JP4899687B2 - 弾性表面波角速度センサ - Google Patents

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Description

本発明は、弾性表面波を用いて摂動錘を駆動振動させ、この摂動錘に対して加えられる加速度の検出を行う弾性表面波角速度センサ(以下、単に角速度センサという)に関するものである。
従来、特許文献1、2において、弾性表面波を用いて角速度の検出を行う角速度センサが提案されている。特許文献1、2に記載されている角速度センサは、共に、同一原理に基づいて角速度を検出するものであり、センサを構成するデバイスの構造としては、圧電単結晶基板上に金属配線で形成された駆動用の櫛歯電極、検出用の櫛歯電極、反射器および複数の摂動錘を備えたものを採用している。
図19は、特許文献1に記載された角速度センサのレイアウト図である。この図に示すように、略正方形に整列配置された複数の摂動錘J1を中心として、複数の摂動錘J1により形成される正方形の一辺と対向するように駆動用の櫛歯電極J2が配置され、さらに、その駆動用の櫛歯電極J2および複数の摂動錘J1を挟むように両側に反射器J3、J4が配置されている。つまり、複数の摂動錘J1により形成される正方形の相対する二辺と対向するように駆動用の櫛歯電極J2および反射器J3、J4が配置されることで、駆動用の櫛歯電極J2および反射器J3、J4からなる1つの弾性表面波デバイスが図19中のx軸方向に並べられ、そのデバイスの伝播路上に複数の摂動錘J1が配置された構成となっている。
また、複数の摂動錘J1により形成される正方形の相対する他の二辺と対向するように検出用の櫛歯電極J5、J6が設けられると共に、その検出用の櫛歯電極J5、J6および複数の摂動錘J1を挟むように両側に反射器J7、J8が配置されることで、検出用の櫛歯電極J5、J6および反射器J7、J8からなるもう1つの弾性表面波デバイスが図19中のy軸方向に並べられ、そのデバイスの伝播路上に摂動錘J1が配置された構成となっている。
このように構成される角速度センサは、以下のように作動する。図20に、角速度センサの駆動用の櫛歯電極J2による定在波の振動分布と摂動錘J1との関係とその角速度センサに発生するコリオリ力の説明図を示し、この図を参照して説明する。
駆動用の櫛歯電極J2に交流電圧を印加し、その駆動用の櫛歯電極J2のピッチで決まる共振周波数、たとえば10MHz〜数百MHzの信号で駆動すると、弾性表面波が励起される。このとき、弾性表面波が反射器J3、J4で閉じ込められるため、弾性表面波の励振効率が向上していく。また、反射器J3、J4により、駆動用の櫛歯電極J2と反射器J4の間にある伝播路に定在波が生成される。
そして、複数の摂動錘J1のピッチが定在波の波長に合わせられており、各摂動錘J1それぞれが定在波の腹の部分に位置するようにパターニングされているため、摂動錘J1が定在波の最大振幅位置で振動する。なお、「定在波の腹」とは、基板面に垂直方向の振動成分が最大となる場所のことを意味している。
このとき、対角線上において隣接している各摂動錘J1が定在波の振幅の上下逆位相となる位置に配置されているため、図20に示すように、摂動錘J11〜J14と摂動錘J15は逆位相振動する。
このような状態において、図中で、x方向の回りに回転(角速度)Ωxが加わった場合、摂動錘J1に振動速度に比例したコリオリ力による加速度a=2v×Ωがy方向に加わる。vとΩxはベクトル量であるから、摂動錘J11〜J14と摂動錘J15に作用する力は逆位相となる。
また、コリオリ力によるそれぞれの摂動錘J11〜J15で生じる加振力は、駆動定在波(x方向)とは直行する向き(y方向)に弾性波を励振することとなる。これらの摂動錘J11〜J15において駆動される弾性波は、摂動錘J1(たとえば、摂動錘J11とJ12)がy方向に対し波長の整数倍で配置されるため、検出用の櫛歯電極J5、J6の空間に弾性波動が励振される。そして、検出用の櫛歯電極J5、J6と対向するように反射器J7、J8が設置されているため、コリオリ力によって励振された波によって定在波が励振される。この定在波の強さがコリオリ力に比例しているため、検出用の櫛歯電極J5、J6で電圧または電荷を計測することにより、回転角速度を計測することが可能となる。
特開平8−334330号公報 米国特許第6516665号明細書
これら特許文献1、2に記載された技術は、高周波のメカニカルフィルタ(セラミックスフィルタ、SAWフィルタ)に基づき成り立っているため、角速度センサを形成するための圧電単結晶基板として、主にLiNbO3、LiTaO3を用いると想定される。
しかしながら、このような圧電単結晶基板は、メカニカルフィルタの分野では良く用いられているが、この上に摂動錘J1を設けて角速度センサを構成する場合には、小型化、回路との集積化には適していない。例えば、上述したように、駆動用の櫛歯電極J2による振動によって定在波を発生させ、複数の摂動錘J1を定在波の腹の位置に配置することによってコリオリ力を検出するようにしているため、数多くの摂動錘J1を広範囲に配置しなければならず、上述したように小型化、回路との集積化に適さない。
また、これら構造では、複数の摂動錘J1それぞれを定在波の腹の位置に配置できるようにしなければならないため、個々の摂動錘J1の質量が小さく、コリオリ力は摂動錘J1の質量、速度に比例するため、感度が小さくなるという問題もある。
本発明は、上記問題に鑑みて、小型化・回路との集積化が図れる角速度センサを提供することを第1の目的とする。また、高感度にできる角速度センサを提供することを第2の目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、半導体基板(2)と、半導体基板(2)の上に形成された下部電極(4)と、下部電極(4)を覆うように形成された圧電膜(5)と、圧電膜(5)の上において、下部電極(4)と対向する位置に形成され、駆動電圧が印加されることで圧電膜(5)と下部電極(4)との間に電界を発生させ、圧電膜(5)に対して弾性表面波を発生させる駆動電極(7〜10)と、圧電膜(5)の上において、駆動電極(7〜10)の両側を挟み込むように配置され、駆動電極(7〜10)に対して駆動電圧を印加したときに発生させられる弾性表面波を定在波とする反射器(11、12)と、定在波が形成される領域に配置され、該定在波により半導体基板(2)の垂直方向に振動させられる摂動錘(6)と、圧電膜(5)の上に形成され、摂動錘(6)に対して角速度が印加されたときに発生するコリオリ力に基づく弾性波を検出する検出器(13〜16)とを備え、半導体基板(2)には、摂動錘(6)用のトレンチ(2a)が形成されており、該トレンチ(2a)内に摂動錘(6)が配置されることで、摂動錘(6)が圧電膜(5)の下に配置されていることを第1の特徴としている。
このように、半導体基板(2)を用い、この半導体基板(2)の上に下部電極(4)を形成すると共に、下部電極(4)を覆うように圧電膜(5)を形成し、さらに圧電膜(5)の上の下部電極(4)と対向する位置に駆動電極(7〜10)を配置している。このような構成の角速度センサによれば、駆動電極(7〜10)と下部電極(4)との間に発生させられる電界によって駆動電極(7〜10)を大きく振動させることが可能となる。そして、このように駆動電極(7〜10)の振動を大きくできることにより、駆動電極(7〜10)の振動に基づいて摂動錘(6)が形成された領域に発生させられる定在波も大きくなって、摂動錘(6)の振動速度を大きくできる。したがって、高感度な角速度センサとすることが可能となる。
なお、このような本発明の角速度センサの駆動電極(7〜10)、反射器(11、12)および検出器(13〜16)の基本構造に関しては従来の角速度センサと同様であるため、角速度センサの高感度化が図れるのであれば、同じ感度を得るために必要とされるセンサ部の面積を小さくすることが可能となる。このため、角速度センサの小型化・回路との集積化を図ることもできる。
また、本発明では、半導体基板(2)に複数のトレンチ(2b)を形成すると共に、複数のトレンチ(2b)内に絶縁膜(3)を形成し、複数のトレンチ(2b)内において、絶縁膜(3)を介して駆動電極(7〜10)、反射器(11、12)および検出器(13〜16)を形成することで、駆動電極(7〜10)、前記反射器(11、12)および前記検出器(13〜16)の上に圧電膜(5)が形成される構造とした角速度センサにおいて、摂動錘(6)の単位面積当たりの重さが駆動電極(7〜10)、反射器(11、12)および検出器(13〜16)の単位面積あたりの重さよりも重くなるようにし、半導体基板(2)に摂動錘(6)用のトレンチ(2a)を形成して、該トレンチ(2a)内に摂動錘(6)を配置することで、摂動錘(6)が圧電膜(5)の下に配置された構造とすることを第の特徴としている。
このように、駆動電極(7〜10)、反射器(11、12)および検出器(13〜16)が圧電膜(5)の下に配置される構造においても、摂動錘(6)の単位面積当たりの重さが駆動電極(7〜10)、反射器(11、12)および検出器(13〜16)の単位面積当たりの重さよりも重くなるようにすることで、角速度が印加された時に発生するコリオリ力が大きくなり、コリオリ力に基づいて励起される弾性波の振幅が大きくなって、摂動錘(6)の振動振幅や振動速度を大きくすることが可能となる。これにより、角速度センサの高感度化を図ることが可能となる。
そして、この場合、圧電膜(5)の上に導電性膜(60)を形成することで、駆動電極(7〜10)と導電性膜(60)の間に一定の電位差を発生させることが可能となり、圧電膜(5)に効率よく電力を注入すること(つまり電圧を加えること)が可能となる。また、この導電性膜(60)をGND電位とすれば、電気的なシールド効果を発揮させることも可能となり、角速度センサに生じるノイズレベルを抑制できるため、角速度センサ内での信号レベルが上がり、さらなる高感度化を図ることが可能となる。
本発明の第1〜第の特徴において、摂動錘(6)の材料と駆動電極(7〜10)、反射器(11、12)および検出器(13〜16)の材料を異ならせ、摂動錘(6)の材料の方が駆動電極(7〜10)、反射器(11、12)および検出器(13〜16)の材料の密度よりも高くすると好ましい。
このようにすれば、上記第の特徴で示したように、摂動錘(6)の単位面積当たりの重さが駆動電極(7〜10)、反射器(11、12)および検出器(13〜16)の単位面積あたりの重さよりも重くなるようにすることができ、角速度センサの高感度化を図ることができる。
同様に、摂動錘(6)の膜厚を駆動電極(7〜10)、反射器(11、12)および検出器(13〜16)の膜厚よりも厚く構成しても、摂動錘(6)の単位面積当たりの重さが駆動電極(7〜10)、反射器(11、12)および検出器(13〜16)の単位面積あたりの重さよりも重くなるようにすることができる。
なお、本発明の第1の特徴を有した角速度センサは、半導体基板(2)を用意する工程と、半導体基板(2)の上において、駆動電極(7〜10)の形成予定位置と対応する位置に下部電極(4)を形成する工程と、下部電極(4)を覆うように圧電膜(5)を形成する工程と、圧電膜(5)の上に、駆動電極(7〜10)、反射器(11、12)および検出器(13〜16)を形成する工程と、摂動錘(6)を形成する工程と、を含み、摂動錘(6)を形成する工程を、半導体基板(2)に対して摂動錘(6)用のトレンチ(2a)を形成する工程と、トレンチ(2a)内に絶縁膜(3)を形成する工程と、絶縁膜(3)を介してトレンチ(2a)内に摂動錘(6)を形成することで、摂動錘(6)を圧電膜(5)の下に配置する工程と、を含んだ工程とし、摂動錘(6)が圧電膜(5)の下に配置されるようにするという製造方法にて製造することができる。この場合、圧電膜(5)の上に、駆動電極(7〜10)、反射器(11、12)および検出器(13〜16)を形成する工程と、摂動錘(6)を形成する工程とを同時に行っても、別々の工程として行っても良い。
また、本発明の第の特徴を有した角速度センサは、半導体基板(2)を用意する工程と、半導体基板(2)のうち駆動電極(7〜10)、反射器(11、12)および検出器(13〜16)の形成予定位置と対応する場所に複数のトレンチ(2b)を形成する工程と、トレンチ(2b)の内壁に絶縁膜(3)を形成する工程と、絶縁膜(3)を介して、複数のトレンチ(2b)内に、駆動電極(7〜10)、反射器(11、12)および検出器(13〜16)を形成する工程と、駆動電極(7〜10)、反射器(11、12)および検出器(13〜16)の上に圧電膜(5)を形成する工程と、摂動錘(6)の単位面積当たりの重さが駆動電極(7〜10)、反射器(11、12)および検出器(13〜16)の単位面積あたりの重さよりも重くなるように、摂動錘(6)を形成する工程と、を含み、摂動錘(6)を形成する工程を、半導体基板(2)に、摂動錘(6)用のトレンチ(2a)を形成する工程と、摂動錘(6)用のトレンチ(2a)内に絶縁膜(3)を形成したのち、摂動錘(6)を配置することで、圧電膜(5)の下に摂動錘(6)が配置されるように形成する工程と、を含んだ工程とし、摂動錘(6)が圧電膜(5)の下に配置されるようにする製造方法により製造することができる。
そして、この場合、圧電膜(5)の上に導電性膜(60)を形成する工程を行うこともできる。このような導電性膜(60)を形成することで、駆動電極(7〜10)と導電性膜(60)の間に一定の電位差を発生させることが可能となり、圧電膜(5)に効率よく電力を注入すること(つまり電圧を加えること)が可能となる。また、この導電性膜(60)をGND電位とすれば、電気的なシールド効果を発揮させることも可能となり、角速度センサに生じるノイズレベルを抑制できるため、角速度センサ内での信号レベルが上がり、さらなる高感度化を図ることが可能となる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態の角速度センサ1を示したものであり、図1(a)は、角速度センサ1の斜視図であり、図1(b)は、図1(a)におけるA−A断面図である。
図1(b)に示すように、角速度センサ1は、半導体基板であるシリコン基板2を用いて形成されている。例えば、シリコン基板2の板厚は400μm以上とされ、このシリコン基板2上にセンサ部が形成されることにより角速度センサ1が構成されている。
シリコン基板2の表面全面に、絶縁膜として例えば1μm以下の膜厚のシリコン酸化膜3が形成され、このシリコン酸化膜3の表面に、例えば数百nm程度の膜厚の下部電極4が形成されている。この下部電極4は、不純物がドーピングされたPoly−Si、Al系材料、Ti系材料、W系材料、Mo系材料のいずれかの金属もしくはそれを含む合金によって構成されている。下部電極4を不純物がドーピングされたPoly−Si、Al、Ti、Al−Si−Cu等で形成すれば、角速度センサ1の製造を半導体プロセスにて行う場合に、下部電極4の形成時の金属汚染を防止することができる。
下部電極4の表面全面に、例えば数μm程度の膜厚の圧電膜5が形成されている。圧電膜5を例えば圧電体であるAlN、ZnO等により構成することができ、圧電体の中でも強誘電体に属するPZT:Pb(ZrTi)O3、PT:PbTiO3等により構成することもできるが、圧電膜5をAlNにより構成した場合には、角速度センサ1と同チップ中にCMOSなどの他の素子を形成したとしても、金属汚染の要因とならないようにできる。
そして、圧電膜5の表面に、摂動錘6定在波を発生させるための励振用の櫛歯電極(以下、励振用IDTという)7〜10、反射器11、12および検出器としての役割を果たす検出用IDT13〜16が備えられた構成とされている。
これら摂動錘6、励振用IDT7〜10、反射器11、12および検出用IDT13〜16も、不純物がドーピングされたPoly−Si、Al、Ti、Au、Pt、W、Ru等の金属またはそれを含む合金、たとえばAl−Si−Cu、Al−Cu、TiW等の合金によって構成されている。これらを不純物がドーピングされたPoly−Si、Al、Ti、Al−Si−Cu等で形成すれば、角速度センサ1の製造を半導体プロセスにて行う場合に、摂動錘6の形成時の金属汚染を防止することができ、摂動錘6をAu、Pt、W、Ru等で形成すれば、質量を重くすることが可能となる。
摂動錘6は、図1(a)に示すように、例えば四角形(例えば正方形)で構成され、複数個備えられている。そして、複数個の摂動錘6が千鳥状に配置されることで、その外縁形状が略正方形とされている。具体的には、複数の摂動錘6は、これら複数の摂動錘6が構成する略正方形の相対する二辺(具体的には図中Y軸方向)と平行な複数列に並べられ、例えば各列が励振用IDT7により生成される定在波の腹の位置となるように、例えば各列の間隔が定在波の波長λと同じもしくはその半分となるように設定されている。
励振用IDT7〜10は、複数の摂動錘6が構成する略正方形の相対する二辺(具体的には紙面左右の二辺)と対向するように配置され、複数の摂動錘6の両側に1組ずつ配置されている。具体的には、励振用IDT7と励振用IDT8を組として、この組が摂動錘6に対して紙面左側に配置されている。また、励振用IDT9と励振用IDT10を組として、この組が摂動錘6に対して紙面右側に配置されている。これら励振用IDT7〜10には、例えばボンディングワイヤなどにより構成される駆動電圧印加ライン(図示せず)を通じて、駆動電源から駆動電圧が印加されるようになっており、下部電極4との間に電位差を発生させることで、励振用IDT7〜10を図1(a)、(b)のz軸方向(つまり基板垂直方向)に振動させられるようになっている。
励振用IDT7、8は、これらが一対となって一組の駆動電極を構成するものである。これら励振用IDT7、8は、共に、摂動錘6のうちy軸と平行な一辺と対向する複数の櫛歯部7a、8aと、これら複数の櫛歯部7a、8aを連結する連結部7b、8bを有して構成されている。この励振用IDT7、8は、互いの櫛歯部7a、8aが等間隔に一本ずつ交互に、つまり互いの櫛歯部7a、8aが噛み合うように配置されることで、各櫛歯部7a、8aが1本ずつ対向配置されている。そして、各連結部7b、8bが櫛歯部7a、8aを挟んで反対側に配置され、連結部7bが各櫛歯部7aの紙面上方側の端部と接続され、連結部8bが各櫛歯部8aの紙面下方側の端部と接続されている。
一方、励振用IDT9、10も同様であり、これらが一対となって一組の駆動電極を構成している。これら励振用IDT9、10は、共に、摂動錘6のうちy軸と平行な他の一辺(つまり励振用IDT7、8が配置される側とは反対側の一辺)と対向する複数の櫛歯部9a、10aと、これら複数の櫛歯部9a、10aを連結する連結部9b、10bを有して構成されている。この励振用IDT9、10は、互いの櫛歯部9a、10aが等間隔に一本ずつ交互に、つまり互いの櫛歯部9a、10aが噛み合うように配置されることで、各櫛歯部9a、10aが1本ずつ対向配置されている。そして、各連結部9b、10bが櫛歯部9a、10aを挟んで反対側に配置され、連結部9bが各櫛歯部9aの紙面上方側の端部と接続され、連結部10bが各櫛歯部10aの紙面下方側の端部と接続されている。
反射器11、12は、それぞれ、複数の摂動錘6および励振用IDT7〜10を挟んだ両側に配置されいる。これら反射器11、12は、励振用IDT7〜10における櫛歯部7a〜10aと対向するように図1中のy軸方向に沿って延設されている。
検出用IDT13、14は、これらが一対となって一組の検出器(第1検出器)を構成するものである。これら検出用IDT13、14は、共に、摂動錘6のうちx軸と平行な一辺と対向する複数の櫛歯部13a、14aと、これら複数の櫛歯部13a、14aを連結する連結部13b、14bを有して構成されている。この検出用IDT13、14は、互いの櫛歯部13a、14aが等間隔に一本ずつ交互に、つまり互いの櫛歯部13a、14aが噛み合うように配置されることで、各櫛歯部13a、14aが1本ずつ対向配置されている。そして、各連結部13b、14bが櫛歯部13a、14aを挟んで反対側に配置され、連結部13bが各櫛歯部13aの紙面左側の端部と接続され、連結部14bが各櫛歯部14aの紙面右側の端部と接続されている。
一方、検出用IDT15、16も同様であり、これらが一対となって一組の検出器(第2検出器)を構成する。これら検出用IDT15、16は、共に、摂動錘6のうちx軸と平行な他の一辺(つまり検出用IDT13、14が配置される側とは反対側の一辺)と対向する複数の櫛歯部15a、16と、これら複数の櫛歯部15a、16aを連結する連結部15b、16bを有して構成されている。この検出用IDT15、16は、互いの櫛歯部15a、16aが等間隔に一本ずつ交互に、つまり互いの櫛歯部15a、16aが噛み合うように配置されることで、各櫛歯部15a、16aが1本ずつ対向配置されている。そして、各連結部15b、16bが櫛歯部15a、16aを挟んで反対側に配置され、連結部15bが各櫛歯部15aの紙面右側の端部と接続され、連結部16bが各櫛歯部16aの紙面左側の端部と接続されている。
このようなセンサ部を有した構造により、本実施形態の角速度センサ1が構成されている。
続いて、本実施形態の角速度センサ1の作動について説明する。図2は、本実施形態の角速度センサ1に対して角速度が印加された場合の摂動錘6などの様子を示した拡大模式図である。
本実施形態の角速度センサ1におけるセンサ部の駆動は、励振用IDT7〜10に対して駆動電圧を印加することにより行う。例えば、励振用IDT7、9に対して+B[V]、励振用IDT8、10に対して−Bというように、励振用IDT7、9と励振用IDT8、10に対してB[V]の振幅の交流電圧の位相を半周期ずらして印加する。このとき、必要に応じて下部電極4をGNDに接続する。これにより、励振用IDT7〜10と下部電極4との間に電位差が発生させられ、これら励振用IDT7〜10と下部電極4の間に電界が発生して、励振用IDT7〜10がz軸方向に振動し、x軸方向に弾性表面波が生成される。
弾性表面波を効率よく生成できる交流電圧の周期(共振周波数)は、主に励振用IDT7〜10の間隔や圧電膜5の物性、半導体基板(ここではシリコン基板2)の物性により決まる。このため、これらに基づいて交流電圧の周期を例えば数MHz〜数百MHzに調整することで、弾性表面波を励起することができる。
このとき、通常、伝搬路には進行波が励起されるが、励振用IDT9、10または反射器11、12により表面弾性波が伝搬路中に閉じ込められ、伝搬路に定在波が生成される。この定在波の腹の位置に複数の摂動錘6の各列が配置されているため、定在波の振幅を大きくすることができる。
ここで、x軸を回転軸とする角速度センサ速度Ωが加わった場合、1つの摂動錘6の質量をm、摂動錘6の振動速度をv、摂動錘6の振幅をr、共振周波数をω(=2πf)とすると、摂動錘6に対してy軸方向にコリオリ力F=2mvΩが働く。なお、v=rω、ω=2πfである。
また、定在波の振動は駆動電圧の周波数と同じ周期の振動となる。このため、コリオリ力Fは、y軸の+方向と−方向に周期的に振動する。このコリオリ力Fにより、複数の摂動錘6を挟んでy軸方向両側に配置された検出用IDT13〜16の方向に弾性波が励起される。その弾性波の振動振幅を検出用IDT13〜17の電気信号(電圧または電荷)に変換することで角速度を測定することが可能となる。
次に、本実施形態の角速度センサ1の製造方法について説明する。図3に、本実施形態の角速度センサ1の製造工程の断面図を示し、この図を参照して説明する。
まず、図3(a)に示す工程では、例えば400μm以上の膜厚のシリコン基板2を用意する。このようにシリコン基板2のような半導体基板を用いることで、他の回路などと共に角速度センサ1を形成する事が可能となり、回路との集積化を図ることも可能になる。そして、このシリコン基板2の表面に、絶縁膜として例えば1μm以下の膜厚のシリコン酸化膜3を形成する。
続く、図3(b)に示す工程では、シリコン酸化膜3の表面に、例えば数百nm程度の厚みの下部電極4を成膜する。例えば、不純物がドーピングされたPoly−Siを堆積させたり、Al系材料、Ti系材料、W系材料、の金属もしくはそれを含む合金をスパッタすることによって下部電極4を成膜する。
続いて、下部電極4の表面全面に、例えばAlN、ZnO、PZT、PT等によって数μmの厚みの圧電膜5を形成する。
そして、図3(c)に示す工程では、圧電膜5の表面に、不純物がドーピングされたPoly−Si、Al、Ti、Au、Pt、W、Ru等の金属またはそれを含む合金、たとえばAl−Si−Cu、Al−Cu、TiW等を成膜したのち、それをパターニングすることで、摂動錘6、励振用IDT7〜10、反射器11、12および検出用IDT13〜16を形成する。この後は、ワイヤボンディングなどを行うことで、駆動電圧印加ラインやGNDラインを形成したり、励振用IDT7〜10や検出用IDT13〜16と接続される配線等を形成することで、本実施形態の角速度センサ1が完成する。
以上説明した本実施形態の角速度センサ1によれば、励振用IDT7〜10の下に圧電膜5を介して下部電極4を形成した構造としている。このため、励振用IDT7〜10と下部電極4との間に発生させられる電界によって励振用IDT7〜10を大きく振動させることが可能となる。そして、このように励振用IDT7〜10の振動を大きくできることにより、励振用IDT7〜10の振動に基づいて摂動錘6が形成された領域に発生させられる定在波も大きくなり、摂動錘6の振動速度を大きくできる。
角速度センサ1では、角速度が加えられた場合、摂動錘6の振動速度に比例したコリオリ力による加速度が発生するため、摂動錘6の振動速度が大きくできることにより、角速度センサ1の高感度化を図ることが可能となる。このように、本実施形態の角速度センサ1によれば、高感度化を図ることが可能となる。
また、本実施形態の角速度センサ1の励振用IDT7〜10、反射器11、12および検出用IDT13〜16の基本構造に関しては従来の角速度センサと同様であるため、角速度センサ1の高感度化が図れるのであれば、同じ感度を得るために必要とされるセンサ部の面積を小さくすることが可能となる。このため、角速度センサ1の小型化・回路との集積化を図ることができる。
特に、本実施形態では、角速度センサ1を半導体基板であるシリコン基板2に形成できる構造としているため、好適に他の回路との集積化も図ることが可能となる。
(第1実施形態の変形例)
上記実施形態において、圧電膜5の表面に直接、摂動錘6、励振用IDT7〜10、反射器11、12および検出用IDT13〜16を形成する構造としているが、必要に応じて、図4の断面図に示すように、圧電膜5の表面に層間絶縁膜20を成膜し、この層間絶縁膜20の表面に摂動錘6、励振用IDT7〜10、反射器11、12および検出用IDT13〜16を形成するようにしても良い。特に、AlNによって圧電膜5を形成する場合には、層間絶縁膜20を形成すると好ましい。これは、励振用IDT7〜10に対して電圧を印加し、励振用IDT7〜10と下部電極4の間に電界が掛けられたときに励振用IDT7〜10から下部電極4に向けてリーク電流が流れる可能性があるためである。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態の角速度センサ1は、第1実施形態に対して摂動錘6の構成を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態の角速度センサ1は、第1実施形態に対して1つ1つの摂動錘6の単位面積当たりの重さを重くしている。具体的には、摂動錘6の材料が励振用IDT7〜10や反射器11、12および検出用IDT13〜16の材料よりも密度の高いものとすることで、摂動錘6の単位面積あたりの重さが励振用IDT7〜10の単位面積当たりの重さよりも重くなるようにしている。例えば、励振用IDT7〜10などを不純物がドーピングされたPoly−Siで構成する場合、摂動錘6をPt(21.4g/cm3)、Au(19.3g/cm3)、W(19.1g/cm3)等で構成するようにしている。この摂動錘6の膜厚は励振用IDT7〜10等と同等の膜厚であっても良いが、励振用IDT7〜10等の2倍以上の膜厚とすると好ましい。
このように、摂動錘6の材料が励振用IDT7〜10や反射器11、12および検出用IDT13〜16の材料よりも密度の高いものとなるようにすることで、角速度が印加された時に発生するコリオリ力が大きくなり、y軸方向に励起される弾性波の振幅が大きくなって、摂動錘6の振動振幅や振動速度を大きくすることが可能となる。これにより、角速度センサ1の更なる高感度化を図ることが可能となる。
具体的には、通常、摂動錘6の材料には配線材料と同材料であるAl(2.69g/cm3)系が用いられる。しかしながら、Al系の材料では密度が小さいため、コリオリ力が小さい。これに対して、Pt、Au、W等のように、例えばAlの5倍(13.5/cm3)以上の密度の材料を用い、かつ、摂動錘6の膜厚を励振用IDT7〜10の膜厚の2倍以上として摂動錘6を形成すると、角速度センサ1の感度をAl系の材料で摂動錘6を形成した場合と比べて、1桁向上させることが可能となる。
なお、ここでは摂動錘6の材料としてPt、Au、Wを例に挙げて説明したが、摂動錘6の材料は励振用IDT7〜10等の材料との関係により決まるものであり、必ずしもここで挙げたものでなければならないというものではない。
次に、本実施形態の角速度センサ1の製造方法について説明する。図5に、本実施形態の角速度センサ1の製造工程の断面図を示し、この図を参照して説明する。
まず、図5(a)、(b)に示す工程では、図3(a)、(b)と同様の工程を行う。続いて、図5(c)に示す工程では、圧電膜5の表面に、例えば不純物がドーピングされたPoly−Si等を成膜したのち、それをパターニングすることで、励振用IDT7〜10、反射器11、12および検出用IDT13〜16を形成する。
そして、図5(d)に示す工程では、励振用IDT7〜10等の表面を含めた圧電膜5の表面に摂動錘6の材料となるPt、Au、W等のいずれかを励振用IDT7〜10等の2倍以上の膜厚で成膜したのち、摂動錘6をパターニングする。このとき、励振用IDT7〜10等の材料と摂動錘6の材料とのエッチング選択比が得られるエッチング材料を選択する。
この後は、ワイヤボンディングなどを行うことで、駆動電圧印加ラインやGNDラインを形成したり、励振用IDT7〜10や検出用IDT13〜16と接続される配線等を形成することで、本実施形態の角速度センサ1が完成する。
(第2実施形態の変形例)
上記第2実施形態において、圧電膜5の表面に直接、摂動錘6、励振用IDT7〜10、反射器11、12および検出用IDT13〜16を形成する構造としているが、第1実施形態の変形例で示したように、必要に応じて、図6の角速度センサ1の断面図に示すように、圧電膜5の表面に層間絶縁膜20を成膜し、この層間絶縁膜20の表面に摂動錘6、励振用IDT7〜10、反射器11、12および検出用IDT13〜16を形成するようにしても良い。このようにすれば、摂動錘6の材料と励振用IDT7〜10等の材料との組み合わせにより圧電膜5が侵食され得るが、そのような侵食を防止することも可能となる。
また、上記第2実施形態では、第1実施形態で示したように励振用IDT7〜10の下に下部電極4が形成された構造において、さらに摂動錘6の材料が励振用IDT7〜10の材料よりも密度の高いものにするという組み合わせを説明したが、下部電極4を備えない構造において本実施形態の構造を採用しても、角速度センサ1の高感度化を図るという効果は得られる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態の角速度センサ1も、第2実施形態と同様に、第1実施形態に対して摂動錘6の構成を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
図7は、本実施形態の角速度センサ1の断面構成を示した図である。この図に示すように、本実施形態の角速度センサ1では、摂動錘6の膜厚を励振用IDT7〜10や反射器11、12および検出用IDT13〜16の膜厚よりも厚くすることにより、第1実施形態に対して1つ1つの摂動錘6の重さを重くしている。
このように、摂動錘6の膜厚が励振用IDT7〜10や反射器11、12および検出用IDT13〜16の膜厚よりも厚くなるようにしても、角速度が印加された時に発生するコリオリ力が大きくなり、y軸方向に励起される弾性波の振幅が大きくなって、摂動錘6の振動振幅や振動速度を大きくすることが可能となる。これにより、角速度センサ1の更なる高感度化を図ることが可能となる。
次に、本実施形態の角速度センサ1の製造方法について説明する。図8に、本実施形態の角速度センサ1の製造工程の断面図を示し、この図を参照して説明する。
まず、図8(a)〜(c)に示す工程では、図5(a)〜(c)と同様の工程を行う。続いて、図5(d)に示す工程では、励振用IDT7〜10等の表面を含めた圧電膜5の表面に例えば10μm以上の膜厚の厚膜レジスト30を塗布してから、この厚膜レジスト30のうち摂動錘6の形成予定位置をフォトリソグラフィにて開口させたホールパターンを形成する。続いて、成膜またはメッキ工程により、厚膜レジスト30に形成された穴内に摂動錘6の材料を埋め込むことで、高アスペクト比(底面の幅に対する高さの比)となる針状の複数の摂動錘6が形成される。ここで述べるメッキ工程とは、シード層を用いる電解メッキまたは、無電解メッキ手法を指している。シード層を用いる場合には、レジストを塗布する前に、シード層を成膜し、厚膜のフォトレジストを塗布、パターニングする必要がある。その後、図8(e)に示す工程において、厚膜レジスト30を除去することにより、厚膜レジスト30の上に形成された摂動錘6の形成用の材料も共にリフトオフさせる。
この後は、ワイヤボンディングなどを行うことで、駆動電圧印加ラインやGNDラインを形成したり、励振用IDT7〜10や検出用IDT13〜16と接続される配線等を形成することで、本実施形態の角速度センサ1が完成する。
(第3実施形態の変形例)
上記第3実施形態では、複数の摂動錘6それぞれが針状で構成される場合について説明したが、図9の角速度センサ1の断面図に示すように、厚膜レジスト30よりも厚くなるように摂動錘6の材料を成膜したのち、摂動錘6がすべて一繋ぎとなるように上部錘6aを架設することもできる。このようにすれば、摂動錘6の剛性を高めることが可能となり、角速度センサ1の構造体の持つ共振周波数が上がり、外部振動に強くなるという効果も得られる。
なお、このような上部錘6aを形成するには、摂動錘6の材料のうち厚膜レジスト30よりも上に形成された部分をパターニングするときに、例えば摂動錘6が形成される略正方形の領域と対応する正方形状に残すようにすれば良い。勿論、網目状に上部錘6aが残るようにしても構わないが、摂動錘6の剛性を高めるためには正方形状に上部錘6aを形成するのが好ましい。
また、図7や図9に示すように、圧電膜5の表面に直接、摂動錘6、励振用IDT7〜10、反射器11、12および検出用IDT13〜16を形成する構造としているが、第1実施形態の変形例で示したように、必要に応じて、図10(a)、(b)の角速度センサ1の断面図に示すように、圧電膜5の表面に層間絶縁膜20を成膜し、この層間絶縁膜20の表面に摂動錘6、励振用IDT7〜10、反射器11、12および検出用IDT13〜16を形成するようにしても良い。
また、上記第3実施形態でも、第1実施形態で示したように励振用IDT7〜10の下に下部電極4が形成された構造において、さらに摂動錘6が励振用IDT7〜10の材料よりも厚くなるようにするという組み合わせを説明したが、下部電極4を備えない構造において本実施形態の構造を採用しても、角速度センサ1の高感度化を図るという効果は得られる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態の角速度センサ1も、第1実施形態に対して摂動錘6の構成を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
図11は、本実施形態の角速度センサ1を示したものであり、図11(a)は、角速度センサ1の斜視図であり、図11(b)は、図11(a)におけるB−B断面図である。
本実施形態の角速度センサ1は、図11(a)において破線で示したように、第1実施形態に対して複数の摂動錘6をシリコン基板2内に埋め込んだ構成としている。具体的には、シリコン基板2に対して複数の摂動錘6と対応した数のトレンチ2aが形成されており、このトレンチ2a内にシリコン酸化膜3を介して複数の摂動錘6が1つ1つ配置されている。そして、複数の摂動錘6を覆うようにシリコン酸化膜3が再度形成され、その上に下部電極4、圧電膜5などが形成された構造としている。そして、このような構造において、摂動錘6の材料は基板材料(ここではシリコン)よりも密度が高い材料、例えば、Pt、Au、W等とされている。
このように、シリコン基板2に摂動錘6を埋め込み、かつ、摂動錘6の材料をシリコンよりも高い密度の材料で構成するようにしても、摂動錘6の重さを重くすることができる。このため、角速度が印加された時に発生するコリオリ力が大きくなり、y軸方向に励起される弾性波の振幅が大きくなって、摂動錘6の振動振幅や振動速度を大きくすることが可能となる。これにより、角速度センサ1の更なる高感度化を図ることが可能となる。
次に、本実施形態の角速度センサ1の製造方法について説明する。図12に、本実施形態の角速度センサ1の製造工程の断面図を示し、この図を参照して説明する。
まず、図12(a)に示す工程では、シリコン基板2を用意したのち、フォトリソグラフィ工程により、シリコン基板2のうち摂動錘6の形成予定領域にトレンチ2aを形成する。そして、図12(b)に示す工程では、熱酸化等により、トレンチ2a内を含むシリコン基板2の表面にシリコン酸化膜3を形成する。
続く、図12(c)に示す工程では、シリコン酸化膜3の表面に摂動錘6の材料40を成膜する。その後、図12(d)に示す工程では、シリコン酸化膜3が露出するまで摂動錘6の材料40をエッチバックすることで、摂動錘6を形成する。このときのエッチバックは、ドライエッチングによって行っても良いが、CMP(Chemical Mechanical Polishing)にて行うこともできる。
そして、図12(e)に示す工程において、シリコン酸化膜3を再度形成することで摂動錘6を覆ったのち、図12(f)、(g)の工程において、図8(b)、(c)と同様の工程を行う。
この後は、ワイヤボンディングなどを行うことで、駆動電圧印加ラインやGNDラインを形成したり、励振用IDT7〜10や検出用IDT13〜16と接続される配線等を形成することで、本実施形態の角速度センサ1が完成する。
(第4実施形態の変形例)
上記第4実施形態において、圧電膜5の表面に直接、摂動錘6、励振用IDT7〜10、反射器11、12および検出用IDT13〜16を形成する構造としているが、第1実施形態の変形例で示したように、必要に応じて、図13の角速度センサ1の断面図に示すように、圧電膜5の表面に層間絶縁膜20を成膜し、この層間絶縁膜20の表面に摂動錘6、励振用IDT7〜10、反射器11、12および検出用IDT13〜16を形成するようにしても良い。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態の角速度センサ1は、第4実施形態に対して励振用IDT7〜10、反射器11、12および検出用IDT13〜16の構成を変更したものであり、その他に関しては第4実施形態と同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
図14は、本実施形態の角速度センサ1を示したものであり、図14(a)は、角速度センサ1の斜視図であり、図14(b)は、図14(a)におけるC−C断面図である。
本実施形態の角速度センサ1は、図14(a)において破線で示したように、複数の摂動錘6に加えて、励振用IDT7〜10、反射器11、12および検出用IDT13〜16もシリコン基板2内に埋め込み、上述した下部電極4を無くした構成としている。具体的には、シリコン基板2に対して励振用IDT7〜10、反射器11、12および検出用IDT13〜16と対応するトレンチ2bが形成されており、このトレンチ2b内にシリコン酸化膜3を介して励振用IDT7〜10、反射器11、12および検出用IDT13〜16が配置されている。そして、複数の摂動錘6、励振用IDT7〜10、反射器11、12および検出用IDT13〜16を覆うようにシリコン酸化膜3が再度形成され、その上に圧電膜5や層間絶縁膜20などが形成された構造としている。
このように、シリコン基板2に摂動錘6を埋め込み、かつ、摂動錘6の材料40をシリコンよりも高い密度の材料40で構成した角速度センサ1において、本実施形態のように、励振用IDT7〜10、反射器11、12および検出用IDT13〜16もシリコン基板2に埋め込んだ構造とすることもできる。このようにしても、上記第4実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、図示しないが、本実施形態の角速度センサ1では、各励振用IDT7〜10や検出用IDT13〜16と配線等との電気的な接続は、層間絶縁膜20や圧電膜5に形成されたコンタクトホールを通じて行われている。
次に、本実施形態の角速度センサ1の製造方法について説明する。図15に、本実施形態の角速度センサ1の製造工程の断面図を示し、この図を参照して説明する。
まず、図15(a)に示す工程では、シリコン基板2を用意したのち、フォトリソグラフィ工程により、シリコン基板2のうち励振用IDT7〜10、反射器11、12および検出用IDT13〜16と対応する位置にトレンチ2bを形成する。続いて、図15(b)に示す工程では、熱酸化により、トレンチ2b内を含むシリコン基板2の表面にシリコン酸化膜3を形成する。このとき、熱酸化された分、シリコン基板2とシリコン酸化膜3の境界部によって区画されたトレンチ2bが大きくなる。
図15(c)に示す工程では、シリコン酸化膜3の表面に励振用IDT7〜10、反射器11、12および検出用IDT13〜16の材料50を成膜する。この後、図15(d)に示す工程では、シリコン酸化膜3が露出するまで材料50をエッチバックすることで、励振用IDT7〜10、反射器11、12および検出用IDT13〜16を形成する。このときのエッチバックは、ドライエッチングによって行っても良いが、CMP(Chemical Mechanical Polishing)にて行うこともできる。
続いて、図15(e)に示す工程では、再度シリコン酸化膜3を形成したのち、フォトリソグラフィ工程にて、シリコン酸化膜3のうちの摂動錘6の形成予定位置を開口させると共に、その開口した位置においてシリコン基板2をエッチングすることでトレンチ2aを形成する。この後、図15(f)に示す工程では、トレンチ2a内を含めてもう一度熱酸化等によりシリコン酸化膜3を形成したのち、図12(c)〜(e)と同様の工程を行うことで摂動錘6を形成する。
そして、図15(g)に示す工程では、圧電膜5を形成した後、層間絶縁膜20の形成工程を行う。その後、図示しないが、励振用IDT7〜10との電気的な接続を図るためのコンタクトホール形成工程やワイヤボンディング工程等を行うことで、本実施形態の角速度センサ1が完成する。
(第5実施形態の変形例)
上記第5実施形態において、摂動錘6の長さ(z軸方向のサイズ)に関して特に触れていないが、摂動錘6の長さはトレンチ2aの深さに依存するため、例えば、図16の角速度センサ1の断面図に示されるように、トレンチ2aを深くすることにより、より摂動錘6の重さを重くすることができ、さらなる角速度センサ1の高感度化を図ることが可能となる。
また、図17の角速度センサ1の断面図に示すように、上記構造の角速度センサ1に対して、圧電膜5の上に導電性膜60を成膜することも可能である。この導電性膜60は、例えば不純物をドーピングしたPoly−Si等、下部電極4と同様の材料により構成される。
このような導電性膜60を備えることにより、励振用IDT7〜10と導電性膜60の間に一定の電位差を発生させることが可能となり、圧電膜5に効率よく電力を注入すること(つまり電圧を加えること)が可能となる。また、この導電性膜60をGND電位とすることで、電気的なシールド効果を発揮させることも可能となり、角速度センサ1に生じるノイズレベルを抑制できるため、角速度センサ1内での信号レベルが上がり、さらなる高感度化を図ることが可能となる。
さらに、図18の角速度センサ1の断面図に示すように、図17に示すような導電性膜60を形成する場合において、摂動錘6の上部に関しては導電性膜60を除去した構成とすることも可能である。このような構造は、導電性膜60を成膜した後に、フォトリソグラフィ・エッチング工程を行うことにより実現できる。
(他の実施形態)
上記各実施形態では、駆動電極や検出器を櫛歯状の励振用IDT7〜10や検出用IDT13〜16にて構成したが、駆動電極や検出器として機能するものであればどのような形状であっても構わない。また、駆動電極として複数の摂動錘6の一方側に配置された励振用IDT7、8だけでなく、複数の摂動錘6の他方側に配置された励振用IDT9、10も備えた構成としている。これも単なる一例であり、少なくとも一方にのみ駆動電極が配置されていれば良い。
第2実施形態では、励振用IDT7〜10等の材料と摂動錘6の材料とのエッチング選択比が高い場合を想定して、励振用IDT7〜10等をパターニングした後に摂動錘6の材料を励振用IDT7〜10等の表面に成膜し、それから摂動錘6のパターニングを行うようにしている。これに対して、励振用IDT7〜10等の材料と摂動錘6の材料とのエッチング選択比が得られない場合には、第3実施形態で示したように、リフトオフによって摂動錘6を形成することも可能である。
また、上記各実施形態では、角速度センサ1を構成する各部の材料や膜厚等のサイズの一例を挙げて説明したが、ここで示した材料や膜厚は単なる一例であり、適宜変更可能である。特に、各部の膜厚等のサイズは、発生させたい定在波の波長等によって設定されるものであるため、角速度センサ1の仕様などにより変更されることになる。
(a)は、本発明の第1実施形態にかかる角速度センサ1の斜視図であり、(b)は、(a)におけるA−A断面図である。 図1に示す角速度センサ1に対して角速度が印加された場合の摂動錘6などの様子を示した拡大模式図である。 図1に示す角速度センサ1の製造工程の断面図である。 本発明の第1実施形態の変形例で示す角速度センサ1の断面図である。 本発明の第2実施形態にかかる角速度センサ1の製造工程の断面図である。 本発明の第2実施形態の変形例で示す角速度センサ1の断面図である。 本発明の第3実施形態にかかる角速度センサ1の断面図である。 図7に示す角速度センサ1の製造工程の断面図である。 本発明の第3実施形態の変形例で示す角速度センサ1の断面図である。 本発明の第3実施形態の変形例で示す角速度センサ1の断面図である。 (a)は、本発明の第4実施形態にかかる角速度センサ1の斜視図であり、(b)は、(a)におけるB−B断面図である。 図11に示す角速度センサ1の製造工程の断面図である。 本発明の第4実施形態の変形例で示す角速度センサ1の断面図である。 (a)は、本発明の第5実施形態にかかる角速度センサ1の斜視図であり、(b)は、(a)におけるB−B断面図である。 図14に示す角速度センサ1の製造工程の断面図である。 本発明の第5実施形態の変形例で示す角速度センサ1の断面図である。 本発明の第5実施形態の変形例で示す角速度センサ1の断面図である。 本発明の第5実施形態の変形例で示す角速度センサ1の断面図である。 従来の角速度センサのレイアウト図である。 角速度センサの駆動用の櫛歯電極による定在波の振動分布と摂動マスとの関係とその角速度センサに発生するコリオリ力の説明図である。
符号の説明
1…角速度センサ、2…シリコン基板、2a、2b…トレンチ、
3…シリコン酸化膜、4…下部電極、5…圧電膜、6…摂動錘、6a…上部錘、
7〜10…励振用IDT、7a〜10a…櫛歯部、7b〜10b…連結部、
11、12…反射器、13〜16…検出用IDT、13a〜16a…各櫛歯部、
13b〜16b…各連結部、20…層間絶縁膜、30…厚膜レジスト、40…材料、
50…材料、60…導電性膜。

Claims (10)

  1. 半導体基板(2)と、
    前記半導体基板(2)の上に形成された下部電極(4)と、
    前記下部電極(4)を覆うように形成された圧電膜(5)と、
    前記圧電膜(5)の上において、前記下部電極(4)と対向する位置に形成され、駆動電圧が印加されることで前記圧電膜(5)と前記下部電極(4)との間に電界を発生させ、前記圧電膜(5)に対して弾性表面波を発生させる駆動電極(7〜10)と、
    前記圧電膜(5)の上において、前記駆動電極(7〜10)の両側を挟み込むように配置され、前記駆動電極(7〜10)に対して前記駆動電圧を印加したときに発生させられる前記弾性表面波を定在波とする反射器(11、12)と、
    前記定在波が形成される領域に配置され、該定在波により前記半導体基板(2)の垂直方向に振動させられる摂動錘(6)と、
    前記圧電膜(5)の上に形成され、前記摂動錘(6)に対して角速度が印加されたときに発生するコリオリ力に基づく弾性波を検出する検出器(13〜16)とを備え、
    前記半導体基板(2)には、前記摂動錘(6)用のトレンチ(2a)が形成されており、該トレンチ(2a)内に前記摂動錘(6)が配置されることで、前記摂動錘(6)が前記圧電膜(5)の下に配置されていることを特徴とする弾性表面波角速度センサ。
  2. 半導体基板(2)と、
    前記半導体基板(2)に形成された複数のトレンチ(2b)と、
    前記複数のトレンチ(2b)内に形成された絶縁膜(3)と、
    前記複数のトレンチ(2b)内において、前記絶縁膜(3)を介して形成され、駆動電圧が印加されることで弾性表面波を発生させる駆動電極(7〜10)と、
    前記複数のトレンチ内(2b)内において、前記絶縁膜(3)を介して形成されていると共に、前記駆動電極(7〜10)の両側を挟み込むように配置され、前記駆動電極(7〜10)に対して前記駆動電圧を印加したときに発生させられる前記弾性表面波を定在波とする反射器(11、12)と、
    前記定在波が形成される領域に配置され、該定在波により前記半導体基板(2)の垂直方向に振動させられる摂動錘(6)と、
    前記複数のトレンチ(2b)内において、前記絶縁膜(3)を介して形成され、前記摂動錘(6)に対して角速度が印加されたときに発生するコリオリ力に基づく弾性波を検出する検出器(13〜16)と、
    前記駆動電極(7〜10)、前記反射器(11、12)および前記検出器(13〜16)の上に形成された圧電膜(5)とを備え、
    前記摂動錘(6)の単位面積当たりの重さが前記駆動電極(7〜10)、前記反射器(11、12)および前記検出器(13〜16)の単位面積あたりの重さよりも重くなっており、
    前記半導体基板(2)には、前記摂動錘(6)用のトレンチ(2a)が形成されており、該トレンチ(2a)内に前記摂動錘(6)が配置されることで、前記摂動錘(6)が前記圧電膜(5)の下に配置されていることを特徴とする弾性表面波角速度センサ。
  3. 前記圧電膜(5)の上に導電性膜(60)が形成されていることを特徴とする請求項に記載の弾性表面波角速度センサ。
  4. 前記摂動錘(6)の材料と前記駆動電極(7〜10)、前記反射器(11、12)および前記検出器(13〜16)の材料が異なっており、前記摂動錘(6)の材料の方が前記駆動電極(7〜10)、前記反射器(11、12)および前記検出器(13〜16)の材料の密度よりも高くされていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の弾性表面波角速度センサ。
  5. 前記摂動錘(6)の膜厚が前記駆動電極(7〜10)、前記反射器(11、12)および前記検出器(13〜16)の膜厚よりも厚く構成されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の弾性表面波角速度センサ。
  6. 半導体基板(2)と、
    前記半導体基板(2)の上に形成された下部電極(4)と、
    前記下部電極(4)を覆うように形成された圧電膜(5)と、
    前記圧電膜(5)の上において、前記下部電極(4)と対向する位置に形成され、駆動電圧が印加されることで前記圧電膜(5)と前記下部電極(4)との間に電界を発生させ、前記圧電膜(5)に対して弾性表面波を発生させる駆動電極(7〜10)と、
    前記圧電膜(5)の上において、前記駆動電極(7〜10)の両側を挟み込むように配置され、前記駆動電極(7〜10)に対して前記駆動電圧を印加したときに発生させられる前記弾性表面波を定在波とする反射器(11、12)と、
    前記定在波が形成される領域に配置され、該定在波により前記半導体基板(2)の垂直方向に振動させられる摂動錘(6)と、
    前記圧電膜(5)の上に形成され、前記摂動錘(6)に対して角速度が印加されたときに発生するコリオリ力に基づく弾性波を検出する検出器(13〜16)とを備えてなる弾性表面波角速度センサの製造方法であって、
    前記半導体基板(2)を用意する工程と、
    前記半導体基板(2)の上において、前記駆動電極(7〜10)の形成予定位置と対応する位置に下部電極(4)を形成する工程と、
    前記下部電極(4)を覆うように圧電膜(5)を形成する工程と、
    前記圧電膜(5)の上に、前記駆動電極(7〜10)、前記反射器(11、12)および前記検出器(13〜16)を形成する工程と、
    前記摂動錘(6)を形成する工程と、を含んでおり、
    前記摂動錘(6)を形成する工程は、
    前記半導体基板(2)に対して前記摂動錘(6)用のトレンチ(2a)を形成する工程と、
    前記トレンチ(2a)内に絶縁膜(3)を形成する工程と、
    前記絶縁膜(3)を介して前記トレンチ(2a)内に前記摂動錘(6)を形成することで、前記摂動錘(6)を前記圧電膜(5)の下に配置する工程と、を含んでいることを特徴とする弾性表面波角速度センサの製造方法。
  7. 半導体基板(2)と、
    前記半導体基板(2)に形成された複数のトレンチ(2b)と、
    前記複数のトレンチ(2b)内に形成された絶縁膜(3)と、
    前記複数のトレンチ(2b)内において、前記絶縁膜(3)を介して形成され、駆動電圧が印加されることで弾性表面波を発生させる駆動電極(7〜10)と、
    前記複数のトレンチ内(2b)内において、前記絶縁膜(3)を介して形成されていると共に、前記駆動電極(7〜10)の両側を挟み込むように配置され、前記駆動電極(7〜10)に対して前記駆動電圧を印加したときに発生させられる前記弾性表面波を定在波とする反射器(11、12)と、
    前記定在波が形成される領域に配置され、該定在波により前記半導体基板(2)の垂直方向に振動させられる摂動錘(6)と、
    前記複数のトレンチ(2b)内において、前記絶縁膜(3)を介して形成され、前記摂動錘(6)に対して角速度が印加されたときに発生するコリオリ力に基づく弾性波を検出する検出器(13〜16)と、
    前記駆動電極(7〜10)、前記反射器(11、12)および前記検出器(13〜16)の上に形成された圧電膜(5)とを備えてなる弾性表面波角速度センサの製造方法であって、
    前記半導体基板(2)を用意する工程と、
    前記半導体基板(2)のうち前記駆動電極(7〜10)、前記反射器(11、12)および前記検出器(13〜16)の形成予定位置と対応する場所に複数のトレンチ(2b)を形成する工程と、
    前記複数のトレンチ(2b)の内壁に絶縁膜(3)を形成する工程と、
    前記絶縁膜(3)を介して、前記複数のトレンチ(2b)内に、前記駆動電極(7〜10)、前記反射器(11、12)および前記検出器(13〜16)を形成する工程と、
    前記駆動電極(7〜10)、前記反射器(11、12)および前記検出器(13〜16)の上に圧電膜(5)を形成する工程と、
    前記摂動錘(6)の単位面積当たりの重さが前記駆動電極(7〜10)、前記反射器(11、12)および前記検出器(13〜16)の単位面積あたりの重さよりも重くなるように、前記摂動錘(6)を形成する工程と、を含み、
    前記摂動錘(6)を形成する工程は、
    前記半導体基板(2)に、前記摂動錘(6)用のトレンチ(2a)を形成する工程と、
    前記摂動錘(6)用のトレンチ(2a)内に前記絶縁膜(3)を形成したのち、前記摂動錘(6)を配置することで、前記圧電膜(5)の下に前記摂動錘(6)が配置されるように形成する工程と、を含んでいることを特徴とする弾性表面波角速度センサの製造方法。
  8. 前記圧電膜(5)の上に導電性膜(60)を形成する工程を含んでいることを特徴とする請求項に記載の弾性表面波角速度センサの製造方法。
  9. 前記摂動錘(6)を形成する工程では、前記摂動錘(6)の材料として、前記駆動電極(7〜10)、前記反射器(11、12)および前記検出器(13〜16)の材料よりも密度よりも高い材料を用いて前記摂動錘(6)を形成することを特徴とする請求項ないしのいずれか1つに記載の弾性表面波角速度センサの製造方法。
  10. 前記摂動錘(6)を形成する工程では、前記摂動錘(6)の膜厚が前記駆動電極(7〜10)、前記反射器(11、12)および前記検出器(13〜16)の膜厚よりも厚くなるように前記摂動錘(6)を形成することを特徴とする請求項ないしのいずれか1つに記載の弾性表面波角速度センサの製造方法。
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