JP3942106B2 - アルデヒド類捕集剤及びこれを用いた木質板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ホルムアルデヒド等のアルデヒド類を捕集するアルデヒド類捕集剤に関し、更に詳しくは、木質材料とホルムアルデヒド系接着剤を用いて製造した木質板からのアルデヒド類発生を抑えるために用いるアルデヒド類捕集剤に関する。
パーティクルボード、合板、木質繊維板等の木質板の製造には、ホルムアルデヒド系接着剤(フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂)などを接着剤として使用する場合がある。この場合、木質板から、前記ホルムアルデヒド系接着剤に起因する遊離したホルムアルデヒドが大気中に放出され、環境や健康に害を与える問題がある。
従来、この問題の解決手段として、ホルムアルデヒドと反応してこれを捕集するいわゆるホルムアルデヒド捕集剤として、尿素、亜硫酸塩、ヒドラジド類を木質材料表面に塗布することが行われている(特許文献1、特許文献2参照)。この場合、ホルムアルデヒド捕集剤は通常水等に希釈して、スプレー塗工、ロール塗工等で塗布される。木質板は、ホルムアルデヒド捕集剤を塗布後、積み重ねて保管され、出荷される。
特開平11−240002号公報 特開2002−331504号公報
ところで、木質板は、アルデヒド捕集剤を塗布後、表面美観を向上する為及び所要の寸法とする為に表面を薄く研磨して出荷されるのが通常であるが、表面研磨を行った場合、特に研磨厚が大きい場合には木質板表面に存在するアルデヒド類捕集剤も少なくなり、その結果、上記手段ではホルムアルデヒド補捉能が低下或いはなくなってしまうという問題が生じる。この問題を解決する手段として、木質材料中に亜硫酸ナトリウムや尿素をホルムアルデヒド捕集成分として添加してホルムアルデヒド放散量を低減する方法が提案されている(特許文献3)。
特開平10−119010号公報
しかしながら、特許文献3記載の方法では、ホルムアルデヒド捕集成分である亜硫酸ナトリウムや尿素が固体であることから、ホルムアルデヒドとの反応は、固体−気体反応となる。このため、ホルムアルデヒドは、当該ホルムアルデヒド捕集成分の粒子表面で捕集されることになる。すなわち、木質板中に捕集剤が点在するフィルター状となってしまうので、遊離ホルムアルデヒドを十分捕集しきれない。特に、近年JIS法が改正され、ホルムアルデヒド放出量の制限が厳しくなったことを鑑みれば、上記手段では、使用制限を受けないF☆☆☆☆評価の木質板とするにはホルムアルデヒド捕集能が不十分である。
そこで本発明では、表面研磨を行っても捕集能が低下することなく、且つ、優れたホルムアルデヒド捕集能のあるアルデヒド類捕集剤を提供することを目的とする。さらには、そのアルデヒド類捕集剤を用いた木質板の製造方法及びその木質板を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、アルデヒド類捕集剤として、常温で粉末であって、かつ加温により酸性ガス、なかでも亜硫酸ガスを発生する性質を有する固体のアルデヒド類捕集用化合物を必須成分として含むアルデヒド類捕集剤を用いることで、熱圧工程などにおける加熱で、ガス状での反応を生じさせることにより、優れたアルデヒド類捕集性能が得られることを見出した。
更に、前記アルデヒド類捕集剤に、加温により塩基性ガスを発生する性質を有する化合物または塩基性化合物を更に添加することにより、アルデヒド類捕集性能に加えて、過剰に発生する未反応酸性ガスを消去できることも見出した。
なかでも、前記塩基性ガスを発生する性質を有する化合物が、前記アルデヒド類捕集用化合物よりも熱分解温度が高いものであれば、前記塩基性ガスを発生する性質を有する化合物が前記アルデヒド類捕集用化合物のアルデヒド類捕集能を阻害することがないことも見出した。
本発明のアルデヒド類捕集剤は、熱圧工程にて木質材料からホルムアルデヒド等のアルデヒド類が放出されるのに合わせて、当該アルデヒド類捕集剤からアルデヒド類捕集能を有する気体の酸性ガスが発生するので、遊離アルデヒド類をほぼ完全に除去できるようになった。これにより、ホルムアルデヒド系接着剤を用いて製造した木質板であっても高いF☆☆☆☆評価を得ることができるようになった。これを使用して製造されるパーティクルボード、MDF、合板等の木質板は、表面研磨の有無によらず高捕集率でアルデヒド類を捕集することができ、木質板表面美観にも優れた物とすることができる。
また、本発明のアルデヒド類捕集剤に尿素のような、加温により塩基性ガスを発生させる化合物を更に加えると、上記で生じる過剰の酸性ガスを除去することも可能となり、熱圧時の臭気を抑える。加えて、加温時に発生する酸性ガスと塩基性ガス、例えば亜硫酸ガスとアンモニアは、ガス状で反応して亜硫酸アンモニウムを生じる。この亜硫酸アンモニウムは、木質板全体に付着するので、木質板冷却後に引き続き微量発生する遊離アルデヒド類を捕集する効果を有する。
更に、前記塩基性ガスを発生する性質を有する化合物が、前記アルデヒド類捕集用化合物よりも熱分解温度が高いものであれば、まず加温初期には酸性ガスが効果的に木質材料から生じる遊離アルデヒド類を効果的に捕集する反応が優先し、更に温度を上げることにより、過剰の酸性ガスを塩基性ガスが捕集する反応が増えるので、酸性ガス−遊離アルデヒド類の反応と、酸性ガス−塩基性ガスの反応の競合が抑えられる。すなわち、本発明では、塩基性ガスが酸性ガスのアルデヒド類捕集能をほとんど阻害しない。
一方、塩基性化合物を添加した場合、前記塩基性ガスを発生する性質を有する化合物のような熱圧工程において急激な酸性ガス濃度の低下は期待できないものの、木質板製造後にも微量発生する酸性ガスを長期間に渡って捕集することができる。
更に本発明の方法で製造された木質板であれば、その後、表面に化粧シートを貼り付ける場合においても、該木質板内部に残存する本発明のアルデヒド捕集剤によって、該貼付け工程での加熱にて木質板内部から再び放出されるアルデヒド類に対しても捕集効果が発揮されるので、アルデヒド類の放散が少ない良好な性質の化粧シート貼付木質板を得ることができる。
(アルデヒド類捕集剤)
本発明は、木質材料とホルムアルデヒド系接着剤を用いて木質板を製造するに際して、該木質材料中或いは該ホルムアルデヒド系接着剤中に添加または分散して使用するアルデヒド類捕集剤についてのものであり、その性状は常温で粉末である。液状では本発明の奏する効果が期待できず、固体であっても粉末でなく粒子平均径が5mmを超えるような塊の集合体の場合、木質材料中の均一分散が困難となるので適当ではない。なお、常温の語は、一般的な意味あいで用いるものあるが、厳密に定義すれば、25℃を指す。
(アルデヒド類捕集用化合物)
前記アルデヒド類捕集剤は、常温で固体のアルデヒド類捕集用化合物を少なくとも一種類以上含有するものであって、かつ前記アルデヒド類捕集用化合物は、加温により酸性ガスを発生する性質を有するものである。
具体的な酸性ガスとしては、亜硫酸ガス、硫化水素ガスを挙げることができる。酸性ガスを発生する化合物は、次のような加熱反応によって、亜硫酸ガスや硫化水素ガスを発生させる。加温により亜硫酸ガスを発生させる化合物として亜硫酸水素ナトリウム、加温により硫化水素ガスを発生させる化合物として硫化水素ナトリウムの場合を例にとって説明する。
2NaHSO →(加熱)→ NaSO+HO+SO
2NaHS →(加熱)→ NaS+HS↑
上記反応によってアルデヒド類捕集用化合物から発生した酸性ガスが、熱圧工程でアルデヒド類を捕集する機構は、次のような化学反応を辿ることによるものと推測される。アルデヒド類としてホルムアルデヒドの場合を例にとって説明する。
(亜硫酸ガスの場合)
HCHO+SO+HO → HOCHSOH・・・不安定な酸を生成
HOCHSOH+NaSO → HOCHSONa+NaHSO
(硫化水素ガスの場合)
S+HOCHOH→HOCHSH+H
熱圧工程において、上記反応がガス状で反応するため、アルデヒド類が効果的に除去される。
上記のような加温により亜硫酸ガスを発生させる性質を有するアルデヒド類捕集用化合物の例としては、上記の亜硫酸水素ナトリウムのような重亜硫酸塩類を挙げることができる。重亜硫酸塩類のうちでも、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩、亜二チオン酸塩などが好ましい。前記塩の種類の例として考えられるものは、ナトリウム、カリウム、マグネシウム等の金属塩や、モノエタノールアミン等のアミン塩、アンモニウム塩等がある。一方、加温により硫化水素ガスを発生させる性質を有するアルデヒド類捕集用化合物の例としては、硫化水素ナトリウム等の硫化水素塩等がある。
本発明のアルデヒド類捕集剤には、少なくとも一種類のアルデヒド類捕集用化合物が含有されている必要があるが、二種類以上のアルデヒド類捕集用化合物を用いてもよい。また他の公知のアルデヒド類捕集能を有する化合物と併用して使用することもできる。なかでもアルデヒド類捕集能を有する化合物が亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウムまたはヒドラジド類であれば、それぞれのアルデヒド類捕集能力を打ち消しあうことなく、相乗的な効果が生じ、臭気の除去能力が更に増加し、木質板外観も更に改善される。
上記のように、他の化合物を含有する場合、前記アルデヒド類捕集用化合物の含有量は、アルデヒド類捕集剤全体量に対して5〜95重量%であることが好ましい。
加温により酸性ガスを発生する性質を有する化合物という語を更に厳密に定義する必要があるならば、前記酸性ガスが亜硫酸ガスの場合においては、下記のように厳密に定義することができる。すなわち、前記アルデヒド類捕集用化合物からの亜硫酸ガス発生濃度が、140℃加熱時に500ppm以上の化合物であるか、または亜硫酸ガスを発生する化合物であってその分解開始温度が250℃以下、好ましくは200℃以下の化合物をいうものとする。亜硫酸ガスの発生濃度が小さすぎると、アルデヒド類捕集能が十分でないからである。また分解開始温度が高すぎる化合物は、熱圧工程で接着を行う際、200℃程度の温度であっても亜硫酸ガスを十分には発生しないと考えられるからである。その一方、加温により発生する亜硫酸ガス濃度が50%を超えるような化合物の場合、例え室温で固体であったとしても容易に分解しやすい化合物であり、臭気も強く、取り扱いが困難であるからあまり好ましくない。
加温時の亜硫酸ガス発生濃度の測定方法はJISなどで確立された測定方法が存在しないので、下記に説明する方法で測定することとした。また熱分解開始温度の測定は下記の条件で行うものとする。
<亜硫酸ガス濃度の測定>
試験装置・器具:JIS K 2234−1994に記載されている伝熱面腐食試験装置を使用する。但し、金属試験片に相当する部分はSUS304で作製し、熱板とする。
試験方法:ガラスセル上部より試料1.0gを入れて封入した後、金属試験片に相当する部分をヒーターで加温し目的の温度まで昇温する。目的の温度に達した後30分間温度を保持して試料より亜硫酸ガスを発生させた後、試験装置上部の栓を開け、ガス検知管により亜硫酸ガス濃度を測定する。尚、ガラスセルは内径40mm、全長530mmのものを使用する。また、ガス検知管はJIS K0804−1998に規定する(株)ガステック製検知管式ガス測定器(二酸化イオウ)を使用した。
<熱分解開始温度>
TG(SEIKO社製 TG/DTA6200)により熱分解し、分解開始温度を外挿した。昇温条件は次のとおりである。
温度範囲30−300℃
昇温速度:10℃/分
上記試験の結果は表1にまとめた。なお、亜硫酸水素ナトリウムについては、試料量0.1gの場合の濃度も補足的に測定した。表1のとおり、亜硫酸水素ナトリウム,亜硫酸水素カリウム,ピロ亜硫酸ナトリウム,ピロ亜硫酸カリウム,亜硫酸マグネシウム,亜硫酸亜鉛及び亜硫酸アルミニウムは、亜硫酸ガス発生濃度が、140℃加熱時に500ppm以上の化合物であるか、または亜硫酸ガスを発生する化合物であってその分解開始温度が250℃以下の化合物であることが確認された。一方、亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸カルシウムは上記要件満たさず、本発明では酸性ガスを発生しない化合物と言えることが確認された。
Figure 0003942106
(加温により塩基性ガスを発生する性質を有する化合物)
本発明の前記アルデヒド類捕集剤は、必須成分として、前記のアルデヒド類捕集用化合物を含有するが、更に加温により塩基性ガスを発生する性質を有する化合物を含有させることが好ましい。アルデヒド類を十分捕集するには、前記アルデヒド類捕集用化合物は、加温により酸性ガスが若干過剰気味に発生する程度に含有させるのが好ましい。ただしこのような状態にすると、未反応の酸性ガスが残ってしまい、加熱処理時の臭気の要因になってしまうことになるので、未反応酸性ガスは、できるだけ除去されることが好ましい。ここで、更に加温により塩基性ガスを発生する性質を有する化合物が含有されていると、未反応の酸性ガスは発生する塩基性ガスと反応し、消去される。
本発明のアルデヒド類捕集剤において、アルデヒド類捕集用化合物/加温により塩基性ガスを発生する性質を有する化合物の割合は、重量比で5/95〜95/5が好ましく、10/90〜90/10がより好ましい。アルデヒド類捕集用化合物の割合が小さすぎると木質板より放散するホルムアルデヒドを十分に低減できず、また、加温により塩基性ガスを発生する性質を有する化合物の割合が小さすぎると酸性ガスを消去できなくなる。
加温により塩基性ガスを発生する性質を有する化合物が、例えば未反応の亜硫酸ガスを捕集する機構は、次のような化学反応を辿ることによるものと推測される。加温により塩基性ガスを発生する性質を有する化合物が尿素の場合を例にとって説明する。この場合発生する塩基性ガスはアンモニアである。
NH2CONH2+H2O →(加熱)→ 2NH3+CO2
2NH3+SO2+H2O → (NH4)2SO3
加温中においては、上記反応がガス状で反応するため、未反応の亜硫酸ガスが効果的に除去される。
上記のように、塩基性ガスの代表的な例はアンモニアである。加温によりアンモニアを発生させる化合物としては、亜硫酸アンモニウム、尿素類、ヒドラジド類を挙げることができる。
尿素類としては、尿素及び尿素結合を有する化合物が例示され、例えば、メチル尿素、エチル尿素、ジメチル尿素、ジエチル尿素、グアニル尿素、アセチル尿素、チオ尿素、の他、エチレン尿素、アラントイン等の環状尿素縮合体や、ビウレットなどの尿素二量体などの非環状尿素縮合体などが挙げられる。
ヒドラジド類としては、分子中に1個のヒドラジド基を有するモノヒドラジド化合物、分子中に2個のヒドラジド基を有するジヒドラジド化合物、分子中に3個以上のヒドラジド基を有するポリヒドラジド化合物を挙げることができる。モノヒドラジド化合物の具体例としては、ラウリル酸ヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド、ホルムヒドラジド、アセトヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、ナフトエ酸ヒドラジド等のアルキルヒドラジド化合物が挙げられる。ジヒドラジド化合物の具体例としては、カルボジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン2酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、ダイマー酸ジヒドラジド等の2塩基酸ジヒドラジドが挙げられる。ポリヒドラジド化合物の具体例としては、ポリアクリル酸ヒドラジド等を例示できる。
また加温により塩基性ガスを発生する性質を有する化合物は、二種以上の化合物の組み合わせであっても良い。具体的な例としては、固体状の塩化アンモニウムと固体状の水酸化アルミニウムを木質材料に混合添加し、熱圧工程で発生する水蒸気を利用してアンモニアを発生させる方法を挙げることができる。
3NHCl+Al(OH) → AlCl+3HO+NH
加温により塩基性ガスを発生する性質を有する化合物という語を更に厳密に定義する必要があるならば、前記化合物の塩基性ガス発生濃度が、140℃加熱時に500ppm以上の化合物であるか、または塩基性ガスを発生する化合物であってその分解開始温度が300℃以下の化合物をいうものとする。なお分解温度は、250℃以下であることが更に好ましい。塩基性ガスの発生濃度が小さすぎると、未反応の亜硫酸ガスを十分には消去できないからである。また分解開始温度が高すぎる化合物は、後述の加熱工程(熱圧工程)で接着を行う際、200℃程度の温度であっても塩基性ガスを十分には発生しないと考えられるからである。一方塩基性ガス発生濃度の上限は特になく、140℃加熱時に100%となるものであっても使用できる。
加温時の塩基性ガス発生濃度の測定方法もJISなどで確立された測定方法が存在しないので、上記の亜硫酸ガスの濃度測定と同様の方法で測定することとした。ただし、ガス検知管はアンモニア用など発生する塩基性ガスに対して適当な検知管に変更するものとする。分解開始温度の条件も上記の亜硫酸ガスの分解温度測定と同様とする。
上記試験の結果は表2にまとめた。表2のとおり、尿素、カルボジヒドラジド及び亜硫酸アンモニウムが、アンモニア濃度が140℃加熱時に500ppm以上である化合物として確認された。またエチレン尿素、アジピン酸ジヒドラジド、ドデカン2酸ジヒドラジドは、140℃加熱時のアンモニア発生濃度は0ppmだったが、分解開始温度が300℃を下回るものであることが確認された。さらに、尿素、エチレン尿素、カルボジヒドラジドは、分解開始温度が250℃を下回ることが確認されたので、加温により塩基性ガスを発生する性質を有する化合物として特に好適に用いることができることが確認された。
Figure 0003942106
また亜硫酸水素ナトリウム1gと尿素1gを混合した場合の亜硫酸ガス濃度及びアンモニアガス濃度についても同様の方法で測定した。その結果を表3に示す。
Figure 0003942106
(塩基性化合物)
本発明のアルデヒド類捕集剤は、更に塩基性化合物を含有させることもできる。本発明のアルデヒド類捕集剤に塩基性化合物のみを添加した場合は、加温により塩基性ガスを発生する性質を有する化合物を用いた場合と異なり、熱圧工程に照準を合わせて効率よく未反応酸性ガスを捕集するものではないが、木質板成形後、残存するアルデヒド類捕集用化合物から長期間微量に発生する酸性ガスを確実に捕集することができる。したがって本発明では、加温により塩基性ガスを発生する性質を有する化合物と塩基性化合物との両方を添加して、相乗的な酸性ガス捕集効果を得ることもできる。
本発明で用いることのできる塩基性化合物は、発生した酸性ガスと反応する塩基性物質であれば特に制限はない。具体的には、アンモニア等のガス状塩基性化合物、アルカノールアミン等の液状塩基性化合物、水酸化ナトリウムや水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム等の固体状塩基性化合物を挙げることができる。なかでも、取り扱い易さの点から固体状塩基性化合物が好ましい。
(固体状塩基性化合物)
具体的な固体状塩基性化合物としては、カルシウム、アルミニウム、亜鉛或いはマグネシウムの酸化物または水酸化物などが挙げられ、その他にもアルミン酸ナトリウム、アルキルアミン類及びポリアミンも用いることができる。
これらの中でも、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの二価及び三価の金属酸化物、金属水酸化物などの比較的塩基性の弱い化合物が好ましい。水酸化ナトリウム等の強塩基性物質はホルムアルデヒド系接着剤の硬化を阻害し易いのであまり好ましくない。また、加熱成形時に溶融する塩基性有機化合物も木質板中に浸透して硬化阻害を引き起こし易くなるためあまり好ましくない。
(液状塩基性化合物)
液状塩基性化合物としては、モノエタノールアミンやトリエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、オレイルアミン等の有機性アルキルアミン化合物を挙げることができる。
本発明のアルデヒド類捕集剤において、アルデヒド類捕集用化合物/塩基性化合物の割合は、重量比で5/95〜95/5が好ましく、10/90〜90/10がより好ましい。アルデヒド類捕集用化合物の割合が小さすぎると木質板より放散するホルムアルデヒドを十分に低減できず、また、塩基性化合物の割合が小さすぎると酸性ガスを消去できなくなる。
(その他の添加剤)
本発明のアルデヒド類捕集剤組成物中には、上記化合物の他に、必要に応じて、酸化防止剤、防腐剤、着色剤、防錆剤の他、製造工程上必要な薬剤、例えば炭酸塩、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩などの粉体の流動性向上剤等の添加剤を含有させることもできる。
(木質板の製造方法)
ホルムアルデヒド系接着剤を用いて木質板を製造するには、一般に木質材料にホルムアルデヒド系接着剤を添加した上(接着剤添加工程)、圧力を与えながら加熱することにより木質材料を接着する工程(熱圧工程)を経る。本発明のアルデヒド類捕集剤を用いて木質板を製造する際には、前記接着剤添加工程に先立って、ホルムアルデヒド系接着剤中に含有させて使用することもできるし、接着剤添付前若しくは後或いは同時に、接着される木質材料側に添加させて使用することもできる。
具体的な製造例を挙げると、例えばパーティクルボード(以下PBと略す)を製造する場合、比較的細かく粉砕した木質材料を表裏層用として使用し、比較的粗く粉砕した木質材料を芯層用として使用する。表裏層用木質材料中にホルムアルデヒド系接着剤をスプレー添加した後、上記アルデヒド類捕集剤を添加して分散させる。芯層用も同様に接着剤、アルデヒド類捕集剤を添加する。表裏層に添加するアルデヒド類捕集剤と芯層に添加するアルデヒド捕集剤は同一であっても異なっていてもよいが、表裏層に使用するアルデヒド類捕集剤は木質板の表面美観を損なわないものが望ましい。一方、芯層用に使用するアルデヒド類捕集剤はアルデヒド類の捕集能が高いものが望ましい。アルデヒド類捕集剤の添加順序は、接着剤に直接添加する或いは、接着剤の添加前でも後でも或いは同時でも特に限定されないが、接着剤添加前後に或いは同時に木質材料中にアルデヒド類捕集剤を添加する方が工程上望ましい。
前記加温により塩基性ガスを発生する性質を有する化合物または前記塩基性化合物(以下、まとめて「塩基性の化合物」という。)によって、未反応酸性ガスを捕集させようとする場合、前記アルデヒド類捕集用化合物に、前記塩基性の化合物の1種或いは2種以上を予め混合したアルデヒド類捕集剤を作製し、これを木質材料中に添加しても良く、或いはアルデヒド類捕集用化合物と前記塩基性の化合物とを木質材料中へ個別に添加してもよい。また、前記塩基性の化合物の添加は、ホルムアルデヒド系接着剤の添加或いは塗布の前でも後でもよく、また、同時でもよい。パーティクルボードのように複数の層から形成される木質板を製造する際には、複数の層のうち、任意の一層の木質材料中に添加してもよく、複数の層(一部または全て)の木質材料に添加してもよい。また層間に添加して使用することもできる。更にアルデヒド類捕集用化合物と前記塩基性の化合物とをそれぞれ別の層または層間に添加して使用することもできる。
その後、表層−芯層−裏層に積層して加熱する。加熱の際には一般的に圧力を与えながらの加熱(熱圧)を行う。熱圧により木質材料は接着され、木質板となる。本発明のアルデヒド類捕集剤を用いない通常の木質板は、この熱圧工程段階で遊離ホルムアルデヒドなどのアルデヒド類が大量に発生し、捕集しきれなかったアルデヒド類は、木質板全体に蔓延するので、冷却後もアルデヒド類を少しずつ放出することになる。本発明のアルデヒド類捕集剤を使用した木質板であれば、当該熱圧成型工程において、アルデヒド類捕集能を有する酸性ガスが発生するので、かかる問題が生じない。すなわち、本発明の木質板製造方法に用いられるアルデヒド類捕集剤は、当該熱圧成型工程の温度において、発生するアルデヒド類を捕集するに十分な酸性ガスが発生するものであることが必要である。
熱圧工程の温度や時間は、一般的には作成する木質板の品質と生産性により適宜決定されるものであるが、本発明のアルデヒド類捕集剤を使用する場合、前記効果を発揮させるために、熱圧成型温度を100~300℃とすることが好ましく、140〜250℃とすることがより好ましい。温度が低すぎると酸性ガスの発生量が少なく、ホルムアルデヒド等を十分に捕集できなくなる。逆に温度が高すぎると木質板表面が焦げる等して品質が低下してしまう。また熱圧成型時間は60秒以上とすることが好ましく、90秒以上とすることがより好ましい。成型時間が短かすぎると木質板内部の温度が上昇しにくく、本アルデヒド類捕集剤の効果も低減してしまう。熱圧成型時の木質板内部温度は厚さ方向の中心部分で60℃以上とすることが好ましく、80℃以上がより好ましい。また100℃以上とすることがさらに好ましい。
なお木質繊維板(MDF)を製造する場合も同様にして上記アルデヒド類捕集剤を添加して木質板を製造することができる。
木質板製造におけるアルデヒド類捕集剤の木質材料中への添加量は0.1〜20.0重量%、好ましくは0.5〜10重量%、さらに好ましくは1.0〜7.0重量%である。添加量が0.1重量%より少ないと、目的とする捕集能が得られず、20.0重量%より多いと、木質板の表面美観が低下し、製品としての価値が損なわれ、生産コストのアップにも繋がる為である。
また、アルデヒド類捕集用化合物と塩基性の化合物を別々に木質材料に添加する場合において、木質材料へのこれら化合物の添加量の合計は、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%、さらに好ましくは1〜7重量%である。これら化合物の添加量が少なすぎるとアルデヒド類捕集効果或いは酸性ガス低減効果が得られない。一方、添加量が多すぎても木質板の表面美観が損なわれたり、強度が低下したりすることで、製品価値が損なわれ、生産のコストアップにも繋がる。アルデヒド類捕集用化合物/塩基性の化合物の割合は、重量比で5/95〜95/5が好ましく、10/90〜90/10がより好ましい。アルデヒド類捕集用化合物の割合が小さすぎると木質板より放散するホルムアルデヒドを十分に低減できず、また、塩基性の化合物の割合が小さすぎると酸性ガスを消去できなくなる。
前記アルデヒド類捕集剤に、アルデヒド類捕集用化合物の他に、塩基性の化合物として加温により塩基性ガスを発生する性質を有する化合物を選択してこれを加え、当該加温により塩基性ガスを発生する性質を有する化合物が、前記アルデヒド類捕集用化合物よりも熱分解開始温度が高いものであれば、上記加熱工程において、まず加熱初期段階においては、酸性ガスと木質材料から生じる遊離アルデヒド類との反応が優先するので、効果的なアルデヒド類の捕集が可能である。
そして更に加熱を行うと、過剰の酸性ガスを塩基性ガスが捕集する反応が徐々に優位になる。このように熱圧工程は、酸性ガス−遊離アルデヒド類が反応する初期の熱圧工程と、酸性ガス−塩基性ガスが反応する後期の熱圧工程とに分けることができるので、両反応の競合が抑えられる。すなわち、本発明の木質板の製造方法では、塩基性ガスが酸性ガスのアルデヒド類捕集能をほとんど阻害しない。
なお、本発明の木質板製造方法によれば、アルデヒド類放出が抑制された木質板を得ることができるが、上記工程を経て得られた木質板に対し、更にアルデヒド類捕集能力のある化合物を水溶液として塗布することもできる。例えば、PBの製造において、芯層にのみ常温で固体のアルデヒド類捕集用化合物をアルデヒド類捕集剤として添加し、表裏層には塩基性の化合物のみを添加して製造した木質板などにおいては、前記木質板表裏層におけるアルデヒド類捕集効果が若干不足する場合もあり、このような場合には、前記木質板の一方或いは両方の表面に前記水溶液を塗布することが有効である。塗布可能な化合物としては、重亜硫酸塩類、亜硫酸塩類、尿素類、ヒドラジド類を挙げることができる。なかでも亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素アンモニウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、尿素、エチレン尿素、カルボジヒドラジド及びアジピン酸ジヒドラジドが好ましい。これら化合物は一種または二種以上を水に溶解して使用することができる。
(化粧シート貼付木質板の製造方法)
上記工程を経て得られる木質板は、化粧シート貼付け用の木質板として好適な性質を有する。化粧シート貼付木質板は、内装用途などで多く用いられるものである。化粧シート貼付木質板は、木質板表面に接着剤を塗布するか、化粧シートの表面に接着剤を塗布した後、両者を貼り付けることにより製造される。このとき化粧シートの貼り付けは一般的に加熱圧着により行われるが、この際、木質板は、再度加熱され木質板内部に残留しているホルムアルデヒド或いは接着剤の加水分解等に起因するホルムアルデヒドが発生し、木質板からのホルムアルデヒド放散量が増加することが問題視されていた。
この点、上記工程を経て得られる木質板であれば、木質板製造時に添加した本発明のアルデヒド類捕集剤が木質板内部に残存しており、該アルデヒド類捕集剤が、化粧シート貼付けの際の加熱とともに、再びアルデヒド類捕集能を発揮するため、アルデヒド類放出を低減することができる。
化粧シートの種類としては、例えば紙系化粧シート、プラスチック系化粧シート、木質系化粧シート等がある。また化粧シート貼り付けに使用する接着剤は特に限定はなく、ホルムアルデヒド系接着剤を用いることもでき、ホルムアルデヒドを含有しないアクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂或いはジアリルフタレート樹脂などの樹脂も接着剤として使用されている。化粧シートは、木質板の片面に貼り付けることもできるし、両面に貼り付けることもできる。また接着剤は木質板表面に塗布しても良いし、化粧シートの裏面に塗布しても良く、また接着面の両方に塗布しても良い。
化粧シート貼り付け時の工程温度は60℃以上、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上である。またアルデヒド類捕集効果の面からは、上限温度に特段の制限はないが、化粧シート貼付けの場合、熱による化粧シートの変色等の不具合が発生する場合もあるので、かかる観点からは160℃以下が好ましく、更には140℃以下であることがより好ましい。貼り付け工程の時間は、使用する接着剤が硬化するまでの時間であり、通常10秒〜20分である。この化粧シート貼り付け時に発生するホルムアルデヒド放出量は、前記に記載した木質板成形時に比べると低いので、工程温度が60℃と比較的低温であっても、木質板に残留している本発明のアルデヒド類捕集剤によって、十分なホルムアルデヒド類放出低減効果を発揮できる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。各例中、特に言及しない限り、部および%は質量基準である。
(実施例1)
(木質板の作製)
木片等の木質原料をフレーカーで粉砕し、目開き寸法1.7mmの篩で篩い分けをして、篩下の木質材料を表裏層用木質材料、篩上の木質材料を芯層用木質材料とした。篩い分けした木質材料は90℃の熱風乾燥機中で乾燥し、水分を3%以下とした。次に尿素樹脂(不揮発分65%、尿素:ホルムアルデヒド=1:1.2mol)を接着剤として用い、これに55%ワックスエマルション、硬化剤として塩化アンモニウム、及び水をそれぞれ20部、1部、0.5部、2部の割合で混合した(以下混合物Aと称す)。
表裏層用木質材料100部に対して前記混合物Aを25部スプレー塗工し、均一混合した。その後、アルデヒド類捕集剤として亜硫酸水素ナトリウム粉末を5部添加して混合し、表裏層用材料とした。同様にして芯層用木質材料100部に対し混合物Aを15部、アルデヒド類捕集剤として亜硫酸水素ナトリウム粉末を5部加えて芯層用材料とした。次に、30cm角の型枠に裏層用材料250部、芯層用材料650部、表層用材料250部を順次敷き詰め、200℃の熱板に挟み40kgf/cm2の圧力で90秒間熱圧し、厚み15.2mm、密度0.77g/cm2の木質板を得た。
(評価)
前記で得られた木質板のホルムアルデヒド放散量は、パーティクルボード(JIS A 5908:2003)及び建築用ボード類のホルムアルデヒド放散量の試験方法(JIS A 1460:2001)に準じてデシケーター法により捕集し測定した。木質板からの亜硫酸ガス放散量は以下のようにして捕集し、測定した。亜硫酸ガスの捕集は、捕集水を100ppmNaOH水とした以外はホルムアルデヒド放散量試験と同様にした。亜硫酸ガスは捕集水中で亜硫酸Na及び硫酸Naとなる。濃度の測定は、ダイオネクス(株)製陰イオンクロマトグラフを使用し、亜硫酸イオン及び硫酸イオンとして測定し、個々の濃度から亜硫酸ガスのとしての溶解量を算出した。木質板の外観は、熱圧後に得た木質板の表面を目視で観察し、白斑の大きさ、多さから良否を決定した。臭気は、熱圧時に発生するアルデヒド類捕集剤に起因する臭気の強さを嗅覚にて判定し良否を決定した。これらの評価結果を表4に示す。なお表4中、外観欄及び臭気欄の記号の意味は次のとおりである。
外観: ◎良好(白斑なし) ○微細白斑僅かにあり △微細白斑多量あり
×大きめの白斑あり ××大きめの白斑多量にあり
臭気: ◎良好(臭気なし) ○僅かに臭気あり △臭気あり
×比較的強い臭気あり ××臭気強い
(実施例2〜13、比較例1〜8)
実施例1とはアルデヒド類捕集用化合物の種類を変えてアルデヒド類捕集剤として、実施例1同様の方法にて木質板を作製し、実施例1と同様の評価を行った。なお、いずれのアルデヒド類捕集用化合物も粉末状である。またアルデヒド類捕集剤の添加量を変えて同様の評価を行った。その結果を表4(実施例2〜13)お及び表5(比較例1〜8)に示す。
Figure 0003942106
Figure 0003942106
次に、参考例として、液状アルデヒド類捕集剤について同様の実験を行った。実施例1記載の亜硫酸水素ナトリウム粉末を表6記載の濃度の亜硫酸水素ナトリウム水溶液に変更した以外は、実施例1と同様の手法にて、木質板の作成を試みた(比較例9,比較例10)。しかし、比較例9及び比較例10の条件においては、木質材料が接着せず、木質板が作製できなかった。
Figure 0003942106
(実施例14〜23)
次に、加温により亜硫酸ガスを発生する化合物と、加温により塩基性ガスを発生する化合物を両方とも含有させたアルデヒド類捕集剤の結果を表7(実施例14〜23)に示す。尚、使用するアルデヒド類捕集剤はあらかじめ均一混合した後、実施例1と同様の方法で木質板を作製した。
Figure 0003942106
(実施例24〜29、比較例11〜14)
次に、加温により酸性ガス(亜硫酸ガス)を発生する化合物として亜硫酸水素塩と、公知のアルデヒド類捕集能力のある化合物として亜硫酸ナトリウム,亜硫酸カリウムまたはヒドラジド化合物を加えたアルデヒド類捕集剤の結果を表8(実施例24〜29)に示し、加温により酸性ガスを発生する化合物を用いずに、公知のアルデヒド類捕集能力のある化合物のなかで2種以上混合して使用した比較例を表9(比較例9〜12)に示す。尚、使用するアルデヒド類捕集剤は、上記化合物を予め均一混合した後、実施例1と同様の方法で木質板を作製した。
Figure 0003942106
Figure 0003942106
(実施例30)
次に、アルデヒド類捕集用化合物を加温により硫化水素ガスを発生する硫化水素ナトリウムに変えて、アルデヒド類捕集剤とした以外は実施例1同様の方法にて木質板を作製し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表10に示す。
Figure 0003942106
次に、実施例14において、加温より塩基性ガスを発生する化合物である亜硫酸アンモニウムに変えて、固体の塩基性化合物(水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム)を用い、亜硫酸水素ナトリウムとの配合割合を70/30に変えた以外は、実施例14と同様の方法にて、木質板を作製し、実施例14と同様の評価を行った。その結果を表11に示す。
Figure 0003942106
(実施例34〜37、比較例15〜16)
本発明である粉末のアルデヒド類捕集剤を木質材料の芯層にのみ添加して、実施例1同様の熱圧工程により成形を行い、その後、成形された木質板表面にアルデヒド捕集能力のある化合物を水溶液として両面に塗布、常温乾燥させて作製した木質板について、評価を行った。その結果を表12に示す。また比較として、芯層に粉末のアルデヒド類捕集剤として、加温により亜硫酸ガスを発生しない化合物である亜硫酸ナトリウムを用いて上記同様に作製した木質板についても評価を行った。その結果を表13に示す。
Figure 0003942106
Figure 0003942106
(実施例38)
実施例1で作成した木質板の片面に、市販の木工用ボンド(コニシ(株)製、非ホルムアルデヒド系)接着剤を200g/m2で塗布した後、プラスチック系化粧シートを貼り付けて60℃で5分間圧着した。この化粧シート貼付木質板についてホルムアルデヒド放散量を測定した。
(実施例39〜43、比較例17〜18)
使用する木質板及び貼付け工程の温度を変更した以外は実施例38と同様の方法で化粧シート貼付木質板を作製し、実施例38と同様の評価を行った。それらの結果を表14(実施例39〜43)及び表15(比較例17〜18)に示す。
Figure 0003942106
Figure 0003942106
上記の表4〜15の結果より、加温により酸性ガス(亜硫酸ガス、硫化水素ガス)を発生する性質を有するアルデヒド類捕集用化合物を使用したアルデヒド類捕集剤は、パーティクルボードより発生するホルムアルデヒドの捕集能を既知の捕集剤と比較して大幅に向上することができることがわかる。さらに、塩基性の化合物を含有させた場合には、残留する酸性ガスを低減することができ、且つ、熱圧成形時の臭気も低減することができることがわかる。また塩基性の化合物が加温により塩基性ガスを発生させる化合物の場合は、重亜硫酸塩類の欠点である木質材外観を向上することも可能となることが分かる。更に亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、ヒドラヒド類の化合物と組み合わせることにより、さらに木質板外観、製造時の臭気が改善されることがわかる。また、本発明のアルデヒド類捕集剤は、表裏層と芯層の捕集剤組成を変更し、組み合わせて使用することもできることもわかる。また、本発明の製造方法で得られた木質板は、更に化粧シートを貼り合わせる際の工程で放出されるアルデヒド類についても高い捕集性能を発揮することが分かる。
本発明のアルデヒド類捕集剤は、木質材料をホルムアルデヒド系接着剤で接着する際に木質材料や接着剤に添加する添加剤として産業上の利用性がある。また本発明の木質板の製造方法は、ホルムアルデヒド放散の少ないパーティクルボード、合板、木質繊維板の製造方法として産業上の利用性がある。

Claims (26)

  1. 木質材料中或いは接着剤中に添加、分散して使用するアルデヒド類捕集剤であって、
    前記アルデヒド類捕集剤は、常温で粉末であり、
    前記アルデヒド類捕集剤は、常温で固体のアルデヒド類捕集用化合物を少なくとも一種類以上含有し、
    前記アルデヒド類捕集用化合物は、加温により亜硫酸ガスを発生する性質を有するものであることを特徴とするアルデヒド類捕集剤。
  2. 前記アルデヒド類捕集用化合物から発生する亜硫酸ガス濃度が、140℃加熱時に500ppm以上であることを特徴とする請求項1記載のアルデヒド類捕集剤。
  3. 前記アルデヒド類捕集用化合物の分解開始温度が、250℃以下であることを特徴とする請求項1記載のアルデヒド類捕集剤。
  4. 前記アルデヒド類捕集用化合物が、重亜硫酸塩類化合物である請求項1記載のアルデヒド類捕集剤。
  5. 前記アルデヒド類捕集用化合物が、亜硫酸水素ナトリウム,亜硫酸水素カリウム,ピロ亜硫酸ナトリウム,ピロ亜硫酸カリウム,亜硫酸マグネシウム,亜硫酸亜鉛または亜硫酸アルミニウムのいずれかである請求項1に記載のアルデヒド類捕集剤。
  6. 前記アルデヒド類捕集用化合物に加えて、少なくとも1種類以上の加温により塩基性ガスを発生する性質を有する化合物を含有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載されたアルデヒド類捕集剤。
  7. 前記塩基性ガスを発生する性質を有する化合物のうち、発生する塩基性ガスがアンモニアガスであることを特徴とする請求項6記載のアルデヒド類捕集剤。
  8. 前記加温によりアンモニアガスを発生する性質を有する化合物から発生するアンモニアガス濃度が、140℃加熱時に500ppm以上であることを特徴とする請求項7記載のアルデヒド類捕集剤。
  9. 前記加温により塩基性ガスを発生する性質を有する化合物の分解開始温度が、250℃以下であることを特徴とする請求項6記載のアルデヒド類捕集剤。
  10. 前記加温によりアンモニアガスを発生する性質を有する化合物が、尿素,エチレン尿素,亜硫酸アンモニウムまたはカルボジヒドラジドのいずれかであることを特徴とする請求項7に記載されたアルデヒド類捕集剤。
  11. 前記加温により塩基性ガスを発生する性質を有する化合物の熱分解開始温度が、前記亜硫酸ガスを発生する性質を有するアルデヒド類捕集用化合物の熱分解開始温度よりも10℃以上高いことを特徴とする請求項6〜10のいずれかの項に記載されたアルデヒド類捕集剤。
  12. 前記アルデヒド類捕集用化合物に加えて、少なくとも1種類以上の塩基性化合物を含有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載されたアルデヒド類捕集剤。
  13. 前記塩基性化合物が、カルシウム、アルミニウム、亜鉛或いはマグネシウムの酸化物または水酸化物、アルミン酸ナトリウム、アルキルアミン類及びポリアミンの群から選択される化合物である請求項12に記載のアルデヒド類捕集剤。
  14. 前記アルデヒド類捕集用化合物に加えて、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム及びヒドラジド類の群より選ばれる少なくとも1種以上の化合物を含有する請求項1〜13のいずれかの項に記載されたアルデヒド類捕集剤。
  15. 木質材料に、請求項1〜14のいずれかの項に記載されたアルデヒド類捕集剤が添加されてなる木質板。
  16. 常温で固体であり、かつ加温により亜硫酸ガスを発生する性質を有するアルデヒド類捕集用化合物を含有するアルデヒド類捕集剤粉末をホルムアルデヒド系接着剤中に含有させる工程と
    前記工程で得られたアルデヒド類捕集剤含有ホルムアルデヒド系接着剤を木質板に添加する工程と
    前記工程で得られた接着剤が添加された木質材料を熱圧することにより、前記木質材料が接着され木質板となるとともに、前記アルデヒド類捕集用化合物から発生する亜硫酸ガスにて前記ホルムアルデヒド系接着剤から発生するアルデヒド類を捕集する工程とを少なくとも有する木質板の製造方法。
  17. ホルムアルデヒド系接着剤を木質材料に添加する工程と
    常温で固体であり、かつ加温により亜硫酸ガスを発生する性質を有するアルデヒド類捕集用化合物を含有するアルデヒド類捕集剤粉末を木質材料中に分散させ、含有させる工程と
    前記2つの工程を経て(ただし工程の順序は問わない)得られた接着剤が添加された木質材料を熱圧することにより、前記木質材料が接着され木質板となるとともに、前記アルデヒド類捕集用化合物から発生する亜硫酸ガスにて前記ホルムアルデヒド系接着剤から発生するアルデヒド類を捕集する工程とを少なくとも有する木質板の製造方法。
  18. ホルムアルデヒド系接着剤を木質材料に添加する工程と
    常温で固体であり、かつ加温により亜硫酸ガスを発生する性質を有するアルデヒド類捕集用化合物を含有するアルデヒド類捕集剤粉末を木質材料中に分散させ、含有させる工程と
    塩基性ガスを発生する性質を有する化合物を木質材料中に分散させ、含有させる工程と
    前記3つの工程を経て(ただし工程の順序は問わない)得られた接着剤が添加された木質材料を熱圧することにより、前記木質材料が接着され木質板となるとともに、前記アルデヒド類捕集用化合物から発生する亜硫酸ガスにて前記ホルムアルデヒド系接着剤から発生するアルデヒド類を捕集する工程と
    前記工程後、余分な前記亜硫酸ガスを前記塩基性ガスにて消去する工程を少なくとも有する木質板の製造方法。
  19. ホルムアルデヒド系接着剤を木質材料に添加する工程と
    常温で固体であり、かつ加温により亜硫酸ガスを発生する性質を有するアルデヒド類捕集用化合物を含有するアルデヒド類捕集剤粉末を木質材料中に分散させ、含有させる工程と
    塩基性化合物を木質材料中に分散させ、含有させる工程と
    前記3つの工程を経て(ただし工程の順序は問わない)得られた接着剤が添加された木質材料を熱圧することにより、前記木質材料が接着され木質板となるとともに、前記アルデヒド類捕集用化合物から発生する亜硫酸ガスにて前記ホルムアルデヒド系接着剤から発生するアルデヒド類を捕集する工程と
    前記工程後、余分な前記亜硫酸ガスを前記塩基性化合物にて消去する工程を少なくとも有する木質板の製造方法。
  20. ホルムアルデヒド系接着剤を使用する木質材料に、請求項1〜14のいずれかの項に記載されたアルデヒド類捕集剤を熱圧成形前に添加する工程と
    その後、100℃〜300℃の範囲の温度で少なくとも60秒間加熱する工程を少なくとも有する木質板の製造方法。
  21. 請求項16〜20のいずれかの項に記載された木質板の製造方法にて得られる木質板。
  22. 請求項15または21記載の木質板の少なくとも片方の表面に、亜硫酸塩、重亜硫酸塩類、尿素類、ヒドラジド類の群から選ばれる1種又は2種以上の化合物含む溶液を塗布した木質板。
  23. ホルムアルデヒド系接着剤と請求項1〜14のいずれかの項に記載されたアルデヒド類捕集剤とが添加された木質材料を加温することにより、前記木質材料から発生するアルデヒド類を、前記アルデヒド類捕集剤から発生する亜硫酸ガスとの反応で除去するアルデヒド類の除去方法。
  24. ホルムアルデヒド系接着剤と請求項6〜14のいずれかの項に記載されたアルデヒド類捕集剤とが添加された木質材料を加温することにより、前記木質材料から発生するアルデヒド類を、前記アルデヒド類捕集剤から発生する亜硫酸ガスとの反応で除去し、その後、余分に発生した亜硫酸ガスを前記アルデヒド類捕集剤から発生する塩基性ガスまたは前記アルデヒド類捕集剤に含まれる塩基性化合物との反応で除去するアルデヒド類及び亜硫酸ガスの除去方法。
  25. 請求項15、21、22のいずれかの項に記載された木質板の少なくとも一方の表面及び/または化粧シートの片面に、接着剤を塗布し、60℃〜160℃の温度で化粧シートを貼付ける化粧シート貼付木質板の製造方法。
  26. 請求項25記載の化粧シート貼付木質板の製造方法にて得られる化粧シート貼付木質板。
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