JP2005261354A - 核酸の蛍光検出法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡便な核酸の蛍光検出法を提供する。
【解決手段】 下記から選ばれる蛍光色素で末端が標識されたハイブリダイゼーションプローブと標的核酸とのハイブリッドの形成または解離による蛍光強度の変化を測定し、その変化に基づき標的核酸を検出することを含む標的核酸の検出方法。
6-カルボキシテトラメチルローダミン(TAMRA)
4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-プロピオン酸(BODIPY FL)
6-カルボキシ-4',5'-ジクロロ-2',7'-ジメトキシフルオレセイン(JOE)
5-カルボキシフルオレセイン(FAM)
5-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)
[(3,6,8-トリスルホ-1-ピレニル)オキシ]アセトヒドラジド(Cascade Blue)
【選択図】 図10
【解決手段】 下記から選ばれる蛍光色素で末端が標識されたハイブリダイゼーションプローブと標的核酸とのハイブリッドの形成または解離による蛍光強度の変化を測定し、その変化に基づき標的核酸を検出することを含む標的核酸の検出方法。
6-カルボキシテトラメチルローダミン(TAMRA)
4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-プロピオン酸(BODIPY FL)
6-カルボキシ-4',5'-ジクロロ-2',7'-ジメトキシフルオレセイン(JOE)
5-カルボキシフルオレセイン(FAM)
5-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)
[(3,6,8-トリスルホ-1-ピレニル)オキシ]アセトヒドラジド(Cascade Blue)
【選択図】 図10
Description
本発明は、核酸の蛍光検出法に関する。より詳しくは、蛍光物質により標識されたハイブリダイゼーションプローブを用いる核酸の検出方法に関する。
蛍光物質により標識されたハイブリダイゼーションプローブを用いる核酸の検出方法として、例えば、核酸の定量方法(例えば、リアルタイムPCR法)や一塩基多型(SNP)などの変異の検出方法(例えば、融解曲線分析)などが知られている。
これらの方法で用いる蛍光標識ハイブリダイゼーションプローブは、ハイブリダイズした状態(ハイブリダイズした後に切断された状態も含む)と遊離状態との間で蛍光強度が変化するものが用いられており、この変化を測定することにより検出が行われている。代表的なものは、FRET(fluorescence resonance energy transfer)を利用したプローブであり、このようなプローブの例としては、TaqMan(商標)プローブ、分子ビーコンなどが知られている。
FRETを利用したプローブでは、リポーター色素とクエンチャー色素の二種の蛍光色素を用いる必要があり、プローブの設計が複雑である。そのため、より簡便に核酸を定量するために、蛍光色素で標識された核酸プローブが標的核酸にハイブリダイズしたときに、蛍光色素の発光が減少する現象を利用した、1種の蛍光色素を用いる核酸プローブが提案されている(特許文献1、非特許文献1)。
蛍光色素で標識された核酸プローブが標的核酸にハイブリダイズしたときに、蛍光色素の発光が減少する現象については、非特許文献2にも記載がある。また、非特許文献2には、Alexa 350、Pacific Blue、Alexa 488、Cy3およびAlexa 568により標識したプローブについて、ハイブリダイズしたときに蛍光色素の発光が増大する場合もあることが記載されている。
特開2002−119291号公報
アナリティカル・サイエンス(Analytical Sciences)、2001年、第17巻、155−160頁
ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(Nucleic Acids Research)、2002年、第30巻、e122頁
本発明の課題は、用いるハイブリダイゼーションプローブの調製が簡便な核酸の蛍光検出法を提供することを課題とする。
本発明者は、特定の蛍光色素を用いると、蛍光色素で標識されたハイブリダイゼーションプローブが標的核酸にハイブリダイズしたときに蛍光強度が顕著に増加し得ることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、以下のものを提供する。
本発明は、以下のものを提供する。
(1)下記から選ばれる蛍光色素で末端が標識されたハイブリダイゼーションプローブと標的核酸とのハイブリッドの形成または解離による蛍光強度の変化を測定し、その変化
に基づき標的核酸を検出することを含む標的核酸の検出方法。
6-カルボキシテトラメチルローダミン(TAMRA)
4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-プロピオン酸(BODIPY FL)
6-カルボキシ-4',5'-ジクロロ-2',7'-ジメトキシフルオレセイン(JOE)
5-カルボキシフルオレセイン(FAM)
5-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)
[(3,6,8-トリスルホ-1-ピレニル)オキシ]アセトヒドラジド(Cascade Blue)
に基づき標的核酸を検出することを含む標的核酸の検出方法。
6-カルボキシテトラメチルローダミン(TAMRA)
4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-プロピオン酸(BODIPY FL)
6-カルボキシ-4',5'-ジクロロ-2',7'-ジメトキシフルオレセイン(JOE)
5-カルボキシフルオレセイン(FAM)
5-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)
[(3,6,8-トリスルホ-1-ピレニル)オキシ]アセトヒドラジド(Cascade Blue)
(2)蛍光色素で標識されたハイブリダイゼーションプローブを用いるリアルタイムPCR法であって、前記プローブが、下記から選ばれる蛍光色素で末端が標識されたハイブリダイゼーションプローブであるリアルタイムPCR法。
6-カルボキシテトラメチルローダミン(TAMRA)
4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-プロピオン酸(BODIPY FL)
6-カルボキシ-4',5'-ジクロロ-2',7'-ジメトキシフルオレセイン(JOE)
5-カルボキシフルオレセイン(FAM)
5-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)
[(3,6,8-トリスルホ-1-ピレニル)オキシ]アセトヒドラジド(Cascade Blue)
6-カルボキシテトラメチルローダミン(TAMRA)
4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-プロピオン酸(BODIPY FL)
6-カルボキシ-4',5'-ジクロロ-2',7'-ジメトキシフルオレセイン(JOE)
5-カルボキシフルオレセイン(FAM)
5-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)
[(3,6,8-トリスルホ-1-ピレニル)オキシ]アセトヒドラジド(Cascade Blue)
(3)蛍光色素で標識されたハイブリダイゼーションプローブを用いる融解曲線分析法であって、前記プローブが、下記から選ばれる蛍光色素で末端が標識されたハイブリダイゼーションプローブである融解曲線分析法。
6-カルボキシテトラメチルローダミン(TAMRA)
4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-プロピオン酸(BODIPY FL)
6-カルボキシ-4',5'-ジクロロ-2',7'-ジメトキシフルオレセイン(JOE)
5-カルボキシフルオレセイン(FAM)
5-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)
[(3,6,8-トリスルホ-1-ピレニル)オキシ]アセトヒドラジド(Cascade Blue)
6-カルボキシテトラメチルローダミン(TAMRA)
4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-プロピオン酸(BODIPY FL)
6-カルボキシ-4',5'-ジクロロ-2',7'-ジメトキシフルオレセイン(JOE)
5-カルボキシフルオレセイン(FAM)
5-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)
[(3,6,8-トリスルホ-1-ピレニル)オキシ]アセトヒドラジド(Cascade Blue)
本発明によれば、ハイブリダイゼーションプローブが一種の蛍光色素で標識されているので、二種の蛍光色素で標識されたプローブや、リポーター色素およびクエンチャー色素でそれぞれ標識された2つのプローブを用いる場合に比較して、容易にプローブを調製することができる。したがって、簡単で安価な核酸の蛍光検出法が提供できる。
本発明の検出法は、下記から選ばれる蛍光色素で末端が標識されたハイブリダイゼーションプローブと標的核酸とのハイブリッドの形成または解離による蛍光強度の変化を測定し、その変化に基づき標的核酸を検出することを特徴とする。
6-カルボキシテトラメチルローダミン(TAMRA)
4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-プロピオン酸(BODIPY FL)
6-カルボキシ-4',5'-ジクロロ-2',7'-ジメトキシフルオレセイン(JOE)
5-カルボキシフルオレセイン(FAM)
5-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)
[(3,6,8-トリスルホ-1-ピレニル)オキシ]アセトヒドラジド(Cascade Blue)
6-カルボキシテトラメチルローダミン(TAMRA)
4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-プロピオン酸(BODIPY FL)
6-カルボキシ-4',5'-ジクロロ-2',7'-ジメトキシフルオレセイン(JOE)
5-カルボキシフルオレセイン(FAM)
5-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)
[(3,6,8-トリスルホ-1-ピレニル)オキシ]アセトヒドラジド(Cascade Blue)
本発明の検出法は、上記の蛍光色素で末端が標識されたハイブリダイゼーションプロー
ブ(以下、本発明プローブともいう)を用い、また、蛍光強度の変化の測定およびその変化に基づく標的核酸の検出を、ハイブリッドが形成されたときに蛍光強度が増加することを考慮して行うことの他は、蛍光色素で標識されたハイブリダイゼーションプローブを用いる通常の標的核酸の検出法と同様でよい。本発明の検出法における検出とは定量も包含する。
ブ(以下、本発明プローブともいう)を用い、また、蛍光強度の変化の測定およびその変化に基づく標的核酸の検出を、ハイブリッドが形成されたときに蛍光強度が増加することを考慮して行うことの他は、蛍光色素で標識されたハイブリダイゼーションプローブを用いる通常の標的核酸の検出法と同様でよい。本発明の検出法における検出とは定量も包含する。
本発明プローブの塩基配列は、本発明のプローブの蛍光色素の蛍光強度が、ハイブリッドが形成されたときに増加するように選択される他は、通常のハイブリダイゼーションプローブの設計方法にしたがって決定することができる。通常のハイブリダイゼーションプローブの設計方法には、特定用途のハイブリダイゼーションプローブ(例えば、リアルタイムPCR用のプローブ、融解曲線分析法用のプローブ)の設計方法も包含される。
本発明プローブの蛍光色素の蛍光強度が、ハイブリッドが形成されたときに増加するような塩基配列の選択は、検出の対象とする標的核酸の塩基配列に対して、周知の消光の条件(例えば、対面に存在するグアニン塩基など)などを考慮して、後記実施例に示すようなルーチン的な手法により検討することで行うことができる。
本発明プローブの蛍光色素の蛍光強度が、ハイブリッドが形成されたときに増加する限り、蛍光色素の結合位置は5’末端および3’末端のいずれでもよく、また、プローブの末端または途中に標的核酸の塩基配列に対合しない部分(通常には1〜3塩基)があってもよい。本発明プローブの長さは、通常には、15〜30塩基である。本発明プローブの蛍光色素は、好ましくは、TAMRAまたはBODIPY FLである。
本発明は、本発明の検出法を利用するリアルタイムPCR法および融解曲線分析法も提供する。
リアルタイムPCR法は、本発明プローブをハイブリダイゼーションプローブとして用いて、その蛍光色素の蛍光を測定する他は通常の方法に従って行うことができる。通常には、本発明プローブの存在下でPCRを行い、本発明プローブの蛍光色素の蛍光強度を測定することにより行われる。
PCRに用いるプライマー対は、本発明プローブがハイブリダイゼーションできる領域が増幅されるようにする他は、通常のPCRにおけるプライマー対の設定方法と同様にして設定することができる。プライマーの長さおよびTmは、通常には、12mer〜40merで40〜70℃、好ましくは16mer〜30merで55〜60℃である。プライマー対の各プライマーの長さは同一でなくてもよいが、両プライマーのTmはほぼ同一(通常には、相違が2℃以内)であることが好ましい。なお、Tm値は最近接塩基対(Nearest Neighbor)法により算出した値である。用いるプローブに応じて、プライマーのTmやPCRの反応条件を調整することは当業者であれば容易である。
また、代表的な温度サイクルを挙げれば、以下の通りであり、この温度サイクルを通常25〜40回繰り返す。
(1) 変性、90〜98℃、1〜60秒
(2) アニーリング、50〜70℃、10〜60秒
(3) 伸長、60〜75℃、10〜180秒
(1) 変性、90〜98℃、1〜60秒
(2) アニーリング、50〜70℃、10〜60秒
(3) 伸長、60〜75℃、10〜180秒
アニーリングおよび伸長を一ステップで行う場合には、50〜70℃、10〜180秒の条件が挙げられる。
融解曲線分析法(Tm解析)は、本発明プローブをハイブリダイゼーションプローブとして用いて、その蛍光色素の蛍光を測定する他は通常の方法に従って行うことができる。通常には、本発明プローブを標的核酸にハイブリダイズさせ、温度を上昇させながら本発明プローブの蛍光色素の蛍光強度を測定して融解曲線を得、融解曲線に基づき標的核酸の分析が行われる。
蛍光の測定は、蛍光色素に応じた波長の励起光を用い発光波長の光を測定することに行うことができる。Tm解析における昇温速度は、通常には、0.1〜1℃/秒である。Tm解析を行うときの反応液の組成は、本発明プローブとその塩基配列に相補的な配列を有する核酸とのハイブリダイゼーションが可能であれば特に制限されないが、通常には、一価の陽イオン濃度が1.5〜5 mM、pHが7〜9である。PCR等のDNAポリメラーゼを用いる増幅方法の反応液は、通常、この条件を満たすので、増幅後の反応液をそのままTm解析に用いることができる。
本発明プローブの塩基配列を一塩基多型を含む部分に設定することによって、Tm解析により変異を検出することができる。Tm解析の結果に基づく変異の検出は通常の方法に従って行うことができる。ここで検出とは、変異の有無の検出の他、変異型DNAの定量、正常型DNAと変異型DNAの割合の測定も包含する。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。
条件検討1
末端に蛍光色素(TAMRA)が結合したオリゴヌクレオチドからなる核酸プローブ、ならびに、核酸プローブと相補的な配列を含む標的配列、および、相補的な配列において核酸プローブの蛍光色素が結合した末端側の1、2または3塩基が核酸プローブと対合しないよ
うにした標的配列を有するオリゴヌクレオチド(人工合成オリゴ)を合成した(表2)。なお、3'末端の(P)は、リン酸化されていることを示す(以降の表において同じ)。
末端に蛍光色素(TAMRA)が結合したオリゴヌクレオチドからなる核酸プローブ、ならびに、核酸プローブと相補的な配列を含む標的配列、および、相補的な配列において核酸プローブの蛍光色素が結合した末端側の1、2または3塩基が核酸プローブと対合しないよ
うにした標的配列を有するオリゴヌクレオチド(人工合成オリゴ)を合成した(表2)。なお、3'末端の(P)は、リン酸化されていることを示す(以降の表において同じ)。
表2に示す組成を有する蛍光測定用溶液を調製し、Smart Cycler System (Cepheid社製)を用いて、表2に示す条件で温度を変化させ、蛍光を測定した。
結果を図1に示す。図1は、測定値を、高温側(プローブ遊離後)の、傾きが一定になった範囲の値をコントロールと同じになるように数値の差をとって補正して示した曲線である。
1、2または3塩基不一致の場合に、融解温度付近で急激な蛍光強度の低下が認められた。蛍光強度の変化は、3、2、1塩基不一致の順に大きくなっていたが、完全不一致の場合には、蛍光強度の低下が認められなかった。
末端部が蛍光色素により標識されたプローブが標的核酸にハイブリダイゼーションしたとき、末端部分においてプローブ−核酸ハイブリッドの複数塩基対が少なくとも一つのGとCのペアを形成するように設計された消光プローブが知られており(特開2002−119291号公報)、本実施例で用いた核酸プローブはこの条件を満たすので、蛍光色素と、標的配列のグアニンとの相互作用により消光が認められたと推定された。
条件検討2
実施例1での推定を確認するため、消光プローブの条件を満たさない核酸プローブ、及び、それに対応する人工合成オリゴ(表3参照)を調製して用いた他は、実施例1と同様に蛍光の測定を行った。
実施例1での推定を確認するため、消光プローブの条件を満たさない核酸プローブ、及び、それに対応する人工合成オリゴ(表3参照)を調製して用いた他は、実施例1と同様に蛍光の測定を行った。
結果を図2に示す。図2は、測定値を補正せずに示した曲線である。完全一致の場合でも急激な蛍光強度の低下が認められ、実施例1での推定が正しいことが証明された。
条件検討3
核酸プローブ及び標的配列ならびに測定用溶液の組成を変更して実施例1と同様の測定を行った。すなわち、末端に蛍光色素(TAMRA)が結合したオリゴヌクレオチドからなる核酸プローブ、ならびに、核酸プローブと相補的な配列を含む標的配列、および、相補的な配列において核酸プローブの蛍光色素が結合した末端側の1、2または3塩基が核酸プローブと対合しないようにした標的配列を有するオリゴヌクレオチド(人工合成オリゴ)を合成した(表4)。表4に示す組成を有する蛍光測定用溶液を調製し、Smart Cycler System (Cepheid社製)を用いて、表4に示す条件で温度を変化させ、蛍光を測定した。
核酸プローブ及び標的配列ならびに測定用溶液の組成を変更して実施例1と同様の測定を行った。すなわち、末端に蛍光色素(TAMRA)が結合したオリゴヌクレオチドからなる核酸プローブ、ならびに、核酸プローブと相補的な配列を含む標的配列、および、相補的な配列において核酸プローブの蛍光色素が結合した末端側の1、2または3塩基が核酸プローブと対合しないようにした標的配列を有するオリゴヌクレオチド(人工合成オリゴ)を合成した(表4)。表4に示す組成を有する蛍光測定用溶液を調製し、Smart Cycler System (Cepheid社製)を用いて、表4に示す条件で温度を変化させ、蛍光を測定した。
結果を図3及び4に示す。図3は測定値を補正せずに示した曲線である。図4は、図3の測定値の1次微分曲線である。
核酸プローブ及び標的配列ならびに測定用溶液の組成が異なっても、実施例1と同様の傾向が認められた。
条件検討4
標識塩基及びその対面塩基の組み合わせについて検討を行った。
標識塩基及びその対面塩基の組み合わせについて検討を行った。
標識塩基及びその対面塩基において4種の塩基をそれぞれ有する核酸プローブ、及び、それに対応する人工合成オリゴ(表5参照)を調製して用いた他は、実施例1と同様に蛍光の測定を行った。
結果を図5〜8に示す。図5〜8は、測定値を、実施例1と同様に補正して示した曲線である。
消光の条件が満たされる場合(対面にGがある場合)を除き、融解温度付近で急激な蛍光強度の低下が認められた。
実施例1〜4の結果から、消光の条件を考慮して、核酸プローブの塩基配列を選択することにより、標的配列を有する核酸と対合したときに蛍光強度が増加する核酸プローブが調製可能なことが確認された。
蛍光色素種類検討1
表6に示すように、蛍光色素の種類を変えた核酸プローブを用い、測定用溶液の組成及び測定条件を蛍光色素の種類に応じて変更した他は、実施例4と同様にして蛍光の測定を行った。
表6に示すように、蛍光色素の種類を変えた核酸プローブを用い、測定用溶液の組成及び測定条件を蛍光色素の種類に応じて変更した他は、実施例4と同様にして蛍光の測定を行った。
結果を図9〜14に示す。図9〜14は、測定値を、実施例1と同様に補正して示した曲線である。
いずれの蛍光色素を用いた場合でも、標的配列を有する核酸と対合したときに蛍光強度が増加する条件が存在し、したがって、これらの蛍光色素を用いた場合、標的配列を有す
る核酸と対合したときに蛍光強度が増加する核酸プローブが調製可能なことが確認された。
る核酸と対合したときに蛍光強度が増加する核酸プローブが調製可能なことが確認された。
蛍光色素種類検討2
末端に蛍光色素(Cascade Blue)が結合したオリゴヌクレオチドからなる核酸プローブ、ならびに、核酸プローブと相補的な配列を含む標的核酸を準備した(表7)。
末端に蛍光色素(Cascade Blue)が結合したオリゴヌクレオチドからなる核酸プローブ、ならびに、核酸プローブと相補的な配列を含む標的核酸を準備した(表7)。
表7に示す組成を有する蛍光測定用溶液を調製し、蛍光・燐光分光光度計LB-50B(Perkin Elmer社製)を用いて、表7に示す条件で蛍光を測定した。
相補鎖が存在する場合および存在しない場合の測定結果を表8に示す。Cascade Blueを用いた場合でも、標的配列を有する核酸と対合したときに蛍光強度が増加する条件が存在し、したがって、この蛍光色素を用いた場合、標的配列を有する核酸と対合したときに蛍光強度が増加する核酸プローブが調製可能なことが確認された。
リアルタイム検討1
シトクロムP450の分子種CYP2C19の遺伝子のcDNAの681位(配列番号22の塩基番号200)のGがAに置換する変異(G681A変異)に関しTm解析を行うために、PCR用プライマー、および、末端に蛍光色素(TAMRA)が結合したオリゴヌクレオチドからなる核酸プローブ(1)〜(2)を調製した(表9)。
シトクロムP450の分子種CYP2C19の遺伝子のcDNAの681位(配列番号22の塩基番号200)のGがAに置換する変異(G681A変異)に関しTm解析を行うために、PCR用プライマー、および、末端に蛍光色素(TAMRA)が結合したオリゴヌクレオチドからなる核酸プローブ(1)〜(2)を調製した(表9)。
表10に示す組成を有する反応液を調製し、Smart Cycler System (Cepheid社製)を用いて、表10に示す温度条件でリアルタイムPCR及びTm解析を行った。サンプルとして精製ヒトゲノム(GFX Genomic Blood DNA Purification Kitにて全血から抽出、100〜10000コピー/反応液)を用いた。また、蛍光測定の条件は励起光波長が527nm〜555nm、測定蛍光波長が565nm〜605nmであった。
核酸プローブ(1)を用いたときの結果を図15〜17に示す。図15は、リアルタイムPCRにおける測定値を、測定装置(Smart Cycler System)の自動補正機能により補正して示した曲線である。図16はTm解析における測定値の曲線(補正なし)である。図17は、図16の測定値の1次微分曲線である。
核酸プローブ(2)を用いたときの結果を図18〜20に示す。図18は、リアルタイムPCRにおける測定値を、上記と同様に補正して示した曲線である。図19はTm解析における測定値の曲線(補正なし)である。図20は、図19の測定値の1次微分曲線である。
本実施例の核酸プローブ(1)および(2)は、リアルタイムPCR及びTm解析における核酸プローブとして使用できることが確認された。
リアルタイム検討2
シトクロムP450の分子種CYP2C19の遺伝子のcDNAの636位(配列番号27の塩基番号302)のGがAに置換する変異(G636A変異)に関しTm解析を行うために、PCR用プライマー、および、末端に蛍光色素(TAMRA)が結合したオリゴヌクレオチドからなる核酸プローブ(1)〜(2)を調製した(表11)。
シトクロムP450の分子種CYP2C19の遺伝子のcDNAの636位(配列番号27の塩基番号302)のGがAに置換する変異(G636A変異)に関しTm解析を行うために、PCR用プライマー、および、末端に蛍光色素(TAMRA)が結合したオリゴヌクレオチドからなる核酸プローブ(1)〜(2)を調製した(表11)。
表12に示す組成を有する反応液を調製し、Smart Cycler System (Cepheid社製)を用いて、表12に示す条件でリアルタイムPCR及びTm解析を行った。サンプルとして精製ヒトゲノム(GFX Genomic Blood DNA Purification Kitにて全血から抽出、100〜10000コピー/反応液)を用いた。また、蛍光測定の条件は、励起光波長が527nm〜555nm、測定蛍光波長が565nm〜605nmであった。
核酸プローブ(1)を用いたときの結果を図21〜23に示す。図21は、リアルタイムPCRにおける測定値を、実施例7と同様に補正して示した曲線である。図22はTm解析における測定値の曲線(補正なし)である。図23は、図22の測定値の1次微分曲線である。
核酸プローブ(2)を用いたときの結果を図24〜26に示す。図24は、リアルタイムPCRにおける測定値を、実施例7と同様に補正して示した曲線である。図25はTm解析における測定値の曲線(補正なし)である。図26は、図25の測定値の1次微分曲線である。
本実施例の核酸プローブ(1)および(2)は、リアルタイムPCR及びTm解析における核酸プローブとして使用できることが確認された。
SNP検出検討1
CYP2C19遺伝子のG681A変異によるSNPの検出について検討した。
CYP2C19遺伝子のG681A変異によるSNPの検出について検討した。
表13に示す核酸プローブ及び温度条件を用い、ならびに、サンプルとして、RFLP法に
よりワイルドタイプ、ミュータントタイプまたはヘテロタイプとそれぞれ確認された精製ヒトゲノム(GFX Genomic Blood DNA Purification Kitにて全血から抽出)を用いる他は、実施例7と同様にして、リアルタイムPCR及びTm解析を行った。
よりワイルドタイプ、ミュータントタイプまたはヘテロタイプとそれぞれ確認された精製ヒトゲノム(GFX Genomic Blood DNA Purification Kitにて全血から抽出)を用いる他は、実施例7と同様にして、リアルタイムPCR及びTm解析を行った。
結果を図27及び28に示す。図27はTm解析における測定値の曲線(補正なし)である。図28は、図27の測定値の1次微分曲線である。
本実施例の核酸プローブを用いることにより、CYP2C19遺伝子のG681A変異によるSNPを検出できることが確認された。
SNP検出検討2
β3アドレナリン受容体(β3ar)遺伝子のTrp64Arg変異のSNPの検出について検討した。
β3アドレナリン受容体(β3ar)遺伝子のTrp64Arg変異のSNPの検出について検討した。
このSNPに関しTm解析を行うために、PCR用プライマー、および、末端に蛍光色素(TAMRA)が結合したオリゴヌクレオチドからなる核酸プローブ(1)〜(4)を調製した(表14および15)。
表16に示す組成を有する反応液を調製し、Smart Cycler System (Cepheid社製)を用いて、表16に示す温度条件でリアルタイムPCR及びTm解析を行った。サンプルとして、RFLP法で、ワイルドタイプ、ミュータントタイプまたはヘテロタイプとそれぞれ確認された精製ヒトゲノム(GFX Genomic Blood DNA Purification Kitにて全血から抽出)を用いた。また、蛍光測定の条件は励起光波長が527nm〜555nm、測定蛍光波長が565nm〜605nmであった。
核酸プローブ(1)を用いたときの結果を図29及び30に示す。図29は、測定値を実施例7と同様に補正して示した曲線である。図30は、図29の測定値の1次微分曲線である。
核酸プローブ(2)を用いたときの結果を図31及び32に示す。図31は、測定値を実施例7と同様に補正して示した曲線である。図32は、図31の測定値の1次微分曲線である。
核酸プローブ(3)を用いたときの結果を図33及び34に示す。図33は、測定値を実施例7と同様に補正して示した曲線である。図34は、図33の測定値の1次微分曲線である。
核酸プローブ(4)を用いたときの結果を図35及び36に示す。図35は、測定値を実施例7と同様に補正して示した曲線である。図36は、図35の測定値の1次微分曲線である。
上記の結果から、核酸プローブ(1)を用いることにより、β2ar遺伝子のTrp64Arg変異によるSNPを検出できることが判明した。したがって、β3ar遺伝子のTrp64Arg変異によるSNPを検出できる核酸プローブを選択できることが確認された。
Claims (3)
- 下記から選ばれる蛍光色素で末端が標識されたハイブリダイゼーションプローブと標的核酸とのハイブリッドの形成または解離による蛍光強度の変化を測定し、その変化に基づき標的核酸を検出することを含む標的核酸の検出方法。
6-カルボキシテトラメチルローダミン(TAMRA)
4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-プロピオン酸(BODIPY FL)
6-カルボキシ-4',5'-ジクロロ-2',7'-ジメトキシフルオレセイン(JOE)
5-カルボキシフルオレセイン(FAM)
5-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)
[(3,6,8-トリスルホ-1-ピレニル)オキシ]アセトヒドラジド(Cascade Blue) - 蛍光色素で標識されたハイブリダイゼーションプローブを用いるリアルタイムPCR法であって、前記プローブが、下記から選ばれる蛍光色素で末端が標識されたハイブリダイゼーションプローブであるリアルタイムPCR法。
6-カルボキシテトラメチルローダミン(TAMRA)
4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-プロピオン酸(BODIPY FL)
6-カルボキシ-4',5'-ジクロロ-2',7'-ジメトキシフルオレセイン(JOE)
5-カルボキシフルオレセイン(FAM)
5-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)
[(3,6,8-トリスルホ-1-ピレニル)オキシ]アセトヒドラジド(Cascade Blue) - 蛍光色素で標識されたハイブリダイゼーションプローブを用いる融解曲線分析法であって、前記プローブが、下記から選ばれる蛍光色素で末端が標識されたハイブリダイゼーションプローブである融解曲線分析法。
6-カルボキシテトラメチルローダミン(TAMRA)
4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-プロピオン酸(BODIPY FL)
6-カルボキシ-4',5'-ジクロロ-2',7'-ジメトキシフルオレセイン(JOE)
5-カルボキシフルオレセイン(FAM)
5-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)
[(3,6,8-トリスルホ-1-ピレニル)オキシ]アセトヒドラジド(Cascade Blue)
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- 2004-03-19 JP JP2004080974A patent/JP2005261354A/ja active Pending
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