JP4980705B2 - Mタイプ木質板用アルデヒド類捕集剤 - Google Patents
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Description
これによりメラミン系接着剤を使用した木質板においても、高いF☆☆☆☆評価を得ることができるようになった。これを使用して製造されるパーティクルボード、MDF、合板等の木質板は、高捕集率でアルデヒド類を捕集することができる。
本発明のアルデヒド類捕集剤は、Mタイプ木質板の作製においても好適なアルデヒド類捕集効果を奏するものである。本発明にいうMタイプ木質板の「Mタイプ」とは、一般にパーティクルボードなどの木質板を区分する方法のうち、接着剤による区分で用いられる記号であり、ユリア・メラミン共縮重合系接着剤またはこれと性能が同等以上の接着剤で作製されているもののことである(非特許文献1、2参照)。
日本工業規格 JIS A 5905:2003 日本工業規格 JIS A 5908:2003
本発明のアルデヒド類捕集剤は、Mタイプ木質板の作製において、ホルムアルデヒド系接着剤の中でメラミン系接着剤を用いた場合にも好適なアルデヒド類捕集効果を奏するものである。
ホルムアルデヒド系接着剤とはホルムアルデヒドを成分として含有する接着剤全般を指し、例えば尿素やメラミン、フェノールとホルムアルデヒドを成分とした接着剤が挙げられる。このうち、尿素系接着剤とメラミン系接着剤は、木質板の製造に好んで用いられる。また、これらホルムアルデヒド系接着剤とホルムアルデヒド系以外の接着剤(例えばイソシアネート系接着剤)と併用して使用することもある。
また、メラミン系接着剤とメラミン系以外の接着剤、例えば尿素系接着剤を混合して接着剤として使用することもできるが、かかる混合した接着剤においても、混合接着剤全量に対するメラミン化合物の総含有量が固形分で10重量%以上であることが好ましい。
一方、ホルムアルデヒドモル比が0.8よりも低い値であると、生じる樹脂の架橋密度が不十分となり、一般的に接着剤としての接着効果に劣るため、通常使用されていない。
本発明は、木質材料とメラミン系接着剤を用いて木質板を製造するに際して、該木質材料中或いは該メラミン系接着剤中に添加または分散して使用するMタイプ木質板用アルデヒド類捕集剤についてのものであり、その性状は常温で粉末である。なお、常温の語は、一般的な意味あいで用いるものあるが、厳密に定義すれば、25℃を指す。
一方、粒子平均径が3mmを超える場合、Mタイプ木質板用アルデヒド類捕集剤の製造効率が落ちることに加え、アルデヒド類捕集能も却って若干低下するので好ましくない。さらに、平均粒子径が5mmを超えるような塊の集合体の場合、もはや粉末とはいえず、木質材料中の均一分散が困難となるので適当ではない。
本発明のアルデヒド類捕集剤(アルデヒド類捕集用化合物の他、必要に応じて撥水性化合物や流動性改善剤などが添加された混合物粉末)の平均粒子径は、分級操作によって測定するものとする。
受け皿と各篩との質量頻度を積算していくと、積算の質量頻度が、50%以上となる最初の篩の目開きをaμmとし、aμmよりも一段大きい篩の目開きをbμmとし、受け皿からaμmの篩までの質量頻度の積算をc%、またaμmの篩上の質量頻度をd%として、次式(数1)により被測定物の平均粒子径(重量50%)が求められる。
前記アルデヒド類捕集剤は、常温で固体のアルデヒド類捕集用化合物を少なくとも一種類以上含有するものであって、かつ前記アルデヒド類捕集用化合物は、加温によりアルデヒド類との反応性を有する酸性ガスを発生する性質を有するものである。
アルデヒド類との反応性を有する酸性ガスを発生する化合物は、次のような加熱反応によって、亜硫酸ガスを代表とする硫黄酸化物ガスや硫化水素ガスを発生させる。加温により亜硫酸ガスを発生させる化合物として亜硫酸水素ナトリウム、加温により硫化水素ガスを発生させる化合物として硫化水素ナトリウムの場合を例にとって説明する。
2NaHSO3 →(加熱)→ Na2SO3+H2O+SO2↑
2NaHS →(加熱)→ Na2S+H2S↑
(亜硫酸ガスの場合)
HCHO+SO2+H2O → HOCH2SO3H・・・不安定な酸を生成
HOCH2SO3H+Na2SO3 → HOCH2SO3Na+NaHSO3
(硫化水素ガスの場合)
H2S+HOCH2OH→HOCH2SH+H2O
熱圧工程において、上記反応がガス状で反応するため、アルデヒド類が効果的に除去される。
試験装置・器具:JIS K 2234−1994に記載されている伝熱面腐食試験装置を使用する。但し、金属試験片に相当する部分はSUS304で作製し、熱板とする。
試験方法:ガラスセル上部より試料1.0gを入れて封入した後、金属試験片に相当する部分をヒーターで加温し目的の温度まで昇温する。目的の温度に達した後30分間温度を保持して試料より亜硫酸ガスを発生させた後、試験装置上部の栓を開け、ガス検知管により亜硫酸ガス濃度を測定する。尚、ガラスセルは内径40mm、全長530mmのものを使用する。また、ガス検知管はJIS K0804−1998に規定する(株)ガステック製検知管式ガス測定器(二酸化イオウ)を使用した。
TG(SEIKO社製 TG/DTA6200)により熱分解し、分解開始温度を外挿した。昇温条件は次のとおりである。
温度範囲30−300℃
昇温速度:10℃/分
本発明のMタイプ木質板用アルデヒド類捕集剤には、生産時及び製品保管時における下記撥水性化合物粒子同士の固着防止、及び粉末としての安息角低下、すなわち製品使用時の製品流動性向上のため、流動性改善剤を含有することが好ましい。
具体的な流動性改善剤としては、炭酸化合物、ケイ酸化合物、金属石鹸類がある。炭酸化合物としては、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩が挙げられる。ケイ酸化合物としては、非晶質シリカ(ホワイトカーボン)を挙げることができ、またケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウムなどのケイ酸塩が挙げることができ、更に天然または合成ゼオライト、ベントナイトやタルク等のアルミノケイ酸塩も挙げることができる。金属石鹸類としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなどが挙げられる。
なかでもホワイトカーボン、ゼオライト、ステアリン酸カルシウム、タルク或いはベントナイトが好ましい。より効果的に流動性向上効果が得られるからである。これら化合物は、単独でも使用できるが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
上記構成のMタイプ木質板用アルデヒド類捕集剤は、アルデヒド類捕集用化合物として、亜硫酸水素ナトリウムやピロ亜硫酸ナトリウムのような吸水性の大きな化合物を含むものであるので、これをアルデヒド類捕集成分として添加した木質材料で作成した木質板は吸水膨張しやすいという欠点がある。そこで上記構成のアルデヒド類捕集剤に、撥水性化合物を更に加えることにより、これを用いて製造した木質板の吸水膨張を抑制することができる。
本発明のMタイプ木質板用アルデヒド類捕集剤組成物中には、上記化合物の他に、必要に応じて、酸化防止剤、防腐剤、防錆剤の他、製造工程上必要な薬剤を含有させることもできる。
上記本発明のMタイプ木質板用アルデヒド類捕集剤は、以下の(1)〜(5)の工程を少なくとも経ることで、収率良く製造することができる。
(1) 撥水性化合物を溶融する工程
(2) 前記(1)工程後、アルデヒド類捕集用化合物を攪拌混合しながら、溶融した前記撥水性化合物を該撥水性化合物の融点よりも1〜20℃高い温度の状態にて、滴下或いは噴霧する工程
(3) 前記(2)工程にて得られた混合物を、攪拌混合しながら冷却する工程
(4) 前記(3)工程にて、前記混合物が、前記撥水性化合物の融点よりも10〜50℃低い温度まで冷却された時点で、更に流動性改善剤を添加する工程
(5) 前記(4)工程にて得られた混合物を篩い分けして粉末状アルデヒド類捕集剤を得る整粒工程
工程)
本発明の(1)工程は、アルデヒド類捕集用化合物に撥水性化合物を滴下或いは噴霧するために、該撥水性化合物を溶融する工程である。溶融に用いるヒーターは公知のヒーターを用いることができる。
工程)
本発明の製造方法の(2)工程は、前記(1)工程で溶融した撥水性化合物をアルデヒド類捕集用化合物に滴下或いは噴霧する工程であるが、このときの滴下或いは噴霧温度は、該撥水性化合物の融点よりも1〜20℃高い温度とする。例えば、撥水性化合物として融点55℃のパラフィンワックスを用いた場合の滴下或いは噴霧する温度は、56〜75℃とする。更に、撥水性化合物の融点よりも5〜10℃高い温度で滴下或いは噴霧を行うことがより好ましい。滴下或いは噴霧時の温度が低すぎると、撥水性化合物が固化して配管詰まりを起こしやすくなる。一方、滴下或いは噴霧時の温度が高すぎると、造粒機内の温度が上昇するので冷却時間が長くなり余分なエネルギーロスになるとともに、製造機の壁への付着が多くなる。
工程)
本発明の製造方法の(3) 工程は、前記(2)工程にて得られた混合物を、攪拌混合しながら冷却する工程である。冷却により、溶融していた撥水性化合物は再び固化する。
前記(2) 工程及び(3) 工程における攪拌の処理条件としては、下記式(i)で定義される攪拌フルード数Frが0.1以上5.0未満となる条件で行うことが好ましい。
Fr=V/[(R×g)0.5] (i)
なお、(i)式中、Vは攪拌翼の先端の周速[m/s]を、Rは攪拌翼の回転半径[m]を、gは重力加速度[m/s2])を表す。攪拌フルード数Frを上記範囲に制御することで、粘性のある撥水性化合物を選択した場合でも、アルデヒド類捕集用化合物に均一に添加できる。撥水性化合物噴霧時のフルード数Frが小さすぎると、粒子の凝集を起こし、粗大粒子を生成しやすくなる。また造粒機の壁への付着が生じ、負荷が過大となり易くなり、好ましくない。一方、フルード数Frが大きすぎる、すなわち攪拌速度が速すぎると、攪拌による摩擦熱により造粒機の内温が上昇するため、冷却時間が長くなり、エネルギーロスとなるので好ましくない。
工程)
本発明の製造方法の(4) 工程は、前記(3)工程にて、前記混合物が、前記撥水性化合物の融点よりも10〜50℃低い温度まで冷却された時点で、流動性改善剤を添加する工程である。例えば、撥水性化合物として融点55℃のパラフィンワックスを用いた場合は、前記混合物が、5〜45℃まで冷却された時点で流動性改善剤を添加する。更に前記混合物が、前記撥水性化合物の融点よりも20〜30℃低い温度まで冷却された時点で、流動性改善剤を添加することが、より好ましい。
工程)
本発明の製造方法の(5)工程は、前記(4)工程にて得られた混合物を篩い分けして粉末状アルデヒド類捕集剤を得る整粒工程である。本発明のMタイプ木質板用アルデヒド類捕集剤では、平均粒子径が0.6m以上になるように、平均粒子径の測定方法の欄で述べた篩と受け皿を用いて分級操作を行うことが好ましいが、平均粒子径が0.6m以上の粉末が得られるのであれは、他の篩い目の大きさの篩いにて篩い分けることももちろん可能である。篩い分けの前に(4)工程で得られたアルデヒド類捕集剤を粉砕し、または篩い分け上に残った粉末を粉砕して、再び篩い分けすることも可能である。
上記(1)〜(4)の工程は、攪拌型造粒法、転動造粒法、押し出し造粒法、破砕型造粒法、噴霧乾燥造粒法にて行うことができ、具体的な装置としては、ハイスピードミキサー、ヘンシェルミキサー、ニューグラマシン、シュギミキサー、レディーゲミキサー、プロシェアミキサー、リボンミキサー、スパルタンミキサー、パグミキサー、タービュライザー(以上、攪拌造粒法)水平円筒型混合機(転動造粒法)、混練押出機、横型連続式のニーダー、密閉式の圧密化処理装置(以上、混練押出法)、向流式噴霧乾燥塔(噴霧乾燥造粒法)などを用いて行うとことができる。
木質材料に、メラミン系接着剤と本発明のMタイプ木質板用アルデヒド類捕集剤とを添加し、熱圧工程にて接着して得られる木質板としては、例えばパーティクルボード(PB)、OSB、木質繊維板(例えばMDF)、合板などがある。パーティクルボード(PB)の場合、木質原料を一般的にはチップ状にし、粉砕後、篩い分けして使用する。OSBの場合、木質材料を切削し、ストランドにして使用する。MDFの場合、木質材料を一般的にはチップ状にし、解繊して使用する。合板の場合は、木材を薄く切削した板(単板、ベニヤ)を使用する。
メラミン系接着剤を用いて木質板を製造するには、一般に木質材料にメラミン系接着剤を添加した上(接着剤添加工程)、圧力を与えながら加熱することにより木質材料を接着する工程(熱圧工程)を経る。本発明のMタイプ木質板用アルデヒド類捕集剤を用いて木質板を製造する際には、前記接着剤添加工程に先立って、メラミン系接着剤中に含有させて使用することもできるし、接着剤添付前若しくは後或いは同時に、接着される木質材料側に添加させて使用することもできる。
Mタイプ木質板用アルデヒド類捕集剤の添加順序は、メラミン系接着剤に直接添加する或いは、メラミン系接着剤の添加前でも後でも或いは同時でも特に限定されないが、メラミン系接着剤添加前後に或いは同時に木質材料中にMタイプ木質板用アルデヒド類捕集剤を添加する方が工程上望ましい。
熱圧工程の温度や時間は、一般的には作成する木質板の品質と生産性により適宜決定されるものであるが、本発明のMタイプ木質板用アルデヒド類捕集剤を使用する場合、前記効果を発揮させるために、熱圧成型温度を100~300℃とすることが好ましく、140〜250℃とすることがより好ましい。温度が低すぎると酸性ガスの発生量が少なく、ホルムアルデヒド等を十分に捕集できなくなる。逆に温度が高すぎると木質板表面が焦げる等して品質が低下してしまう。また熱圧成型時間は60秒以上とすることが好ましく、90秒以上とすることがより好ましい。成型時間が短かすぎると木質板内部の温度が上昇しにくく、本アルデヒド類捕集剤の効果も低減してしまう。熱圧成型時の木質板内部温度は厚さ方向の中心部分で60℃以上とすることが好ましく、80℃以上がより好ましい。また100℃以上とすることがさらに好ましい。
なお木質繊維板(MDF)や他の木質板を製造する場合も、同様にして上記Mタイプ木質板用アルデヒド類捕集剤を添加して木質板を製造することができる。
上記工程を経て得られる木質板は、化粧シート貼付け用の木質板として好適な性質を有する。化粧シート貼付木質板は、内装用途などで多く用いられるものである。化粧シート貼付木質板は、木質板表面に接着剤を塗布するか、化粧シートの表面に接着剤を塗布した後、両者を貼り付けることにより製造される。このとき化粧シートの貼り付けは一般的に加熱圧着により行われるが、この際、木質板は、再度加熱され木質板内部に残留しているホルムアルデヒド或いは接着剤の加水分解等に起因するホルムアルデヒドが発生し、木質板からのホルムアルデヒド放散量が増加することが問題視されていた。
〔アルデヒド類捕集剤の調整〕
ハイスピードミキサー(深江パウテック(株)製)に粉末の無水重亜硫酸ナトリウム(大東化学(株)製 平均粒子径190μm)59部を入れ、融点59℃の牛脂硬化油 (IHT−59 ミヨシ油脂製)40部を溶融して、前記無水重亜硫酸ナトリウムに70℃の状態において噴霧し、攪拌フルード数Frが1.1の造粒条件にて造粒を行った。次に、前記粉体の温度が40℃になるまで、攪拌フルード数Frが1.1の攪拌条件を維持したままで冷却し、製造装置内のアルデヒド類捕集剤を採取し、採取したサンプルの温度が冷却温度(40℃)に達したことを確認後、ホワイトカーボン カープレックス#67(DLS JAPAN製)1部を添加した。最後に、パワーミルP−02S((株)ダルトン製)において、最大粒子径を最大3mmに設定し、粉砕、整粒を行い、アルデヒド類捕集剤を得た。
撹拌機、還流コンデンサー、および温度計を備えた反応容器に、37%ホルムアルデヒド水溶液1000部を入れ、pHを8.0に調整した後、尿素370部を加え、85℃で1時間反応させた。その後pHを5.8に再調整し、15分間反応させ、更にpHを7.5に調整した後、尿素43部、粉末メラミン103部を添加し30分反応させた。その後冷却し、不揮発分を57%に調整してホルムアルデヒドモル比1.6の接着剤を作製した。これに40%ワックスエマルション、硬化剤として塩化アンモニウム、及び水をそれぞれ40部、1部、3部、7部の割合で混合し、実施例1で使用するメラミン系接着剤を得た。
木片等の木質原料をフレーカーで粉砕し、目開き寸法1.7mmの篩で篩い分けをして、篩下の木質材料を表裏層用木質材料、篩上の木質材料を芯層用木質材料とした。篩い分けした木質材料は90℃の熱風乾燥機中で乾燥し、水分を3%以下とした。
前記で得られた実施例1の木質板のホルムアルデヒド放散量は、パーティクルボード(JIS A 5908:2003)及び建築用ボード類のホルムアルデヒド放散量の試験方法(JIS A 1460:2001)に準じてデシケーター法により捕集し測定した。測定された放散量を次の評価基準に従って評価した。
◎ 0.3mg/L未満
○ 0.3mg/L以上,1mg/L未満
△ 1mg/L以上,2mg/L未満
× 2mg/L以上
上記結果を表2にまとめた。
実施例1のアルデヒド類捕集剤とは、成分配合を表2中記載のものとし、さらに、選択する分級範囲の異なる範囲を選択した点において相違するアルデヒド類捕集剤を実施例2〜4、比較例1のアルデヒド類捕集剤とした。なお各実施例、比較例で選択した粉砕時の分級範囲は次のとおりであり、各平均粒子径は、表2記載のとおりである。
実施例2 4000μm〜1400μm
実施例3 2830μm〜1000μm
実施例4 710μm〜 500μm
比較例1 250μm〜 150μm
参考例1、2としてホルムアルデヒド系接着剤が尿素系接着剤(ホルムアルデヒド比1.3)とした場合の平均粒子径の依存性を示した。
攪拌機、還流コンデンサー、および温度計を備えた反応容器に、37%ホルムアルデヒド水溶液1000部を入れ、pHを8.0に調整した後、尿素370部加え、85℃で1時間反応させた。その後pHを5.8に再調整し、15分間反応させ、さらにpHを7.5に調整した後、追加尿素200部を添加し30分反応させた。その後冷却し、不揮発分を57%に調整してホルムアルデヒドモル比1.3の尿素系接着剤を調整した。これに55%ワックスエマルション、硬化剤として塩化アンモニウム、及び水をそれぞれ20部、1部、0.5部、2部の割合で混合して使用した。アルデヒド類捕集剤の調製、木質板の作製および評価は実施例1と同様である。
また参考例3には、アルデヒド類捕集剤を添加しない場合を示した。
参考例1〜3については、表3にまとめて示した。
〔アルデヒド類捕集剤の調整〕
ハイスピードミキサー(深江パウテック(株)製)に粉末の無水重亜硫酸ナトリウム(大東化学(株)製 平均粒子径190μm)82部を入れ、融点59℃の牛脂硬化油 IHT−59(ミヨシ油脂社製)17部を溶融して、前記無水重亜硫酸ナトリウムに70℃の状態において噴霧し、攪拌フルード数Frが1.1の造粒条件にて造粒を行った。次に、前記粉体の温度が40℃になるまで、攪拌フルード数Frが1.1の攪拌条件を維持したままで冷却し、製造装置内のアルデヒド類捕集剤を採取し、採取したサンプルの温度が冷却温度(40℃)に達したことを確認後、ホワイトカーボン カープレックス#67(DLS JAPAN製)1部を添加した。最後に、パワーミルP−02S((株)ダルトン製)において、最大粒子径を最大3mmに設定し、粉砕、整粒を行い、アルデヒド類捕集剤を得た。
撹拌機、還流コンデンサー、および温度計を備えた反応容器に、37%ホルムアルデヒド水溶液1000部を入れ、pHを8.0に調整した後、尿素を表4記載の(A)の量を加え、85℃で表4記載の時間(D)反応させた。その後pHを5.8に再調整し、15分間反応させ、更にpHを7.5に調整した後、尿素を表4記載の(B)の量、粉末メラミンを表4記載の(C)の量を添加し30分反応させた。その後冷却し、不揮発分を57%に調整することで、ホルムアルデヒドモル比を調整した接着接着剤成分を作製し、これに40%ワックスエマルション、硬化剤として塩化アンモニウム、及び水をそれぞれ40部、1部、3部、7部の割合で混合し、実施例5〜14のメラミン系接着剤をそれぞれ得た。
上記で得られた実施例5〜14のアルデヒド類捕集剤について、実施例1と同様の方法にて実施例5〜14の木質板を作製し、各木質板について、実施例1記載の方法で、アルデヒド類捕集効果の評価を行った。
これらの結果をまとめて表5,表6に示す。
アルデヒド類捕集効果
〔アルデヒド類捕集剤の調整〕
ハイスピードミキサー(深江パウテック(株)製)に粉末の無水重亜硫酸ナトリウム(大東化学(株)製 平均粒子径190μm)82部を入れ、融点75℃(実施例15;HNP-9(日本精蝋社製))または融点55℃(実施例16:パーバン1320(エクソンモービル社製))のパラフィンワックス17部を溶融して、前記無水重亜硫酸ナトリウムにワックス成分の融点+10℃の状態において噴霧し、攪拌フルード数Frが1.1の造粒条件にて造粒を行った。次に、前記粉体の温度が40℃になるまで、攪拌フルード数Frが1.1の攪拌条件を維持したままで冷却し、製造装置内のアルデヒド類捕集剤を採取し、採取したサンプルの温度が冷却温度(40℃)に達したことを確認後、ホワイトカーボン カープレックス#67(DLS JAPAN製)1部を添加した。最後に、パワーミルP−02S((株)ダルトン製)において、最大粒子径を最大3mmに設定し、粉砕、整粒を行い、アルデヒド類捕集剤を得た。
上記で得られた実施例15,16のアルデヒド類捕集剤について、実施例1と同様の方法にて実施例15,16の木質板を作製し、各木質板について、実施例1記載の方法で、アルデヒド類捕集効果の評価を行った。
これらの結果をまとめて表7に示す。なお、参考として平均粒子径が実施例15,16と同じである実施例3の結果についても再度掲載した。
Claims (10)
- 木質材料中或いはメラミン系接着剤中に添加、分散して使用するMタイプ木質板用アルデヒド類捕集剤であって、
前記アルデヒド類捕集剤は、常温で平均粒子径が0.6mm以上の粉末であり、常温で固体のアルデヒド類捕集用化合物を少なくとも一種類以上含有し、
前記アルデヒド類捕集用化合物は、加温により、アルデヒド類との反応性を有する酸性ガスを発生する性質を有する
ことを特徴とするMタイプ木質板用アルデヒド類捕集剤。 - 前記アルデヒド類捕集用化合物のうち、加温により発生する前記酸性ガスが、1種または2種以上の硫黄酸化物ガスであることを特徴とする請求項1記載のMタイプ木質板用アルデヒド類捕集剤。
- 前記アルデヒド類捕集用化合物のうち、加温により発生する前記酸性ガスが、亜硫酸ガスであることを特徴とする請求項1記載のMタイプ木質板用アルデヒド類捕集剤。
- 前記アルデヒド類捕集用化合物に加えて、更に1種または2種以上の常温で固体の撥水性化合物を含有する請求項1〜3のいずれかの項に記載されたMタイプ木質板用アルデヒド類捕集剤。
- 請求項1〜4のいずれかの項に記載されたMタイプ木質板用アルデヒド類捕集剤を少なくとも含有するメラミン系接着剤。
- 木質材料に、メラミン系接着剤及び請求項1〜4のいずれかの項に記載されたMタイプ木質板用アルデヒド類捕集剤を添加し、その後、熱圧成形する工程を少なくとも有する木質板の製造方法。
- 前記メラミン系接着剤における接着成分のホルムアルデヒド比が2.4以下である請求項6記載の木質板の製造方法。
- 少なくともメラミン系接着剤と、請求項1〜4のいずれかの項に記載されたMタイプ木質板用アルデヒド類捕集剤とを添加された木質材料、または少なくとも請求項5記載のメラミン系接着剤が添加された木質材料が、熱圧接着されてなる木質板。
- 請求項6或いは7記載の製造方法で製造された木質板、または請求項8記載の木質板の少なくとも一方の表面及び/または化粧シートの片面に、接着剤を塗布し、60℃〜160℃の温度で化粧シートを貼付ける化粧シート貼付木質板の製造方法。
- 請求項9記載の化粧シート貼付木質板の製造方法にて得られる化粧シート貼付木質板。
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