JP4977146B2 - ピストン往復型内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明はピストン往復型機関、とりわけその吸気ポート(インテークポート)及び排気ポート(エグゾーストポート)をスリーブバルブで開閉するエンジンに関する。
スリーブバルブエンジンは1940年代及び1950年代に航空機で広く用いられたエンジンであり、同じ値段のポペットバルブエンジンに比べ高パワー、省部品点数且つ小型軽量である。既存のスリーブバルブエンジンの中でもBurt−McCollum型スリーブバルブエンジンには、ピストンがスリーブ内で往復運動しそのスリーブが更にシリンダ内で楕円運動するため摩擦が少ないという動作上の利点がある。即ち、その外側を囲んでいるボアに対してもその内側にあるピストンに対してもスリーブが静止することがないので、そうした運動を継続することで潤滑剤を摺動面間に常時十分に行き渡らせることができ、従って摩擦が少なくなる。
ポペットバルブエンジンに比べ部品点数が少なく小型で簡素な仕組みになるのは、スリーブバルブエンジンにおけるガス交換が、シリンダヘッドに設けたポートをポペットバルブで閉鎖/開放する仕組みではなく、シリンダ側壁に設けたポートをスリーブで被覆/露出する仕組みを採っているためである。従って、スリーブバルブエンジンでは、ポペットバルブエンジンならばポペットバルブを設けねばならなかったシリンダヘッドに、今やこの部分に設けることが常識となっている他種部品例えば直噴式フュエルインジェクタを、ゆったりと配設することができる。圧縮点火式の機関でも火花点火式の機関でも変わりない。また、シリンダヘッドにポペットバルブを設ける必要がないということは、ポペットバルブエンジンならポペットバルブ及びポートが設けられていた場所に除熱ダクトを設けることができ、従ってシリンダヘッドをより好適に除熱できるということでもある。とりわけ火花点火式の機関では、シリンダヘッドを除熱することにより高負荷運転を安全に行うことができ、プリデトネーション(いわゆるノッキング)も防ぐことができる。
なお、航空機用に製造されたBurt−McCollum型スリーブバルブエンジンの多くは4ストロークエンジンである。その例としてはNapier(登録商標)Sabre(登録商標)やBristol(登録商標)Centaurus等のエンジンがある。また、より少数ではあるが、Ricardo(登録商標)E.65やRolls−Royce(登録商標)Crecy等といった2ストロークエンジンも製造されていた。
ここに、従来のスリーブバルブエンジンでは、スリーブバルブ駆動機構によってスリーブバルブを駆動し2個の折り返し点間を移動させるのであるが、その運転中は常に折り返し点位置が固定されていて、シリンダ内におけるスリーブバルブの軸沿い位置及び角度位置がいずれも変わらなかった。
本発明のピストン往復型内燃機関は、シリンダヘッド及びそのシリンダヘッドから延びるシリンダ側壁を有するシリンダであって、シリンダ側壁上の吸気ポートを介し空気を取り入れシリンダ側壁上の排気ポートを介し燃焼生成気体を排出するシリンダと、複数個のスリーブポートが貫通しておりシリンダ軸沿いに摺動しつつシリンダ軸中心に回動するスリーブバルブであって、吸気ポート及び排気ポートに対するスリーブポートの重なり方をその動きにより変化させることで吸気ポート及び排気ポートを開閉させるスリーブバルブと、スリーブバルブ内ひいてはシリンダ内で往復運動しシリンダと協働で燃焼室を形成するピストンと、ピストンのシリンダ内往復運動に同期し駆動することによりシリンダ内でスリーブバルブを軸沿い摺動及び軸心回動させるスリーブバルブ駆動機構と、を備え、スリーブバルブがストローク毎に到達乃至通過する2個の折り返し点の軸方向及び角度方向位置が変化するよう、スリーブバルブ駆動機構がスリーブバルブを駆動するピストン往復型内燃機関であって、スリーブバルブ駆動機構が、本機関のクランクシャフトに連結されておりクランク運動するスリーブドライブシャフトと、スリーブドライブシャフトのスロー上に可回動実装されたヨークプレートと、スリーブバルブに対するヨークプレートの連結角度が変わりスリーブドライブシャフトのスローを中心にスリーブバルブが回動するようヨークプレートをスリーブバルブに連結する連結器と、ヨークプレートに可枢動連結されたコントロールアームと、を有し、スリーブバルブが到達乃至通過する2個の折り返し点の位置が変化するよう、ヨークプレートを、コントロールアームの動きによりスリーブドライブシャフトのスローを中心に回動させ、連結器は、ヨークプレートの第1端に取り付けられ、コントロールアームは、ヨークプレートの第1端と反対側の第2端に取り付けられていることを特徴とする。
本発明によればバルブ動作タイミング可変型スリーブバルブエンジンを提供できる。バルブ動作タイミング可変はエンジン運転の最適化とりわけエミッション及び燃費の低減に役立つ機能であり、昨今のポペットバルブエンジンでは、カムフェーザを1個又は複数個用いエンジン速度及びエンジン負荷の変化に応じインレットバルブやアウトレットバルブの開閉タイミングを変化させることで、これを実現している。
本発明に係るスリーブバルブエンジンによれば、その運転状態が最適になるよう吸気ポート及び排気ポートの開閉タイミングを変化させることができ、ひいてはバルブ動作タイミング可変型ポペットバルブエンジンに比肩する効率を達成することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について別紙図面を参照しつつ説明する。
まず、図1に示す実施形態では、シリンダヘッド12付のシリンダ10内にスリーブ13があり、更にそのスリーブ13内にピストン14がある。スリーブ13はシリンダ10内で軸沿い摺動させつつ軸心回転させることができ、ピストン14はスリーブ13内で往復運動させることができる。ピストン14はコネクティングロッド15によってエンジンのクランクシャフトに連結されているがこれは図示を省略してある。また、ジャンクヘッドであるシリンダヘッド12からはシリンダ側壁16が延びており、その側壁16と内側のヘッド12との隙間は環状凹部17となっていて、スリーブ13は摺動時にここに滑り込むことがある。更に、ヘッド12内には(副)燃焼室18が設けられている。室18内への燃料噴射は2個のインジェクタ19及び20によって行える。
シリンダ側壁16には吸気ポート21及び排気ポート22がそれぞれ約半周に亘り各1個又は複数個設けられている。吸気ポート21は新鮮な空気をシリンダ10内に取り入れるためのポートであり、排気ポート22は燃焼生成気体をシリンダ10外に排出するためのポートである。他方、スリーブ13には一群のスリーブポート23が設けられている。スリーブ13の動きに伴いポート23がポート21及び22に重なると(位置が揃うと)そのポート21及び22がシリンダ10内に連通し、ポート23がポート21及び22から外れると(位置がずれると)その連通が断たれる。
スリーブバルブ駆動機構は、スリーブ13がシリンダ10内で軸沿い摺動しつつ軸心回動するようスリーブ13を駆動する機構であり、ピストン14の往復運動に同期しシリンダ10内でスリーブ13を往復運動させる。また、この機構は、クランク運動するスリーブドライブシャフト24、シャフト24のスロー26上に可回動実装されたヨークプレート25、そのプレート25を連結角度を変化させうるようスリーブ13に連結する枢動型連結器27等を有している。
そのヨークプレート25にはコントロールアーム28の一端29が可枢動連結されており、そのアーム28の他端30はラジアルアーム31にやはり可枢動連結されている。アーム31は、コントロールシャフト32と一体に回動しうるようシャフト32から張り出して設けられている。従って、スリーブドライブシャフト24をクランク運動させることでスロー26を回すことができ、その状態でアーム28を作用させることでスロー26に対するプレート25の角度を変化させることができる。その結果、スリーブ13には、シリンダ10内での上下摺動(矢印33)だけでなく、回動方向反転を伴うシリンダ10内での軸心回動(矢印34)も発生する。
こうしてスリーブバルブ駆動機構により駆動されているとき、スリーブ13は上下の折り返し点間を往復する。折り返し点位置にはシリンダ軸沿い位置及びシリンダ内角度位置の両成分があり、スロー26に対するヨークプレート25の角度を変化させることでいずれの成分も変化させることができる。スロー26に対するプレート25の角度は、図示しない電子制御部によってコントロールシャフト32を制御し、それを軸心回動させることによって、変化させることができる。
運動中のピストン14による吸気ポート21及び排気ポート22の開閉タイミングは、それらのポート21及び22にスリーブポート23が重なるタイミングによって決まるので、シリンダ10内で摺動及び回動している最中にスリーブ13の上下折り返し点位置を変化させることで、エンジンの速度及びエンジンに対する負荷の変化に応じポート21及び22の開閉タイミングを変化させることができる。
また、吸気ポート21同士、排気ポート22同士及びポート21・22間は、シリンダブロック上のブリッジによって互いに隔てられている。従って、スリーブ13の動きが変わると、スリーブポート23に対するシリンダポート21及び22の重複面積、即ち新鮮空気導入及び燃焼生成気体排出に寄与する開口の面積が増減する。図4aに示したのは重複面積が最大になった状態であり、図4bに示したのはより狭まった状態である。
更に、図1に示したエンジンは4ストローク(4工程)エンジンであるので、ドライブシャフト24の回動速度はエンジンのクランクシャフトの回転速度の1/2にする。そのようにすると、吸入ストロークでは吸気ポート21がスリーブポート23に重なって新鮮な空気が導入され、また排気ストロークでは排気ポート22がポート23に重なる。残り2ストロークではポート21及び22のいずれもポート23と重ならない。
また、ディーゼルエンジンに(副)燃焼室を設ける場合従来はピストン側に設けるのが普通であったが、ピストン側に設けるとピストンが重くなりその製造難度も高まる。これに対し、図1に示したディーゼルエンジンではシリンダヘッド12ではなくシリンダ10に吸気ポート21及び排気ポート22を設けているため、それによって発生した余剰空間を利用しヘッド12内に(副)燃焼室18を設けることができる。更に、燃焼室18の形状を工夫することで、吸い込んだ空気中に渦を発生させ、その渦によりディーゼル燃料と空気の混合を促進して燃焼状態を良好にすることができる。また、従来は、ディーゼル燃料をシリンダ内に供給するディーゼルインジェクタを、スペースの都合上1個しか設けられないことが多かったが、このようにヘッド12に燃焼室18を設ける構成では2個設けることができる。それらのインジェクタによる燃料供給速度を互いに異なる速度とすることで、そのディーゼルエンジンの有効運転レンジを拡げることができる。
図2に2ストロークガソリンエンジンによる実施形態を示す。このエンジンの動作は図1に示したエンジンのそれと非常によく似ているが、その排気ポート40が吸気ポート41より高い位置に設けられている点や、スリーブ42がピストン43と同じ速度で摺動及び回動しピストン43のストローク毎にポート40及び41が開いて吸気動作及び燃焼生成気体排出動作が行われ燃焼室内が掃気される点で、異なっている。また、シリンダヘッドは図1の実施形態より単純で、図示の如くスパークプラグ44及びフュエルインジェクタ45を備えている。コントロールアーム28はヨークプレートの下隅ではなく上隅に取り付けられているが、これは単に実装スペース上の都合である。なお、このエンジンは、シリンダ上で吸気ポートが排気ポートより上寄りに位置する構成にすることもできる。
図3に更に他の実施形態を示す。本実施形態におけるスリーブバルブ駆動機構は、ポンプ51から供給される流体の圧力で作動しその流体をサンプ52に放つ流体式のアクチュエータ50及び60、それらのアクチュエータ50及び60における流体の流れを制御するバルブ53及び61、それらのバルブ53及び61を制御する電子制御部54等によって構成されている。更に、本実施形態では、シリンダ内におけるジャンクヘッド55の位置をアクチュエータ56の動作で変化させシリンダ内圧縮比を変えることができる。アクチュエータ56はポンプ59から供給される流体で作動しその流体をサンプ60に放つよう構成されており、その挙動は電子制御部58により制御されるバルブ57によって制御されている。ヘッド55を可動にすることができるのはポペットバルブ等のバルブを設ける必要がなくて本質的にその構成が単純になるからである。また、このようにシリンダ内圧縮比を可変にすることでエンジン運転条件全般を最適化できることもご理解頂けよう。
対をなすアクチュエータ50及び60は、シリンダ内でスリーブがピストンの動きに同期して動き2個の折り返し点間を移動するよう、スリーブをシリンダ内で摺動させ(アクチュエータ50)また回動させる(アクチュエータ60)。アクチュエータ50及び60はいずれもその一端でスリーブに可枢動連結されているが、シリンダに対する向きは、アクチュエータ50が軸沿い方向、アクチュエータ60が接線方向と互いに異なっている。シリンダに対する向きが軸沿い方向のアクチュエータ50を伸縮させると、スリーブがシリンダ軸沿いに摺動し、またシリンダに対する向きが接線方向のアクチュエータ60を伸縮させると、スリーブがシリンダに対して回動する。これらのアクチュエータ50及び60の動作は電子制御部54によって精密に制御することができ、従ってエンジンの速度やエンジンに対する負荷の変化に応じ吸気ポート及び排気ポートの開閉タイミングを変化させて前掲の図4a及び図4bに示した如くポート重複面積を変化させることができる。また、クランク機構ではなくアクチュエータを用いているため、例えば一時停止が指示されているときその折り返し点でスリーブを固定保持する等、クランク機構では実行できない動きをスリーブにさせることができる。
また、図示したアクチュエータ50及び60はシリンダの軸上(アクチュエータ50)及び接線上(アクチュエータ60)に配置されているが、厳密にそのような配置にする必要はなく、実際には両者が互いに直交しているだけでよい。即ち、アクチュエータ50の軸とアクチュエータ60の軸の交差角が90°でありさえすればアクチュエータ50及び60でスリーブを望み通りに動かせるので、シリンダ軸に対するアクチュエータ50及び60の角度値そのものは肝要でない。
そして、上掲のいずれのエンジンでも、図5に示すように回動可能な一群のカラー70,71,72をシリンダ周囲に設け、それらを適当な制御機構で回動させる構成を採ることができる。この構成では、各カラーを貫通するスロット状の開口がカラー間で重ならないと、カラーの開口を介しシリンダ内に向かう気流が発生しない。即ち、カラーを互いに回転させて開口同士の重なり方を変化させることで、シリンダ内に向かう気流の流路を変化させ、ひいてはシリンダ内に向かう気流中にその規模を調整しつつ渦を発生させることができる。また、こうしたカラーに代え、気流を横切る何枚かの羽根を設けることによっても、同様の効果を発生させることができる。
本発明の第1実施形態に係るスリーブバルブエンジンを構成するシリンダのうち1本を示す模式図である。 本発明の第2実施形態に係るスリーブバルブエンジンを構成するシリンダのうち1本を示す模式図である。 本発明の第3実施形態に係るスリーブバルブエンジンを構成するシリンダのうち1本を示す模式図である。 本発明の動作原理を示す模式図である。 本発明の動作原理を示す模式図である。 図1〜図3に示したエンジンにおける吸気流制御に適した回動可能型のカラーの配置を示す図である。

Claims (17)

  1. シリンダヘッド及びそのシリンダヘッドから延びるシリンダ側壁を有するシリンダであって、シリンダ側壁上の吸気ポートを介し空気を取り入れシリンダ側壁上の排気ポートを介し燃焼生成気体を排出するシリンダと、
    複数個のスリーブポートが貫通しておりシリンダ軸沿いに摺動しつつシリンダ軸中心に回動するスリーブバルブであって、吸気ポート及び排気ポートに対するスリーブポートの重なり方をその動きにより変化させることで吸気ポート及び排気ポートを開閉させるスリーブバルブと、
    スリーブバルブ内ひいてはシリンダ内で往復運動しシリンダと協働で燃焼室を形成するピストンと、
    ピストンのシリンダ内往復運動に同期し駆動することによりシリンダ内でスリーブバルブを軸沿い摺動及び軸心回動させるスリーブバルブ駆動機構と、
    を備え、スリーブバルブがストローク毎に到達乃至通過する2個の折り返し点の軸方向及び角度方向位置が変化するよう、スリーブバルブ駆動機構がスリーブバルブを駆動するピストン往復型内燃機関であって、
    スリーブバルブ駆動機構が、
    本機関のクランクシャフトに連結されておりクランク運動するスリーブドライブシャフトと
    スリーブドライブシャフトのスロー上に可回動実装されたヨークプレートと、
    スリーブバルブに対するヨークプレートの連結角度が変わりスリーブドライブシャフトのスローを中心にスリーブバルブが回動するようヨークプレートをスリーブバルブに連結する連結器と、
    ヨークプレートに可枢動連結されたコントロールアームと、
    を有し、スリーブバルブが到達乃至通過する2個の折り返し点の位置が変化するよう、ヨークプレートを、コントロールアームの動きによりスリーブドライブシャフトのスローを中心に回動させ、
    連結器は、ヨークプレートの第1端に取り付けられ、コントロールアームは、ヨークプレートの第1端と反対側の第2端に取り付けられているピストン往復型内燃機関。
  2. 請求項記載のピストン往復型内燃機関であって、更に、コントロールシャフトと、コントロールシャフトを軸心回動させる手段と、コントロールシャフトから張り出した状態でコントロールシャフトと一体に回動するようコントロールシャフトに固定されたラジアルアームと、を備え、コントロールアームの一端がヨークプレートにまた他端がラジアルアームにそれぞれ可枢動連結されており、コントロールシャフトを軸心回動させるとコントロールアームが動くピストン往復型内燃機関。
  3. 請求項又は記載のピストン往復型内燃機関であって、その運転サイクルが2ストロークサイクルであり、スリーブドライブシャフトが機関運転速度と同速度で回転するピストン往復型内燃機関。
  4. 請求項記載のピストン往復型内燃機関であって、シリンダが、複数個の吸気ポートがリング状に並ぶ部分と、吸気ポートよりシリンダヘッド寄りにあり複数個の排気ポートが並ぶ部分と、を有するピストン往復型内燃機関。
  5. 請求項又は記載のピストン往復型内燃機関であって、その運転サイクルが4ストロークサイクルであり、スリーブドライブシャフトが機関運転速度の1/2の速度で回転するピストン往復型内燃機関。
  6. 請求項記載のピストン往復型内燃機関であって、吸気ポート及び排気ポートを含め複数個のポートがシリンダの上部にリング状に並び、それらのポートがシリンダ側壁を貫通するピストン往復型内燃機関。
  7. 請求項1記載のピストン往復型内燃機関であって、スリーブバルブ駆動機構が、電気的に制御されスリーブバルブを往復運動させるアクチュエータと、アクチュエータの動作を電気的に制御する制御部と、を有するピストン往復型内燃機関。
  8. 請求項1乃至のいずれか一項記載のピストン往復型内燃機関であって、シリンダヘッドが、燃焼室内にガソリン燃料を直接噴射するフュエルインジェクタを有するピストン往復型内燃機関。
  9. 請求項1乃至のいずれか一項記載のピストン往復型内燃機関であって、その点火方式が圧縮点火方式であり、シリンダヘッド内に、シリンダ内に連通し燃焼室の少なくとも一部として機能する空洞があり、その空洞の形状が、その空洞内に気流の渦をもたらすよう定められており、その渦がフュエルインジェクタによる燃料噴射先となるピストン往復型内燃機関。
  10. 請求項記載のピストン往復型内燃機関であって、シリンダヘッド内の空洞に燃料を噴射するフュエルインジェクタを複数個備えるピストン往復型内燃機関。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項記載のピストン往復型内燃機関であって、吸気ポートがシリンダ側壁に複数個あり、シリンダ側壁上の吸気ポート同士及びスリーブ上のスリーブポート同士がブリッジにより分離されており、スリーブバルブ駆動機構によってスリーブバルブの動きを変えることで、吸気ポートに対するスリーブポートの重なり方ひいては燃焼室内に至る空気流入路断面積を変化させるピストン往復型内燃機関。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一項記載のピストン往復型内燃機関であって、排気ポートがシリンダ側壁に複数個あり、シリンダ側壁上の排気ポート同士及びスリーブ上のスリーブポート同士がブリッジにより分離されており、スリーブバルブ駆動機構によってスリーブバルブの動きを変えることで、排気ポートに対するスリーブポートの重なり方ひいては燃焼室からの燃焼生成気体排出路断面積を変化させるピストン往復型内燃機関。
  13. 請求項1乃至12のいずれか一項記載のピストン往復型内燃機関であって、シリンダヘッドをシリンダに対し軸沿い移動させることによりシリンダ内圧縮比を変化させる機構を備えるピストン往復型内燃機関。
  14. 請求項1乃至13のいずれか一項記載のピストン往復型内燃機関であって、燃焼室内に流入する気流に渦をもたらす気流案内手段を備えるピストン往復型内燃機関。
  15. 請求項14記載のピストン往復型内燃機関であって、気流案内手段が、リング状に複数枚並んだ渦発生用の回転する羽根と、それらの羽根を回転させる制御手段と、を有するピストン往復型内燃機関。
  16. 請求項14記載のピストン往復型内燃機関であって、気流案内手段が、それぞれ開口が貫通しており回動させると開口同士の重なり方が変わるようスリーブバルブ外に複数枚同軸配置されたカラーを有し、それらのカラーの開口を通り燃焼室に流入する気流にその開口が渦をもたらすピストン往復型内燃機関。
  17. 請求項1乃至13のいずれか一項記載のピストン往復型内燃機関を運転する方法であって
    ピストンとシリンダ側壁に挟まれており複数個のスリーブポートが貫通しているスリーブバルブをシリンダの軸沿いに往復運動させることにより、吸気ポート及び排気ポートに対するスリーブポートの重なり方をスリーブバルブの動きで変化させるステップと、
    機関の運転速度又は負荷の変化に応じ、2個の折り返し点間でのスリーブバルブの軸方向及び角度方向の動きを変化させることにより、ピストンの各ストロークにおける吸気ポート及び排気ポートの開閉タイミングを変化させるステップと、
    を有する方法。
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