JP4980270B2 - エンジンの始動制御装置 - Google Patents

エンジンの始動制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4980270B2
JP4980270B2 JP2008060181A JP2008060181A JP4980270B2 JP 4980270 B2 JP4980270 B2 JP 4980270B2 JP 2008060181 A JP2008060181 A JP 2008060181A JP 2008060181 A JP2008060181 A JP 2008060181A JP 4980270 B2 JP4980270 B2 JP 4980270B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
engine
rotation speed
starter
speed
completion determination
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008060181A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009215961A (ja
Inventor
秀司 三山
敏明 廣瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Jukogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Jukogyo KK filed Critical Fuji Jukogyo KK
Priority to JP2008060181A priority Critical patent/JP4980270B2/ja
Publication of JP2009215961A publication Critical patent/JP2009215961A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4980270B2 publication Critical patent/JP4980270B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

本発明は、スタータを駆動してエンジンのクランキングを開始させ、始動完了を判定したときスタータを停止させてクランキングを終了させるエンジンの始動制御装置に関する。
自動車に搭載されるエンジンは、燃費改善等の観点から始動完了までの時間ができるだけ短いことが求められる。特に、所定の条件でアイドル停止・自動再始動を行うアイドルストップ車においては、ドライバの発進操作(例えば、ブレーキからアクセルに足を踏み替える)の間にエンジンを始動できなければ、フィーリングを損なうばかりではなく渋滞の原因ともなるため、この点からも始動時間の短縮が求められている。
このようなエンジンの始動時間短縮の一つの方法として、クランキング回転数を上げることが挙げられる。クランキング回転数を上げるためには、スタータの高出力化や電源性能の向上が必要であり、電源性能の向上としては、例えば、大容量のバッテリを組み合わせてスタータに大電流を流すことを可能としたり、バッテリと並列にコンデンサを設けて電源特性を改善する等の手法が取られる。
このような手法でクランキング回転数を上げた場合、スタータの耐久性を確保するためにも、スタータへの通電を可能な限り短くするように制御し、確実に始動可能な最短のON時間となるよう制御する必要がある。この場合、スタータの制御としては、エンジン回転数に基づいて始動完了を判定し、スタータをOFFにすることが一般的であり、始動完了を判定する判定回転数は、スタータの駆動トルクのみで到達可能な回転数より高く、且つアイドリング回転数より低い回転数に設定される。
しかしながら、高出力のスタータと高性能な電源を組み合わせることにより、スタータの駆動トルクのみで到達可能な回転数が高まる一方、アイドリング回転数は燃費低減のために可能な限り低く設定されることが多い。このため、従来の始動制御では、スタータ駆動トルクのみで到達可能な回転数に対して十分な余裕をもった高い回転数で始動完了を判定することが困難となる場合がある。
このような状況の中、車両の点検・整備を行う場合においても、種々の不都合が発生するようになっている。例えば、エンジンのコンプレッション測定を行う場合には、全ての点火プラグを抜き、スロットルを全開状態にした上でクランキングを行い、各気筒のコンプレッションを測定するが、スタータの作動によるクランキング回転数が短時間で通常よりも高い回転数に達するため、上述したようにスタータ駆動トルクのみで到達可能な回転数に対して十分な余裕が取れない判定回転数の場合、測定が完了する前に始動完了と判定して自動的にスタータが止まってしまうという問題が発生する。
このようなエンジン始動時に関連する技術としては、例えば、特許文献1や特許文献2に開示の技術がある。特許文献1の技術では、エコラン制御(アイドルストップ制御)を実施する車両に対して、エンジンフードが開いた状態ではエコラン制御を禁止することで、エンジンの運転開始の際に自車両以外から電力の供給を受けて始動されるジャンパースタート判定を正確且つ確実に行い、バッテリの保護と、エコラン制御のメリットを活かすようにしている。
また、特許文献2の技術では、アイドル時に一部の気筒の運転を休止するエンジンにおいて、エンジンフードが開放されたとき、整備許可状態に切り換えて、一部気筒運転休止を解除することで、エンジンシ失火気筒の有無のチェックや、空燃比調整等の整備を支障ない行えるようにしている。
特開2001−107768号公報 特開2003−176747号公報
一般に、車両の点検・整備時にエンジンのコンプレッションを測定する際、スロットル全開状態とするのは、ポンピングロスを低減してエンジン回転数を高めると共に、スロットル全開での始動時の燃料カットにより、混合気がプラグホールから噴出することを防止するためであり、スロットル全開始動時の燃料カットは、従来から一般的に採用されている技術である。
また、この始動時のスロットル全開は、ユーザの使用過程の中でも、例えばプラグがかぶり気味となったときに掃気を行うために実施される場合がある。これは、スロットル全開始動時の燃料カットにより、従来の気化器を使用する場合と同一の手順で掃気を行わせようという狙いであるが、この掃気操作においても、始動完了の判定回転数の設定如何によっては、コンプレッション測定時と同様、クランキング回転数が始動完了判定回転数を上回って自動的にスタータが停止してしまい、十分な掃気が行えずに却って始動性が悪化する虞がある。
このような問題に対し、特許文献1に開示の技術では、エンジンフードが開いた状態で一律にアイドルストップ制御を禁止しているため、整備の際に不都合が生じる虞がある。また、特許文献2に開示の技術では、エンジンフードが開放されたときに整備モードにすることを開示するのみであり、具体的にアイドルストップ車等に適用することは困難である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、車両の点検・整備時におけるエンジン始動やエンジンを掃気しながら始動させる際に、十分なクランキング時間を確保し、作業性の低下や掃気時間の不足による始動不良を防止することのできるエンジンの始動制御装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明によるエンジンの始動制御装置は、エンジンの始動条件が成立したとき、スタータを駆動してクランキングを開始させ、エンジンの始動完了を判定したとき、上記スタータを停止させてクランキングを終了させるエンジンの始動制御装置において、上記エンジンの始動完了を判定する判定回転数として、上記スタータの駆動力のみで到達可能な回転数より高くアイドル回転数より低い第1始動完了判定回転数を設定する第1始動完了判定回転数設定部と、上記エンジンの始動完了を判定する判定回転数として、上記第1始動完了判定回転数より高い第2始動完了判定回転数を設定する第2始動完了判定回転数設定部と、スロットル全開条件が成立しないとき、上記第1始動完了判定回転数とエンジン回転数とを比較して始動完了を判定し、スロットル全開条件が成立し、且つエンジンフードが開の条件が成立しないときには、上記第2始動完了判定回転数とエンジン回転数とを比較して始動完了を判定し、スロットル全開条件が成立し、且つエンジンフードが開の条件が成立するときには、ドライバによる始動スイッチの操作に基づいて始動完了を判定する始動完了判定部とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、車両の点検・整備時におけるエンジン始動やエンジンを掃気しながら始動させる際に、十分なクランキング時間を確保することができ、作業性の低下や掃気時間の不足による始動不良を防止することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1〜図3は本発明の実施の一形態に係り、図1はエンジン始動系の構成図、図2始動制御の機能ブロック図、図3は始動制御ルーチンのフローチャートである。
図1において、符号1はエンジンであり、このエンジン1に、エンジン1をクランキングして始動させるスタータ2が連設されている。スタータ2は、図1においては、DCモータを使用したギヤ式スタータを例示しており、ギヤの噛合/解除によりモータをエンジン1の出力軸と結合/離脱させるためのマグネットスイッチ回路を備え、その回路端子がスタータリレー3を介してバッテリ4に接続されている。バッテリ4は、例えば鉛バッテリであり、この鉛バッテリの特性改善のため、並列にコンデンサ5が接続されている。
尚、スタータ2としては、ギヤ式スタータに限定されることなく、エンジン1の出力軸に直結されて始動時のスタータ機能と始動後の発電機能とを併せ持つモータジェネレータでも良い。
スタータリレー3は、エンジン1を電子的に制御するエンジン制御装置(ECU)50によってON/OFF制御される。ECU50は、マイクロコンピュータを中心として入出力回路等の周辺回路を備えて構成され、入力側にエンジンの運転状態を検出する各種センサ・スイッチ類が接続され、出力側にエンジン制御のための各種アクチュエータ類が接続されている。更に、ECU50は、図示しないCAN(Controller Area Network)等によって構成される車内ネットワーク(図示せず)に接続され、自動変速機、ブレーキ、サスペンション等を制御する他の制御装置と通信により各種制御データの交換を行う。
ECU50の入力側に接続されるセンサ・スイッチ類としては、クランク角を検出するクランク角センサ6、スロットル開度を検出するスロットルセンサ7、ドライバの手動操作により、スタート信号を出力する始動スイッチ8、エンジンフードが閉じているときにOFFし、エンジンフードが開くとONするフードスイッチ9等がある。また、ECU50の出力側に接続されるアクチュエータ類としては、上述のスタータリレー3、及び、図示しないインジェクタや各種制御バルブ等がある。
ECU50は、クランク角センサ6から出力されるパルス信号のパルス間隔からエンジン1のクランク角を検出してエンジン回転数を算出し、クランク角やエンジン回転数を基本パラメータとして、エンジン1の始動制御、燃料噴射制御、点火時期制御等の各種制御を行う。
ECU50によるエンジン1の始動制御は、通常、手動による始動スイッチ8のスタータON操作、或いはアイドルストップ制御時の始動条件成立を判定したとき、スタータリレー3をONしてスタータ2を駆動し、エンジンをクランキングさせてクランキング回転数が始動完了を判定する判定回転数(第1始動完了判定回転数)以上に達したとき、スタータ2の駆動を自動的に停止させるものである。
第1始動完了判定回転数は、通常のエンジン始動におけるクランキングで始動完了を判定するための判定回転数であり、スタータ2の駆動力のみで到達可能なエンジン回転数より高く、アイドル回転数より低い回転数として設定される。しかしながら、高出力のスタータと高性能の電源とを有するシステムでは、スタータの駆動力のみで到達可能なエンジン回転数が高まる一方、燃費低減のためのアイドル回転数は可能な限り低く設定されることから、第1始動完了判定回転数による始動完了判定を行うと、以下に述べるような不都合が生じる虞がある。
このため、ECU50は、特定の条件下においては、通常の第1始動完了判定回転数によるスタータ2の自動停止を中止し、第1始動完了判定回転数より高い判定回転数(第2始動完了判定回転数)とクランキング時のエンジン回転数との比較によるスタータ2の自動停止と、始動スイッチ8のOFF操作に応じたスタータ2の駆動停止とを選択的に実行するようにしている。
すなわち、車両の点検・整備時に、作業者がエンジンフードを開き、コンプレッション測定のためにスロットル(アクセル)を全開として始動スイッチ8を操作してエンジンをクランキングさせると、第1始動完了判定回転数による始動完了判定が実行されてコンプレッション測定が完了する前にクランキングが自動的に停止する場合があり、点検・整備に不都合が生じる。
ここで、コンプレッション測定時にスロットル全開状態にするのは、ポンピングロスを低減してエンジン回転数を高めると共に、スロットル全開での始動時に燃料カットを実施させて混合気がプラグホールから噴出することを防止するためであり、このような状態で始動スイッチ8を手動操作してエンジンをクランキングさせても、クランキング回転数が簡単に通常の第1始動完了判定回転数を上回ってしまい、始動完了と判定されて自動でクランキングが停止し、コンプレッション測定に支障を来す。
従って、エンジンフードが開いており、且つスロットルが全開となっている条件下での始動の場合は、始動スイッチ8の手動操作に応じたスタータリレー3のON,OFF制御により、エンジンのクランキングを開始/終了させることが望ましい。
一方、コンプレッション測定以外の作業時には、エンジンフードを閉じた状態でスロットルを全開として始動を行う場合がある。このような場合には、始動スイッチ8の手動操作に応じてスタータリレー3をONさせてエンジンをクランキングさせ、エンジン回転数が通常の第1始動完了判定回転数より高い第2始動完了判定回転数を上回ったとき、スタータリレー3をOFFさせてクランキングを終了させることが望ましい。
このエンジンフードが閉でスロットルが全開である条件での始動は、車両の点検・整備時のコンプレッション測定以外の始動のみならず、ユーザの使用過程においても生じる場合がある。例えば、プラグがかぶり気味となったとき等には、ユーザはスロットルを全開として燃焼室内を掃気しながらエンジンを始動させようとする場合がある。
このようなスロットル全開の掃気操作においては、第1始動完了判定回転数の設定によっては、コンプレッション測定時と同様、クランキング回転数が第1始動完了判定回転数を上回り、自動的にスタータが停止して十分な掃気が行えない虞がある。
しかも、スロットル全開の始動時は、燃料カットによって通常ではエンジンは始動しないが、エンジンの状態によってはポート部壁面に付着した燃料によってエンジンが始動する可能性があり、このような場合には、スロットルが開いているためにエンジン回転数が高回転まで上昇してしまう。通常、スタータには、エンジン側から回されたときにスタータを保護する目的でワンウェイクラッチが内蔵されているが、このワンウェイクラッチは、通常の始動でのOFF遅れ程度を想定した設計となっており、スロットル全開状態での始動のように急激に高回転まで回転が上昇する状態では、ワンウェイクラッチを傷める可能性がある。
従って、ECU50は、例えば、エンジンフードが閉まっており、且つスロットルが全開である条件下での始動においては、始動完了の判定回転数を、通常の第1始動完了判定回転数よりも高い回転数の第2始動完了判定回転数に切り換える。これにより、点検・整備時にアクセルを踏まないことによって通常の始動制御を行わせ、始動系統の点検が行い易くすることができ、また、ユーザの掃気操作による始動においても、十分な掃気を確保することができ、ポート壁面への付着燃料等によってエンジンが始動してしまった場合にも、自動的にスタータを停止させてスタータへのダメージを回避することができる。
以上のECU50の始動制御に係る機能は、図2のブロック図に示される。ECU50は、始動制御の代表的な機能として、エンジン始動を判定する始動判定部51、第1始動完了判定回転数を設定する第1始動完了判定回転数設定部52、第2始動完了判定回転数を設定する第2始動完了判定回転数設定部53と、スロットルセンサ7及びフードスイッチ9からの信号に基づいてクランキングの終了条件を決定するクランキング終了条件決定部54、始動判定部51で始動と判定されたとき、スタータリレー3をONしてクランキングを開始させ、クランキング終了条件決定部54で決定された条件に従って始動完了を判定する始動完了判定部55を有している。
始動判定部51は、始動スイッチ8の始動操作によるスタート信号がOFFからONになったとき、或いは、アイドルストップ車においてCANを介して入力された情報に基づく再始動条件が成立したとき、エンジン始動と判定し、スタータリレー3をONしてスタータ2を駆動し、エンジンのクランキングを開始する。
第1始動完了判定回転数設定部52は、スタータ2の駆動力のみで到達可能なエンジン回転数より高く、アイドル回転数より低い回転数を、第1始動完了判定回転数として設定する。この第1始動完了判定回転数は、エンジンのフリクションを考慮し、例えばエンジン水温に基づいて設定される。
第2始動完了判定回転数設定部53は、第2始動完了判定回転数を、第1始動完了判定回転数より高い回転数として設定する。この第2始動完了判定回転数は、スロットル(アクセル)全開始動時の燃料カットを前提として、クランキングによる十分な掃気時間の確保と、ポート部壁面の付着燃料等による万一のエンジン始動に対して、スタータ2を保護することのできる回転数として、例えば、エンジン水温に基づいて設定される。
クランキング終了条件決定部54は、スロットルセンサ7からの信号に基づいてスロットル全開を判定する(例えば、スロットルセンサ7からの信号電圧が予め設定された電圧より高いとき、スロットル全開と判定する)と共に、フードスイッチ9がONのとき、エンジンフードが開かれていると判断し、スロットル全開条件及びエンジンフード開条件の組合せに応じて、クランキング終了条件を決定する。
例えば、エンジンのクランキング開始時に、スロットルが全開条件が成立しないときには、エンジン回転数(クランキング回転数)と第1始動完了判定回転数との比較による始動完了判定を指示し、スロットルが全開条件のみが成立するときには、エンジン回転数(クランキング回転数)と第2始動完了判定回転数との比較による始動完了判定を指示する。また、スロットルが全開条件が成立し、且つエンジンフードが開の条件が成立するときには、第1,第2始動完了判定回転数の何れも用いることなく、始動スイッチ8からのスタート信号に基づく始動完了判定を指示する。
始動完了判定部55は、クランキング終了条件決定部54で決定されたクランキング終了条件に従って、エンジン回転数(クランキング回転数)が第1始動完了判定回転数或いは第2始動完了判定回転数以上に上昇したとき始動完了と判定し、或いは、始動スイッチ8からのスタート信号がONからOFFになったとき始動完了と判定する。そして、始動完了と判定したとき、スタータリレー3をOFFしてスタータ2の駆動を停止し、クランキングを終了させる。
以上のECU50によるエンジンの始動制御は、具体的には、ECUにおいて実行されるプログラム処理によって実現される。図3のフローチャートは、ECU50において実行される始動制御ルーチンの一例であり、以下、図3のフローチャートを用いてエンジンの始動制御について説明する。
この始動制御ルーチンは、一定周期(例えば、10msec)毎に実行されるルーチンであり、先ず、最初のステップS101において、始動判定が成立しているか否かを判定する。この始動判定は、後述するように、クランキングが終了した時点でクリアされ、始動スイッチ8からのスタート信号がOFFからONになった条件を基本として、マニュアル変速機搭載のアイドルストップ車であれば、アイドルストップ状態からの再始動、すなわち、CANを介して入力された情報に基づく所定の条件、例えば、変速ギヤがニュートラル位置にあり、アイドル停止状態からクラッチペダルが踏み込まれた条件がOR条件的に付加される。
ステップS101にて、始動判定が成立していないと判定された場合には、何も行わずルーチンを抜ける。始動判定が成立しているときは、ステップS102へ進み、スタータリレー3が既にONされているか否かを調べる。その結果、スタータリレー3がONされていなければ、ステップS103へ進んでスタータリレー3をONし、ステップS104で、クランキング開始後の経過時間(クランキング時間)を計時するクランキング時間タイマをクリアし、タイマを初期化しておく。
一方、ステップS102でスタータリレー3が既にONされている場合には、ステップS105,S106で、それぞれ、第1始動完了判定回転数、第2始動完了判定回転数を設定する。これらの第1,第2始動完了判定回転数は、それぞれ、水温を軸として予め実験或いはシミュレーションによって作成されたマップを補間計算付きで参照して算出される。
前述したように、第1始動完了判定回転数は、ユーザの使用下での通常の運転状態で始動完了を判定してスタータ2を自動的に停止させるための判定回転数であり、第2始動完了判定回転数は、ユーザの使用下において、プラグがかぶり気味となったとき等にスロットルを全開させて燃焼室内を掃気しながらエンジン始動を行う場合や、車両の点検・整備のためにエンジンフードを開いた状態で、コンプレッション測定以外の目的でエンジンを始動させる場合に、始動完了を判定してスタータ2を自動的に停止させるための判定回転数である。第2始動完了判定回転数は、第1始動完了判定回転数よりも高い回転数のデータとしてマップに格納されている。
ステップS105,S106で第1,第2始動完了判定回転数が設定された後は、ステップS107へ進み、クランキングタイマで計時したクランキング時間が設定時間を上回っていないかを判定する。クランキング時間が設定時間を上回った場合には、ステップS107からステップS112へジャンプしてスタータリレー3をOFFし、ステップS113で始動判定をクリアして処理を終了する。これは、エンジンの何らかの異常によって始動が不可能なとき、設定された時間でクランキングを打ち切ることでスタータの焼損を防止し、スタータを保護するための処理である。
ステップS107でクランキング時間が設定時間内であれば、ステップS107からステップS108へ進んでクランキング時間タイマをインクリメントし、次に、ステップS109で、スロットルセンサ7の信号からスロットルが全開であるか否かを判定する。スロットルが全開でなければ、ステップS109からステップS114へ進み、その時点でのエンジン回転数と第1始動完了判定回転数とを比較する。
エンジン回転数が第1始動完了判定回転数より低い場合は、ステップS114からルーチンを抜けてスタータリレー3がON状態に維持され、エンジン回転数が第1始動完了判定回転数より高い場合には、ステップS114からステップS112へ進んでスタータリレー3をOFFしてクランキングを終了し、ステップS113で始動判定をクリアすることで、本ルーチンの実質的な処理が終了し、始動完了となる。
一方、ステップS109でスロットルが全開と判定された場合には、ステップS109からステップS110へ進み、フードスイッチ9のON,OFF状態を調べてエンジンフードが開いているか否かを判定する。通常状態のようにエンジンフードが閉じている場合には、ステップS110からステップS115へ進んでエンジン回転数と第2始動完了判定回転数とを比較する。そして、エンジン回転数が第2始動完了判定回転数未満の場合には、スタータリレー3のONを継続したままルーチンを抜け、エンジン回転数が第2始動完了判定回転数以上になると、ステップS112,S113のスタータリレー3のOFF処理、始動判定クリアを経て始動完了となる。
一方、ステップS110でフードが開いていると判定された場合は、ステップS110からステップS111へ進み、始動スイッチ8の操作によりスタート信号がONとなっているか否かをチェックする。スタート信号がONであれば、そのままスタータリレー3のONを継続してルーチンを抜け、スタート信号がOFFであれば、ステップS112でスタータリレー3をOFFし、ステップS113での始動判定のクリア処理を経て本処理を終了する。
以上の処理により、スロットルが全開以外、すなわち通常の始動の場合は、始動完了の判定が第1始動完了判定回転数に基づいて行われ、また、エンジンフードは閉まっているがスロットルが全開の場合には、第1始動完了判定回転数より高い値に設定された第2始動完了判定回転数に基づいて始動の完了が判断される。更に、スロットルが全開でエンジンフードも開いている場合は、作業者の始動操作により、スタート信号がONされている間は、クランキングを続ける動作を行うことになる。
尚、以上の始動制御ルーチンは一例であり、掃気始動や点検・整備時の要求レベルにより、エンジンフードの開閉情報及びスロットル(アクセル)の全開情報から始動完了の判定方法を適宜組み合わせることが可能である。
例えば、第2始動完了判定回転数を、点検・整備時のコンプレッション測定に支障がない程度の高い回転数の値として設定し、エンジンフードが開いているときには、スロットルが全開か否かに拘わらず、第2始動完了判定回転数による始動完了判定でクランキングを終了させるようにしても良い。
また、スロットル全開の掃気操作によるクランキングの回転数が第1始動完了判定回転数に対して十分に低い場合には、エンジンフードが閉じている場合であっても、上述したような第2始動完了判定回転数による自動的なクランキング終了ではなく、始動スイッチ8のOFF操作に連動してスタータリレー3をOFFさせ、クランキングを終了させるようにしても良い。
以上により、車両の点検・整備におけるコンプレッション測定時のようなエンジン回転数が比較的短時間で上昇する場合においても、自動的にクランキングが終了して測定が困難となることを回避し、十分なクランキング時間を確保して作業効率の低下を防止することができる。
また、ユーザ使用過程での掃気始動時にも、クランキングが途中で終了されて不十分な掃気による始動不良を防止することができ、更には、ポート壁面への付着燃料等によりエンジンが始動してしまった場合においても、自動的にスタータをOFFしてスタータへのダメージを回避することが可能となる。
特に、高出力のスタータモータやコンデンサを並列にする等して電源特性を改善し、クランキング回転数を高めて始動性を改善したシステムにおいては、点検・整備時の作業性の確保、ユーザの掃気始動に対する掃気時間及び安全確保を図る上で有効である。
エンジン始動系の構成図、 始動制御の機能ブロック図 始動制御ルーチンのフローチャート
符号の説明
1 エンジン
2 スタータ
8 始動スイッチ
9 フードスイッチ
50 エンジン制御装置
51 始動判定部
52 第1始動完了判定回転数設定部
53 第2始動完了判定回転数設定部
54 クランキング終了条件決定部
55 始動完了判定部

Claims (2)

  1. エンジンの始動条件が成立したとき、スタータを駆動してクランキングを開始させ、エンジンの始動完了を判定したとき、上記スタータを停止させてクランキングを終了させるエンジンの始動制御装置において、
    上記エンジンの始動完了を判定する判定回転数として、上記スタータの駆動力のみで到達可能な回転数より高くアイドル回転数より低い第1始動完了判定回転数を設定する第1始動完了判定回転数設定部と、
    上記エンジンの始動完了を判定する判定回転数として、上記第1始動完了判定回転数より高い第2始動完了判定回転数を設定する第2始動完了判定回転数設定部と、
    スロットル全開条件が成立しないとき、上記第1始動完了判定回転数とエンジン回転数とを比較して始動完了を判定し、スロットル全開条件が成立し、且つエンジンフードが開の条件が成立しないときには、上記第2始動完了判定回転数とエンジン回転数とを比較して始動完了を判定し、スロットル全開条件が成立し、且つエンジンフードが開の条件が成立するときには、ドライバによる始動スイッチの操作に基づいて始動完了を判定する始動完了判定部と
    を備えたことを特徴とするエンジンの始動制御装置。
  2. 上記始動完了判定部は、
    スロットル全開の掃気操作によるクランキングの回転数が上記第1始動完了判定回転数に対して十分に低い場合、上記エンジンフードの開閉状態に拘わることなく、ドライバによる上記始動スイッチの操作に基づいて始動完了を判定することを特徴とする請求項1記載のエンジンの始動制御装置。
JP2008060181A 2008-03-10 2008-03-10 エンジンの始動制御装置 Expired - Fee Related JP4980270B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008060181A JP4980270B2 (ja) 2008-03-10 2008-03-10 エンジンの始動制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008060181A JP4980270B2 (ja) 2008-03-10 2008-03-10 エンジンの始動制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009215961A JP2009215961A (ja) 2009-09-24
JP4980270B2 true JP4980270B2 (ja) 2012-07-18

Family

ID=41188072

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008060181A Expired - Fee Related JP4980270B2 (ja) 2008-03-10 2008-03-10 エンジンの始動制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4980270B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5041305B2 (ja) * 2010-03-03 2012-10-03 トヨタ自動車株式会社 車両制御装置
JP5742682B2 (ja) * 2011-11-18 2015-07-01 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の始動制御装置
JP2016075215A (ja) * 2014-10-06 2016-05-12 ヤンマー株式会社 船舶のエンジン始動点検装置及び船舶のエンジン始動点検方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5452236A (en) * 1977-09-30 1979-04-24 Hitachi Ltd Starter protecting apparatus
JPH05231213A (ja) * 1992-02-18 1993-09-07 Mikuni Corp エンジンの始動制御装置
JPH1044887A (ja) * 1996-08-05 1998-02-17 Car Mate Mfg Co Ltd ボンネット開放検出機構
JP2000094984A (ja) * 1998-09-24 2000-04-04 Nissan Motor Co Ltd 産業車両のエンジン始動制御装置
JP3552575B2 (ja) * 1999-03-11 2004-08-11 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の吸気制御装置
JP3998119B2 (ja) * 2000-12-20 2007-10-24 本田技研工業株式会社 エンジン始動制御装置
JP2003176747A (ja) * 2001-12-10 2003-06-27 Nissan Motor Co Ltd エンジンの制御装置
JP4613873B2 (ja) * 2006-05-11 2011-01-19 トヨタ自動車株式会社 車両のエンジン始動システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009215961A (ja) 2009-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4144348B2 (ja) エンジン始動システム
JP5930041B2 (ja) 車両の制御装置および車両の制御方法
JP5915749B2 (ja) 車両の制御装置および車両の制御方法
JP5470241B2 (ja) 車両の制御装置
JP2008121648A (ja) 内燃機関の制御装置
WO2009096463A1 (ja) Pto制御装置
JP6615862B2 (ja) エンジン始動プロセス
KR20090063161A (ko) 정지/시동 동작에서의 내연 기관 제어 방법 및 장치
JP4907573B2 (ja) エンジンの始動制御装置
KR100999618B1 (ko) 아이들 스톱 앤 고 기능 확인 방법
JP4980270B2 (ja) エンジンの始動制御装置
JP4575933B2 (ja) 内燃機関の始動制御装置
JP5331752B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP5075145B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP4147398B2 (ja) エンジン制御装置
JP2010053794A (ja) 内燃機関の制御装置
WO2018016093A1 (ja) 車両制御装置、車両制御システムおよび車両制御装置の制御方法
JP2004162624A (ja) 車両のエンジン自動停止装置
JP5767865B2 (ja) 制御装置
JP3978959B2 (ja) 車両用内燃機関の制御装置
JP4069589B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP4867835B2 (ja) 車両用エンジンの制御装置
JP3990358B2 (ja) オートチョーク制御装置
JP4666655B2 (ja) エンジン始動制御装置
KR100290392B1 (ko) 엔진제어방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100928

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111227

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120403

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120418

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150427

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees