JP4982852B2 - コア物質への糖鎖付加方法 - Google Patents
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Description
そこで本発明は、グリコサミノグリカン糖鎖などの糖鎖をコアタンパク質などのコア物質に、その水溶性に左右されることなく高効率的に付加する方法を提供することを目的とする。
工程A: キシロシルセリン結合(Xyl−Ser)を有する糖タンパク質および/またはそのタンパク質分解酵素による分解生成物である糖ペプチドに対し、アルキニル基含有アルコールの存在下でエンド−β−キシロシダーゼを用いて糖鎖転移反応を起こさせ、糖鎖の還元末端にアルキニル基を導入してアルキニル基含有糖鎖を得る工程。
工程B: コア物質にアジド基を導入してアジド基含有物質を得る工程。
工程C: 工程Aで得たアルキニル基含有糖鎖と工程Bで得たアジド基含有物質を反応させ、両者を結合して糖鎖付加物質を得る工程。
また、請求項2記載の糖鎖付加方法は、請求項1記載の糖鎖付加方法において、糖タンパク質がプロテオグリカンであり、糖鎖がグリコサミノグリカン糖鎖であることを特徴とする。
また、請求項3記載の糖鎖付加方法は、請求項1記載の糖鎖付加方法において、糖ペプチドがプロテオグリカンのタンパク質分解酵素による分解生成物であるペプチドグリカンであることを特徴とする。
また、請求項4記載の糖鎖付加方法は、請求項1記載の糖鎖付加方法において、アルキニル基含有アルコールがプロパルギルアルコールであることを特徴とする。
また、請求項5記載の糖鎖付加方法は、請求項1記載の糖鎖付加方法において、工程Aで得るアルキニル基含有糖鎖が一般式:X−4Xylβ1−O−(CH2)m−C≡CH(Xは1個以上の糖残基を表し、mは1〜6の整数を表す)で表されることを特徴とする。
また、請求項6記載の糖鎖付加方法は、請求項1記載の糖鎖付加方法において、工程Bで得るアジド基含有物質が下記の一般式(1)で表されることを特徴とする。
工程A: キシロシルセリン結合(Xyl−Ser)を有する糖タンパク質および/またはそのタンパク質分解酵素による分解生成物である糖ペプチドに対し、アルキニル基含有アルコールの存在下でエンド−β−キシロシダーゼを用いて糖鎖転移反応を起こさせ、糖鎖の還元末端にアルキニル基を導入してアルキニル基含有糖鎖を得る工程。
工程B: コア物質にアジド基を導入してアジド基含有物質を得る工程。
工程C: 工程Aで得たアルキニル基含有糖鎖と工程Bで得たアジド基含有物質を反応させ、両者を結合して糖鎖付加物質を得る工程。
以下、本発明のコア物質への糖鎖付加方法を工程ごとに説明する。
工程Aは、キシロシルセリン結合を有する糖タンパク質および/またはそのタンパク質分解酵素による分解生成物である糖ペプチドに対し、アルキニル基含有アルコールの存在下でエンド−β−キシロシダーゼを用いて糖鎖転移反応を起こさせ、糖鎖の還元末端にアルキニル基を導入してアルキニル基含有糖鎖を得る工程である。
工程Bは、コア物質にアジド基を導入してアジド基含有物質を得る工程である。コア物質へのアジド基の導入は、例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドや1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドの存在下でコア物質と4−アジド安息香酸を反応させることで行うことができる。この場合、コア物質としては、例えば、4−アジド安息香酸と反応してエステル結合やチオエステル結合やアミド結合を生成することができる水酸基やチオール基やアミノ基を少なくとも1個有する、合成高分子化合物を含む有機化合物やタンパク質やペプチドなどが挙げられる。このようにして得られるアジド基含有物質としては、例えば、下記の一般式(1)で表されるものが挙げられる。
工程Cは、工程Aで得たアルキニル基含有糖鎖と工程Bで得たアジド基含有物質を反応させ、両者を結合して糖鎖付加物質を得る工程である。この工程は、クリックケミストリー(click chemistry)と称される公知の1,3−双極子付加反応に付すことにより行うことができる(Warren G.Lewisら、Angew.Chem.Int.Ed.41:1053−1057.2002.など)。このようにして得られる糖鎖付加物質としては、例えば、下記の一般式(2)で表されるものが挙げられる。
(工程A)
以下の反応式に示す反応を行った。
・ FT−IR(KBr);3294,2933,2093,1578,1412,1356,1151,1077,1026,931,704cm−1
・ 白色粉末
以下の反応式に示す反応を行った。
・ 1H−NMR(CDCl3):δ=8.05(d,2H,J=8.6Hz),7.07(d,1H,J=8.6Hz),4.46(m,2H),3.82(m,2H),3.69−3.64(m,42H),3.54(m,2H),3.37(s,3H,PEGOMe)
・ MALDI−TOF MS m/z 平均分子量695)
・ 黄土色オイル状物質
以下の反応式に示す反応を行った。
・ MALDI−TOF MS m/z 平均分子量8700
・ 1H−NMR(D2O):δ=8.71(s),8.50(s),8.38(s),8.24(d,J=6.8Hz),8.03(d,J=8.6Hz,Ph),7.94(dd,J=6.8Hz, J=12.0Hz),7.17(d,J=6.8Hz,Ph),4.49(br−d),4.44(m),3.88(m),3.86(m),3.71−3.69(m),3.63(s,PEGOCH 2 ),3.61−3.53(m,sugar parts),3.31(s,3H,PEGOMe),3.30−3.29(m),1.83(s,AcN)
・ セルロースアセテート膜電気泳動後のアルシアンブルー染色に陽性(グルコサミノグリカン糖鎖の存在の検出)
・ 黄土色オイル状物質
特許文献1に記載の方法に従って、コンドロイチン6硫酸を持つペプチドグリカン(1)の2重量%水溶液70μLに、コア物質としての平均分子量550のポリ(エチレングリコール)メチルエーテル(3)65mgと0.1M酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.0)97μLを加え、次いで、エンド−β−キシロシダーゼ11μgを加えて37℃にて24時間インキュベートしたが、糖鎖転移反応は起こらず、目的とする糖鎖付加物質は得られなかった。
(工程A)
実施例1の工程Aと同様にして目的とするプロパルギル基含有糖鎖(2)を得た。
以下の反応式に示す反応を行った。
・ ESI−MS m/z 分子量67082
・ 白色粉末
以下の反応式に示す反応を行った。
・ 平均分子量8万:昭和電工社製のサイズ排除クロマトグラフィーShodex OH pack SB−803 HQによりプルランスタンダードを用いて算出(主たる糖鎖付加数:単位コア物質あたり2〜3)
・ 上記のサイズ排除クロマトグラフィーを用いた高速液体クロマトグラフィー(溶出液0.2M塩化ナトリウム水溶液:流速1mL/分:検出UV280nm)で保持時間8分
・ 黄白色粉末
Claims (9)
- 少なくとも以下の3つの工程を含んでなることを特徴とするコア物質への糖鎖付加方法。
工程A: キシロシルセリン結合(Xyl−Ser)を有する糖タンパク質および/またはそのタンパク質分解酵素による分解生成物である糖ペプチドに対し、アルキニル基含有アルコールの存在下でエンド−β−キシロシダーゼを用いて糖鎖転移反応を起こさせ、糖鎖の還元末端にアルキニル基を導入してアルキニル基含有糖鎖を得る工程。
工程B: コア物質にアジド基を導入してアジド基含有物質を得る工程。
工程C: 工程Aで得たアルキニル基含有糖鎖と工程Bで得たアジド基含有物質を反応させ、両者を結合して糖鎖付加物質を得る工程。 - 糖タンパク質がプロテオグリカンであり、糖鎖がグリコサミノグリカン糖鎖であることを特徴とする請求項1記載の糖鎖付加方法。
- 糖ペプチドがプロテオグリカンのタンパク質分解酵素による分解生成物であるペプチドグリカンであることを特徴とする請求項1記載の糖鎖付加方法。
- アルキニル基含有アルコールがプロパルギルアルコールであることを特徴とする請求項1記載の糖鎖付加方法。
- 工程Aで得るアルキニル基含有糖鎖が一般式:X−4Xylβ1−O−(CH2)m−C≡CH(Xは1個以上の糖残基を表し、mは1〜6の整数を表す)で表されることを特徴とする請求項1記載の糖鎖付加方法。
- 一般式:X−4Xylβ1−O−(CH2)m−C≡CH(Xとmは前記と同義である)で表されることを特徴とするアルキニル基含有糖鎖。
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