JP4978924B2 - 遺伝子構成比測定方法 - Google Patents

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本発明は遺伝子構成比測定方法(PD−PCR方法:proportional Deductive PCR方法)、および当該方法の応用技術に関する。
最近、蔵田らは、以下のような技術を開示している。
A)定量的(quantitative)PCR方法(非特許文献1)
蛍光色素で標識された1種の均一溶液系プライマープローブおよび1種の蛍光色素非標識の均一溶液系プライマープローブを用いて、2種の遺伝子をPCR方法により増幅し、2種の遺伝子の構成比を測定した。2種の遺伝子の構成比の分析はT−RFLP解析方法によった。
B)定量的PCR方法を介したエンドポイント遺伝子定量法(特許文献1)
1本鎖のポリヌクレオチドの両末端に各々異なった蛍光色素で標識して得た均一系の標的核酸プローブと蛍光色素で標識していない2種のプライマー(forward primerおよびreverse primer)プローブを用いて、2種の遺伝子、すなわち標的遺伝子および内部標準遺伝子を、PCR方法で定常期まで増幅し、各蛍光色素から発生した光学的キャラクター変化量を測定し、得た各変化量の比から標的遺伝子と内部標準遺伝子との構成比を求める方法である。
しかしながら、前記方法A)においては、T−RFLP解析方法を介するので、測定工程が複雑であり、前記方法B)においては、測定精度の向上がのぞまれていた。
国際公開第2005/059548号パンフレット KURATAら、Applied and Environmental Microbiology, Vol.70, No.12, 7545−7549(2004).
本発明の課題は、前記の状況に鑑み、均一溶液系核酸プローブを用いて2種の遺伝子の構成比を測定する方法において、より測定精度の向上した方法を提供することである。
上記目的は、以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、測定系の2種類の遺伝子を、蛍光色素で標識された1種または2種以上の均一溶液系核酸プローブを用いて増幅させ、測定系の光学的キャラクター変化量を測定し、当該変化量に基づいて、遺伝子構成比を測定する定量的PCR方法において、以下の工程(1)〜(5)を含むことを特徴とする遺伝子構成比の測定方法である。
(1)2種類の遺伝子のどちらか一方に相補し、蛍光色素で標識された、1種または2種以上の均一溶液系核酸プローブを当該相補する遺伝子にハイブリダイズさせ、当該遺伝子を増幅させて増幅過程において発生するその光学的キャラクター変化量を測定し、得られた変化量に基づいて遺伝子の増幅過程をモニタリングする工程(以下、「工程1」という。)。
(2)2種類の遺伝子に同時に相補し、蛍光色素で標識された、前記工程(1)のものとは異なった1種または2種以上の均一溶液系核酸プローブを、2種類の遺伝子にハイブダイズリさせ、当該2種類の遺伝子を増幅させ、増幅過程において発生する光学的キャラクター変化量を測定し、得られた変化量に基づいて、当該2種類の遺伝子の増幅過程をモニタリングする工程(以下、「工程2」という。)。
(3)前記工程(2)の光学的キャラクター変化量が、一定値に達したときの前記工程(1)の光学的キャラクター変化量(以下、「補正蛍光変化量」とも呼ぶ)を測定する工程。(以下、「工程3」という。)。
(4)2種類の標準遺伝子を種々な構成比で含む複数の試料について、工程(1)〜(3)を実施し、各標準試料における補正蛍光変化量を測定し、当該測定値と遺伝子構成比との関係式を求める工程(以下、「工程4」という。)。
(5)未知試料について工程(1)〜(3)を実施し、各未知試料における補正蛍光変化量を測定し、当該測定値と、工程(4)で得られた関係式より、未知試料における遺伝子構成比を測定する工程(以下、「工程5」という。)。
また、本発明は、2種類の遺伝子を標的遺伝子および内部標準遺伝子として、内部標準遺伝子を未知試料に既知量添加して得た試料について、次の工程(a)〜(b)を実施して、未知試料中の標的遺伝子量を測定することを特徴とする標的遺伝子量測定方法である。
(a)前記1)に記載の工程1〜5を実施して、標的核酸と内部標準遺伝子との構成比を測定する工程。
(b)当該構成比と内部標準遺伝子の添加量から標的遺伝子量を測定する工程。
また、本発明においては、工程1および工程2のいずれか一方若しくは双方の均一溶液系プローブが、蛍光消光核酸プローブであることが好ましい。
また、本発明においては、工程1および工程2のいずれか一方若しくは双方の均一溶液系プローブが、蛍光消光核酸プライマーであることが好ましい。
また、本発明は、以下の工程1)〜2)を含むことを特徴とするゲノムDNAのゲノムサイズを測定する方法である。
1)既知のゲノムサイズおよびゲノムコピーを有するDNAゲノム(A)および既知のゲノムコピー数を有し、未知ゲノムサイズの標的DNAゲノム(B)の混合液を用いて、前記の遺伝子構成比測定方法により、遺伝子構成比を測定する工程。
2)Aのゲノムサイズと、工程1)で得られた遺伝子構成比とから、Bのゲノムサイズを測定する工程。
本発明によれば、遺伝子構成比の測定方法が、格段に優れた測定精度になり、かつ、遺伝子量をより精度よく測定できる遺伝子量測定方法が提供される。また、本発明の遺伝子構成比の測定方法は、ゲノムサイズをより精度よく測定できるゲノムサイズ測定方法に転用できるので、有益な方法である。
以下に本発明を詳細に説明する。
先ず、本発明で使用する用語を説明または定義する。本発明において用いる用語は、特別な定義がない場合は、現在、分子生物学、遺伝学若しくは遺伝子工学、微生物学若しくは微生物工学等で一般的に使用されている用語と同じ意味である。
「1種若しくは2種以上」、「1種または2種以上」、「1種若しくは複数種」とは、少なくとも1種の意味である。
「標的遺伝子」とは、検出・測定を目的とした遺伝子の意味である。そして、「試料中に含まれる遺伝子」のことを単に標的遺伝子または目的遺伝子という場合がある。
「光学的キャラクター」なる用語は、核酸プローブを標識する蛍光物質、クエンチャー物質等の各種の吸収スペクトル、若しくは蛍光発光スペクトル、およびそれらの吸収強度、偏光、蛍光発光、蛍光強度、蛍光寿命、蛍光偏光、蛍光異方性等の光学的特性等のことをいう(「蛍光強度」、単に「蛍光」で総称する場合がある。)。また、核酸プローブ等に標識されている少なくとも1つの蛍光物質等について少なくとも1種以上の測定波長で測定された測定値を総合的に評価して得た性質のことをもいう。
また、一般的な場合は、「光学的キャラクター」なる用語を使用し、具体的な場合は、「蛍光強度」、単に「蛍光」なる用語を使用した。
本発明において、「光学的キャラクターの変化量」、「蛍光強度変化量」、「蛍光変化量」なる用語は、本発明の増幅核酸に基づく蛍光強度の変化だけでなく、当該増幅核酸に、蛍光物質および/またはクエンチャーで標識された均一溶液系核酸プローブをハイブリダイズさせたときの、そのハイブリダイゼーション前後の蛍光強度の変化若しくは変化量をも含めるものとする。
本発明において、例えば、核酸プローブが標的核酸に「相補し」、「相補する」および「相補的である」、また、「相補しない」および「相補的でない」などの用語を使用しているが、この場合の「相補」とは、2種のオリゴヌクレオチドが存在した場合、各オリゴヌクレオチドの対応する核酸塩基同士が水素結合できるという意味である。また、ハイブリダイズできるという意味である。
本発明において「光学的キャラクター変化率」とは、本発明で用いる核酸プローブ(標的核酸プローブ、内部標準核酸プローブ)および標的核酸および/または内部標準核酸とがハイブリダイズしていない状態の反応系若しくは測定系の蛍光色素等の光学的測定値に対する、それらがハイブリダイズしている状態のものの比である。一例として{[ハイブリダイズしている状態の測定値]/[ハイブリダイズしていない状態の測定値]}×100なる計算式を挙げることができる。この場合、当該変化が蛍光で、消光の場合は「蛍光消光率」と、発光の場合「蛍光発光率」等と言う。ハイブリダイズしている状態は、反応若しくは測定温度が好適には10℃以上90℃乃至94℃以下で出現し、ハイブリダイズしていない状態は、前記以上(90℃乃至94℃)で出現する。しかし、中間状態が存在するので、実験例毎に正確に測定しておくのが好適である。
なお、本発明の核酸プローブが本発明の蛍光色素で標識される部位のことを「蛍光色素標識部位」または「蛍光標識部位」ともいう。しかし、同じ意味である。
本発明でいう蛍光色素(蛍光物質という場合もある。)とは、一般に核酸プローブに標識して、核酸の測定・検出に用いられている蛍光物質の類である。例えば、フルオレセイン(fluorescein)またはその誘導体類{例えば、フルオレセインイソチオシアネート(fluorescein isothiocyanate)(FITC)若しくはその誘導体等}、Alexa 488、Alexa 532、cy3、cy5、6−joe、EDANS、ローダミン(rhodamine)6G(R6G)またはその誘導体{例えば、テトラメチルローダミン(tetramethylrhodamine)(TMR)、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(tetramethylrhodamine isothiocyanate)(TMRITC)}、x−ローダミン(x−rhodamine)、テキサスレッド(Texas red)、ボデピー(BODIPY)(登録商標)FL(商品名)(モレキュラー・プローブ(Molecular Probes)社製、米国;BODIPYについては以下同様である。)、BODIPY FL/C3、BODIPY FL/C4、BODIPY FL/C5、BODIPY FL/C6、BODIPY FL/C7、BODIPY FL/C8、BODIPY FL/C9、BODIPY FL/C10、BODIPY FL/C11、BODIPY FL/C12、BODIPY 5−FAM、BODIPY TMRまたはその誘導体(例えば、BODIPY TR)、BODIPY R6G、BODIPY 564、BODIPY 581、BODIPY 493/503、タムラー(TAMRA)等を挙げることができる。
上記の中でも、TAMRA、FITC、EDANS、テキサスレッド、6−joe、TMR、Alexa 488、Alexa 532、BODIPY FL/C3、BODIPY R6G、BODIPY FL、BODIPY FL/C6、BODIPY TMR、BODIPY 5−FAM、BODIPY 493/503、BODIPY 564、BODIPY 581、Cy3、Cy5、x−Rhodamine等を好適なものとして挙げることができる。
核酸増幅方法は、本発明の目的を達成できればどのような方法でもよい。
本発明でいう核酸増幅方法とは、インビトロ(in vitro)で核酸を増幅する方法のことをいう。公知、未公知を問わない。例えば、PCR方法、LCR方法(ligase chain reaction)、TAS方法、ICAN(Isothermal and Chimeric Primer−Initiated Amplification of Nucleic acids)方法、LAMP方法、NASRA方法、RCA方法、TAMA方法、UCAN方法等を全て含めるものとする。好適にはプライマープローブまたは単なるプローブを用いるPCR方法で行うのが好適である。
前記PCR方法はどのような形式のものでも好適に採用できる。例えば、定量的PCR方法、リアルタイムモニタリング定量的PCR方法、RT−PCR、RNA−primed PCR、Stretch PCR、逆PCR、Alu配列を利用したPCR、多重PCR、混合プライマープローブを用いたPCR、PNAを用いたPCR、PCRにより増幅した核酸について、融解曲線の解析若しくは分析する方法等をも含むものとする。
「均一溶液系核酸プローブ」とは、「固相系核酸プローブ」の対の用語で、固相を含まない均一溶液で作用する核酸プローブである。また、このプローブを「均一溶液系プローブ」という場合もある。
「Qプローブ」、「QProbe」(J−Bio21(株)社製)とは、本発明者らにより開発された蛍光消光核酸プローブ(Quenching Probe)(以下、単に「QProbe」と呼ぶこともある。)(KURATA et al., Nucleic acids Research, 2001, vol.29, No.6 e34)である。このプローブは、1本鎖のオリゴヌクレオチドを蛍光色素で標識した均一溶液系核酸プローブであるが、蛍光色素で標識した部位の塩基がGまたはCであるか、またはプローブの標識塩基から、また対応核酸の標識塩基に対応する塩基から1乃至3塩基離れて(標識塩基に対応する塩基を1と数える。)GまたはCが少なくとも1つ存在する均一溶液系核酸プローブである。
また、このQProbeは、遺伝子増幅用のプライマー(「Qプライマー」、「Qprimer」(J−Bio21(株)社製) 以下、これらを単に「QPrimer」と呼ぶこともある。)として用いることが可能である。
蛍光色素のオリゴヌクレオチドの標識部位は、末端部、鎖中のどちらでも良い。標識位置は糖部位、リン酸部位、塩基部位どちらでもよい。糖部位においては、3’末端の3’または2’位CのOH基、または5’末端を脱リンして得られる5’位CのOH基である。リン酸部においては、リン酸に替えて、スルホン酸基、スルホニル基でもよい。好ましくは、5’または3’末端部位、より好ましくは5’または3’末端部、最良は5’または3’末端である。好適には、CまたはGを含む部位か、それら自身である。最適には、Cを含む部位か、C自身である。
遺伝子構成比の測定方法における工程3でいう「補正蛍光変化量」とは実施例に例示されているものである。
遺伝子構成比の測定方法における工程4でいう「標準遺伝子」とは、スタンダードとなり得る遺伝子という意味である。例えば、好適に使用できる遺伝子として、標的遺伝子を精製して得た遺伝子DNAを挙げることができる。
[本発明の原理]
本発明は、2種の遺伝子の構成比を測定する方法である。
2種の遺伝子のうち、一方の遺伝子を、均一溶液系プローブにて特異的に検出する。しかしながら、未知試料の場合、2種遺伝子のトータル数は、サンプルによって異なるため、例え遺伝子構成比が同じであっても、光学的キャラクター変化量は一致しない(図1参照)。よって、一方の遺伝子由来の光学的キャラクター変化量からは、遺伝子構成比を正確に測定することは実質的に不可能である。しかしながら、トータルの遺伝子量が一定であれば、均一溶液系プローブの光学的キャラクターの変化量は、検出する遺伝子の構成比が大きい場合、相対的に大きく、逆に小さい場合は、相対的に小さくなる。この場合、蛍光変化量は、遺伝子構成比と相関がある。この相関を検量線として利用することで、未知試料に含まれる2種の遺伝子間の構成比を求めることができると考えられる(図2参照)。
例えば、PCRのような遺伝子増幅法を用いて、2つの遺伝子を、同じプライマーにて同時に増幅し、その遺伝子構成比を求める場合、トータルの増幅産物を、産物量に応じて変化するシグナルに変換し、そのシグナルをリアルタイムにモニタリングすることができれば、トータルの産物量が一定となるサイクル数を特定化することができる。トータルの遺伝子量が同じである場合、前述したように一方の遺伝子を検出する均一溶液系プローブ由来の蛍光変化量から、遺伝子構成比を求めることが可能であると考えられる。
本発明は、2種の均一溶液系プローブを用いて、トータルの遺伝子を測定し、その量がある値に達した際に、一方の遺伝子由来のシグナルを測定することによって、標的とする2種の遺伝子の構成比を求める新規の遺伝子構成比測定方法である。
以下に、より具体的に本発明を説明する。
本発明は、測定系の2種類の遺伝子を、蛍光色素で標識された1種または2種以上の均一溶液系核酸プローブを用いて増幅させ、測定系の光学的キャラクター変化量を測定し、当該変化量に基づいて、遺伝子構成比を測定する定量的PCR方法において、以下の工程(1)〜(5)を含むことを特徴とする遺伝子構成比の測定方法である。以下、工程別に説明する。
工程1は、2種類の遺伝子のどちらか一方に相補し、蛍光色素で標識された1種または2種以上の均一溶液系核酸プローブを当該相補する遺伝子にハイブリダイズさせ、当該遺伝子を増幅させ、増幅過程中に発生するその光学的キャラクター変化量を測定し、得た当該変化量に基づいて遺伝子の増幅過程をモニタリングする工程である。
蛍光色素で標識された1種または2種以上の均一溶液系核酸プローブとしては、プライマーとして使用できるものでもよく、単に核酸プローブとして使用できるものでもよい。遺伝子の増幅過程をモニタリングできるものであればよい。このモニタリングで2種の遺伝子の一方(均一溶液系核酸プローブと相補した遺伝子)の量に対応した光学的キャラクター変化量が測定できる。
核酸プローブの蛍光色素としては、本発明の目的を達成できるものであればよく、前述したような蛍光色素が好ましく用いられる。
また、核酸プローブとしては、蛍光消光核酸プローブ、蛍光消光核酸プライマーを用いることが好ましく、具体的には、QProbe、QPrimer(J−Bio21(株)社製)が好適に用いられる。
核酸を増幅する方法は、前記した何れでもよいのであるが、好適にはPCR方法である。
工程2は、2種類の遺伝子に同時に相補し、蛍光色素で標識され、前記工程1のものとは異なった1種または2種以上の均一溶液系核酸プローブを、2種類の遺伝子にハイブリダイズさせ、当該2種の遺伝子を増幅させ、遺伝子増幅中に発生する光学的キャラクター変化量を測定し、得た当該変化量に基づいて、当該2種類の遺伝子の増幅過程をモニタリングする工程である。
この工程は、2種の遺伝子のトータル量に対応した光学的キャラクター変化量を測定するための工程である。
工程2で使用する均一溶液系核酸プローブは、プライマーでも、単に核酸プローブでもよく、単に2種の遺伝子に相補できるものであればよい。
核酸プローブとしては、蛍光消光核酸プローブ、蛍光消光核酸プライマーを用いることが好ましく、具体的には、QProbe、QPrimer(J−Bio21(株)社製)が好適に用いられる。
工程3は、前記工程2の光学的キャラクター変化量が、一定値に達したときの前記工程(1)の光学的キャラクター変化量を測定する工程である。この変化量を「補正蛍光変化量」と呼ぶこともある。
この工程で、2種の遺伝子のトータル量に対応した正確な光学的キャラクター変化量が測定される。
具体的には実施例に詳しく記載されている。
工程4は、2種類の標準遺伝子を種々な構成比で含む複数の試料について、工程1〜3を実施し、各標準試料における補正蛍光変化量を測定し、当該測定値と遺伝子構成比との関係式を求める工程である。
具体的には実施例に詳しく記載されている。
工程5は、未知試料について工程1〜3を実施し、各未知試料における補正蛍光変化量を測定し、当該測定値と、工程4で得られた関係式より、未知試料における遺伝子構成比を測定する工程である。
この工程で、実施の試料についての遺伝子構成比が測定される。
上記各工程は、上記の順に行わなくともよい。適当に組み合わせて一緒に行ってもよい。
また、本発明は、2種類の遺伝子を標的遺伝子および内部標準遺伝子として、内部標準遺伝子を未知試料に既知量添加して得た試料について、(a)前述の工程1〜5を実施して、標的核酸と内部標準遺伝子との構成比を測定する工程、および(b)当該構成比と内部標準遺伝子の添加量から標的遺伝子量を測定する工程を実施して、未知試料中の標的遺伝子量を測定することを特徴とする標的遺伝子量測定方法である。
すなわち、前述した遺伝子構成比測定方法を使用するならば、標的遺伝子の絶対量を測定(定量)することができる。すなわち、前記の2種遺伝子のうち、一方を内部標準遺伝子とし、他方を標的遺伝子として、標的遺伝子が含まれているか或いは含まれていない未知試料に内部標準遺伝子を、既知濃度宛を測定系に添加し、前記の遺伝子構成比測定方法の工程を実施する。結果として、標的遺伝子と内部標準遺伝子の構成比が測定される(工程a)。内部標準遺伝子が既知量であるので、標的遺伝子の絶対量を測定できることになる(工程b)。
さらに、本発明は、以下の工程1)〜2)を含むことを特徴とするゲノムDNAのゲノムサイズを測定する方法である。
1)既知のゲノムサイズおよびゲノムコピーを有するDNAゲノム(A)および既知のゲノムコピー数を有し、未知ゲノムサイズの標的DNAゲノム(B)の混合液を用いて、前記の遺伝子構成比測定方法により、遺伝子構成比を測定する工程。
2)Aのゲノムサイズと、工程1)で得られた遺伝子構成比とから、Bのゲノムサイズを測定する工程。
以下に本発明を実施例をもってより具体的に説明する。
なお、本実施例において、使用した蛍光色素で標識された均一溶液系プローブ類は、全てJ−Bio21株式会社製(つくば市)のものである。
<実施例1>
蔵田らによって開発された蛍光消光するプローブ(QProbe)は、遺伝子増幅用のプライマー(QPrimer)として、用いることが可能であり、このQPrimerを用いてPCRを実施し、その蛍光変化量から、増幅産物量をリアルタイムに定量することが可能であることが報告されている(Shinya Kurata, Takahiro Kanagawa, Yukio Magariyama, Kyoko Takatsu, Kazutaka Yamada, Toyokazu Yokomaku, and Yoichi Kamagata, APPLIED AND ENVIRONMENTAL MICROBIOLOGY, Dec. 2004, p.7545−7549)。よって、このQPrimerを用いることにより、その蛍光変化量から、産物量がある一定量に達するサイクル数を特定化することができる。このサイクルにおいて、QPrimerとは異なる蛍光色素でラベルされた均一溶液系プローブを用い、一方の遺伝子由来の蛍光変化量を求めることにより、遺伝子の構成比を定量することが可能であると考えられた(図3)。以下、その実施例について記す。
1.実験方法
a.鋳型の調整
Escherichia coli(以下、E.coliという。) K12株とMicrolunatus phosphovorus(以下、M.phosphovorusという。) NM−1株のゲノムDNAを、Genomic−tip(キアゲン社製、Hilden、Germany)を用いて抽出した。これを鋳型として、16S rRNA遺伝子(16S rDNA)を、PCR法にて増幅した。プライマーは、pAおよびpHを使用した。得られた増幅産物は、GFX spin−column(アマシャムバイオサイエンス社製、Piscataway、NJ、USA)を用いて精製し、精製された産物は、Pico Green dsDNA定量キット(モルキュラープローブ社製、Eugene、OR、USA)を用いて定量した。産物濃度を、109コピー/μLに調整した後、これを用いて102コピー/μLまでの10倍毎の連続希釈系列を調整した。これら希釈系列を用いて、各希釈段階にて、M.phosphovorus NM−1株由来の増幅産物が、50%、25%、12.5%、6.25%、3.125%の割合で含まれる16S rDNA増幅産物混合液を作成した。
b.プローブおよびプライマー
本実施例において、均一溶液系プローブ、プライマーは以下のものを用いた。
51−70F:5’−ACACATGCAAGTCGAACGGT−3’
380−360R:5’−CGCCCATTGTGCAATATTCCC−3’
380−360R−5T:5’−CGCCCATTGTGCAATATTCCC−3’
MP197−178R:5’−ATGTCGGCCGAGGTCGTATC−3’
51−70Fおよび380−360Rは、つくばオリゴサービス社(つくば市)より購入した。
51−70F(フォワードプライマー)、および380−360R(リバースプライマー)は、E.coliおよびM.phosphovorusの両方の16S rDNAを増幅できるよう設計した。
380−360R−5TはQPrimer−R5’(J−Bio21社製)であり、配列は380−360Rと同様で、5’末端はグアニンとの相互作用によって、蛍光消光する性質を有する蛍光色素にて標識されている。
MP197−178RはQProbe−G3’(J−Bio21社製)であり、M.phosphovorusに特異的なプローブであり、その3’末端は、上記の380−360R−5Tと蛍光波長の異なる蛍光消光性の色素で標識されている。
c.本発明:PD−PCR方法
PCR過程の蛍光モニタリングには、リアルタイムPCR装置であるLight CyclerTM(ロッシュ社製、Mannheim、Germany)を用いた。反応溶液の組成等を以下の表1に示す。
Figure 0004978924
PCR反応条件を以下の表2に示す。QProbeおよびQPrimerの蛍光は、アニーリングおよび解離の最後に、毎サイクル測定した。これら蛍光値から、Kurataらの報告(Nucleic Acids Research, 2001, Vol.29, No.6 e34)に従い、蛍光消光率を計算した。
Figure 0004978924
1)工程1:蛍光色素で標識された均一溶液系プローブとしてMP197−178R(QProbe−G3’)を用いてPCR反応を行った。すなわち、M.phosphovorusの16S rDNAの増幅をモニタリングした。反応条件等は前記に示した通りである。
2)工程2:蛍光色素で標識された均一溶液系プローブは、フォワードプライマーとして51−70F、リバースプライマーとして380−360R−5T(QPrimer−R5’)を使用した。これらのプライマーは、E.coliおよびM.phosphovorusの両方の16S rDNAを増幅できるよう設計した。反応条件等は前記に示した通りである。
3)工程3、4および5:具体的には、下記の「結果と考察」に示した。なお、工程4における標準試料として、M.phosphovorus由来の16S rDNAを用いた。
<QPrimer−PCRおよびQProbe−PCR>
PD−PCRの比較対照として、QPrimerおよびQProbeを用いてリアルタイムPCR法を実施し、2種遺伝子間の構成比を求めた。トータルの16S rDNAは、QPrimer−R5’(380−360R−5T)を用いたリアルタイムPCR法(QPrimer−PCR法)にて実施した。QPrimer−PCR法の反応条件等は、QProbe−G3’を添加していないこと以外、PD−PCRと同様である。2種鋳型を含む溶液中のM.phosphovorusの16S rDNA量は、QProbe−G3’(MP197−178R)を用いたリアルタイムPCR法(QProbe−PCR法)にて測定した。QProbe−PCR法の反応条件等は、リバースプライマーとしてQPrimer−R5’ではなく、非標識の380−360Rを用いたこと以外、PD−PCRと同様である。検量線作成の際は、標準サンプルとして、M.phosphovorusの16S rDNAを、反応チューブ(反応容量:20μL)あたり、4×105、4×106、4×107コピー添加した。QPrimer−PCRおよびQProbe−PCRによる定量は、谷らによって報告されたCt(cycle of threshold)値をベースとした計算法(Journal of Agricultural and Food chemistry, 2005, Vol.53, No.7 p2535−2540)にて行った。
M.phosphovorus 16S rDNAの構成率(%)は、以下の計算式(1)により実施した。
M.phosphovorus 16S rDNA(%)=[N1/N2]×100 (1)
ここで、N1およびN2は、各々、M.phosphovorus 16S rDNAと、トータルの16S rDNAを表す。
2.結果と考察
a. 検量線作成
図4は、PD−PCRにおける各サイクルの蛍光消光率の変化(光学的キャラクターの変化量)を示す。図4のaは、工程2のものであり、図4のbは、工程1および工程4のものである。
蛍光波長:640nmで測定したQPrimer−R5’(QPrimer)の蛍光消光率(RRn)の変化を図4のaに、530nmで測定したQProbe−G3’(QProbe)の蛍光消光率(RGn)の変化を図4のbに、それぞれ示した。QPrimerの蛍光消光率の推移は、トータルの鋳型量(4×105(●)、4×106(△)または4×107(■))に依らず、ほぼ同じであった。トータルの16S rDNA遺伝子は、2種遺伝子間の構成比に関わらず、同じように増幅したと考えられた(図4のa)。一方、QProbeの蛍光推移は、M.phosphovorus由来の16S rDNA遺伝子の構成比およびトータル遺伝子量によって異なった(図4のa)。
以下、工程3を記す。
図5で、各サイクルにおける消光率を比較した。同じRRn値(QPrimerの消光率)で比較した時、M.phosphovorus由来の16S rDNA遺伝子の存在比が高い場合、高いRGn値(QProbeの消光率)が測定された。RRn値に一定のスレショールドラインを設定し(以下、RRT(%)とする。)、そのスレショールド値に達するRGn値(以下、RGTとする。)を以下の計算式(2)より求めた。
RGT=RRT×(RGA−RGB)/(RRA−RRB)+(RRA×RGB−RRB×RGA)/(RRA−RRB) (2)
ここでRGBとRGAはRGn値、RRBとRRAはRRn値であり、RGBとRRBはスレショールド値に達する直前のサイクルにおける値であり、RGAとRRAはスレショールド値に達した直後のサイクルにおける値である。
GTが工程3でいう補正蛍光変化量である。
以下、工程4を記す。
各PD−PCR反応におけるRRT値が12.5%時におけるRGT値を、M.phosphovorusの16S rDNA遺伝子構成率に対して、プロットした(図6a−c)。RGT値の回帰曲線は、トータル遺伝子量(4×105(図6a)、4×106(図6b)、4×107(図6c))に関わらず、RGT値はlog[M.phosphovorus%]に対して直線となった。3つの回帰曲線(図6a−c)は、ほとんど同一であったことから、図6dで示した同一の回帰曲線で表すことができると想定した。この回帰曲線が示す関係式は以下のように表すことができ、この関係式(3)は、トータル遺伝子量が4×104から4×109コピーの範囲で満足することが確認された。
M.phosphovorus%=0.7396×e0.1829×RGT (3)
当該関係式(3)が工程4の関係式である。
トータル遺伝子量が4×103、4×102コピーで、M.phosphovorusの16S rDNA遺伝子の絶対量が少ない時(トータル遺伝子量が2000コピーの時125コピー、トータル遺伝子量が200コピーの時12.5コピー)は、この関係式(3)に当てはまらなかった。よって、今回実施したPD−PCRのモデル系においてはトータル遺伝子量が4×104〜4×109コピー、大腸菌に対して、M.phosphovorus 16S rDNA遺伝子が3.125%〜50%の構成率において、同一の検量線を用いて定量可能であると考えられる(図6d)。
b. PD−PCRおよびCt値をベースとしたリアルタイムPCR法による構成比測定結果の比較
PD−PCRおよびCt値をベースとした一般的なリアルタイムPCR法による構成比測定の結果を、図7に示す。Ct値をベースとした測定では、幾つかのサンプルにおいて(トータル遺伝子量が4×106コピーで、M.phosphovorusの16S rDNA遺伝子構成率が3.125%から6.25%の場合と、トータル遺伝子量が4×105コピーである全てのサンプル)、測定結果が示されていないが、それはM.phosphovorusの16S rDNA遺伝子の測定が、測定範囲より低かったためである。M.phosphovorusの構成率が50%の場合、どちらの方法でも、1.1%から8.0%のエラー率で、正確に推定することができた。しかしながら、M.phosphovorusの構成率が低い場合、M.phosphovorusの構成率は、実際よりも高く見積もられてしまった(図7中のクロカラム、グレーカラム)。PD−PCRの場合、標準偏差(%)は1.1〜20.1%(平均:9.8%)であったが、Ct値をベースとしたリアルタイムPCR法の場合、7.5〜55.0%(平均:9.8%)であった。谷らは、QProbe/QPrimer−PCR法の正確性が、TaqMan法と同等であることを確認している(Journal of Agricultural and Food chemistry, 2005, Vol.53, No.7 p2535−2540)。以上より、遺伝子構成比を求める場合、PD−PCRは、QProbe/QPrimer−PCRやTaqMan法などCt値をベースとしたリアルタイムPCR法よりも、正確であることが示された。
c. PD−PCRの応用
本方法の応用として、M.phosphovorusのゲノムサイズをPD−PCRにより定量した。E.coli K12株は、16S rDNAがゲノム中に7コピー存在し、ゲノムサイズも4.64Mbpであることが分かっている。本発明者らは、M.phosphovorus NM1株の16S rDNA遺伝子のゲノムあたりのコピー数が、1コピーであることを明らかにしたが、そのゲノムサイズはまだ明らかとなっていなかった。ゲノムあたりの16S rDNA遺伝子のコピー数をベースとして、Ct値をベースとしたリアルタイムPCR法により16S rDNA遺伝子のコピー数を見積もることや、PD−PCRにより、ゲノムサイズが既知の生物をリファレンスとして、16S rDNA遺伝子のコピーの構成率を見積もることによって、ゲノムサイズが未知の生物についても、そのゲノムサイズを見積もることが可能であると考えられる。
表3−2は、QPrimer−PCRにより16S rDNA遺伝子のコピー数を測定することによって推定したE.coliM.phosphovorusのゲノムサイズを示している。この方法により、E.coliゲノムサイズは、400pg DNAを鋳型とした時は2.3Mbp、4ng DNAを鋳型とした時は3.6Mbpと推定された。これは、E.coliの実際のゲノムサイズが、4.64Mbpであるので、低く見積もられたこととなる。これは、E.coliの16S rDNA遺伝子のコピー数が高く定量されたためである。M.phosphovorusのゲノムサイズは、400pg DNAを鋳型とした時は11.0Mbp、4ng DNAを鋳型とした時は14.8Mbpと推定されたが、他のActinobacteriaがそのような大きなゲノムサイズを有していないこと(Bifidobacterium longum:2.26Mbp、Corynebacterium diphtheriae:2.49Mbp、C.efficiens:3.15Mbp、C.glutamicum:3.28Mbpもしくは3.31Mbp、Corynebacterium jeikeium:2.46Mbp、Leifsonia xyli:2.58Mbp、Mycobacterium bovis:4.35Mbp、Mycobacterium leprae:3.27Mbp、M.tuberculosis:4.41Mbp、Nocardia farcinica:6.02Mbp、Propionibacterium acnes:2.56Mbp、Streptomyces avermitilis:9.03Mbp、S.coelicolor:8.67Mbp、Symbiobacterium thermophilum:3.57MbpまたはTropheryma whipplei:0.926〜0.927Mbp)から、この推定値はおそらく正確ではないと考えられる。よって、この場合、M.phosphovorusのゲノムサイズは過大に評価されたと推察された。この問題に加えて、QPrimer−PCRの場合、初期添加した鋳型量によって、16S rDNA遺伝子数の定量値が変化した(表3−1、3−2)。以上より、Ct値をベースとしたリアルタイムPCR法により16S rDNAを定量する手法は、ゲノムサイズを推定する手法として適さないことが明らかとなった。
表3−1は、PD−PCRによって、M.phosphovorusE.coliの構成率の推定値を示している。表3−2に示したように、280pgの大腸菌ゲノムと120pgのM.phosphovorusを含むゲノム混合液と、2.8ngの大腸菌ゲノムと1.2ngのM.phosphovorusを含むゲノム混合液を対象として、PD−PCRを実施した結果、M.phosphovorusの16S rDNA遺伝子は、それぞれ3.55%、4.3%含まれると推定された。また、160pgの大腸菌ゲノムと240pgのM.phosphovorusを含むゲノム混合液と、1.6ngの大腸菌ゲノムと2.4ngのM.phosphovorusを含むゲノム混合液を対象として、PD−PCRを実施した結果、M.phosphovorusの16S rDNA遺伝子は、それぞれ13.45%、15.89%含まれると推定された。このようにサンプルが異なっても、得られる結果は、比較的近い遺伝子構成率が得られた。E.coliのゲノムサイズ(ゲノムサイズ:4.64Mbp、1ゲノムあたりの16S rDNA遺伝子数:7コピー)とM.phosphovorusの1ゲノムあたりの16S rDNA遺伝子数(1コピー)より、M.phosphovorusのゲノムサイズを計算した結果、7.7Mbp、6.3Mbp、6.4Mbpまたは5.4Mbpと算出された(表3−2)。M.phosphovorusのゲノムサイズに関しては、正しい答えは調べられていないが、この値は他の近縁微生物から考えて妥当であり、定量値も収束した。
Figure 0004978924

Figure 0004978924
以上の結果より、PD−PCRは、Ct値をベースとしたリアルタイムPCR法の弱点を補う新しい遺伝子解析手法であり、遺伝子の構成比を求める際の正確性は、PD−PCRによって大きく改善されることが明らかとなった。
本発明を活用することによって、環境中の複雑な場所に住んでいる微生物の種の構成比または量の測定が簡便に測定できるようになる。従って、ある環境の微生物の生態の解析が簡便・容易にできるようになる。さらに、ゲノム遺伝子中のコピー数や、ゲノムサイズを簡便・容易に測定することができる。
本発明の原理を説明する図 本発明の原理を説明する図 本発明の原理を説明する図 本発明の遺伝子構成比測定方法の工程1および工程2のPD−PCRの蛍光強度変化の曲線 本発明の遺伝子構成比測定方法の工程1および工程2における蛍光消光率の対応プロット曲線(4×107copy/20μL reaction) 本発明の遺伝子構成比測定方法の工程4における検量線作成例 (a):4×105、(b):4×106、(c)4×107、(d):(a)、(b)、(c)を合体した検量線 既知の遺伝子構成比に実測値との関係を示す図(従来技術定量的PCR方法と本発明の遺伝子構成比測定方法との比較)

Claims (6)

  1. 測定系の2種類の遺伝子を、蛍光色素で標識された1種または2種以上の均一溶液系核酸プローブを用いて増幅させ、測定系の光学的キャラクター変化量を測定し、当該変化量に基づいて、遺伝子構成比を測定する定量的PCR方法において、以下の工程(1)〜(5)を含むことを特徴とする遺伝子構成比の測定方法。
    (1)2種類の遺伝子のどちらか一方に相補し、蛍光色素で標識された、1種または2種以上の均一溶液系核酸プローブを当該相補する遺伝子にハイブリダイズさせ、当該遺伝子を増幅させて増幅過程において発生するその光学的キャラクター変化量を測定し、得られた変化量に基づいて遺伝子の増幅過程をモニタリングする工程。
    (2)2種類の遺伝子に同時に相補し、蛍光色素で標識された、前記工程(1)のものとは異なった1種または2種以上の均一溶液系核酸プローブを、2種類の遺伝子にハイブダイズリさせ、当該2種類の遺伝子を増幅させ、増幅過程において発生する光学的キャラクター変化量を測定し、得られた変化量に基づいて、当該2種類の遺伝子の増幅過程をモニタリングする工程。
    (3)前記工程(2)の光学的キャラクター変化量が、一定値に達したときの前記工程(1)の光学的キャラクター変化量(以下、補正蛍光変化量と呼ぶ)を測定する工程。
    (4)2種類の標準遺伝子を種々な構成比で含む複数の試料について、工程(1)〜(3)を実施し、各標準試料における補正蛍光変化量を測定し、当該測定値と遺伝子構成比との関係式を求める工程。
    (5)未知試料について工程(1)〜(3)を実施し、各未知試料における補正蛍光変化量を測定し、当該測定値と、工程(4)で得られた関係式より、未知試料における遺伝子構成比を測定する工程。
  2. 2種類の遺伝子を標的遺伝子および内部標準遺伝子として、内部標準遺伝子を未知試料に既知量添加して得た試料について、次の工程(a)〜(b)を実施して、未知試料中の標的遺伝子量を測定することを特徴とする標的遺伝子量測定方法。
    (a)前記請求項1に記載の工程(1)〜(5)を実施して、標的核酸と内部標準遺伝子との構成比を測定する工程。
    (b)当該構成比と内部標準遺伝子の添加量から標的遺伝子量を測定する工程。
  3. 工程(1)および工程(2)のいずれか一方若しくは双方の均一溶液系核酸プローブが、蛍光消光核酸プローブである請求項1に記載の遺伝子構成比測定方法。
  4. 工程(1)および工程(2)のいずれか一方若しくは双方の均一溶液系核酸プローブが、蛍光消光核酸プライマーである請求項1に記載の遺伝子構成比測定方法。
  5. 遺伝子増幅法が、PCR法である請求項1に記載の遺伝子構成比測定法。
  6. 以下の工程1)〜2)を含むことを特徴とするゲノムDNAのゲノムサイズを測定する方法。
    1)既知のゲノムサイズおよびゲノムコピーを有するDNAゲノム(A)および既知のゲノムコピー数を有し、未知ゲノムサイズの標的DNAゲノム(B)の混合液を用いて、前記請求項1に記載の遺伝子構成比測定方法により、遺伝子構成比を測定する工程。
    2)Aのゲノムサイズと、工程1)で得られた遺伝子構成比とから、Bのゲノムサイズを測定する工程。
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