JP4977410B2 - 監視情報通報方法及びそのシステム - Google Patents

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Description

本発明は、異常情報を含む監視情報を通報センター宛に通報する際、確実な通報が迅速で容易な監視情報通報方法及びそのシステムに関するものである。
従来の監視情報通報方法及びそのシステムとしては、例えば、特開2004−282209号公報(特許情報1)に開示された異常通報装置がある。
これを、図5及び図6を参照して説明する。異常通報装置100は、データベース部107として通報テーブルを有し、そのテーブルには初期の通報優先順序として名前A,B及びCの管理者に通報できる通報先電話機103A,103B及び103Cそれぞれがこの順序で登録されているものとする。通報先電話機103A,103B及び103Cは電話回線網を介して異常通報装置100から呼び出される。
例えば、異常検出部104がプラント102の異常を検出(手順S101)の際には、制御部106がデータベース部107の最優先の登録順「1」から通報先電話機103Aを選択して電話回線網に発信(手順S102)する。ここで、応答判定タイマ108が時限計測を開始(手順S103)し、この発信に応答あり(手順S104のYES)の場合、制御部106は異常情報を収集して通報先電話機103Aに通報(手順S107)して手順を終了する。
上記手順S104が「NO」で通報先の応答なしで、応答判定タイマの時限に到達(手順S105のYES)の場合、制御部106は応答判定タイマを初期化して応答できなかった通報先電話機103Aの呼出順を最後尾に更新(手順S106)する。次いで、制御部106は、上記手順S102に戻り、更新されたデータベース部107の呼出順「1」に基づいて通報先電話機103Bを選択し発信する。
この監視情報通報方法及びその装置は、上位に登録されている管理者が長期不在のような場合でも、一回の不応答で次の順序の通報先に切替えることができるので、異常通報の早期伝達が可能であり、通報遅れによる多大の損害発生を回避する上で実用上十分であった。さらに、本特許文献1では、第2の実施形態として、不応答時刻を記録して、管理者対応の不在時間帯を知り、この時間帯を回避することも提示されている。
しかし、災害などで多数の通報装置から通報先へ集中した場合、大規模プラントで定期的な監視情報を多数の通報装置から監視センターへ集中する場合などでは、通報先センター側での受信施設を十分に確保する必要がある。
特開2004−282209号公報
解決しようとする課題は、監視情報通報システムとして、多数の通報装置から集中して通報センターへ監視情報が届く場合、その輻輳回避を処理することが提示されていないことである。
本発明は、監視情報通報システムにおいて、多数の通報装置から集中して通報センターへ監視情報が届くような場合でも、輻輳を抑えて通報先の負荷を低減し、効率よいかつ的確な通報先管理を行うため、前記通報センターで複数の通報先アドレスをもって通報を受付けると共に、発信元の通報装置では、監視情報発信のため優先選択した通報先アドレスを呼出しの都度、通報先アドレスの選択が平均化するようにその通報先アドレスの優先選択順位を別順位に更新することを主要な特徴とする。
例えば、前記通報装置による前記優先選択の別順位への更新に際しては、通報先アドレスを呼出しの都度その通報先アドレスを優先選択順位の最後尾に移動すること、又は通報先アドレスを呼出ししてその応答の都度、その成功回数を加算し、その成功回数及び応答順序を加味して成功回数が通報先アドレスで平均化するように重み付けしその通報先アドレスの優先選択順位を決定して更新すること、更に通報先アドレス呼出しを失敗の都度、その失敗回数を加算してその回数が所定値を越えた場合、その通報先アドレスを優先順位対象から除外することなどができる。これにより、異なる通報先アドレスが順次選択されるので、各通報先へのトラヒックの分散を図ることができる。
また、具体的なシステム構成の一実施態様は、監視情報を複数の通報装置から通信網を介して一つの通報センター宛に通報する監視情報通報システムであって、前記通報センターは、前記通信網から通報を受付けする複数の通報先アドレスを有している。また、前記通報装置は、前記通報先アドレスに優先選択順位を付して記憶する通報先優先リストと、前記通報センターに前記監視情報を送信の際、前記通報先優先リストの最優先の通報先アドレスを選択して呼出しする通報先呼出し手段と、通報先アドレスを呼出しの都度、全通報先アドレスそれぞれの呼出し頻度が平均化するよう、呼出しした通報先アドレスの前記通報先優先リストにおける優先選択順位を別順位に更新する優先リスト更新手段とを有している。
本発明の監視情報通報方法及びその装置は、一つの通報先センターで複数の通報先アドレスをもって通報を受付けると共に、発信元の通報装置では、監視情報発信のため優先選択した通報先アドレスを呼出しの都度、全通報先アドレスそれぞれの呼出し頻度が平均化するよう、呼出しした通報先アドレスの優先選択順位を別順位に更新するため、各通報装置が異なる通報先アドレスを順次選択するので、通報センターでは通報先アドレスにおけるトラヒックの分散を図ることができるという効果がある。
本発明は、監視情報通報システムとして多数の通報装置から集中して通報センターへ監視情報が届く場合、その輻輳を上手に回避するという目的を有する。その目的を実現するため、通報先センターでは複数の通報先アドレスをもって通報を受付けると共に、発信元の通報装置では、監視情報発信のため優先選択した通報先アドレスを呼出しの都度、呼出し頻度又は成功回数が通報先アドレスで平均化するようにその通報先アドレスの優先選択順位を別順位に更新することとしている。
以下に、本発明による実施態様について図面を参照して説明する。図面では、本発明に係る部分は示されているが、紙面の都合上、必須機能で省略されているものがある。図示されるブロック及びフローチャートは、本発明の特徴を有していれば、その機能の分離併合又は手順の変更が自由であり、書き説明が本発明を限定するものではない。
本発明の実施例1について図1から図4までを参照して説明する。ここでは、監視情報を電子メールでメールボックスに送達するものとする。
図1は本発明による監視情報通報システムの実施の一形態をブロックで示す図である。
図示される通報装置1は、内部バスを用いて入出力装置と共にメモリ及びプロセッサが接続され、プログラム制御されるものとし、監視対象の外部センサ2から監視情報を受けてインターネットを介して通報センター3へ通報するものとする。監視情報は電話回線網を介して通報センター3の電話機に通報することもできる。センサ2は例えばプラントのある場所の監視に用いられ、その検出情報は、通報装置1により収拾され、監視情報として通報センターへ送信される。通報センター3は、複数箇所の通報装置1から送られる監視情報を複数の保守管理者により受付けされ、処理される。従って、通報センター3は、複数の通報先アドレスを有する。電子メールで受け取る場合では、複数のメールボックスが用意され、それぞれにメールアドレスが通報先として付与されている。
通報装置1は、センサIF(インタフェース)部4、電話回線IF部5、INT網(インターネット)IF部6、データベース部7、応答判定タイマ8、及び制御部9を含む。
センサIF部4は、センサ2を接続してセンサの検出情報を受け取るインタフェースを有し、その検出情報を制御部9に引き渡す。センサIF部4には、一つのセンサ2が接続されているが、複数のセンサが接続されてよい。電話回線IF部5は制御部9の制御を受け、例えばPSTN(公衆交換電話回線網)とのインタフェースを有して監視情報などの通報ができる。INT網IF部6は制御部9の制御を受け、インターネットと接続し通報センター3へ電子メールを送信することができる。
データベース部7は、収集監視情報領域と例えば図2に示されるような監視情報の通報先優先リスト領域とを含み、制御部9の制御を受けてその記録、更新、削除等が実行される。収集監視情報は制御部9で作成される。図2の通報先優先リスト11は、通報先アドレス(又は電話番号)、通報先名、応答時刻、重み付け値、成功回数、失敗回数などが含まれており、最上欄が最優先であり、下方に順位付けられる。通報先優先リスト11は、保守管理者により入出力装置(図示されていない)から登録されるが、制御部9により更新を受ける。
応答判定タイマ8は、電話回線呼出し又はメール送信後の応答を、任意の所定時間を時限計測して確認する。応答判定タイマ8は、障害時に再通報する場合に必要であるが、特に電子メールの場合、通報センターのメールボックス容量が不足でエラーとなる状態が生じるので、これを検出する上で必要となる。
制御部9は、監視情報収集手段、通報先呼出し手段、タイマ制御手段、重み付け演算手段、及び優先リスト更新手段を含み、その動作手順はフローチャートを参照して後に説明する。監視情報収集手段は、センサIF部4を介して監視情報を収集し、データベース部7の収集監視情報領域に記録する。通報先呼出し手段は、定期的に収集監視情報領域に記録された監視情報を取り出し、通報先優先リスト11から選択した最優先の通報先を宛先アドレスとして呼出しその応答を得て送出する。通報装置1で異常を検出した場合も、通報先呼出し手段は先の通報センター3を呼出ししてその監視情報を通報する。タイマ制御手段は応答の遅れを判定する応答判定タイマ8を制御して所定の動作を実行すると共に応答を受付けした際に通報先優先リスト11でその応答時刻をその通報先に更新記録する。
重み付け演算手段は、通報先優先リスト11の更新の際に先に記録された応答時刻(期日)と現在時刻(期日)との時間差を演算し、図3に示されるように演算する。ここでは、大きな時間値T、すなわち長期間通報が無かった通報先を小さな重み付け値Wとする。優先リスト更新手段は、監視情報送信呼び出しに対する応答の成功又は失敗の都度、通報先優先リスト11での通報先優先順位を変更する。通常は順番で通報先が決定するので、最小の成功回数、かつ同一成功回数では上記重み付け値が最小の通報先が最優先となる。しかし、失敗した場合も在るので、更新の際には応答時刻に基づく重み付け値に成功回数が加味され、優先順位が設定される。異常が無ければ、時刻の最古のものが最優先とされるので、選択された通報先は更新により最後尾に順序付けされる。
次に、図4のフローチャートに図1から図3までを併せ参照して制御部9の主要動作手順について説明する。
データベース部7の収集監視情報が制御部9の監視情報収集手段により定期的に収集されるものとする。制御部9は、定期的な監視情報収集(手順S1)の際に通報先優先リスト11から最優先通報先を選択し、監視情報を電子メールに作成して発信(手順S2)する。この時点で、制御部9は、応答判定タイマ8の時限計測を開始(手順S3)させる。監視情報は、電子メールでなく、データ又は音声に変換し電話回線を介して送信されてもよい。この場合、電話網の基本的な信号の流れに沿って、被呼者応答又は話中を識別することができるものとする。
図示される手順によれば、応答判定タイマ8の時限開始後、応答判定タイマ8の時限到達以前で通報先からの応答待ち(手順S4のNO、手順S5のNO)の状態において、通報先からの応答あり(手順S5のYES)の場合、制御部9は、その通報先に対し、図示されない時計から応答時刻を読取って通報先優先リスト11の応答時刻を更新記録して、図3に基づく重み付け(手順S6)すると共に通報先優先リスト11の成功回数に「1」を加算して応答判定タイマ8を初期化(手順S7)する。次いで、制御部9は、その結果の重み付け値と成功回数とに加え、登録される残り全ての通報先における重み付けを図3における現在時刻から演算し、通報先優先リスト11の優先順位を更新(手順S8)して手順を終了する。上記手順S4により、応答判定タイマで時限計測が開始された後、通報先からの応答で直ちに応答時刻を記録する手順に進むので、異常の際の迅速な通報が可能である。
一方、上記手順S5が「NO」で通報先からの応答がなく、更に応答判定タイマ8の時限に到達の場合、制御部9は、通報先優先リスト11の失敗回数に「1」を加算して応答判定タイマ8を初期化(手順S11)する。その結果、失敗回数が所定値以下(手順S12のYES)の場合、制御部9は、通報先優先リスト11の優先順位を従来の重み付け値と失敗回数とで更新(手順S8)し、上記手順S2に戻って、更新された最優先通報先により電子メールを発信し、以降の手順を繰り返す。上記手順S12が「NO」で、失敗回数が所定値を超過の場合、制御部9は、その通報先を通報先優先リスト11で優先順位から除外(手順S14)され、除外リストに組み込まれる。この通報先は、保守管理者によって調査されたうえ、通報先優先リスト11に戻される。
このような構成を採用したので、一つの通報装置から呼び出す通報先が、順調に応答する場合には最初に設定された順序に従って順繰りにその成功回数を増やすので、平均して使用される。そのため、複数の通報装置それぞれで、ランダムにその優先順位を設定することにより、監視情報通報システムとして多数の通報装置から集中して通報センターへ監視情報が届く場合、その輻輳を回避できることが期待される。
また、失敗した場合には、別の通報先に移行すると共に、応答判定タイマの時限により、時間の経過を経た後に再度呼び出すので、上記同様、多数の通報装置から集中して通報センターへ監視情報が届く場合の輻輳を回避できる。また、頻繁な失敗の場合、その通報先を除外するので、無駄な通報処理を回避することができる。
すなわち、監視情報通報システムとして多数の通報装置から集中して通報センターへ監視情報が届く場合、その輻輳を上手に処理できるという効果がある。
同一種別の宛先に複数の通報先を用いてその通報先を通報の都度、応答時期を記録して通報時期の古いものから順次選択するように優先順位を更新することが容易にでき、また通報に失敗しても、時間を置いて別の通報先に通報することにより、複数の通報装置から通報先への通報を分散できるので、通報先での輻輳回避が必要な用途に適用可能である。
監視情報通報システムの実施の一形態をブロックで示した説明図である。(実施例1) 図1の通報先優先リストの実施の一形態をテーブルで示した説明図である。(実施例1) 図1における重み付けの実施の一形態をグラフで示した説明図である。(実施例1) 図1の監視情報通報システムの主要動作手順の実施の一形態をフローチャートで示した説明図である。(実施例1) 従来の監視情報通報システムの一例をブロックで示した説明図である。 図5の監視情報通報システムの主要動作手順の一例をフローチャートで示した説明図である。
符号の説明
1 通報装置
2 外部センサ
3 通報センター
4 センサIF部
5 電話回線IF部
6 INT網IF部
7 データベース部
8 応答判定タイマ
9 制御部
11 通報先優先リスト

Claims (6)

  1. 監視情報を複数の通報装置から通報センター宛に通報する監視情報通報方法において、
    前記通報センターで複数の通報先アドレスをもって通報を受付けると共に、発信元の通報装置では、監視情報発信の際には、前記通報先アドレスに優先選択順位を付した通報先優先リストに基づいて優先選択した通報先アドレスを呼出しする都度、前記通報先優先リストの更新を行い、
    当該通報先優先リストの更新に際しては、通報先アドレスを呼出ししてその応答の都度、応答時刻を記録すると共に、前回の応答時刻と現在時刻の時間差を考慮して重み付けを行い、さらに成功回数を加算し、その成功回数及び重み付け値とで前記通報先優先リストの更新を行なうことを特徴とする監視情報通報方法。
  2. 請求項1に記載の監視情報通報方法において、前記通報装置による通報先アドレスの更新に際しては、通報先アドレスを呼出しする都度その通報先アドレスを優先選択順位の最後尾に移動することを特徴とする監視情報通報方法。
  3. 請求項1に記載の監視情報通報方法において、前記通報装置による通報先アドレスの更新に際しては、通報先アドレス呼出しを失敗の都度、その失敗回数を加算してその回数が所定値を越えた場合、その通報先アドレスを優先順位対象から削除することを特徴とする監視情報通報方法。
  4. 監視情報を複数の通報装置から通信網を介して一つの通報センター宛に通報する監視情報通報システムにおいて、
    前記通報センターは、前記通信網から通報を受付けする複数の通報先アドレスを有し、
    前記通報装置は、前記複数の通報先アドレスに優先選択順位を付して記憶する通報先優先リストと、前記通報センターに前記監視情報を送信の際に、前記通報先優先リストの最優先の通報先アドレスを選択して呼出しする通報先呼出し手段と、通報先アドレスを呼出ししてその応答の都度、応答時刻を記録すると共に、前回の応答時刻と現在時刻の時間差を考慮して重み付けを行い、さらに成功回数を加算し、その成功回数及び重み付け値とで前記通報先優先リストを更新する優先リスト更新手段とを有する
    ことを特徴とする監視情報通報システム。
  5. 請求項に記載の監視情報通報システムにおいて、前記通報装置は、前記優先リスト更新手段により、通報先アドレスを呼出しの都度その通報先アドレスを優先選択順位の最後尾に移動することを特徴とする監視情報通報システム。
  6. 請求項に記載の監視情報通報システムにおいて、前記通報装置は、通報先アドレス呼出しを失敗の都度、その失敗回数を加算してその回数が所定値を越えた場合、その通報先アドレスを前記通報先優先リストから移動して記憶する除外リストを有することを特徴とする監視情報通報システム。
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