機化合物VOCとしては、例えばメチルエチルケトン,イソプロピルアルコール,酢酸エチル,酢酸ブチル,トルエン,キシレン,ベンゼン,エタノール,トリクロロエタン,リモネン等が、代表的である。
そしてVOCは、例えば溶剤等として使用され、VOC廃液として回収されることが多い。そしてVOC廃液は、→予熱器よりなるガス化炉2で気化され、→水蒸気とVOCガスの混合ガスとなって改質反応器3へと供給され、→前述に準じ水素,一酸化炭素,二酸化炭素等に水蒸気改質される。→もって、このような生成ガス(改質ガス)が、燃料ガスAとして使用される。
廃食油の例については、次の通り。使用済の植物油である廃食油は、植物性脂肪(不飽和脂肪)のトリグリセリドを主成分とする。そして廃食油は、→ガス化炉2で気化された後、水蒸気や加熱空気が圧入,混合されてから、→改質反応器3へと供給され、前述に準じ水素,一酸化炭素,二酸化炭素,更にはメタン,エチレン等に水蒸気改質される。→そして、このような生成ガス(改質ガス)が、燃料ガスAとして使用される。
このエンジンシステム1で使用される燃料ガスAは、このようになっている。
次に、図1,図2,図4の(1)図を参照して、本発明のエンジンシステム1の概要について、説明する。このエンジンシステム1は、燃料ガスAを使用し、エンジンがロータリーエンジン4よりなると共に、過給器5を備えており、空気Cや燃料ガスAが過給器5を介して供給される。
又、この過給器5に付随してインタークーラー6が付設され、過給器5の下流側にインタークーラー6が介装されている。又図示例では、ロータリーエンジン4の主軸に、隣接付設された発電機7が連結されており、その駆動が発電用に出力されるが、勿論、電力以外の各種駆動エネルギー源としても利用可能である。
これに対し、図4の(2)図に示した本発明には属さない参考例のエンジンシステム1では、空気Cが、過給器5にて圧縮されインタークーラー6にて冷却された後、混合器8において、別途加圧供給される燃料ガスAと混合されてから、ロータリーエンジン4のハウジング9内へと、供給される。
図3,図4の(3)図に示した本発明には属さない参考例のエンジンシステム1では、空気Cが、過給器5にて圧縮されインタークーラー6にて冷却された後、ロータリーエンジン4のハウジング9内へと供給されると共に、別途加圧供給された燃料ガスAが、インジェクター10からロータリーエンジン4のハウジング9内に噴射される。
図4の(4)図に示した本発明には属さない参考例のエンジンシステム1では、空気Cが、ロータリーエンジン4のハウジング9内へと加圧供給されると共に、燃料ガスAが、過給器5にて圧縮されインタークーラー6にて冷却された後、インジェクター10からロータリーエンジン4のハウジング9内に噴射される。この場合、予め加圧された空気Cが、吸気孔12からハウジング9内に供給されるか、又は、そのインジェクター10からハウジング9内に噴射される。
エンジンシステム1の概要は、このようになっている。
次に、図2,図3を参照して、このエンジンシステム1で使用されるロータリーエンジン4について、説明する。
ロータリーエンジン4は周知のごとく、ハウジング9内の燃焼室で、ローター11が偏心回転運動して動力を発生させ、もってその主軸に回転力を伝達する、間欠燃焼式・容積式の内燃機関である。そして、ローター11が1回転する毎に、ローター11の3面が、吸気工程,圧縮工程,膨張行程,排気工程の4サイクルにて作動し、このような工程が繰り返される。
又、ハウジング9の吸気工程サイドに吸気孔12が、排気工程サイドに排気孔13が、それぞれ1ポートずつ配設されると共に、圧縮,膨張行程サイドに、点火プラグ14が1個又は複数個配設されている。
これに対し、図3,図4の(3)図,(4)図の本発明には属さない参考例のエンジンシステム1は、直噴方式よりなる。燃料ガスAは、インジェクター10からロータリーエンジン4のハウジング9内へと直接噴射され、空気Cは、吸気孔12からハウジング9内に供給される。燃料ガスAと空気Cは、ハウジング9内に別々の場所から導入される。インジェクター10は、吸気孔12がローター11の回転により閉となった直後の圧縮工程当初サイドに、配設されている。
このエンジンシステム1のロータリーエンジン4は、このようになっている。
次に、図1〜図3を参照して、このエンジンシステム1で使用される過給器5とインタークーラー6について、説明する。
まず、過給器5について述べる。過給器5として、図示ではターボチャージャーが使用されており、排気側の排気孔13からの排気ガスDの圧力を利用して、タービン15を回転させることにより、シャフト16を介し同軸上のコンプレッサー17を回転させ、もって、吸気側の燃料ガスAや空気Cを圧縮,過給する。
例えば、自然給気の場合の空燃比(A/F)を14〜16とすると、過給により結果的に、1.5倍〜2倍から3倍程度の燃料ガスAを、ロータリーエンジン4のハウジング9に供給する。
ところで本発明では、このような図示のターボチャージャーではなく、後で詳述するように、メカニカルスーパーチャージャーが採用される。
そこで周知のように、これらの回避を機能,使用目的として、過給器5の下流側にインタークーラー6を付設し、もって冷却により温度を例えば60〜65℃程度まで下げてから、ロータリーエンジン4のハウジング9へと供給するようになっている。インタークーラー6としては、ラジエーターに準じた空冷式や、冷却水を循環させる水冷式等、公知構造の放熱器が採用される。
ところで本発明では、燃料ガスA中に水素が主成分として含有されていることに鑑み、インタークーラー6による燃料ガスAの冷却は、ロータリーエンジン4に供給される前の段階において、高温化における水素の燃焼,爆発反応を予防する機能,使用目的も有している。このように本発明では、インタークーラー6の付設により、このエンジンシステム1の安全性が向上する。
過給器5やインタークーラー6は、このようになっている。
本発明のエンジンシステム1は、以上説明したように構成されている。そこで、以下のようになる。
(1)このエンジンシステム1では、木質バイオマスB,VOC,廃食油,その他の炭化水素系化合物を、上流側のガス化炉2で加熱,気化し、改質反応器3で改質した生成ガス(改質ガス)が、燃料ガスAとして供給される(図1〜図4を参照)。
もって、下流側のエンジンシステム1のロータリーエンジン4が、燃料ガスA中の燃料成分である水素,一酸化炭素,メタン等を、燃料として運転される。
すなわち、水素と一酸化炭素を主成分とするが、メタンやプロパン等を含有することもある反面、窒素や二酸化炭素等の不燃成分も含有する。
すなわち過給器5にて、燃料ガスAや空気Cについて、ロータリーエンジン4のハウジング9内への充填効率を増加させ、もって無過給の場合に比し、より多量の燃料ガスAを燃焼させることが可能となっている。
すなわち、生成ガスつまり燃料ガスAの発熱量が低くても、圧縮により一定時間内により多量の燃料ガスAを、一定容積のハウジング9内に供給でき、その分、ロータリーエンジン4の回転数やトルクが向上し、出力アップとなる。もって、エンジンストップの事態発生は、大幅解消される。
すなわち、生成ガスの発熱量が、これまで限界とされていた2,800kcal/Nm3(11,721kJ/Nm3)を下廻るカロリーであっても、十分に燃料ガスAとして使用可能となる。使用可能なカロリー下限は、1,600kcal/Nm3(6,698kJ/Nm3)、更には1,400kcal/Nm3(5,860kJ/Nm3)程度まで、見込まれる。
しかも、発熱量の低い生成ガスを燃料ガスAとした場合でも、エンジン駆動に必要な出力パワーが得られるので、軽油,A重油,LPG,その他の補助燃料の必要性が大幅低下する。
本発明の作用等は、このようになっている。
なお図示では、過給器5としてターボチャージャーが示されていたが、本発明では、スーパーチャージャーが使用される。
すなわち、スーパーチャージャー(メカニカルスーパーチャージャー:機械式過給器)は、ターボチャージャー(排気タービン式過給器)が、排気ガスDの流れを利用してタービン15を回転させて過給を行うのに対し、ロータリーエンジン4の回転出力軸(クランクシャフト)の回転駆動力を利用し、これに連結された機械式圧縮ポンプを作動させて過給を行う。
第1に、スーパーチャージャーは、ロータリーエンジン4のトルク性能が向上し、エンジン回転の低速時でも応答性が高い、という利点が知られている。
第2に、これに対しターボチャージャーは、本来捨てられる排気エネルギーを活用するので、エンジン出力を利用するスーパーチャージャーに比し、エンジン効率を低下させることがないことが、知られている。
第3に、本発明のエンジンシステム1で使用する燃料ガスAは、水素が多量に含有されており、高温下での水素の燃焼,爆発反応回避に、留意する必要がある。
これに対しターボチャージャーでは、高温となる排気ガスD用のタービン15と、コンプレッサー17とが、シャフト16で連結されている。そこで、ターボチャージャーを過給器5として採用すると、排気ガスDの熱がコンプレッサー17側へと伝達され、もって、ロータリーエンジン4に供給される前の段階の燃料ガスA中の水素の燃焼,爆発を、誘発する虞が可能性としては存在する。
これに対し、スーパーチャージャーを過給器5として採用した場合は、このような危険が一切なく、この面から、ターボチャージャーより安全性に優れていると言える。
第4に、更にスーパーチャージャーでは、ターボチャージャーのように排気ガスDを利用しないので、排気ガスDの温度低下が回避される。従って、本発明のエンジンシステム1では、スーパーチャージャーを過給器5として採用すると、排気ガスDの熱を、改質反応器3における改質用に利用したり、ガス化炉2での加熱用に利用可能となる、という利点がある。
このテスト1,2には、図1,図2,図4の(1)図に示したエンジンシステム1を使用した。まず、テスト1,2のテスト条件については、次のとおり。
《テスト1のテスト条件》
・燃料ガスAの発熱量(LHV) :3,000kcal/Nm3(12,558kJ /Nm3)
・空燃比(A/F) :15.4
・ブースト圧力(過給吸気圧力) :0.2kg/cm2
・燃料ガスAの流量 :37.5Nm3/hr
・燃料ガスAの補正流量 :33.8Nm3/hr
・燃料ガスAの供給元圧力 :0.005MPa
・燃料ガスAのエンジン供給圧力 :1.5kPa
《テスト2のテスト条件》
・燃料ガスAの発熱量(LHV) :1,600kcal/Nm3(6,698kJ/ Nm3)
・空燃比(A/F) :15.5
・ブースト圧力(過給吸気圧力) :0.12kg/cm2
・燃料ガスAの流量 :44.0Nm3/hr
・燃料ガスAの補正流量 :39.7Nm3/hr
・燃料ガスAの供給元圧力 :0.024MPa
・燃料ガスAのエンジン供給圧力 :3kPa
このデータによると、燃料ガスAとして使用される生成ガスの発熱量が1,600kcal/Nm3(6,698kJ/Nm3)と低いテスト2についても、必要なエンジン特性が得られた。すなわち、テスト1の3,000kcal/Nm3(12,558kJ/Nm3)と、発熱量が従来より十分とされている場合に比し、ほぼ準じ得る程度の出力パワーが得られることが実証された。
このように、低い発熱量の生成ガスよりなる燃料ガスAでも、エンジンの燃焼,駆動,運転が可能となり、必要なエンジン特性つまり回転速度,トルク,そして出力が得られることが裏付けられた。
実施例では、これらが確認された。
2 ガス化炉
3 改質反応器
4 ロータリーエンジン
5 過給器
6 インタークーラー
7 発電機
8 混合器
9 ハウジング
10 インジェクター
11 ローター
12 吸気孔
13 排気孔
14 点火プラグ
15 タービン
16 シャフト
17 コンプレッサー
A 燃料ガス
B 木質バイオマス
C 空気
D 排気ガス
Claims (1)
- 燃料ガスを使用するエンジンシステムであって、エンジンがロータリーエンジンよりなると共に、過給器を備えており、
該燃料ガスは、木質バイオマス,VOC,廃食油,その他の炭化水素系化合物を、ガス化炉で加熱,気化してから、改質反応器で水蒸気改質して得られ、少なくとも水素や一酸化炭素を主成分として含有した生成ガスよりなり、もって該生成ガスつまり燃料ガスは、成分,組成比が様々なので発熱量も様々であり、
該過給器に付随して、該過給器下流側に冷却用のインタークーラーが付設されており、該過給器およびインタークーラーは、該燃料ガスの発熱量が低い場合、より多量の該燃料ガスを燃焼可能とすべく機能し、該インタークーラーは、更に、該燃料ガス中の水素の燃焼爆発予防機能も発揮し、
かつ該過給器は、該ロータリーエンジンの回転出力軸の回転駆動力を利用し、該回転出力軸に機械式圧縮ポンプを連結して過給を行うメカニカルスーパーチャージャーよりなり、又、該改質反応器は、水蒸気改質に際し、該ロータリーエンジンの排気ガスの熱を利用し、
このエンジンシステムでは、該燃料ガスと空気が、混合器にて混合された後、該過給器にて圧縮されてから、該ロータリーエンジンのハウジング内へと供給されること、を特徴とするエンジンシステム。
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