JP4983586B2 - 弾性表面波角速度センサ - Google Patents

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Description

本発明は、弾性表面波を用いて摂動錘を駆動振動させ、この摂動錘に対して加えられる加速度の検出を行う弾性表面波角速度センサ(以下、単に角速度センサという)に関するものである。
従来、特許文献1、2において、弾性表面波を用いて角速度の検出を行う角速度センサが提案されている。特許文献1、2に記載されている角速度センサは、共に、同一原理に基づいて角速度を検出するものであり、センサを構成するデバイスの構造としては、圧電単結晶基板上に金属配線で形成された駆動用の櫛歯電極、検出用の櫛歯電極、反射器および複数の摂動錘を備えたものを採用している。
図9は、特許文献1に記載された角速度センサのレイアウト図である。この図に示すように、略正方形に整列配置された複数の摂動錘J1を中心として、複数の摂動錘J1により形成される正方形の一辺と対向するように駆動用の櫛歯電極J2が配置され、さらに、その駆動用の櫛歯電極J2および複数の摂動錘J1を挟むように両側に反射器J3、J4が配置されている。つまり、複数の摂動錘J1により形成される正方形の相対する二辺と対向するように駆動用の櫛歯電極J2および反射器J3、J4が配置されることで、駆動用の櫛歯電極J2および反射器J3、J4からなる1つの弾性表面波デバイスが図9中のx軸方向に並べられ、そのデバイスの伝播路上に複数の摂動錘J1が配置された構成となっている。
また、複数の摂動錘J1により形成される正方形の相対する他の二辺と対向するように検出用の櫛歯電極J5、J6が設けられると共に、その検出用の櫛歯電極J5、J6および複数の摂動錘J1を挟むように両側に反射器J7、J8が配置されることで、検出用の櫛歯電極J5、J6および反射器J7、J8からなるもう1つの弾性表面波デバイスが図9中のy軸方向に並べられ、そのデバイスの伝播路上に摂動錘J1が配置された構成となっている。
このように構成される角速度センサは、以下のように作動する。図10に、角速度センサの駆動用の櫛歯電極J2による定在波の振動分布と摂動錘J1との関係とその角速度センサに発生するコリオリ力の説明図を示し、この図を参照して説明する。
駆動用の櫛歯電極J2に交流電圧を印加し、その駆動用の櫛歯電極J2のピッチで決まる共振周波数、たとえば10MHz〜数百MHzの信号で駆動すると、弾性表面波が励起される。このとき、弾性表面波が反射器J3、J4で閉じ込められるため、弾性表面波の励振効率が向上していく。また、反射器J3、J4により、駆動用の櫛歯電極J2と反射器J4の間にある伝播路に定在波が生成される。
そして、複数の摂動錘J1のピッチが定在波の波長に合わせられており、各摂動錘J1それぞれが定在波の腹の部分に位置するようにパターニングされているため、摂動錘J1が定在波の最大振幅位置で振動する。なお、「定在波の腹」とは、基板面に垂直方向の振動成分が最大となる場所のことを意味している。
このとき、対角線上において隣接している各摂動錘J1が定在波の振幅の上下逆位相となる位置に配置されているため、図10に示すように、摂動錘J11〜J14と摂動錘J15は逆位相振動する。
このような状態において、図中で、x方向の回りに回転(角速度)Ωxが加わった場合、摂動錘J1に振動速度に比例したコリオリ力による加速度a=2v×Ωがy方向に加わる。vとΩxはベクトル量であるから、摂動錘J11〜J14と摂動錘J15に作用する力は逆位相となる。
また、コリオリ力によるそれぞれの摂動錘J11〜J15で生じる加振力は、駆動定在波(x方向)とは直行する向き(y方向)に弾性波を励振することとなる。これらの摂動錘J11〜J15において駆動される弾性波は、摂動錘J1(たとえば、摂動錘J11とJ12)がy方向に対し波長の整数倍で配置されるため、検出用の櫛歯電極J5、J6の空間に弾性波動が励振される。そして、検出用の櫛歯電極J5、J6と対向するように反射器J7、J8が設置されているため、コリオリ力によって励振された波によって定在波が励振される。この定在波の強さがコリオリ力に比例しているため、検出用の櫛歯電極J5、J6で電圧または電荷を計測することにより、回転角速度を計測することが可能となる。
特開平8−334330号公報 米国特許第6516665号明細書
上記特許文献1、2に記載された角速度センサでは、センサ製造プロセスのバラツキによる電極線幅のの変化や角速度センサが使用される環境温度の変化により、基板の音速や歪み(応力)が変化することで定在波の腹の位置が摂動錘の中心からずれ、感度が低下するという問題がある。具体的には、図4に示す伝搬路中の定在波の模式図に示したように、本来の腹の位置である図中(1)の場所から図中(2)、(3)のように移動する。そして、上述したように、摂動錘は、定在波の腹になると想定される位置に形成されているため、定在波の腹の位置がずれると、摂動錘の中心からずれてしまう。
本発明は、上記問題に鑑みて、摂動錘の中心と定在波の腹の位置とを一致させることができる角速度センサを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、半導体基板(2)と、半導体基板(2)の上に形成された圧電膜(5)と、圧電膜(5)の上に形成され、駆動電圧が印加されることで圧電膜(5)に対して弾性表面波を発生させる駆動電極(7〜10)と、圧電膜(5)の上において、駆動電極(7〜10)の両側を挟み込むように配置され、駆動電極(7〜10)に対して駆動電圧を印加したときに発生させられる弾性表面波を定在波とする反射器(11、12)と、定在波が形成される領域に配置され、該定在波により半導体基板(2)の垂直方向に振動させられる摂動錘(6)と、圧電膜(5)の上に形成され、摂動錘(6)に対して角速度が印加されたときに発生するコリオリ力に基づく弾性波を検出する検出器(13〜16)と、圧電膜(5)の上うち摂動錘(6)と駆動電極(7〜10)との間に備えられた、定在波の腹の位置を調整するための調整電圧が印加される調整用電極(17、18)と、を有していることを特徴としている。
このように、駆動電極(7〜10)および摂動錘(6)の間に調整用電極(17、18)を配置している。このため、調整用電極(17、18)に対して調整電圧を印加することにより、定在波の腹の位置を調整し、定在波の腹の位置を摂動錘(6)の中心位置とを一致させることが可能となる。これにより、角速度センサの感度低下を防止することが可能となる。
請求項2に記載の発明では、半導体基板(2)と圧電膜(5)との間には下部電極(4)が配置され、駆動電極(7〜10)に対して駆動電圧を印加することにより駆動電極(7〜10)と下部電極(4)との間に電位差を発生させ、弾性表面波を発生させることを特徴としている。
このように、半導体基板(2)と圧電膜(5)との間に下部電極(4)を配置することにより、駆動電極(7〜10)または調整用電極(17、18)と下部電極(4)との間に強い電界を生じさせることが可能となるため、より振動を大きくすることが可能となる。
請求項3に記載の発明では、圧電材料を含む圧電基板(30)と、圧電基板(30)の上に、駆動電圧が印加されることで圧電基板(30)の表面に弾性表面波を発生させる駆動電極(7〜10)と、圧電基板(30)の上において、駆動電極(7〜10)の両側を挟み込むように配置され、駆動電極(7〜10)に対して駆動電圧を印加したときに発生させられる弾性表面波を定在波とする反射器(11、12)と、定在波が形成される領域に配置され、該定在波により半導体基板(2)の垂直方向に振動させられる摂動錘(6)と、圧電基板(30)の上に形成され、摂動錘(6)に対して角速度が印加されたときに発生するコリオリ力に基づく弾性波を検出する検出器(13〜16)と、圧電基板(30)の上うち摂動錘(6)と駆動電極(7〜10)との間に備えられた、定在波の腹の位置を調整するための調整電圧が印加される調整用電極(17、18)と、を有していることを特徴としている。
このように、請求項1に示したような半導体基板(2)に代えて圧電基板(30)を用いることもできる。このような構造としても、請求項1と同様の効果を得ることが可能である。
また、このような構成とする場合にも、請求項4に示すように、圧電基板(30)の裏面に下部電極(4)を配置することで、請求項2と同様の効果を得ることが可能となる。
請求項5に記載の発明では、調整用電極(17、18)は、互いに対向する2つの電極(17a、17b、18a、18b)を有して構成され、2つの電極(17a、17b、18a、18b)が対向配置されていると共に、該2つの電極(17a、17b、18a、18b)に異なる電圧が印加されるように構成されていることを特徴としている。
このように、調整用電極(17、18)を互いに対向する2つの電極(17a、17b、18a、18b)にて構成することも可能である。
請求項6に記載の発明では、調整用電極(17、18)は、互いに対向する3つの電極を有して構成され、3つの電極が対向配置されていると共に、該3つの電極のうちの1つを接地し、残る2つの電極に対して異なる電圧が印加されるように構成されていることを特徴としている。
このように、圧電基板(30)を用いる場合には、調整用電極(17、18)を互いに対向する3つの電極にて構成し、3つの電極のうちの1つを接地し、残る2つの電極に対して異なる電圧が印加されるようにすることもできる。
このような調整用電極(17、18)は、請求項7に示すように、弾性表面波の伝搬方向における幅が等しくされているのが好ましい。
また、請求項8に示すように、駆動電極(7〜10)が互いに対向配置された櫛歯状の櫛歯電極(7a〜10a)を備えた構成とする場合、調整用電極(17、18)を櫛歯電極(7a〜10a)と平行に配置すると好ましい。この場合、請求項9に示すように、調整用電極(17、18)を互いに対向配置された櫛歯電極(7a〜10a)の対向している交差指幅と同じもしくはそれよりも長くなるようにすると良い。
さらに、請求項10に示すように、駆動電極(7〜10)を摂動錘(6)の両側に配置する場合、調整用電極(17、18)も、摂動錘(6)の両側に配置することができる。
このような角速度センサでは、請求項11に記載したように、駆動電極(7〜10)に対して駆動電圧を印加している状態において、調整用電極(17、18)に対して印加する調整電圧を調整し、検出器(13〜16)にて検出されるコリオリ力に基づく弾性波の振幅が最も大きいときの調整電圧に設定すれば、定在波の腹の位置を摂動錘(6)の中心位置と一致させられる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態の角速度センサ1を示したものであり、図1(a)は、角速度センサ1の斜視図であり、図1(b)は、図1(a)におけるA−A断面図である。
図1(b)に示すように、角速度センサ1は、例えば半導体基板であるシリコン基板2を用いて形成されている。シリコン基板2の板厚は例えば400μm以上とされ、このシリコン基板2上にセンサ部が形成されることにより角速度センサ1が構成されている。
シリコン基板2の表面全面に、絶縁膜として例えば1μm以下の膜厚のシリコン酸化膜3が形成され、このシリコン酸化膜3の表面に、例えば数百nm程度の膜厚の下部電極4が形成されている。この下部電極4は、不純物がドーピングされたPoly−Si、Al系材料、Ti系材料、W系材料、Mo系材料のいずれかの金属もしくはそれを含む合金によって構成されるが、下部電極4を不純物がドーピングされたPoly−Si、Al、Ti、Al−Si−Cu等で形成すれば、角速度センサ1の製造を半導体プロセスにて行う場合に、下部電極4の形成時の金属汚染を防止することができる。
下部電極4の表面全面に、例えば数μm程度の膜厚の圧電膜5が形成されている。圧電膜5を例えば圧電体であるAlN、ZnO等により構成することができ、圧電体の中でも強誘電体に属するPZT:Pb(ZrTi)O3、PT:PbTiO3等により構成することもできるが、圧電膜5をAlNにより構成した場合には、角速度センサ1と同チップ中にCMOSなどの他の素子を形成したとしても、金属汚染の要因とならないようにできる。
そして、圧電膜5の表面に、摂動錘6、定在波を発生させるための励振用の櫛歯電極(以下、励振用IDTという)7〜10、反射器11、12、検出器としての役割を果たす検出用IDT13〜16、さらには調整用電極17、18が備えられた構成とされている。
これら摂動錘6、励振用IDT7〜10、反射器11、12、検出用IDT13〜16および調整用電極17、18も、不純物がドーピングされたPoly−Si、Al、Ti、Au、Pt、W、Ru等の金属またはそれを含む合金、たとえばAl−Si−Cu、Al−Cu、TiW等の合金によって構成されており、例えば数百nm〜数μm程度の厚さとされている。これらを不純物がドーピングされたPoly−Si、Al、Ti、Al−Si−Cu等で形成すれば、角速度センサ1の製造を半導体プロセスにて行う場合に、摂動錘6の形成時の金属汚染を防止することができ、摂動錘6をAu、Pt、W、Ru等で形成すれば、質量を重くすることが可能となる。
摂動錘6は、図1(a)に示すように、例えば四角形(例えば正方形)で構成され、複数個備えられている。そして、複数個の摂動錘6が千鳥状に配置されることで、その外縁形状が略正方形とされている。具体的には、複数の摂動錘6は、これら複数の摂動錘6が構成する略正方形の相対する二辺(具体的には図中Y軸方向)と平行な複数列に並べられ、例えば各列が励振用IDT7により生成される定在波の腹の位置となるように、例えば各列の間隔が定在波の波長λと同じもしくはその半分となるように設定されている。
励振用IDT7〜10は、複数の摂動錘6が構成する略正方形の相対する二辺(具体的には紙面左右の二辺)と対向するように配置され、複数の摂動錘6の両側に1組ずつ配置されている。具体的には、励振用IDT7と励振用IDT8を組として、この組が摂動錘6に対して紙面左側に配置されている。また、励振用IDT9と励振用IDT10を組として、この組が摂動錘6に対して紙面右側に配置されている。これら励振用IDT7〜10には、例えばボンディングワイヤなどにより構成される駆動電圧印加ライン(図示せず)を通じて、駆動電源から駆動電圧が印加されるようになっており、下部電極4との間に電位差を発生させることで、励振用IDT7〜10を図1(a)、(b)のz軸方向(つまり基板垂直方向)に振動させられるようになっている。
励振用IDT7、8は、これらが一対となって一組の駆動電極を構成するものである。これら励振用IDT7、8は、共に、摂動錘6のうちy軸と平行な一辺と対向する複数の櫛歯部7a、8aと、これら複数の櫛歯部7a、8aを連結する連結部7b、8bを有して構成されている。この励振用IDT7、8は、互いの櫛歯部7a、8aが等間隔に一本ずつ交互に、つまり互いの櫛歯部7a、8aが噛み合うように配置されることで、各櫛歯部7a、8aが1本ずつ対向配置されている。そして、各連結部7b、8bが櫛歯部7a、8aを挟んで反対側に配置され、連結部7bが各櫛歯部7aの紙面上方側の端部と接続され、連結部8bが各櫛歯部8aの紙面下方側の端部と接続されている。
一方、励振用IDT9、10も同様であり、これらが一対となって一組の駆動電極を構成している。これら励振用IDT9、10は、共に、摂動錘6のうちy軸と平行な他の一辺(つまり励振用IDT7、8が配置される側とは反対側の一辺)と対向する複数の櫛歯部9a、10aと、これら複数の櫛歯部9a、10aを連結する連結部9b、10bを有して構成されている。この励振用IDT9、10は、互いの櫛歯部9a、10aが等間隔に一本ずつ交互に、つまり互いの櫛歯部9a、10aが噛み合うように配置されることで、各櫛歯部9a、10aが1本ずつ対向配置されている。そして、各連結部9b、10bが櫛歯部9a、10aを挟んで反対側に配置され、連結部9bが各櫛歯部9aの紙面上方側の端部と接続され、連結部10bが各櫛歯部10aの紙面下方側の端部と接続されている。
反射器11、12は、それぞれ、複数の摂動錘6および励振用IDT7〜10を挟んだ両側に配置されている。これら反射器11、12は、励振用IDT7〜10における櫛歯部7a〜10aと対向するように図1中のy軸方向に沿って延設されている。
検出用IDT13、14は、これらが一対となって一組の検出器(第1検出器)を構成するものである。これら検出用IDT13、14は、共に、摂動錘6のうちx軸と平行な一辺と対向する複数の櫛歯部13a、14aと、これら複数の櫛歯部13a、14aを連結する連結部13b、14bを有して構成されている。この検出用IDT13、14は、互いの櫛歯部13a、14aが等間隔に一本ずつ交互に、つまり互いの櫛歯部13a、14aが噛み合うように配置されることで、各櫛歯部13a、14aが1本ずつ対向配置されている。そして、各連結部13b、14bが櫛歯部13a、14aを挟んで反対側に配置され、連結部13bが各櫛歯部13aの紙面左側の端部と接続され、連結部14bが各櫛歯部14aの紙面右側の端部と接続されている。
一方、検出用IDT15、16も同様であり、これらが一対となって一組の検出器(第2検出器)を構成する。これら検出用IDT15、16は、共に、摂動錘6のうちx軸と平行な他の一辺(つまり検出用IDT13、14が配置される側とは反対側の一辺)と対向する複数の櫛歯部15a、16と、これら複数の櫛歯部15a、16aを連結する連結部15b、16bを有して構成されている。この検出用IDT15、16は、互いの櫛歯部15a、16aが等間隔に一本ずつ交互に、つまり互いの櫛歯部15a、16aが噛み合うように配置されることで、各櫛歯部15a、16aが1本ずつ対向配置されている。そして、各連結部15b、16bが櫛歯部15a、16aを挟んで反対側に配置され、連結部15bが各櫛歯部15aの紙面右側の端部と接続され、連結部16bが各櫛歯部16aの紙面左側の端部と接続されている。
これら検出用IDT13、14と検出用IDT15、16の差動信号が角速度センサ1のセンサ出力として用いられる。
さらに、調整用電極17、18は、励振用IDT7、8と励振用IDT9、10の間、つまり共振により定在波が形成される共振器部分に備えられている。具体的には、調整用電極17、18は、それぞれ励振用IDT7、8および摂動錘6の間と励振用IDT9、10および摂動錘6の間に配置されている。各調整用電極17、18は長方形状とされ、その長手方向は、励振用IDT7〜10における櫛歯部7a〜10aの長手方向と同方向とされ、各調整用電極17、18が櫛歯部7a〜10aと平行に配置されている。また、各調整用電極17、18の長手方向の長さは、櫛歯部7aと櫛歯部8aが対向する交差指幅や櫛歯部9aと櫛歯部10aが対向する交差指幅と同じもしくはそれ以上とされている。このように構成される各調整用電極17、18には調整電圧が印加できるように図示しない配線などが接続されており、調整電圧の印加により定在波の腹の位置が調整できるようになっている。
このようなセンサ部を有した構造により、本実施形態の角速度センサ1が構成されている。
続いて、本実施形態の角速度センサ1の作動について説明する。図2は、本実施形態の角速度センサ1に対して角速度が印加された場合の摂動錘6などの様子を示した拡大模式図である。
本実施形態の角速度センサ1におけるセンサ部の駆動は、励振用IDT7〜10に対して駆動電圧を印加することにより行う。例えば、励振用IDT7、9に対して+B[V]、励振用IDT8、10に対して−Bというように、励振用IDT7、9と励振用IDT8、10に対してB[V]の振幅の交流電圧の位相を半周期ずらして印加する。このとき、必要に応じて下部電極4をGNDに接続する。これにより、励振用IDT7〜10と下部電極4との間に電位差が発生させられ、これら励振用IDT7〜10と下部電極4の間に電界が発生して、励振用IDT7〜10がz軸方向に振動し、x軸方向に弾性表面波が生成される。
弾性表面波を効率よく生成できる交流電圧の周期(共振周波数)は、主に励振用IDT7〜10の間隔や圧電膜5の物性、半導体基板(ここではシリコン基板2)の物性により決まる。このため、これらに基づいて交流電圧の周期を例えば数MHz〜数百MHzに調整することで、弾性表面波を励起することができる。
このとき、通常、伝搬路には進行波が励起されるが、励振用IDT9、10または反射器11、12により表面弾性波が伝搬路中に閉じ込められ、伝搬路に定在波が生成される。この定在波の腹の位置に複数の摂動錘6の各列が配置されているため、定在波の振幅を大きくすることができる。そして、この定在波が摂動錘6にて散乱されるため、散乱した波(以下、散乱波という)とx軸を回転軸とする角速度Ωが加わった時に発生するコリオリ力により生成された表面波(以下、コリオリ波という)が検出用IDT13〜16に入力される。図3(a)は、検出用IDT13、14に入力される散乱波およびコリオリ波であり、図3(b)は、検出用IDT15、16に入力される散乱波およびコリオリ波である。また、図3(c)は、検出用IDT13、14と検出用IDT15、16の差動信号である。これらの図に示されるように、検出用IDT13、14と検出用IDT15、16それぞれには、同じ位相の散乱波が入力され、コリオリ波は散乱波に対して+π/2または−π/2位相がずれる。そして、検出用IDT13、14と検出用IDT15、16に対してコリオリ波だけでなく散乱波が入力されることになるが、これらの差動信号を得ることにより、散乱波を相殺してコリオリ波だけを振幅が2倍とした状態で得ることが可能となる。
具体的には、x軸を回転軸とする角速度Ωが加わった場合、1つの摂動錘6の質量をm、摂動錘6の振動速度をv、摂動錘6の振幅をr、共振周波数をω(=2πf)とすると、摂動錘6に対してy軸方向にコリオリ力F=2mvΩが働く。なお、v=rω、ω=2πfである。
また、定在波の振動は駆動電圧の周波数と同じ周期の振動となる。このため、コリオリ力Fは、y軸の+方向と−方向に周期的に振動する。このコリオリ力Fにより、複数の摂動錘6を挟んでy軸方向両側に配置された検出用IDT13〜16の方向にコリオリ波が励起される。そのコリオリ波の振動振幅を検出用IDT13〜16の差動信号(電圧または電荷)に変換することで角速度を測定することが可能となる。
このような角速度の測定を実施するに際し、上述したように励振用IDT7〜10への駆動電圧の印加によって発生させる定在波の腹の位置が所望の位置からずれることがある。このため、本実施形態では、調整用電極17、18に対して調整電圧を印加することにより、腹の位置のズレを調整し、腹の位置が所望の位置を一致させる。この原理について説明する。
図4は、伝搬路上に発生する任意の時間における定在波の振動を示したグラフである。この図中、X軸は伝搬路方向、Y軸はZ方向、すなわち面外方向を示している。
通常、X軸と定在波を描いた曲線の交わる位置が節、極大極小値が腹となる。図中実線(1)は腹の位置が所望の位置と一致しているときの定在波を描いたものであるが、この実線(1)における極大極小値となる場所に摂動錘6の中心が位置している。そして、図中破線(2)、(3)は製造プロセスのバラツキや角速度センサ1を使用する環境温度変化等の要因によって定在波の腹の位置が所望の位置からずれたときの定在波を描いたものであり、実線(1)に対して節や腹の位置がずれてしまう。
しかしながら、上述したように調整用電極17、18に調整電圧(DC電圧)を印加することにより、調整用電極17、18と下部電極4との間に電位差を発生させれば、調整用電極17、18の下部のヤング率を変化させることができる。具体的には、電圧印加時における圧電体のヤング率を高くすることが可能となる。そして、弾性表面波の伝搬速度vsは、次式数式1で表されることから、ヤング率Eが高くなることで弾性表面波の伝搬速度vsが速くなる。さらに、伝搬速度vsは数式2のようにも表され、周波数fが不変な値であることから、波長λ、つまり見かけ上の伝搬路長を短くすることが可能となる。
Figure 0004983586
Figure 0004983586
なお、上記数式中、vsは音速(つまり伝搬速度)、kは1より小さい比例定数、σはポアソン比、ρは圧電体の密度である。
そして、摂動錘6の両側に調整用電極17、18を配置しているため、調整用電極17、18に対して印加する調整電圧を調整することにより、破線(2)、(3)を実線(1)に近づけることが可能となる。なお、調整用電極17、18への電圧の微調整は、コリオリ力を発生していない状態において検出用IDT13、14と検出用IDT15、16それぞれの出力の輪が最大値(もしくは出力の差が最小値)となるように行えば良い。これは、摂動錘6の振動が大きくなると共に散乱波の振幅が大きくなるが、摂動錘6の振幅が最大値をとるということは摂動錘6の中心と定在波の腹の位置とが一致したことを示しているためである。
次に、本実施形態の角速度センサ1の製造方法について説明する。図5に、本実施形態の角速度センサ1の製造工程の断面図を示し、この図を参照して説明する。
まず、図5(a)に示す工程では、例えば400μm以上の膜厚のシリコン基板2を用意する。このようにシリコン基板2のような半導体基板を用いることで、他の回路などと共に角速度センサ1を形成する事が可能となり、回路との集積化を図ることも可能になる。そして、このシリコン基板2の表面に、絶縁膜として例えば1μm以下の膜厚のシリコン酸化膜3を形成する。
続く、図5(b)に示す工程では、シリコン酸化膜3の表面に、例えば数百nm程度の厚みの下部電極4を成膜する。例えば、不純物がドーピングされたPoly−Siを堆積させたり、Al系材料、Ti系材料、W系材料、の金属もしくはそれを含む合金をスパッタすることによって下部電極4を成膜する。
続いて、下部電極4の表面全面に、例えばAlN、ZnO、PZT、PT等によって数μmの厚みの圧電膜5を形成する。
そして、図5(c)に示す工程では、圧電膜5の表面に、不純物がドーピングされたPoly−Si、Al、Ti、Au、Pt、W、Ru等の金属またはそれを含む合金、たとえばAl−Si−Cu、Al−Cu、TiW等を成膜したのち、それをパターニングすることで、摂動錘6、励振用IDT7〜10、反射器11、12、検出用IDT13〜16および調整用電極17、18を形成する。この後は、ワイヤボンディングなどを行うことで、駆動電圧印加ラインやGNDラインを形成したり、励振用IDT7〜10や検出用IDT13〜16さらには調整用電極17、18と接続される配線等を形成することで、本実施形態の角速度センサ1が完成する。
以上説明した本実施形態の角速度センサ1によれば、共振器部分、具体的には、それぞれ励振用IDT7、8および摂動錘6の間と励振用IDT9、10および摂動錘6の間に調整用電極17、18を配置している。このため、調整用電極17、18に対して調整電圧を印加することにより、定在波の腹の位置を調整し、定在波の腹の位置を摂動錘6の中心位置とを一致させることが可能となる。これにより、角速度センサ1の感度低下を防止することが可能となる。
(第1実施形態の変形例)
上記実施形態において、圧電膜5の表面に直接、摂動錘6、励振用IDT7〜10、反射器11、12および検出用IDT13〜16を形成する構造としているが、必要に応じて、図6の断面図に示すように、圧電膜5の表面に層間絶縁膜20を成膜し、この層間絶縁膜20の表面に摂動錘6、励振用IDT7〜10、反射器11、12および検出用IDT13〜16を形成するようにしても良い。特に、AlNによって圧電膜5を形成する場合には、層間絶縁膜20を形成すると好ましい。これは、励振用IDT7〜10に対して電圧を印加し、励振用IDT7〜10と下部電極4の間に電界が掛けられたときに励振用IDT7〜10から下部電極4に向けてリーク電流が流れる可能性があるためである。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態の角速度センサ1は、第1実施形態に対して基板として圧電材料を含む基板(以下、圧電基板という)を用いると共に調整用電極の構成を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
図7は、本実施形態にかかる角速度センサ1を示したものであり、図7(a)は、角速度センサ1の斜視図であり、図7(b)は、図7(a)におけるB−B断面図である。
図7(a)、(b)に示すように、本実施形態の角速度センサ1は、基板として圧電基板30が用いられており、この圧電基板30の表面に、第1実施形態と同様の構成の摂動錘6、励振用IDT7〜10、反射器11、12、検出用IDT13〜16が備えられている。また、圧電基板30の表面のうち励振用IDT7、8および摂動錘6の間と励振用IDT9、10および摂動錘6の間に調整用電極17、18が備えられているが、本実施形態では、調整用電極17、18がそれぞれ2本ずつとされている。すなわち、調整用電極17は第1、第2調整用電極17a、17bとされ、調整用電極18は第3、第4調整用電極18a、18bとされている。
第1、第2調整用電極17a、17bは所定間隔離間して平行に、つまり互いに対向するように配置され、これら第1、第2調整用電極17a、17bの長手方向は励振用IDT7、8における櫛歯部7a、8aの長手方向と同方向とされ、第1、第2調整用電極17a、17bが櫛歯部7a、8aと平行に配置されている。同様に、第3、第4調整用電極18a、18bは所定間隔離間して平行に、つまり互いに対向するように配置され、これら第3、第4調整用電極18a、18bの長手方向は励振用IDT9、10における櫛歯部9a、10aの長手方向と同方向とされ、第3、第4調整用電極18a、18bが櫛歯部9a、10aと平行に配置されている。これら第1〜第4調整用電極17a、17b、18a、18bの長手方向の長さは、櫛歯部7aと櫛歯部8aが対向する交差指幅や櫛歯部9aと櫛歯部10aが対向する交差指幅と同じもしくはそれ以上とされている。このように構成される各調整用電極17、18には調整電圧が印加できるように図示しない配線などが接続されており、調整電圧の印加により定在波の腹の位置が調整できるようになっている。
このように構成された角速度センサ1は、基本的には第1実施形態と同様の作動を行うが、調整用電極17、18による定在波の腹位置の調整に関しては、第1実施形態と異なる作動を行う。すなわち、本実施形態の角速度センサ1には第1実施形態で説明した下部電極4が備えられていないため、調整用電極17に関しては第1、第2調整用電極17a、17bの間に調整電圧(DC電圧)を印加し、調整用電極18に関しては第3、第4調整用電極18a、18bの間に調整電圧(DC電圧)を印加する。これにより、各調整用電極17、18の下部において圧電基板30の表面のヤング率を変化させることが可能となり、第1実施形態と同様、定在波の腹の位置を調整することが可能となる。したがって、定在波の腹の位置と摂動錘6の中心位置とを一致させることが可能となり、角速度センサ1の感度低下を防止することが可能となる。
このような角速度センサ1の製造方法に関しては、基板を製造する工程を除けば第1実施形態と同様である。図8は、本実施形態の角速度センサ1の製造工程の断面図を示している。図8(a)に示すように、圧電基板30を用意した後、図8(b)に示すように、圧電基板30の表面に、不純物がドーピングされたPoly−Si、Al、Ti、Au、Pt、W、Ru等の金属またはそれを含む合金、たとえばAl−Si−Cu、Al−Cu、TiW等を成膜したのち、それをパターニングすることで、摂動錘6、励振用IDT7〜10、反射器11、12、検出用IDT13〜16および調整用電極17、18を形成する。この後は、ワイヤボンディングなどを行うことで、駆動電圧印加ラインやGNDラインを形成したり、励振用IDT7〜10や検出用IDT13〜16さらには調整用電極17、18と接続される配線等を形成することで、本実施形態の角速度センサ1が完成する。
(第2実施形態の変形例)
上記実施形態において、各調整用電極17、18をそれぞれ2本ずつで構成したが、3本ずつにすることもできる。このように各調整用電極17、18をそれぞれ3本ずつで構成する場合、例えば3本を平行に等間隔で並べ、そのうちの1本(例えば中央の1本)をGND電極として用い、残り2本が互いに独立して調整電圧を印加できる配線構造にして、それぞれに調整電圧を印加すれば、より伝搬路長の調整範囲を広くでき、調整精度を高めることが可能となる。
(他の実施形態)
上記各実施形態では、駆動電極や検出器を櫛歯状の励振用IDT7〜10や検出用IDT13〜16にて構成したが、駆動電極や検出器として機能するものであればどのような形状であっても構わない。また、励振用IDT7〜10に関しても、摂動錘6の必ずしも両側に配置しなければならない訳ではなく、いずれか一方にのみ配置した構造であっても構わない。
また、上記各実施形態では、角速度センサ1を構成する各部の材料や膜厚等のサイズの一例を挙げて説明したが、ここで示した材料や膜厚は単なる一例であり、適宜変更可能である。特に、各部の膜厚等のサイズは、発生させたい定在波の波長等によって設定されるものであるため、角速度センサ1の仕様などにより変更されることになる。
また、上記各実施形態では、調整用電極17、18を長方形としたものを例に挙げたが、定在波の伝搬方向における幅が同じであれば良いため、調整用電極17、18が櫛歯部7a〜10aに対して傾斜した平行四辺形としても構わない。
また、上記第2実施形態では、圧電基板30を用いる場合に各調整用電極17、18を2本または3本ずつで構成する場合について説明したが、圧電基板30の裏面に下部電極を備えるような構造とすれば、調整用電極17、18を一本で構成したとしても、調整用電極17、18と下部電極との間の電位差に基づいて定在波の腹の位置を調整できるため、上記と同様の効果を得ることができる。
なお、第1実施形態に示した下部電極4や圧電基板30の裏面の下部電極は必ずしも必要なものではないが、下部電極を設けることにより励振用IDT7〜10または調整用電極17、18と下部電極4との間に強い電界を生じさせることが可能となるため、より振動を大きくすることが可能となる。
さらに、上記第2実施形態で示したような調整用電極17、18を2本ずつにする構造を第1実施形態に適用しても構わない。
(a)は、本発明の第1実施形態にかかる角速度センサ1の斜視図であり、(b)は、(a)におけるA−A断面図である。 図1に示す角速度センサ1に対して角速度が印加された場合の摂動錘6などの様子を示した拡大模式図である。 (a)は、検出用IDT13、14に入力される散乱波およびコリオリ波の波形図、(b)は、検出用IDT15、16に入力される散乱波およびコリオリ波の波形図、(c)は、検出用IDT13、14と検出用IDT15、16の差動信号の波形図である。 伝搬路上に発生する任意の時間における定在波の振動を示したグラフである。 図1に示す角速度センサ1の製造工程の断面図である。 本発明の第1実施形態の変形例で示す角速度センサ1の断面図である。 (a)は、本発明の第2実施形態にかかる角速度センサ1の斜視図であり、(b)は、(a)におけるB−B断面図である。 図7に示す角速度センサ1の製造工程の断面図である。 従来の角速度センサのレイアウト図である。 角速度センサの駆動用の櫛歯電極による定在波の振動分布と摂動マスとの関係とその角速度センサに発生するコリオリ力の説明図である。
符号の説明
1 角速度センサ
2 シリコン基板
3 シリコン酸化膜
4 下部電極
5 圧電膜
6 摂動錘
7〜10 励振用IDT
7a〜10a 櫛歯部
11、12 反射器
13〜16 検出用IDT
17、18 調整用電極
20 層間絶縁膜
30 圧電基板

Claims (11)

  1. 半導体基板(2)と、
    前記半導体基板(2)の上に形成された圧電膜(5)と、
    前記圧電膜(5)の上に形成され、駆動電圧が印加されることで前記圧電膜(5)に対して弾性表面波を発生させる駆動電極(7〜10)と、
    前記圧電膜(5)の上において、前記駆動電極(7〜10)の両側を挟み込むように配置され、前記駆動電極(7〜10)に対して前記駆動電圧を印加したときに発生させられる前記弾性表面波を定在波とする反射器(11、12)と、
    前記定在波が形成される領域に配置され、該定在波により前記半導体基板(2)の垂直方向に振動させられる摂動錘(6)と、
    前記圧電膜(5)の上に形成され、前記摂動錘(6)に対して角速度が印加されたときに発生するコリオリ力に基づく弾性波を検出する検出器(13〜16)と、
    前記圧電膜(5)の上うち前記摂動錘(6)と前記駆動電極(7〜10)との間に備えられた、前記定在波の腹の位置を調整するための調整電圧が印加される調整用電極(17、18)と、を有していることを特徴とする弾性表面波角速度センサ。
  2. 前記半導体基板(2)と前記圧電膜(5)との間には下部電極(4)が配置され、前記駆動電極(7〜10)に対して前記駆動電圧を印加することにより前記駆動電極(7〜10)と前記下部電極(4)との間に電位差を発生させ、前記弾性表面波を発生させることを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波角速度センサ。
  3. 圧電材料を含む圧電基板(30)と、
    前記圧電基板(30)の上に、駆動電圧が印加されることで前記圧電基板(30)の表面に弾性表面波を発生させる駆動電極(7〜10)と、
    前記圧電基板(30)の上において、前記駆動電極(7〜10)の両側を挟み込むように配置され、前記駆動電極(7〜10)に対して前記駆動電圧を印加したときに発生させられる前記弾性表面波を定在波とする反射器(11、12)と、
    前記定在波が形成される領域に配置され、該定在波により前記半導体基板(2)の垂直方向に振動させられる摂動錘(6)と、
    前記圧電基板(30)の上に形成され、前記摂動錘(6)に対して角速度が印加されたときに発生するコリオリ力に基づく弾性波を検出する検出器(13〜16)と、
    前記圧電基板(30)の上うち前記摂動錘(6)と前記駆動電極(7〜10)との間に備えられた、前記定在波の腹の位置を調整するための調整電圧が印加される調整用電極(17、18)と、を有していることを特徴とする弾性表面波角速度センサ。
  4. 前記圧電基板(30)の裏面には下部電極(4)が配置され、前記駆動電極(7〜10)に対して前記駆動電圧を印加することにより前記駆動電極(7〜10)と前記下部電極(4)との間に電位差を発生させ、前記弾性表面波を発生させることを特徴とする請求項3に記載の弾性表面波角速度センサ。
  5. 前記調整用電極(17、18)は、互いに対向する2つの電極(17a、17b、18a、18b)を有して構成され、前記2つの電極(17a、17b、18a、18b)が対向配置されていると共に、該2つの電極(17a、17b、18a、18b)に異なる電圧が印加されるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の弾性表面波角速度センサ。
  6. 前記調整用電極(17、18)は、互いに対向する3つの電極を有して構成され、前記3つの電極が対向配置されていると共に、該3つの電極のうちの1つを接地し、残る2つの電極に対して異なる電圧が印加されるように構成されていることを特徴とする請求項3または4に記載の弾性表面波角速度センサ。
  7. 前記調整用電極(17、18)は、前記弾性表面波の伝搬方向における幅が等しくされていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の弾性表面波角速度センサ。
  8. 前記駆動電極(7〜10)は、互いに対向配置された櫛歯状の櫛歯電極(7a〜10a)を備え、該櫛歯電極(7a〜10a)同士が対向している部分において、該櫛歯電極(7a〜10a)の長手方向と垂直方向に前記弾性表面波を発生させるようになっており、
    前記調整用電極(17、18)は、前記櫛歯電極(7a〜10a)と平行に配置されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の弾性表面波角速度センサ。
  9. 前記調整用電極(17、18)は、互いに対向配置された前記櫛歯電極(7a〜10a)の対向している交差指幅と同じもしくはそれよりも長くされていることを特徴とする請求項8に記載の弾性表面波角速度センサ。
  10. 前記駆動電極(7〜10)は、前記摂動錘(6)の両側に配置されており、前記調整用電極(17、18)も、前記摂動錘(6)の両側に配置されていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の弾性表面波角速度センサ。
  11. 前記駆動電極(7〜10)に対して前記駆動電圧を印加している状態において、前記調整用電極(17、18)に対して印加する前記調整電圧が調整され、前記検出器(13〜16)にて検出される前記コリオリ力に基づく前記弾性波の振幅が最も大きいときの前記調整電圧に設定されることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載の弾性表面波角速度センサ。
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