JP4985339B2 - 車両用温水床暖房装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジン冷却水等の車載熱源の冷却水を利用した車両用温水床暖房装置に関する。
エンジン冷却水を利用した車両用床暖房装置としては、自動車のエンジン冷却水の配管におけるエンジンからラジエータへの還流配管を、熱交換器の一次側に接続し、当該熱交換器の二次配管を、ポンプを介して、車室の床面にジグザグに配置された暖房管に接続するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
実開平5-54018号公報
しかしながら、従来の車両用温水床暖房装置にあっては、エンジン冷却水と熱交換した温水を車室床面にジグザグに配置した暖房管に導き、温水の熱によって床面を温めるものであり、温度調節機構として電磁弁による温水遮断装置が付加されている。しかし、このような温水の連通・遮断を切り替える温度調節機構だけでは、エンジン冷却水の温度が上昇したときの即暖効果やエンジン冷却水の温度が低下したときの保温効果を得ることができない、という問題があった。
すなわち、温水遮断から温水連通に切り替えると床面温度が急激に上昇し、逆に、温水連通から温水遮断に切り替えると床面温度が急激に下降する。さらに、温水連通状態のままでの床面温度変化特性は、エンジン冷却水の温度変化に対しシステムにより決まる温度感度にて追従する一義的な特性となる。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、車載熱源の冷却水温度が上昇したときの即暖効果と車載熱源の冷却水温度が低下したときの保温効果を併せて達成することができる車両用温水床暖房装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、車載熱源の冷却水を利用した車両用温水床暖房装置において、放熱面に設定される温水流路又は温水貯蔵容器の領域容積が異なる2つ以上の異なった放熱領域を備えている。そして、2つ以上の異なった放熱領域を水流的に直列に配列し、かつ、領域容積が大きい第1放熱領域を、領域容積が小さい第2放熱領域の下流位置に設けている。
さらに、前記第1放熱領域は、足の裏を置くフロア水平部に設定する。前記第2放熱領域は、ふくらはぎの後方又は大腿の下方に位置するシート下側のフロア鉛直面あるいはフロア傾斜面に設定する。
よって、本発明の車両用温水床暖房装置にあっては、領域容積が大きい放熱領域における温水流路又は温水貯蔵容器内部の温水の循環が、領域容積の小さい放熱領域の温水の循環に比べて遅くなる。従って、領域容積が大きい放熱領域の熱移動量は、領域容積の小さい放熱領域よりも小さくなるため、相対的に暖まりにくく冷えにくくなる。反対に、領域容積の小さい放熱領域は、相対的に温まりやすく冷えやすくなる。
このように、熱的特性の異なる2つ以上の放熱領域を設定し、領域容積の小さい放熱領域を、車載熱源に近い上流側に配置し、領域容積の大きい放熱領域を、車載熱源から遠い下流側に設ける。この熱的特性の異なる2つ以上の放熱領域の配置設定により、領域容積の小さい放熱領域には、車載熱源の冷却水温度が上昇したときに応答良く温度上昇する即暖効果が与えられる。また、領域容積が大きい放熱領域には、車載熱源の冷却水温度が低下したときに温度低下を抑える保温効果が与えられる。
この結果、車載熱源の冷却水温度が上昇したときの即暖効果と車載熱源の冷却水温度が低下したときの保温効果を併せて達成することができる。
以下、本発明の車両用温水床暖房装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1及び実施例2に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の車両用温水床暖房装置を示す側面図である。図2は実施例1の車両用温水床暖房装置を示す平面図である。
実施例1の車両用温水床暖房装置はエンジン車に適用したもので、図1及び図2に示すように、フロア1と、シートクッション2と、エンジン3(車載熱源)と、温水輸送管4と、第1放熱管5と、第2放熱管6と、第1放熱領域7(領域容積が大きい放熱領域)と、第2放熱領域8(領域容積が小さい放熱領域)と、電熱体11と、を備えている。
実施例1の車両用温水床暖房装置は、エンジン3を車載熱源とするエンジン冷却水(温水)を利用したもので、図2に示すように、放熱面に設定される温水流路の領域容積が異なる第1放熱領域7と第2放熱領域8を備えている。そして、2つの異なった第1放熱領域7と第2放熱領域8を水流的に直列に配列し、かつ、領域容積が大きい第1放熱領域7を、領域容積が小さい第2放熱領域8の下流位置に設けている。
ここで、「領域容積」とは、温水循環による熱移動量を決める容積をいい、領域容積が大きいほど、温水の循環が遅く、熱移動量は小さくなる。
前記下流の第1放熱領域7の領域容積は、前記上流の第2放熱領域8の領域容積に対して、2倍以上の領域容積比に設定している。これは、領域容積が大きいほど温度変化を小さく抑えることができるためである。上記のように2倍以上の領域容積比に設定することで、第2放熱領域8の温度変化に対し、第1放熱領域7の温度変化を1/2以下に抑えることが可能になる。なお、対流等による熱損失を無視した場合、領域容積比が高くなるほど放熱による温度変化は小さくなるというように、領域容積比と温度変化とは反比例の関係を持つ。
前記放熱領域としてフロア1に設定している第1放熱領域7と第2放熱領域8のうち、第1放熱領域7は、図1に示すように、乗員の足の裏を置くフロア水平部1aに設定している。第2放熱領域8は、図1に示すように、乗員のふくらはぎの後方で大腿の下方に位置するシート下側のフロア傾斜面1bに設定している。
なお、フロア1の形状が、フロア水平部1aからシートクッション2の下側にて垂直に立ち上がっている場合には、フロア傾斜面1bに代え、フロア鉛直面に第2放熱領域8を設定しても良い。
前記第1放熱領域7は、図2に示すように、蛇行する第1放熱管5により構成され、前記第2放熱領域8は、図2に示すように、蛇行する第2放熱管6により構成される。そして、第1放熱管5の流水路断面積を、温水輸送管4と同じ径による第2放熱管6の流水路断面積よりも大きく設定することで、温水流路の領域容積を異ならせている。第1放熱管5は、図1に示すように、フロア水平部1aに対し、熱伝導を促す伝熱体11を介して接触させている。第2放熱管6は、図1に示すように、フロア傾斜面1bに対し、熱伝導を促す伝熱体11を介して接触させている。なお、伝熱体11としては、積層したアルミ泊やアルミプレート等の熱伝導率の高い素材によるプレート状やシート状の部材が用いられる。
前記第1放熱領域7と第2放熱領域8を構成する放熱管5,6には、エンジン冷却水である温水が、温水輸送管4を通して領域容積が小さい第2放熱管6へと流れ込み、第2放熱管6の出口から領域容積が大きい第1放熱管5へと流れ込み、第1放熱管5の出口からエンジン3へ戻る。すなわち、エンジン1からの温水を流す方向は、図2に示すように、領域容積が小さい第2放熱領域8に続いて領域容積が大きい第1放熱領域7の順となるように設定している。
次に、作用を説明する。
以下、実施例1の車両用温水床暖房装置における作用を、「エンジン始動時の即暖作用」、「走行停止時の保温作用」、「乗員の床暖房体感作用」、「走行状態の変化に対する温度変化作用」に分けて説明する。なお、図3は第1放熱領域7と第2放熱領域8に対し実施例1とは逆方向に温水を流した例であり、「エンジン始動時の即暖作用」と「走行停止時の保温作用」については、順方向に温水を流した場合と逆方向に温水を流した場合の作用差に基づき説明する。
[エンジン始動時の即暖作用]
図4は実施例1の車両用温水床暖房装置に対し順方向に温水を流した場合、エンジン始動時からの時間経過に対する2つの領域7,8の床面温度変化を示す温度変化特性図である。
実施例1の車両用温水床暖房装置に対し、図2に示すように、順方向に温水を流した場合、図4の時間0にてエンジン3を始動すると、図4の細点線特性に示すように、エンジン3から出た初期温水の温度が次第に上昇する。このため、エンジン3の直後に接続されている第2放熱領域8の温度は、図4の太点線特性に示すように、初期温水の温度上昇に準じて上昇する。しかし、第2放熱領域8の下流に設定されている第1放熱領域7は、第2放熱領域8よりも容積が大きい。このため、図4の実線特性に示すように、第1放熱領域7は、第2放熱領域8の温度上昇よりも遅れて温度が上昇する。
図5は実施例1の車両用温水床暖房装置に対し逆方向に温水を流した場合、エンジン始動時からの時間経過に対する2つの領域7,8の床面温度変化を示す温度変化特性図である。
実施例1の車両用温水床暖房装置に対し、図3に示すように、逆方向に温水を流した場合、既に低温の水が満たされた大きな容積を有する第1放熱領域7を先に通過する。このため、第1放熱領域7の温度上昇は、図5の実線特性に示すように、図5の細点線特性に示す初期温水温度の上昇よりも遅れる。そして、第1放熱領域7の下流に設定されている第2放熱領域8の温度上昇は、図5の太点線特性に示すように、第1放熱領域7の温度上昇に準じて遅れる。
すなわち、図4の温度特性と図5の温度特性の比較から明らかなように、実施例1のように、領域容積が大きい第1放熱領域7を、領域容積が小さい第2放熱領域8の下流に設け、温水を第2放熱管6から第1放熱管5へと順方向に流した場合にのみ、初期温水の温度上昇に準じて上昇する即暖性能を発揮することができる。
[走行停止時の保温作用]
図6は実施例1の車両用温水床暖房装置に対し順方向に温水を流した場合であって、走行によって十分にエンジン冷却水温が上昇した後、休憩等のために停車してエンジン3をアイドリング状態にした場合の2つの領域7,8の床面温度変化を示す温度変化特性図である。
実施例1の車両用温水床暖房装置に対し、図2に示すように、順方向に温水を流した場合、エンジン3をアイドリング状態にして走行停止(=時間0)すると、図6の細点線特性に示すように、初期温水温度が低下する。この場合、上流に位置する領域容積の小さい第2放熱領域8の温度は、図6の太点線特性に示すように、急速に低下する。しかし、その下流に位置する領域容積の大きい第1放熱領域7の温度は、その容積に対して流入量が小さいため、図6の太点線特性に示すように、温度低下が緩やかとなる。
図7は実施例1の車両用温水床暖房装置に対し逆方向に温水を流した場合であって、走行によって十分にエンジン冷却水温が上昇した後、休憩等のために停車してエンジン3をアイドリング状態にした場合の2つの領域7,8の床面温度変化を示す温度変化特性図である。
実施例1の車両用温水床暖房装置に対し、図3に示すように、逆方向に温水を流した場合、上流の第1放熱領域7の温度低下は、図7の実線特性に示すように、その大きな容積によって初期温水の温度低下(図7の細点線特性)よりは遅れる。しかし、第1放熱領域7が第2放熱領域8の上流位置に配置されているため、順方向に流した場合よりも早い温度低下特性を示す。そして、第2放熱領域8も、第1放熱領域7の温度低下に準じて温度変化する。
すなわち、図7の温度特性に示すように、逆方向に流すと、第1放熱領域7と第2放熱領域8が共に中程度の温度低下特性を示す。しかし、図6の温度特性に示すように、順方向に流すと、第2放熱領域8の温度低下は速いものの、第1放熱領域7の温度低下が遅くなる。例えば、図6に示す時間taにて、第2放熱領域8の温度低下量をΔTとすると、第1放熱領域7の温度低下量は0.5ΔT以下となり、保温効果が著しく上昇することがわかる。
[乗員の床暖房体感作用]
第1放熱領域7の特性は、暖まりにくく冷えにくく温度変化が緩やかである。一方、第2放熱領域8の特性は、暖まりやすく冷えやすく温度変化が急である。また、乗員の足は、直接暖めるために温度変化に対する感度が高く、乗員のふくらはぎは、輻射で暖めるために温度変化に対する感度が低い。
そこで、2つの放熱領域7,8の特性と乗員の温度感度特性を考慮し、温度変化が緩やかな第1放熱領域7を、温度感度が高い乗員の足を置く位置(フロア水平部1a)に設定し、温度変化が急である第2放熱領域8を、乗員の温度感度が低いふくらはぎの位置(フロア傾斜面1b)に設定するという組み合わせを行った。
このように、第1放熱領域7と乗員の足の組み合わせ、第2放熱領域8と乗員のふくらはぎの組み合わせを行うことによって、2つの放熱領域7,8からの熱の影響を同時に受ける乗員は、エンジン3の始動時等にふくらはぎにより即暖を体感できるし、エンジン3のアイドル回転時やエンジン停止時等に足により保温を体感することができる。
一般に、人は2℃程度の温度変化があると温度が変化したことを体感できるが、2℃以下の温度変化があっても温度が変化したことをほとんど体感できない。したがって、第1放熱領域7の温度上昇は1℃以下でも、第2放熱領域8の温度上昇を2℃以上とすることによって、乗員は即暖を体感できる。また、第2放熱領域8の温度が2℃低下しても、第1放熱領域7の温度低下を1℃以下に抑えることで、乗員が温度低下を感じないで保温を体感できる。この結果、例えば、冬期でのエンジン始動時、車室内温度が上昇せずに低いままであってもエンジン始動の直後から足元からの暖かさを感じることができる。また、例えば、冬期でのエンジン停止後、エンジン停止から直ちに乗員が全身の冷え感を覚えることが抑制され、エンジン停止からしばらくの間は足元からの暖かさを感じることができる。
[走行状態の変化に対する温度変化作用]
図8はエンジン始動・登坂走行・アイドリング停車を含む実際の走行状況を模擬した場合に実施例1の車両用温水床暖房装置による即暖作用と保温作用を2つの領域7,8の温度変化により連続的に示した温度変化特性図である。
エンジン始動時には、エンジン3の直後に接続されている第2放熱領域8の温度が、図8の太点線特性に示すように、初期温水の温度上昇に準じて上昇するため、ふくらはぎが第2放熱領域8からの輻射熱で暖められ、即暖を体感することができる。
登坂走行時にも同様に、図8の太点線特性に示すように、第1放熱領域7の温度上昇勾配より高い勾配にて温度上昇するため、ふくらはぎが第2放熱領域8からの輻射熱で暖められ、即暖を体感することができる。
一方、アイドリング停車には、エンジン3の直後に接続されている第2放熱領域8の温度が、図8の太点線特性に示すように低下するものの、領域容積が大きい第1放熱領域7の温度低下が、図8の実線特性に示すように緩やかであるため、足を暖めた状態が第1放熱領域7により維持され、保温を体感することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両用温水床暖房装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) エンジン3の冷却水を利用した車両用温水床暖房装置において、放熱面に設定される温水流路の領域容積が異なる2つ以上の異なった第1放熱領域7と第2放熱領域8を備え、2つ以上の異なった第1放熱領域7と第2放熱領域8を水流的に直列に配列し、かつ、領域容積が大きい第1放熱領域7を、領域容積が小さい第2放熱領域8の下流位置に設けたため、エンジン冷却水温度が上昇したときの即暖効果とエンジン冷却水温度が低下したときの保温効果を併せて達成することができる。
(2) 前記下流の第1放熱領域7の領域容積は、前記上流の第2放熱領域8の領域容積に対し、2倍以上の領域容積比に設定したため、領域容積が大きい第1放熱領域7の温度変化量を、領域容積が小さい第2放熱領域8の温度変化量の1/2以下に抑えることができる。この結果、例えば、エンジン冷却水温が低下して領域容積が小さい第2放熱領域8にて人が温度変化を体感できるといわれる2℃の温度低下が生じても、領域容積が大きい第1放熱領域7での温度低下は1℃以下となり、温度低下を感じることがなく乗員全身の冷え感を抑制できる。
(3) 前記2つ以上の異なった放熱領域として、領域容積の大きい第1放熱領域7と、領域容積の小さい第2放熱領域8を設定し、前記第1放熱領域7は、足の裏を置くフロア水平部1aに設定し、前記第2放熱領域8は、ふくらはぎの後方又は大腿の下方に位置するシート下側のフロア傾斜面1bに設定したため、エンジン停止時等により温水温度が低下しても、領域容積が大きい第1放熱領域7に接する足裏で感じる冷え感を遅くできる。一方、エンジン始動時等により温水温度が上昇した場合、領域容積が小さい第2放熱領域8によってふくらはぎに即暖効果を与えることができる。これらの相乗効果によって、体感的に暖まり易く冷えにくい暖房装置を提供することが可能となる。
(4) 前記2つ以上の異なった放熱領域7,8は、蛇行する放熱管5,6により構成され、前記下流の第1放熱領域7における第1放熱管5の流水路断面積を、上流の第2放熱領域8における第2放熱管6の流水路断面積よりも大きく設定したため、2つ以上の放熱領域において、その領域容積の調整を、構成的に簡単な流水路断面積の変更によって行うことができる。
実施例2は、領域容積を増加させる構造として、同内径の共通放熱管に側路を設けるようにした例である。
まず、構成を説明する。
図9は実施例2の車両用温水床暖房装置を示す平面図である。
実施例2の車両用温水床暖房装置は、図9に示すように、エンジン3と、第1放熱領域7と、第2放熱領域8と、側路9と、共通放熱管10と、を備えている。
前記第1放熱領域7と第2放熱領域8は、エンジン3からの温水輸送管を兼用すると共に蛇行する同一内径の共通放熱管10により構成されている。そして、前記下流の第1放熱領域7における共通放熱管10のみに側路9を設けている。この構成によって、前記下流の第1放熱領域7における共通放熱管10と側路9の総流水路断面積を、上流の第2放熱領域8における共通放熱管10の流水路断面積よりも大きく設定している。
なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、図示並びに説明を省略する。また、作用については、実施例1と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例2の車両用温水床暖房装置にあっては、実施例1の(1)〜(3)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(5) 前記2つ以上の異なった放熱領域7,8は、エンジン3からの温水輸送管を兼用すると共に蛇行する同一内径の共通放熱管10により構成され、前記下流の第1放熱領域における共通放熱管10に側路9を設け、前記下流の第1放熱領域7における共通放熱管10と側路9の総流水路断面積を、上流の第2放熱領域8における共通放熱管10の流水路断面積よりも大きく設定したため、管径等、管路断面積が一定の共通放熱管10により構成することができ、レイアウト設計の容易性を得ることができる。
以上、本発明の車両用温水床暖房装置を実施例1及び実施例2に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1,2では、領域容積が大きい第1放熱領域と、領域容積が小さい第2放熱領域の2つの領域容積が異なる放熱領域を備えた例を示した。しかし、領域容積が異なる放熱領域として、3以上の領域を備えたものであっても良い。この場合も、領域容積が最も小さい領域を最上流側に配置し、領域容積が大きくなる順に下流側に配置し、直列にて接続する。
実施例1では、フロア1の下に伝熱体11を設定する例を示した。しかし、伝熱体11を設定する部分のフロア1を切り欠き部または凹部とし、直接、伝熱体11を表面に突出させても良く、その場合、伝熱体11の上、または、フロア1の上にカーペットを設定しても良い。例えば、図10に示すように、第1放熱管5の下側に熱の逃げを防ぐフロア凹部1aを設定し、第1放熱管5の上側に伝熱体11を接触状態で設定し、さらに、伝熱体11の上側にカーペット12を設定する。この場合、第1放熱管5からの熱の逃げを防止しながら、乗員の足裏に対し第1放熱管5からの熱を効果的に伝えることができる。
実施例1では、異径の放熱管により領域容積を異ならせる例を示し、実施例2では、同径の放熱管で側路を設けることで領域容積を異ならせる例を示した。しかし、例えば、同径の放熱管による蛇行密度を粗密にして領域容積を異ならせる例としても良い。また、放熱管として熱伝導特性が異なる管素材を用いることで領域容積を異ならせる例としても良い。さらに、これらの組み合わせにより領域容積を異ならせる例としても良い。
実施例1,2では、放熱面に設定される温水流路の領域容積が異なる例を示した。しかし、放熱面に設定される温水貯蔵容器の領域容積が異なる例としても良い。この温水貯蔵容器の場合、容器の大きさ設定や容器に付設した放熱フィン等の設定により、領域容積を異ならせるようにする。
実施例1,2では、車載熱源の冷却水として、エンジン冷却水を利用する例を示した。しかし、車載熱源の冷却水であれば、例えば、下記に例示するような冷却水を利用しても良い。また、エンジン冷却水を含めて複数の冷却水から状況に応じて冷却水を選択するようにしても良い。
・トランスミッション(車載熱源)の冷却水であるトランスミッション冷却水
・走行用モータ(車載熱源)の冷却水であるモータ冷却水
・走行用バッテリ(車載熱源)の冷却水であるバッテリ冷却水
・インバータ(車載熱源)の冷却水であるインバータ冷却水
要するに、放熱面に設定される温水流路又は温水貯蔵容器の領域容積が異なる2つ以上の異なった放熱領域を備え、2つ以上の異なった放熱領域を水流的に直列に配列し、かつ、領域容積が大きい放熱領域を、領域容積が小さい放熱領域の下流位置に設けたものであれば、具体的な構成は実施例1,2に限られることはない。
実施例1,2では、エンジン車への適用例を示したが、信号待ち等でエンジンを停止するアイドルストップ車や電気自動車走行モードでエンジンを停止するハイブリッド車等の温水床暖房装置としても勿論適用することができる。ちなみに、アイドルストップ車やハイブリッド車等のようにエンジン冷却水の温度変化の頻度が高い車両に適用する場合、エアコンユニットによる車室内暖房性能をエンジン停止時等に補完する補完暖房性能を得ることができる。要するに、車載熱源の冷却水を利用した車両用温水床暖房装置であれば適用することができる。
実施例1の車両用温水床暖房装置を示す側面図である。 実施例1の車両用温水床暖房装置を示す平面図である。 実施例1の車両用温水床暖房装置において第1放熱領域7と第2放熱領域8に対して図2とは逆方向に温水を流した例を示す平面図である。 実施例1の車両用温水床暖房装置に対し順方向に温水を流した場合、エンジン始動時からの時間経過に対する2つの領域7,8の床面温度変化を示す温度変化特性図である。 実施例1の車両用温水床暖房装置に対し逆方向に温水を流した場合、エンジン始動時からの時間経過に対する2つの領域7,8の床面温度変化を示す温度変化特性図である。 実施例1の車両用温水床暖房装置に対し順方向に温水を流した場合であって、走行によって十分にエンジン冷却水温が上昇した後、休憩等のために停車してエンジン3をアイドリング状態にした場合の2つの領域7,8の床面温度変化を示す温度変化特性図である。 実施例1の車両用温水床暖房装置に対し逆方向に温水を流した場合であって、走行によって十分にエンジン冷却水温が上昇した後、休憩等のために停車してエンジン3をアイドリング状態にした場合の2つの領域7,8の床面温度変化を示す温度変化特性図である。 エンジン始動・登坂走行・アイドリング停車を含む実際の走行状況を模擬した場合に実施例1の車両用温水床暖房装置による即暖作用と保温作用を2つの領域7,8の温度変化により連続的に示した温度変化特性図である。 実施例2の車両用温水床暖房装置を示す平面図である。 本発明の車両用温水床暖房装置においてフロアの上に電熱体と放熱管を設定する場合の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 フロア
2 シートクッション
3 エンジン(車載熱源)
4 温水輸送管
5 第1放熱管(領域容積が大きい放熱管)
6 第2放熱管(領域容積が小さい放熱管)
7 第1放熱領域(領域容積が大きい放熱領域)
8 第2放熱領域(領域容積が小さい放熱領域)
9 側路
10 共通放熱管
11 伝熱体
12 カーペット

Claims (4)

  1. 車載熱源の冷却水を利用した車両用温水床暖房装置において、
    放熱面に設定される温水流路又は温水貯蔵容器の領域容積が異なる2つ以上の異なった放熱領域を備え、2つ以上の異なった放熱領域を水流的に直列に配列し、かつ、領域容積が大きい第1放熱領域を、領域容積が小さい第2放熱領域の下流位置に設けると共に、
    前記第1放熱領域は、足の裏を置くフロア水平部に設定し、
    前記第2放熱領域は、ふくらはぎの後方又は大腿の下方に位置するシート下側のフロア鉛直面あるいはフロア傾斜面に設定したことを特徴とする車両用温水床暖房装置。
  2. 請求項1に記載された車両用温水床暖房装置において、
    前記下流の第1放熱領域の領域容積は、前記上流の第2放熱領域の領域容積に対し、2倍以上の領域容積比に設定したことを特徴とする車両用温水床暖房装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載された車両用温水床暖房装置において、
    前記2つ以上の異なった放熱領域は、蛇行する放熱管により構成され、
    前記下流の第1放熱領域における放熱管の流水路断面積を、上流の第2放熱領域における放熱管の流水路断面積よりも大きく設定したことを特徴とする車両用温水床暖房装置。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載された車両用温水床暖房装置において、
    前記2つ以上の異なった放熱領域は、車載熱源からの温水輸送管を兼用すると共に蛇行する同一内径の共通放熱管により構成され、
    前記下流の第1放熱領域における共通放熱管に側路を設け、
    前記下流の第1放熱領域における共通放熱管と側路の総流水路断面積を、上流の第2放熱領域における共通放熱管の流水路断面積よりも大きく設定したことを特徴とする車両用温水床暖房装置。
JP2007294384A 2007-11-13 2007-11-13 車両用温水床暖房装置 Expired - Fee Related JP4985339B2 (ja)

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