JP4980704B2 - アルデヒド類捕集剤 - Google Patents

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Description

本発明は、ホルムアルデヒド系接着剤から発生するホルムアルデヒド等のアルデヒド類を捕集するアルデヒド類捕集剤、前記アルデヒド類捕集剤を含有するホルムアルデヒド系接着剤、更には、これらを用いて製造される木質板の製造方法に関する。
パーティクルボード、合板、木質繊維板等の木質板の製造には、ホルムアルデヒド系接着剤を接着剤として使用することが一般的に行われている。この場合、木質板から、前記ホルムアルデヒド系接着剤に起因する遊離したホルムアルデヒドが大気中に放出され、環境や健康に害を与える問題がある。
従来、この問題の解決手段として、ホルムアルデヒドと反応してこれを捕集するいわゆるホルムアルデヒド捕集剤として、尿素、亜硫酸塩、ヒドラジド類を木質材料表面に塗布することが行われている(特許文献1、特許文献2参照)。この場合、ホルムアルデヒド捕集剤は通常水等に希釈して、スプレー塗工、ロール塗工等で塗布される。木質板は、ホルムアルデヒド捕集剤を塗布後、積み重ねて保管され、出荷される。
特開平11−240002号公報 特開2002−331504号公報
ところで、木質板は、アルデヒド捕集剤を塗布後、表面美観を向上する為及び所要の寸法とする為に表面を薄く研磨して出荷されるのが通常であるが、表面研磨を行った場合、特に研磨厚が大きい場合には木質板表面に存在するアルデヒド類捕集剤も少なくなり、その結果、上記手段ではホルムアルデヒド補捉能が低下或いはなくなってしまうという問題が生じる。この問題を解決する手段として、木質材料中に亜硫酸ナトリウムや尿素をホルムアルデヒド捕集成分として添加してホルムアルデヒド放散量を低減する方法が提案されている(特許文献3)。
特開平10−119010号公報
しかしながら、特許文献3記載の方法では、ホルムアルデヒド捕集成分である亜硫酸ナトリウムや尿素が固体であることから、木質板製造後に、添加した固体の亜硫酸ナトリウムなどが浮き出てしまい、木質板の外観上問題が生じる場合もあった。更にホルムアルデヒドとの反応は、固体−気体反応となり、液体を塗付した場合に比べ、アルデヒド類の捕集効果が劣る。特に、近年JIS法が改正され、ホルムアルデヒド放出量の制限が厳しくなったことを鑑みれば、上記手段では、使用制限を受けないF☆☆☆☆評価の木質板とするにはホルムアルデヒド捕集能が不十分である。
そこで、本発明では、熱圧前の木質材料に添加できる固体状態のアルデヒド類捕集剤でありながら、木質板製造後に木質板の外観上問題が生じず、かつアルデヒド類の捕集効果が改善されたアルデヒド類捕集剤の提供を課題とする。
上記課題を解決するため、木質材料中或いはホルムアルデヒド系接着剤中に添加、分散して使用する本発明のアルデヒド類捕集剤では、
前記アルデヒド類捕集剤が常温で粉末であって、常温で固体のアルデヒド類捕集用化合物を少なくとも一種類以上含有し、前記アルデヒド類捕集剤粉末の平均粒子径が1000μm以下であることを最も主要な特徴とする。
本発明のアルデヒド類捕集剤は、平均粒子径が1000μm以下であるので、これを用いて製造した木質板の表面に、肉眼で判断できるような白斑などが発生することがなく、外観の優れた木質板を製造できる。更に粉末としての平均粒子径が小さいことにより、単位重量あたりの粒子の総表面積が大きくなるので、アルデヒド類捕集効果も向上する。
更に、流動性改善剤をその最表面に被覆させた前記アルデヒド類捕集用化合物を含有するアルデヒド類捕集剤粉末の場合、平均粒子径が1000μm以下にもかかわらず、粉末の流動性を維持できるので、生産、保管、使用の各場面において、取り扱いやすい粉末とすることができる。
(ホルムアルデヒド系接着剤)
本発明のアルデヒド類捕集剤は、木質板の作製において、使用時にアルデヒド類を放出しながら接着が行われるホルムアルデヒド系接着剤を使用する場合に、前記接着剤とともに用いると好適なアルデヒド類捕集効果を奏するものである。
ホルムアルデヒド系接着剤とはホルムアルデヒドを成分として含有する接着剤全般を指し、代表的なホルムアルデヒド系接着剤としては、尿素とホルムアルデヒドを主成分とする尿素系接着剤(U系接着剤)、メラミン、尿素及びホルムアルデヒドを主成分とするメラミン系接着剤(M系接着剤)、フェノールとホルムアルデヒドを主成分とするフェノール系接着剤(P系接着剤)を挙げることができる。これらのホルムアルデヒド系接着剤は、木質板の製造に好んで用いられる。また、これらホルムアルデヒド系接着剤とホルムアルデヒド系以外の接着剤(例えばイソシアネート系接着剤)と併用して使用することもある。
ホルムアルデヒド系接着剤において、他の接着成分のモル数を1としたときのホルムアルデヒドのモル数は一般にホルムアルデヒドモル比と呼ばれる。ホルムアルデヒドモル比が0.8よりも低い値であると、一般的に接着剤としての接着効果に劣るため、通常使用されていない。
(アルデヒド類捕集剤)
本発明は、木質材料とホルムアルデヒド系接着剤を用いて木質板を製造するに際して、該木質材料中或いは該ホルムアルデヒド系接着剤中に添加または分散して使用するアルデヒド類捕集剤についてのものであり、その性状は常温で粉末である。なお、常温の語は、一般的な意味あいで用いるものあるが、厳密に定義すれば、25℃を指す。
〔平均粒子径〕
また本発明のアルデヒド類捕集剤粉末においては、効率のよいアルデヒド類捕集能を付与し、また本発明のアルデヒド類捕集剤粉末を用いて製造した木質板の外観を向上させるため、前記粉末の平均粒子径は1000μm以下とする。好ましくは400μm以下である。一方、平均粒子径があまりに小さすぎると、粉末として取り扱いづらくなるだけでなく、アルデヒド捕集能が却って悪くなったり、凝集が発生し却って外観上の問題を発生させたりする可能性があるため、20μm以上、更に好ましくは50μm以上であることが好ましい。
〔平均粒子径の測定方法〕
本発明のアルデヒド類捕集剤(アルデヒド類捕集用化合物の他、必要に応じて撥水性化合物や流動性改善剤などが添加された混合物粉末)の平均粒子径は、分級操作とレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置とによって測定するものとする。
まず分級操作で平均粒子径を測定し、その平均粒子径が250μm以上の粉末の場合、当該粉末の平均粒子径の値は、その分級操作での測定値を採用し、一方、分級操作による平均粒子径が250μm未満粉末の場合は、更にレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置で平均粒子径を測定し、そのレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置の測定値を採用する。
具体的には、分級操作は、被測定物について、目開き1,700μm、1,400μm、1,180μm、1,000μm、710μm、500μm、300μm、250μm、及び180μmの9段の篩と受け皿を用いて分級操作を行う。この分級操作は、受け皿に目開きの小さな篩から目開きの大きな篩の順に積み重ね、最上部の1,700μmの篩の上から100g/回のサンプルを入れ、蓋をしてロータップ型篩振盪機((株)飯田製作所製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、10分間振動させた後、それぞれの篩及び受け皿上に残留したサンプルを篩目ごとに回収して、サンプルの質量を測定することにより行う。
受け皿と各篩との質量頻度を積算していくと、積算の質量頻度が、50%以上となる最初の篩の目開きをaμmとし、aμmよりも一段大きい篩の目開きをbμmとし、受け皿からaμmの篩までの質量頻度の積算をc%、またaμmの篩上の質量頻度をd%として、次式(数1)により被測定物の平均粒子径(重量50%)が求められる。
Figure 0004980704
一方、レーザー回折/散乱式粒度分布測定は、被測定物を東日コンピューターアプリケーションズ(株)製の粒度分布測定装置「LDSA−1400A」を用いて測定するものとする。具体的には、焦点距離300mmで乾式分散装置を用いて、レーザー電源をオンにして、レーザー光が安定した後、自動焦点合わせを行う。平均粒子径は、乾式分散装置でサンプル粉末を連続的に吸引させながら、バックグラウンドと測定時との透過率比が0.5〜0.9の領域に調整しながら測定する。測定結果を体積基準で多重散乱補正処理して得られた平均粒子径を、本発明において、分級操作における平均粒子径が250μm未満の場合の平均粒子径とする。
〔安息角〕
本発明のアルデヒド類捕集剤粉末は、安息角が小さいほうが好ましい。安息角は粉末の性質を知る指標の一つであり、積み上げた粉末が、崩れないで安定しているときの斜面と水平面とのなす最大角度のことをいう。本発明のアルデヒド類捕集剤においては、安息角が小さいとその粉末はさらさらであり、安息角が大きいとその粉末はベタつくという指標になる。具体的には本発明のアルデヒド類捕集剤粉末では、安息角が80°以下であることが好ましく、65°以下であることが更に好ましい。安息角が大きすぎると、上述のとおりその粉末はベタつきやすく、取り扱いが困難になるだけでなく、該粉末が装置にこびりつきやすくなり、生産性に問題が生じる。前記安息角の具体的な測定方法は、後述の実施例において記載した。
(アルデヒド類捕集用化合物)
アルデヒド類捕集用化合物としては、アルデヒド類と反応する公知のアルデヒド類捕集能を有する化合物であれば足りる。好ましいアルデヒド類捕集化合物の例としては、亜硫酸塩、重亜硫酸塩類、尿素類、ヒドラジド類等を挙げることができる。
亜硫酸塩としては、亜硫酸ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等の金属塩や、モノエタノールアミン等のアミン塩、アンモニウム塩及びこれらの複塩等が挙げられるが、なかでも、アルデヒド類捕集性能をもち、低コストである点より、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸アンモニウムが好適である。本発明ではこれらの亜硫酸塩類のうち1種類または2種類以上を併用して使用することも出来る。
重亜硫酸塩類としては、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩、亜二チオン酸塩が挙げられる。前記塩の種類は、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム等の金属塩や、モノエタノールアミン等のアミン塩、アンモニウム塩等が挙げられる。このうち、ナトリウム塩、カリウム塩などが好ましい。本発明ではこれらの重亜硫酸塩類のうち1種類または2種類以上を併用して使用することも出来る。
尿素類としては、尿素及び尿素結合を有する化合物が例示され、例えば、メチル尿素、エチル尿素、ジメチル尿素、ジエチル尿素、グアニル尿素、アセチル尿素、チオ尿素の他、エチレン尿素、アラントイン等の環状尿素縮合体や、ビウレットなどの尿素二量体などの非環状尿素縮合体などが挙げられる。本発明ではこれら尿素類のうち1種或いは2種以上を併用して使用することもできる。これらのうち好ましい例としては、尿素、エチレン尿素、チオ尿素が挙げられ、なかでも価格等から尿素が好ましい。
ヒドラジド類としては、分子中に1個のヒドラジド基を有するモノヒドラジド化合物、分子中に2個のヒドラジド基を有するジヒドラジド化合物、分子中に3個以上のヒドラジド基を有するポリヒドラジド化合物を挙げることができる。モノヒドラジド化合物の具体例としては、ラウリル酸ヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド、ホルムヒドラジド、アセトヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、ナフトエ酸ヒドラジド等のアルキルヒドラジド化合物が挙げられる。ジヒドラジド化合物の具体例としては、カルボジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン2酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、ダイマー酸ジヒドラジド等の2塩基酸ジヒドラジドが挙げられる。ポリヒドラジド化合物の具体例としては、ポリアクリル酸ヒドラジド等を例示できる。これらのなかでも、2塩基酸ジヒドラジド化合物が好ましく、カルボジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ドデカン2酸ジヒドラジドがより好ましく、価格や入手のし易さからアジピン酸ジヒドラジドがさらに好ましい。本発明ではこれらヒドラジド類のうち1種或いは2種以上を併用して使用することもできる。
かかるアルデヒド類捕集用化合物のなかでも、常温では固体であるが、加温により、アルデヒド類との反応性を有する酸性ガスを発生する性質を有するものが好ましい。このような性質を有する化合物であれば、熱圧成型工程において、アルデヒド類捕集能を有する酸性ガスが発生し、ホルムアルデヒド等のアルデヒド類とガス状での反応を生じることによりアルデヒド類を除去するため、固体−気体反応でアルデヒド類を除去する他のアルデヒド類捕集能を有する化合物を用いた場合よりも高いアルデヒド類捕集能を発揮できるからである。
具体的なアルデヒド類との反応性を有する酸性ガスとしては、硫黄酸化物ガスや硫化水素を挙げることができる。硫黄酸化物ガスとしては、代表的な亜硫酸ガスの他、SOガスなどを挙げることができる。なお亜硫酸ガスが発生する場合にはSOガスも副生として発生する場合がある。本発明のアルデヒド類捕集剤では、このように2種以上の硫黄酸化物ガスが混在して発生する場合でも、お互いが阻害要因とならず、両者ともアルデヒド類を捕集するので好ましく使用できる。
アルデヒド類との反応性を有する酸性ガスを発生する化合物は、次のような加熱反応によって、亜硫酸ガスを代表とする硫黄酸化物ガスや硫化水素ガスを発生させる。加温により亜硫酸ガスを発生させる化合物として亜硫酸水素ナトリウム、加温により硫化水素ガスを発生させる化合物として硫化水素ナトリウムの場合を例にとって説明する。
2NaHSO →(加熱)→ NaSO+HO+SO
2NaHS →(加熱)→ NaS+HS↑
上記反応によってアルデヒド類捕集用化合物から発生した酸性ガスが、熱圧工程でアルデヒド類を捕集する機構は、次のような化学反応を辿ることによるものと推測される。アルデヒド類としてホルムアルデヒドの場合を例にとって説明する。
(亜硫酸ガスの場合)
HCHO+SO+HO → HOCHSOH・・・不安定な酸を生成
HOCHSOH+NaSO → HOCHSONa+NaHSO
(硫化水素ガスの場合)
S+HOCHOH→HOCHSH+H
熱圧工程において、上記反応がガス状で反応するため、アルデヒド類が効果的に除去される。
上記のような加温により亜硫酸ガスを発生させる性質を有するアルデヒド類捕集用化合物の例としては、上記の亜硫酸水素ナトリウムのような重亜硫酸塩類を挙げることができる。重亜硫酸塩類のうちでも、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩、亜二チオン酸塩などが好ましい。前記塩の種類の例として考えられるものは、ナトリウム、カリウム、マグネシウム等の金属塩や、モノエタノールアミン等のアミン塩、アンモニウム塩等がある。なお重亜硫酸塩類によっては、加温によって亜硫酸ガスとともに副生成物としてSOガスを発生する化合物もある。一方、加温により硫化水素ガスを発生させる性質を有するアルデヒド類捕集用化合物の例としては、上記のとおり、硫化水素ナトリウム等の硫化水素塩等がある。
本発明のアルデヒド類捕集剤には、少なくとも一種類のアルデヒド類捕集用化合物が含有されている必要があるが、二種類以上のアルデヒド類捕集用化合物を用いてもよい。また他の公知のアルデヒド類捕集能を有する化合物と併用して使用することもできる。なかでもアルデヒド類捕集能を有する化合物が亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウムまたはヒドラジド類であれば、それぞれのアルデヒド類捕集能力を打ち消しあうことなく、相乗的な効果が生じ、臭気の除去能力が更に増加し効果的に作用する。
上記のように、他の化合物を含有する場合、前記アルデヒド類捕集用化合物の含有量は、アルデヒド類捕集剤全体量に対して5〜99重量%であることが好ましい。
加温により、アルデヒド類との反応性を有する酸性ガスを発生する性質を有する化合物という語を更に厳密に定義する必要があるならば、前記酸性ガスが亜硫酸ガスの場合においては、下記のように厳密に定義することができる。すなわち、前記アルデヒド類捕集用化合物からの亜硫酸ガス発生濃度が、140℃加熱時に500ppm以上の化合物であるか、または亜硫酸ガスを発生する化合物であってその分解開始温度が250℃以下、好ましくは200℃以下の化合物をいうものとする。亜硫酸ガスの発生濃度が小さすぎると、アルデヒド類捕集能が十分でないからである。また分解開始温度が高すぎる化合物は、熱圧工程で接着を行う際、200℃程度の温度であっても亜硫酸ガスを十分には発生しないと考えられるからである。その一方、加温により発生する亜硫酸ガス濃度が50%を超えるような化合物の場合、例え室温で固体であったとしても容易に分解しやすい化合物であり、臭気も強く、取り扱いが困難であるからあまり好ましくない。
加温時の亜硫酸ガス発生濃度の測定方法はJISなどで確立された測定方法が存在しないので、下記に説明する方法で測定することとした。また熱分解開始温度の測定は下記の条件で行うものとする。
〔亜硫酸ガス濃度の測定方法〕
試験装置・器具:JIS K 2234−1994に記載されている伝熱面腐食試験装置を使用する。但し、金属試験片に相当する部分はSUS304で作製し、熱板とする。
試験方法:ガラスセル上部より試料1.0gを入れて封入した後、金属試験片に相当する部分をヒーターで加温し目的の温度まで昇温する。目的の温度に達した後30分間温度を保持して試料より亜硫酸ガスを発生させた後、試験装置上部の栓を開け、ガス検知管により亜硫酸ガス濃度を測定する。尚、ガラスセルは内径40mm、全長530mmのものを使用する。また、ガス検知管はJIS K0804−1998に規定する(株)ガステック製検知管式ガス測定器(二酸化イオウ)を使用した。
〔熱分解開始温度〕
TG(SEIKO社製 TG/DTA6200)により熱分解し、分解開始温度を外挿した。昇温条件は次のとおりである。
温度範囲30−300℃
昇温速度:10℃/分
上記試験の結果は表1にまとめた。なお、亜硫酸水素ナトリウムについては、試料量0.1gの場合の濃度も補足的に測定した。表1のとおり、亜硫酸水素ナトリウム,亜硫酸水素カリウム,ピロ亜硫酸ナトリウム,ピロ亜硫酸カリウム,亜硫酸マグネシウム,亜硫酸亜鉛及び亜硫酸アルミニウムは、亜硫酸ガス発生濃度が、140℃加熱時に500ppm以上の化合物であるか、または亜硫酸ガスを発生する化合物であってその分解開始温度が250℃以下の化合物であることが確認された。一方、亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸カルシウムは上記要件満たさず、本発明では酸性ガスを発生しない化合物といえることが確認された。
Figure 0004980704
なお、アルデヒド捕集剤に調整される前のアルデヒド類捕集用化合物の原料における平均粒子径は、平均粒子径が1000μmを超えるものを含め、様々なものが使用可能である。平均粒子径が大きすぎる粉末原料については、公知の手段で粉砕すれば、本発明のアルデヒド類捕集用化合物として使用することができる。
表2には、本発明においてアルデヒド類捕集化合物として使用できる化合物のうち、市販されているものの平均粒子径を示した。また、表2には、前記市販品をダルトン社製パワーミル「P−02S」を用いて粉砕した粉砕品の平均粒子径も併せて示した。なお、粉砕条件は次のとおりである。
表2のうち、無水重亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸ナトリウムについては、目開き500μmのスクリーンを取り付けた前記パワーミルを2回通過させ、表2記載の各粉砕品を得た。また表2記載の尿素とエチレン尿素については、目開き500μmのスクリーンを取り付けた前記パワーミルを1回通過させて、各粉砕品を得た。
Figure 0004980704
(撥水性化合物)
上記構成のアルデヒド類捕集剤は、アルデヒド類捕集用化合物として、亜硫酸水素ナトリウムやピロ亜硫酸ナトリウムのような吸水性の大きな化合物を含む場合もあるので、これをアルデヒド類捕集成分として添加した木質材料で作成した木質板は吸水膨張しやすいという欠点がある。そこで前記アルデヒド類捕集用化合物の表面に、撥水性化合物を被覆することが好ましい。一方、吸水性のあまり大きくない化合物をアルデヒド類捕集用化合物に用いる場合などにおいては、アルデヒド類捕集用化合物の表面に、後述の流動性改善剤にて被覆を行うことで、撥水性化合物による表面被覆を省略することもできる。
本発明で用いることのできる撥水性化合物は、撥水性を有する化合物のうち、常温で固体状であれば公知のものが使用できる。好ましい撥水性化合物の具体例としては、ワックス類やシリコーン類、ろう等が挙げられる。
ワックス類としては、カルナバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスに代表される天然ワックスや、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、α―オレフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、合成脂肪酸エステルに代表される合成ワックスが挙げられる。またこれら天然ワックスや合成ワックスを酸化した酸化ワックス、水添化した硬化油脂(例えば牛脂硬化油やカスターワックスなど)及び変性したワックス誘導体なども挙げられる。更にはオレフィンと無水マレイン酸からなるワックス、オレフィンとアクリル酸からなるワックス、酢酸ビニルからなるワックスまたは高級アルコール、脂肪酸アマイド、ポリエーテルなどのワックスも使用できる。シリコーン類としては、例えばジメチルシリコーンオイルの変性体が挙げられる。
これらの中でも、融点が40℃〜140℃の撥水性化合物が好ましく、融点が50℃〜120℃の撥水性化合物がより好ましい。木質板製造時の熱圧により溶融して木質材料全体に分散した後に固化するため、防水効果が得やすい為である。好ましい具体例としては、カルナバワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスの天然ワックスや、ポリエチレンワックス等の合成ワックス、牛脂硬化油、パーム硬化油、カスターワックス等などの硬化油脂が挙げられる。これらは、単独でも使用できるが2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明のアルデヒド類捕集剤で撥水性化合物を用いる場合、撥水性化合物をアルデヒド類捕集用化合物の表面に被覆させるために、一旦溶融させる。したがって、本発明で用いる撥水性化合物は、常温で固体であれば足り、その形状は問わない。
前記撥水性化合物をアルデヒド類捕集用化合物の表面に被覆させて使用する場合、撥水性化合物の含有割合は、アルデヒド類捕集剤全体量に対し5〜80重量%であることが好ましく、10〜60重量%であることがより好ましい。割合が小さすぎると木質板の吸水膨張を十分に防ぐことができず、一方、割合が多すぎるとアルデヒド類捕集剤本来の効果であるアルデヒド類捕集能を低下させてしまうからである。
また、アルデヒド類捕集用化合物の外側表面は、前記撥水性化合物によって完全に被覆される必要はなく、少なくともその一部が被覆されていれば足りる。従って、一部アルデヒド類捕集用化合物が外側に現れた粒子で構成されるアルデヒド類捕集剤であってもよい。
更に、アルデヒド類捕集用化合物の粒子のそれぞれの表面ごとに、前記撥水性化合物が被覆される必要はなく、平均粒子径の制限が許す限りにおいて、複数個のアルデヒド類捕集用化合物の粒子が塊となって、当該塊の表面に前記撥水性化合物が被覆されるものであっても良い。
(流動性改善剤)
本発明のアルデヒド類捕集剤は、特にその平均粒子径が小さいため、前記アルデヒド類捕集用化合物単独では、粉末としての流動性が悪く、このため生産時、製品保管時、製品使用時に取り扱いが困難である。そこで、前記アルデヒド類捕集用化合物の表面に流動性改善剤を被覆させることが好ましい。このようにアルデヒド類捕集用化合物の表面に流動性改善剤を被覆させた粒子、またはアルデヒド類捕集用化合物を撥水性化合物で被覆した被覆表面に流動性改善剤を更に被覆させた粒子を含むアルデヒド類捕集剤粉末であれば、粉末としての安息角が低下する。すなわち、各粒子の最表面が流動性改善剤により被覆されることで、アルデヒド類捕集剤粉末全体としての流動性が向上する。
具体的な流動性改善剤としては、炭酸化合物、ケイ酸化合物、金属石鹸類がある。炭酸化合物としては、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩が挙げられる。ケイ酸化合物としては、非晶質シリカ(ホワイトカーボン)を挙げることができ、またケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウムなどのケイ酸塩が挙げることができ、更に天然或いは合成ゼオライト、またはベントナイト、モンモリロナイトやタルク等のアルミノケイ酸塩も挙げることができる。金属石鹸類としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなどが挙げられる。
なかでもホワイトカーボン、ゼオライト、ステアリン酸カルシウム、タルク或いはベントナイトが好ましい。より効果的に流動性向上効果が得られるからである。これら化合物は、単独でも使用できるが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
前記流動性改善剤の含有割合は、アルデヒド類捕集剤全体量に対し、0.3〜10重量%であることが好ましく、更に好ましくは0.5〜5重量%である。含有割合が小さすぎると、粉末の流動性を効果的に向上させることができない。一方、割合が多すぎても、目的とする効果は向上せず、かえって高コストとなる。
また各粒子の最表面が、前記流動性改善剤によって完全に被覆される必要はなく、少なくともその一部が被覆されておれば、本発明の効果を得ることができる。従って、一部アルデヒド類捕集用化合物や撥水性化合物が最表面に現れた粒子を含んで構成されるアルデヒド類捕集剤であってもよい。
更に、アルデヒド類捕集用化合物、または撥水性化合物で被覆されたアルデヒド類捕集用化合物それぞれ粒子の表面ごとに、前記流動性改善剤が被覆される必要はなく、平均粒子径の制限が許す限りにおいて、複数個のアルデヒド類捕集用化合物の粒子が塊となって、当該塊の最表面に前記流動性改善剤が被覆されるものであっても良い。
(その他の添加剤)
本発明のアルデヒド類捕集剤組成物中には、上記化合物の他に、必要に応じて、酸化防止剤、防腐剤、着色剤、防錆剤の他、製造工程上必要な薬剤を含有させることもできる。例えば、アルデヒド類捕集用化合物が、加温により、アルデヒド類との反応性を有する酸性ガスを発生する性質を有する化合物である場合、未反応の前記酸性ガスを消去させるため、尿素のような加温により塩基性ガスを発生する性質を有する化合物を含有させることもできるし、また酸化カルシウムや水酸化アルミニウムのような塩基性化合物を含有させることもできる。
(製造方法)
〔撥水性化合物、流動性改善剤ともに含有させない場合〕
本発明のアルデヒド類捕集剤のうち、必須成分がアルデヒド類捕集用化合物のみであり、撥水性化合物、流動性改善剤ともに含有させない場合の製造方法としては、公知の粉砕方法、分級方法で、アルデヒド類捕集用化合物や添加物からなる粉末全体としての平均粒子径1000μm以下調製すれば足りる。
〔撥水性化合物を含有させない場合〕
本発明のアルデヒド類捕集剤のうち、流動性改善剤を含有させるが、撥水性化合物を含有させないものについては、アルデヒド類捕集用化合物の表面に直接流動性改善剤を被覆させる。被覆方法としては公知の方法を用いることができるが、例えば、平均粒子径について、アルデヒド類捕集用化合物→大、流動性改善剤→小である各化合物を混合し、ハイスピードミキサーなどで攪拌すると、少なくとも表面の一部が、流動性改善剤によって被覆されたアルデヒド類捕集用化合物を得ることができる。これを公知の分級方法で平均粒子径1000μm以下の粉末に調製すれば、本発明のアルデヒド類捕集剤が得られる。
〔撥水性化合物を含有する場合〕
上記本発明のアルデヒド類捕集剤のうち、アルデヒド類捕集用化合物の表面に撥水性化合物を被覆した粒子を含有するものは、以下の(1)〜(5)の工程を少なくとも経ることで、収率良く製造することができる。
(1) 撥水性化合物を溶融する工程
(2) 前記(1)工程後、アルデヒド類捕集用化合物を攪拌混合しながら、溶融した前記撥水性化合物を該撥水性化合物の融点よりも1〜20℃高い温度の状態にて、滴下或いは噴霧する工程
(3) 前記(2)工程にて得られた混合物を、攪拌混合しながら冷却する工程
(4) 前記(3)工程にて、前記混合物が、前記撥水性化合物の融点よりも10〜50℃低い温度まで冷却された時点で、更に流動性改善剤を添加する工程
(5) 前記(4)工程にて得られた混合物を篩い分けして粉末状アルデヒド類捕集剤を得る整粒工程
((1) 工程)
本発明の(1)工程は、アルデヒド類捕集用化合物に撥水性化合物を滴下或いは噴霧するために、該撥水性化合物を溶融する工程である。溶融に用いるヒーターは公知のヒーターを用いることができる。
((2) 工程)
本発明の製造方法の(2)工程は、前記(1)工程で溶融した撥水性化合物をアルデヒド類捕集用化合物に滴下或いは噴霧する工程であるが、このときの滴下或いは噴霧温度は、該撥水性化合物の融点よりも1〜20℃高い温度とする。例えば、撥水性化合物として融点55℃のパラフィンワックスを用いた場合の滴下或いは噴霧する温度は、56〜75℃とする。更に、撥水性化合物の融点よりも5〜10℃高い温度で滴下或いは噴霧を行うことがより好ましい。滴下或いは噴霧時の温度が低すぎると、撥水性化合物が固化して配管詰まりを起こしやすくなる。一方、滴下或いは噴霧時の温度が高すぎると、造粒機内の温度が上昇するので冷却時間が長くなり余分なエネルギーロスになるとともに、製造機の壁への付着が多くなる。
なお、上記のように滴下或いは噴霧する際、温度を一定範囲に制御するためには、滴下或いは噴霧する撥水性化合物の貯蔵されたタンクから溶融した撥水性化合物を噴霧或いは滴下する噴霧ノズル或いは滴下口までの系統部の温度を制御することが好ましい。本工程で該撥水性化合物の滴下或いは噴霧時の温度範囲をコントロールしつつ、該撥水性化合物をアルデヒド類捕集用化合物に滴下或いは噴霧、なかでも噴霧することで、アルデヒド類捕集用化合物粒子表面に前記撥水性化合物が被覆された複合粒子の発生する確率が増え、接着性低下防止効果のより大きい粉末状アルデヒド類捕集剤とすることができる。成分の偏りが少ないアルデヒド類捕集剤とするため、被添加・噴霧成分であるアルデヒド類捕集用化合物を攪拌しながら滴下或いは噴霧を行うことが好ましい。
((3) 工程)
本発明の製造方法の(3) 工程は、前記(2)工程にて得られた混合物を、攪拌混合しながら冷却する工程である。冷却により、溶融していた撥水性化合物は再び固化する。
(攪拌)
前記(2) 工程及び(3) 工程における攪拌の処理条件としては、下記式(i)で定義される攪拌フルード数Frが0.1以上5.0未満となる条件で行うことが好ましい。
Fr=V/[(R×g)0.5] (i)
なお、(i)式中、Vは攪拌翼の先端の周速[m/s]を、Rは攪拌翼の回転半径[m]を、gは重力加速度[m/s2])を表す。攪拌フルード数Frを上記範囲に制御することで、粘性のある撥水性化合物を選択した場合でも、アルデヒド類捕集用化合物に均一に添加できる。撥水性化合物噴霧時のフルード数Frが小さすぎると、粒子の凝集を起こし、粗大粒子を生成しやすくなる。また造粒機の壁への付着が生じ、負荷が過大となり易くなり、好ましくない。一方、フルード数Frが大きすぎる、すなわち攪拌速度が速すぎると、攪拌による摩擦熱により造粒機の内温が上昇するため、冷却時間が長くなり、エネルギーロスとなるので好ましくない。
((4) 工程)
本発明の製造方法の(4) 工程は、前記(3)工程にて、前記混合物が、前記撥水性化合物の融点よりも10〜50℃低い温度まで冷却された時点で、流動性改善剤を添加する工程である。例えば、撥水性化合物として融点55℃のパラフィンワックスを用いた場合は、前記混合物が、5〜45℃まで冷却された時点で流動性改善剤を添加する。更に前記混合物が、前記撥水性化合物の融点よりも20〜30℃低い温度まで冷却された時点で、流動性改善剤を添加することが、より好ましい。
流動性改善剤の添加を前記(3)工程による冷却前に添加してしまうと、流動性改善剤が前記混合物内部に取り込まれ、粒子の最表面が流動性改善剤によって被覆された状態にならず、流動性向上に寄与しなくなる。従って、流動性改善剤は、前記混合物中の撥水性化合物が固化する(3)工程後に添加する。更に流動性改善剤を添加する温度範囲を一定の範囲に限定することで、粒子径の小さい粒子をワンパスで得やすくなる。なお、流動性改善剤を含有しない場合は、当該(4) 工程が省略される。
((5) 工程)
本発明の製造方法の(5)工程は、前記(4)工程にて得られた混合物を篩い分けして粉末状アルデヒド類捕集剤を得る整粒工程である。本発明のアルデヒド類捕集剤では、平均粒子径が1000μm以下になるように、平均粒子径の測定方法の欄で述べた篩と受け皿を用いて分級操作を行うことが好ましいが、平均粒子径が1000μm以下の粉末が得られるのであれば、他の篩い目の大きさの篩いにて篩い分けることももちろん可能である。篩い分けの前に(4)工程で得られたアルデヒド類捕集剤を粉砕し、または篩い分け上に残った粉末を粉砕して、再び篩い分けすることも可能である。
(造粒方法、装置)
上記(1)〜(4)の工程は、攪拌型造粒法、転動造粒法、押し出し造粒法、破砕型造粒法、噴霧乾燥造粒法にて行うことができ、具体的な装置としては、ハイスピードミキサー、ヘンシェルミキサー、ニューグラマシン、シュギミキサー、レディーゲミキサー、プロシェアミキサー、リボンミキサー、スパルタンミキサー、パグミキサー、タービュライザー(以上、攪拌造粒法)水平円筒型混合機(転動造粒法)、混練押出機、横型連続式のニーダー、密閉式の圧密化処理装置(以上、混練押出法)、向流式噴霧乾燥塔(噴霧乾燥造粒法)などを用いて行うとことができる。
上記(5)工程の整粒(篩い分け)は、上述のとおりロータップ型篩振盪機によることが好ましいが、その他のオシレーター、振動ふるいなどを用いて行うこともできる。また粉末の粉砕を行う際には、パワーミル、ハンマーミル、ピンミル、気流式粉砕機などを用いて行うことができる。気流式粉砕機の具体的装置は、ウイングミル、ジェットミル、ゼプロス、セレンミラー、ドリームミルなどが挙げられる。
(木質板)
木質材料に、ホルムアルデヒド系接着剤と本発明のアルデヒド類捕集剤とを添加し、熱圧工程にて接着して得られる木質板としては、例えばパーティクルボード(PB)、OSB、木質繊維板(例えばMDF)、合板などがある。パーティクルボード(PB)の場合、木質原料を一般的にはチップ状にし、粉砕後、篩い分けして使用する。OSBの場合、木質材料を切削し、ストランドにして使用する。MDFの場合、木質材料を一般的にはチップ状にし、解繊して使用する。合板の場合は、木材を薄く切削した板(単板、ベニヤ)を使用する。
木質材料の原料としては、針葉樹、広葉樹、木質廃材(建築解体材、家具・製材端材、廃棄パレット、梱包廃材、コンクリート型枠、鋸屑等)や、サトウキビ、ヤシ殻等を解繊して得られるバガス、一年草のケナフ、綿の茎等を使用することができる。また前記木質材料に、ガラス繊維、有機高分子繊維を混合してもよい。
(木質板の製造方法)
ホルムアルデヒド系接着剤を用いて木質板を製造するには、一般に木質材料にホルムアルデヒド系接着剤を添加した上(接着剤添加工程)、圧力を与えながら加熱することにより木質材料を接着する工程(熱圧工程)を経る。本発明のアルデヒド類捕集剤を用いて木質板を製造する際には、前記接着剤添加工程に先立って、ホルムアルデヒド系接着剤中に含有させて使用することもできるし、接着剤添付前若しくは後或いは同時に、接着される木質材料側に添加させて使用することもできる。
具体的な製造例を挙げると、例えばパーティクルボード(以下PBと略す)を製造する場合、比較的細かく粉砕した木質材料を表裏層用として使用し、比較的粗く粉砕した木質材料を芯層用として使用する。表裏層用木質材料中にホルムアルデヒド系接着剤をスプレー添加した後、上記アルデヒド類捕集剤を添加し、ブレンダーを5秒〜10分程度使用して、木質材料中に均一分散させる。芯層用も同様に接着剤、前記アルデヒド類捕集剤を添加する。表裏層に添加するアルデヒド類捕集剤と芯層に添加するアルデヒド捕集剤のうち、少なくとも一方が、本発明のアルデヒド類捕集剤であれば相当なアルデヒド捕集能を得ることができるが、両方の層に本発明のアルデヒド類捕集剤を添加することがより好ましい。
アルデヒド類捕集剤の添加順序は、ホルムアルデヒド系接着剤に直接添加する或いは、ホルムアルデヒド系接着剤の添加前でも後でも或いは同時でも特に限定されないが、ホルムアルデヒド系接着剤添加前後に或いは同時に木質材料中にアルデヒド類捕集剤を添加する方が工程上望ましい。
その後、表層−芯層−裏層に積層して加熱する。加熱の際には一般的に圧力を与えながらの加熱(熱圧)を行う。熱圧により木質材料は接着され、木質板となる。
本発明のアルデヒド類捕集剤を使用した場合、当該熱圧成型工程において、ホルムアルデヒド系接着剤からアルデヒド類が放出されるタイミングと、アルデヒド類捕集能を有する酸性ガスが発生するタイミングがほぼ一致するため、発生するアルデヒド類を効率よく捕集することができる。
熱圧工程の温度や時間は、一般的には作成する木質板の品質と生産性により適宜決定されるものであるが、本発明のアルデヒド類捕集剤を使用する場合、前記効果を発揮させるために、熱圧成型温度を100〜300℃とすることが好ましく、140〜250℃とすることがより好ましい。温度が低すぎると酸性ガスの発生量が少なく、ホルムアルデヒド等を十分に捕集できなくなる。逆に温度が高すぎると木質板表面が焦げる等して品質が低下してしまう。また熱圧成型時間は60秒以上とすることが好ましく、90秒以上とすることがより好ましい。成型時間が短かすぎると木質板内部の温度が上昇しにくく、本アルデヒド類捕集剤の効果も低減してしまう。熱圧成型時の木質板内部温度は厚さ方向の中心部分で60℃以上とすることが好ましく、80℃以上がより好ましい。また100℃以上とすることがさらに好ましい。
なお木質繊維板(MDF)や他の木質板を製造する場合も、同様にして上記アルデヒド類捕集剤を添加して木質板を製造することができる。
木質板製造におけるアルデヒド類捕集剤の木質材料中への添加量は0.1〜20.0重量%、好ましくは0.5〜10重量%、さらに好ましくは1.0〜7.0重量%である。添加量が0.1重量%より少ないと、目的とする捕集能が得られず、20.0重量%より多いと、木質板の表面美観が低下し、製品としての価値が損なわれ、生産コストのアップにも繋がる為である。
なお、本発明の木質板製造方法によれば、アルデヒド類放出が抑制された木質板を得ることができるが、上記工程を経て得られた木質板に対し、更にアルデヒド類捕集能力のある化合物を水溶液として塗布することもできる。
(化粧シート貼付木質板の製造方法)
上記工程を経て得られる木質板は、化粧シート貼付け用の木質板として好適な性質を有する。化粧シート貼付木質板は、内装用途などで多く用いられるものである。化粧シート貼付木質板は、木質板表面に接着剤を塗布するか、化粧シートの表面に接着剤を塗布した後、両者を貼り付けることにより製造される。このとき化粧シートの貼り付けは一般的に加熱圧着により行われるが、この際、木質板は、再度加熱され木質板内部に残留しているホルムアルデヒド或いは接着剤の加水分解等に起因するホルムアルデヒドが発生し、木質板からのホルムアルデヒド放散量が増加することが問題視されていた。
この点、上記工程を経て得られる木質板であれば、木質板製造時に添加した本発明のアルデヒド類捕集剤が木質板内部に残存しており、該アルデヒド類捕集剤が、化粧シート貼付けの際の加熱とともに、再びアルデヒド類捕集能を発揮するため、アルデヒド類放出を低減することができる。
化粧シートの種類としては、例えば紙系化粧シート、プラスチック系化粧シート、木質系化粧シート等がある。また化粧シート貼り付けに使用する接着剤は特に限定はなく、ホルムアルデヒド系接着剤を用いることもでき、ホルムアルデヒドを含有しないアクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂或いはジアリルフタレート樹脂などの樹脂も接着剤として使用されている。化粧シートは、木質板の片面に貼り付けることもできるし、両面に貼り付けることもできる。また接着剤は木質板表面に塗布しても良いし、化粧シートの裏面に塗布しても良く、また接着面の両方に塗布しても良い。
化粧シート貼り付け時の工程温度は60℃以上、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上である。またアルデヒド類捕集効果の面からは、上限温度に特段の制限はないが、化粧シート貼付けの場合、熱による化粧シートの変色等の不具合が発生する場合もあるので、かかる観点からは160℃以下が好ましく、更には140℃以下であることがより好ましい。貼り付け工程の時間は、使用する接着剤が硬化するまでの時間であり、通常10秒〜20分である。この化粧シート貼り付け時に発生するホルムアルデヒド放出量は、前記に記載した木質板熱圧成形時に比べると低いので、工程温度が60℃と比較的低温であっても、木質板に残留している本発明のアルデヒド類捕集剤によって、十分なホルムアルデヒド類放出低減効果を発揮できる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。各例中、特に言及しない限り、部および%は質量基準である。
(実施例1)
〔アルデヒド類捕集剤の調整〕
ハイスピードミキサー(深江パウテック(株)製)に粉末の無水重亜硫酸ナトリウム(大東化学(株)製 平均粒子径190μm)70部を入れ、融点58℃の硬化パーム油(「IHP−58」ミヨシ油脂(株)製)28部を溶融して、前記無水重亜硫酸ナトリウムに70℃の状態において噴霧し、攪拌フルード数Frが1.1の造粒条件にて造粒を行った。次に、前記粉体の温度が40℃になるまで、攪拌フルード数Frが1.1の攪拌条件を維持したままで冷却し、製造装置内のアルデヒド類捕集剤を採取し、採取したサンプルの温度が冷却温度(40℃)に達したことを確認後、ステアリン酸カルシウム(「SC−100」(堺化学工業(株)))2部を添加した。最後に、パワーミルP−02S((株)ダルトン製)において、最大粒子径を最大1.4mmに設定し、粉砕、整粒を行い、アルデヒド類捕集剤を得た。
上記操作で得られたアルデヒド類捕集剤を目開き1,700μm、1,400μm、1,180μm、1,000μm、710μm、500μm、300μm、250μm、及び180μmの9段の篩と受け皿を用いて分級操作を行い、1180μm以下に分級されたアルデヒド類捕集剤を実施例1のアルデヒド類捕集剤とした。実施例1のアルデヒド類捕集剤の平均粒子径は、750μmであった。
〔接着剤aの調製〕
攪拌機、還流コンデンサー、および温度計を備えた反応容器に、37%ホルムアルデヒド水溶液1000部を入れ、pHを8.0に調整した後、尿素を370部加え、85℃で1時間反応させた。その後pHを5.8に再調整し、15分間反応させ、さらにpHを7.5に調整した後、尿素を43部、粉末メラミン103部を添加し30分反応させた。その後冷却し、不揮発分を57%に調整してホルムアルデヒドモル比1.6の接着剤を調整した。これに40%ワックスエマルション、硬化剤として塩化アンモニウム、及び水をそれぞれ40部、1部、3部、7部の割合で混合し、実施例1で使用する接着剤aを得た。
〔木質材料への添加〕
木片等の木質原料をフレーカーで粉砕し、目開き寸法1.7mmの篩で篩い分けをして、篩下の木質材料を表裏層用木質材料、篩上の木質材料を芯層用木質材料とした。篩い分けした木質材料は90℃の熱風乾燥機中で乾燥し、水分を3%以下とした。
前記操作によって乾燥された木質材料100部に対して前記ホルムアルデヒド系接着剤を22部スプレー塗工し、均一混合した。その後更に、実施例1のアルデヒド類捕集剤を3.5部添加して混合した。前記操作を繰り返して、ホルムアルデヒド系接着剤とアルデヒド類捕集剤とが添加された表裏層用および芯層用の木質材料を得た。次に、30cm角の型枠に裏層用木質材料250部、芯層用木質材料650部、表層用材料250部を順次敷き詰め、220℃の熱板に挟み30kgf/cmの圧力で200秒間熱圧し、実施例1の木質板とした。
〔評価1:放散量〕
前記で得られた実施例1の木質板のホルムアルデヒド放散量は、パーティクルボード(JIS A 5908:2003)及び建築用ボード類のホルムアルデヒド放散量の試験方法(JIS A 1460:2001)に準じてデシケーター法により捕集し測定した。評価基準は次のとおりである。
◎ 0.3mg/L未満
○ 0.3mg/L以上,1mg/L未満
△ 1mg/L以上,2mg/L未満
× 2mg/L以上
〔評価2:外観〕
外観試験は、熱圧成形後に得られた木質板の表面を目視で観察し、白斑の有無、大きさ、量などを調べて評価判断を行った。評価基準は次のとおりである。
◎:良好(白斑発見できず)
○:微細白斑僅かにあり
△:微細白斑多量にあり又は大き目の白斑わずかにあり
×:大きめの白斑多量にあり
(実施例2〜7、比較例1〜2:平均粒子径の影響)
〔アルデヒド類捕集剤の調整〕
実施例1のアルデヒド類捕集剤とは、成分配合を表3、表4中記載のものとし、さらに、選択する分級範囲の異なる範囲を選択した点において相違するアルデヒド類捕集剤を実施例2、4〜7、比較例1のアルデヒド類捕集剤とした。ただし実施例7については、流動性改善剤の添加工程を省略した。
なお、実施例7で撥水性化合物として用いたパラフィンは「Hi−Mic−1090」(日本精鑞(株)製)である。
また実施例3のアルデヒド類捕集剤は、次のように調製した。
ハイスピードミキサー(深江パウテック(株)製)に、粉末の無水重亜硫酸ナトリウム(大東化学(株)製 平均粒子径190μm)99部と、ステアリン酸カルシウム(「SC−100」(堺化学工業(株)))1部入れて、常温にて60秒間攪拌を行ったのち、実施例1と同様の方法にて分級操作を行った。
各実施例、比較例で選択した粉砕時の最大粒子径と分級範囲は次のとおりであり、各平均粒子径は、表3記載のとおりである。
実施例2 1000μm、 500μm以下
実施例3 500μm、 355μm以下
実施例4 1000μm、 1000μm〜45μm
実施例5 500μm、 355μm以下
実施例6 500μm、 180μm以下
実施例7 1000μm、 1000μm以下
比較例1 粉砕なし、 500μm以上
また各実施例、比較例のアルデヒド類捕集剤を用いて、実施例1記載と同様の方法にて、実施例2〜7、比較例1の木質板を作製し、実施例1記載と同様の方法で評価を行った。また、アルデヒド類捕集剤を添加しない木質板を作製し、比較例2の木質板とした。
〔接着剤b,c,dの調製〕
実施例2,3,5,6,7及び比較例1,2の尿素−ホルマリン系であるホルムアルデヒド系接着剤b,cの調製は次のとおり行った。
攪拌機、還流コンデンサー、および温度計を備えた反応容器に、37%ホルムアルデヒド水溶液1000部を入れ、pHを8.0に調整した後、尿素370部加え、85℃で1時間反応させた。その後pHを5.8に再調整し、15分間反応させ、さらにpHを7.5に調整した後、追加尿素200部を添加し30分反応させた。その後冷却し、不揮発分を57%に調整してホルムアルデヒドモル比1.3の接着剤を調整した。これに40%ワックスエマルション、硬化剤として塩化アンモニウム、及び水をそれぞれ40部、1部、3部、7部の割合で混合し、接着剤bを得た。
また追加尿素を200部から93部に変更した以外は、上記接着剤bの調製方法と同様の調製方法によって接着剤cを得た。
実施例4の尿素―メラミン―ホルマリン系であるホルムアルデヒド系接着剤dの調製は次のとおり行った。
攪拌機、還流コンデンサー、および温度計を備えた反応容器に、37%ホルムアルデヒド水溶液1000部を入れ、pHを8.0に調整した後、尿素を300部加え、85℃で1時間反応させた。その後pHを5.8に再調整し、15分間反応させ、さらにpHを7.5に調整した後、尿素を21部、粉末メラミン103部を添加し30分反応させた。その後冷却し、不揮発分を57%に調整してホルムアルデヒドモル比2.0の接着剤を調整した。これに40%ワックスエマルション、硬化剤として塩化アンモニウム、及び水をそれぞれ40部、1部、3部、7部の割合で混合し、接着剤dを得た。
〔木質材料への添加〕
各実施例及び比較例のアルデヒド捕集剤を用いた、各実施例及び比較例の木質板の製造は、実施例1と同様の方法で行った。ただし、実施例2,3,5,6,7及び比較例1,2の尿素−ホルマリン系であるホルムアルデヒド系接着剤を用いた系においては、木質板作製時の熱板温度200℃、熱圧120秒間に変更した。
〔評価〕
実施例2〜7、比較例1のアルデヒド類捕集剤及び木質板は、実施例1記載と同様の方法で評価を行った。また、アルデヒド類捕集剤を添加しない木質板を作製し、比較例2の木質板とした。
以上、実施例1〜7、比較例1,2の作製条件及び評価結果はまとめて、前記表3、4に示した。
Figure 0004980704
Figure 0004980704
(実施例7〜16:流動性改善剤の影響)
〔アルデヒド類捕集剤の調整〕
成分配合を表5、表6中記載のものとし、アルデヒド類捕集剤粉末の分級範囲1180μm以下のものを選択し、ダルトン社製パワーミルで粉砕し、篩分けすることで平均粒子径500μmに調製した点において実施例1のアルデヒド類捕集剤と相違し、他の条件を実施例1と同じにして得られたアルデヒド類捕集剤を実施例7〜16のアルデヒド類捕集剤とした。
〔評価:流動性〕
上記で得られた実施例7〜16のアルデヒド類捕集剤粉末について、安息角を測定し、流動性を評価した。測定には、図1に示したような上部に開放口2、短辺側側面に側面蓋3を有する長方形容器1を用いた。なお開放口2広さは10cm(縦:a)×3cm(横:a)であり、容器高さaは10cmであり、側面蓋3は、底辺部分から開放でき、その大きさは3cm(横:b)×8cm(高さ:b)である。まず前記側面蓋3を閉めた状態で、容器上部の前記開放口2から静かに粉末試料を約280cm入れる。次に容器1を水平にした状態で側面蓋3を静かに開け、粉末試料が流れ出した後、該粉末試料の流れが止まった時の粉体面の角度を測定し、該角度θをその試料を安息角とした。前記安息角による流動性の評価基準は次のとおりである。
○:70°未満
△:70°以上、80°未満
×:80°以上
以上、実施例7〜16の作製条件及び評価結果はまとめて、前記表5、6に示した。
Figure 0004980704
Figure 0004980704
なお、流動性改善剤として用いた化合物の商品名は次のとおりである。
ゼオライト 「シルトンB」(水澤化学工業(株))
ステアリン酸カルシウム 「SC−100」(堺化学工業(株))
ただし、実施例16のみステアリン酸カルシウム 「カルシウムステアレートG」(日本油脂(株))
ステアリン酸亜鉛 「GF−200」(日本油脂(株))
シリカ 「Sipernat22」(デグサジャパン)
タルク 「Pタルク」(竹原化学工業(株))
本発明のアルデヒド類捕集剤、及び前記成分が添加されたホルムアルデヒド系接着剤は、木質材料をホルムアルデヒド系接着剤で接着する際に木質材料や接着剤に添加する添加剤や接着剤自身として産業上の利用性がある。また本発明の木質板の製造方法は、外観に優れ、ホルムアルデヒド放散の少ないパーティクルボード、合板、木質繊維板の製造方法として産業上の利用性がある。
粉末試料の安息角を測定する器具を示した概略図である。
符号の説明
1 安息角測定用容器
2 上部開放口
3 側面蓋
θ 安息角

Claims (11)

  1. 木質材料中またはホルムアルデヒド系接着剤中のどちらか一方または両方に添加、分散して使用するアルデヒド類捕集剤であって、前記アルデヒド類捕集剤は、常温で粉末であって、常温で固体のアルデヒド類捕集用化合物を少なくとも一種類以上含有し、前記アルデヒド類捕集剤粉末の平均粒子径が1000μm以下であり、
    前記アルデヒド類捕集用化合物の表面に、撥水性化合物を被覆させ、
    前記アルデヒド類捕集用化合物は、加温により、アルデヒド類との反応性を有する亜硫酸ガスを発生する性質を有し、
    前記加温により発生した亜硫酸ガスにより、発生するアルデヒド類とガス状での反応を生じて捕集することを特徴とするアルデヒド類捕集剤。
  2. 前記アルデヒド類捕集用化合物を被覆した前記撥水性化合物の更に表面に、炭酸化合物、ケイ酸化合物、金属石鹸類の群からなる1種または2種以上の化合物からなる流動性改善剤を被覆させた請求項1記載のアルデヒド類捕集剤。
  3. 前記炭酸化合物が、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウムまたは炭酸マグネシウムである請求項2記載のアルデヒド類捕集剤。
  4. 前記ケイ酸化合物が、非晶質シリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ゼオライト、タルク、モンモリロナイトまたはベントナイトである請求項2記載のアルデヒド類捕集剤。
  5. 前記金属石鹸類が、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛またはステアリン酸アルミニウムである請求項2記載のアルデヒド類捕集剤。
  6. 請求項1〜5のいずれかの項に記載されたアルデヒド類捕集剤を少なくとも含有するホルムアルデヒド系接着剤。
  7. 木質材料に、ホルムアルデヒド系接着剤及び請求項1〜5のいずれかの項に記載されたアルデヒド類捕集剤を添加し、その後、熱圧成形する工程を少なくとも有する木質板の製造方法。
  8. 少なくともホルムアルデヒド系接着剤と、請求項1〜5のいずれかの項に記載されたアルデヒド類捕集剤とを添加された木質材料、または少なくとも請求項6記載のホルムアルデヒド系接着剤が添加された木質材料が、熱圧接着されてなる木質板。
  9. 請求項8に記載された木質板の少なくとも一方の表面及び/または化粧シートの片面に、接着剤を塗布し、60℃〜160℃の温度で化粧シートを貼付ける化粧シート貼付木質板の製造方法。
  10. 請求項9記載の化粧シート貼付木質板の製造方法にて得られる化粧シート貼付木質板。
  11. 木質材料中またはホルムアルデヒド系接着剤中のどちらか一方または両方に添加、分散して使用するアルデヒド類捕集剤であって、前記アルデヒド類捕集剤は、常温で粉末であって、常温で固体のアルデヒド類捕集用化合物を少なくとも一種類以上含有し、前記アルデヒド類捕集剤粉末の平均粒子径が1000μm以下であり、
    前記アルデヒド類捕集用化合物は、加温により、アルデヒド類との反応性を有する亜硫酸ガスを発生する性質を有し、
    前記加温により発生した亜硫酸ガスにより、発生するアルデヒド類とガス状での反応を生じて捕集することを特徴とするアルデヒド類捕集剤の使用方法。

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