JP4483934B2 - 弾性表面波角速度センサ - Google Patents

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Description

本発明は、弾性表面波を用いて摂動錘を駆動振動させ、この摂動錘に対して加えられる加速度の検出を行う弾性表面波角速度センサ(以下、単に角速度センサという)に関するものである。
従来、特許文献1、2において、弾性表面波を用いて角速度の検出を行う角速度センサが提案されている。特許文献1、2に記載されている角速度センサは、共に、同一原理に基づいて角速度を検出するものであり、センサを構成するデバイスの構造としては、圧電単結晶基板上に金属配線で形成された駆動用の櫛歯電極、検出用の櫛歯電極、反射器および複数の摂動錘を備えたものを採用している。
図9は、特許文献1に記載された角速度センサのレイアウト図である。この図に示すように、略正方形に整列配置された複数の摂動錘J1を中心として、複数の摂動錘J1により形成される正方形の一辺と対向するように駆動用の櫛歯電極J2が配置され、さらに、その駆動用の櫛歯電極J2および複数の摂動錘J1を挟むように両側に反射器J3、J4が配置されている。つまり、複数の摂動錘J1により形成される正方形の相対する二辺と対向するように駆動用の櫛歯電極J2および反射器J3、J4が配置されることで、駆動用の櫛歯電極J2および反射器J3、J4からなる1つの弾性表面波デバイスが図9中のx軸方向に並べられ、そのデバイスの伝播路上に複数の摂動錘J1が配置された構成となっている。
また、複数の摂動錘J1により形成される正方形の相対する他の二辺と対向するように検出用の櫛歯電極J5、J6が設けられると共に、その検出用の櫛歯電極J5、J6および複数の摂動錘J1を挟むように両側に反射器J7、J8が配置されることで、検出用の櫛歯電極J5、J6および反射器J7、J8からなるもう1つの弾性表面波デバイスが図9中のy軸方向に並べられ、そのデバイスの伝播路上に摂動錘J1が配置された構成となっている。
このように構成される角速度センサは、以下のように作動する。図10に、角速度センサの駆動用の櫛歯電極J2による定在波の振動分布と摂動錘J1との関係とその角速度センサに発生するコリオリ力の説明図を示し、この図を参照して説明する。
駆動用の櫛歯電極J2に交流電圧を印加し、その駆動用の櫛歯電極J2のピッチで決まる共振周波数、たとえば10MHz〜数百MHzの信号で駆動すると、弾性表面波が励起される。このとき、弾性表面波が反射器J3、J4で閉じ込められるため、弾性表面波の励振効率が向上していく。また、反射器J3、J4により、駆動用の櫛歯電極J2と反射器J4の間にある伝播路に定在波が生成される。
そして、複数の摂動錘J1のピッチが定在波の波長に合わせられており、各摂動錘J1それぞれが定在波の腹の部分に位置するようにパターニングされているため、摂動錘J1が定在波の最大振幅位置で振動する。なお、「定在波の腹」とは、基板面に垂直方向の振動成分が最大となる場所のことを意味している。
このとき、対角線上において隣接している各摂動錘J1が定在波の振幅の上下逆位相となる位置に配置されているため、図10に示すように、摂動錘J11〜J14と摂動錘J15は逆位相振動する。
このような状態において、図中で、x方向の回りに回転(角速度)Ωxが加わった場合、摂動錘J1に振動速度に比例したコリオリ力による加速度a=2v×Ωがy方向に加わる。vとΩxはベクトル量であるから、摂動錘J11〜J14と摂動錘J15に作用する力は逆位相となる。
また、コリオリ力によるそれぞれの摂動錘J11〜J15で生じる加振力は、駆動定在波(x方向)とは直行する向き(y方向)に弾性波を励振することとなる。これらの摂動錘J11〜J15において駆動される弾性波は、摂動錘J1(たとえば、摂動錘J11とJ12)がy方向に対し波長の整数倍で配置されるため、検出用の櫛歯電極J5、J6の空間に弾性波動が励振される。そして、検出用の櫛歯電極J5、J6と対向するように反射器J7、J8が設置されているため、コリオリ力によって励振された波によって定在波が励振される。この定在波の強さがコリオリ力に比例しているため、検出用の櫛歯電極J5、J6で電圧または電荷を計測することにより、回転角速度を計測することが可能となる。
特開平8−334330号公報 米国特許第6516665号明細書
これら特許文献1、2に記載された技術は、原理・構造上、駆動波(つまり励起された弾性表面波)が摂動錘にて散乱されることで検出方向に波を生じさせることとなる。この散乱波は検出しようとしているコリオリ力による波よりも非常に大きく、例えば電圧換算で6桁ほど大きいため、コリオリ力を検出するためには散乱波を低減する必要がある。この散乱波の低減手法として、摂動錘を挟んで2つの検出用の櫛歯電極を両側に配置することにより、散乱波を互いに打ち消すという方法が考えられるが、ペア性が悪く打ち消すことが難しいため、ペア性の向上が必要である。
本発明は、上記問題に鑑みて、散乱波を低減できる角速度センサを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、基板(2)と、基板(2)に対して弾性表面波を伝搬させることにより、該基板(2)の所定領域に定在波を形成する駆動電極(7〜10)と、基板(2)の表面における定在波が形成される領域に配置され、該定在波により基板(2)に対して振動させられる複数の摂動錘(6)と、基板(2)のうち複数の摂動錘(6)に対して弾性表面波の伝搬方向と垂直方向に形成され、摂動錘(6)に対して角速度が印加されたときに発生するコリオリ力に基づく弾性波を検出する検出器(13〜16、30、31)とを備え、駆動電極(7〜10)と複数の摂動錘(6)および検出器(13〜16、30、31)を、弾性表面波の伝搬方向に沿った直線であって複数の摂動錘(6)の中央位置を通る直線を駆動軸(D)として、該駆動軸(D)に対して線対称の構造にすることを特徴としている。
このように、駆動電極(7〜10)が駆動軸(D)に対して線対称となるように配置している。このため、駆動電極(7〜10)で発生された駆動波の摂動錘(6)での散乱波の対称性が改善される。これにより、散乱波を低減することが可能となり、コリオリ力の検出をより精度良く行える角速度センサとすることが可能となる。
また、検出器(13〜16、30、31)も駆動軸(D)に対して線対称となるように配置してある。このため、これら検出器(13〜16、30、31)のペア性を向上することが可能となり、より散乱波の影響を低減することが可能となる。
例えば、請求項2に記載したように、駆動電極(7〜10)を2組備え、1組の駆動電極(7、8)に対してもう1組の駆動電極(9、10)が駆動軸(D)を挟んで線対称の構造とされるようにすることができる。
この場合、例えば請求項3に記載したように、2組の駆動電極(7〜10)に対して、それぞれ、駆動軸(D)に対して垂直方向に延設された第1櫛歯部(7a、9a)を有する第1駆動用櫛歯電極(7、9)と、第1櫛歯部(7a、9a)に対して対向配置された第2櫛歯部(8a、10a)を有する第2駆動用櫛歯電極(8、10)を備えることができる。
さらに、請求項4に記載したように、2組の駆動電極(7〜10)それぞれの第1駆動用櫛歯電極(7、9)に、第1櫛歯部(7a、9a)の一端を連結する第1バスバー(7b、9b)を備え、また、2組の駆動電極(7〜10)それぞれの第2駆動用櫛歯電極(8、10)に、第2櫛歯部(8a、10a)のうち第1櫛歯部(7a、9a)が第1バスバー(7b、9b)と連結される方と異なる側の端部を連結する第2バスバー(8b、10b)を備えた構成とすることができる。
また、請求項5に記載したように、2組の駆動電極(7〜10)それぞれの第1駆動用櫛歯電極(7、9)における第1櫛歯部(7a、9a)の一端を共通する一本の第1バスバー(20)にて連結し、2組の駆動電極(7〜10)それぞれの第2駆動用櫛歯電極(8、10)に関しては、第2櫛歯部(8a、10a)のうち第1櫛歯部(7a、9a)が第1バスバー(7b、9b)と連結される方と異なる側の端部が第2バスバー(8b、10b)にて連結された構成とすることもできる。
このように、第1櫛歯部(7a、9a)の各端部の結合用バスバーを共通化することにより、角速度センサの小型化を図ることが可能となる。
請求項6に記載の発明では、第1バスバー(7b、9b、20)および第2バスバー(8b、10b)の延長線上の領域を避け、該延長線上の内側に摂動錘(6)を配置することを特徴としている。
このような構成にすれば、弾性波の速度に違いが生じる第1バスバー(7b、9b、20)および第2バスバー(8b、10b)の延長線上において摂動錘(6)を取り除くことになるため、駆動波の位相ズレによる散乱波のズレを防ぐことができ、散乱波の打ち消し精度を向上することが可能となる。これにより、コリオリ力の検出をより精度良く行える角速度センサとすることが可能となる。
さらに、請求項7に記載したように、第1櫛歯部(7a、9a)と第2櫛歯部(8a、10a)とが対向する交差指幅分の領域内において摂動錘(6)が配置されるようにすると好ましい。
このような構成にすれば、第1、第2櫛歯部(7a〜10a)が対向している部分と対向していない部分との間での音速差(駆動波の伝わる速度)による位相ズレの影響を低減でき、散乱波の打ち消し合いの精度を向上することが可能となる。これにより、コリオリ力の検出をより精度良く行える角速度センサとすることが可能となる。
一方、請求項8に記載したように、検出器(13〜16)は、複数の摂動錘(6)の中央位置を通り駆動軸(D)に対して垂直方向の直線を垂直軸(E)とすると、該垂直軸(E)を挟んで線対称の構造とされると好ましい。
このように、検出器(13〜16)も垂直軸(E)に対して線対称となるように配置することにより、これら検出器(13〜16)での散乱波の対称性を改善することが可能となり、より散乱波の影響を低減することが可能となる。したがって、コリオリ力の検出をより精度良く行える角速度センサとすることが可能となる。
例えば、請求項9に記載したように、複数の摂動錘(6)を挟んで両側に検出器(13〜16)を配置し、駆動軸(D)を挟んで線対称の構造とすることができる。
この場合、請求項10に記載したように、複数の摂動錘(6)を挟んで両側に配置されたそれぞれの検出器(13〜16)を2組ずつで構成し、1組の検出器(13〜16)に対してもう1組の検出器(13〜16)が垂直軸(E)を挟んで線対称の構造にすると好ましい。
このように、検出器(13〜16)を垂直軸(E)に対して対称構造にすることにより、検出器(13〜16)の出力での散乱波を互いに打ち消し合わせることが可能となり、コリオリ力の検出をより精度良く行える角速度センサとすることが可能となる。
このような2組の検出器(13〜16)は、例えば、請求項11に記載したように、それぞれ、駆動軸(D)に対して平行方向に延設された第3櫛歯部(13a、15a)を有する第1検出用櫛歯電極(13、15)と、第3櫛歯部(13a、15a)に対して対向配置された第4櫛歯部(14a、16a)を有する第2検出用櫛歯電極(14、16)を備えた構成とされる。
さらに、請求項12に記載したように、2組の検出器(13〜16)それぞれの第1検出用櫛歯電極(13、15)に、第3櫛歯部(13a、15a)の一端を連結する第3バスバー(13b、15b)を備え、また、2組の検出器(13〜16)それぞれの第2検出用櫛歯電極(14、16)に、第4櫛歯部(14a、16a)のうち第3櫛歯部(13a、15a)が第3バスバー(13b、15b)と連結される方と異なる側の端部を連結する第4バスバー(14b、16b)を備えた構成とすることができる。
また、請求項13に記載したように、2組の検出器(13〜16)それぞれの第1検出用櫛歯電極(13、15)における第3櫛歯部(13a、15a)の一端を共通する一本の第3バスバー(21、22)にて連結し、2組の検出器(13〜16)それぞれの第2検出用櫛歯電極(14、16)は、第4櫛歯部(14a、16a)のうち第3櫛歯部(13a、15a)が第3バスバー(21、22)と連結される方と異なる側の端部が第4バスバー(14b、16b)にて連結された構成とすることもできる。
このように、第3櫛歯部(13a、15a)の各端部の結合用バスバーを共通化することにより、角速度センサの小型化を図ることが可能となる。
請求項14に記載の発明では、第3バスバー(13b、15b、21、22)および第4バスバー(14b、16b)の延長線上の領域を避け、該延長線上の内側に摂動錘(6)を配置することを特徴としている。
このような構成にすれば、弾性波の伝搬速度に違いが生じる第3バスバー(13b、15b、21、22)および第4バスバー(14b、16b)上を通過する弾性波の影響を取り除くことになるため、散乱波のズレを防ぐことができ、散乱波の打ち消し精度を向上することが可能となる。これにより、コリオリ力の検出をより精度良く行える角速度センサとすることが可能となる。
さらに、請求項15に記載したように、第3櫛歯部(13a、15a)と第4櫛歯部(14a、16a)とが対向する交差指幅分の領域内に摂動錘(6)が配置されるようにすると好ましい。
このような構成にすれば、第3、第4櫛歯部(13a〜16a)が対向している部分と対向していない部分との間での音速差(弾性波の伝わる速度)による位相ズレの影響を低減でき、散乱波の打ち消し合いの精度を向上することが可能となる。これにより、コリオリ力の検出をより精度良く行える角速度センサとすることが可能となる。
請求項16に記載の発明では、駆動電極(7〜10)は2組備えられ、1組の駆動電極(7、8)に対してもう1組の駆動電極(9、10)が駆動軸(D)を挟んで線対称の構造とされており、摂動錘(6)は、2組の駆動電極(7〜10)のうちの一方にて形成される定在波が形成される領域に配置された第1摂動錘(6a)と、2組の駆動電極(7〜10)のうちの他方にて形成される定在波が形成される領域に配置された第2摂動錘(6b)とを有して構成され、検出器(30、31)は、第1、第2摂動錘(6a、6b)の間に配置されていることを特徴としている。
このような構造によれば、第1、第2摂動錘(6a、6b)での散乱波が検出器(30、31)側に向かって伝搬されたときに逆相で伝わることになる。このため、各散乱波が互いに打ち消し合うようにすることが可能となる。さらに、コリオリ力による波は同位相となるため、互いに共振して一層強め合うことになる。このため、コリオリ力の検出をより精度良く行える角速度センサとすることが可能となる。
具体的には、請求項17に示すように、2組の駆動電極(7〜10)を逆位相で駆動すれば良い。
この場合にも、請求項18に示すように、検出器(30、31)も、駆動軸(D)を挟んで線対称の構造とされると好ましい。
このように、検出器(30、31)も駆動軸(D)に対して線対称となるように配置することにより、これら検出器(30、31)のペア性を向上することが可能となり、より散乱波の影響を低減することが可能となる。したがって、コリオリ力の検出をより精度良く行える角速度センサとすることが可能となる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態の角速度センサ1を示したものであり、図1(a)は、角速度センサ1の斜視図であり、図1(b)は、図1(a)におけるA−A断面図である。
図1(b)に示すように、角速度センサ1は、基板2上にセンサ部を構成する各構成要素が備えられた構造となっている。本実施形態では、基板2として圧電基板3を用いている。圧電基板3は、例えば板厚が400μm以上とされ、この圧電基板3上にセンサ部が形成されることにより角速度センサ1が構成されている。このような圧電基板3を構成する圧電材料としては、例えばニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウムなどを用いることができる。
基板2の表面には、摂動錘6、定在波を発生させるための駆動電極に相当する励振用の櫛歯電極(以下、励振用IDTという)7〜10、反射器11、12および検出器としての役割を果たす検出用IDT13〜16が備えられた構成とされている。
摂動錘6は、本実施形態では、絶縁材料にて構成されている。例えば、絶縁体としてシリコン酸化膜(SiO2)、シリコン窒化膜(Si34)を用いれば、通常の半導体プロセスにて摂動錘6を形成することが可能となる。摂動錘6の膜厚は、例えば1〜数μm程度とされている。
一方、励振用IDT7〜10、反射器11、12および検出用IDT13〜16は、不純物がドーピングされたPoly−Si、Al、Ti、Au、Pt、W、Ru等の金属またはそれを含む合金、例えばAl−Si−Cu、TiW等の合金によって構成されている。これらを不純物がドーピングされたPoly−Si、Al、Ti、Al−Si−Cu等で形成すれば、角速度センサ1の製造を半導体プロセスにて行う場合に、形成時の金属汚染を防止することができる。これら励振用IDT7〜10、反射器11、12および検出用IDT13〜16は、例えば1μm以下の膜厚とされている。
摂動錘6は、図1(a)に示すように、例えば上面形状が四角形(例えば正方形)で構成され、複数個備えられている。そして、複数個の摂動錘6が千鳥状に配置されることで、複数個の摂動錘6が配置された領域の外縁形状が略正方形とされている。具体的には、複数の摂動錘6は、これら複数の摂動錘6が構成する略正方形の相対する二辺(具体的には図中Y軸方向)と平行な複数列に並べられ、例えば各列が励振用IDT7により生成される定在波の腹の位置となるように、各列の間隔が定在波の波長λと同じもしくはその半分となるように設定されている。
励振用IDT7〜10および反射器11と反射器12は、複数の摂動錘6が構成する略正方形の相対する二辺(具体的には紙面左右の二辺)と対向するように配置され、複数の摂動錘6の両側にそれぞれ配置されている。
具体的には、励振用IDT7〜10は、励振用IDT7と励振用IDT8を一組、励振用IDT9と励振用IDT10をもう一組として、これらが共に、紙面左側において複数の摂動錘6が構成する略正方形の一辺と対向するように配置されている。励振用IDT7、8と励振用IDT9、10は、駆動波(つまり励起された弾性表面波)の伝搬方向に相当する図中X軸方向において複数の摂動錘6が構成する略正方形の中心を通る線を駆動軸Dとすると、この駆動軸Dを中心として線対称となるように形成されている。
励振用IDT7、8は、駆動軸Dよりも紙面上方に配置されており、これらが一対となって一組の駆動電極を構成するものである。これら励振用IDT7、8は、共に、摂動錘6のうちy軸と平行な一辺と対向する複数の櫛歯部7a、8aと、これら複数の櫛歯部7a、8aを連結するバスバー7b、8bを有して構成されている。これら励振用IDT7、8は、互いの櫛歯部7a、8aが等間隔に一本ずつ交互に、つまり互いの櫛歯部7a、8aが噛み合うように配置されることで、各櫛歯部7a、8aが1本ずつ対向配置されている。そして、各バスバー7b、8bが櫛歯部7a、8aを挟んで反対側に配置され、バスバー7bが各櫛歯部7aの紙面下方側の端部と接続され、バスバー8bが各櫛歯部8aの紙面上方側の端部と接続されている。
一方、励振用IDT9、10は、駆動軸Dよりも紙面下方に配置されており、励振用IDT7、8と同様に、これらが一対となって一組の駆動電極を構成している。これら励振用IDT9、10も、共に、摂動錘6のうちy軸と平行な一辺と対向する複数の櫛歯部9a、10aと、これら複数の櫛歯部9a、10aを連結するバスバー9b、10bを有して構成されている。この励振用IDT9、10は、互いの櫛歯部9a、10aが等間隔に一本ずつ交互に、つまり互いの櫛歯部9a、10aが噛み合うように配置されることで、各櫛歯部9a、10aが1本ずつ対向配置されている。そして、各バスバー9b、10bが櫛歯部9a、10aを挟んで反対側に配置され、バスバー9bが各櫛歯部9aの紙面上方側の端部と接続され、バスバー10bが各櫛歯部10aの紙面下方側の端部と接続されている。
これら励振用IDT7〜10には、例えばボンディングワイヤなどにより構成される駆動電圧印加ラインを通じて、駆動電源から駆動電圧が印加されるようになっており、この駆動電圧の印加により励振用IDT7〜10を図1(a)、(b)のz軸方向(つまり基板垂直方向)に振動させられるようになっている。
また、反射器11は、櫛歯部7a、8aや櫛歯部9a、10aを挟んで摂動錘6と反対側に複数本配置され、櫛歯部7a、8aや櫛歯部9a、10aと対向するようにy軸方向に沿って延設されている。各反射器11は、それぞれバスバー7b、8bの間、および、バスバー9b、10bの間に配置され、等間隔に配置されている。
また、反射器12は、複数の摂動錘6を挟んで励振用IDT7〜10と反対側に複数本配置されている。各反射器12は、励振用IDT7〜10における櫛歯部7a〜10aと対向するように図1中のy軸方向に沿って延設されており、複数の摂動錘6にて構成される四角形の一辺と同等もしくはそれよりも長くされている。
検出用IDT13、14は、これらが一対となって一組の検出器を構成するものである。これら検出用IDT13、14は、共に、摂動錘6のうちx軸と平行な一辺と対向する複数の櫛歯部13a、14aと、これら複数の櫛歯部13a、14aを連結するバスバー13b、14bを有して構成されている。これら検出用IDT13、14は、互いの櫛歯部13a、14aが等間隔に一本ずつ交互に、つまり互いの櫛歯部13a、14aが噛み合うように配置されることで、各櫛歯部13a、14aが1本ずつ対向配置されている。そして、各バスバー13b、14bが櫛歯部13a、14aを挟んで反対側に配置され、バスバー13bが各櫛歯部13aの紙面左側の端部と接続され、バスバー14bが各櫛歯部14aの紙面右側の端部と接続されている。
一方、検出用IDT15、16も同様であり、これらが一対となって一組の検出器を構成する。これら検出用IDT15、16は、共に、摂動錘6のうちx軸と平行な他の一辺(つまり検出用IDT13、14が配置される側とは反対側の一辺)と対向する複数の櫛歯部15a、16と、これら複数の櫛歯部15a、16aを連結するバスバー15b、16bを有して構成されている。この検出用IDT15、16は、互いの櫛歯部15a、16aが等間隔に一本ずつ交互に、つまり互いの櫛歯部15a、16aが噛み合うように配置されることで、各櫛歯部15a、16aが1本ずつ対向配置されている。そして、各バスバー15b、16bが櫛歯部15a、16aを挟んで反対側に配置され、バスバー15bが各櫛歯部15aの紙面左側の端部と接続され、バスバー16bが各櫛歯部16aの紙面右側の端部と接続されている。
本実施形態では、これら検出用IDT13、14と検出用IDT15、16も駆動軸Dに対して線対称となるように配置してある。このため、これら検出用IDT13〜16のペア性を向上することが可能となっている。
このようなセンサ部を有した構造により、本実施形態の角速度センサ1が構成されている。
続いて、本実施形態の角速度センサ1の作動について説明する。図2は、本実施形態の角速度センサ1に対して角速度が印加された場合の摂動錘6などの様子を示した拡大模式図である。
本実施形態の角速度センサ1におけるセンサ部の駆動は、励振用IDT7〜10に対して駆動電圧を印加することにより行う。例えば、励振用IDT7、9に対して+B[V]、励振用IDT8、10に対して−Bというように、励振用IDT7、9と励振用IDT8、10に対してB[V]の振幅の交流電圧の位相を半周期ずらして印加する。これにより、励振用IDT7〜10がz軸方向に振動し、x軸方向に弾性表面波が生成される。
弾性表面波を効率よく生成できる交流電圧の周期(共振周波数)は、主に励振用IDT7〜10の間隔や圧電基板3の物性により決まる。このため、これらに基づいて交流電圧の周期を例えば数MHz〜数百MHzに調整することで、弾性表面波を励起することができる。
このとき、通常、伝搬路には進行波が励起されるが、反射器11、12により表面弾性波が伝搬路中に閉じ込められ、伝搬路に定在波が生成される。この定在波の腹の位置に複数の摂動錘6の各列が配置されているため、定在波の振幅を大きくすることができる。
ここで、x軸を回転軸とする角速度Ωが加わった場合、1つの摂動錘6の質量をm、摂動錘6の振動速度をv、摂動錘6の振幅をr、共振周波数をω(=2πf)とすると、摂動錘6に対してy軸方向にコリオリ力F=2mvΩが働く。なお、v=rω、ω=2πfである。
また、定在波の振動は駆動電圧の周波数と同じ周期の振動となる。このため、コリオリ力Fは、y軸の+方向と−方向に周期的に振動する。このコリオリ力Fにより、複数の摂動錘6を挟んでy軸方向両側に配置された検出用IDT13〜16の方向に弾性波が励起される。その弾性波の振動振幅を検出用IDT13〜16の電気信号(電圧または電荷)に変換することで角速度を測定することが可能となる。
このようにして角速度の測定を行うに際し、本実施形態では、励振用IDT7〜10が駆動軸Dに対して線対称となるように配置している。このため、励振用IDT7、8の組と励振用IDT9、10の組でそれぞれ発生された駆動波の摂動錘6での散乱波の対称性が改善される。これにより、散乱波を低減することが可能となり、コリオリ力の検出をより精度良く行える角速度センサとすることが可能となる。
さらに、本実施形態では、検出用IDT13、14と検出用IDT15、16も駆動軸Dに対して線対称となるように配置してある。このため、これら検出用IDT13〜16のペア性を向上することが可能となり、より散乱波の影響を低減することが可能となる。したがって、コリオリ力の検出をより精度良く行える角速度センサとすることが可能となる。
なお、一般には、摂動錘は金属材料で構成されるが、これは製造工程を簡素化するためであり、錘としての機能を果たせれば必ずしも金属である必要は無い。摂動錘6を例えばシリコン酸化膜やシリコン窒化膜によって構成する場合、シリコン酸化膜の密度が2200kg/m3、シリコン窒化膜の密度が3100kg/m3であり、金属材料として一般的に用いられているアルミニウム(Al)の密度2700kg/m3と同等である。つまり、従来と同じ膜厚で摂動錘6を形成すれば、錘としての機能を果たし、同等の感度とすることが可能となる。
次に、本実施形態の角速度センサ1の製造方法について説明する。図3に、本実施形態の角速度センサ1の製造工程の断面図を示し、この図を参照して説明する。
まず、図3(a)に示す工程では、基板2として、例えば400μm以上の膜厚の圧電基板3を用意する。そして、この基板2の表面に、例えば1〜数μmの膜厚のシリコン酸化膜もしくはシリコン窒化膜などで構成された絶縁膜20を形成する。次に、図3(b)に示す工程では、絶縁膜20の上に摂動錘6の形成予定領域のみを覆うマスク(図示せず)を用いて絶縁膜20をウェットエッチングもしくはドライエッチングによりパターニングし、摂動錘6を形成する。例えば、絶縁膜20をシリコン酸化膜で構成する場合にはフッ酸、シリコン窒化膜で構成する場合にはリン酸が有効である。
続く、図3(c)に示す工程では、摂動錘6および基板2の表面を覆うように、不純物がドーピングされたPoly−Si、Al、Ti、Au、Pt、W、Ru等の金属、またはそれを含む合金、たとえば、Al−Si−Cu、Al−Cu、TiW等で構成された導体膜21を例えば1μm以下の膜厚で成膜する。一般的に、励振用IDT7〜10や検出用IDT13〜16のための材料には軽い方が有効であるため、AlやTi等を用いるのが好ましく、特にAlを用いた場合、通常の半導体プロセスと共用することも可能となる。
そして、図3(d)に示す工程では、導体膜21の表面に励振用IDT7〜10、反射器11、12および検出用IDT13〜16の形成予定領域を覆うマスク(図示せず)を配置した後、導体膜21をウェットエッチングもしくはドライエッチングによりパターニングすることで、励振用IDT7〜10、反射器11、12および検出用IDT13〜16を形成する。例えば導体膜21をAlで構成する場合には、リン酸を用いることができる。
この後の工程に関しては図示しないが、ワイヤボンディングなどを行うことで、駆動電圧印加ラインやGNDラインを形成したり、励振用IDT7〜10や検出用IDT13〜16と接続される配線等を形成することで、本実施形態の角速度センサ1が完成する。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態の角速度センサは、第1実施形態に対して検出用IDT13〜16の構成を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、
図4は、本実施形態の角速度センサ1の斜視図である。この図に示したように、駆動軸Dに対して垂直方向、かつ、複数の摂動錘6が構成する四角形の中心を通過する直線を垂直軸Eとすると、検出用IDT13、14が2つ設けられ、かつ、それぞれが垂直軸Eを中心として線対称となる配置とされていると共に、検出用IDT15、16が2つ設けられ、かつ、それぞれが垂直軸Eを中心として線対称となる配置とされている。
このように、検出用IDT13、14を垂直軸Eに対して対称構造にすると共に、検出用IDT15、16を垂直軸Eに対して対称構造にすることにより、検出用IDT13〜16での散乱波の対称性が改善され、より散乱波の影響を低減することが可能となる。したがって、さらにコリオリ力の検出を精度良く行える角速度センサとすることが可能となる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態の角速度センサは、第2実施形態に対して励振用IDT7〜10および検出用IDT13〜16の構成を変更したものであり、その他に関しては第2実施形態と同様であるため、
図5は、本実施形態の角速度センサ1の斜視図である。この図に示したように、励振用IDT7〜10に関しては、櫛歯部7aおよび櫛歯部9aの各端部を共通する1本のバスバー20にて結合している。また、検出用IDT13〜16に関しても同様に、櫛歯部13aおよび櫛歯部15aの各端部を共通する1本のバスバー21、22にて結合している。
このように、櫛歯部7aおよび櫛歯部9aの各端部の結合用バスバーを共通化したり、櫛歯部13aおよび櫛歯部15aの各端部の結合用バスバーを共通化することにより、角速度センサの小型化を図ることが可能となる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態の角速度センサは、第3実施形態に対して摂動錘6の配置場所を変更したものであり、その他に関しては第2実施形態と同様であるため、
図6は、本実施形態の角速度センサ1の斜視図である。この図に示したように、本実施形態では、励振用IDT7〜10におけるバスバー20、8a、10aおよび検出用IDT13〜16におけるバスバー21、14a、16aからの各延長線を避けるように、つまり各延長線によって囲まれる領域に摂動錘6が配置されるようにしている。
このような構成にすれば、弾性波の速度に違いが生じるバスバー20、8a、10aおよびバスバー21、14a、16aの延長線上において摂動錘6を取り除くことになるため、散乱波のズレを防ぐことができ、散乱波の打ち消し精度を向上することが可能となる。これにより、さらにコリオリ力の検出を精度良く行える角速度センサとすることが可能となる。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態の角速度センサも、第3実施形態に対して摂動錘6の構成を変更したものであり、その他に関しては第2実施形態と同様であるため、
図7は、本実施形態の角速度センサ1の斜視図である。この図に示したように、本実施形態では、励振用IDT7〜10における櫛歯部7aと櫛歯部8aが対向する交差指幅分の領域や櫛歯部9aと櫛歯部10aが対向する交差指幅分の領域の延長線、および、検出用IDT13〜16における櫛歯部13aと櫛歯部14aが対向する交差指幅分の領域や櫛歯部15aと櫛歯部16aが対向する交差指幅分の領域の延長線の交差する領域内に摂動錘6が配置されるようにしている。
励振用IDT7〜10において各櫛歯部7a〜10aが対向している部分と対向していない部分との間、もしくは、検出用IDT13〜16において各櫛歯部13a〜16aが対向している部分と対向していない部分との間で音速差(弾性波の伝わる速度)による位相ズレが生じる可能性がある。しかしながら、本実施形態のような構成にすれば、各摂動錘6が各櫛歯部7a〜10aの交差指幅分の領域および各櫛歯部13a〜16aの交差指幅分の領域内に入るようにしているため、上記位相ズレの影響を低減でき、散乱波の打ち消し合いの精度を向上することが可能となる。これにより、コリオリ力の検出をより精度良く行える角速度センサとすることが可能となる。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態について説明する。本実施形態の角速度センサは、角速度センサを構成する各構成要素を上記各実施形態と異なるレイアウトにしたものである。各構成要素の基本的な機能に関しては、上記各実施形態と同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
図8は、本実施形態の角速度センサ1の斜視図である。この図に示したように、本実施形態では、励振用IDT7〜10を駆動軸Dに対して線対称にしているという点では第1実施形態などと同様であるが、これらの間を開け、励振用IDT7、8の櫛歯部7a、8aの配列方向の延長線上に第1摂動錘6aおよび反射器12aを配置し、励振用IDT9、10の櫛歯部9a、10aの配列方向の延長線上に第2摂動錘6bおよび反射器12bを配置することにより、励振用IDTと摂動錘および反射器を2組設けた構造としている。そして、第1摂動錘6aと第2摂動錘6bの間に検出用IDT30、31を配置している。この検出用IDT30、31は、駆動軸Dおよび垂直軸Eに対して線対称とされている。
具体的には、検出用IDT30は、駆動軸Dに沿って形成された櫛歯部30aの中央部が垂直軸Eに沿って形成されたバスバー30bにて連結した構成とされている。また、検出用IDT31は、検出用IDT30におけるバスバー30bの両側に延びた櫛歯部30aと対向するように形成された櫛歯部31aの両端部のうちバスバー30bとは反対側の端部を駆動軸Dと平行に形成されたバスバー31bにて連結した構成とされている。
このような構成の角速度センサ1では、励振用IDT7、8と励振用IDT9、10を逆相で駆動することにより、第1、第2摂動錘6a、6bでの散乱波が検出用IDT30、31側に向かって伝搬されたときに逆相で伝わることになる。このため、各散乱波が互いに打ち消し合うようにすることが可能となる。さらに、コリオリ力による波は同位相となるため、互いに共振して一層強め合うことになる。このため、コリオリ力の検出をより精度良く行える角速度センサとすることが可能となる。
なお、第1、第2摂動錘6a、6bでの散乱波は検出用IDT30、31と逆方向へも伝搬されることになるが、第1、第2摂動錘6a、6bを挟んで検出用IDT30、31と逆方向において基板2の表面等に吸音材40、41を塗布しておけば、それを吸音することができるため、よりその散乱波による影響を無くすことが可能となる。
(他の実施形態)
上記各実施形態では、基板2として圧電基板3を用いる例を挙げて説明しているが、圧電基板3に限るものではない。例えば、半導体基板上に圧電膜を形成したものを基板2として用いても良く、弾性表面波を伝搬させられるものであればどのようなものであっても構わない。
また、上記第1〜第5実施形態では、反射器11、12を備えたり、検出用IDT13〜16が摂動錘6を挟んで両側に配置されるような構造としているが、これらも単なる一例を示したに過ぎず、反射器11、12を無くしたり、検出用IDT13〜16を摂動錘6に対して両側ではなく一方のみに配置する構造としても良い。ただし、反射器11、12に関しては、安定した定在波を発生させる上で有効であり、検出用IDT13〜16を摂動錘6の両側に配置することは、ペア性を向上させるという点で有効である。
同様に、励振用IDT7〜10に関しても、摂動錘6に対して両側に配置されるようにしても構わない。さらに、励振用IDT7〜10を櫛歯形状にしているが、櫛歯形状としなくても良い。
(a)は、本発明の第1実施形態にかかる角速度センサの斜視図であり、(b)は、(a)におけるA−A断面図である。 図1に示す角速度センサに対して角速度が印加された場合の摂動錘などの様子を示した拡大模式図である。 図1に示す角速度センサの製造工程の断面図である。 本発明の第2実施形態にかかる角速度センサの斜視図である。 本発明の第3実施形態にかかる角速度センサの斜視図である。 本発明の第4実施形態にかかる角速度センサの斜視図である。 本発明の第5実施形態にかかる角速度センサの斜視図である。 本発明の第6実施形態にかかる角速度センサの斜視図である。 従来の角速度センサのレイアウト図である。 角速度センサの駆動用の櫛歯電極による定在波の振動分布と摂動マスとの関係とその角速度センサに発生するコリオリ力の説明図である。
符号の説明
1…角速度センサ、2…基板、3…圧電基板、6…摂動錘、6a…第1摂動錘、6b…第2摂動錘、7〜10…励振用IDT、7a〜10a…櫛歯部、7b〜10b…バスバー、11、12…反射器、13〜16…検出用IDT、13a〜16a…櫛歯部、13b〜16b…バスバー、20、21…バスバー、30、31…検出用IDT、30a、31a…櫛歯部、30b、31b…バスバー、40、41…吸音材

Claims (18)

  1. 基板(2)と、
    前記基板(2)に対して弾性表面波を伝搬させることにより、該基板(2)の所定領域に定在波を形成する駆動電極(7〜10)と、
    前記基板(2)の表面における前記定在波が形成される領域に配置され、該定在波により前記基板(2)に対して振動させられる複数の摂動錘(6)と、
    前記基板(2)のうち前記複数の摂動錘(6)に対して前記弾性表面波の伝搬方向と垂直方向に形成され、前記摂動錘(6)に対して角速度が印加されたときに発生するコリオリ力に基づく弾性波を検出する検出器(13〜16、30、31)とを備え、
    前記駆動電極(7〜10)と前記複数の摂動錘(6)および前記検出器(13〜16、30、31)は、前記弾性表面波の伝搬方向に沿った直線であって前記複数の摂動錘(6)の中央位置を通る直線を駆動軸(D)として、該駆動軸(D)に対して線対称の構造とされていることを特徴とする弾性表面波角速度センサ。
  2. 前記駆動電極(7〜10)は2組備えられ、1組の前記駆動電極(7、8)に対してもう1組の前記駆動電極(9、10)が前記駆動軸(D)を挟んで線対称の構造とされていることを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波角速度センサ。
  3. 前記2組の駆動電極(7〜10)は、それぞれ、前記駆動軸(D)に対して垂直方向に延設された第1櫛歯部(7a、9a)を有する第1駆動用櫛歯電極(7、9)と、前記第1櫛歯部(7a、9a)に対して対向配置された第2櫛歯部(8a、10a)を有する第2駆動用櫛歯電極(8、10)を備えていることを特徴とする請求項2に記載の弾性表面波角速度センサ。
  4. 前記2組の駆動電極(7〜10)それぞれの前記第1駆動用櫛歯電極(7、9)は、前記第1櫛歯部(7a、9a)の一端を連結する第1バスバー(7b、9b)を有し、
    前記2組の駆動電極(7〜10)それぞれの前記第2駆動用櫛歯電極(8、10)は、前記第2櫛歯部(8a、10a)のうち前記第1櫛歯部(7a、9a)が前記第1バスバー(7b、9b)と連結される方と異なる側の端部を連結する第2バスバー(8b、10b)を有した構成とされていることを特徴とする請求項3に記載の弾性表面波角速度センサ。
  5. 前記2組の駆動電極(7〜10)それぞれの前記第1駆動用櫛歯電極(7、9)における前記第1櫛歯部(7a、9a)の一端は共通する一本の第1バスバー(20)にて連結されており、
    前記2組の駆動電極(7〜10)それぞれの前記第2駆動用櫛歯電極(8、10)は、前記第2櫛歯部(8a、10a)のうち前記第1櫛歯部(7a、9a)が前記第1バスバー(7b、9b)と連結される方と異なる側の端部が第2バスバー(8b、10b)にて連結された構成とされていることを特徴とする請求項3に記載の弾性表面波角速度センサ。
  6. 前記第1バスバー(7b、9b、20)および前記第2バスバー(8b、10b)の延長線上の領域を避け、該延長線上の内側に前記摂動錘(6)が配置されていることを特徴とする請求項4または5に記載の弾性表面波角速度センサ。
  7. 前記第1櫛歯部(7a、9a)と前記第2櫛歯部(8a、10a)とが対向する交差指幅分の領域内において前記摂動錘(6)が配置されていることを特徴とする請求項6に記載の弾性表面波角速度センサ。
  8. 前記検出器(13〜16)は、前記複数の摂動錘(6)の中央位置を通り前記駆動軸(D)に対して垂直方向の直線を垂直軸(E)とすると、該垂直軸(E)を挟んで線対称の構造とされていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の弾性表面波角速度センサ。
  9. 前記検出器(13〜16)は、前記複数の摂動錘(6)を挟んで両側に配置されていることを特徴とする請求項8に記載の弾性表面波角速度センサ。
  10. 前記複数の摂動錘(6)を挟んで両側に配置された前記検出器(13〜16)は、それぞれ2組ずつ備えられ、1組の前記検出器(13〜16)に対してもう1組の前記検出器(13〜16)が前記垂直軸(E)を挟んで線対称の構造とされていることを特徴とする請求項9に記載の弾性表面波角速度センサ。
  11. 前記2組の検出器(13〜16)は、それぞれ、前記駆動軸(D)に対して平行方向に延設された第3櫛歯部(13a、15a)を有する第1検出用櫛歯電極(13、15)と、前記第3櫛歯部(13a、15a)に対して対向配置された第4櫛歯部(14a、16a)を有する第2検出用櫛歯電極(14、16)を備えていることを特徴とする請求項10に記載の弾性表面波角速度センサ。
  12. 前記2組の検出器(13〜16)それぞれの前記第1検出用櫛歯電極(13、15)は、前記第3櫛歯部(13a、15a)の一端を連結する第3バスバー(13b、15b)を有し、
    前記2組の検出器(13〜16)それぞれの前記第2検出用櫛歯電極(14、16)は、前記第4櫛歯部(14a、16a)のうち前記第3櫛歯部(13a、15a)が前記第3バスバー(13b、15b)と連結される方と異なる側の端部を連結する第4バスバー(14b、16b)を有した構成とされていることを特徴とする請求項11に記載の弾性表面波角速度センサ。
  13. 前記2組の検出器(13〜16)それぞれの前記第1検出用櫛歯電極(13、15)における前記第3櫛歯部(13a、15a)の一端は共通する一本の第3バスバー(21、22)にて連結されており、
    前記2組の検出器(13〜16)それぞれの前記第2検出用櫛歯電極(14、16)は、前記第4櫛歯部(14a、16a)のうち前記第3櫛歯部(13a、15a)が前記第3バスバー(21、22)と連結される方と異なる側の端部が第4バスバー(14b、16b)にて連結された構成とされていることを特徴とする請求項12に記載の弾性表面波角速度センサ。
  14. 前記第3バスバー(13b、15b、21、22)および前記第4バスバー(14b、16b)の延長線上の領域を避け、該延長線上の内側に前記摂動錘(6)が配置されていることを特徴とする請求項12または13に記載の弾性表面波角速度センサ。
  15. 前記第3櫛歯部(13a、15a)と前記第4櫛歯部(14a、16a)とが対向する交差指幅分の領域内において前記摂動錘(6)が配置されていることを特徴とする請求項14に記載の弾性表面波角速度センサ。
  16. 前記駆動電極(7〜10)は2組備えられ、1組の前記駆動電極(7、8)に対してもう1組の前記駆動電極(9、10)が前記駆動軸(D)を挟んで線対称の構造とされており、
    前記摂動錘(6)は、前記2組の駆動電極(7〜10)のうちの一方にて形成される前記定在波が形成される領域に配置された第1摂動錘(6a)と、前記2組の駆動電極(7〜10)のうちの他方にて形成される前記定在波が形成される領域に配置された第2摂動錘(6b)とを有して構成され、
    前記検出器(30、31)は、前記第1、第2摂動錘(6a、6b)の間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波角速度センサ。
  17. 前記2組の駆動電極(7〜10)は逆位相で駆動されるものであることを特徴とする請求項16に記載の弾性表面波角速度センサ。
  18. 前記検出器(30、31)は、前記駆動軸(D)を挟んで線対称の構造とされていることを特徴とする請求項16または17に記載の弾性表面波角速度センサ。
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