JP4978897B2 - 可動連結式手摺装置 - Google Patents

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Description

本発明は、隣り合う躯体などの固定部間に設けられる可動連結式手摺装置に関する。
従来、この種のものとして、横枠杆と縦枠杆とを有した一の手摺ユニットと、これと並置する別の手摺ユニットとを、隣接ユニットの正背面の少なくとも一部が重なり状態となるように並置するとともに、隣接ユニットの横枠杆の対向側面を、中拡開状の凹陥溝と対応する膨頭状の嵌合突部とからなる長手方向スライド構造を介してスライド可能に連結して、二連以上の並置ユニットを形成し、この左右両端の縦枠杆を隣接躯体側にそれぞれ変動吸収可能に接続した構成を有する手摺型エキスパンションジョイントにおいて、隣接ユニットが対向する側の横枠杆の側面に中拡開状の凹陥溝を形成し、この対向した凹陥溝の一方に、凹陥溝形に略対応する膨頭状の嵌合突部を対向形成してなるスライド芯材を嵌合固定し、このスライド芯材の突出した嵌合突部を他方の凹陥溝にスライド可能に嵌合した構成が開示されている(例えば特許文献1)。
上記手摺型エキスパンションジョイントを、隣り合う躯体などの固定部間に設け、前記スライド構造や手摺カバーを用いることにより、固定部間の間隔変位を吸収することができる。
特許第3708420号公報
ところで、上記手摺型エキスパンションジョイントでは、スライド芯材と凹陥溝との嵌合部分では互いに面接触しており、接触面積としての摩擦面が大きいため、この嵌合部分には、砂・埃・ばい煙等が長期間の使用によって固形化し、作動不良が発生しやすく、この嵌合部分に水分があると、寒冷地等では凍結によって作動不良が発生しやすい、という問題点があった。
また、上記手摺形エキスパンションジョイントでは、嵌合部分の接触面積とクリアランスを大きくとる必要があるために、風が吹くと、ガタを生じやすく騒音を発生しやすいという問題点があった。
そこで、本発明では、上記の問題点を考慮して、手摺体と連結体との嵌合部分の接触面積を抑制して、ガタつきを抑えたスムーズなスライド動作が可能な可動連結式手摺装置を提供することである。
請求項1の発明は、横桟と縦桟とを有する対をなす手摺体と、これら対をなす手摺体を重ね合わせスライド自在に連結する連結体とを備えた可動連結式手摺装置であって、前記手摺体又は前記連結体の一方に、前記スライド方向に形成された溝部を備えるとともに、前記手摺体又は前記連結体の他方に、前記溝部にスライド自在に嵌合可能な凸部を備え、前記凸部には、前記スライド方向に連続して突出して形成され、前記溝部に線接触自在な凸条部を備えたことを特徴とする。
請求項の発明は、前記溝部は、前記凸部を垂直方向に回動自在に軸支することを特徴する。
請求項の発明は、前記手摺体に、前記溝部又は前記凸部を着脱自在に設けたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、手摺体と連結体との嵌合部分の接触面積を抑制して、手摺体と連結体との接触抵抗を低減させることにより、手摺体のガタつきを抑えたスムーズなスライド動作を可能とする。また、手摺体と連結体との嵌合部分の構造を線接触又は点接触自在なものとしたことにより、手摺体と連結体との接触面積を抑制して、手摺体と連結体との接触面積をさらに低減させることにより、手摺体のガタつきを抑えたスムーズなスライド動作を可能とする。
請求項の発明によれば、溝部が凸部を垂直方向に回動自在に軸支することにより、連結体により手摺体の垂直方向の変位を吸収することが可能となる。
請求項の発明によれば、手摺体に対して溝部又は凸部を着脱自在に設けたことにより、手摺体に溝部又は凸部を後付けで備えることを容易なものとし、また溝部又は凸部を着脱自在としたことで修理や保全作業を容易なものとすることができる。
図1乃至図9は、本発明の実施例1を示し、同図に示すように、ビルなどの躯体1,2は所定間隔を置いて隣り合い、これら固定部たる躯体1,2には、出入口3,4が設けられ、これら出入口3,4間に通路たる渡り廊下5が設けられ、渡り廊下5の床部分は、一方の躯体1から上床版部6を突設し、他方の躯体2から下床版7を突設し、それら床版6,7の先端側を重ね合わせて躯体1,2間の変位を吸収している。ここで、躯体1,2は耐震・免震構造物とすることが好ましい。また、上床版6は回動連結部6Aにより躯体1に回動可能に連結し、その上床版6の先端を前記下床版7の上に載せて重ねることが好ましい。
前記渡り廊下5の幅方向両側には、躯体1,2間を連結する可動連結式手摺装置8,9が設けられる。この回動連結式手摺装置8,9は、一方の手摺体10と、この一方の手摺体10と対をなす他方の手摺体11とを備え、この例では、これら手摺体10,11は、同一構成であり、外形が方形で断面角形の上,下横桟12,13と、これら上,下横桟12,13の両端部を連結する縦桟14,15とを有する枠体16を備えている。また、上横桟12と下横桟13の間には、所定間隔で、複数の中縦桟17が配置されている。そして、前記手摺体10,11の各部材は、アルミニウムの押出成形品などにより構成される。また、縦桟14,15と躯体1,2の壁面1A,2Aとの間隔や、下横桟13と床版6,7との間隔や、中縦桟17の設置間隔ついては、安全上110mm(ミリメートル)以下に設けられているものとする。
図4及び5に基づき上横桟12の構成について説明すると、Z方向下向きに開放された断面コ字型の上カバー部材18と、上カバー部材18の開放部を閉塞可能な下側閉塞部材19からなる上下二分割可能な構成となっている。上横桟12は、上カバー部材18の開放部に設けられた上側嵌合部20と、下側閉塞部材19に設けられた上側嵌合受部21を備え、この上側嵌合部20と上側嵌合受部21とを嵌合させることによって、上横桟12は断面略四角形状の筒状体を形成している。また上横桟12のX方向の両端の開口部分については、それぞれ上部側面閉塞部材22,23によって閉塞されている。
図4に基づき下横桟13の構成について説明すると、Z方向上向きに開放された断面コ字型の下カバー部材24と、下カバー部材24の開放部を閉塞可能な上側閉塞部材25からなる上下二分割可能な構成となっている。下横桟13は、下カバー部材24の開放部に設けられた下側嵌合部26と、上側閉塞部材25に設けられた下側嵌合受部27を備え、この下側嵌合部26と下側嵌合受部27とを嵌合させることによって、下横桟13は断面視略四角形状の筒体を形成している。また下横桟13のX方向の両端の開口部分については、それぞれ下部側面閉塞部材28,29によって閉塞されている。
一方の手摺体10及び他方の手摺体11における各上横桟12,12の上カバー部材18において、互いに対向する側面(以下、上部対向側面30,31と呼称する)には上部溝部32,33を備えている。
上部溝部32,33は、後述する開口部36を対向する手摺体10,11に向けて形成されるとともに、手摺体10,11のスライド方向であるX方向に連続して形成された断面略C字型の上部凹溝34,35を備えている。
上部凹溝34,35は、上側開口部36を形成する上縁部37と下縁部38を上部対向側面30,31と面一に形成して凹設されたものである。
一方の手摺体10及び他方の手摺体11における各下横桟の下カバー部材24において、互いに対向する側面(以下、下部対向側面39,40と呼称する)には下部溝部41,42を備えている。
下部溝部41,42は、後述する開口部45を対向する手摺体10,11に向けて形成されるとともに、手摺体10,11のスライド方向であるX方向に連続して形成された断面視略C字型の下部凹溝43,44を備えている。
下部凹溝43,44は、下側開口部45を形成する上縁部46と下縁部47を下部対向側面39,40と面一に形成して凹設されたものである。
図4に示すように連結体48は、一方の手摺体10と他方の手摺体11とを可動自在に連結するものであり、一方の手摺体10の上横桟12と他方の手摺体11の上横桟12とを連結する上部連結体49,50と、一方の手摺体10の下横桟13と他方の手摺体11の下横桟13とを連結する下部連結体51,52とからなる。
上部連結体49,50又は下部連結体51,52は、各溝部32,33,41,42の凹溝34,35,43,44に嵌合可能な一対の凸部53,54を備えており、これら一対の凸部53,54を接続する接続部55を備えている。凸部53,54及び接続部55は、X方向において凹溝34,35,43,44の長さ以下に形成されたものである。また接続部55にはX方向に所定の間隔を設けて断続的に設けられた連結体側貫通部56を備えている。
図4及び5に示すように連結体48の凸部53,54は、X方向から見て断面略六角形に形成されたものである。凸部53,54は、略六角形の各頂点としてX方向に連続して突出して形成された接触部たる凸条部57を備えている。凸部53,54の凸条部57は、上部溝部32,33又は下部溝部41,42における各凹溝34,35,43,44のX方向に連続して形成された内周面58に線接触可能に形成されたものである。
ここで凸部53,54は、凹溝34,35,43,44の内周面58に対してX方向にスライド自在に保持可能に形成されるとともに、Z方向に対してもX方向を軸方向として回動自在に保持可能に形成されたものである。
凸部53,54のZ方向における回動動作の上限は、連結体48の接続部55が凹溝34,35,43,44の各開口部36,45を形成する上縁部37,46に当接するまでとしている。また凸部53,54のZ方向における回動動作の下限は、連結体48の接続部55が凹溝34,35,43,44の各開口部36,45を形成する下縁部38,47に当接するまでとしており、このZ方向の上限と下限の範囲内で、連結体48は凹溝34,35,43,44の内周面58に対して回動自在に保持されるものとする。
上部溝部32,33の上部凹溝34,35のX方向の開口部分は、上横桟12のX方向の開口部分とともに、各上部側面閉塞部材22,23によって閉塞されており、上部凹溝34,35に嵌合保持された連結体49,50のX方向のスライド動作は、この上横桟12のX方向の両端に配設された抜け止め部材としての上部側面閉塞部材22,23によって規制されている。
同様に下部溝部41,42の下部凹溝43,44のX方向の開口部分は、下横桟13のX方向の開口部分とともに、各下部側面閉塞部材28,29によって閉塞されており、下部凹溝43,44に嵌合保持された連結体51,52のX方向のスライド動作は、この下横桟13のX方向の両端に配設された抜け止め部材としての下部側面閉塞部材28,29によって規制されている。
ここで上部連結体49,50は、各手摺体10,11のスライド方向であるX方向に2個並設されており、上部連結体49,50の一方は、一方の手摺体10の先端側の上部凹溝34,35に上部側面閉塞部材22,23とともに固定されたものであり、上部連結体49,50の他方は、他方の手摺体11の先端側の上部凹溝34,35に上部側面閉塞部材22,23とともに固定されたものである。
同様に下部連結体51,52は、各手摺体10,11のスライド方向であるX方向に2つ並設されており、下部連結体51,52の一方は、一方の手摺体10の先端側の下部凹溝43,44に上部側面閉塞部材22,23とともに固定されたものであり、下部連結体51,52の他方は、他方の手摺体11の先端側の下部凹溝43,44に下部側面閉塞部材28,29とともに固定されたものである。
図1乃至3に示すように、各手摺体10,11の躯体1,2に固定される側である基端側は、基端側連結部59により躯体1,2に固定されている。
基端側連結部59は、手摺体10,11の基端側上部と躯体1,2とを固定する上部基端側連結部60と、手摺体10,11の基端側下部と躯体1,2とを固定する下部基端側連結部61を備えている。
ここで、上部基端側連結部60及び下部基端側連結部61は、手摺体10,11の基端側を躯体1,2の壁面1A,2Aに対して、これら上部基端側連結部60及び下部基端側連結部61を回動軸として、水平方向(X,Y方向)に回動可能に保持するとともに、垂直方向(Z方向)に変位可能に保持可能とするものである。
前記構成につきその作用を説明すると、図6に示すように地震などにより、隣接する躯体1,2間のX方向の間隔が狭まる間隔変位が生じると、一方の手摺体10の先端側に固定された上部連結体49,50及び下部連結体51,52は、他方の連結体11の上横桟12及び下横桟13の溝部33,42をX方向において他方の手摺体11の基端側に近接する向きにスライドするとともに、他方の手摺体11の先端側に固定された上部連結体49,50及び下部連結体51,52は、一方の手摺体10の上横桟12及び下横桟13の溝部32,41をX方向において一方の手摺体10の基端側に近接する向きにスライドして、各手摺体10,11の重なり部分が大きくなり、前記間隔変位が吸収される。
また、反対に図7に示すように、隣接する躯体1,2間のX方向の間隔が広がる間隔変位が生じると、一方の手摺体10の先端側に固定された上部連結体49,50及び下部連結体51,52は、他方の連結体11の上横桟12及び下横桟13の溝部33,42を、X方向において他方の手摺体11の基端側から離間する向きにスライドするとともに、他方の手摺体11の先端側に固定された上部連結体49,50及び下部連結体51,52は、一方の手摺体10の上横桟12及び下横桟13の溝部32,41をX方向において一方の手摺体10の基端側から離間する向きにスライドして、各手摺体10,11の重なり部分が小さくなり、前記間隔変位が吸収される。
さらに、図8に示すように、隣接する躯体1,2間が平面逆方向(Y方向)に移動する水平変位が生じると、各手摺体10,11は、各基端側連結部60,61を回動軸として、躯体1,2の壁面1A,2Aに対して水平方向(X,Y方向)に回動し、且つ一方の手摺体10の先端側に固定された上部連結体49,50及び下部連結体51,52は、他方の手摺体11の上横桟12及び下横桟13の溝部33,42を、X方向において他方の手摺体11の基端側に近接又は離間する向きにスライドするとともに、他方の手摺体11の先端側に固定された上部連結体49,50及び下部連結体51,52は、一方の手摺体10の上横桟12及び下横桟13の溝部32,41をX方向において一方の手摺体10の基端側に近接又は離間する向きにスライドして、各手摺体10,11の重なり部分を変化させて、前記水平変位が吸収される。
さらに、図9に示すように、地盤の沈下・隆起などにより、隣接する躯体1,2の上下のずれが生じて垂直方向(Z方向)の変位が発生すると、図9において左側に示した相対的に下がった側の躯体に固定された一方の手摺体10では、この手摺体10の溝部32に連結された連結体49の凸部53は、X方向を回動動作の軸方向として、凹溝34の内周面58上で回動するとともに、図9において右側に示した相対的に上がった側の躯体に固定された他方の手摺体11では、この手摺体11の溝部33に連結された連結体49の凸部54は、X方向を回動方向の軸方向として、凹溝35の内周面58上を回動して、連結体49の凸部53,54同士のZ方向の位置を相互にずらして、前記垂直方向(Z方向)の変位を吸収する。ここで、手摺体10,11が各基端側連結部60,61において、躯体1,2に対してZ方向に相対的に変位することでも、Z方向の変位を吸収する。
図4及び5に示すように連結体48の凸部53,54がX方向から見て断面略六角形に形成され、さらに凸部53,54は、略六角形の各頂点としてX方向に連続して突出して形成された接触部たる凸条部57を備えたことにより、凸部53,54の凸条部57は、上部溝部32,33又は下部溝部41,42における各凹溝34,35,43,44のX方向に連続して形成された内周面58に略線接触可能に形成されたことにより、上記の通り躯体1,2間の間隔変位に伴い、連結体の凸部53,54が手摺体10,11の各溝部32,33,41,42の各凹溝34,35,43,44に対してX方向にスライドする場合に、連結体48の凸部53,54と各溝部32,33,41,42の各凹溝34,35,43,44との接触面積を抑えることにより、凸部53,54と凹溝34,35,43,44との接触抵抗を低減させ、連結体48のスライド動作の動き出しを向上させるとともに、例えば凹溝34,35,43,44の経年変化による内周面58の表面粗さの増大や、内周面58にごみ等の不純物の内周面58への堆積等による凹溝34,35,43,44の内周面58の状態から受ける連結体48のスライド動作又は回動動作への影響を低減させ、連結体48のスライド動作又は回動動作の信頼性を向上させる。
さらに、連結体48の接続部55に連結体側貫通部56を備えたことにより、連結体48の接続部55上に溜まった水やゴミ等をこの連結体側貫通部56より落とし込むことで、接続部55上の水やゴミ等を取り除くことができ、接続部55上に溜まった水やゴミ等が凸部53,54や溝部32,33,41,42に入り込み、連結体48のスライド操作や回動動作に影響が出ることを防ぐことができる。
以上のように本実施例では請求項1に対応しており、横桟12,13,15と縦桟14とを有する対をなす手摺体10,11と、これら対をなす手摺体10,11を重ね合わせスライド自在に連結する連結体48とを備えた可動連結式手摺装置8,9であって、前記手摺体10,11に、前記スライド方向に形成された溝部として上部溝部32,33及び下部溝部41,42を備えるとともに、前記連結体10,11に、上部溝部32,33及び下部溝部41,42にスライド自在に嵌合可能な凸部53,54を備えている。
この場合、手摺体10,11と連結体48との嵌合部分の接触面積を抑制して、手摺体10,11と連結体48との接触抵抗を低減させることにより、手摺体10,11のガタつきを抑えたスムーズなスライド動作を可能とする。
また本実施例では請求項に対応しており、前記凸部53,54に上部溝部32,33及び下部溝部41,42に略線接触自在な接触部としての凸条部57をそれぞれ備えている。
この場合、手摺体10,11と連結体48との嵌合部分の構造を略線接触自在な構成としたことにより、手摺体10,11と連結体48との嵌合部分の接触面積をさらに抑制することにより、手摺体10,11と連結体48との接触抵抗を低減させ、手摺体10,11のガタつきを抑えたさらにスムーズなスライド動作を可能とする。
さらに本実施例では請求項に対応しており、前記溝部としての上部溝部32,33及び下部溝部41,42は、前記凸部53,54を垂直方向としてZ方向に回動自在に軸支するものである。
この場合、溝部が凸部53,54を垂直方向に回動自在に軸支することにより、連結体48により手摺体10,11の垂直方向としてのZ方向の変位を吸収することが可能となる。
図10及び11は本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、同図は、溝部の変形例を示し、断面略C型の凹溝62,63を上横桟12又は下横桟13の上部対向側面30,31又は下部対向側面39,40に対して突設したものである。また、この凹溝62,63の下部にはX方向に所定の間隔を空けて断続的に設けられた溝部側貫通部64を備えている。
この例では、凹溝62,63に溝部側貫通部64を備えたことにより、凹溝62,63の内周面58上の水又は埃等をこの溝部側貫通部64より凹溝62,63の外部へと落とし込むことを可能とし、連結体48の凸部53,54と溝部32,33,41,42の凹溝62,63との接触部分におけるスライド動作及び回動動作のガタつきを抑えて、連結体48のスムーズなスライド動作及び回動動作を実現することができる。
図12及び13は本発明の実施例3を示し、上記実施例1及び2と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して記述すると、同図は上横桟12の上部溝部の変形例を示し、上横桟12の上側対向側面30に対して垂直方向であるZ方向に上側溝部65,67と下側溝部66,68を並設したものである。
そして、一方の手摺体10の上側溝部65及び下側溝部66と、他方の手摺体11の上側溝部67及び下側溝部68とをそれぞれ、上側連結体73と下側連結体74によって連結したものである。ここで、上側溝部65,67の凹溝69,71及び下側溝部66の凹溝70,72、そして上側連結体73及び下側連結体74は、第1実施例に記載の溝部32,33の凹溝34,35、そして連結体48と同一なものであるため詳細な説明を省略する。
この例では、上横桟12を上側連結体73及び下側連結体74からなる2つの連結体によって連結したことで、一対の手摺体10,11の連結部分の強度を向上させている。
図14は本発明の実施例4を示し、上記実施例1乃至3と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して記述すると、同図は溝部の変形例を示し、上横桟12の上部対向側面30に対して上部溝部75を着脱自在に備えたものである。ここでは、上部溝部32に形成された板状の基端部76を上部対向側面30にビス等の固定手段77によって着脱自在に固定しているが、上部溝部75を上部対向側面30に着脱自在に固定する手段又は方法については、特に限定されるものではなく、さらに溝部の基端部側の形状についても特に限定されるものではなく、同様に下横桟13に備えられる下部溝部を下部対向側面部に着脱自在に備えてもよいものとする。
この例では、請求項に対応しており、手摺体10に、前記溝部として上部溝部75を着脱自在に設けたことにより、手摺体10に上部溝部75を後付けで備えることを容易なものとし、さらに修理や保全作業を容易なものとすることができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、凸部53,54はスライド方向であるX方向から見た、その断面形状を六角形以外の多角形状としてもよく、図15に示すように凸部78を断面四角形状として四角形の各頂点としてX方向に連続して形成された接触部としての凸条部79を備えたものや、その他に三角形、五角形、八角形等の断面多角形状としてもよい。また凸部のスライド方向であるX方向から見た、その断面形状は、上記多角形状に限られるものではなく、図16に示すように凸部80を断面十字型として十字型の各頂点としてX方向に連続して形成された接触部としての凸条部81を備えたものでもよく、さらに連結体48の凸部の形状はこれらに限らず、溝部の内周面58に対し略線接触又は略点接触自在な形状を有していれば特に限定されるものではなく、また図17に示すように凸条部を備えず、溝部の内周面58に略面接触自在な断面円形の凸部82としてもよい。
また、凹溝の形状についてもX方向から見た断面形状は略C型に限定されるものではなく、連結体の凸部53,54の凸条部57をX方向にスライド自在及び/又はZ方向にX方向を回転軸として回動自在に保持可能とする形状であれば特に限定されるものではない。
さらに、上横桟12及び下横桟13の形状についても、図18に示すような断面円形としたものや、図19に示すような断面略楕円形や断面四角形としてもよく、上横桟12及び下横桟13の形状については特に限定されるものではない。
また、連結体48に上記の凹溝を備え、連結体48の凹溝に対応して上横桟12又は下横桟13に上記の凸部53,54を備えたとしても構わないものとする。
本発明の実施例1を示す一部を断面にした平面図である。 同上、一部を断面にした側面図である。 同上、斜視図である。 同上、手摺体の断面図である。 同上、上横桟及び連結体の分解斜視図である。 同上、躯体間が狭まった場合を示し、図6(A)は要部の平面図、図6(B)は側面図である。 同上、躯体間が広がった場合を示し、図7(A)は要部の平面図、図7(B)は側面図である。 同上、躯体間が水平変位した場合を示し、図8(A)は要部の平面図、図8(B)は側面図である。 同上、躯体間が垂直変位した場合を示した要部の側面図である。 本発明の実施例2を示す手摺体の要部断面図である。 同上、躯体間が垂直変位した場合を示した要部の断面図である。 本発明の実施例3を示す手摺体の要部断面図である。 同上、躯体間が垂直変位した場合を示した要部の断面図である。 本発明の実施例4を示す手摺体の要部断面図である。 本発明における連結体の凸部の変形例を示す断面図である。 本発明における連結体の凸部の他の変形例を示す断面図である。 本発明における連結体の凸部の他の変形例を示す断面図である。 本発明における手摺体の変形例を示す断面図である。 本発明における手摺体の他の変形例を示す断面図である。
8,9 可動連結式手摺装置
10 一方の手摺体
11 他方の手摺体
12 上横桟
13 下横桟
14 縦桟
15 横桟
17 中縦桟
32 上部溝部(溝部)
33 上部溝部(溝部)
48 連結体
49 上部連結体
50 上部連結体
51 下部連結体
52 下部連結体
53 凸部
54 凸部
57 凸条部
65 上側溝部(一方の手摺体)
66 下側溝部(一方の手摺体)
67 上側溝部(他方の手摺体)
68 下側溝部(他方の手摺体)
73 上側連結体
74 下側連結体
75 凸部
76 凸条部
77 凸部
78 凸条部
79 凸部

Claims (3)

  1. 横桟と縦桟とを有する対をなす手摺体と、これら対をなす手摺体を重ね合わせスライド自在に連結する連結体とを備えた可動連結式手摺装置であって、
    前記手摺体又は前記連結体の一方に、前記スライド方向に形成された溝部を備えるとともに、
    前記手摺体又は前記連結体の他方に、前記溝部にスライド自在に嵌合可能な凸部を備え
    前記凸部には、前記スライド方向に連続して突出して形成され、前記溝部に線接触自在な凸条部を備えたことを特徴とする可動連結式手摺装置。
  2. 前記溝部は、前記凸部を垂直方向に回動自在に軸支することを特徴する請求項1記載の可動連結式手摺装置。
  3. 前記手摺体に、前記溝部又は前記凸部を着脱自在に設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の可動連結式手摺装置。
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