JP2013094606A - ホルムアルデヒド捕捉剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スルファニル酸もしくはその誘導体の水溶液またはアルコール溶液を含有する。
【選択図】なし
Description
一方、合板木材、集合木材、合成樹脂等を主体とする新建材を用いた工場生産方式の建築法が工期の短縮、建設費の節減等の利点を有する工法として普及している。これらの新建材を使用した建築物は高気密、高断熱のコンパクトな構造を有しているため、建材を構成する木材本体から発生するホルムアルデヒドの他に、尿素樹脂やメラミン樹脂などの合成樹脂のメチロール化のために使用されているホルムアルデヒドが室内に高濃度で充満することによって、いわゆるシックハウス症候群が招来され、大きな社会問題となっている。その他、日常生活において広く使用されている各種紙や各種表面処理剤や接着剤などにもホルムアルデヒドは含まれている。
このホルムアルデヒド捕捉剤は、消臭剤として用いることが好ましい。
例えば、本発明のホルムアルデヒド捕捉剤は、医療機関および検査機関に存在するホルムアルデヒド臭を捕捉することができる。
さらに、本発明のホルムアルデヒド捕捉剤は、空気中に存在するホルムアルデヒド臭を捕捉することができる。
本発明のホルムアルデヒド捕捉剤を固体状物質に担持させた後、そのホルムアルデヒド捕捉剤を乾燥させて、固体状ホルムアルデヒド捕捉剤として用いることができる。
本発明のホルムアルデヒド捕捉剤を乾燥させた後に固体状物質に担持させて、固体状ホルムアルデヒド捕捉剤として用いることができる。
また、本発明のホルムアルデヒド捕捉剤は合成樹脂に含浸させることができる。
そして、本発明のホルムアルデヒド捕捉剤は、紙、表面処理剤、接着剤、建材部品、車両用部品または航空機用部品の表面に固定するか、その内側に保持するか又はこれらと同等の手段により、それらの部材に含有させることができる。
スルファニル酸は、分子式がC6H7NO3Sで、分子量が173.19で、以下の化学構造を有する、低毒性で、融点が300℃超、比重が1.485で、やや灰色を帯びた白色の微粉結晶で、水に不溶性の物質である。
《第一実施例》
スルファニル酸の白色の微粉結晶、約47grにNaHCO3約23grと水140mlを加えて混合することによって、pHが約7.0のスルファニル酸の水溶液を210gr得た。このスルファニル酸の水溶液210grを市販のキッチンペーパー1.8grに含浸させた。また、比較のために、水道水210grを別の市販のキッチンペーパー1.8grに含浸させた。
第一実施例と同じ方法で得たスルファニル酸の水溶液9.0grを脱脂綿1.0grに含浸させた。また、比較のために、水道水9.0grを別の脱脂綿1.0grに含浸させた。
図2および図3から、スルファニル酸の水溶液は優れたホルムアルデヒドの捕捉剤であることが分かるが、その捕捉速度を増すためには、スルファニル酸を固体状物質に担持させるのが好ましい。その固体状物質が濡れているか又は結晶水を有する物質であれば、スルファニル酸は粉末でも、ペーストでも、スラリー状であってもよい。スルファニル酸の水溶液は当然、固体状物質に担持させることができる。水溶液の水分が多いときは、必要に応じて乾燥すればよい。
そのような固体状物質としては、例えば、セピオライト、アタパルジャイト、パリゴルスカイト、酸性白土などのフーラーズアース、ミズカナイト、アルミナゲル、シリカゲル、珪藻土、鹿沼土などの乾燥固体や、合成ゼオライト4A、合成ゼオライト5A、合成ゼオライト13X、合成ゼオライト13Y、菱沸石などの孔径が2.2μm以上のゼオライト類、軽石、発泡パーラート、発泡バーミキュライト、ウレタンスポンジ、吸水性樹脂、へちまスポンジなどの多孔体を挙げることができる。
図2および図3に示すように、スルファニル酸の水溶液をキッチンペーパーや脱脂綿に含浸させたホルムアルデヒド捕捉剤では、一旦低下した容器内のホルムアルデヒドガス濃度が再び上昇に転じる、いわゆるリバウンド現象が見られた。しかし、以下に説明するように、本発明のホルムアルデヒド捕捉剤を固体状物質に担持させることによって、リバウンド現象を避けることができた。
第三実施例と同じようにして得た褐色透明の六角形板状の結晶を活性白土27.4grまたはセピオライト27.6に接触させて、その結晶を活性白土またはセピオライトに吸着させた。
そして、容量が13リットルの2個のガラス製デシケーターにホルムアルデヒドガスを注入して初期濃度を測定後、上記活性白土またはセピオライトを別々のガラス製デシケーターに静かに投入して、そのガラス製デシケーター内のホルムアルデヒドガスの濃度を検知管にて測定した。図5は、その測定結果を示す図で、黒い丸が活性白土を有するデシケーターを示し、白い三角がセピオライトを有するデシケーターを示す。図5の縦軸はホルムアルデヒドガス濃度(ppm)で、横軸は経過時間(分)を示す。いずれもリバウンド現象は見られず、ホルムアルデヒドガスの脱臭率は99.3%以上であった。
2 スルファニル酸またはその塩のペーストとして、固体状物質に担持し得る範囲
3 スルファニル酸またはその塩のスラリーとして、固体状物質に担持し得る範囲
4 スルファニル酸またはその塩として水に可溶な範囲
Claims (8)
- スルファニル酸もしくはその誘導体の水溶液またはアルコール溶液を含有することを特徴とするホルムアルデヒド捕捉剤。
- 消臭剤である請求項1記載のホルムアルデヒド捕捉剤。
- 消臭対象であるホルムアルデヒド臭が、医療機関および検査機関に存在するものである請求項2記載のホルムアルデヒド捕捉剤。
- 消臭対象であるホルムアルデヒド臭が、空気中に存在するものである請求項2記載のホルムアルデヒド捕捉剤。
- 請求項1または2記載のホルムアルデヒド捕捉剤を固体状物質に担持させた後、そのホルムアルデヒド捕捉剤を乾燥させてなる固体状ホルムアルデヒド捕捉剤。
- 請求項1または2記載のホルムアルデヒド捕捉剤を乾燥させた後に固体状物質に担持させてなる固体状ホルムアルデヒド捕捉剤。
- 請求項1または2記載のホルムアルデヒド捕捉剤を合成樹脂に含浸させてなるホルムアルデヒド捕捉剤。
- 請求項1または2記載のホルムアルデヒド捕捉剤を含有する紙、表面処理剤、接着剤、建材部品、車両用部品または航空機用部品。
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