JP4979343B2 - 内・外気の調湿システム - Google Patents
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これについて説明すれば、図11に示すように屋内機1は、略直方形状に形成された屋内機ケーシング2を備えている。この屋内機ケーシング2は、外気3を導入するための外気導入口4と、吸い込んだ外気3を給気5として室内側に排出する室内側排出口6と、室内空気7を導入するための室内空気導入口8と、吸い込んだ室内空気7を排気9として室外に排出するための室外側排出口10とを備えている。屋内機ケーシング2の内部は中空を形成しており、外気導入口4から室内側排出口6に至る給気経路11および室内空気導入口8から室外側排出口10に至る排気経路12が形成されている。外気導入口4の内方には、導入した外気3を濾過するためのフィルタ13が設けられている。フィルタ13のさらに内方には、後述の冷媒回路を構成する屋内熱交換器14が配置されている。この屋内熱交換器14は、連絡配管接続部15を有しており、この連絡配管接続部15を介して連絡配管と接続され冷媒回路を構成する。冷媒回路中において屋内熱交換器14が凝縮器として作用する場合に、外気3を除湿する除湿器としてはたらく。屋内熱交換器14のさらに内方には、顕熱交換器16が設けられている。この顕熱交換器16は、給気経路11と排気経路12とにわたって設けられており、両経路を通過する空気が非接触で熱交換を行えるように構成されている。顕熱交換器16の排気経路12における室内側には、室内空気7を濾過するためのフィルタ13が設けられている。顕熱交換器16のさらに内方には、加湿器17が配置されている。この加湿器17は、複数本の透湿膜パイプを互いに平行に並設し、この透湿膜パイプの周囲に加湿水を配して構成された透湿膜加湿器で構成される。室内側排出口6の近傍には、給気ファン18が設けられている。この給気ファン18は、回転軸と交わる方向に送風を行うクロスフローファンで構成され、ファンモータ20により回転駆動されることによって、外気導入口4から室内側排出口6に至る給気経路11に気流を生成する。室内空気導入口8の近傍には、排気ファン19が設けられている。排気ファン19は給気ファン18と同様のクロスフローファンで構成され、ファンモータ20により回転駆動されることによって、室内空気導入口8から室外側排出口10に至る排気経路12に気流を生成する。屋外機は、屋外機ケーシングを備えており、内部機構は通常のセパレート型空気調和機の室外機と同様の構成となっている。屋内機1と屋外機とは冷媒経路を構成するための連絡配管およびデータの送受信を行うための内外伝送線によって接続されている。連絡配管は、屋内機1の屋内熱交換器14に設けられる連絡配管接続部15に接続され、屋外機の内部に配置される屋外熱交換器などに接続されている。屋内機ケーシング2の連絡配管接続部近傍には、周囲の温湿度を検出するための温度センサおよび湿度センサが設けられている。
また、この種の従来の技術の更に他の例としては、図14に示す室内低湿度空気導入型加湿システムがある。これについて説明すれば、空調室42内から天井38内へ室内低湿度空気Cを供給管39を通じて該天井38内に配置した加熱加湿器40に導入する。この加熱加湿器40の働きにより排気管41を介して空調室42内に加湿供給空気Dを排出し、該空調室42内の調湿動作を行なう。ここに、前記加熱加湿器40は給気管39側から空気ろ過フィルター40A、加熱コイル40B、加湿部40C、エリミネーター40D及び送風機40Eを備えている。また、該加湿部40Cは給気管付湿度制御バルブ40Fを接続している。この室内低湿度空気導入型加湿システムによれば、室内低湿度空気Cを前記加熱加湿器40により加熱して水を気化させる方式である。空調室42内に加湿された空気Dを流送する。この技術は加湿効率が悪く空調室42内の空気を設計湿度例えば40(%)で維持することが困難であり、しかも前記加湿部40Cへ供給する水量が比較的多量であった。
また、従来の技術に於ける第2の例によれば、給気経路及び排気経路には、これら両経路に跨って除湿器および顕熱交換器が設けられている。除湿器は、冷房時に給気経路に取り込まれた外気を除湿する。除湿された外気は顕熱交換器へと送給される。また、顕熱交換器は、冷房時に、除湿された外気と排気経路に取り込まれた室内空気との間で熱交換をする。つまり、屋外へ排出される室内空気から冷熱を回収して室内へと送り込まれる外気に付与する。顕熱交換器により冷却された外気は、途中、加湿器により調湿された後、室内へと放出される。顕熱交換器により冷熱が回収された室内空気は除湿器へ送られる。この室内空気は、除湿器へと向かう途中、顕熱交換器と除湿器との間に設置された再生用ヒータにより加熱される。加熱された室内空気は、除湿器と接触して当該除湿器を加熱再生した後、屋外へと排出される。
而して、前記第1及び第2の例では、調湿換気装置及び空調装置に具備している顕熱交換器16、25は外気又は室内気を当該顕熱交換器16、25に流送し、これに加湿作用を奏し、そのまま室内排出口6や室外側排出口10に又は給気ファン36や排気ファン37等を介して排出し、空調作用を行なう技術である。
従って、特に、最近の建物は断熱性が良いことと内部発熱が多いため暖房負荷が少ないため、給気温度は室内温度とほぼ同程度となる傾向となり、室温に近い空気に気化加湿をしているので、大変加湿効率が悪いという問題点があった。
また湿度を満足させようとすると、暖房負荷に比べて給気温度が高くなりすぎて、室内温度が高くなる問題点があった。
また、図13及び図14に示す従来の技術によれば、いずれも顕熱交換器を備えておらず、この技術は加湿効率が悪く空調室42内の空気を設計湿度例えば40(%)で維持することが困難であり、しかも前記加湿部40Cへ供給する水量が比較的多量であり、供給水量が増大するという弊害もあった。
本発明が解決しようとする課題は、背景技術で述べた問題点を解決することにある。
すなわち、請求項1記載の発明によれば、天井内又は機械室内に設置された顕熱交換器と、該顕熱交換器の後段に配置した加熱加湿器であって、該加熱加湿器が空気ろ過フィルター、加熱コイル、湿度制御バルブ付給水管を接続した加湿部、エリミネータ及び供給ファンを順次配置してなり、屋外新鮮空気Eを加湿前に予熱する該顕熱交換器に導入し、該顕熱交換器で熱交換させて取出された外気Fを前記加熱加湿器に流過し該加熱加湿器から流出した外気Gを前記顕熱交換器で再熱交換させた後、空調室内に所期する物理条件を充足した加湿供給空気を取入れることを特徴とする。
すなわち、請求項1記載の発明によれば、天井内又は機械室内に設置された顕熱交換器と、該顕熱交換器の後段に配置した加熱加湿器であって、該加熱加湿器が空気ろ過フィルター、加熱コイル、湿度制御バルブ付給水管を接続した加湿部、エリミネータ及び供給ファンを順次配置してなり、屋外新鮮空気Eを加湿前に予熱する該顕熱交換器に導入し、該顕熱交換器で熱交換させて取出された外気Fを前記加熱加湿器に流過し該加熱加湿器から流出した外気Gを前記顕熱交換器で再熱交換させた後、空調室内に所期する物理条件を充足した加湿供給空気を取入れることを特徴とする内・外気の調湿システムを提供する。
このような構成としたので、顕熱交換器により屋外新鮮空気Eを加湿前に予熱し、加熱加湿器によりさらに加熱を行い、その後顕熱交換器でアフター冷却することにより、低温高湿空気をつくることが可能となり、このシステムは、湿度を上げたいが室温を上げたくない状況において、大変有効であり、無駄な給水を大幅に削減でき省エネルギーを実現でき、殊に飽和効率を低くすることで加湿を容易にし、加湿有効率が高めることにより消費される給水量を削減でき、前記加熱加湿器が空気ろ過フィルター、加熱コイル、湿度制御バルブ付給水管を接続した加湿部、エリミネータ及び供給ファンでコンパクトに構成され外気を合理的に加湿すると共にエリミネータにより外気つまり屋外新鮮空気に包含する水分を適正に除去できアフター冷却により、温度が低く相対湿度が高い空気を空調室内に供給可能とするという効果がある。
このような構成としたので、顕熱交換器により室内低湿度空気Jを加湿前に予熱し、加熱加湿器によりさらに加熱を行い、その後顕熱交換器でアフター冷却することにより、低温高湿空気をつくることが可能となり、このシステムは、湿度を上げたいが室温を上げたくない状況において、大変有効であり、無駄な給水を大幅に削減でき省エネルギーを実現でき、殊に飽和効率を低くすることで加湿を容易にし、加湿有効率が高めることにより消費される給水量を削減でき、前記加熱加湿器が空気ろ過フィルター、加熱コイル、湿度制御バルブ付給水管を接続した加湿部、エリミネータ及び供給ファンでコンパクトに構成され内気を合理的に加湿すると共にエリミネータにより内気つまり室内低温度空気に包含する水分を適正に除去できアフター冷却により、温度が低く相対湿度が高い空気を空調室内に供給可能とするという効果がある。
そこで流送された外気Fは該加熱加湿器46における前記加熱コイル46dを経由して、前記加湿部46cで加湿され、外気Fに包含する水分は前記エリミネーター46eにより除去し、前記供給ファン46aを介して矢印Gに示すように流出する。そこで外気Gは前記顕熱交換器45で再熱交換され矢印Hに示すように流出する。
外気Hは空調室44内へ加湿供給空気Iとして取入れる。該加湿供給空気Iは所期する物理条件、すなわち乾球温度と絶対湿度または相対湿度に設定され、得られる。
その他の物理的条件は、例えばエンタルピーh(KJ/kg・DA)、結露温度(DP)(℃)は図3に示すとおりで、顕熱交換器の熱交換率は60%とした。
この設計仕様1における飽和効率は、0.38である。同様な加湿を従来技術である図13の方式で行った場合における飽和効率は、0.73であり、本システムにおいては従来技術に比べ飽和効率が大変低くなり、加湿が容易となることがわかる。また、加湿が容易となることにより、加湿有効率が高められ消費される給水量を削減でき、しかもアフター冷却により、一般的に難しいとされる温度が低く相対湿度が高い空気例えば温度が15.4(℃)、相対湿度が60(%)の空気を供給可能とする。
そして、一般的な論理としては、調湿装置では図5に示すように、空気(外気)乾球温度が高いとき、湿度量も高く、逆に、空気(外気)乾球温度が低いとき、加湿量も低くなることが判明している。
その他の物理的条件は、例えばエンタルピーh(KJ/kg・DA)、結露温度(DP)(℃)は図6に示すとおりで、顕熱交換器の熱交換率は60%とした。
この設計仕様2における飽和効率は、0.38である。同様な加湿を従来技術である図13の方式で行った場合における飽和効率は、0.63であり、本システムにおいては従来技術に比べ飽和効率が大変低くなり、加湿が容易となることがわかる。また、加湿が容易となることにより、加湿有効率が高められ消費される給水量を削減でき、しかもアフター冷却により、一般的に難しいとされる温度が低く相対湿度が高い空気例えば温度が20(℃)、相対湿度が45(%)の空気を供給可能とする。
図8に示すように、前記室内低湿度空気Jは非加湿空気であって、前記顕熱交換器45で熱交換され加熱加湿器46に流送される。該加熱加湿器46は熱交換された室内低湿度空気Fつまり内気を流出し、該加熱加湿器46に流送する。該加熱加湿器46は、空気ろ過フィルター46e、加熱コイル46d、加湿部46c、エリミネーター46b、供給ファン46a及び該加湿部46cに接続した湿度制御バルブ付給水管46fを備えている。そこで流送された外気Fは前記加熱コイル46dを介して流入し、加湿部46cを経て、外気Fに包含する水分は前記エリミネーター46bにより除去し、供給ファン46aを介して矢印Gに示すように流出する。そこで内気Gは前記顕熱交換器45で再熱交換され矢印Hに示すように流出する。内気Hは空調室44内へ加湿供給空気Kとして取入れる。該加湿供給空気Kは所期する物理条件、すなわち乾球温度および相対湿度または絶対湿度に設定され、得られる。
その他の物理的条件は、例えばエンタルピーh(KJ/kg・DA)、結露温度(DP)(℃)は図9に示すとおりで、顕熱交換器の熱交換率は60%とした。
この設計仕様3における飽和効率は、0.38である。同様な加湿を従来技術である図14の方式で行った場合における飽和効率は、0.5であり、本システムにおいては従来技術に比べ飽和効率が大変低くなり、加湿が容易となることがわかる。また、加湿が容易となることにより、加湿有効率が高められ消費される給水量を削減でき、しかもアフター冷却により、一般的に難しいとされる温度が低く相対湿度が高い空気例えば温度が27.3(℃)、相対湿度が29(%)の空気を供給可能とする。
44 空調室
45 顕熱交換器
45A 顕熱交換器の本体
45B 顕熱交換器の供給ファン
46 加熱加湿器
46a 加熱加湿器の供給ファン
46b 加熱加湿器のエリミネーター
46c 加熱加湿器の加湿部
46d 加熱加湿器の加熱コイル
46e 加熱加湿器の空気ろ過フィルター
46f 加熱加湿器の湿度制御バルブ付給水管
E 屋外新鮮空気
F 外気(内気)
G 外気(内気)
H 外気(内気)
I 加湿供給空気
J 室内低湿度空気
K 加湿供給空気
Claims (2)
- 天井内又は機械室内に設置された顕熱交換器と、該顕熱交換器の後段に配置した加熱加湿器であって、該加熱加湿器が空気ろ過フィルター、加熱コイル、湿度制御バルブ付給水管を接続した加湿部、エリミネータ及び供給ファンを順次配置してなり、屋外新鮮空気Eを加湿前に予熱する該顕熱交換器に導入し、該顕熱交換器で熱交換させて取出された外気Fを前記加熱加湿器に流過し該加熱加湿器から流出した外気Gを前記顕熱交換器で再熱交換させた後、空調室内に所期する物理条件を充足した加湿供給空気を取入れることを特徴とする内・外気の調湿システム。
- 天井内又は機械室内に設置された顕熱交換器と、該顕熱交換器の後段に配置した加熱加湿器であって、該加熱加湿器が空気ろ過フィルター、加熱コイル、湿度制御バルブ付給水管を接続した加湿部、エリミネータ及び供給ファンを順次配置してなり、室内低湿度空気Jを加湿前に予熱する該顕熱交換器に導入し、該顕熱交換器で熱交換させて取出された内気Fを前記加熱加湿器に流過し該加熱加湿器から流出した内気Gを前記顕熱交換器で再熱交換させた後、空調室内に所期する物理条件を充足した加湿供給空気を取入れることを特徴とする内・外気の調湿システム。
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