以下に、本願の開示する通知装置および通知システムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
本実施例1に係る通知システムの一例について説明する。図1は、本実施例1に係る通知システムの構成を示す図である。図1に示すように、この通知システムは、端末装置10a,10bと、第三者端末20a,20bと、通知装置100とを有する。端末装置10a,10b、第三者端末20a,20b、通知装置100は、ネットワーク50に接続される。以下の説明では、端末装置10a,10bをまとめて適宜、端末装置10と表記する。第三者端末20a,20bをまとめて適宜、第三者端末20と表記する。
端末装置10は、利用者の通話の音声情報を取得する端末装置であり、電話機に内蔵されていても良いし、電話機の外部に接続されるものでも良い。端末装置10は、音声情報と、付属情報と、端末IDとを対応付けた情報を、通知装置100に送信する。このうち、音声情報は、利用者側の音声情報と、利用者の通話相手側の音声情報とを含む。付属情報は、通話相手の電話番号、通話開始時間、通話終了時間の情報を含む。端末IDは、端末装置10を一意に識別する情報である。
第三者端末20は、第三者が利用する端末装置であり、電話機や携帯電話等に対応する。ここで第三者は、端末装置10の利用者が振り込め詐欺に遭いそうな場合に、通知装置100から、その旨を通知され、利用者に注意を促す人物に対応する。例えば、第三者は、利用者の友人、親族、隣人、警察、ボランティアなどに対応する。
通知装置100は、端末装置10から送信される情報を基にして、端末装置10の利用者が振り込め詐欺に遭いそうであるか否かを判定する。通知装置100は、利用者が振り込め詐欺に遭いそうな場合に、利用者が振り込め詐欺に遭いそうな旨の情報を、第三者端末20に通知する。特に、通知装置100は、情報を第三者端末20に通知する場合に、同一の第三者に連続して通知されないように通知先を分散させる。
本実施例1に係る通知装置100の構成について説明する。図2は、本実施例1に係る通知装置の構成を示す機能ブロック図である。図2に示すように、この通知装置100は、通信部110、記憶部120、制御部130を有する。
通信部110は、ネットワーク50を介して、端末装置10、第三者端末20とデータ通信を行う通信装置である。後述する制御部130は、通信部110を介して、他の装置とデータをやり取りする。
記憶部120は、通知先テーブル120a、通知記録テーブル120bを記憶する。記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子などの記憶装置に対応する。
通知先テーブル120aは、第三者の通知先の情報を定義するテーブルである。図3は、本実施例1に係る通知先テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図3に示すように、この通知先テーブル120aは、端末IDと、詐欺を防止できる確率「大」の通知先と、詐欺を防止できる確率「中」の通知先と、詐欺を防止できる確率「小」の通知先とを対応付ける。端末IDは、端末装置10を一意に識別する情報である。詐欺を防止できる確率「大、中、小」の通知先は、管理者が事前情報などから適宜設定する。
例えば、端末ID「123」について、詐欺を防止できる確率「大」の通知先は、Aさんの第三者端末20となり、確率「中」の通知先は、Bさんの第三者端末20となり、確率「小」の通知先は、Cさんの第三者端末20となる。
通知記録テーブル120bは、第三者に通知を行った直近の通知日を記憶するテーブルである。図4は、本実施例1に係る通知記録テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図4に示すように、この通知記録テーブル120bは、通知先と直近の通知日とを対応付ける。例えば、通知先の「Aさん」に通知した直近の通知日は「2013年1月5日」となる。
図2の説明に戻る。制御部130は、判定部130a、算出部130b、通知部130cを有する。制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積装置に対応する。また、制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の電子回路に対応する。
判定部130aは、端末装置10から音声情報、付属情報、端末IDの情報を取得し、音声情報および付属情報を基にして、通知先に情報を通知するか否かを判定する処理部である。判定部130aは、判定結果と、端末IDの情報を、算出部130bに出力する。また、判定部130aは、後述する過信度合いおよび詐欺らしさの情報、判定結果、端末IDの情報を、通知部130cに出力する。
具体的に、判定部130aは、音声情報を分析することで、「過信度合い」および「詐欺らしさ」を算出する。「過信度合い」は、考察力が低下した過信状態である度合いである。判定部130aは、利用者側から発せされた音声の高さや大きさから算出される緊張度合い、普段の声との違い度合いを用いて、過信度合いを算出する。判定部130aは、利用者毎に普段の音声の情報を保持しており、端末装置10から取得する音声情報と比較する。例えば、判定部130aは、利用者の普段の音声よりも音声情報の音声が異なれば異なるほど、過信度合いの値を大きくする。過信度合いの値を大きくする度合いは、管理者が適宜設定すればよい。判定部130aは、その他どのような従来技術を用いて、過信度合いを算出しても良い。
「詐欺らしさ」は、利用者の通話相手側から発せられた通話の内容、通話の長さ、通話の時間帯が、過去の詐欺の事例とどの程度類似しているかにより、算出される値である。例えば、判定部130aは、詐欺で用いられるキーワードの情報を保持しており、係るキーワードが通話内容に含まれている回数に応じて、詐欺らしさの値を大きくする。また、付属情報に含まれる電話番号がブラックリストに載っている場合、通話時間帯が、詐欺の頻発する通話時間帯である場合、通話時間が詐欺の典型的な時間長である場合に、詐欺らしさの値を更に大きくする。詐欺らしさの値を大きくする度合いは、管理者が適宜設定すればよい。判定部130aは、その他どのような従来技術を用いて、詐欺らしさを算出しても良い。
判定部130aは、過信度合い、詐欺らしさを算出した後に、通知先に情報を通知するか否かを判定する。判定部130aは、過信度合いおよび詐欺らしさが所定の閾値以上となる場合に、通知先に情報を通知すると判定する。なお、判定部130aは、過信度合いまたは詐欺らしさのどちらか一方が、所定の閾値以上となった場合でも、通知先に情報を通知すると判定しても良い。
算出部130bは、通知先に情報を通知すると判定された場合に、下記の処理を実行する。算出部130bは、通知記録テーブル120bを参照し、現在の日付情報と、直近の通知日とを比較して、通知先毎に、直近の通知日から現在の日付までの経過時間を算出する処理部である。以下の説明では、直近の通知日から現在の日付までの経過時間を、「無通知時間長」と適宜表記する。
算出部130bは、現在の日付情報を、図示しないタイマから取得する。算出部130bは、直近の通知日が「2013年1月5日」で、現在の日付が「2013年1月25日」の場合には、無通知時間長は「20日」となる。算出部130bは、通知先の直近の通知日が「無し」の場合には、該当する通知先の無通知時間長を「無限大」または「365日」とする。算出部130bは、各通知先の無通知時間長と、端末IDの情報を、通知部130cに出力する。
なお、算出部130bは、端末IDと、通知先テーブル120aとを比較して、通知先の候補を特定し、通知先の候補の無通知時間長のみを算出しても良い。例えば、図3について、端末IDが「123」である場合には、通知先の候補は、「Aさん、Bさん、Cさん」となる。この場合には、算出部130bは、「Aさん、Bさん、Cさん」について、無通知時間長を算出すれば良い。
通知部130cは、通知先の候補のうち、無通知時間長が長い通知先を優先して選択し、選択した通知先の第三者端末20に情報を通知する処理部である。具体的に、通知部130cの処理を説明する。なお、下記の説明において、過信度合いが高いとは、過信度合いが第1閾値以上であることを示す。過信度合いが中程度であるとは、過信度合いが第1閾値未満、第2閾値以上であることを示す。過信度合いが低いとは、過信度合いが第2閾値未満であることを示す。ただし、第1閾値と第2閾値との大小関係を、「第1閾値>第2閾値」とする。
通知部130cは、過信度合いが高い場合には、詐欺を防止できる確率が「大」の通知先候補のうち、無通知時間長が最長の通知先を選択する。図3において、端末ID「123」の場合には、通知先の候補「Aさん」を優先的に選択する。ただし、Aさんの無通知時間長が所定の閾値未満である場合には、他の通知先の候補のうち、無通知時間が最長となる通知先を選択する。例えば、図3において、端末ID「123」の他の通知先の候補は、「Bさん」、「Cさん」となる。
通知部130cは、過信度合いが中程度の場合には、詐欺を防止できる確率が「中」の通知先候補のうち、無通知時間長が最長の通知先を選択する。図3において、端末ID「123」の場合には、通知先の候補「Bさん」を優先的に選択する。ただし、Bさんの無通知時間長が所定の閾値未満である場合には、他の通知先の候補のうち、無通知時間が最長となる通知先を選択する。例えば、図3において、端末ID「123」の他の通知先の候補は、「Aさん」、「Cさん」となる。
過信度合いが低い場合には、詐欺を防止できる確率が「小」の通知先候補のうち、無通知時間長が最長の通知先を選択する。図3において、端末ID「123」の場合には、通知先の候補「Cさん」を優先的に選択する。ただし、Aさんの無通知時間長が所定の閾値未満である場合には、他の通知先の候補のうち、無通知時間が最長となる通知先を選択する。例えば、図3において、端末ID「123」の他の通知先の候補は、「Bさん」、「Aさん」となる。
通知部130cは、第三者端末20に情報を通知した場合に、通知先記録テーブル120bについて、該当する通知先の直近の通知日を現在の日付に更新する。例えば、通知先「Aさん」に情報を通知した場合には、通知先「Aさん」に対応する直近の通知日を現在の日付に更新する。通知部130が、通知する情報には、例えば、端末IDに対応する利用者が詐欺に遭いそうである旨の情報や、通話時間等が含まれる。なお、通知部130cは、例えば、電子メール、SMS(Short Message Service)、自動音声応答装置等を用いて、第三者端末20に通知すればよい。
次に、本実施例1に係る通知装置100の処理手順について説明する。図5は、本実施例1に係る通知装置の処理手順を示すフローチャートである。例えば、図5に示す処理は、通知装置100が、端末装置10から音声情報、付属情報、端末IDの情報を受信したことを契機にして実行する。図5に示すように、通知装置100は、詐欺らしさおよび過信度合いを算出し(ステップS101)、通知するか否かを判定する(ステップS102)。
通知装置100は、通知を要しないと判定した場合には(ステップS102,No)、処理を終了する。一方、通知装置100は、通知を要すると判定した場合には(ステップS102,Yes)、通知先の候補の無通知時間長を算出する(ステップS103)。
通知装置100は、通知先の候補から通知先を選出して通知先の第三者端末20に情報を送信し(ステップS104)、通知記録テーブル120bを更新する(ステップS105)。
次に、通知装置100が、通知先を選出する具体的な処理手順について説明する。図6は、本実施例1に係る通知先を選出する処理手順を示すフローチャートである。図6に示す処理は、図5のステップS104に対応する。
図6に示すように、ステップS151において、通知装置100は、過信度合いが高い場合には、ステップS152に移行する。通知装置100は、過信度合いが中程度の場合は、ステップS155に移行する。通知装置100は、過信度合いが低い場合には、ステップS157に移行する。
過信度合いが高い場合について説明する。通知装置100は、無通知時間長が閾値以上で詐欺を防止できる確率が大の通知先の候補を抽出する(ステップS152)。通知装置100は、通知先の候補が有る場合には(ステップS153,Yes)、通知先の候補の内、無通知時間長が最も長い通知先を選出する(ステップS154)。一方、通知装置100は、通知先の候補が無い場合には(ステップS153,No)、ステップS155に移行する。
過信度合いが中程度の場合について説明する。通知装置100は、無通知時間長が閾値以上で詐欺を防止できる確率が中の通知先の候補を抽出する(ステップS155)。通知装置100は、通知先の候補が有る場合には(ステップS156,Yes)、ステップS154に移行する。一方、通知装置100は、通知先の候補が無い場合には(ステップS156,No)、ステップS157に移行する。
過信度合いが低い場合について説明する。通知装置100は、無通知時間長が閾値以上で詐欺を防止できる確率が小の通知先の候補を抽出する(ステップS157)。通知装置100は、通知先の候補が有る場合には(ステップS158,Yes)、ステップS154に移行する。
一方、通知装置100は、通知先の候補が無い場合には(ステップS158,No)、無通知時間長が閾値以上で詐欺を防止できる確率が中の通知先の候補を抽出する(ステップS159)。通知装置100は、通知先がある場合には(ステップS160,Yes)、ステップ154に移行する。
一方、通知装置100は、通知先の候補が無い場合には(ステップS160,No)、全ての通知先の候補内で、無通知時間長が最も長い通知先を算出する(ステップS161)。
次に、本実施例1に係る通知装置100の効果について説明する。通知装置100は、音声情報を基にして、通知先に情報を通知すると判定した場合に、通知先毎に無通知時間長を算出する。通知装置100は、通知先毎の無通知時間長を基にして、無通知時間長が長い通知先を優先的に選択し、選択した通知先に情報を通知する。このため、本実施例1に係る通知装置100によれば、情報が通知される通知先が分散されるため、利用者が詐欺被害に遭いそうな旨を第三者に効果的に通知して、詐欺被害を抑止することができる。
また、通知装置100は、過信度合いに加えて詐欺らしさを求め、過信度合いと詐欺らしさを基にして、情報を通知するか否かを判定する。このため、利用者に対する詐欺が発生したか否かをより正確に判定することができる。
また、通知装置100は、詐欺を防止できる確率に応じて、通知先をグループ分けする。通知装置100は、過信度合いが高い場合には、詐欺を防止できる確率「大」の通知先に優先的に通知する。通知装置100は、過信度合いが中程度の場合には、詐欺を防止できる確率「中」の通知先に優先的に通知する。通知装置100は、過信度合いが低い場合には、詐欺を防止できる確率「小」の通知先に優先的に通知する。このため、過信度合いに応じて、最適な第三者に情報を通知することができる。
図7は、通知先の第三者が詐欺を防止できる確率モデルの一例を示す図である。通知先「Aさん」が詐欺を防止できる確率が「大」、通知先「Bさん」が「中」、通知先「Cさん」が「小」であるが、共通の傾向として、過信度合いは高いほど、無通知時間長は短いほど、防止しにくくなるので確率は下がる傾向にある。
このとき、同一の端末から短い通知間隔で3回通知があった場合に、従来技術の全通知方式、本発明の無通知時間長を基に通知先を選出する方式、本発明の無通知時間長と過信度合いを基に通知先を選出する方式において、3回とも詐欺を防止できる確率を図8に示す。
図8は、3回とも詐欺を防止できる確率の一例を示す図である。本発明の無通知時間長と過信度合いを基に選出する方式が平均として高いことが分かる。このように無通知時間長と過信度合いから、過信度合いが低いときには詐欺を防止できる確率が「大」の通知先には温存して別の通知先に通知し、過信度合いが高いときに詐欺を防止できる確率が「大」の通知先に通知することで、全体として詐欺を防止できる確率を向上することができる。
従来技術における全通知方式では、Aさん、Bさん、Cさんの3名全員に3回とも通知される。そのため、2回目、3回目の通知は、全員の無通知時間長は短いタイミングとなる。例えば、通知された過信度合いが、1回目は高い、2回目は中程度、3回目は低い場合に、3回とも詐欺を防止できる確率の算出方法を説明する。
1回目は高いが無通知時間長が長いので、通知先Aさんは100%、通知先Bさんは80%、通知先Cさんは60%の確率で防止することができる。このとき、1回目の詐欺を防止できる確率は、3名のうちの誰かが防止できればよいので、100%から全員が防止できない確率を減算すれば、1回目を防止できる確率を算出できる。全員が防止できない確率は、通知先Aさんが防止できない確率0%(=100%−100%)、通知先Bさんが防止できない確率20%(=100%−80%)、通知先Cさんが防止できない確率40%(=100%−60%)を乗算した0%である。したがって、100%(=100%−0%)が1回目の詐欺を防止できる確率となる。
2回目は中程度だが無通知時間長が短いので、通知先Aさんは50%、通知先Bさんは50%、通知先Cさんは30%の確率で防止することができる。このとき、2回目の詐欺を防止できる確率も、3名のうちの誰かが防止できればよいので、100%から全員が防止できない確率を減算すれば、2回目を防止できる確率を算出できる。全員が防止できない確率は、通知先Aさんが防止できない確率50%(=100%−50%)、通知先Bさんが防止できない確率50%(=100%−50%)、通知先Cさんが防止できない確率70%(=100%−30%)を乗算した17.5%である。したがって、82.5%(=100%−17.5%)が2回目の詐欺を防止できる確率となる。
3回目は低いが無通知時間長が短いので、通知先Aさんは50%、通知先Bさんは50%、通知先Cさんは50%の確率で防止することができる。このとき、3回目の詐欺を防止できる確率も、3名のうちの誰かが防止できればよいので、100%から全員が防止できない確率を減算すれば、3回目を防止できる確率を算出できる。全員が防止できない確率は、通知先Aさんが防止できない確率50%(=100%−50%)、通知先Bさんが防止できない確率50%(=100%−50%)、通知先Cさんが防止できない確率50%(=100%−50%)を乗算した12.5%である。したがって、87.5%(=100%−12.5%)が3回目の詐欺を防止できる確率となる。
このとき、3回とも詐欺を防止できる確率は、1回目の詐欺を防止できる確率100%、2回目の詐欺を防止できる確率82.5%、3回目の詐欺を防止できる確率87.5%を乗算した72.1875%を四捨五入して72%と算出できる。
本発明の無通知時間長を基に選出する方式では、無通知時間長が短い者を選出しないので、3回の通知が、Aさん、Bさん、Cさんのいずれかに通知される。例えば、通知された過信度合いが、1回目は高い、2回目は中程度、3回目は低い場合に、3回とも詐欺を防止できる確率の算出方法を説明する。
このとき、3回とも詐欺を防止できる確率は、通知される順番は全部で6通り(ABC、ACB、BAC、BCA、CAB、CBA)が等確率で起こりうるので、それぞれの通知順で詐欺を防止できる確率の平均を求めればよい。
通知順がABCの場合、1回目の詐欺を防止できる確率の100%、2回目の詐欺を防止できる確率の100%、3回目の詐欺を防止できる確率の100%を乗算した100%の確率で詐欺を防止できる。通知順がACBの場合、1回目の詐欺を防止できる確率の100%、2回目の詐欺を防止できる確率の80%、3回目の詐欺を防止できる確率の100%を乗算した80%の確率で詐欺を防止できる。同様に、通知順がBACで80%、BCAで64%、CABで60%、CBAで60%の確率で詐欺を防止できる。そのため、これらの詐欺を防止できる確率(100%、80%、80%、64%、60%、60%)の平均74%が3回とも詐欺を防止できる確率となる。
本実施例1に係る通信装置100は、上述した図6のフローチャートに従って選出される。例えば、通知された過信度合いが、1回目は高い、2回目は中程度、3回目は低い場合に、3回とも詐欺を防止できる確率の算出方法を説明する。
1回目は過信度合いが高いので通知先Aさんが選出され、1回目の詐欺を防止できる確率は100%、2回目は過信度合いが中程度なので通知先Bさんが選出され、2回目の詐欺を防止できる確率は100%、3回目は過信度合いが低いので通知先Cさんが選出される。このため、3回目の詐欺を防止できる確率は100%となり、3回とも詐欺を防止できる確率は100%となる。
また、1回目は中程度、2回目は中程度、3回目は高い場合について説明する。1回目は過信度合いが中程度なので通知先Bさんが選出され、2回目の詐欺を防止できる確率は100%となる。2回目も中程度だが通知先Bさんの無通知時間長は長くないので通知先Cさんが選出され、2回目の詐欺を防止できる確率は80%、3回目は過信度合いが高いので通知先Aさんが選出され、3回目の詐欺を防止できる確率は100%となり、3回とも詐欺を防止できる確率は80%となる。
本実施例2に係る通知システムの一例について説明する。図9は、本実施例2に係る通知システムの構成を示す図である。図9に示すように、この通知システムは、端末装置10a,10bと、第三者端末20a,20bと、通知装置200とを有する。端末装置10a,10b、端末装置20a,20b、通知装置200は、ネットワーク50に接続される。以下の説明では、端末装置10a,10bをまとめて適宜、端末装置10と表記する。第三者端末20a,20bをまとめて適宜、第三者端末20と表記する。端末装置10および第三者端末20に関する説明は、実施例1に示した端末装置10および第三者端末20に関する説明と同様である。
本実施例2に係る第三者端末20の第三者は、通知装置200から情報を受信した場合に、第三者端末20を操作して、適宜応答を通知装置200に送信するものとする。第三者が、通知装置200からの情報に気が付かない場合には、通知装置200は、応答を受信しないことになる。
通知装置200は、端末装置10から送信される情報を基にして、端末装置10の利用者が振り込め詐欺に遭いそうであるか否かを判定する。通知装置200は、利用者が振り込め詐欺に遭いそうな場合に、利用者が振り込め詐欺に遭いそうな旨の情報を、第三者端末20に通知する。特に、通知装置200は、情報を第三者端末20に通知する場合に、同一の第三者に連続して通知されないように通知先を分散させる。
本実施例2に係る通知装置200の構成について説明する。図10は、本実施例2に係る通知装置の構成を示す機能ブロック図である。図10に示すように、この通知装置200は、通知部210、記憶部220、制御部230を有する。
通信部210は、ネットワーク50を介して、端末装置10、第三者端末20とデータ通信を行う通信装置である。後述する制御部230は、通信部210を介して、他の装置とデータをやり取りする。
記憶部220は、通知先テーブル220a、通知記録テーブル220b、選出基準情報220cを有する。記憶部220は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子などの記憶装置に対応する。
通知先テーブル220aは、第三者の通知先を定義するテーブルである。図11は、本実施例2に係る通知先テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図11に示すように、この通知先テーブル220aは、端末IDと通知先とを対応付ける。例えば、端末ID「123」の端末装置10の利用者が詐欺に遭いそうな場合には、「Aさん、Bさん、Cさん」が通知先となる。
通知記録テーブル220bは、第三者に通知を行った通知日や第三者の応答の有無に関する情報を有するテーブルである。図12は、本実施例2に係る通知記録テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図12に示すように、この通知記録テーブル220bは、通知IDと、通知先と、通知日と、応答有無とを対応付ける。通知IDは、各通知先に対して行った通知を一意に識別する情報である。通知先は、実施例1の通知先と同様である。通知日は、通知を行った通知日である。応答有無は、通知を受けた通知先の第三者が応答したか否かを示す情報である。応答した場合には応答有無が「有」となり、応答しなかった場合には応答有無が「無」となる。
選出基準情報220cは、端末装置10の利用者が詐欺に遭いそうな場合に、如何にして、通知先の第三者を選出するのかを示す情報である。図13は、本実施例2に係る選出基準情報のデータ構造の一例を示す図である。図13に示すように、詐欺らしさと過信度合いとの関係から、選出基準X,Y,Zが特定される。図13において縦軸は詐欺らしさの値を示し、横軸は過信度合いの値を示す。
選出基準Xは、応答率が80%以上で無通知時間長が3日以上の通知先を選出するという基準である。なお、該当する通知先が無ければ無通知時間長が3日以上で応答率が最も高い通知先、さらに該当がなければ応答率が最も高い通知先とする。詐欺らしさが高く過信度合いも高い場合には、最も詐欺を防止できる確率が高いと予想される通知先、つまり、無通知時間長が長く応答率が高い通知先を選出基準Xに従って選出する。
選出基準Yは、応答率が50%以上80%未満で無通知時間長が3日以上の通知先を選出する基準である。該当がなければ応答率50%未満で無通知時間長が3日以上の通知先、さらに該当がなければ応答率が80%未満で無通知時間長が最も長い通知先とする。詐欺らしさがやや低いが過信度合いが高い場合、第三者により本人を落ち着かせるように無通知時間長が長く応答率が高めの通知先を選考基準Yに従って選出する。
選出基準Zは、応答率が50%未満で無通知時間長が3日以上の通知先を選出する基準である。該当がなければ応答率が50%以上80%未満で無通知時間長が3日以上の通知先、さらに該当がなければ応答率が80%未満で無通知時間長が最も長い通知先とする。詐欺らしさが高いが過信度合いがやや低い場合、詐欺の可能性が高いが本人も詐欺と認識している可能性も高い。そのため、第三者からの注意喚起は不要である可能性も高いが、このときは応答率が低い通知先を選考基準Zに従って選出する。
なお、選出基準Zは、応答率が低い通知先なので、誰も応答しない確率を下げるために複数の通知先を選出してもよい。また、応答率が所定の値より低い通知先は、所定の無通知時間長がある場合に必ず通知するようにして、応答率を改善する機会を与えるようにしてもよい。ところで、選考基準X〜Zにより複数の通知先が候補となった場合には、これまでの通知回数の少ない通知先を優先して選出してもよい。
図10の説明に戻る。制御部230は、判定部230a、算出部230b、通知部230cを有する。制御部230は、例えば、ASICや、FPGAなどの集積装置に対応する。また、制御部230は、例えば、CPUやMPU等の電子回路に対応する。
判定部230aは、端末装置10から取得する音声情報、付属情報、端末IDを取得し、音声情報および付属情報を基にして、通知先に情報を通知するか否かを判定する処理部である。判定部230aは、判定結果と、端末IDの情報を、算出部230bに出力する。また、判定部230aは、過信度合いおよび詐欺らしさの情報、判定結果、端末IDの情報を、通知部230cに出力する。
判定部230aが、過信度合いおよび詐欺らしさを算出する処理は、実施例1の判定部130aが行う処理と同様である。また、判定部230aが、通知先に情報を通知するか否かを判定する処理は、実施例1の判定部130aが行う処理と同様である。
算出部230bは、通知先に情報を通知すると判定された場合に、各通知先の無通知時間長および応答率を算出し、算出結果を通知部230cに出力する処理部である。
算出部230bが、各通知先の無通知時間長を算出する処理の一例について説明する。算出部230bは、通知記録テーブル220bを参照し、各通知先の直近の通知日を特定する。算出部230bは、各通知先の直近の通知日と、現在の日付とを比較することで、各通知先の無通知時間長を算出する。
算出部230bが、各通知先の応答率を算出する処理の一例について説明する。算出部230bは、通知記録テーブル220bを参照し、該当する通知先について、応答が「有」の場合を「1」、応答が「無」の場合を「0」として集計し、集計結果を通知先に対する全通知回数で除算することで、応答率を算出する。
例えば、通知先「Aさん」の応答率を算出する場合について説明する。例えば、図12に示す例では、通知先「Aさん」に対する通知回数が「3」回であり、そのうち応答有りが「1」回であり、応答無しが「2」回である。このため、通知先「Aさん」の応答率は、「1/3」となる。
算出部230bは、判定部230aから取得した端末IDと、通知先テーブル220aとを比較して、端末IDに対応する通知先を特定し、特定した通知先に対して、応答率を算出しても良い。例えば、判定部230aから取得した端末IDが「123」である場合には、通知先「Aさん、Bさん、Cさん」について、無通知時間長、応答率を算出する。
通知部230cは、判定部230aから取得する過信度合いおよび詐欺らしさの関係と、選出基準情報220cとを比較して、選出基準を判定し、選出基準を満たす通知先を選出する。通知部230cは、選出した通知先に対応する第三者端末20に情報を通知する。
判定部230aから取得する過信度合いおよび詐欺らしさの関係が、選出基準情報220cの「選出基準X」である場合の通知部230cの処理について説明する。通知部230cは、各通知先の無通知時間長、応答率は、算出部230bから取得するものとする。通知部230cは、応答率が80%以上で無通知時間長が3日以上の通知先を選出する。なお、通知部230cは、該当する通知先が無ければ無通知時間長が3日以上で応答率が最も高い通知先、さらに該当がなければ応答率が最も高い通知先とする。
判定部230aから取得する過信度合いおよび詐欺らしさの関係が、選出基準情報220cの「選出基準Y」である場合の通知部230cの処理について説明する。通知部230cは、応答率が50%以上80%未満で無通知時間長が3日以上の通知先を選出する。通知部230cは、該当がなければ応答率50%未満で無通知時間長が3日以上の通知先、さらに該当がなければ応答率が80%未満で無通知時間長が最も長い通知先とする。
判定部230aから取得する過信度合いおよび詐欺らしさの関係が、選出基準情報220cの「選出基準Z」である場合の通知部230cの処理について説明する。通知部230cは、応答率が50%未満で無通知時間長が3日以上の通知先を選出する基準である。該当がなければ応答率が50%以上80%未満で無通知時間長が3日以上の通知先、さらに該当がなければ応答率が80%未満で無通知時間長が最も長い通知先とする。
通知部230cは、選出した通知先の第三者端末20に情報を通知し、通知ID、通知先、通知日を対応付けたレコードを、通知記録テーブル220bに新規追加する。通知部230cは、所定期間中に、通知先の第三者端末20から応答があった場合には、新規追加したレコードの応答有無を「有」に設定する。通知部230cは、所定期間内に、通知先の第三者端末20から応答がない場合には、新規追加したレコードに対応する応答有無を「無」に設定する。
次に、本実施例2に係る通知装置200の処理手順について説明する。図14は、本実施例2に係る通知装置の処理手順を示すフローチャートである。例えば、図14に示す処理は、通知装置200が、端末装置10から音声情報、付属情報、端末IDの情報を受信したことを契機にして実行を開始する。図14に示すように、通知装置200は、詐欺らしさおよび過信度合いを算出し(ステップS201)、通知するか否かを判定する(ステップS202)。
通知装置200は、通知を要しないと判定した場合には(ステップS202,No)、処理を終了する。一方、通知装置200は、通知を要すると判定した場合には(ステップS202,Yes)、通知先の候補の無通知時間長および応答率を算出する(ステップS203)。
通知装置200は、通知先の候補から通知先を選出して通知先の第三者端末20に情報を送信し(ステップS204)、通知記録テーブル220bを更新する(ステップS205)。ステップS205において、通知装置200は、所定期間内に通知先の第三者端末20から応答があった場合には、通知記録テーブル220bの応答有無を「有」とする。通知端末200は、所定期間内に通知先の第三者端末20から応答がない場合には、通知記録テーブル220bの応答有無を「無」に設定する。
次に、本実施例2に係る通知装置200の効果について説明する。通知装置200は、端末装置10に対応する過信度合いおよび詐欺らしさと、選出基準情報220cとを比較して、選出基準を判定し、選出基準を満たす通知先を選出する。これによって、本実施例2に係る通知装置200によれば、情報が通知される通知先が分散され、利用者が詐欺被害に遭いそうな旨を第三者に効果的に通知して、詐欺被害を抑止することができる。
本実施例3に係る通知システムの一例について説明する。図15は、本実施例3に係る通知システムの構成を示す図である。図15に示すように、この通知システムは、端末装置10a,10bと、第三者端末20a,20bと、通知装置300とを有する。端末装置10a,10b、第三者端末20a,20b、通知装置300は、ネットワーク50に接続される。以下の説明では、端末装置10a,10bをまとめて適宜、端末装置10と表記する。第三者端末20a,20bをまとめて適宜、第三者端末20と表記する。端末装置10および第三者端末20に関する説明は、実施例1に示した端末装置10および第三者端末20に関する説明と同様である。
特に、本実施例3に係る第三者端末20の第三者は、通知装置300から情報を受信した場合に、第三者端末20を操作して、対応できるか否かの応答を適宜通知装置300に送信する。第三者が、通知装置300からの情報に気が付かない場合には、通知装置300は、応答を受信しないことになる。
通知装置300は、端末装置10から送信される情報を基にして、端末装置10の利用者が振り込め詐欺に遭いそうであるか否かを判定する。通知装置300は、利用者が振り込め詐欺に遭いそうな場合に、利用者が振り込め詐欺に遭いそうな旨の情報を、第三者端末20に通知する。特に、通知装置300は、情報を第三者端末20に通知する場合に、同一の第三者に連続して通知されないように通知先を分散させる。
本実施例3に係る通知装置300の構成について説明する。図16は、本実施例3に係る通知装置の構成を示す機能ブロック図である。図16に示すように、この通知装置300は、通信部310、記憶部320、制御部330を有する。
通信部310は、ネットワーク50を介して、端末装置10、第三者端末20とデータ通信を行う通信装置である。後述する制御部330は、通信部310を介して、他の装置とデータをやり取りする。
記憶部320は、通知先テーブル320a、通知記録テーブル320b、通知順情報320c、再通知情報320dを有する。記憶部320は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子などの記憶装置に対応する。
通知先テーブル320aは、第三者の通知先をカテゴリ毎に定義するテーブルである。カテゴリとは、例えば、親族、近所の方、ボランティア団体、警察、ご本人からの信頼が厚い方といった分類を示す。図17は、本実施例3に係る通知先テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図17に示すように、この通知先テーブル320aは、端末IDと、各カテゴリR,N,L,Pの通知先とをそれぞれ対応付ける。例えば、端末ID「123」に対応するカテゴリRの通知先は「Bさん、Cさん、Dさん」となる。端末ID「123」に対応するカテゴリNの通知先は「naさん、nbさん、ncさん」となる。端末ID「123」に対応するカテゴリLの通知先は「Aさん」となる。端末ID「123」に対応するカテゴリPの通知先は「p1さん」となる。
通知記録テーブル320bは、第三者に通知を行った通知日時や第三者の応答に関する情報を有するテーブルである。図18は、本実施例3に係る通知記録テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図18に示すように、この通知記録テーブル320bは、通知IDと、通知先と、通知日時と、応答状況とを対応付ける。通知IDは、各通知先に対して行った通知を一意に識別する情報である。通知日時は、通知を行った日時を示す。応答状況は、応答の状況を特定するものである。応答状況が「対応可」とは、第三者からの応答があり、かつ、第三者が対応可能であることを示す。応答状況が「対応不可」とは、第三者からの応答があり、かつ、第三者が対応不可であることを示す。応答状況が「無」とは、第三者からの応答がないことを示す。
通知順情報320cは、端末装置10の利用者が詐欺に遭いそうな場合に、どのような通知順で通知を行うかを示す情報である。図19は、本実施例3に係る通知順情報のデータ構造の一例を示す図である。図19に示すように、詐欺らしさと過信度合いとの関係から、通知順リストが特定される。図19において縦軸は詐欺らしさを示し、横軸は過信度合いの値を示す。以下において各通知順リストについて説明する。
通知順リストN,Rで定義される通知順は、1回目にカテゴリNの通知先の候補の中から1つの通知先に通知を行い、2回目にカテゴリRの通知先の候補の中から1つの通知先に通知を行うというものである。
通知順リストN,RR,Lで定義される通知順は、1回目にカテゴリNの通知先の候補の中から1つの通知先に通知を行い、2回目にカテゴリRの通知先の候補の中から2つの通知先に通知を行う。そして、3回目にカテゴリLの通知先の候補の中から1つの通知先に通知を行うというものである。
通知順リストRNL,Pで定義される通知順は、1回目にカテゴリR,N,Lのそれぞれの通知先の候補の中から1つずつ通知先を選択し、各通知先に通知を行う。そして、2回目にカテゴリPの通知先の候補の中から1つの通知先に通知を行うというものである。
通知順リストR,Nで定義される通知順は、1回目にカテゴリRの通知先の候補の中から1つの通知先に通知を行い、2回目にカテゴリNの通知先の候補の中から1つの通知先に通知を行うというものである。
通知順リストR,RN,Lで定義される通知順は、1回目にカテゴリRの通知先の候補の中から1つの通知先に通知を行い、2回目にカテゴリR,Nのそれぞれの通知先の候補の中から1つずつ通知先を選択し、各通知先に通知を行う。そして、3回目にカテゴリLの通知先の候補の中から1つの通知先に通知を行うというものである。
再通知情報320dは、再通知を行う日時や、どの通知先に再通知を行うのかを示す情報である。図20は、本実施例3に係る再通知情報のデータ構造の一例を示す図である。図20に示すように、この再通知情報320dは、再通知IDと、再通知日時と、端末IDと、通知順リストとをそれぞれ対応付ける。再通知IDは、再通知を一意に識別する情報である。再通知日時は、次回、再通知を行う日時を示す。端末IDは、詐欺に遭いそうな利用者が利用する端末装置10を一意に識別する情報である。通知順リストは、次回以降に通知する通知先のカテゴリを示す。図20に示す例では、RN,Lとなっている。このため、次回の再通知では、カテゴリR,Nのそれぞれの通知先の候補の中から1つずつ通知先を選択し、各通知先に通知を行う。その後、更に再通知を行う場合には、カテゴリLの通知先の候補の中から通知先を選択し、通知先に通知を行う。
図16の説明に戻る。制御部330は、判定部330a,算出部330b,通知部330cを有する。制御部330は、例えば、ASICや、FPGAなどの集積装置に対応する。また、制御部330は、例えば、CPUやMPU等の電子回路に対応する。
判定部330aは、端末装置10から取得する音声情報、付属情報、端末IDを取得し、音声情報および付属情報を基にして、通知先に情報を通知するか否かを判定する処理部である。判定部330aは、判定結果と、端末IDの情報を、算出部330bに出力する。また、判定部330aは、過信度合いおよび詐欺らしさの情報、判定結果、端末IDの情報を、通知部330cに出力する。
判定部330aが、過信度合いおよび詐欺らしさを算出する処理は、実施例1の判定部130aが行う処理と同様である。また、判定部330aが、通知先に情報を通知するか否かを判定する処理は、実施例1の判定部130aが行う処理と同様である。
算出部330bは、通知先に情報を通知すると判定された場合に、各通知先の無通知時間長および応答率を算出し、算出結果を通知部330cに出力する処理部である。
算出部330bが、各通知先の無通知時間長を算出する処理の一例について説明する。算出部330bは、通知記録テーブル320bを参照し、該当する通知先について、応答状況が「対応可」の場合には「1」、応答状況が「対応不可」の場合には「0.5」、応答状況が「無」の場合には「0」として集計し、集計結果を通知先に対する全通知回数で除算することで、応答率を算出する。応答が無かった人より、対応ができなくても応答できた人の方が、次回に対応できる可能性が高いであろうとする経験則に基づいた算出方法である。
例えば、通知先「Bさん」の応答率を算出する場合について説明する。例えば、図18に示す例では、通知先「Bさん」に対する通知回数が「2回」であり、そのうち応答状況「対応可」が「1回」であり、応答状況「対応不可」が「1回」である。このため、通知先「Bさん」の応答率は、「1.5/2」となり、パーセント表記で、75%となる。
算出部330bは、判定部330aから取得した端末IDと、通知先テーブル320aとを比較して、端末IDに対応する各カテゴリの通知先を特定し、特定した通知先に対して、無通知時間長および応答率を算出しても良い。
通知部330cは、判定部330aから取得する過信度合いおよび詐欺らしさの関係と、通知順情報320cとを比較して、通知順リストを判定し、通知順リストに従って、通知先に情報を通知する処理部である。また、通知リストのカテゴリに含まれる通知先は、端末IDと、通知先テーブル320aとの比較により特定する。
例えば、通知部330cは、過信度合いおよび詐欺らしさの関係と、通知順情報320cを比較した結果、通知順リストを「通知順リストN,R」と判定したものとする。そして、端末IDが「123」の場合には、図17に示す関係から、カテゴリNの「naさん、nbさん、ncさん」から1回目に通知する1つの通知先を選択し、カテゴリRの「Bさん、Cさん、Dさん」から2回目に通知する1つの通知先を選択する。
ここで、通知部330cが、通知リストのカテゴリに含まれる通知先の候補から、通知先を特定する処理の一例について説明する。通知部330cは、通知先の候補の応答率に対して、無通知時間長の下限を設定する。例えば、応答率が80%以上の場合には、無通知時間長の下限を「3日」とする。応答率が50%以上、80%未満の場合には、無通知時間長の下限を「7日」とする。応答率が50%未満の場合には、無通知時間長の下限を「15日」とする。
通知部330cは、各通知先の候補の無通知時間長から、上記の下限を減算した日数が最大となる通知先の候補を、通知先として判定する。
例えば、通知リストのカテゴリRに「Bさん、Cさん、Dさん」が含まれており、係るカテゴリから通知先を1つ選択する場合について説明する。Bさんの応答率を「80%」、無通知時間長を「10日」とすると、下限は「3日」となり、無通知時間長から、下限を減算した日数は「7日」となる。Cさんの応答率を「60%」、無通知時間長を「10日」とすると、下限は「7日」となり、無通知時間長から、下限を減算した日数は「3日」となる。Dさんの応答率を「40%」、無通知時間長を「10日」とすると、下限は「15日」となり、無通知時間長から、下限を減算した日数は「−5日」となる。この場合には、Bさんの日数が最大となるため、通知部330cは、Bさんを通知先として選択する。
通知部330cは、選択した通知先の第三者端末20に、情報を通知する。通知部330cは、情報を通知した場合には、通知ID、通知先、通知日時を対応付けて、通知記録テーブル320bにレコードを追加登録する。また、通知部330cは、通知した第三者端末20からの応答に基づいて、応答状況を設定する。例えば、通知部330cは、所定時間以内に応答がない場合には、応答状況を「無」に設定する。通知部330cは、所定時間以内に応答があり、応答可能である情報が応答に含まれていれば、応答状況を「対応可」に設定する。通知部330cは、所定時間以内に応答があり、応答不可である情報が応答に含まれている場合には、応答状況を「応答不可」に設定する。
通知部330cは、通知先の応答状況が「対応可」となるまで、再通知情報320dに従って、情報の通知を繰り返し実行する。
ここで、再通知情報320dを用いた処理について具体的に説明する。通知部330cは、1回目に情報を通知する場合に、再通知情報320dを生成する。通知部330cは、ユニークな再通知IDをレコードに付し、再通知日時と、端末IDと、通知順リストとを対応付けて、再通知情報320dに設定する。再通知日時には、現在の日時に所定時間を加算した値を設定する。端末IDには、判定部330aから取得する端末IDを設定する。通知順リストには、過信度合いおよび詐欺らしさの関係と、通知順情報320cとを比較して特定した通知順リストの2回目移行に通知予定となるカテゴリを設定する。例えば、通知部330cが、「通知順リストR,RN,L」を特定した場合には、「RN,L」を、通知順リストに設定する。
通知部330cは、再通知情報320dを監視し、現在日時が再通知日時を経過した場合に、通知順リストの次のカテゴリに対応する通知先を選択し、選択した通知先に情報の通知を行い、再通知情報320dを更新する。そして、通知部330cは、現在日時に所定時間を加算した値を、再通知日時に再設定する。また、通知済みのカテゴリを通知順リストから削除する。例えば、通知順リストが「RN,L」となっており、カテゴリRとカテゴリNの通知先に情報を送信した場合には、通知順リストを「L」に更新する。
ところで、通知部330cは、通知先の第三者端末20から応答があり、対応が可能である場合には、再通知情報320dの該当レコードを削除し、再送を中止する。
次に、本実施例3に係る通知装置300の処理手順について説明する。図21は、本実施例3に係る通知装置の処理手順を示すフローチャートである。例えば、図21に示す処理は、通知装置300が、端末装置10から音声情報、付属情報、端末IDの情報を受信したことを契機にして実行を開始する。図21に示すように、通知装置300は、再通知日時を設定済みであるか否かを判定する(ステップS301)。
通知装置300は、再通知日時が設定済みでない場合には(ステップS301,No)、ステップS304に移行する。一方、通知装置300は、再通知日時が設定済みである場合には(ステップS301,Yes)、再通知日時を経過したか否かを判定する(ステップS302)。通知装置300は、再通知日時を経過していない場合には(ステップS302,No)、所定時間待機し(ステップS303)、ステップS302に移行する。
一方、通知装置300は、再通知日時を経過した場合には(ステップS302,Yes)、通知先の候補の無通知時間長および応答率を算出する(ステップS304)。通知装置300は、通知先の候補から通知先を選出し(ステップS305)、再通知情報320d、通知記録テーブル320bを更新する(ステップS306)。
通知装置300は、処理を継続する場合には(ステップS307,No)、ステップS301に移行する。一方、通知装置300は、処理を終了する場合には(ステップS307,Yes)、処理を終了する。
次に、通知装置300が、第三者端末20から応答を受け付けた場合の処理について説明する。図22は、本実施例3に係る通知装置の応答処理の処理手順を示すフローチャートである。図22に示すように、通知装置300は、応答を受信し(ステップS401)、応答が期限内であるか否かを判定する(ステップS402)。通知装置300は、応答が期限内でない場合には(ステップS402,No)、ステップS404に移行する。
一方、通知装置300は、応答が期限内である場合には(ステップS402,Yes)、通知記録テーブル320bを更新する(ステップS403)。ステップS403において、例えば、通知装置300は、通知記録テーブル320bの応答状況を更新する。
通知装置300は、応答に基づいて対応可能であるか否かを判定する(ステップS404)。通知装置300は、対応可能である場合には(ステップS404,Yes)、再通知情報320dを削除する(ステップS405)。
通知装置300は、対応可能でない場合には(ステップS404,No)、応答待ちであるか否かを判定する(ステップS406)。通知装置300は、応答待ちの場合には(ステップS406,Yes)、処理を終了する。通知装置300は、応答待ちではない場合には(ステップS406,No)、再通知情報の再通知日時を、現在日時に設定する(ステップS407)。
次に、本実施例3に係る通知装置300の効果について説明する。通知装置300は、判定部330aから取得する過信度合いおよび詐欺らしさの関係と、通知順情報320cとを比較して、通知順リストを判定し、通知順リストに従って、通知先に情報を通知する。これによって、本実施例3に係る通知装置300によれば、情報が通知される通知先が分散され、利用者が詐欺被害に遭いそうな旨を第三者に効果的に通知して、詐欺被害を抑止することができる。
ところで、上述した実施例1〜3では、通知装置100,200,300が、端末装置10から音声情報、付属情報を取得して、詐欺らしさおよび過信度合いを算出していたが、これに限定されるものではない。例えば、端末装置10が、詐欺らしさおよび過信度合いを算出し、算出した詐欺らしさおよび過信度合いの情報を通知装置100,200,300に通知するようにしても良い。
次に、上記の実施例に示した通知装置と同様の機能を実現する通知プログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。図23は、通知プログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。
図23に示すように、コンピュータ400は、各種演算処理を実行するCPU401と、ユーザからのデータの入力を受け付ける入力装置402と、ディスプレイ403を有する。また、コンピュータ400は、記憶媒体からプログラム等を読取る読み取り装置404と、ネットワークを介して他のコンピュータとの間でデータの授受を行うインターフェース装置405とを有する。また、コンピュータ400は、各種情報を一時記憶するRAM406と、ハードディスク装置407を有する。そして、各装置401〜407は、バス408に接続される。
ハードディスク装置407は、判定プログラム407a、算出プログラム407b、通知プログラム407cを有する。CPU401は、各プログラム407a,407b,407cを読み出してRAM406に展開する。
判定プログラム407aは、判定プロセス406aとして機能する。算出プログラム407bは、算出プロセス406bとして機能する。通知プログラム407cは、通知プロセス406cとして機能する。
例えば、判定プロセス406aは、判定部130a,230a,330aに対応する。算出プロセス406bは、算出部130b,230b,330bに対応する。通知プロセス406cは、通知部130c,230c,330cに対応する。
なお、各プログラム407a〜407cについては、必ずしも最初からハードディスク装置407に記憶させておかなくてもよい。例えば、コンピュータ400に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」に各プログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ400がこれらから各プログラム407a〜407cを読み出して実行するようにしてもよい。
以上の各実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)通話音声を基にして、通知先に情報を通知するか否かを判定する判定部と、
通知先と該通知先に情報を通知した日付とを対応付けた通知記録テーブルを基にして、通知先に情報を通知してからの経過時間を通知先毎に算出する算出部と、
前記判定部が通知先に情報を通知すると判定した場合に、通知先毎の経過時間を基にして、他の通知先の経過時間と比較して、経過時間の長い通知先を優先的に選択し、選択した通知先に情報を通知する通知部と
を有することを特徴とする通知装置。
(付記2)前記判定部は、利用者の前記通話音声を基にして該利用者の過信度合いを算出し、算出した過信度合いを基にして、通知先に情報を通知するか否かを判定し、
前記通知部は、過信度合いに応じて複数の通知先をグループ分けしたグループテーブルを参照し、前記利用者の過信度合いに対応するグループに属し、かつ、他の通知先の経過時間と比較して、経過時間の長い通知先を優先的に選択し、選択した通知先に情報を通知することを特徴とする付記1に記載の通知装置。
(付記3)前記通知記録テーブルは、前記通知部によって情報が通知された通知先の応答率を更に記憶し、前記通知部は、通知先の応答率を更に利用して、情報を通知する通知先を選択することを特徴とする付記1に記載の通知装置。
(付記4)前記判定部は、利用者の通話相手の通話音声を基にして詐欺らしさを算出し、該詐欺らしさを更に利用して、通知先に情報を通知するか否かを判定することを特徴とする付記1に記載の通知装置。
(付記5)端末装置および通知装置を有する通知システムであって、
前記通知装置は、
通話音声を基にして、通知先の端末装置に情報を通知するか否かを判定する判定部と、
通知先と該通知先に情報を通知した日付とを対応付けた通知記録テーブルを基にして、通知先の端末装置に情報を通知してからの経過時間を通知先毎に算出する算出部と、
前記判定部が通知先の端末装置に情報を通知すると判定した場合に、通知先毎の経過時間を基にして、他の通知先の経過時間と比較して、経過時間の長い通知先を優先的に選択し、選択した通知先の端末装置に情報を通知する通知部と
を有することを特徴とする通知システム。
(付記6)前記判定部は、利用者の前記通話音声を基にして該利用者の過信度合いを算出し、算出した過信度合いを基にして、通知先の端末装置に情報を通知するか否かを判定し、
前記通知部は、過信度合いに応じて複数の通知先をグループ分けしたグループテーブルを参照し、前記利用者の過信度合いに対応するグループに属し、かつ、他の通知先の経過時間と比較して、経過時間の長い通知先を優先的に選択し、選択した通知先の端末装置に情報を通知することを特徴とする付記5に記載の通知システム。
(付記7)前記通知記録テーブルは、前記通知部によって情報が通知された通知先の応答率を更に記憶し、前記通知部は、通知先の応答率を更に利用して、情報を通知する通知先を選択することを特徴とする付記5に記載の通知システム。
(付記8)前記判定部は、利用者の通話相手の通話音声を基にして詐欺らしさを算出し、該詐欺らしさを更に利用して、通知先に情報を通知するか否かを判定することを特徴とする付記5に記載の通知システム。