JP2012140050A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2012140050A
JP2012140050A JP2010292600A JP2010292600A JP2012140050A JP 2012140050 A JP2012140050 A JP 2012140050A JP 2010292600 A JP2010292600 A JP 2010292600A JP 2010292600 A JP2010292600 A JP 2010292600A JP 2012140050 A JP2012140050 A JP 2012140050A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
cooling water
heating
heat exchanger
blown
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010292600A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5609635B2 (ja
Inventor
Koji Ota
浩司 太田
Michio Nishikawa
道夫 西川
Shinji Kakehashi
伸治 梯
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2010292600A priority Critical patent/JP5609635B2/ja
Publication of JP2012140050A publication Critical patent/JP2012140050A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5609635B2 publication Critical patent/JP5609635B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】加熱用熱交換器通過後の空調風に一方側が高く、他方側が低いという温度分布を有効利用できる車両用空調装置を提供する。
【解決手段】空調ケース51に収容される加熱用熱交換器2を備え、加熱用熱交換器2が、エンジン冷却水と送風空気とを熱交換させる第1ヒータコア10と、第1ヒータコア10に流入するエンジン冷却水よりも高温かつ小流量の冷却水と第1ヒータコア10で加熱された送風空気とを熱交換させる第2ヒータコア20と有し、第2ヒータコア20の内部を冷却水が上側から下側へ流れる場合において、加熱用熱交換器2を通過中の送風空気の風速分布が、上側の風速が高く、下側の風速が低い風速分布であるとともに、加熱用熱交換器2のうち下側の領域を通過後の送風空気をフット吹出口から吹き出し、加熱用熱交換器2のうち上側の領域を通過後の送風空気をフット吹出口以外の吹出口から吹き出す構成とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、車室内への送風空気を加熱する加熱用熱交換器を備える車両用空調装置に関するものである。
このような車両用空調装置として、特許文献1、2に記載のものがある。
特許文献1に記載のものでは、エンジン内部の冷却水流路として、シリンダヘッドを冷却するシリンダヘッド側流路とシリンダブロックを冷却するシリンダブロック側流路とがあり、シリンダヘッド側流路を通過した冷却水が1つの加熱用熱交換器に流入する構成となっている。
また、特許文献2に記載のものでは、空気を加熱するための加熱用熱交換器を2つ備え、エンジンに設けられた1つの冷却水出口から流出の冷却水を分流させて、それぞれの加熱用熱交換器に流入させている。
米国特許第5337704号明細書 欧州特許出願公開第1008471号明細書
ところで、近年では、車両に搭載されるエンジンに対して、要求される出力を確保しつつ、従来よりも小型化させたいという要望がある。これを実現するために、圧縮比を上げたり、過給機付きエンジンでは過給圧を上げたりすると、ノッキングが生じる恐れがあるので、耐ノッキング性能を向上させる必要がある。そこで、耐ノッキング性能を向上させるために、シリンダヘッドを積極的に冷却することが考えられる。
ただし、シリンダブロックについてはエンジン内部のフリクション増加を抑制するために、所定温度以上に維持する必要がある。このため、エンジン内部の冷却水流路として、シリンダヘッド側流路と、シリンダブロック側流路とを設け、シリンダヘッド側流路の冷却水流量をシリンダブロック側流路の冷却水流量よりも多くすることが考えられる。
しかし、この場合、シリンダヘッドを冷却した後の冷却水温度が暖房に必要な最小温度よりも低くなり、特許文献1に記載の技術のように、シリンダヘッドを冷却した冷却水のみを熱源として車室内への送風空気を加熱すると、空気温度を十分に高くできないという問題が生じる。ちなみに、従来では、シリンダヘッドを冷却した後の冷却水温度は、80〜90℃程度であり、暖房に必要な最小温度を超えていたので、このような問題は生じなかった。
そこで、加熱用熱交換器として、シリンダヘッドを冷却した冷却水と送風空気とを熱交換させる第1熱交換部と、シリンダブロックを冷却した冷却水と第1熱交換部で加熱された送風空気とを熱交換させる第2熱交換部とを備える構成とすることが考えられる。
これによれば、第1熱交換部において、シリンダブロックを冷却した冷却水を熱源として、送風空気を加熱した後、第2熱交換部において、シリンダヘッド冷却後の冷却水よりも高温であるシリンダブロック冷却後の冷却水を熱源として、第1熱交換部で加熱された送風空気をさらに加熱するので、加熱用熱交換器通過後の空気温度を十分に高くすることができる。
しかし、この場合、シリンダブロック側流路の冷却水流量は、シリンダヘッド側流路の冷却水流量よりも少ないので、第2熱交換部に流入する冷却水は第1熱交換部に流入する冷却水よりも小流量となる。
このため、第2熱交換部の内部において、冷却水が第2熱交換部の一方側から他方側へ流れるとき、一方側の冷却水温度が高く、他方側の冷却水温度が低くなるため、第2熱交換部通過後の空調風に、一方側が高く、他方側が低いという温度分布が生じる。この結果、加熱用熱交換器通過後の空調風に一方側が高く、他方側が低いという温度分布が生じる。ちなみに、第2熱交換部に流入する冷却水流量が大流量であれば、一方側の冷却水温度と他方側の冷却水温度との差が小さいため、第2熱交換部通過後の空調風に生じる温度分布は小さい。
本発明は上記点に鑑みて、加熱用熱交換器通過後の空調風に一方側が高く、他方側が低いという温度分布を有効利用できる車両用空調装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
車室内へ向かう送風空気の空気流路を形成する空調ケース(51)と、
空調ケース(51)に収容され、第1液体と第1液体よりも高温かつ小流量の第2液体とを熱源として、送風空気を加熱する加熱用熱交換器(2)とを備え、
加熱用熱交換器(2)は、第1液体と送風空気とを熱交換させる第1熱交換部(10)と、第2液体と第1熱交換部(10)で加熱された送風空気とを熱交換させる第2熱交換部(20)と有し、
第2熱交換部(20)は、その内部を第2液体が第2熱交換部(20)の一方側から他方側へ流れるようになっており、
加熱用熱交換器(2)を通過中の送風空気の風速分布が、他方側の風速が高く、一方側の風速が低い風速分布であるとともに、加熱用熱交換器(2)のうち一方側の領域を通過後の送風空気をフット吹出口から吹き出し、加熱用熱交換器(2)のうち他方側の領域を通過後の送風空気をフット吹出口以外の吹出口から吹き出す構成となっていることを特徴としている。
本発明では、第2熱交換部の内部を、小流量の第2液体が第2熱交換部の一方側から他方側へ流れるので、第2熱交換部のうち一方側の領域を通過後の送風空気の温度が高く、他方側の領域を通過後の送風空気の温度が低くなる。
そして、本発明によれば、一方側の領域を通過後の送風空気を、高い吹出空気温度が必要なフット吹出口から吹き出し、他方側の領域を通過後の温度の低い送風空気を、高い吹出空気温度を必要としないフット吹出口以外の吹出口から吹き出すようにするので、加熱用熱交換器通過後の空調風に生じる温度分布を有効利用できる。
さらに、本発明では、加熱用熱交換器の一方側を通過中の送風空気の方が他方側を通過中の送風空気よりも風速が低くなる構成を採用している。
ここで、一般的に、熱交換部を通過する送風空気の風速が低いほど、熱交換部での温度効率が高くなるので、熱交換部を通過した送風空気の温度(出口空気温度)が高くなる。
このため、本発明によれば、加熱用熱交換器を通過中の送風空気の風速が均一である場合と比較して、加熱用熱交換器の一方側の領域を通過後の送風空気の温度を上昇させて、フット吹出口からの吹出空気温度を上昇させることができ、乗員足元の温感を向上させることができる。また、本発明によれば、暖房に投入する熱量を増加させなくても、フット吹出口からの吹出空気温度を上昇させることが可能となる。
請求項1に記載の発明における加熱用熱交換器を通過中の送風空気の風速分布が、他方側の風速が高く、一方側の風速が低い風速分布である構成としては、具体的には、請求項2〜5に記載の発明を採用することができる。
請求項2に記載の発明では、空調ケース(51)は、加熱用熱交換器(2)のうち一方側の領域に流入する送風空気の空気流路として、途中で広がって流路断面積が増大する空気流路(52)を形成していることを特徴としている。
請求項3に記載の発明では、空調ケース(51)は、加熱用熱交換器(2)のうち他方側の領域に流入する送風空気の空気流路として、途中で狭まって流路断面積が減少する空気流路(53)を形成していることを特徴としている。
請求項4に記載の発明では、伝熱フィン(14、24)は、加熱用熱交換器(2)のうち一方側の領域でのフィンピッチ(fp1)が小さく、他方側の領域でのフィンピッチ(fp2)が大きくなっていることを特徴としている。
これによれば、加熱用熱交換器の他方側の領域では、フィンが疎の状態で存在するため、通風抵抗が小さく、加熱用熱交換器の一方側の領域では、フィンが密の状態で存在するため、通風抵抗が大きい。したがって、本発明によれば、加熱用熱交換器を通過中の送風空気の風速分布を、上側では風速が高く、下側では風速が低い風速分布とすることができる。
請求項5に記載の発明では、空調ケース(51)は、加熱用熱交換器(2)の空気流れ下流側の空気流路を、一方側に位置する一方側の空気流路(56)と他方側に位置する他方側の空気流路(57)とに仕切る下流側仕切壁(58)が設けられており、一方側の空気流路(56)に、空気流れを阻害する阻害部材(72)が設けられていることを特徴としている。
これによれば、阻害部材が通風抵抗となるので、加熱用熱交換器のうち一方側の領域を通過中の送風空気の風速が低くなる。したがって、本発明によれば、加熱用熱交換器を通過中の送風空気の風速分布を、上側では風速が高く、下側では風速が低い風速分布とすることができる。
また、請求項6に記載の発明では、請求項1〜5に記載の発明において、吹出口モードが、フット吹出口とフェイス吹出口の両方から空調風を吹き出すバイレベルモードのとき、フット吹出口以外の吹出口はフェイス吹出口であることを特徴としている。
これによると、バイレベルモードの場合、フット吹出口からの吹出空気温度とフェイス吹出口からの吹出空気温度との差が大きいので、乗員の快適性が向上する。
また、請求項7に記載の発明では、請求項1〜6に記載の発明において、第2熱交換部(20)は、入口側タンク部(22)が下側に位置し、出口側タンク部(23)が上側に位置するように、空調ケース(51)内に保持されており、入口側タンク部(22)の液体入口(20a)が、入口側タンク部(22)の車両左右方向での運転席側に配置されていることを特徴としている。
ここで、第2熱交換部に流入する第2液体は、第1熱交換部に流入する第1液体よりも小流量である。この場合、さらに、第2液体の流速が第1液体よりも低いとき、入口側タンク部が下側に位置すると、入口側タンク部に流入した第2液体の多くが、液体入口に近いチューブを流れることとなる。
よって、本発明によれば、液体入口を入口側タンク部の運転席側に配置しているので、乗車頻度の高い運転席側の吹出空気温度を、助手席側の吹出空気温度よりも上昇させることができる。
また、請求項8に記載の発明では、請求項1〜7に記載の発明において、エアミックスドアがバイパス空気通路を閉じる位置とされる最大暖房時に、加熱用熱交換器(2)を通過中の送風空気の風速分布が、他方側の風速が高く、一方側の風速が低い風速分布である構成となっていることを特徴としている。このように、高い吹出空気温度が必要な最大暖房時に、このような風速分布が形成されていることが好ましい。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
第1実施形態における車両用空調装置の概略構成図である。 空調ケースに保持された状態の図1中の加熱用熱交換器の側面図である。 図1中の加熱用熱交換器の正面図である。 第1実施形態における加熱用熱交換器の出口空気温度の分布を示す図である。 比較例1における加熱用熱交換器の出口空気温度の分布を示す図である。 第1実施形態の第2ヒータコアにおける入口空気と冷却水の温度分布を示す図である。 比較例2の第2ヒータコアにおける入口空気と冷却水の温度分布を示す図である。 第2実施形態における空調ケースに保持された状態の加熱用熱交換器の側面図である。 第3実施形態における空調ケースに保持された状態の加熱用熱交換器の側面図である。 第4実施形態における加熱用熱交換器の正面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1に本実施形態における車両用空調装置の概略構成を示す。本実施形態の車両用空調装置は、エンジン(内燃機関)および走行用電動モータから車両走行用の駆動力を得るハイブリッド車に搭載されるものである。
本実施形態の車両用空調装置1は、エンジン30の冷却水と車室内への送風空気とを熱交換させることにより、車室内への送風空気を加熱する加熱用熱交換器2を備えている。なお、冷却水は水もしくは添加成分を含む水である。
加熱用熱交換器2は、第1ヒータコア10と第2ヒータコア20とを有し、両者が一体化したものである。第1ヒータコア10、第2ヒータコア20が、それぞれ、本発明における加熱用熱交換器の第1熱交換部、第2熱交換部に相当する。
第1ヒータコア10はエンジン30のシリンダヘッド31を冷却した冷却水が流入し、第2ヒータコア20はエンジン30のシリンダブロック32を冷却した冷却水が流入するようになっている。また、第1ヒータコア10は、空気流れ上流側に位置し、第2ヒータコア20は、空気流れ下流側に位置している。
ここで、エンジン30において、シリンダブロック32は、ピストンが往復運動するシリンダボア(円柱状の穴)を構成するブロック体である。シリンダヘッド31は、シリンダボアの上死点側の開口部を閉塞して燃焼室を構成するブロック体である。
エンジン30のシリンダヘッド31側に第1冷却水入口31aと第1出口部としての第1冷却水出口31bとが設けられ、シリンダヘッド31の内部には、シリンダヘッド31を冷却する冷却水が流れるシリンダヘッド側の冷却水流路が形成されている。第1冷却水入口31aから流入した冷却水は、シリンダヘッド31の内部を流れた後、第1冷却水出口31bから流出する。
同様に、エンジン30のシリンダブロック32側に第2冷却水入口32aと第2出口部としての第2冷却水出口32bとが設けられ、シリンダブロック32の内部には、シリンダブロック32を冷却する冷却水が流れるシリンダブロック側の冷却水流路が形成されている。第2冷却水入口32aから流入した冷却水は、シリンダブロック32の内部を流れた後、第2冷却水出口32bから流出する。このように、本実施形態では、シリンダブロック32を冷却した冷却水は、シリンダヘッド31を冷却した冷却水と合流することなく、第2冷却水出口32bから流出する。
このように、本実施形態のエンジン30は2つの冷却系統を有しており、エンジン30の定常運転時に、シリンダヘッド側の冷却水流路の冷却水流量を、シリンダブロック側の冷却水流路の冷却水流量よりも多くして、シリンダブロック32よりもシリンダヘッド31を積極的に冷却するようになっている。これは、シリンダヘッド31を低温度にすることで、耐ノッキング性能を向上させるとともに、シリンダブロック32を高温度に維持することで、エンジンオイルの粘度低下を抑制して、エンジン内部のフリクション増加を抑制するためである。
そして、加熱用熱交換器2において、第1ヒータコア10の冷却水入口10aは、エンジン30のシリンダヘッド31側の第1冷却水出口31bに配管を介して連結されており、第1冷却水出口31bから流出の冷却水が第1ヒータコア10に流入する。一方、第2ヒータコア20の冷却水入口20aは、エンジン30のシリンダブロック32側の第2冷却水出口32bに配管を介して連結されており、この第2冷却水出口32bから流出の冷却水が第2ヒータコア20に流入する。
したがって、本実施形態では、第1ヒータコア10に低温かつ大流量の冷却水が流入し、第2ヒータコア20に高温かつ小流量の冷却水が流入する。具体的には、第1ヒータコア10に流入する冷却水の温度および流量は、30〜60℃、5〜15L/minの範囲であり、第2ヒータコア20に流入する冷却水の温度および流量は、40〜90℃、0.2〜2L/minの範囲である。
第1ヒータコア10および第2ヒータコア20は、後述の通り、それぞれ、独立した熱交換コア部を有している。このため、第1ヒータコア10に流入した冷却水は、第2ヒータコア20に流入した冷却水と混ざることなく、第1ヒータコア10の熱交換コア部で空気と熱交換する。同様に、第2ヒータコア20に流入した冷却水は、第1ヒータコア10に流入した冷却水と混ざることなく、第2ヒータコア20の熱交換コア部で空気と熱交換する。そして、各熱交換コア部を通過した冷却水は、合流した後、加熱用熱交換器2に設けられた共通の冷却水出口2bから流出するようになっている。
加熱用熱交換器2の冷却水出口2bから流出の冷却水は、分岐部41で分岐して、エンジン30の第1冷却水入口31aと第2冷却水出口32aのそれぞれに流入する。
また、図1に示すように、ウォータポンプ42が、加熱用熱交換器2の冷却水出口2bと分岐部41との間の冷却水流路途中に配置されている。ウォータポンプ42は、冷却水流れを形成するとともに、冷却水流量を調整する調整手段である。ウォータポンプ42は、電動式ポンプであり、図示しない制御装置によって回転数が制御されることで、冷却水流量を制御する。
なお、エンジン30は、図示しないラジエータと連通しており、シリンダヘッド31から流出の冷却水がラジエータで放熱し、放熱後の冷却水がシリンダヘッド32に流入でき、シリンダブロック32から流出の冷却水がラジエータで放熱し、放熱後の冷却水がシリンダブロック32に流入できるようになっている。
次に、加熱用熱交換器2およびこれを収容する空調ケース51について詳細に説明する。図2に空調ケース51に保持された状態の加熱用熱交換器2の側面図を示し、図3に加熱用熱交換器2の正面図を示す。
加熱用熱交換器2は、車室内に向かう送風空気を形成する図示しない送風機とともに送風空気の空気流路を形成する空調ケース51に収容されている。具体的には、図2に示すように、加熱用熱交換器2は、空気流出入面が鉛直方向に平行な状態であって、第2ヒータコア20が第1ヒータコア10よりも空気流れ下流側に位置するように、空調ケース51に保持されている。
また、図2、3に示すように、第1、第2ヒータコア10、20は、ともに、積層された複数本の扁平状のチューブ11、21と、複数本のチューブ11、21の長手方向一端側に連通し、冷却水入口側となる入口側タンク部12、22と、複数本のチューブ11、21の長手方向他端側に連通し、冷却水出口側となる出口側タンク部13、23とを備えている。
第1、第2ヒータコア10、20の入口側タンク部12、22は、1つの入口側タンク61の内部を仕切り壁62によって2つに仕切ることで構成されており、それぞれに、冷却水入口10a、20aが設けられている。冷却水入口10a、20aは、どちらも、入口側タンク部12、22のうち、車両左右方向(図3の左右方向)での一端側である運転席側に配置されている。
第1、第2ヒータコア10、20の出口側タンク部13、23は、1つの出口側タンク63で共通化されている。この出口側タンク63には1つの冷却水出口2bが設けられている。このため、出口側タンク63の内部で、第1ヒータコア10に流入した冷却水と、第2ヒータコア20に流入した冷却水とが合流し、合流した冷却水が1つの冷却水出口2bから流出する。なお、冷却水出口2bは、冷却水入口10a、20aと同じ車両左右方向での一端側に配置されている。
このように、本実施形態では、第1、第2ヒータコア10、20の出口側タンク部を共通化して、加熱用熱交換器2の冷却水出口2bを1つにしているが、第1、第2ヒータコア10、20のそれぞれに出口側タンク部および冷却水出口を設けても良い。ただし、加熱用熱交換2とエンジン30との間に接続する配管を少なくしたり、後述するウォータポンプの数を少なくしたりするという観点では、本実施形態の方が好ましい。
第1、第2ヒータコア10、20の入口側タンク部12、22は、下側に位置しており、第1、第2ヒータコア10、20の出口側タンク部13、23は、上側に位置している。このため、第1ヒータコア10と第2ヒータコア20は、どちらも、下から上に向かって冷却水が流れる。
第1、第2ヒータコア10、20の両方において、複数のチューブ11、21は、一方向である上下方向に延びており、その一方向に垂直な方向である車両左右方向に一列に並ぶように積層されている。入口側タンク部12、22と出口側タンク部13、23は、チューブ11、21の積層方向に細長く延びる形状になっている。したがって、車両左右方向は、チューブ11、21の積層方向、入口側タンク部12、22の長手方向に相当する。
また、図3に示すように、第1、第2ヒータコア10、20は、チューブ11、21の外表面に接合されたコルゲート状の伝熱フィン14、24を備えている。第1、第2ヒータコア10、20では、それぞれ、チューブ11、21と伝熱フィン14、24との積層構造により全パスタイプ、すなわち、一方向流れタイプの第1、第2熱交換コア部15、25が構成されている。
図3に示すように、第1ヒータコア10と第2ヒータコア20とは、空気流れ方向で見たときの左右上下方向の大きさが同等である。これにより、第1ヒータコア10通過後の空気の全てが第2ヒータコア20を通過するようになっている。
また、図2に示すように、第1ヒータコア10と第2ヒータコア20とは、空気流れ方向での厚さが異なっている。具体的には、チューブ11、21と伝熱フィン14、24の空気流れ方向での幅を比較すると、第2ヒータコア20よりも第1ヒータコア10の方が長くなっている。このため、空気と冷却水との熱交換面積は、第2ヒータコア20よりも第1ヒータコア10の方が大きくなっている。
また、第1ヒータコア10のチューブ11の流路断面積が、第2ヒータコア20のチューブ21の流路断面積よりも大きくなっており、第1ヒータコア10内の流水抵抗が第2ヒータコア20内の流水抵抗よりも低くなっている。このため、第2ヒータコア20よりも第1ヒータコア10の方が、内部を流れる冷却水流量が多くなる。
空調ケース51において、図2に示すように、加熱用熱交換器2が配置されている空気流路に、加熱用熱交換器2の空気流れ上流側に、空気流路を下側の空気流路52と上側の空気流路53とに仕切る上流側仕切壁54および板状のドア55が設けられている。
ドア55は、上流側仕切壁54と加熱用熱交換器2との間に位置し、下側の空気流路52と上側の空気流路53の流路幅を変更する流路幅変更手段である。具体的には、このドア55は、下側の空気流路52を途中で広がらせるとともに、上側の空気流路53を途中で狭める位置と、下側の空気流路52、上側の空気流路53それぞれの流路幅を空気流れ方向で一定とする位置とを切り替えるものである。
ドア55の位置が、下側の空気流路52を途中で広げるとともに、上側の空気流路53を途中で狭める位置のとき、加熱用熱交換器2の直前における下側の空気流路52の流路断面積A11は、ドア55よりも上流側での流路断面積A10よりも大きくなり、加熱用熱交換器2の直前における上側の空気流路53の流路断面積A21は、ドア55よりも上流側での流路断面積A20よりも小さくなる。
このため、下側の空気流路52の空気流量Q1と上側の空気流路53の空気流量Q2とが同じであり、風量がともにV0で同じ場合、下側の空気流路52では風速がV0からV1に減少し、上側の空気流路53では風速がV0からV2に増大する。この結果、加熱用熱交換器2を通過中の送風空気の風速分布が、上側では風速が高く、下側では風速が低い風速分布となる。
なお、下側の空気流路52の空気流量Q1と上側の空気流路53の空気流量Q2とが異なる場合であっても、下側の空気流路52と上側の空気流路53とにおける空気流量Q1、Q2および加熱用熱交換器2の直前の空気流路断面積A21、A22の関係が、Q1/A11<Q2/A21となっていれば良い。これにより、加熱用熱交換器2を通過中の送風空気の風速分布が、上側では風速が高く、下側では風速が低い風速分布となる。
また、加熱用熱交換器2の空気流れ下流側には、空気流路を下側の空気流路56と上側の空気流路57とに仕切る下流側仕切壁58が設けられている。下側の空気流路56は、フット(FOOT)吹出口に連なっており、加熱用熱交換器2の下側領域を通過した送風空気が流れるようになっている。上側の空気流路57は、デフロスタ(DEF)吹出口およびフェイス(FACE)吹出口に連なっており、加熱用熱交換器2の上側領域を通過した送風空気が流れるようになっている。
空調ケース51には、図示されていないが、加熱用熱交換器2を迂回して送風空気が流れるバイパス空気通路と、バイパス空気通路からの送風空気と加熱用熱交換器2の空気流れ下流側の上側の空気流路57からの送風空気との混合割合を調整するエアミックスドアとが設けられている。
次に、本実施形態の車両用空調装置1の作動を説明する。
車両用空調装置1の図示しない制御装置は、暖房時に、目標吹出空気温度TAOに応じた送風量となるように送風機を制御し、所望の位置となるようにエアミックスドアを制御する。目標吹出空気温度TAOは、設定温度、環境条件によって定まる空調熱負荷に応じて算出されるもので、吹出口から車室内へ吹き出す空気の目標温度である。
これにより、第1ヒータコア10では、シリンダヘッド31冷却後の冷却水との熱交換によって送風空気を加熱する。シリンダヘッド31冷却後の冷却水は、シリンダヘッド31を積極的に冷却しているため、暖房に必要な最小温度よりも低温ではあるが、シリンダブロック32冷却後の冷却水よりも大流量であり、熱量を多く有している。そこで、本実施形態では、シリンダヘッド31冷却後の冷却水の熱量をできるだけ多く取り出すために、第2ヒータコア20と比較して、第1ヒータコア10内部の冷却水流量を多くし、空気と冷却水との熱交換面積を大きくしている。このため、第1ヒータコア10では、シリンダヘッド31冷却後の大流量の冷却水から多くの熱量を送風空気に供給できる。この結果、第1ヒータコア10通過後の空気の温度は、第1ヒータコア10に流入する前の冷却水温度(第1ヒータコアの入口水温)に近い温度となる。
そして、第2ヒータコア20では、シリンダブロック32冷却後の冷却水との熱交換によって、第1ヒータコア10通過後の送風空気を加熱する。シリンダブロック32冷却後の冷却水は、シリンダヘッド31冷却後の冷却水よりも高温なので、第2ヒータコア20通過後の送風空気の温度を、第1ヒータコア10通過後の送風空気よりもさらに高い温度まで上昇させることができる。
ところで、本実施形態とは異なり、特許文献1に記載の技術のように、シリンダヘッド31を冷却した冷却水のみを熱源として空気を加熱したのでは、空気温度を十分に高くできず、暖房が成立しない。また、エンジンから流出のシリンダヘッド31冷却後の冷却水とシリンダブロック32冷却後の冷却水とを全て混合してしまう場合、混合後の冷却水温度が暖房に必要な最小温度よりも低くなる。このため、冷却水から空気へのエネルギ伝達効率が低くなるので、混合後の冷却水を熱源として空気を加熱しても、空気温度を十分に高くできず、暖房が成立しない。
これに対して、本実施形態では、エンジン30に第1冷却水出口31bと第2冷却水出口32bとを設け、第1冷却水出口31bからシリンダヘッド31冷却後の低温側冷却水を流出させ、第2冷却水出口32bからシリンダブロック32冷却後の高温側の冷却水を流出させている。そして、両方の冷却水を混合させることなく、第1冷却水出口31bから流出の低温側冷却水を第1ヒータコア10に流入させ、第2冷却水出口32bから流出の高温側冷却水を第2ヒータコア20に流入させている。
このように、本実施形態では、第2ヒータコア20で、第2冷却水出口32bから流出の高温側の冷却水を熱源として車室内への送風空気を加熱するので、第1冷却水出口31bから流出の低温側の冷却水のみを熱源とする場合や、低温側冷却水と高温側冷却水とを混合した混合水を熱源とする場合と比較して、第2ヒータコア20で加熱後の空気温度を高くすることができる。
また、本実施形態では、第1ヒータコア10で低温側の冷却水を熱源として送風空気を加熱した後、この加熱後の空気を第2ヒータコア20で高温側の冷却水を熱源として加熱するので、低温側の冷却水と高温側の冷却水との両方の熱量を有効に利用できる。
すなわち、本実施形態によれば、第1、第2冷却水出口部31b、32bの両方から流出の冷却水全体を混合したものを熱源として、1つのヒータコアで車室内への送風空気を加熱する場合と比較して、ヒータコアでの冷却水全体における冷却水から空気へのエネルギ伝達効率を高めることができる。この結果、送風機の送風量が多い場合であっても、空気を十分に高い温度まで上昇させることができ、暖房を成立させることができる。
さらに、本実施形態では、目標吹出空気温度TAOが最大となる最大暖房(MAX HOT)時に、図2に示すように、加熱用熱交換器2の上流側のドア55の位置が、下側の空気流路52を途中で広げるとともに、上側の空気流路53を途中で狭める位置とされる。なお、最大暖房時では、エアミックスドアはバイパス空気通路を閉じる位置とされ、吹出口モードとしてフットモードが選択される。
これにより、加熱用熱交換器2を通過中の送風空気の風速分布が、上側では風速が高く、下側では風速が低い風速分布となる。そして、加熱用熱交換器2の下側領域を通過した送風空気がフット吹出口から吹き出され、加熱用熱交換器2の上側領域を通過した送風空気がデフロスタ吹出口から吹き出される。
次に、本実施形態の主な特徴について説明する。
(1)図4に本実施形態における加熱用熱交換器2の出口空気温度の分布を示し、図5に比較例1における加熱用熱交換器2の出口空気温度の分布を示す。比較例1は、本実施形態に対して図2中の上流側仕切壁54、ドア55を省略し、加熱用熱交換器2を通過中の送風空気の風速を均一としたものである。
図5に示すように、比較例1においても、第2ヒータコア20の内部を、小流量の冷却水が第2ヒータコア20の下側から上側へ流れるので、第2ヒータコア20のうち下側の領域を通過後の送風空気の温度が高く、上側の領域を通過後の送風空気の温度が低くなる。
これに対して、図4に示すように、本実施形態では、比較例1と比較して、第2ヒータコア20のうち下側の領域を通過後の送風空気の温度がより高く、上側の領域を通過後の送風空気の温度がより低くなっている。
これは、本実施形態では、加熱用熱交換器2を通過中の送風空気の風速分布が、上側では風速が高く、下側では風速が低い風速分布となっており、第2ヒータコア20の下側領域での温度効率φが高くなるからである。なお、温度効率φは、次の式で表される。φ=(出口空気温度−入口空気温度)/(水温−入口空気温度)
このため、本実施形態によれば、比較例1と比較して、フット吹出口からの吹出空気温度を上昇させることができ、乗員足元の温感を向上させることができる。また、本実施形態によれば、暖房に投入する熱量を増加させなくても、フット吹出口からの吹出空気温度を上昇させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、第2ヒータコア20のうち下側の領域を通過後の温度の高い送風空気を、高い吹出空気温度が必要なフット吹出口から吹き出し、上側の領域を通過後の温度の低い送風空気を、高い吹出空気温度が必要ないデフロスタ吹出口から吹き出すようにするので、加熱用熱交換器2を通過後の空調風に生じる温度分布を有効利用していると言える。
なお、加熱用熱交換器2を通過中の送風空気に、上側では風速が高く、下側では風速が低い風速分布を積極的に形成するという観点より、風速比は、最小風速を1としたとき、最大風速を1.43以上とすることが好ましい。
また、本実施形態では、加熱用熱交換器2の上流側のドア55の位置を、下側の空気流路52を途中で広げるとともに、上側の空気流路53を途中で狭める位置とするのは、最大暖房時、すなわち、吹出口モードとして、フットモードが選択されていたときであったが、吹出口モードとして、フット吹出口とフェイス吹出口の両方から空調風を吹き出すバイレベルモードが選択されているときとしても良い。
この場合、フット吹出口からの吹出空気温度とフェイス吹出口からの吹出空気温度との差が大きいので、乗員の快適性が向上する。
また、この場合においても、第2ヒータコア20のうち下側の領域を通過後の温度の高い送風空気をフット吹出口から吹き出し、上側の領域を通過後の温度の低い送風空気を、低い吹出空気温度が必要なフェイス吹出口から吹き出すようにするので、加熱用熱交換器2を通過後の空調風に生じる温度分布を有効利用していると言える。
(2)本実施形態では、図3に示すように、第1、第2ヒータコア10、20の冷却水入口10a、20aが、入口側タンク部12、22の車両左右方向での運転席側に配置されている。
ここで、第2ヒータコア20は、上述の通り、小流量の冷却水が下から上に向かって流れるようになっている。一般的に、液体内において、その下側に高温部分が存在する場合、その高温部分は浮力によって上昇する。そして、第2ヒータコア20では、冷却水がチューブ21内を空気と熱交換しながら流れるので、入口側タンク部22に流入した冷却水の方が出口側タンク部23内の冷却水よりも温度が高い。したがって、入口側タンク部22に流入した高温の冷却水は、浮力の影響を受けることとなる。このとき、第2ヒータコア20に流入する冷却水が、第1ヒータコア10に流入する冷却水よりも小流量であって、さらに、低流速であるときに、この浮力の影響が大きくなる。
このため、入口側タンク部22に流入した冷却水の多くが、冷却水入口20aに近いチューブ21を流れることとなり、第2ヒータコア20を通過後の送風空気は、助手席側よりも運転席側の方が温度が高くなる。
よって、第2ヒータコア20を通過後の送風空気が車両左右方向の一方側と他方側に分岐して、運転席側の吹出口、助手席側の吹出口から空調風が吹き出される場合において、乗車頻度の高い運転席側の吹出空気温度を、助手席側の吹出空気温度よりも上昇させることができる。
なお、第1ヒータコア10の冷却水入口10aは、助手席側に配置されていても良い。第1ヒータコア10に流入する冷却水は大流量であり、第2ヒータコア20のような車両左右方向での温度分布が生じないからである。
(3)本実施形態では、図2に示すように、第1、第2ヒータコア10、20の冷却水入口10a、20aを、どちらも、同じ下側に配置している。
ここで、図6に本実施形態の第2ヒータコア20における入口空気の温度分布と冷却水の温度分布とを示す。また、図7に比較例2の第2ヒータコア20における入口空気の温度分布と冷却水の温度分布とを示す。比較例2は、本実施形態に対して、第1ヒータコア10の冷却水入口10aを上側に変更したものである。
図7に示すように、比較例2では、第2ヒータコア20の上方側における入口空気温度と水温との温度差ΔTが小さい。これに対して、図6に示すように、本実施形態では、第2ヒータコア20の上下方向全域で、入口空気温度と水温との温度差ΔTが大きい。
このことから、本実施形態によれば、比較例2のように、第1、第2ヒータコア10、20の冷却水入口10a、20aを異なる側に配置した場合と比較して、第2ヒータコア20で冷却水から取る熱量が向上し、第2ヒータコアの熱交換性能が向上する。
(第2実施形態)
図8に、本実施形態における空調ケース51に保持された状態の加熱用熱交換器2の側面図を示す。本実施形態は、第1実施形態で説明した図2中の上流側仕切壁54、ドア55を、固定された上流側仕切壁59に変更したものである。
第1実施形態の上流側仕切壁54は、下側の空気流路52の空気流量Q1と上側の空気流路53の空気流量Q2とが同じとなる位置に設けられていたが、本実施形態の上流側仕切壁59は、下側の空気流路52の空気流量Q1よりも上側の空気流路53の空気流量Q2の方が多くなる位置に設けられている。
そして、本実施形態では、上流側仕切壁59によって、下側の空気流路52を途中で広げるとともに、上側の空気流路53を途中で狭めている。これにより、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、下側の空気流路52と上側の空気流路53とにおける空気流量Q1、Q2および加熱用熱交換器2の直前の空気流路断面積A21、A22の関係が、Q1/A11<Q2/A21となっていれば良い。これにより、加熱用熱交換器2を通過中の送風空気の風速分布が、上側では風速が高く、下側では風速が低い風速分布となるので、本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
(第3実施形態)
図9に、本実施形態における空調ケース51に保持された状態の加熱用熱交換器2の側面図を示す。本実施形態は、第1実施形態で説明した図2中の上流側仕切壁54、ドア55を、固定された上流側仕切壁71に変更するとともに、加熱用熱交換器2の空気流れ下流側の下側の空気流路56に、空気流れを阻害する阻害部材72を配置したものである。
阻害部材72は、板状であり、その板面が空気流れに対して略直交するように固定されている。
本実施形態では、下側の空気流路56に設けられた阻害部材72によって、阻害部材72を設けていない場合と比較して、下側の空気流路56の圧力が上昇するので、加熱用熱交換器2の下側の領域を通過中の送風空気の流量が減少し、風速が低下する。
この結果、本実施形態においても、加熱用熱交換器2を通過中の送風空気の風速分布が、上側では風速が高く、下側では風速が低い風速分布となるので、第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本実施形態では、阻害部材72を固定したが、阻害部材72を片持ちドアとして位置変更可能に構成しても良い。これにより、阻害部材72の位置を、下側の空気流路56の空気流れを阻害する位置と、阻害しない位置とに切り替えても良い。例えば、第1ヒータコア10に流入の冷却水温度が比較的高い場合であれば、フット吹出口からの吹出空気温度が高くなるので、このような場合に、阻害部材72の位置を下側の空気流路56の空気流れを阻害しない位置とすることができる。
(第4実施形態)
図10に、本実施形態における加熱用熱交換器2の正面図を示す。本実施形態は、第1実施形態に対して、加熱用熱交換器2の第1、第2ヒータコア10、20が有するコルゲートフィン14、24のフィンピッチを変更したものである。フィンピッチとは、隣り合うフィン山同士の間隔のことである。なお、本実施形態では、加熱用熱交換器2の空気流れ上流側には上流側仕切壁が無く、加熱用熱交換器2の空気流れ下流側には第1実施形態と同様に下流側仕切壁58が設けられている。
具体的には、図10に示すように、加熱用熱交換器2のうち下側の領域でのフィンピッチfp1が小さく、上側の領域でのフィンピッチfp2が大きくなっている。このため、加熱用熱交換器2のうち下側の領域ではフィン14、24が密であり、上側の領域ではフィン14、24が疎である。この結果、加熱用熱交換器2のうち下側の領域では、通風抵抗が大きいので、下側の領域を通過中の送風空気の風速は小さくなる。一方、加熱用熱交換器2のうち上側の領域では、通風抵抗が小さいので、下側の領域を通過中の送風空気の風速は大きくなる。
このように、本実施形態においても、加熱用熱交換器2を通過中の送風空気の風速分布が、上側では風速が高く、下側では風速が低い風速分布となるので、第1実施形態と同様の効果が得られる。
(他の実施形態)
(1)第1実施形態では、下側の空気流路52は途中で広がって流路断面積が増大する構成と、上側の空気流路53は途中で狭まって流路断面積が減少する構成の両方を採用していたが、どちらか一方のみを採用しても良い。どちらか一方を採用しても、加熱用熱交換器2を通過中の送風空気に、上側では風速が高く、下側では風速が低い風速分布をつけることができる。
(2)第1、第2、第4実施形態では、加熱用熱交換器2の下流側において、上側の空気流路57と下側の空気流路56とを下流側仕切壁58によって仕切っていたが、下流側仕切壁58を省略しても良い。加熱用熱交換器2の上側の領域を通過後の送風空気の多くがデフロスタ吹出口やフェイス吹出口に導かれ、加熱用熱交換器2の下側の領域を通過後の送風空気の多くがフット吹出口に導かれるようになっていれば良い。
(3)第3実施形態では、加熱用熱交換器2の上流側において、上側の空気流路53と下側の空気流路52とを上流側仕切壁71によって仕切っていたが、上流側仕切壁71を省略しても良い。
(4)上述の各実施形態では、第2ヒータコア20の内部を冷却水が下側から上側に流れるようになっていたが、例えば、上側から下側に冷却水が流れるようにしても良い。要するに、本発明では、第2ヒータコア20の一方側から他方側への一方向に冷却水が流れるようになっていれば良い。この場合、加熱用熱交換器の下側の領域、上側の領域が、それぞれ、一方側の領域、他方側の領域となる。
(5)上述の各実施形態では、第1ヒータコア10と第2ヒータコア20とを一体化していたが、第1ヒータコア10と第2ヒータコア20とを別体としても良い。
さらに、上述の各実施形態では、第1ヒータコア10内の冷却水流れの向きが、第2ヒータコア20と同じ下から上の向きであったが、第2ヒータコア20とは逆の上から下の向きであっても良い。
(6)上述の各実施形態では、エンジン30の第1冷却水出口31bから流出の冷却水は、シリンダヘッド31を冷却した冷却水のみであったが、シリンダヘッド31を冷却した冷却水に対してシリンダブロック32を冷却した冷却水の一部が混入した冷却水でも良い。要するに、エンジン30の第1冷却水出口31bから主にシリンダヘッド31を冷却した冷却水が流出するようになっていれば良い。
同様に、エンジン30の第2冷却水出口32bから流出の冷却水は、シリンダブロック32を冷却した冷却水のみであったが、シリンダブロック32を冷却した冷却水に対してシリンダヘッド31を冷却した冷却水の一部が混入した冷却水でも良い。要するに、エンジン30の第2冷却水出口32bから主にシリンダブロック32を冷却した冷却水が流出し、第1冷却水出口31bから流出の冷却水よりも第2冷却水出口32bから流出の冷却水の方が高温になっていれば良い。
ただし、エンジン30の第2冷却水出口32bから流出の冷却水については、シリンダヘッド31を冷却した後の冷却水とシリンダブロック32を冷却した後の冷却水とを全部混合した場合よりも高温とする。これにより、両方の冷却水を全部混合した場合と比較して、高温の冷却水をエンジン30から流出させることができるからである。
(7)上述の各実施形態では、第2ヒータコア20に流入する冷却水は、エンジン30の第2冷却水出口32bから流出の冷却水のみであったが、第1冷却水出口31bから流出の冷却水の一部が混入しても良い。
要するに、主に第2冷却水出口32bから流出の冷却水であって、第1ヒータコア10に流入する冷却水よりも高温の冷却水が第2ヒータコア20に流入するようになっていれば良い。ただし、第2ヒータコア20に流入する冷却水は、第2冷却水出口32bから流出の冷却水と第1冷却水出口31bから流出の冷却水とを全部混合したときの平均温度よりも高温とする。これにより、両方の冷却水を全部混合した場合と比較して、第2ヒータコア20で加熱後の空気温度を高くできるからである。
(8)上述の各実施形態では、第1ヒータコア10がシリンダヘッド冷却後の冷却水を熱源とし、第2ヒータコア20がシリンダブロック冷却後の冷却水を熱源としていたが、第1ヒータコア10および第2ヒータコア20は、他の液体を熱源としても良い。第1ヒータコア10が第1液体を熱源とし、第2ヒータコア20が第1液体よりも高温かつ小流量の第2液体を熱源としている場合に、本発明の適用が可能である。
例えば、ハイブリッド車両に搭載される車両用空調装置においては、第1液体としてエンジンの冷却液を用い、第2液体としてインバータ等の電気機器の冷却液を用いることができる。また、例えば、電気自動車に搭載される車両用空調装置においては、第1液体としてインバータ等の電気機器の冷却液を用い、第2液体として電気ヒータ等の加熱手段によって加熱した高温液体を用いることができる。
(9)上述の各実施形態を実施可能な範囲で組み合わせても良い。
1 車両用空調装置
2 加熱用熱交換器
10 第1ヒータコア(第1熱交換部)
20 第2ヒータコア(第2熱交換部)
20a 冷却水入口
21 チューブ
22 入口側タンク部
23 出口側タンク部
24 伝熱フィン
51 空調ケース
52 加熱用熱交換器の空気流れ上流側における下側の空気流路
53 加熱用熱交換器の空気流れ上流側における上側の空気流路
72 阻害部材

Claims (8)

  1. 車室内へ向かう送風空気の空気流路を形成する空調ケース(51)と、
    前記空調ケース(51)に収容され、第1液体と前記第1液体よりも高温かつ小流量の第2液体とを熱源として、前記送風空気を加熱する加熱用熱交換器(2)とを備え、
    前記加熱用熱交換器(2)は、前記第1液体と前記送風空気とを熱交換させる第1熱交換部(10)と、前記第2液体と前記第1熱交換部(10)で加熱された前記送風空気とを熱交換させる第2熱交換部(20)と有し、
    前記第2熱交換部(20)は、その内部を前記第2液体が前記第2熱交換部(20)の一方側から他方側へ流れるようになっており、
    前記加熱用熱交換器(2)を通過中の前記送風空気の風速分布が、前記他方側の風速が高く、前記一方側の風速が低い風速分布であるとともに、前記加熱用熱交換器(2)のうち前記一方側の領域を通過後の前記送風空気をフット吹出口から吹き出し、前記加熱用熱交換器(2)のうち前記他方側の領域を通過後の前記送風空気をフット吹出口以外の吹出口から吹き出す構成となっていることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記空調ケース(51)は、前記加熱用熱交換器(2)のうち前記一方側の領域に流入する前記送風空気の空気流路として、途中で広がって流路断面積が増大する空気流路(52)を形成していることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記空調ケース(51)は、前記加熱用熱交換器(2)のうち前記他方側の領域に流入する前記送風空気の空気流路として、途中で狭まって流路断面積が減少する空気流路(53)を形成していることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記第1熱交換部(10)および前記第2熱交換部(20)は、ともに、積層された複数のチューブ(11、21)と、前記チューブ(11、21)の外表面に接合されたコルゲート状の伝熱フィン(14、24)とを備え、
    前記伝熱フィン(14、24)は、前記加熱用熱交換器(2)のうち前記一方側の領域でのフィンピッチ(fp1)が小さく、前記他方側の領域でのフィンピッチ(fp2)が大きくなっていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  5. 前記空調ケース(51)は、前記加熱用熱交換器(2)の空気流れ下流側の空気流路を、前記一方側に位置する一方側の空気流路(56)と前記他方側に位置する他方側の空気流路(57)とに仕切る下流側仕切壁(58)が設けられており、
    前記一方側の空気流路(56)に、空気流れを阻害する阻害部材(72)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  6. 吹出口モードが、前記フット吹出口とフェイス吹出口の両方から空調風を吹き出すバイレベルモードのとき、前記フット吹出口以外の吹出口は前記フェイス吹出口であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  7. 前記第2熱交換部(20)は、積層された複数のチューブ(21)と、前記複数本のチューブ(21)の長手方向一端側に連通し、液体入口側となる入口側タンク部(22)と、前記複数本のチューブ(21)の長手方向他端側に連通し、液体出口側となる出口側タンク部(23)とを備え、
    前記第2熱交換部(20)は、前記入口側タンク部(22)が下側に位置し、前記出口側タンク部(23)が上側に位置するように、空調ケース(51)内に保持されており、
    前記入口側タンク部(22)の液体入口(20a)が、前記入口側タンク部(22)の車両左右方向での運転席側に配置されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  8. 前記空調ケース(51)は、前記加熱用熱交換器(2)を迂回して前記送風空気が流れるバイパス空気通路と、前記バイパス空気通路からの前記送風空気と前記加熱用熱交換器(2)を通過後の前記送風空気との混合割合を調整するエアミックスドアとが設けられており、
    前記エアミックスドアが前記バイパス空気通路を閉じる位置とされる最大暖房時に、前記加熱用熱交換器(2)を通過中の前記送風空気の風速分布が、前記他方側の風速が高く、前記一方側の風速が低い風速分布である構成となっていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
JP2010292600A 2010-12-28 2010-12-28 車両用空調装置 Expired - Fee Related JP5609635B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010292600A JP5609635B2 (ja) 2010-12-28 2010-12-28 車両用空調装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010292600A JP5609635B2 (ja) 2010-12-28 2010-12-28 車両用空調装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012140050A true JP2012140050A (ja) 2012-07-26
JP5609635B2 JP5609635B2 (ja) 2014-10-22

Family

ID=46676807

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010292600A Expired - Fee Related JP5609635B2 (ja) 2010-12-28 2010-12-28 車両用空調装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5609635B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018139033A1 (ja) * 2017-01-30 2018-08-02 株式会社デンソー 車両用空調装置
JP2018122847A (ja) * 2017-01-30 2018-08-09 株式会社デンソー 車両用空調装置
CN113260524A (zh) * 2018-12-26 2021-08-13 株式会社电装 车辆用空调单元

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59140911U (ja) * 1983-03-10 1984-09-20 松下電器産業株式会社 自動車用空気調和装置
JPS6018413A (ja) * 1983-07-12 1985-01-30 Toyota Motor Corp 車輌の車室内暖房装置
JPS61263822A (ja) * 1985-05-17 1986-11-21 Nippon Denso Co Ltd 自動車用空気調和装置
JPH10203140A (ja) * 1997-01-27 1998-08-04 Calsonic Corp 自動車用空気調和装置のヒータコア
JPH11227448A (ja) * 1998-02-12 1999-08-24 Denso Corp 車両用空調装置
JP2000225835A (ja) * 1999-02-04 2000-08-15 Denso Corp 車両用空調装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59140911U (ja) * 1983-03-10 1984-09-20 松下電器産業株式会社 自動車用空気調和装置
JPS6018413A (ja) * 1983-07-12 1985-01-30 Toyota Motor Corp 車輌の車室内暖房装置
JPS61263822A (ja) * 1985-05-17 1986-11-21 Nippon Denso Co Ltd 自動車用空気調和装置
JPH10203140A (ja) * 1997-01-27 1998-08-04 Calsonic Corp 自動車用空気調和装置のヒータコア
JPH11227448A (ja) * 1998-02-12 1999-08-24 Denso Corp 車両用空調装置
JP2000225835A (ja) * 1999-02-04 2000-08-15 Denso Corp 車両用空調装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018139033A1 (ja) * 2017-01-30 2018-08-02 株式会社デンソー 車両用空調装置
JP2018122847A (ja) * 2017-01-30 2018-08-09 株式会社デンソー 車両用空調装置
CN113260524A (zh) * 2018-12-26 2021-08-13 株式会社电装 车辆用空调单元

Also Published As

Publication number Publication date
JP5609635B2 (ja) 2014-10-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9592717B2 (en) Heat exchange system
KR101933166B1 (ko) 차량 공조 장치 및 차량 배터리의 온도 조절을 위해 상기 차량 공조 장치를 제어하기 위한 방법
US20160138871A1 (en) Duplex heat exchanger
US20120125593A1 (en) Cooling system for vehicle
US20100200195A1 (en) High-performance heat exchanger for automotive vehicles, and heating/air-conditioning device including a high-performance heat exchanger
US9115934B2 (en) Heat exchanger flow limiting baffle
JP2012096695A (ja) 車両用空調装置
JP5633199B2 (ja) 内燃機関の冷却システム
JP5533685B2 (ja) 車両用空調装置
CN109863285A (zh) 用于冷却燃式发动机和whr系统的冷却系统
JP5609635B2 (ja) 車両用空調装置
WO2019138695A1 (ja) 蓄熱装置
US10661635B2 (en) Vehicle air-conditioning unit
JP2012145311A (ja) 車両用空調装置
US20090038562A1 (en) Cooling system for a vehicle
JP5640875B2 (ja) 複合熱交換器
JP2001141388A (ja) 温水式暖房装置
JP5287769B2 (ja) 車両用空調装置
JP2009202773A (ja) 車両用空気調和システム
JP5531991B2 (ja) 車両用空調装置
JP2011183868A (ja) 車両用空調装置
US10449833B2 (en) Heat exchanger and heat pump system
JP4511905B2 (ja) 車両用冷却装置
US9834061B2 (en) Assembly including a heat exchanger and a mounting on which said exchanger is mounted
GB2581478A (en) Motor vehicle counterflow radiator, engine cooling circuit, vehicle and method of cooling an engine

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140114

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140311

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140805

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140818

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees