JP4985115B2 - 変位拡大装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば圧電素子などの変位素子を用いた変位拡大装置に関し、より詳細には、変位素子により生じた変位量を拡大するとともに、変位方向を変換することが可能とされている変位拡大装置に関する。
従来より、部品や素子を移動させたり、その位置を制御するために、様々なアクチュエータが提案されている。このようなアクチュエータは、例えばハードディスクドライブにおいて磁気ヘッドの位置を制御したり、あるいはデジタルカメラのレンズのズーム機構においてレンズを移動させるための変位素子などに用いられている。装置や機器の小型化を図るには、変位素子において変位効率が高いこと、すなわち変位量が大きいことが求められる。
下記の特許文献1には、図7に示す変位拡大装置が開示されている。図7に示す変位拡大装置では、ミラー101が圧電素子102,102により駆動される。すなわち、支持部材103,103に、圧電素子102,102の一端が連結されている。圧電素子102,102は、図示の矢印方向に変位し得るように構成されている。対向している圧電素子102,102間に、撓み部材104がかけ渡されている。撓み部材104の中央には、ミラー101が固定されている。
圧電素子102,102間の距離が変化すると、撓み部材104が図示の状態から凸状もしくは凹状に変形し、ミラー101が図示の矢印M2方向に移動される。従って、圧電素子102,102において生じたM1方向の変位が、M1方向と直交するM2方向の変位に変換されている。また、撓み部材104の撓みによりミラー101が矢印M2方向に移動するため、圧電素子102,102の変位量に比べて、ミラー101の変位量を大きくすることができる。
特許文献2には、蛇行するように形成された長尺状の圧電シートを用いた圧電式アクチュエータが開示されている。ここでは、長手方向の一方側に湾曲している第1の湾曲部と、他方側に湾曲している第2の湾曲部とが長手方向において交互に配置されている。そして、第1の湾曲部において圧電シートの両面に電極材料が配置された第1の電極部と、第2の湾曲部において圧電シートの両面に電極材料を付与することにより形成された第2の電極部とが隙間を介して圧電シートの長手方向に交互に配置されている。第1の電極部と第2の電極部との極性を異ならせるように通電することにより、変位量の大きな圧電アクチュエータを提供することができるとされている。
特開2003−258330号公報 特開2002−84013号公報
しかしながら、図7に示した変位拡大装置では、上記のように、複数の圧電素子102,102間に撓み部材104をかけ渡すように連結し、該撓み部材104にミラー101を固定しなければならなかった。そのため、構造が複雑にならざるを得なかった。加えて、撓み部材104の形状及び材料のバラツキ等によって変位量にバラツキが生じがちであった。のみならず、上記撓み部材104を用いたとしても、変位拡大量はさほど大きくなかった。
他方、特許文献2に記載の圧電アクチュエータでは、複数の第1,第2の湾曲部を長手方向に連ねることにより、大きな変位量の圧電アクチュエータが得られるとされている。しかしながら、この構造では、複数の湾曲部を連ね、圧電効果による変位を累積させることにより変位量が大きくされているにすぎない。すなわち、圧電素子による変位自体を拡大する構造は有していない。従って、大きな変位量を得るには、大きな駆動電圧を必要とせざるを得なかった。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、複雑な構造を必要とすることなく、大きな変位量を得ることができるとともに、変位方向を変換することが可能とされている変位拡大装置を提供することにある。
本発明によれば、第1の方向に延ばされており、該第1の方向と直交する断面の形状が凸状であり、前記第1の方向に凸状の頂点が連ねられている部分の両側に連ねられた第1,第2の面を有する凸状部材と、前記凸状部材の前記第1の方向における一方側の端縁に連結された端縁を有し、第1の方向とは異なる第2の方向に延ばされており、該第2の方向と直交する断面の形状が凹状であり、第2の方向に凹状の底部が連ねられている部分の両側に連ねられた第3,第4の面をさらに有する凹状部材と、前記第1,第2の面のなす角度及び第3,第4の面のなす角度の少なくとも一方を変化させるように、前記凸状部材及び前記凹状部材の少なくとも一方に設けられた変位手段とを備え、前記第1,第2の面のなす角度及び第3,第4の面のなす角度の少なくとも一方を前記変位手段により変化させることにより、前記凸状部材または前記凹状部材において生じた変位が前記凹状部材または前記凸状部材において拡大されかつ該変位の方向が変換されることを特徴とする、変位拡大装置が提供される。
本発明に係る変位拡大装置では、上記第1,第2の面及び第3,第4の面は平面であっても曲面であってもよい。第1,第2の面が平面であり、第3,第4の面が平面である場合には、上記凸状部材において頂点が連ねられた部分が第1の稜線となり、前記凹状部材において前記底が連ねられた部分が第2の稜線となる。
前記第1,第2の面が曲面であり、前記第3,第4の面が曲面である場合には、第1の稜線に相当する部分が丸みを帯び、第2の稜線に相当する部分も丸みを帯びることになる。
本発明に係る変位拡大装置の変位手段は、様々な変位素子により実現され得る。本発明のある特定の局面では、上記凸状部材及び凹状部材の少なくとも一方の少なくとも片面に、圧電素子からなる変位手段が積層されている。圧電素子からなる変位手段の場合には、圧電素子を駆動する電圧を変化させるだけで、所望とする変位量を高精度に得ることができる。
上記変位手段が圧電素子である場合、好ましくは、凸状部材及び凹状部材は、金属板からなる。金属板の少なくとも片面に圧電素子を積層した構造の場合、より大きな変位量を得ることができる。
また、本発明において、上記変位手段は、第1,第2の面を連結しており、第1,第2の面のなす角度を変化させるように変位する変位手段及び/または第3,第4の面を連結しており、第3,第4の面のなす角度を変化させるように変位する変位手段であってもよい。この場合には、変位素子の一端を第1の面に、他端を第2の面に、あるいは変位素子の一端を第3の面に、他端を第4の面に連結し、その長さが変化され得る変位素子を用いることができる。このような素子が変化する変位素子としては、圧電素子を用いることが好ましい。圧電素子の場合には、駆動する電圧を制御するだけで、高精度に所望とする変位量を得ることができる。
また、素子が変化する上記変位素子としては、圧電素子に限らず、他の変位素子を用いてもよい。他の変位素子としては、好ましくは感温素子を用いることができる。感温素子を用いた場合には、温度変化が与えられた場合に、温度変化に応じて変位し、該変位により、第1,第2の面のなす角度及び/または第3,第4の面のなす角度が変化されることになる。このような感温素子としては、特に限定されないが、例えばバイメタルや形状記憶合金などを好適に用いることができる。
本発明に係る変位拡大装置では、上記凸状部材の第1,第2の面のなす角度及び前記凹状部材の第3,第4の面のなす角度の少なくとも一方が前記変位手段により変化されると、前記第1の方向と第2の方向とのなす角度ψが大きく変化されることになる。そのため、変位手段により生じた変位量を拡大し、しかも第1の方向と第2の方向とが異なっているため、変位方向も変化させることができる。
よって、上記凸状部材と前記凹状部材とを連ねた比較的簡単な構造に変位手段を組み合わせるだけで、変位量の拡大及び変位方向の変換を実現することが可能となる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1(a)及び(b)は、本発明の第1の実施形態にかかる変位拡大装置の斜視図及びその要部を示す部分切欠横断面図である。
変位拡大装置1は、凸状部材2と、凸状部材2の一方の端縁2aに一方端縁が連ねられた凹状部材3とを有する。凸状部材2は、一点鎖線で示す第1の方向Fに延ばされており、第1の方向Fと直交する方向の断面が凸状の形状を有する。この凸状の頂点が連ねられている部分の両側に、曲面状の第1の面4及び第2の面5が連ねられている。
また、凹状部材3は、一点鎖線Gで示す第2の方向に延ばされており、第2の方向Gと直交する断面形状が凹状の形状を有する。この凹状の底部が第2の方向Gに延ばされている部分の両側に、曲面状の第3の面6及び第4の面7が連ねられている。
上記凹状部材2及び凸状部材3は、本実施形態では、金属板により一体に形成されている。
上記金属板を構成する金属としては特に限定されないが、本実施形態では、42−Ni合金が用いられている。図1(b)は、凸状部材2を、凹状部材3とは反対側の端縁2b側から見た側面図である。凸状部材2では、第1,第2の面4,5が連ねられた金属板の両面に、変位素子として第1,第2の圧電素子8,9が貼り合わされている。圧電素子8,9は、圧電セラミック層8a,9aと、圧電セラミック層8a,9aの外側主面に形成された電極8b,9bとを有する。電極8b,9bと、第1,第2の面4,5を構成している金属板との間に直流電圧を印可することにより、圧電素子8,9が図示の矢印H及びIで示すように伸縮する。図1(b)に示す状態では、圧電素子8が矢印Hで示すように面方向に拡がるように変位しており、圧電素子9が図示の矢印Iで示すように面方向に縮まるように変位している。この、圧電素子8,9の変位の方向が逆方向とするように圧電素子8,9を駆動することにより、凸状部材2の第1,第2の面4,5のなす角度を小さくするように凸状部材2を変位させることができる。
逆に、圧電素子8が面方向において縮まるように、かつ圧電素子9が面方向において拡がるように駆動することにより、凸状部材2の第1,第2の面4,5のなす角度が大きくなるように凸状部材2を変位させることができる。
なお、凹状部材3においても、両面に圧電素子10が貼り合わされている。この圧電素子10は、前述した圧電素子8,9と同様に構成されている。従って、凹状部材3においても、両面の圧電素子10に直流電圧を印加することにより、第3,第4の面6,7が近づいたり、遠ざかったりするように変位する。
本実施例の変位拡大装置1では、第1の方向Fに対し、第2の方向Gが角度ψをなすように、すなわち第1,第2の方向F,Gが異なるように、端縁2aに凹状部材3の端縁が連ねられている。端縁2aにおいては、凸状部材2の頂点と、凹状部材3の底部とが一致するように、凹状部材3の端縁が凸状部材2の端縁2aに連結されている。この場合の上記角度ψを変位変換角度とすることとする。
本実施形態の変位拡大装置1の特徴は、例えば凸状部材2の端縁2aとは反対側の端縁2bの中心Jを支持部材等に固定された固定点とし、圧電素子8,9を駆動して凸状部材2を変位させた場合、上記変位変換角度ψが大きくなる。すなわち、変位変換角度ψの拡大により、凹状部材3が大きく変位することとなり、変位量の拡大が図られる。しかも、変位変換角度ψが変化するため、変位方向も変換されることになる。
すなわち、圧電素子8,9を駆動した場合、凸状部材2は、第1,第2の面4,5が近づいたり、遠ざかったりする。この変位は、凸状部材2に端縁2aで連結されている凹状部材3に伝達される。ここでは、凹状部材3の第3,第4の側面6,7が、伝達されてきた変位に伴って遠ざかったり、近づいたりするように変位する。その結果、変位変換角度ψが大きく変化することとなる。このように、本実施形態の変化拡大装置1では、変位量の拡大及び変位方向の変換を実現することができる。
なお、上記説明では、凸状部材2の端縁2bの中央を固定点Jとしたが、逆に、凹状部材3の端縁2aとは反対側の端縁3aの中心Kを固定点とし、凹状部材2の端縁2bを自由端としてもよい。その場合にも、圧電素子10を駆動して凹状部材3を変位させ、凸状部材2側でより大きな変位を得ることが可能である。この場合においても、第1の方向Fと第2の方向Gとが変位変換角度ψをなすように凸状部材2が凹状部材3に連結されているので、変位方向を変換することができる。
なお、凸状部材2を固定側とし、凹状部材3を自由端側とした場合には、圧電素子10は必ずとも設けずともよい。もっとも、その場合においても、圧電素子10を駆動し、さらにより大きな変位を凹状部材3側でとり出してもよい。
同様に、凹状部材3の端縁3aの中心Kを固定点として用いる場合には、凸状部材2の圧電素子8,9は必ずしも設けられずともよい。この場合においても、圧電素子8,9をも駆動して、より大きな変位を凸状部材2側においてとり出してもよい。
上記のように、凸状部材2と凹状部材3とが変位変換角度ψをなすように連結されている構造において、変位量が拡大することを、図2の変形例及び図3(a)〜(c)を参照してより詳細に説明する。
変位拡大装置1では、凸状部材2及び凹状部材3は、それぞれ、第1,第2の曲面4,5及び第3,第4の曲面6,7を有する曲面状の形状を有していた。これに対して、図2に示す変位拡大装置21では、凸状部材22及び凹状部材23が、平面状の第1,第2の面24,25及び第3,第4の面26,27を有すること、並びに変位手段として、凸状部材22側に圧電素子28が設けられており、凹状部材23側には変位手段が設けられていないことを除いては、上記実施形態の変位拡大装置1と同様に構成されている。
凸状部材22では、第1,第2の面24,25が平面であるため、第1の面24と第2の面25とが突き合っている部分は、一点鎖線F方向に沿う稜線22cとなる。すなわち、凸状部材22の第1の方向Cと直交する方向の断面における頂点を第1の方向に連ねた部分が稜線22cとなる。同様に、凸状部材22の端縁22aに連結されている凹状部材23においても、第4,第5の面26,27が平面であるため、第2の方向Gに沿う稜線23bにおいて、第3,第4の面6,7が突き合っている。
いま、第1の方向Fと第2の方向Gとは、変位変換角度ψをなすように異なっている。
変位拡大装置21において、凸状部材22の端縁22bの中央を支持部等により支持される固定点とし、圧電素子28及び裏面側に貼り合わされた圧電素子を駆動する。その結果、凸状部材22において、第1,第2の面24,25間の距離が近づいたり、遠ざかったりするように変位が生じる。この変位が、凸状部材22に連結された凹状部材23に伝搬する。その結果、凹状部材23においては、伝搬してきた変位に従って、第1の方向と第2の方向とのなす変位変換角度ψが大きくなる。すなわち、大きな変位量を得ることができる。これを、図3(a)〜(c)を参照して説明する。
上記変形例の変位拡大装置21に応じた平面図形Eを図3(a)のXY平面上に表わす。ここでは、凸状部材22と凹状部材23とが連結されるべき部分の中点を原点Oとする。また、凸状部材22の端縁22aの一端に相当する点をB、他端に相当する点をCとし、凹状部材22の固定点に相当する点をAとする。
他方、凹状部材23の端縁23aの中心に相当する点をDとする。
図3(a)に示す平面状態の形から、直線OA、直線OB及び直線OCに沿って山折りし、直線ODに沿って谷折りして、平面図形Eを折り曲げる。このようにして図2に示した変位拡大装置21と同様の立体形状を得る。ここで、図3(b)にXZ平面で示すように直線OC及び直線OBがX軸となす角度を山折り角φとする。また、図3(c)にYZ平面で示すように、直線ODがY軸となす角度を変位変換角度ψとする。図3(b)及び(c)において、dψ/dφは以下の式(1)で表わされる。
dψ/dφ=(sinθ・sinψ・cosφ)/(sinθ・sinφ・cosψ−cosθsinψ)・・・式(1)
ここで、dψ/dφは、凸状部材22側における変位角度に対する凹状部材23側における変位角度の割合すなわち角度変位量の拡大率を表わす。式(1)から明らかなように、θ>45°かつφ<30°の領域では、凸状部材22を上記のように変位させた場合、ψが大きく変化し、従って凹状部材23側において大きな変位量の得られることがわかる。
よって、上記変形例の変位拡大装置21では、変位方向を変換し得るだけでなく、凹状部材23側において、凸状部材22における角度変位量よりも大きな角度変位量dψの得られることがわかる。
なお、図3を参照して行った説明では、第1〜第4の面24〜27は平面とされていたが、図1に示した曲面状の第1〜第4の面4〜7を有する変位拡大装置1においても、同様に、角度変位量を拡大することができる。すなわち、本発明においては、第1,第2の面及び第3,第4の面は曲面であっても平面であってもよい。
図4(a),(b)は、本発明の第2の実施形態にかかる変位拡大装置を模式的表面断面図及び平面図である。本実施形態の変位拡大装置41では、略図的に示す凸状部材42に、略図的に示す凹状部材43が連結されている。なお、図4(a)は、図4(b)の一点鎖線F及びGに沿う模式的断面図である。一点鎖線F及び一点鎖線Gは一直線状に連ねられているが、実際には、図4(e)の紙面−紙背方向において変位変換角度ψをなしている。本実施形態では、金属板をプレス成形することにより、変位拡大装置21と同様に、平面状の第1〜第4の面44〜47が形成されている。すなわち、凸状部材42は、平面状の第1,第2の面44,45を有し、凸状部材43は、平面状の第3,第4の面46,47を有する。また、第1,第2の面44,45が稜線42cにより突き合っており、第3,第4の面46,47が、稜線43bで突き合わされている。
ここでは、圧電素子48,49が第1,第2の面44,45の両面に貼り合わされている。圧電素子48,49は、チタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックスからなる圧電セラミック層48a,49aと、圧電セラミック層48a,49aの外側主面に設けられた電極48b,49bとを有する。圧電セラミック層48a,49aの内側主面には、電極は形成されておらず、上記第1,第2の面44,45を形成している金属板が電極を兼ねている。圧電セラミック層48a,49aは図示のように、厚み方向において一様に分極処理されている。
上記電極48b,49bは、Ag,Cuまたはこれらの合金などの適宜の金属からなる。
他方、凹状部材43側においても、同様に、金属板の片面に圧電素子50が、反対側の面に圧電素子51が貼り合わされている。圧電素子50,51は、それぞれ、圧電素子48,49と同様に、チタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスからなる圧電セラミック層50a,51aと、これらの外側主面に形成された電極50b,51bとを有する。もっとも、圧電セラミック層50a,51aにおける分極方向は、厚み方向ではあるが、圧電セラミック層48a,49bとは逆方向とされている。そして、電極48bと電極50bとが、リード線52により電気的に接続されている。同様に、電極49bと電極51bとが、リード線53により電気的に接続されている。
なお、圧電素子48,49,50,51と金属板との接合は、エポキシ系接着剤などの適宜接合剤を用いて行い得る。
本実施形態の変位拡大装置41では、金属板と、電極48b,49bとの間に直流電圧を印可することにより凸状部材42が変位する。すなわち、圧電素子48が、図4(b)に示すように面方向に延びる。この場合、圧電素子49は逆方向に変位する。従って、第1の面44と第2の面45とのなす角度が小さくなるように、凸状部材42が変位する。その結果、凸状部材42の変位が凹状部材43に伝達される。
他方、凹状部材43においても、リード線52,53により、圧電素子50,51が圧電素子48,49に接続されているので、圧電素子50が図示のR方向に変位する。すなわち、圧電素子50は面方向に縮む方向に変位する。他方、裏面側の圧電素子51は逆に、面方向に延びる方向に変位する。そのため、第3の面46と第4の面47のなす角度が小さくなるように、すなわち凹状部材43において、第3の面46と第4の面47が近づくように変位する。その結果、本実施形態においても、第1の方向と第2の方向とのなす変位変換角度ψが大きく変化し、凹状部材43側において大きな変位量が得ることができる。また、変位方向も変換させることができる。
また、上記各実施形態では、圧電素子8,9,48,49,50,51の内側の主面には電極を形成しなかったが、電極を形成し、該電極を金属板に接合してもよい。
上述した各実施形態及び変形例では、凸状部材の上面に圧電素子が積層されており、凸状部材の両面にも適宜圧電素子が積層されていたが、本発明における凸状部材及び/または凹状部材を変位させる変位手段は、このような構造に限定されるものではない。例えば、図5に模式的横断面図で示すように、凸状部材61において、第1,第2の面62,63間のなす角度を変化させるように、第1の面62,63間を変位素子64で連結してもよい。ここでは、変位素子64は、図示の矢印Sで示すようにその長さが延びたり、縮んだりする変位素子である。このような変位素子64としては、圧電セラミックスや圧電樹脂などからなる圧電変位素子を好適に用いることができる。圧電素子の場合には、変化する電圧を制御するだけで、高精度に凸状部材61を変位させることができる。
変位素子64の一端が第1の面62の内面に固定されており、他端が第2の面63の内面に固定されている。従って、変位素子64が長くなると、第1,第2の面62,63のなす角度が大きくなり、短くなると、該角度が小さくなる。従って、変位素子64を伸縮駆動することにより、上述してきた実施形態と同様に、第1,第2の方向のなす変位変換角度が大きく変化される。従って、変位量拡大及び変位方向の変換を果たすことができる。
もっとも、変位素子64としては、圧電素子に限らず、他の変位素子を用いてもよい。このような他の変位素子としては、例えば感温変位素子を挙げることができる。感温変位素子としては、バイメタルまたは形状記憶合金からなる変位素子を好適に用いることができる。
感温変位素子を用いた場合、温度変化により、変位素子64が伸縮し、それによって、凸状部材61の第1,第2の面62,63のなす角度が変化する。その結果、前述した第1,第2の方向のなす変位変換角度が大きく変化し、より大きな変位量が凹状部材側で取り出され、かつ変位方向も変換されることとなる。
さらに、上記実施形態では、1つの凸状部材に1つの凹状部材が連結されていたが、図6に模式的斜視図で示すように、凸状部材に凹状部材が連結されている構造が複数直列に接続されていてもよい。すなわち、変位拡大装置71では、支持部材に固定される第1の凸状部材72に、第1の凹状部材73が連結されている。さらに、第1の凹状部材73の外側端縁に、第2の凸状部材74が連結され、該第2の凸状部材74の外側端縁に第2の凹状部材75が連結されている。このように、凸状部材と凹状部材とが連結された変位拡大装置を複数連結してもよい。その場合には、より一層大きな変位量を得ることができるとともに、図6の矢印Tで示すように、直線状の変位を得ることも可能となる。
(a)は、本発明の第1の実施形態にかかる変位拡大装置を示す略図的斜視図であり、(b)はその要部を示す側面図である。 第1の実施形態の変形例にかかる変位拡大装置の模式的斜視図である。 (a)〜(c)は、図2に示した変形例において、変位方向の変換及び拡大変位量の拡大が図れる理由を説明するための各模式図である。 (a),(b)は、本発明の第2の実施形態にかかる変位拡大装置の模式的正面断面図及び平面図である。 本発明の変位拡大装置のさらに他の変形例を説明するための模式的側面図である。 本発明の変位拡大装置のさらに他の変形例を説明するための模式的斜視図である。 従来の変位拡大装置の一例を示す模式的正面図である。
符号の説明
1…変位拡大装置
2…凸状部材
2a,2b…端縁
2c…稜線
3…凹状部材
3a…端縁
3b…稜線
4,5…第1,第2の面
6,7…第3,第4の面
8,9…圧電素子
8a,9a…圧電セラミック層
8b,9b…電極
21…変位拡大装置
22…凸状部材
22a,22b…端縁
22c…稜線
23…凹状部材
23a…端縁
23b…稜線
28…圧電素子
41…変位拡大装置
42…凸状部材
43…凹状部材
48,49…圧電素子
48a,49a…圧電セラミック層
48b,49b…電極
50,51…圧電素子
50a,51a…圧電セラミック層
50b,51b…電極
52,53…リード線
61…凸状部材
62,63…第1,第2の面
64…変位素子
71…変位拡大装置
72,74…凸状部材
73,75…凹状部材
ψ…変位変換角度

Claims (8)

  1. 第1の方向に延ばされており、該第1の方向と直交する断面の形状が凸状であり、前記第1の方向に凸状の頂点が連ねられている部分の両側に連ねられた第1,第2の面を有する凸状部材と、
    前記凸状部材の前記第1の方向における一方側の端縁に連結された端縁を有し、第1の方向とは異なる第2の方向に延ばされており、該第2の方向と直交する断面の形状が凹状であり、第2の方向に凹状の底部が連ねられている部分の両側に連ねられた第3,第4の面をさらに有する凹状部材と、
    前記第1,第2の面のなす角度及び第3,第4の面のなす角度の少なくとも一方を変化させるように、前記凸状部材及び前記凹状部材の少なくとも一方に設けられた変位手段とを備え、
    前記第1,第2の面のなす角度及び第3,第4の面のなす角度の少なくとも一方を前記変位手段により変化させることにより、前記凸状部材または前記凹状部材において生じた変位が前記凹状部材または前記凸状部材において拡大されかつ該変位の方向が変換されることを特徴とする、変位拡大装置。
  2. 前記第1,第2の面が平面であり、前記第3,第4の面が平面であり、前記凸状部材において、前記頂点が連ねられて第1の稜線が形成されており、前記凹状部材において、前記底が連ねられて第2の稜線が形成されている、請求項1に記載の変位拡大装置。
  3. 前記第1,第2の面及び前記第3,第4の面がいずれも曲面からなり、前記第1の頂点及び前記底部の近傍が丸みを帯びている、請求項1に記載の変位拡大装置。
  4. 前記変位手段が、前記凸状部材及び前記凹状部材の少なくとも一方が、少なくとも片面に積層された圧電素子である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の変位拡大装置。
  5. 前記凸状部材及び凹状部材が金属板である、請求項4に記載の変位拡大装置。
  6. 前記第1,第2の面がなす角度及び前記第3,第4の面がなす角度の内少なくとも一方の角度を変位させる変位手段が、前記第1,第2の面を連結している変位素子及び前記第3,第4の面を連結している変位素子の内の少なくとも一方の変位素子である、請求項1に記載の変位拡大装置。
  7. 前記変位素子が、圧電素子からなる、請求項6に記載の変位拡大装置。
  8. 前記変位素子が温度変化によりその長さが変動する感温変位素子である、請求項6に記載の変位拡大装置。
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