JP4985130B2 - ターボ過給機の制御装置および制御方法 - Google Patents
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Description
この基本噴射パルス幅TP0の燃料でシリンダ内に理論空燃比の混合気が得られるように定数Kを設定している。さらに、この基本噴射パルス幅TP0と加重平均係数FLOAD[−]とを用いて次式によりシリンダ流入基本パルス幅TP[ms]を算出する。
…(2)
ただし、TP(10ms前):TPの10ms前の値、
ここで、(2)式のシリンダ流入基本パルス幅TPの10ms前の値であるTP(10ms前)の初期値には基本噴射パルス幅TP0を入れるている。
…(3)
ただし、KATHOS:壁流補正量、
TFBYA :目標当量比、
α :空燃比フィードバック補正係数、
αm :空燃比学習値、
TS :無効パルス幅、
さて、排気通路に設けたタービンと、吸気通路に設けたコンプレッサと、前記タービンをバイパスする通路を開閉する電動弁(調節要素)とを有するターボ過給機において、前記電動弁を制御するパラメータを、排気流量の関数とした公知の技術がある。この技術を本実施形態の過給圧制御装置に適用したとき、排気通路4に設けたタービン6と、吸気通路3に設けたコンプレッサ7と、タービン6をバイパスする通路11を開閉するウェストゲート12と、このウェストゲート12の開閉の程度を可変に制御し得るウェストゲートアクチュエータ13とを有するターボ過給機5Aにおいて、ウェストゲートアクチュエータ13を制御するパラメータを、排気流量の関数とすることとなる。
このタービン6に流入する空気量MATB00は、左右のバンク間を区別しない値である。
+MATBr(10ms前)×(1−TAUCT1)
…(5a)
ただし、MATBr(10ms前):MATBrの10ms前の値、
ここで、(5a)式の右バンク側過給圧応答相当タービン流入空気量MATBrの10ms前の値である「MATBr(10ms前)」の初期値には右バンク側無駄時間前タービン流入空気量MATB0rを入れる。
+MATBl(10ms前)×(1−TAUCT2)
…(5b)
ただし、MATBl(10ms前):MATBlの10ms前の値、
ここで、(5b)式の左バンク側過給圧応答相当タービン流入空気量MATBlの10ms前の値である「MATBl(10ms前)」の初期値には左バンク側無駄時間前タービン流入空気量MATB0lを入れる。
ステップ10では、このフィードバック量FBMAWGと上記のフィードフォワード量FFMAWGとを加算した値を目標ウェストゲート通過ガス量MAWG[kg/s]として、つまり次式により目標ウェストゲート通過ガス量MAWGを算出する。
例えば、平均実過給圧PBAVEが目標過給圧PCHSよりも高いときには、過給圧が低くなるようにウェストゲート通過ガス量を増やす必要があり、この逆に平均実過給圧PBAVEが目標過給圧PCHSよりも低いときには、過給圧が高くなるようにウェストゲート通過ガス量を減らす必要がある。すなわち、平均実過給圧PBAVEが目標過給圧PCHSよりも高いときには上記(6)式より偏差TPBERRが正の値となり、フィードバック量FBMAWGが正の値となり、上記(7)式より目標ウェストゲート通過ガス量が増量側に補正され、これにより実際の過給圧が目標過給圧へと戻される。この逆に、平均実過給圧PBAVEが目標過給圧PCHSよりも低いときには上記(6)式より偏差TPBERRが負の値となり、フィードバック量FBMAWGが負の値となり、上記(7)式より目標ウェストゲート通過ガス量が減量側に補正され、これにより実際の過給圧が目標過給圧へと戻される。
このようにして、左右のバンク2A、2Bを区別することなくバンク当たりの目標ウェストゲート開口面積求めている。
TGAWG=Cv×DWGV#×STWGVL×π …(10)
ただし、DWGV#:所定値、
ここで、目標ウェストゲート開口面積TGAWGは、機構上よりウェストゲート12のストローク量STWGVL=所定値DWGV#/3のときに最大となるので、これ以上のストローク量のときには、ウェストゲート12の目標ストローク量STWGV=DWGV#/3として計算する。実際の制御モデルではあらかじめ机上で計算し、テーブルTTWGLST#として設定しておく。
これは、ウェストゲート12とロッド16とがリンク機構17を介して連結され、ロッド16のストローク量がリンク機構17のレバー比の分だけ拡大または縮小されたものがウェストゲート12のストローク量になるので、ウェストゲート12が開方向に目標ストローク量STWGVLだけ動くとき、ロッド16がウェストゲート12の開方向にいくら動くのかを求めるようにしたものである。
−(STWGRL−STWGRL(10ms前))×CWGDMPAD# +FWGV …(12)
ただし、CWGSPR# :初期ロッドストローク量[m]、
KWGSPR# :スプリング18のバネ定数[N/m]、
CWGDMPAD#:ダンパ係数[Nsec/m]
ここで、(12)式はウェストゲート12を目標開口面積(TGWG)だけ開かなければならないときに、ウェストゲートアクチュエー13に作用している力を表している。すなわち、(12)式によれば、スプリング18に抗して、ウェストゲート12を目標開口面積(TGWG)だけ開くには(12)式右辺第1項の力をロッド16に与える必要があり、この場合に、(12)式右辺第3項の力が後押ししてくれること、また(12)式右辺第2項の力がこれとは反対方向に抵抗となって働くこととなる。
〈2〉静止摩擦力補正前の目標ウェストゲートアクチュエータ力の絶対値abs(FWG0)がウェストゲートアクチュエータ13の最大静止摩擦力FSTMXFRC#以上であり、かつ静止摩擦力補正前の目標ウェストゲートアクチュエータ力FWG0がゼロ以上の値である場合には、ロッド16(ウェストゲートアクチュエータ13)を開方向にストロークさせようとすればストロークする(動く)、従って過給圧制御を行うことができると判断し、静止摩擦力補正後の目標ウェストゲートアクチュエータ力FWGを次の式により算出する。
〈3〉上記〈1〉と〈2〉以外の場合には静止摩擦力補正後の目標ウェストゲートアクチュエータ力FWGを次の式により算出する。
ステップ26では、この静止摩擦力補正後の目標ウェストゲートアクチュエータ力FWG[N]と、ウェストゲートアクチュエータ13のカップ有効径AWGACT#[m^2]とから、目標ウェストゲートアクチュエータ圧(相対圧)TGPACT[kPa]を次式により算出する。
ここで、ウェストゲートアクチュエータ13のカップとは、ダイヤフラム14のことである。アクチュエータ力をダイヤフラム面積で除算するとダイヤフラム14に作用する圧力が求まる。つまり(16)式は、静止摩擦力補正後の目標ウェストゲートアクチュエータ力FWGを作り出すため圧力室15に作用させるべき制御圧力を求めている。
同様にして、過給圧センサ35により検出される左バンク側実過給圧PBl[kPa]から、大気圧センサ36により検出される大気圧PPAMB[kPa]を差し引くことにより、つまり次式により左バンク側実過給圧(相対圧)PBABSl[kPa]を算出する。
ステップ28では、この右バンク側実過給圧(相対圧)PBABSr[kPa]と、目標ウェストゲートバルブアクチュエータ圧(相対圧)TGPACT[kPa]とから、所定の目標ウェストゲートデューティ基本値マップMWGDUTY#を検索することにより、右バンク側目標ウェストゲートデューティ基本値WGDUTY0r[%]を算出する。同様にして、左バンク側実過給圧(相対圧)PBABSl[kPa]と、目標ウェストゲートバルブアクチュエータ圧(相対圧)TGPACT[kPa]とから、所定の目標ウェストゲートデューティ基本値マップMWGDUTY#を検索することにより、左バンク側目標ウェストゲートデューティ基本値WGDUTY0l[%]を算出する。
4 排気通路
5A、5B ターボ過給機
6 タービン
7 コンプレッサ
12 ウェストゲート
13 ウェストゲートアクチュエータ
31 エンジンコントローラ
Claims (8)
- 排気通路に設けたタービンと、
吸気通路に設けたコンプレッサと、
前記タービンをバイパスする通路を開閉するウェストゲートと、
このウェストゲートの開閉の程度を可変に制御し得るウェストゲートアクチュエータと
を有するターボ過給機において、
目標過給圧を算出する目標過給圧算出手段と、
吸入空気量に基づいてタービン流入空気量を算出するタービン流入空気量算出手段と、
このタービン流入空気量に基づいて過給圧応答相当タービン流入空気量を算出する過給圧応答相当タービン流入空気量算出手段と、
この過給圧応答相当タービン流入空気量と前記目標過給圧とに基づいて目標ウェストゲート通過ガス量のフィードフォワード量を算出する目標ウェストゲート通過ガス量フィードフォワード量算出手段と、
この目標ウェストゲート通過ガス量のフィードフォワード量に基づいて前記ウェストゲートアクチュエータを制御するウェストゲートアクチュエータ制御手段と
を備えることを特徴とするターボ過給機の制御装置。 - 排気通路に設けたタービンと、
バンク毎の吸気通路に設けたコンプレッサと、
前記バンク毎のタービンをバイパスする通路を開閉するバンク毎のウェストゲートと、
このバンク毎のウェストゲートの開閉の程度を可変に制御し得るバンク毎のウェストゲートアクチュエータと
を有するターボ過給機において、
目標過給圧を算出する目標過給圧算出手段と、
吸入空気量に基づいてタービン流入空気量を算出するタービン流入空気量算出手段と、
バンク毎に前記タービン流入空気量に基づいて過給圧応答相当タービン流入空気量を算出するバンク毎過給圧応答相当タービン流入空気量算出手段と、
これらのバンク毎の値から平均過給圧応答相当タービン流入空気量を算出する手段と、
この平均過給圧応答相当タービン流入空気量と前記目標過給圧とに基づいて目標ウェストゲート通過ガス量のフィードフォワード量を算出する目標ウェストゲート通過ガス量フィードフォワード量算出手段と、
この目標ウェストゲート通過ガス量のフィードフォワード量に基づいて前記バンク毎のウェストゲートアクチュエータを制御するウェストゲートアクチュエータ制御手段と
を備えることを特徴とするターボ過給機の制御装置。 - 前記目標ウェストゲート通過ガス量のフィードフォワード量と、目標ウェストゲート通過ガス密度流速とに基づいて目標ウェストゲート開口面積を算出する目標ウェストゲート開口面積算出手段を備え、
前記ウェストゲートアクチュエータ制御手段が、この目標ウェストゲート開口面積に基づいて前記ウェストゲートアクチュエータを制御することを特徴とする請求項1または2に記載のターボ過給機の制御装置。 - 前記目標ウェストゲート通過ガス密度流速を、前記目標過給圧と前記平均過給圧応答相当タービン流入空気量とに基づいて算出することを特徴とする請求項3に記載のターボ過給機の制御装置。
- 目標過給圧と実過給圧の偏差を算出し、この偏差に基づいてウェストゲート通過ガス量のフィードバック量を算出し、このフィードバック量で前記目標ウェストゲート通過ガス量のフィードフォワード量を補正することを特徴とする請求項1または2に記載のターボ過給機の制御装置。
- 過給圧応答の無駄時間を予め求めておき、
タービン流入空気量の前記無駄時間前の値を求め、
この無駄時間前タービン流入空気量の加重平均値で前記過給圧応答相当タービン流入空気量を算出することを特徴とする請求項1または2に記載のターボ過給機の制御装置。 - 前記タービン流入空気量を、シリンダ吸入基本パルス幅に基づいて算出することを特徴とする請求項1または2に記載のターボ過給機の制御装置。
- 排気通路に設けたタービンと、
吸気通路に設けたコンプレッサと、
前記タービンをバイパスする通路を開閉するウェストゲートと、
このウェストゲートの開閉の程度を可変に制御し得るウェストゲートアクチュエータと
を有するターボ過給機において、
目標過給圧を算出する目標過給圧算出処理手順と、
吸入空気量に基づいてタービン流入空気量を算出するタービン流入空気量算出処理手順と、
このタービン流入空気量に基づいて過給圧応答相当タービン流入空気量を算出する過給圧応答相当タービン流入空気量算出処理手順と、
この過給圧応答相当タービン流入空気量と前記目標過給圧とに基づいて目標ウェストゲート通過ガス量のフィードフォワード量を算出する目標ウェストゲート通過ガス量フィードフォワード量算出処理手順と、
この目標ウェストゲート通過ガス量のフィードフォワード量に基づいて前記ウェストゲートアクチュエータを制御するウェストゲートアクチュエータ制御処理手順と
を含むことを特徴とするターボ過給機の制御方法。
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