JP4984281B2 - 誤り訂正装置、受信装置、誤り訂正方法および誤り訂正プログラム - Google Patents

誤り訂正装置、受信装置、誤り訂正方法および誤り訂正プログラム Download PDF

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Description

本発明は、誤り訂正符号を用いた信号の復号を行う誤り訂正装置、誤り訂正方法および誤り訂正プログラムに関する。
デジタル信号においては、伝送時のノイズ等によって信号に混入した誤りを訂正することができる。また、誤り訂正の能力を向上する技術として、畳み込み符号、リードソロモン符号等の各種符号やインターリーブなど種々の技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−32632号公報
しかしながら、従来の技術における誤り訂正の能力には限界があり、さらなる誤り訂正の能力を向上することが望まれていた。
すなわち、誤り訂正能力を超えるノイズが混入した場合、情報系列は適切に復号されないので、情報系列が画像等の情報を示すのであればその情報が乱れるし、情報系列がプログラムなど誤りの許されない情報を示すのであれば、信号の伝送が成り立たない。さらに、ノイズ等による誤り発生率は信号の送信電力や伝送路の環境等に影響される。特に、多くの情報を高速に伝送するシステムでは、周波数選択性フェージングが発生して多くの誤りが発生し得る。また、1シンボルに多くのビットを割り当てて伝送する伝送方式では、シンボル間のユークリッド距離が短くなり、ノイズに弱くなる。
従って、低い誤り訂正能力を前提にすると、信号の伝送時に必要とされる電力が大きくなり、また、信号を伝送可能なエリアが狭くなってしまう。そこで、高画質画像の伝送や高い信頼性を確保した伝送、省電力での伝送、広範囲に渡る伝送など、高品質のサービスを提供するためには、高い誤り訂正能力が必要になる。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、高い誤り訂正能力を備えた誤り訂正技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明においては、復調手段において得られた信号の信号点とビットの値が変化する境界とのユークリッド距離を取得し、このユークリッド距離が所定の確定閾値より大きいビットは、正しい値であるとして前記復調後の信号を復号する。すなわち、変調されたデータは振幅と位相とに対応する信号点を位相空間上にプロットすると特定の位置を占める。
復調手段においては、当該特定の位置と位相空間上の既定の点(格子点等)とのユークリッド距離に基づいて復調結果を得る。例えば、前記信号点に対して最も近い位相空間上の格子点に対応づけられたビット値を復調結果とする。つまり、位相空間上の信号点に対応する復調結果は位相空間上の既定の点からのユークリッド距離に従って変化し、位相空間上ではビットの値が変化する境界が定義されている。
このような復調によって得られたビットの値は、ノイズ等の影響を受け誤りを含み得る。そこで、復号手段においては復調結果に対して復号処理を行って誤り訂正を行うが、この際に信号点と前記境界とのユークリッド距離に基づいて、従来の復号アルゴリズムによるビットの確定と別のロジックでビットの確定を行う。すなわち、予めユークリッド距離を特定する確定閾値を定義しておき、信号点と前記境界とのユークリッド距離が当該確定閾値よりも大きいビットは正しい値とみなす。
すなわち、信号点からビットの値が変化する境界までのユークリッド距離が長ければ、その信号にノイズが含まれていたとしてもそのビットの値が誤りである確率が低くなる。そこで、誤り率を低率に抑えられるような確定閾値を予め定義しておき、この確定閾値に基づいてビットの値を確定させれば、復号手段における復号アルゴリズムと無関係にビットの値を確定することができ、通常の復号アルゴリズムによる誤り訂正能力を超えた誤り訂正技術を提供することができる。
なお、復調手段においては、符号化されたデータを変調した信号を復調することができればよく、その符号の復号アルゴリズムによって訂正しきれないビットの値を、前記確定閾値によるビットの特定によって正しい値に拘束することができる限りにおいて、その符号形式は限定されない。従って、畳み込み符号やブロック符号など種々の符号によるデータを本発明の適用対象とすることができる。
さらに、本発明における復調手段は、取得した信号の振幅と位相に最も近い信号点に対応したシンボル(情報系列)を特定することができればよく、変調方式に対応した復調を行うための種々の構成を採用可能である。例えば、OFDM変調方式によって信号を送信するのであれば、既定の周波数の発振器による検波回路やガードインターバルの除去回路、フーリエ変換回路等を経てサブキャリア毎の復調を行う回路等を本発明にかかる復調手段とすればよい。
なお、1シンボルあたりに2ビット以上の情報を含む多値変調を採用する場合、復号手段においてビット毎に正しいと見なすか否かを決定する。ここで、一般には各信号点におけるビット毎に、信号点とビットの値が変化する境界とのユークリッド距離が変わるため、予め複数の確定閾値を定義しておき、各ビットに対して異なる確定閾値を適用してもよい。この構成によれば、ビット毎に誤り訂正能力を向上することができる。
さらに、復号手段においては、前記復調手段にて取得する符号化されたデータについて所定の復号アルゴリズムを適用して復号する。このとき、特定のビット(信号点とビットの値が変化する境界とのユークリッド距離が所定の確定閾値より大きいビット)については復号アルゴリズムと無関係に、復調されたビットそのままを復号結果として取得できればよい。このための構成は、種々の構成を採用可能であり、例えば、所定の復号アルゴリズムによる復号を実施する回路に対して、前記特定のビットの値は変動させないように拘束条件を課す回路を追加する構成等を採用可能である。
むろん、2重の符号化がなされたデータに対して本発明を適用しても良い。例えば、畳み込み符号とブロック符号とを含むデータを本発明の適用対象とすることもできるし、ターボ符号を本発明の適用対象とすることもでき、種々の符号を本発明の適用対象とすることができる。これらの場合、復号手段においてはこれらの符号を復号化する構成とする。また、符号化されたデータに対してインターリーブを行っても良い。むろん、この場合、デインターリーブ回路などによってインターリーブを解除するように構成する。
さらに、本発明を畳み込み符号によって符号化されたデータに適用すると、当該畳み込み符号の復号アルゴリズムで訂正できない誤りを訂正できる確率を向上することができて好ましい。すなわち、復調した情報系列とビタビアルゴリズムにおけるパスに対応した値との距離が近い情報系列が確からしいとして復号を行うことを想定すると、本発明においてユークリッド距離に基づいて決定した正しい値(前記特定のビットの値)は、ビタビアルゴリズムによる誤り訂正と無関係に決定される。従って、この畳み込み符号において、このビタビアルゴリズムのみの処理では誤りを出力してしまうビットが存在し得るとしても、その誤りを訂正できる場合がある。この結果、復号時の誤り訂正率を向上することが可能である。
また、復号を行う際に、参照しないビット(消失ビット)を設定しても良い。すなわち、信号点からビットの値が変化する境界までのユークリッド距離が短い場合、その信号に含まれるノイズによってそのビットの値が誤りである確率が高くなる。従って、あまりに前記信号点と前記境界とが近い場合には、このビットを参照しない方が良い復号結果となる場合がある。そこで、消失ビットと見なすべきユークリッド距離に対応した消失閾値を予め定義しておき、この消失閾値に基づいてビットの値を不定とすれば、誤った値に基づいて復号処理を行うことを防止することができ、結果として誤り訂正能力が向上する。
さらに、前記確定閾値を通信環境によらず固定値とするのではなく、通信環境によって変動するように構成してもよい。例えば、復調手段において信号の通信品質に対応した値を取得する通信品質取得部を備えるように構成し、この通信品質が高くなるほど前記確定閾値が小さくなるように構成する。すなわち、通信品質が高いほど、ノイズ等の影響を受けにくく、復調手段によって復調された信号の信号点と元の値に相当する点(位相空間上の格子点などであって、送信したデータに相当する点)とが近くなる。そこで、正しいと見なすビットを決定する確定閾値を小さくしても誤り訂正率は高い値となり、復号手段にて通信品質に応じた確定閾値を参照すれば、動的に変動する通信環境であってもその変動に応じて高い誤り訂正率となる誤り訂正装置を提供することができる。
消失ビットを設定するための消失閾値についても同様であり、通信品質が高くなるほど前記消失閾値が小さくなるように設定しておく。すなわち、通信品質が高いほど、ノイズ等の影響を受けにくいので、正誤不明とすべきビットを決定する消失閾値を小さくしても誤りである可能性は低く抑えることができる。この結果、正しい値であるにもかかわらず消失ビットとしてしまう範囲を少なくすることができ、動的に変動する通信環境であってもその変動に応じて高い誤り訂正率となる誤り訂正装置を提供することができる。
なお、通信品質取得部においては、キャリア毎に通信品質に対応した値を取得し、この値に基づいて通信品質を評価できればよい。通信品質に対応した値としては、種々の値を採用可能であり、例えば、パイロット信号の既定値と受信した信号に含まれるパイロット信号との差分や比等に対応したパラメータやC/N(Carrier to Noise Ratio)を示すパラメータを取得すればよい。
なお、特定の周波数、特定の時間におけるキャリアにのみパイロット信号が含まれるのであれば、このキャリアにおけるパイロット信号に基づいて他のキャリアにおける通信品質を評価することが可能である。例えば、複数のパイロット信号から特定のキャリアについて通信品質に対応した値を取得し、他のキャリアについては補間演算を行うことによって通信品質に対応した値を取得してもよく、種々の構成を採用可能である。
さらに、マルチキャリア伝送方式においては、キャリア毎に通信品質を取得し、キャリア毎に前記確定閾値と前記消失閾値とのいずれかまたは双方を決定することが好ましい。この構成によれば、キャリア毎の通信品質に対応して正しい値であるとするビットや消失ビットを決定することができ、動的に変動する通信環境であってもその変動に応じて高い誤り訂正率となる誤り訂正装置を提供することができる。
むろん、以上の装置は、受信装置等、種々の装置に対して適用することが可能であるし、上述した誤り訂正は、本願特有の手順で処理を進めていくことから、その手順を特徴とした方法の発明としても実現可能である。また、その手順をコンピュータに実現させるためのプログラムの発明としても実現可能である。むろん、誤り訂正装置、方法、プログラムは他の装置、方法、プログラムの一部として実現されていてもよいし、複数の装置、方法、プログラムの一部を組み合わせることによって実現されていてもよく、種々の態様を採用可能である。むろん、前記プログラムを記録した記録媒体として本発明を実現することも可能である。
以下、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)受信装置の構成:
(1−1)復号部の構成:
(2)復号器の動作:
(3)他の実施形態:
(1)受信装置の構成:
図1は、本発明の一実施形態にかかる誤り訂正装置を含む受信装置10を示すブロック図である。受信装置10は、アンテナ11と復調部12と復号部20とデータ処理部13とを備えており、アンテナ11を介して無線電波を受信する。以下に示す実施形態において、受信装置10はデジタル放送の受信装置であり、畳み込み符号によって符号化されたデータを、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)伝送方式によって多重した放送電波を受信する。なお、本実施形態においてこの電波の変調方式は64QAM(Quadrature Amplitude Modulation)である。
すなわち、復調部12は、アンテナ11を介してOFDM変調された放送電波を受信し、ガードインターバルの除去やフーリエ変換等を実施しながらキャリア毎にデジタル信号を復調する。このとき、復調部12は、位相空間上で、復調された信号の位相および振幅に対応した信号点にもっとも近いシンボルを特定し、このシンボルに対応した情報系列を取得する。この結果、復調部12は、前記符号化されたデータの受信結果を情報系列として出力する。
また、復調部12は、C/N測定部12aと閾値メモリ12bとを備えており、C/N測定部12aは、復調部12が復調の過程で生成する信号(本実施形態ではFFTによって生成された信号)を取得し、各キャリアにおけるC/Nに対応したパラメータを取得する。このパラメータは、復調部12にてキャリアの復調を行う際の補正等に使用されるとともに、確定ビットおよび消失ビットを特定するための閾値の選定に使用される。
本実施形態においては、各キャリアのC/Nに対応したパラメータをパイロット信号のC/Nに対応したパラメータから算出している。すなわち、パイロット信号は振幅などの波形が既知の信号であり、決められた周波数、時間毎に出力されるため、実際に受信したパイロット信号と既知の波形(基準値と呼ぶ)とを比較することによってこのパイロット信号を伝送したキャリアについてC/Nに対応したパラメータを取得することができる。
また、パイロット信号以外のデータは、当該パイロット信号に対して周波数と時間とが異なるキャリアによって伝送されるが、複数のパイロット信号に基づいて補間演算を行うことによってキャリア毎のC/Nに対応したパラメータを取得することができる。C/Nは通信品質に対応し、一般に、C/Nが良くなるにつれて誤りの発生率は小さくなるので、C/Nによって正しいと見なして良いビット(確定ビット)と正誤不明のビット(消失ビット)とが異なり得る。そこで、本実施形態においては、C/Nに対応付けられた確定閾値と消失閾値とを予め閾値メモリ12bに記録してあり、復調部12はC/Nに対応した閾値を示す情報を復号部20に受け渡す。
図2および図3は確定ビットおよび消失ビットと閾値との関係を説明するための説明図であり、図2は本実施形態における信号点とビットの値が変化する境界との関係を示す図、図3は確定閾値と消失閾値とを示す図である。図2においては、64QAMにおける振幅および位相を示す位相空間の一部を抜き出して示しており、同図2に示す例では、一方向(例えばI軸方向)に並ぶ8個の格子点(格子点間隔は”2”)を黒丸で示し、各格子点に対応したシンボル(情報系列)のうち、3桁のビット値を示している。また、以下の説明において位置や距離に関する記述はI軸上の位置であり、第1ビット〜第3ビットのそれぞれについて黒丸の下にその説明を記している。なお、各ビット値をb1〜b8と呼ぶ。
復調部12が任意の信号を復調すると、その信号に応じた信号点が位相空間上で特定される。図2においては白丸にてこの信号点の例を示している。この状況で、本実施形態における復調部12は図2に示す信号点に対応する情報系列の第1ビット〜第3ビットとして、前記白丸から最もユークリッド距離が近いビット値b6(”011”)を出力する。ところが、図2に示す信号点はノイズ等の影響を受けており、送信されたデータの第1ビット〜第3ビットがビット値b6であるか否かは定かでない。
そこで、復号部20が後述の復号アルゴリズムによって誤り訂正を行うのであるが、本実施形態においては、この復号アルゴリズムによる誤り訂正と別個に前記確定ビットおよび消失ビットを特定することで、より誤り訂正率を高めている。本実施形態においては、白丸に示す前記信号点と位相空間上でビットの値が変化する境界とのユークリッド距離を取得し、このユークリッド距離と閾値とを比較する構成を採用している。
位相空間上でビットの値が変化する境界は、信号を変調する際の振幅と位相とに対して予め割り当てられており、図2に示す例においては、各ビットの値を”1”と見なすべき領域を実線の矢印、各ビットの値を”0”と見なすべき領域を一点鎖線の矢印で示している。例えば、図2に示すビット値b1〜b4の第1ビット(図における最も左の桁)が”1”であり、ビット値b5〜b8の第1ビットが”0”である。従って、ビット値b4とビット値b5との間が第1ビットの値が変化する際の境界B1となる。
同様に、ビット値b2とビット値b3との間およびビット値b6とビット値b7との間が、第2ビットの値が変化する際の境界B2となる。さらに、ビット値b1とビット値b2との間およびビット値b3とビット値b4との間、ビット値b5とビット値b6との間およびビット値b7とビット値b8との間が第3ビットの値が変化する際の境界B3となる。
図2に示す例では、白丸に示す信号点とビット値b6に対応した格子点とのユークリッド距離は”0.2”である。この場合、図2において破線の矢印で示すように、信号点から境界B1までの最短のユークリッド距離は”3.2”、信号点から境界B2までの最短のユークリッド距離は”0.8”、信号点から境界B3までの最短のユークリッド距離は”1.2”である。
前記信号点の位置がノイズによって前記境界B1〜境界B3を超えて変動すると、信号点に対応する復調部12の出力が変動するため、信号点と境界B1〜境界B3とのユークリッド距離が短いほどノイズによってビットの値が変動しやすいことになる。従って、信号点と境界B1〜境界B3とのユークリッド距離が長いほど復調部12が出力するビットが正しい可能性が高くなる。また、信号点と境界B1〜境界B3とのユークリッド距離が短いほど復調部12が出力するビットが正しい可能性が低くなる。
そこで、本実施形態においては、予め決められた確定閾値と前記ユークリッド距離とを各ビットについて比較し、このユークリッド距離が前記確定閾値より大きいビットについては確定ビットとする。さらに、予め決められた消失閾値と前記ユークリッド距離とを各ビットについて比較し、このユークリッド距離が前記消失閾値より小さいビットについては消失ビットとする。
図3は、本実施形態における確定閾値と消失閾値との例を示しており、横軸はキャリア毎のC/N、縦軸は閾値の値(ユークリッド距離)を示している。なお、図3に示すグラフにおいて、実線が確定閾値、破線が消失閾値である。本実施形態においては、上述のように、各キャリアのC/Nに対応させてこれらの確定閾値と消失閾値とを設定するようになっており、確定閾値と消失閾値とはC/Nに対して単調減少で変化するように設定してある。
すなわち、各キャリアにおいてC/Nが大きいほど(通信品質が高いほど)ノイズの影響が少なくなり、前記信号点は図2において正しいビット値に対応する格子点に近くなる。従って、正しいとみなしてよい確定ビットを特定するために必要な前記信号点と前記境界との距離を短くすることができる。そこで、本実施形態においては、前記確定閾値をC/Nに対して単調減少になるように予め設定してある。
一方、各キャリアにおいてC/Nが小さいほど(通信品質が低いほど)ノイズの影響が多くなり、前記信号点の位置(すなわち、振幅と位相)についての信頼性は低くなる。従って、正誤が不明の消失ビットを特定するために必要な前記信号点と前記境界との距離を長くする必要がある。そこで、本実施形態においては、前記消失閾値をC/Nに対して単調減少になるように予め設定してある。
図3には、より具体的な例を示すため、図2に示す信号点と前記境界B1〜境界B3とのユークリッド距離を横軸に平行な実線で示し、各ユークリッド距離と閾値との関係を示している。ここで、一番上の直線は図2に示す第1ビットと境界B1とのユークリッド距離、上から2番目の直線は図2に示す第3ビットと境界B3とのユークリッド距離、上から3番目の直線は図2に示す第2ビットと境界B2とのユークリッド距離である。
従って、例えば、C/NがC0であるときには第2ビットが消失ビットになり、C/NがC1であるときには第1ビットが確定ビットになる。また、C/NがC2であるときには第1,第3ビットが確定ビットになり、C/NがC3であるときには第1,第2,第3ビットが確定ビットになる。確定ビットおよび消失ビット以外であれば、通常のビタビアルゴリズムによって復号を行う。
本実施形態においては、以上のように、C/Nに対して閾値が定義されているので、C/N測定部12aは各キャリアのC/Nに対応した確定閾値と消失閾値とを復号部20に受け渡し、このとき、各信号点と前記境界とのユークリッド距離も復号部20に受け渡す。復号部20は、これらの情報に基づいて確定ビットおよび消失ビットを利用した復号を実施する。
(1−1)復号部の構成:
このため、復号部20は、削減パス決定部21とブランチメトリック算出部22と生き残りパスメモリ23とACS(Add Compare Select)回路24とパスメトリック記憶部25とトレースバック部26とを備えており、削減パス決定部21は、復調部12が出力する上述のユークリッド距離と確定閾値および消失閾値とを比較し、適宜ビタビアルゴリズムを修正するため、正しいと見なすべき確定ビットと正誤不明と見なすべき消失ビットとを示すデータをACS回路24に出力する。
ブランチメトリック算出部22は、復調部12が出力する情報系列を取得し、ビタビアルゴリズムにおけるパス選択のために各状態に到達するパス毎のメトリックを算出する。すなわち、ビタビアルゴリズムは、畳み込み符号を生成する際の符号器における遅延素子の状態数に対応した状態を考え、各状態を通るパスのうち、最も確からしいパスを推定することによって符号語の復号を行うアルゴリズムである。
本実施形態においては、パスを特定する際に復調部12から出力された情報系列と各パスに対応する符号器の出力値とのハミング距離を計算し、その累計(パスメトリック)が最小になるパスを選択することによってパスを推定する。そこで、ブランチメトリック算出部22は、このパスを推定するために、各時刻における各状態に達するパス毎のメトリック(ブランチメトリック)を算出する。
図4は、ビタビアルゴリズムにおける推定を簡略化して説明するトレリス線図であり、同図においては、4つの状態(状態0〜状態3)によって符号器の状態を特定できる畳み込み符号の復号化を示している。また、同図においては、各状態を白丸で示して縦方向に並べるとともに横方向を時間軸として示している。
同図4においては時刻tn-1〜tn+2における各状態を示しており、実線は符号器への入力が”0”である場合、破線は符号器への入力が”1”である場合に対応したパスである。また、各実線および破線の脇に示す2ビットのデータは、各実線および破線のパスに対応した符号器の出力を示している。従って、パス毎にこの符号器の出力値とその時刻に対応した情報系列とを比較すれば、パス毎のブランチメトリックを算出することができる。
例えば、時刻tn-1から時刻tnの各状態に移る際の情報系列に対応するデータ(受信符号)が”11”である場合、状態0に達するパスは2つ存在し、状態0から状態0に達するパスに対応した符号器の出力値は”00”であるため、この場合のハミング距離は”2”である。従って、このパスのブランチメトリックは”2”である。また、状態2から状態0に達するパスに対応した符号器の出力値は”11”であるため、この場合のハミング距離は”0”である。従って、このパスのブランチメトリックは”0”である。なお、図4においてはこのハミング距離の値を白丸の中に示すとともにパスの脇に示している。
図4に示す例において時刻tn-1から時刻tnの各状態に移るパスは、状態0〜状態3の各状態についてそれぞれ2本ずつ存在するので、この例においては、ブランチメトリック算出部22によって8本のパスについてブランチメトリックが算出される。ACS回路24は、ブランチメトリック算出部22の出力データとパスメトリック記憶部25の記憶内容とに基づいて各状態におけるパスを選択する回路である。
すなわち、時刻tnにおいてパスメトリック記憶部25は、時刻tn-1以前のパスであって、選択し得るパス(生き残りパスと呼ぶ)についてブランチメトリックを累計した値(パスメトリック)を記憶している。従って、ACS回路24は、パスメトリック記憶部25に記憶されていた各パスについてのパスメトリックと、ブランチメトリック算出部22が出力するブランチメトリックとをパス毎に加算することによって時刻tnにおける各状態に達するパスのパスメトリックを取得することができる。
各パスのパスメトリックが得られたら、各パスのパスメトリックを比較し、各状態についてパスメトリックの小さいパスを選択することで、より確からしいパスを選択することができる。なお、各状態におけるパスのパスメトリックが同値の場合には、任意のパスを選択するなど種々の方法でパスを選択すればよい。ACS回路24はこの比較と選択を行って、選択されたパスを示すデータを生き残りパスメモリ23に出力する。
生き残りパスメモリ23は、当該生き残りパスを示す情報を記憶するメモリである。当該生き残りパスは、各状態について1つであるが、ある時刻において選択し得る状態が複数個存在する場合には各状態について1つのパスが存在し、パスは未定である。トレースバック部26は、生き残りパスメモリ23に記憶されたパスから確からしいパスを決定し、畳み込み符号の復号データを出力する回路である。本実施形態において、トレースバック部26はある時刻までのパスが一つに限定された場合にその時刻までのパスが推定されたとし、そのパスに対応した復号データを出力する。
すなわち、トレースバック部26は、生き残りパスメモリ23に記憶されている生き残りパスを逆に(負の時間方向)たどっていく。このとき、上述のACS回路24によって生き残りパスが選択されたことに起因して、ある時刻(<tn)までのパスが一つのみに限定される場合がある。そこで、この場合には、その時刻までのパスは確かであるとしてそのパスに対応した復号データを出力する。
なお、以上の例においては、時刻tn-1にて状態0〜状態3の全てを取り得ることとして説明したが、時刻tn-1までの処理によって取り得る状態が限定されているのであれば、取り得る状態からのパスのみについて検討すればよい。また、図4は簡略化した図面であり、状態数はより多数であっても良いし、各状態からのパスは2つのみに限定されないし、トレースバック処理も上述の処理に限定されることはなく、種々の手法を採用可能である。
本実施形態における復号部20は、以上の回路構成に加えて上述の削減パス決定部21を備えており、ACS回路24が当該削減パス決定部21の処理に基づいてパスを制限することによって、キャリア毎の通信品質に応じた畳み込み符号の復号を実施する。すなわち、削減パス決定部21は、正しいと見なすべき確定ビットを示すデータを出力するので、ACS回路24では、このデータに対応したパスのみを選択肢として復号を行う。また、削減パス決定部21は、正誤不明の消失ビットを示すデータを出力するので、ACS回路24では、復調されたデータをパスの選択に反映させずにこのデータに対応したビットの復号を行う。
なお、ここでは、削減パス決定部21が出力するデータに基づいて、ACS回路24がパスの選択を行うように構成すればよく、ブランチメトリック算出部22における出力と同期させ、前記確定ビットのデータに対応しないパスを削除するように構成しても良いし、このパス以外のブランチメトリックを大きくしても良く、種々の処理を実施可能である。また、前記消失ビットのデータについて復号する際には、全てのパスのブランチメトリックを同じ値(たとえば0.5)として処理するなど、種々の構成を採用可能である。
(2)復号器の動作:
いずれにしても、以上の回路によって畳み込み符号を復号化することにより、復号化における誤り訂正率を向上することができ、以下、その動作および誤り訂正の例を説明する。図5は、誤り訂正の例を示す図であり、図6は、復号部20における処理を示すフローチャートである。図5においては、状態0〜状態3のパスを時刻Tn-3〜時刻Tn+3まで示しており、正しいパスの例示を太線、誤りを含むパスの例示を細線で示している。この例において、時刻Tn-1から時刻Tn+1で実際に受信した符号は”0101”であるとし、これらの中で2番目のビット”1”は確定ビットであり、4番目のビット”1”は消失ビットであるとする。
C/N測定部12aにおいては、復調部12にて取得した信号に基づいてパイロット信号を伝送したキャリアのC/Nに対応したパラメータを取得し(ステップS100)、補間演算を行ってパイロット信号以外のデータを伝送したキャリアについてC/Nに対応したパラメータを取得する(ステップS110)。復調部12は閾値メモリ12bを参照してこのC/Nに対応した閾値を特定し(ステップS114)、さらに、予め決められた位相空間上の格子点と信号系列との対応関係から、復調した信号点とビットの値が変化する境界とのユークリッド距離を取得する(ステップS116)。また、復調部12は、各ビットについての確定閾値と消失閾値と前記ユークリッド距離とを逐次削減パス決定部21に出力する。
当該削減パス決定部21は、当該ユークリッド距離が消失閾値より小さいか否かを判別する(ステップS120)。同ステップS120にて前記ユークリッド距離が消失閾値より小さいと判別されたときには、そのビットが消失ビットであるとし、削減パス決定部21はこのビットが消失ビットであることを示すデータをACS回路24に出力する(ステップS130)。
前記ステップS120にて前記ユークリッド距離が消失閾値より小さいと判別されないとき、削減パス決定部21は、さらに、このビットについての前記ユークリッド距離が確定閾値より大きいか否かを判別する(ステップS140)。同ステップS140にて前記ユークリッド距離が確定閾値より大きいと判別されたときには、そのビットが確定ビットであるとし、削減パス決定部21はこのビットが確定ビットであることを示すデータをACS回路24に出力する(ステップS150)。
前記ステップS140にて前記ユークリッド距離が確定閾値より大きいと判別されないときには、このこのビットについては確定ビットあるいは消失ビットである旨の判定を行うことなく、通常の復号処理を行うことになる。そこで、削減パス決定部21は、以上の処理によってあるキャリアについてC/Nに基づく判別を終えると、C/Nの判別対象とすべきビットを変更して(ステップS160)、ステップS120以降の処理を繰り返す。
一方、復号部20においては、復調部12から入力される情報系列に対する復号処理を実施している。すなわち、ブランチメトリック算出部22は、復調部12から情報系列(受信符号)の入力を受け(ステップS200)、特定の時刻におけるパスのブランチメトリックを算出する(ステップS210)。例えば、時刻Tnについて処理しているときには、時刻Tn-1から時刻Tnに至るパスのブランチメトリックを算出する。なお、ここで、ブランチメトリックの算出を行う際、一般的には各パスに対応した出力値と受信符号とのハミング距離を計算するが、この受信符号に上述のステップS130にて特定した消失ビットが含まれるときには、そのビットに関するブランチメトリックの算出を行わない。
例えば、消失ビットにおいては、その時刻における全てのブランチメトリックにおいて、前記ビットからの寄与を同じ値にする。この結果、正誤不明(あるいは高確率で誤っている)のデータに基づいて復号を実施することが無く、復号結果において誤り訂正率をむやみに低くすることを防止することができる。なお、本実施形態における符号は畳み込み符号であることから、受信データに基づくブランチメトリックの算出を行わなかったときでも他の時刻におけるデータの復号に伴ってデータが正確に復号されることは充分にあり得る。
図5においてはこの例を示しており、時刻Tn〜時刻Tn+1における正しいビットが”00”であるにもかかわらず、”01”というように誤りを含む符号を受信した場合を示している。通常の復号であれば、状態0〜状態0に至るパスに対応するブランチメトリックが”1”、状態0〜状態1に至るパスに対応するブランチメトリックが”1”であるため、いずれのパスも選択される可能性がある。
しかし、この例においては、前記ビット”01”のうち後者のビットが消失ビットであるため、状態0〜状態0に至るパスに対応するブランチメトリックが”0.5”、状態0〜状態1に至るパスに対応するブランチメトリックが”1.5”である。従って、この処理を行うことにより、状態0〜状態0に至る正しいパスが選択される。この結果、誤り訂正率が向上する。
ブランチメトリック算出部22がブランチメトリックを算出すると、その値を示すデータがACS回路24に出力され、ACS回路24はそれ以前の時刻のパスメトリックとステップS210にて算出したブランチメトリックとを加算する(ステップS220)。例えば、時刻Tnが処理対象であるとき、時刻Tn-1までのパスメトリックと時刻Tn-1から時刻Tnまでのブランチメトリックとを加算する。そして、当該ACS回路24は、各状態において選択肢とされ得るパスを生き残りパスとするための処理を行う(ステップS230)。
なお、ここで、生き残りパスを選択する際、一般的には各パスのパスメトリックを比較し、各状態についてパスメトリックの小さいパスを選択するが、処理対象となっている受信符号が、上述のステップS150にて特定した確定ビットに相当するときには、パスの選択肢を制限した後にパスの選択を行う。すなわち、確定ビットについてはその値が確定済みであるとし、この値に対応したパスのみを選択肢とし、その他のパスは削除される。
例えば、図5に示す例において、時刻Tn-1から時刻Tまでのパスは、通常は状態数の2倍の8本である(図4参照)。しかし、上述のように、受信符号が”01”であり、後者のビット”1”が確定ビットであるとき、時刻Tn-1にて状態2を通るパスは、状態2〜状態0に至るパスに確定される。従って、図5に示す例のように受信符号”01”のうち、ビット”0”が誤りであったとしても、正しいパスが選択肢となる。
この処理のため、ACS回路24は各状態におけるパスを選択する際に前記確定ビットに対応したパスを示すデータのみを出力し、他のパスを示すデータは出力しない。この結果、ステップS230の終了時点で、生き残りパスメモリ23に時刻Tn-1から時刻Tまでのパスとして正しいパスである確率が極めて高いパスのみ記録されていることになる。トレースバック部26は、生き残りパスメモリ23を参照して上述のトレースバック処理を実施し、生き残りパスが1本になっている場合にはその生き残りパスに対応した復号データを出力するし、生き残りパスが1本になっていない場合には、上述のステップS200以降の処理を繰り返すことになる(ステップS240,S250)。
トレースバック部26によって出力されたデータはデータ処理部13に入力され、所定の処理が実施される。ここでは、復号化されたデータを利用したあらゆるデータ処理を想定することができ、例えば、受信装置10がデジタル放送映像の視聴装置の場合であれば、復号化されたデータに基づいて画面上に画像を表示するためのデータ処理を行い、図示しない表示画面に当該画像を表示する。むろん、受信装置10はデジタル放送映像の視聴装置に限定されず、デジタル放送映像の記録装置や携帯端末など、各種の装置が本発明の受信装置10となり得る。
以上のように、本実施形態では、C/Nに基づいて確定閾値を決定して確定ビットを決定しているので、ビタビアルゴリズムによる復号化に際して、パスの選択肢を限定することができ、しかもその選択肢に対応したデータが正しい可能性は極めて高い。従って、確定ビットを特定しない場合と比較して、復号によって正しい結果が得られる可能性は極めて高くなる。また、消失ビットによって誤りの確率が高いビットに基づく復号を行わないため、復号によって正しい結果が得られる可能性が高くなる。以上のように、本発明においては、誤り訂正能力を向上することができる。従って、特定の電力で電波を送信しているときにサービスの提供を受けられるエリアを広くすることができる。また、サービスエリアの広さが一定であることを前提にする場合は、電波の送信に必要とされる電力を小さくすることができる。
(3)他の実施形態:
上述の実施形態は本発明の一実施形態であり、本発明の実施形態は前記の実施形態に限定されない。すなわち、信号点とビットの値が変化する境界とのユークリッド距離に基づいて確定ビットおよび消失ビットを特定することができる限りにおいて、種々の構成を採用可能である。例えば、符号化データに対してインターリーブを行ってデータを送信する構成に本発明を適用しても良い。
さらに、本発明において受信するデータは2つ以上の符号によって符号化されていてもよい。例えば、デジタル放送の放送電波においては、ブロック符号(リードソロモン符号)と畳み込み符号との2つの符号によって符号化されたデータを送信するので、この電波を受信する際に信号点とビットの値が変化する境界とのユークリッド距離に基づいて確定ビットおよび消失ビットを特定し、畳み込み符号あるいはブロック符号の復号に際して当該正しいと見なしたビットの値を反映した復号を行う構成とすることもできる。また、トレリス符号化変調がなされた信号を扱う機器に対して本発明を適用することも可能である。
さらに、上述の実施形態はデジタル放送の受信装置であったが、本発明は信号点とビットの値が変化する境界とのユークリッド距離を定義することが可能なあらゆる装置に適用することができる。例えば、信号はデジタル放送の信号に限らず、無線通信の信号であっても良いし、有線の信号など、無線放送以外の送信信号を受信する受信装置であってもよい。また、符号化されたデータを記録するハードディスクドライブやリムーバブル記録装置であっても良い。
さらに、上述の実施形態においては、各回路をLSIによって構成しており、高速性やリアルタイム性が要求される場合に好ましい実施形態となっていた。しかし、高速性やリアルタイム性が要求されないのであれば、汎用的なプロセッサによる処理で上述の処理を実施することとしても良い。
さらに、トレースバック部26においては、トレースバック処理によって生き残りパスが1本になった時点で逐次復号データを出力していたが、むろん、情報系列の全てについての生き残りパスの選択が終了した後に一括してトレースバック処理を行っても良い。また、トレースバック処理に限られず、他の部分の処理としても種々の処理手順を採用可能である。例えば、ブランチメトリック算出部22においてはハミング距離によってメトリックを計算していたが、ブランチメトリックは通信路の性質に応じて決定することが可能であり、ある状態から他の状態に到達する際の条件付き確率、例えば、ユークリッド距離の自乗値等を計算することとしても良い。
また、上述の実施形態は、ブランチメトリックやパスメトリックを整数値のハミング距離によって算出する硬判定を採用していたが、本発明を軟判定の復号に適用してもよい。例えば、シンボルに対応した振幅および位相とパスのユークリッド距離によってブランチメトリックやパスメトリックを算出する構成を採用可能である。さらに、上述のトレリス線図においては、各状態から他の状態に達する2本のパスが存在したが、むろん、各状態に対応するパスの数は2本に限られず、より多数のパスを考えても良い。
さらに、本発明による処理に付随して他の処理を行うことも可能である。例えば、復調部12にてパイロット信号を平均化する際に、パイロット信号に基づいて伝送路の特性変化を推定し、伝送路の特性変化が大きいときには平均化処理を行わなずにAFC等の補正処理を行い、伝送路の特性変化が小さいときには平均化処理を行って当該補正処理を行う構成を採用可能である。この構成によれば、伝送路の特性が安定している場合にノイズの影響を効果的に軽減し、伝送路の特性が安定していない場合にはその特性変化に追従した補正処理を行うことができる。
さらに、上述のように確定閾値と消失閾値とをC/Nに依存する構成とする他、C/Nに依存させず既定値とする構成を採用しても良い。また、位相空間上に定義された既定の位置(既定の位相と振幅に対応した位置:格子点等)毎にノイズを受けやすいビットが異なるため、復調部12にて復調された情報系列のビット毎に確定閾値と消失閾値とが定義されていても良い。
さらに、上記実施形態において変調方式は64QAMであったが、むろん、BPSK,QPSKなど他の変調方式に本発明を適用しても良い。図7は、BPSKにおける位相空間を示しており、異なる信号点について2つの例を示している。すなわち、この例においては、ビット値に相当する格子点はビット値”0”,”1”のそれぞれに対応した位相および振幅であり、左右に示す例のそれぞれにおいて、復調によって白丸に示す信号点が得られたとする。
この場合、双方とも復調部12の出力はビット値”1”になるものの、右側の例の方が信号点とビットの値が変化する境界とのユークリッド距離が長い。従って、右側の例の方が正しい可能性が高く、この場合においても、信号点とビットの値が変化する境界とのユークリッド距離について予め確定閾値を定義しておき、当該ユークリッド距離がこの確定閾値を超える場合にそのビットを確定ビットとすれば、復号に際しての誤り訂正率を向上することができる。むろん、信号点とビットの値が変化する境界とのユークリッド距離について消失閾値を定義しておいても良い。
本発明の一実施形態に係る誤り訂正装置を示すブロック図である。 位相空間上の信号点とビットの値が変化する境界とを示す図である。 確定閾値と消失閾値との例を示す図である。 トレリス線図である。 復号化の例を示す図である。 復号化を示すフローチャートである。 位相空間上の信号点とビットの値が変化する境界とを示す図である。
符号の説明
10…受信装置
11…アンテナ
12…復調部
12a…C/N測定部
12b…閾値メモリ
13…データ処理部
20…復号部
21…削減パス決定部
22…ブランチメトリック算出部
23…生き残りパスメモリ
24…ACS回路
25…パスメトリック記憶部
26…トレースバック部

Claims (9)

  1. 畳み込み符号により符号化されたデータを変調した信号を取得して復調する復調手段と、
    前記信号の信号点とビットの値が変化する境界との最短のユークリッド距離が所定の確定閾値より大きいビットを確定ビットとするとともに、
    復調されたシンボルが含む各ビットの値とのハミング距離を小さくさせるパスの選択を行って畳み込み符号を復号するビタビ復号部によるパスの選択に際して、前記確定ビットの値に対応するパスを選択する復号手段とを備えることを特徴とする誤り訂正装置。
  2. 前記符号化されたデータは1シンボルあたりに2ビット以上の情報が含まれる変調方式で変調した信号であり、
    前記復号手段は、各ビットに対して異なる前記確定閾値を適用することを特徴とする請求項1に記載の誤り訂正装置。
  3. 前記復調手段は、取得した信号の通信品質に対応した値を取得する通信品質取得部を備え、
    前記確定閾値は、前記通信品質が高くなるほど小さくなるように設定されており、
    前記復号手段は、前記通信品質が高くなるほど小さくなるように設定された前記確定閾値を参照して前記確定ビットを特定することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の誤り訂正装置。
  4. 前記復号手段は、前記信号の信号点とビットの値が変化する境界との最短のユークリッド距離が所定の消失閾値より小さいビットである消失ビットは復号に利用しないことを特徴とする請求項3に記載の誤り訂正装置。




  5. 前記消失閾値は、前記通信品質が高くなるほど小さくなるように設定されており、
    前記復号手段は、前記通信品質が高くなるほど小さくなるように設定された前記消失閾値を参照して前記消失ビットを特定することを特徴とする請求項4に記載の誤り訂正装置。
  6. 前記符号化されたデータは、マルチキャリア伝送方式で送信され、
    前記通信品質取得部は、キャリア毎の通信品質に対応した値を取得し、
    前記復号手段は、キャリア毎に前記確定ビット前記消失ビットとのいずれかまたは双方を決定することを特徴とする請求項4または請求項5のいずれかに記載の誤り訂正装置。
  7. 前記請求項1〜請求項6のいずれかに記載の誤り訂正装置を備えた無線信号の受信装置。
  8. 畳み込み符号により符号化されたデータを変調した信号を取得して復調する復調工程と、
    前記信号の信号点とビットの値が変化する境界との最短のユークリッド距離が所定の確定閾値より大きいビットを確定ビットとするとともに、
    復調されたシンボルが含む各ビットの値とのハミング距離を小さくさせるパスの選択を行って畳み込み符号を復号するビタビ復号部によるパスの選択に際して、前記確定ビットの値に対応するパスを選択する復号工程とを含むことを特徴とする誤り訂正方法。
  9. 畳み込み符号により符号化されたデータを変調した信号を取得して復調する復調機能と、
    前記信号の信号点とビットの値が変化する境界との最短のユークリッド距離が所定の確定閾値より大きいビットを確定ビットとするとともに、
    復調されたシンボルが含む各ビットの値とのハミング距離を小さくさせるパスの選択を行って畳み込み符号を復号するビタビ復号部によるパスの選択に際して、前記確定ビットの値に対応するパスを選択する復号機能とをコンピュータに実現させることを特徴とする誤り訂正プログラム。
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