JP4978386B2 - 浴室換気乾燥機 - Google Patents

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Description

本発明は、一般的な住宅の浴室において衣類を乾燥させる目的で使用され、省エネルギーで衣類を乾燥させる制御を備えた浴室換気乾燥機に関する。
洗濯後の衣類はもともと屋外で干され、日光による乾燥が一般的であった。しかし近年共働き世帯や単身世帯が増加し、夜に洗濯をしたり盗難を防いだりするために室内や浴室で衣類を乾燥させるケースが増えている。
浴室で衣類を乾燥させる場合、浴室換気乾燥機を用いて強制的に加熱、送風、換気を行うことにより、室内で乾燥させる場合よりも短時間で衣類が乾燥する。しかしその際、多量のエネルギーを消費することが問題になっている。衣類の乾燥に消費するエネルギーを削減するためにこれまでいくつかの提案がなされてきた。その中でも、使用者が設定した時間内に乾くように運転を制御するという方法が、一つの効果的な方法と考えられる。これは共働き世帯や単身世帯では日中外出していることが多いため、朝に洗濯をして夕方まで干したままにしておく、あるいは夜に洗濯をして朝まで干したままにしておく、といった具合に衣類を長時間放置することが多いためである。長い時間をかけて衣類を乾かす場合には、少量のエネルギーで乾かすことができる可能性が高い。
従来の浴室換気乾燥機101の制御について、図8を参照しながら説明する。なお浴室換気乾燥機101の構成については図示していない。浴室換気乾燥機101は浴室内部に吸気口及び吹出し口を備え、本体に換気ファン、循環ファン、熱交換器、熱源機を備えたものである。制御方法は、使用者がはじめに衣類乾燥モードを選択(S103)した後、初期設定時間Zを入力する(S104)。初期設定時間とはその時間までに衣類の乾燥を終了させる目標時間のことである。はじめに浴室換気乾燥機101が運転を開始し(S105)、浴室内部の空気温度Tを検出する(S106)。浴室内部の空気温度Tに応じて熱源機を作動させる時間X(乾燥運転時間)を決定する(S107a〜S107c)。次にZ−Xの時間だけ送風と換気によって衣類を乾燥させ(S108)、最後に残りのX時間熱源機も運転して衣類を乾燥させる(S109)(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−62049号公報
特許文献1に例示されるような従来の浴室換気乾燥機の制御方法は浴室の温度に応じて熱源機を運転させる時間を決定しているが、衣類の乾燥時間を決定する要因は、温度の他にも湿度、衣類表面の風速、衣類の厚み、衣類の量などがあり、浴室の温度のみで衣類の乾燥時間を正確に予測することは非常に困難である。また、はじめの段階で衣類の乾燥時間を予測しているため、乾燥の途中で例えば降雨等の原因により周囲の環境が変わった場合、その影響を考慮することができない。このため、加熱量が不足して運転終了時に衣類がまだ乾いていなかったり、逆に加熱量が無駄に多かったりするという課題があった。
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、目標とする終了時間までに必要最小限の加熱量で衣類を乾燥させる浴室換気乾燥機を提供することを目的としている。
本発明は、前記目的を達成するために、使用者が衣類の乾燥が終了するまでの目標終了時間及び運転開始を指示するための操作部と、浴室内部の空気を排出する換気手段と、衣類に風を送る送風手段と、衣類に熱を与える加熱手段と、浴室内部の温度及び湿度を検知する浴室用温湿度検知手段と、浴室の換気経路上の風上に当たる隣室の温度及び湿度を検知する隣室用温湿度検知手段と、前記操作部及び前記浴室用温湿度検知手段及び前記隣室用温湿度検知手段の信号を受けて前記換気手段及び前記送風手段及び前記加熱手段を制御する制御手段と、前記制御手段に接続され時間を計測するタイマーを備え、前記制御手段が前記浴室用温湿度検知手段と前記隣室用温湿度検知手段で検知された各温度及び湿度から衣類の乾燥状態を計算し、算出された衣類の乾燥状態及び前記目標終了時間に達するまでの残り時間から、加熱量が必要最小限となるように前記加熱手段の動作を制御する浴室換気乾燥機である。
この手段により、目標終了時間までに必要最小限の加熱量で衣類を乾燥させる浴室換気乾燥機が得られる。
また他の手段は、前記目的を達成するために、衣類からの水分の蒸発速度から衣類の量を推測する浴室換気乾燥機である。
この手段により、簡単な機構によって衣類の重量を推測する浴室換気乾燥機が得られる。
また他の手段は、前記目的を達成するために、浴室からの水分の排出速度と衣類からの水分の蒸発速度との比較により衣類の表面積を推測し、衣類の表面積から衣類の量を推測する浴室換気乾燥機である。
この手段により、簡単な機構によって衣類の重量を推測する浴室換気乾燥機が得られる。
また他の手段は、前記目的を達成するために、制御手段が所定の時間ごとに加熱手段の加熱量を調節する浴室換気乾燥機である。
この手段により、乾燥中の周囲環境の変化に関わらず目標終了時間までに必要最小限の加熱量で衣類を乾燥させる浴室換気乾燥機が得られる。
また他の手段は、前記目的を達成するために、制御手段が目標終了時間内に衣類を乾燥させるために必要な浴室内部の空気の目標乾燥性能を決定し、前記目標乾燥性能に基づいて加熱手段の加熱量を調節する浴室換気乾燥機である。
この手段により、乾燥中の周囲環境の変化に関わらず目標終了時間までに必要最小限の加熱量で衣類を乾燥させる浴室換気乾燥機が得られる。
また他の手段は、前記目的を達成するために、制御手段が空気の目標乾燥性能を決定する際に、衣類の減率乾燥の影響を考慮する浴室換気乾燥機である。
この手段により、目標終了時間までに衣類を乾燥させる浴室換気乾燥機が得られる。
また他の手段は、前記目的を達成するために、制御手段がタイマーを用いて、空気の目標乾燥性能を所定の時間ごとに修正する浴室換気乾燥機である。
この手段により、目標終了時間までに衣類を確実に乾燥させる浴室換気乾燥機が得られる。
また他の手段は、前記目的を達成するために、運転開始時には換気手段と送風手段のみで衣類を乾燥させる浴室換気乾燥機である。
この手段により、必要最小限の加熱量で衣類を乾燥させる浴室換気乾燥機が得られる。
また他の手段は、前記目的を達成するために、浴室内部の空気が目標乾燥性能に到達しないと制御手段が判断した場合、制御手段がはじめに換気手段の換気量を増やし、次に加熱手段の加熱量を増やす浴室換気乾燥機である。
この手段により、必要最小限の加熱量で衣類を乾燥させる浴室換気乾燥機が得られる。
また他の手段は、前記目的を達成するために、目標終了時間に達するまでの最終段階において、必要最小限の時間のみ加熱手段を用いて衣類を乾燥させる浴室換気乾燥機である。
この手段により、簡単なプログラムによって目標終了時間までに必要最小限の加熱量で衣類を乾燥させる浴室換気乾燥機が得られる。
また他の手段は、前記目的を達成するために、制御手段に接続された記憶手段を備え、前記記憶手段に加熱手段を運転した場合の衣類の乾燥率の推移パターンを予め記憶させておき、前記制御手段が運転開始時には換気手段と送風手段のみを用いて衣類を乾燥させ、タイマーから得られる設定された目標終了時間までの残り時間と、前記記憶手段から得られる情報から、前記目標終了時間内に衣類を乾燥させるためには前記加熱手段を用いなければならない時間になったと判断した場合、前記加熱手段と前記換気手段と前記送風手段を用いて衣類を乾燥させる浴室換気乾燥機である。
この手段により、簡単なプログラムによって目標終了時間までに必要最小限の加熱量で衣類を乾燥させる浴室換気乾燥機が得られる。
また他の手段は、前記目的を達成するために、加熱手段を用いる場合には、衣類の量に応じて換気手段の換気量を変える浴室換気乾燥機である。
この手段により、必要最小限の加熱量で衣類を乾燥させる浴室換気乾燥機が得られる。
また他の手段は、前記目的を達成するために、目標終了時間になった後も浴室から所定の量以上の水分が発生している場合、制御手段が加熱手段の加熱量を最大にして衣類を乾燥させる浴室換気乾燥機である。
この手段により、目標終了時間になった後も衣類が乾燥していない場合には可能な限り短い時間で衣類を乾燥させる浴室換気乾燥機が得られる。
また他の手段は、前記目的を達成するために、浴室内部で発生する水分が所定の量以下になった時点で運転を終了する浴室換気乾燥機である。
この手段により、目標終了時間に関わらず実際に衣類が乾燥した後に運転を終了する浴室換気乾燥機が得られる。
また他の手段は、前記目的を達成するために、運転が終了した後、浴室用検知手段から得られた浴室内部の絶対湿度が隣室用検知手段から得られた隣室の絶対湿度よりも所定の湿度以上に高い場合には、制御手段が換気手段を用いて換気する浴室換気乾燥機である。
この手段により、運転が終了した後、浴室内部の湿度を適度に保つ浴室換気乾燥機が得られる。
また他の手段は、前記目的を達成するために、制御手段に接続され浴室換気乾燥機の消費電力を測定する消費電力測定手段と制御手段の指示を受けて情報を表示する表示手段を備え、運転開始から衣類が乾燥するまでに要した時間とランニングコストを表示する浴室換気乾燥機である。
この手段により、使用者が衣類の乾燥に要した時間とランニングコストを確認することができる浴室換気乾燥機が得られる。
本発明によれば、目標終了時間までに必要最小限の加熱量で衣類を乾燥させる浴室換気乾燥機が得られる。
また、簡単な機構によって衣類の重量を推測するという効果が得られる。
また、乾燥中の周囲環境の変化に関わらず目標終了時間までに必要最小限の加熱量で衣類を乾燥させるという効果が得られる。
また、目標終了時間までに衣類を確実に乾燥させるという効果が得られる。
また、簡単なプログラムによって目標終了時間までに必要最小限の加熱量で衣類を乾燥させる効果が得られる。
また、目標終了時間になった後も衣類が乾燥していない場合には可能な限り短い時間で衣類を乾燥させるという効果が得られる。
また、目標終了時間に関わらず実際に衣類が乾燥した後に運転を終了するという効果が得られる。
また、運転が終了した後、浴室内部の湿度を適度に保つという効果が得られる。
また、使用者が衣類の乾燥に要した時間とランニングコストを確認することができるという効果が得られる。
本発明の請求項1記載の発明は、使用者が衣類の乾燥が終了するまでの目標終了時間及び運転開始を指示するための操作部と、浴室内部の空気を排出する換気手段と、衣類に風を送る送風手段と、衣類に熱を与える加熱手段と、浴室内部の温度及び湿度を検知する浴室用温湿度検知手段と、浴室の換気経路上の風上に当たる隣室の温度及び湿度を検知する隣室用温湿度検知手段と、前記操作部及び前記浴室用温湿度検知手段及び前記隣室用温湿度検知手段の信号を受けて前記換気手段及び前記送風手段及び前記加熱手段を制御する制御手段と、前記制御手段に接続され時間を計測するタイマーを備え、前記制御手段が前記浴室用温湿度検知手段と前記隣室用温湿度検知手段で検知された各温度及び湿度から衣類の乾燥状態を計算し、算出された衣類の乾燥状態及び前記目標終了時間に達するまでの残り時間から、加熱量が必要最小限となるように前記加熱手段の動作を制御する浴室換気乾燥機であり、目標終了時間までに必要最小限の加熱量で衣類を乾燥させる浴室換気乾燥機を提供することができる。
また本発明の請求項2記載の発明は、衣類からの水分の蒸発速度から衣類の量を推測する浴室換気乾燥機であり、重量検知機構などの高価な機構を用いる必要がなく、温度検知機構及び湿度検知機構といった比較的安価な機構によって衣類の重量を推測する浴室換気乾燥機を提供することができる。
また本発明の請求項3記載の発明は、浴室からの水分の排出速度と衣類からの水分の蒸発速度との比較により衣類の表面積を推測し、衣類の表面積から衣類の量を推測する浴室換気乾燥機であり、比較的安価な機構によって衣類の重量を推測する浴室換気乾燥機を提供することができる。
また本発明の請求項4記載の発明は、制御手段が所定の時間ごとに加熱手段の加熱量を調節する浴室換気乾燥機であり、乾燥中の周囲環境の変化に関わらず目標終了時間までに必要最小限の加熱量で衣類を乾燥させる浴室換気乾燥機を提供することができる。
また本発明の請求項5記載の発明は、制御手段が目標終了時間内に衣類を乾燥させるために必要な浴室内部の空気の目標乾燥性能を決定し、前記目標乾燥性能に基づいて加熱手段の加熱量を調節する浴室換気乾燥機であり、乾燥中の周囲環境の変化に関わらず目標終了時間までに必要最小限の加熱量で衣類を乾燥させる浴室換気乾燥機を提供することができる。
また本発明の請求項6記載の発明は、制御手段が空気の目標乾燥性能を決定する際に、衣類の減率乾燥の影響を考慮する浴室換気乾燥機であり、目標終了時間までに確実に衣類を乾燥させる浴室換気乾燥機を提供することができる。
また本発明の請求項7記載の発明は、制御手段がタイマーを用いて、空気の目標乾燥性能を所定の時間ごとに修正する浴室換気乾燥機であり、目標終了時間までに衣類を確実に乾燥させる浴室換気乾燥機を提供することができる。
また本発明の請求項8記載の発明は、運転開始時に換気手段と送風手段のみで衣類を乾燥させる浴室換気乾燥機であり、必要最小限の加熱量で衣類を乾燥させる浴室換気乾燥機を提供することができる。
また本発明の請求項9記載の発明は、浴室内部の空気が目標乾燥性能に到達しないと制御手段が判断した場合、制御手段がはじめに換気手段の換気量を増やし、次に加熱手段の加熱量を増やす浴室換気乾燥機であり、必要最小限の加熱量で衣類を乾燥させる浴室換気乾燥機を提供することができる。
また本発明の請求項10記載の発明は、目標終了時間に達するまでの最終段階において、必要最小限の時間のみ加熱手段を用いて衣類を乾燥させる浴室換気乾燥機であり、簡単なプログラムによって目標終了時間までに必要最小限の加熱量で衣類を乾燥させる浴室換気乾燥機を提供することができる。
また本発明の請求項11記載の発明は、制御手段に接続された記憶手段を備え、前記記憶手段に加熱手段を運転した場合の衣類の乾燥率の推移パターンを予め記憶させておき、前記制御手段が運転開始時には換気手段と送風手段のみを用いて衣類を乾燥させ、タイマーから得られる設定された目標終了時間までの残り時間と、前記記憶手段から得られる情報から、前記目標終了時間内に衣類を乾燥させるためには前記加熱手段を用いなければならない時間になったと判断した場合、前記加熱手段と前記換気手段と前記送風手段を用いて衣類を乾燥させる浴室換気乾燥機であり、簡単なプログラムによって目標終了時間までに必要最小限の加熱量で衣類を乾燥させる浴室換気乾燥機を提供することができる。
また本発明の請求項12記載の発明は、加熱手段を用いる場合には、衣類の量に応じて換気手段の換気量を変える浴室換気乾燥機であり、衣類の量が少ない場合には換気量を少なくすることにより必要最小限の加熱量で衣類を乾燥させる浴室換気乾燥機を提供することができる。
また本発明の請求項13記載の発明は、目標終了時間になった後も浴室から所定の量以上の水分が発生している場合、制御手段が加熱手段の加熱量を最大にして衣類を乾燥させる浴室換気乾燥機であり、目標終了時間になった後も衣類が乾燥していない場合には可能な限り短い時間で衣類を乾燥させる浴室換気乾燥機を提供することができる。
また本発明の請求項14記載の発明は、浴室内部で発生する水分が所定の量以下になった時点で運転を終了する浴室換気乾燥機であり、目標終了時間に関わらず実際に衣類が乾燥した後に運転を終了する浴室換気乾燥機を提供することができる。
また本発明の請求項15記載の発明は、運転が終了した後、浴室用検知手段から得られた浴室内部の絶対湿度が隣室用検知手段から得られた隣室の絶対湿度よりも所定の湿度以上に高い場合には、制御手段が換気手段を用いて換気する浴室換気乾燥機であり、運転が終了した後、浴室内部の湿度を適度に保つ浴室換気乾燥機を提供することができる。
また本発明の請求項16記載の発明は、制御手段に接続され浴室換気乾燥機の消費電力を測定する消費電力測定手段と制御手段の指示を受けて情報を表示する表示手段を備え、運転開始から衣類が乾燥するまでに要した時間とランニングコストを表示する浴室換気乾燥機であり、使用者が衣類の乾燥に要した時間とランニングコストを確認することができる浴室換気乾燥機を提供することができる。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1の浴室換気乾燥機について、図1〜図5を参照しながら説明する。まずは、浴室換気乾燥機1の構成について図1を参照しながら説明する。図1は浴室換気乾燥機1の平面断面図である。
浴室換気乾燥機1は、換気手段としての換気ファン2及びモーター3及び浴室から空気を吸込む吸込み口4及び空気を屋外に排出する排出口5を備える。また送風手段としての送風ファン6及びモーター7及び浴室から空気を吸い込む吸込み口8及び浴室に空気を吹出す吹出し口9を備える。換気ファン2及び送風ファン6は、空気を吸込むときに圧力が必要な場合にも風量が確保できるようにシロッコファンとする。モーター3は、換気ファン2の風量を変化させられるようにDCモーターとし、3段階程度のノッチを設ける。換気ファン2及びモーター3の選定に当たっては、最小ノッチでの風量が50[m3/h]程度、最大ノッチでの風量が300[m3/h]程度得られるようにする。最大ノッチでの風量が300[m3/h]も確保できない場合は、なるべく省エネルギーに衣類を乾燥させるために、最低でも200[m3/h]以上とするのが望ましい。モーター7は安価なACモーターとする。送風ファン6及びモーター7の選定に当たっては、風量が最低でも300[m3/h]程度得られるようにするが、やはり省エネルギーに衣類を乾燥させるために、騒音が問題にならない範囲においてできる限り大きい風量が得られるとよい。なお吹出し口9にはルーバーを設けて吹出し風向を変え、衣類全体にまんべんなく送風できるようにしてもよい。
また浴室換気乾燥機1は、加熱手段としてのヒーター10を送風ファン6と吹出し口9との間に備える。ヒーター10はPTCヒーターとし、3〜4段階程度のノッチを設ける。加熱量は最大ノッチで2000[W]程度とする。
また浴室換気乾燥機1は、操作部11を換気経路上の風上に当たる隣室(洗面脱衣室等)の内部に備える。操作部11は図2に示すように電源ボタン11a、スタートボタン11b、衣類乾燥ボタン11c、暖房ボタン11d、換気ボタン11eを備え、運転モードを衣類乾燥、暖房、換気の中から選択することができる。他に涼風運転が選択できるようにしてもよい。また操作部11は衣類乾燥モードが選択された場合に目標終了時間を設定することのできる目標終了時間設定ボタン11fと、衣類乾燥モードが選択された場合の運転終了時に一回の運転に要した時間とランニングコストを表示するための表示手段としての表示板11gを備える。表示板11gには表示操作部を備え、使用者が必要とするときにのみ情報を表示させるようにしてもよい。
また浴室換気乾燥機1は、浴室用温湿度検知手段としての温度計12と湿度計13を吸込み口4の内部に備え、隣室用温湿度検知手段としての温度計14と湿度計15を操作部11の内部に隣室の空気に触れるようにして備える。温度計12、14は熱電対とし、湿度計13、15は高分子膜湿度センサーとする。
また浴室換気乾燥機1は、制御手段としてのコントローラー16を備える。コントローラー16内部にタイマー(図示せず)および記憶手段としてのメモリー(図示せず)を備える。またコントローラー16はモーター3、7と、ヒーター10と、操作部11と、温度計12、14と、湿度計13、15にそれぞれ接続されており、操作部11から送られる指示を受けて、温度計12、14、湿度計13、15の情報を元に、モーター3、7及びヒーター10の動作を制御する。
また浴室換気乾燥機1は、消費電力測定手段としての電力測定機17を備える。電力測定機17はコントローラー16に接続され、コントローラー16の指示を受けて運転開始から運転終了までに要した電力を測定し、コントローラー16に情報を送る。
また浴室換気乾燥機1は、金属製のまたは樹脂製の筐体18を備える。筐体18は浴室の天井裏に設置される。
次に、衣類乾燥モードが選択された場合の動作の概要について図3を参照しながら説明する。各段階の制御の詳細な内容については後述する。なお暖房モード及び換気モードが選択された場合の制御については記載を省略する。
はじめに使用者が電源ボタン11aを押し(S01)、次に衣類乾燥ボタン11cを押すと(S03)、目標終了時間設定ボタン11fにより目標終了時間tg[h]が入力できるようになる。使用者は目標終了時間tg[h]を例えば8時間というように衣類の乾燥終了までに要する時間として入力し(S04)、スタートボタン11bを押す。スタートボタン11bが押されると、衣類乾燥モードが選択されたことと入力された目標終了時間がコントローラー16に信号として送られる。
コントローラー16は信号を受けて衣類乾燥運転を開始する(S05)。コントローラー16は運転開始時にタイマーで時間の測定を始め、また電力測定機17を用いて消費電力量の測定を始める。はじめに浴室内部に吊るされた衣類の量wcを推測する(S06)。次に運転開始からの経過時間tと目標終了時間tgとを比較し(S07)、経過時間tが目標終了時間tgに達していない場合は、目標乾燥性能qgを決定する(S08)。経過時間tが目標終了時間tgに達している場合はヒーター10の加熱量を最大にする(S09)。その後、目標乾燥性能qgに基づいて、またはヒーター10の加熱量を最大にした状態で衣類を乾燥させる(S10)。S07の時点から所定の時間(例えば10分程度)経過した時点で、衣類の乾燥が終了したかどうかを浴室内部からの水分の排出速度rw[g/h]が所定の値a(例えば0.01wc)以下になったかどうかで判断する(S11)。水分の排出速度rwが所定の値aより大きい場合、衣類の乾燥は終了していないと判断し、再びS07に戻る。水分の排出速度rwが所定の値aより小さい場合、衣類の乾燥が終了したと判断し、モータ3、7及びヒーター10の運転を終了し、衣類の乾燥に要した時間とランニングコストを表示板11gに表示する(S12)。その後、湿度監視運転を開始する(S13)。最後に使用者が電源ボタン11aを押して終了となる(S14)。
浴室内部に吊るされた衣類の重量wc[g]を推測する手順S06について詳細に説明する。コントローラー16は衣類の量を推測するときには風を起こさない程度の換気量、例えば50[m3/h]程度が得られるようにモーター3を作動させる。また、モーター7及びヒーター10は作動させないようにし、浴室内部に熱を与えたり風を送ったりしない状態で衣類から水分を発生させる。コントローラー16は水分がある程度安定して発生するように運転開始から2〜3分程度経過した時点で、温度計12、14、湿度計13、15から得られる浴室内部の絶対湿度Xb[g/kg′]及び隣室の絶対湿度Xr[g/kg′]とモーター3の回転数から得られる換気量V[m3/h]を元に浴室内部で発生する水分の排出速度rw[g/h]を式1のように決定する。
w=(Xb−Xr)Vρ 式1
ρは乾燥空気の密度[kg′/m3]を表している。ρは予め設定された一定の値、例えば1.2[kg′/m3]とする。
また、温度計12及び湿度計13から得られる浴室内部の温湿度から衣類表面の絶対湿度Xcを推測する。衣類表面では水分の蒸発が起こっているため湿度は上昇し、浴室内部の空気が蒸発潜熱によって冷やされて温度は逆に低下する。蒸発によって空気の状態は変化するが、エンタルピーは変化しない。コントローラー16の内部に予め湿り空気線図に沿ったプログラムを入力しておき、浴室内部の空気と等エンタルピーで湿度100%の空気として表される衣類表面の絶対湿度Xcを求める。ここで、衣類から蒸発する水分の蒸発速度re[g/h]を式2のように決定する。
e=(Xc−Xb)αS 式2
αは湿気伝達率[g/(m2・h・(g/kg′))]である。湿気伝達率は浴室内部の気流が静穏であるとして予め設定された一定の値、例えば20[g/(m2・h・(g/kg′))]とする。なお湿気伝達率は熱伝達率からルイスの関係を用いて予測される値であるが、物体表面の熱伝達率を正確に予測することは難しく、また衣類の表面においても水分が拡散しやすい位置としにくい位置ができてしまい、湿気伝達率は一様でないと考えられる。熱伝達率が4〜6[W/(m2・K)]の間で変化すると考えると、湿気伝達率は14〜22[g/(m2・h・(g/kg′))]程度の間の値を用いるべきである。またS[m2]は衣類の表面積を表す未知数である。
ここで、浴室内部で発生する水分の排出速度rw[g/h]と衣類から蒸発する水分の蒸発速度re[g/h]が等しいという関係から式1と式2を連立し、衣類の表面積S[m2]を算出する。得られた衣類の表面積から、式3のように衣類の重量wc[g]を推測する。
c=bS 式3
係数bは衣類の面積当たりの重量を表す密度係数[g/m2]であり、主に衣類の厚みやポケット等の布の重なり程度に依存する。係数bは薄い綿の布で120[g/m2]程度、バスタオルで400[g/m2]程度の値となるが、ここでは一定の値、例えば300[g/m2]とし、予め設定しておく。
このようにして衣類の重量wc[g]を推測する方法は、重量を測定する精度においては重量計より劣るが、温度計と湿度計という比較的安価に手に入る部材で推測できるというメリットがある。また例えロードセル等の高価な部材で重量を測定したとしても、脱水直後の水分を含んだ重量を測定することになるので、乾燥重量は乾燥率を一定の値として推測することになり、高い精度は期待できない。また使用者が衣類重量を入力するという方法も考えられるが、衣類の重量を測定することが使用者の負担になってしまう。
次に目標乾燥性能qg[g/kg′]を決定する手順S08について図4を参照しながら詳細に説明する。図4(a)は一般的な湿り空気線図を簡単に表現した概念図である。まず空気の乾燥性能q[g/kg′]を、空気が水分を含んだ固体表面と空間との絶対湿度差と定義する。固体表面からの水分の蒸発量は、式2で示したように、表面と空間との絶対湿度差qと湿気伝達率αと表面積Sとの積によって表されることが一般に知られている。ここで衣類表面の絶対湿度Xcを求めた際に示したように、固体表面の絶対湿度は空間の温度及び湿度から予測できる値である。そこで、固体表面と空間との絶対湿度差は空間の空気の乾燥性能として扱うことができると考えた。
ここで空気の乾燥性能qは、ある空気(図4においてAで示す点)の絶対湿度XAと、その空気と等エンタルピーで湿度100%の空気として表される固体表面の空気(図4においてBで示す点)の絶対湿度XBとの差として求められる。なお衣類表面の風速が変化すると湿気伝達率αが変化するが、送風量を常に一定にすることにより、衣類表面の風速及び湿気伝達率も一定の値として扱う。例えば衣類表面の風速が平均1[m/s]程度である場合には、30〜40[g/(m2・h・(g/kg′))]程度とする。吹出し口9から吹出す風が一部の衣類にしか当たらない状態である場合にはこの前提が成り立たないので、吹出し口9から吹出す風がなるべく一様に衣類に当たるとよい。このためには吹出し口9に可動ルーバーをつけたり、衣類をかける竿に合わせて吹出し口9を横長の形状にしたりする等の対策が考えられる。
空気の乾燥性能qが小さいと衣類は乾きにくくなり、逆に空気の乾燥性能qが大きいと衣類は乾きやすくなる。一定の時間内に一定量の水分を蒸発させるために最低限必要な空気の乾燥性能qは一意に決まることから、目標乾燥性能qg[g/kg′]を決定することができる。例えばwr(t)[g]の水をtr[h]の時間内に乾燥させるために必要な目標乾燥性能qgは式4によって求められる。
g=wr/(αtrS) 式4
衣類の乾燥までに蒸発すべき残りの水分の量wr[g]は式5によって求められる。
r(t)=cwc−∫rwdt 式5
係数cは乾燥開始時に衣類に含まれる水分の比率を表す係数である。実際にはこの水分の比率は衣類の吸水性によって変化するが、平均的な値として0.4〜0.5程度の値とする。∫rwdtは運転開始時からその時点までの水分の排出量[g]を表している。
決定された目標乾燥性能qgは図4(b)に示すような線として表現される。線の左側の領域Cでは空気の乾燥性能qが目標乾燥性能qgに不足する状態であり、線の右側の領域Dでは空気の乾燥性能qが目標乾燥性能qgに到達している状態である。目標乾燥性能qgを所定の時間ごとに修正することにより、衣類の乾燥が予測よりも遅い場合においても、目標終了時間tgまでに確実に衣類を乾燥させることができる。
また衣類乾燥には恒率乾燥過程と減率乾燥過程があることが知られている。恒率乾燥過程は衣類表面にできた水膜から水分が蒸発する過程であり、水分の蒸発速度は一定(恒率)である。この場合には目標乾燥性能qgを式4のままで決定することができる。しかし減率乾燥過程においては衣類表面の水膜がなくなっていき、衣類内部から衣類表面へと向かう湿気の流れが支配的になる。このときの蒸発速度は恒率乾燥過程よりも徐々に小さくなっていくため、空気の乾燥性能のみでは乾燥に要する時間を予測することができない。そこで、減率乾燥過程を含めた衣類の乾燥にかかる全体の時間が、恒率乾燥速度から予想される時間よりも長いことを想定して目標乾燥性能qgを決定する。具体的には、残り時間またtr[h]を式6のように決定する。
r=d(tg−t) 式6
式6において、tg−tは目標乾燥時間tgに達するまでの残り時間を表している。係数dは減率乾燥過程において乾燥速度が遅くなることを考慮するための係数であり、2[−]程度の値とする。つまり全ての過程が恒率乾燥過程であった場合と比較して、実際には2倍程度の時間がかかることを意味している。このように減率乾燥過程を考慮することによって、目標終了時間tgまでに衣類の乾燥を終了することができる。なお係数dは衣類の形状や厚みによって変動する値であり、場合によっては使用者がある程度選択できるようにしたり(この場合操作部11に「薄物」「厚物」ボタンを作る)、季節によって使い分けたり(この場合はコントローラー16にカレンダー機能を搭載する)してもよい。
次に、既に目標乾燥時間tgに達している場合の制御S09について説明する。この場合、衣類をできる限り速く乾燥させることが求められる。従ってそれまでの運転に関わらず、ヒーター10の加熱量を最大ノッチにして衣類を乾燥させる。換気量についても最大ノッチとする。
次に衣類乾燥運転の手順S10について図5を参照しながら詳細に説明する。S10を始める初回の場合はモーター3、7を作動させ換気と送風のみで乾燥を始める。これははじめからヒーター10を作動させてしまうと、ヒーター10を作動させなくても衣類を乾燥できるような条件のよいときであってもヒーター10を作動させ、その分無駄なエネルギーを消費してしまうためである。このとき送風量は最大で運転する。送風は衣類乾燥のどの過程においても大きければ大きいほどよいためである。換気量については最大ノッチとする。換気量については隣室の空気の状態によって一概に大きいほうがよいとは限らないが、衣類乾燥の初期段階においては水分の蒸発速度が大きいため、換気量は大きい方がよい場合が多い。2回目以降にS10を始める場合は、その時点では前回のS10で決定した運転をしていることになる。
衣類乾燥運転の手順S10はその時点の空気の乾燥性能qを目標乾燥性能qgと比較するところから始まる。S15は空気の乾燥性能qが、目標乾燥性能qgから所定の値eを差し引いた値よりも小さいかどうか、つまり空気の乾燥性能qが不足するかどうかの判断である。所定の値eは0.5〜1[g/kg′]程度とする。空気の乾燥性能qが不足する場合は次にS16で換気量が最大ノッチかどうかを判断する。換気量が最大ノッチ未満である場合には、ノッチを1段階上げる(S17a)。換気量が既に最大ノッチである場合には、ヒーター10の加熱量を1段階上げる(S17b)。それまで換気と送風のみで衣類を乾燥させていた場合には、ここではじめてヒーター10を作動させることになる。このような制御をすることで、降雨により湿度が高くなったり、日射により温度が高くなったりする等の周囲の環境が変化した場合にも、その状況に応じて適切に運転を調節し、必要最小限の加熱量で衣類を乾燥させることができる。
S18は空気の乾燥性能qが、目標乾燥性能qgから所定の値fを足した値よりも大きいかどうか、つまり空気の乾燥性能qが過分であるかどうかの判断である。所定の値fは所定の値eと同様に0.5〜1[g/kg′]程度とする。衣類の乾燥後半では減率乾燥となり、水分の蒸発速度が遅くなるため、恒率乾燥と同じ運転をすると空気の乾燥性能qが過分になる可能性が大きい。この場合は空気の乾燥性能qが不足する場合と反対の順、つまりはじめに加熱量のノッチを下げ(S20a)、次に換気量のノッチを下げる(S20a)。
次に衣類の乾燥が終了したかどうかを判断する手順S11について説明する。S11では前述した通り、水分の排出速度rw[g/h]が所定の値a(例えば0.01wc)以下になったかどうかで衣類の乾燥について判断する。ここで0.01wcは衣類の乾燥率の約99[%]に相当する値である。なお、何らかの問題があり衣類の重量wcを正確に予測できないことも想定される。この場合にもS11を完了するために、所定の値aを0.01wcと一定の値(例えば0.02)のいずれか大きい方としてもよい。
次に衣類の乾燥に要した時間とランニングコストの表示S12について詳細に説明する。S12になった時点で、コントローラー16はタイマーの時間および電力測定機17の測定情報をメモリーに記憶させる。衣類の乾燥に要した時間はタイマーで測定した運転開始からの経過時間t[h]である。衣類の乾燥に要したランニングコストは電力測定機17で測定した運転開始からの消費電力量[Wh]から計算されるランニングコスト[円]である。電気の値段[円]は一定値(22〜23[円/kWh])とするが、現状として地域や時間帯によって多様であるため、使用者が自由に設定できるようにしてもよい。コントローラー16はメモリーの情報から得られた衣類の乾燥に要した時間とランニングコストを表示板11gに表示する。この表示はS14で電源が切られた場合に終了する。
最後に、湿度監視運転S13について詳細に説明する。衣類乾燥運転終了後も、乾燥が完全に終了していない場合には浴室内部の湿度が高くなり、一旦乾いた衣類も再び湿気を吸収してしまう。そこで温度計12、14と、湿度計13、15を用いて浴室内部と隣室の絶対湿度を監視し、浴室内部の湿度が隣室よりも所定の値、例えば2[g/kg′]以上高い場合にはモーター3を10分間程度作動させて換気する。こうすることにより、衣類乾燥運転終了後も浴室内部の湿度を適度に保ち、一旦乾いた衣類が再び湿気を吸収することを防ぎ、また乾燥が完全に終了していない衣類も徐々に乾燥する。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2の浴室換気乾燥機について図6、7を参照しながら説明する。実施の形態1と同一部分は同一符号を附し詳細な説明は省略する。
浴室換気乾燥機1の構成については浴室換気乾燥機1と同様であるので、説明を省略する。浴室換気乾燥機1はその時々においてヒーター10を使用するかどうかを判断する制御方法であったが、これに対し、浴室換気乾燥機1ではヒーター10を使用する場合は衣類乾燥の最終段階のみとし、ヒーター10を使用開始する時間(以後、加熱開始時間thという)になったかどうかを判断する制御方法である。この方法によると目標乾燥性能qgに基づいて換気量と加熱量を調節するといった複雑な制御が不要であり、簡単なプログラムで目標終了時間tgまでに必要最小限の加熱量で衣類を乾燥させることができる。
浴室換気乾燥機1の制御の概要を図6に示す。大半の手順は浴室換気乾燥機1と同様であるが、衣類乾燥運転に関する手順(S06及びS22〜S24)が浴室換気乾燥機1と異なる。以下、異なる部分の手順に関して図7を参照しながら詳細に説明する。
まず、コントローラー16に予め加熱時の予想乾燥率rh(t)を設定しておく。加熱時の予想乾燥率rh(t)とは、加熱した場合の衣類の乾燥率を表したものであり、目標終了時間tgに乾燥率99[%]になるように設定されている。加熱を開始した場合には浴室内部の温度が急激に上昇し、それに伴って湿度が低下するため、衣類の乾燥が進む具合は周囲の環境にあまり影響されない。加熱を開始した場合に衣類の乾燥が進む具合は、主に加熱量と衣類の重量によって決まる。よって加熱量を一定とした場合、衣類の重量のみに影響される。このためS06で推測された衣類の重量wcによって、加熱時の予想乾燥率rh(t)を3段階程度に分けておくものとする。例えばwc≦2[kg]の場合は予想乾燥率rh1(t)、2<wc≦5[kg]の場合は予想乾燥率rh2(t)、5[kg]<wcの場合は予想乾燥率rh3(t)とし、rh1(t)、rh2(t)、rh3(t)は乾燥率70[%]から99[%]までの時間がそれぞれ2、4、6[h]になるようにする。いずれの予想乾燥率rh(t)を使用するかは、衣類の重量を推測した時点(S06)で決定する。なお乾燥率70[%]から99[%]までの時間(衣類の乾燥に要する時間)はヒーター10の容量によって異なるため、ヒーター10の仕様によってそれぞれ設定する必要がある。
次に、S22では時間tでの乾燥率r(t)を求める。乾燥率r(t)は式7から求められる。
r(t)=wc/(wc+wr(t)) 式7
続いてS23では加熱開始時間thになったかどうかを判断する。その時の乾燥率r(t)と加熱時の予想乾燥曲線rh(t)を比較することにより、r(t)>rh(t)である場合には加熱開始時間thになっていないとして、S24aに進む。r(t)≦rh(t)である場合には加熱開始時間thになったとして、S24bに進む。図7においては加熱時の予想乾燥曲線をrh2(t)とした場合の加熱開始時間thを示している。
S24aではモーター3、7を作動させ、換気と送風のみで衣類乾燥運転を行う。このときの換気量は最大ノッチとする。
S24bではモーター3、7とヒーター10を作動させ、換気と送風と加熱による衣類乾燥運転を行う。このときヒーター10の加熱量は最大ノッチとする。換気量については、換気量を少な過ぎると浴室内部の湿気を十分に排出することができず、また換気量が多すぎると浴室内部の熱を大量に排出してしまうことになる。このため、衣類の量に応じて換気量を変えると加熱がより効率的になり、省エネルギーである。例えばwc≦2[kg]の場合は40[m3/h]程度、2<wc≦5[kg]の場合は80[m3/h]程度、5[kg]<wcの場合は120[m3/h]程度とする。
以上ように、本発明の浴室換気乾燥機は、吊るした状態の衣類を目標とする乾燥時間までに必要最小限の加熱量で乾燥させるものであり、洗濯乾燥室、サウナ、サンルーム等にも適用することができる。
本発明の実施の形態1の浴室換気乾燥機及び浴室換気乾燥機の平面断面図 同操作部の配置図 同浴室換気乾燥機の制御の概要を示すフロー図 同目標乾燥性能の決め方の概念を示す図((a)同目標乾燥性能の求め方を示す概念図、(b)同目標乾燥性能で区分される領域を示す概念図) 同目標乾燥性能に基づく衣類乾燥運転の制御を示すフロー図 本発明の実施の形態2の浴室換気乾燥機の制御の概要を示すフロー図 同加熱開始時間を説明する概念図 従来技術の浴室換気乾燥機の制御の概要を示すフロー図
符号の説明
1 浴室換気乾燥機
2 換気ファン
6 送風ファン
10 ヒーター
11 操作部
12 温度計
13 湿度計
14 温度計
15 湿度計
16 コントローラー
17 電力測定機
g 目標終了時間

Claims (16)

  1. 使用者が衣類の乾燥が終了するまでの目標終了時間及び運転開始を指示するための操作部と、浴室内部の空気を排出する換気手段と、衣類に風を送る送風手段と、衣類に熱を与える加熱手段と、浴室内部の温度及び湿度を検知する浴室用温湿度検知手段と、浴室の換気経路上の風上に当たる隣室の温度及び湿度を検知する隣室用温湿度検知手段と、前記操作部及び前記浴室用温湿度検知手段及び前記隣室用温湿度検知手段の信号を受けて前記換気手段及び前記送風手段及び前記加熱手段を制御する制御手段と、前記制御手段に接続され時間を計測するタイマーを備え、前記制御手段が前記浴室用温湿度検知手段と前記隣室用温湿度検知手段で検知された各温度及び湿度から衣類の乾燥状態を計算し、算出された衣類の乾燥状態及び前記目標終了時間に達するまでの残り時間から、加熱量が必要最小限となるように前記加熱手段の動作を制御する浴室換気乾燥機。
  2. 衣類からの水分の蒸発速度から衣類の量を推測する請求項1記載の浴室換気乾燥機。
  3. 浴室からの水分の排出速度と衣類からの水分の蒸発速度との比較により衣類の表面積を推測し、衣類の表面積から衣類の量を推測する請求項2記載の浴室換気乾燥機。
  4. 制御手段が所定の時間ごとに加熱手段の加熱量を調節する請求項1〜3のいずれかに記載の浴室換気乾燥機。
  5. 制御手段が目標終了時間内に衣類を乾燥させるために必要な浴室内部の空気の目標乾燥性能を決定し、前記目標乾燥性能に基づいて加熱手段の加熱量を調節する請求項4記載の浴室換気乾燥機。
  6. 制御手段が空気の目標乾燥性能を決定する際に、衣類の減率乾燥の影響を考慮する請求項5記載の浴室換気乾燥機。
  7. 制御手段がタイマーを用いて、空気の目標乾燥性能を所定の時間ごとに修正する請求項5または6記載の浴室換気乾燥機。
  8. 運転開始時に換気手段と送風手段のみで衣類を乾燥させる請求項5〜7のいずれかに記載の浴室換気乾燥機。
  9. 浴室内部の空気が目標乾燥性能に到達しないと制御手段が判断した場合、制御手段がはじめに換気手段の換気量を増やし、次に加熱手段の加熱量を増やす請求項8記載の浴室換気乾燥機。
  10. 目標終了時間に達するまでの最終段階において、必要最小限の時間のみ加熱手段を用いて衣類を乾燥させる請求項1〜3のいずれかに記載の浴室換気乾燥機。
  11. 制御手段に接続された記憶手段を備え、前記記憶手段に加熱手段を運転した場合の衣類の乾燥率の推移パターンを予め記憶させておき、前記制御手段が運転開始時には換気手段と送風手段のみを用いて衣類を乾燥させ、タイマーから得られる設定された目標終了時間までの残り時間と、前記記憶手段から得られる情報から、前記目標終了時間内に衣類を乾燥させるためには前記加熱手段を用いなければならない時間になったと判断した場合、前記加熱手段と前記換気手段と前記送風手段を用いて衣類を乾燥させる請求項10記載の浴室換気乾燥機。
  12. 加熱手段を用いる場合には、衣類の量に応じて換気手段の換気量を変える請求項10または11記載の浴室換気乾燥機。
  13. 目標終了時間になった後も浴室から所定の量以上の水分が発生している場合、制御手段が加熱手段の加熱量を最大にして衣類を乾燥させる請求項4〜12のいずれかに記載の浴室換気乾燥機。
  14. 浴室内部で発生する水分が所定の量以下になった時点で運転を終了する請求項4〜13のいずれかに記載の浴室換気乾燥機。
  15. 運転が終了した後、浴室用温湿度検知手段から得られた浴室内部の絶対湿度が隣室用温湿度検知手段から得られた隣室の絶対湿度よりも所定の湿度以上に高い場合には、制御手段が換気手段を用いて換気する請求項4〜14のいずれかに記載の浴室換気乾燥機。
  16. 制御手段に接続され浴室換気乾燥機の消費電力を測定する消費電力測定手段と制御手段の指示を受けて情報を表示する表示手段を備え、運転開始から衣類が乾燥するまでに要した時間とランニングコストを表示する請求項1〜15のいずれかに記載の浴室換気乾燥機。
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