以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは遊技媒体に遊技メダルを用いる回胴式遊技機を例にする。
<機械的構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る回胴式遊技機の外観を示す斜視図である。
本実施形態に係る回胴式遊技機は、遊技機本体として、図1に示すように、遊技に供する各種遊技部品を収納するための遊技機筐体1と、遊技機筐体1の前面側に開閉自在に取り付けられた前扉2とを備えている。
図1に示すように、前扉2には、そのほぼ中央に第1の表示窓(回胴視認部)3を、またその上側に第2の表示窓(液晶画面視認部)4を設けられている。
下側の第1の表示窓3は回胴視認部であり、回胴装置210の横並びに3個配設された回胴5a、5b、5c(必要に応じて、回胴5aを「左回胴5a」、回胴5bを「中回胴5b」、回胴5cを「右回胴5c」と称する)が、この回胴視認部3に臨ませて、遊技者側から視認し得るようになっている。
この回胴5a、5b、5cは、図2に示すように、その外周に複数種類の図柄が施された図柄配列帯200を有しており、各回胴5a、5b、5cの停止時の図柄の組み合せによって遊技結果を表示する回胴装置210を構成している。
<図柄配列帯200:図2>
図2は、本実施形態における各回胴5a、5b、5cが有する図柄配列帯を例示したものである。図に示す「1ST」図柄配列帯は左回胴5aに、「2ND」図柄配列帯は中回胴5bに、「3RD」図柄配列帯は右回胴5cに対応している。
図柄配列帯200には、図柄番号0〜20が図柄の並び順に沿って一つずつ割り当てられている。図柄配列帯200には、役(追って説明する)に対応した図柄の組み合わせを構成するための各種図柄が表示されている。図柄種として、たとえば、7図柄31、リプレイ(RP)図柄32、赤チェリー図柄33、緑チェリー図柄34、青チェリー図柄35等、複数種類の図柄が施されており、これらの図柄が回胴の回転方向に、計21コマ配置されている。なお、図2では上記図柄種のみを示しており、それ以外の図柄種については省略している。また、各図柄には、図柄番号0番〜20番までのコマ番号が順に付されている。
回胴5a、5b、5cは、それぞれパルスモータからなる回胴駆動モータ211a、211b、211c(図3参照)により回転駆動されるように構成され、各回胴5a、5b、5cが回転することにより、上記図柄が変動表示可能となっている。
回胴視認部3には、ここを横および斜めに横断する形で、計5本の入賞ラインが施されている(符号3aは、図面正面から見て、右斜め下がりに横断する入賞ラインを代表的に示している)。この入賞ラインは、回胴視認部3を水平方向に横断する3つのラインと、回胴視認部3の左上から右下に向かって斜め方向に横断するラインと、回胴視認部3の左下から右上に向かって斜めに横断するラインとからなり、単位遊技(1ゲーム)に対する遊技メダルの投入枚数(賭け数)に応じて有効として扱われるライン数が変化する。この有効とされた入賞ライン(以下、「有効入賞ライン」と称する)上で、3つの回胴5a、5b、5cが停止した際の停止図柄の組み合わせが当選役に対応する図柄の組み合わせと一致したことを条件に、その停止図柄の組み合わせに応じた遊技価値が遊技者に付与される。たとえば、遊技メダルの払い出しを伴う役に当選し、これに対応する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止した場合、つまり「入賞」となった場合、遊技機筐体1内のホッパーユニット500(メダル払出装置:図3参照)が作動して、配当として所定枚数の遊技メダルの払い出しが行われる。この遊技メダルは、遊技者が遊技を開始する際に必要なものであり、遊技価値を有するものといえる。
また第2の表示窓4は液晶画面視認部であり、遊技機の中央より上側に設けてある。この液晶画面視認部4は、前扉2の裏側に装着された画像表示装置としての液晶表示装置6(LCDユニット)の表示画面(液晶画面)6aに対応して、たとえば回胴視認部3よりも少し小さい矩形状に形成されている。遊技者はこの液晶画面視認部4を介して液晶画面6aを前側から視認可能となっている。この表示画面6aには、遊技に関する演出が画像により表示される。なお、本実施形態では液晶表示装置6により画像表示装置を構成しているが、これに限らず、画像表示装置として、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)、電子ペーパディスプレイ、有機ELディスプレイ(OELD:Organic ElectroLuminescent Display)で構成しても良い。
回胴視認部3の左右両側には、LEDを内蔵して、その発光色の種類や発光態様(点滅・点灯、発光強度の増減等)により、遊技に関する演出を光の装飾により現出する装飾ランプ13が設けられている。
回胴視認部3の下方の段部には、遊技媒体である遊技メダルを投入するためのメダル投入口7と、貯留装置(遊技機に投入された遊技メダル、または入賞によって獲得した遊技メダルを貯留して、その貯留数を電磁的方法よって記憶可能とする機能。なお、この貯留数は、遊技機に設けられた所定の表示部(クレジット表示部(たとえば、表示画面6a))に表示される)に貯留された範囲、すなわちクレジットされた範囲内で、遊技メダルを最大枚数賭けで一度に擬似投入し得るMAXBETボタン8、押した回数に応じて最大賭け枚数まで加算的に擬似投入し得る貯留メダル投入ボタン9、クレジット精算を行うための貯留メダル精算ボタン10が設けられている。
また、回胴視認部3の上記段部の下側に横長状に設けられた操作パネル部14には、メダル投入口7内に詰まったメダルを返却させるための返却ボタン15、回胴5a、5b、5cの回転を一斉に開始させるための回胴回転始動レバー11、各回胴5a、5b、5cの回転を個別に停止させるための3個の回胴回転停止ボタン12a、12b、12c(以下、必要に応じて、回胴回転停止ボタン12aを「左回胴回転停止ボタン12a」、回胴回転停止ボタン12bを「中回胴回転停止ボタン12b」、回胴回転停止ボタン12cを「右回胴回転停止ボタン12c」と称し、またこれら回胴回転停止ボタンを総称して、単に「回胴回転停止ボタン12」と称する場合がある)が設けられている。 また、上記ボタンやレバーには、その内部に発光手段(LED)が設けられており、そのLEDの発光態様(たとえば、発光色)により操作が有効であるか否かが遊技者に報知されるようになっている。
上記したMAXBETボタン8、貯留メダル投入ボタン9、貯留メダル精算ボタン10、回胴回転始動レバー11、および回胴回転停止ボタン12a、12b、12cのそれぞれには、これらが操作された際に操作検出情報(検出信号)を生成するスイッチ(8a、9a、10a、11a、12a’、12b’、12c’:図3参照)が設けられている。またメダル投入口7から投入された遊技メダルを検出するメダル検出センサ(7a’:図3参照)がメダル投入口13の内部に設けられている。
操作パネル部14の下方には、遊技機の魅力をアピールするための色彩や絵柄が施され装飾パネル部17が設けられている。
装飾パネル部17の下方には、前扉2と一体的に装着された横長状のメダル受け皿18が設けられ、このメダル受け皿18には、ホッパーユニット500から払い出された遊技メダルや返却された遊技メダルを前側に排出するための遊技メダル払出口19が開口している。
また前扉2の前扉上部両側と前扉下部両側には、遊技に関する効果音を外部に出力する音響出力部としてのスピーカ16が設けられている。
<制御装置:図3、図4>
次に、図3を参照して、本実施形態に係る回胴式遊技機の制御装置について説明する。なお、図1と同じ構成要素には同じ参照番号を付してある。
図3は、遊技動作制御を行うための制御装置の構成の概要を示す制御ブロック図である。
図3に示すように、この制御装置は、遊技動作制御を統括的に司る主制御基板400(主制御部)と、主制御基板400から演出制御コマンドを受けて、光と音についての演出制御を行う演出制御基板420と、この演出制御基板420からの指示を受けて画像についての演出制御を行う液晶制御基板460と、を中心に構成される。そして、液晶制御基板460には、画像表示装置としての液晶表示装置6が接続されている。なお本明細書においては、場合により、演出制御基板420の機能と液晶制御基板460の機能を特に区別することなく、両機能を併せ持つ制御装置部分を「演出制御部」として説明する。なお本明細書において、演出手段といった場合、液晶表示装置6や装飾ランプ13やLEDや音響発生装置(スピーカ16)の他、可動体や加振(振動発生)装置等、人間の五感を刺激することにより演出効果を発揮可能な装置を広く指す。
また、符号440は電源基板であり、電源基板440は外部電源に接続され、変圧トランス(図示せず)から供給される交流電圧(AC24V:メイン電源)から所要の電源を生成し、各制御基板にそれぞれ供給する。なお、電源供給ルートは省略してある。
主制御基板400には、遊技中継基板370を介して、メダル投入口7からの遊技メダルを検出するメダル検出センサ7aと、MAXBETボタン8の操作を検出するMAXBETスイッチ8aと、貯留メダル投入ボタン9の操作を検出する貯留メダル投入スイッチ9aと、貯留メダル精算ボタン10の操作を検出する貯留メダル精算スイッチ10aと、回胴回転始動レバー11の操作を検出する回胴回転始動スイッチ11aと、停止スイッチ基板360と、が接続され、主制御基板400はこれらの各検出信号を受信可能となっている。上記停止スイッチ基板360には、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cの操作を検出する回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’や、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cを内側から照らすLEDが設けられている。
また主制御基板400には、回胴中継基板330を介して回胴装置210の回胴5a、5b、5cを回転駆動するための回胴駆動モータ211a、211b、211cおよび回胴位置検出センサ(各回胴に設けられ、図柄の基準位置や回胴の回転を検出するためのセンサ)212a、212b、212cが接続され、主制御基板400は、各回胴駆動モータを駆動制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御基板400には、払出中継基板350を介してホッパーユニット500に設けられた払出制御基板450と、メダル検出センサ520と、ホッパータンク(図示せず)から溢れた余剰の遊技メダルを監視する満杯検知金具600と、が接続されている。主制御基板400は、入賞による遊技メダルの払い出しが必要な場合、払い出し枚数を指定する払出制御コマンドを払出制御基板450に送信可能となっている。上記払出制御コマンドを受けた払出制御基板450は、ホッパーモータ510を駆動させて、目的枚数の遊技メダルの払い出しを行う。払い出された遊技メダルは、メダル検出センサ520により検出され、その検出信号が主制御基板400に入力される。
また主制御基板400には、外部集中端子基板310を介してパチンコホールの遊技機を統括的に管理するホールコンピュータHCが接続され、主制御基板400は、所定の遊技情報をホールコンピュータHCに送信可能となっている。
また主制御基板400には回胴設定基板430が接続され、主制御基板400は、回胴設定基板430からの検出信号を受信可能となっている。回胴設定基板430には、出玉率に変化をもたらす「設定」を変更する設定スイッチや、遊技動作エラーを解除するリセットスイッチが設けられ、回胴設定基板430は、上記各スイッチの操作を検出して、検出信号を主制御基板400に出力する。
さらにまた主制御基板400には、演出I/F基板340を介して演出制御基板420が接続されている。この演出制御基板420の主な役割は、主制御基板400からの演出制御コマンドの受信、演出パターンの抽選、液晶制御基板460への液晶制御コマンドの送信やスピーカ46の音制御や装飾ランプ13・LEDの発光制御等である。また演出制御基板420には、演出I/F基板340を介して液晶制御基板460が接続されている。この液晶制御基板460の主な役割は、演出制御基板420からの液晶制御コマンドの受信や液晶制御コマンドに基づく液晶表示装置6の画像表示制御等である。
次に、図4を参照して、主制御基板400および演出制御基板420の回路構成とその機能について説明する。図4は図3に示す主制御基板400および演出制御基板420の回路構成を概略的に示すブロック図である。
先ず、主制御基板400の回路構成について説明する。主制御基板400は、メインCPU401cを内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データ等を格納したメインROM401aと、ワークエリアが形成されるメインRAM401bとを搭載したマイクロコンピュータ401を中心に構成され、その他、周辺基板との間の信号を入出力するI/Oポート回路402、カウンタ回路403、主制御基板400に接続された外部周辺基板との信号のやり取りを仲介するインターフェース(I/F)回路404〜406、モータ駆動回路407、およびスイッチ入力回路408が設けられている。
主制御基板400からは、処理状態を特定可能な制御情報としての演出制御コマンドが、演出制御基板420とのI/F回路404が備える出力バッファ回路404aを介して出力され、演出I/F基板340を通して、正確にはその内部に設けられた主制御基板400用の入力バッファ回路340aを介して演出制御基板420に入力されるようになっている。
マイクロコンピュータ401(本実施形態ではZ80システム相当品を採用している)は、メインROM401a、メインRAM401b、メインCPU401cの他、CTC(Counter Timer Circuit)401dやメインCPU401cに割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路401eを備えている。
カウンタ回路403は、ハードウェア的に一定範囲の乱数を生成する乱数生成回路と当該乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを含む。メインCPU401cは、処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数発生回路が示している数値を内部抽選用乱数値として取得する。この内部抽選用乱数値は、主に役の抽選に利用される。ここで上記役の抽選は、主制御基板400のマイクロコンピュータ401がその機能を担う「役抽選手段」により行われる。上記役抽選手段は、1または複数種類の役もしくはハズレに対応付けられた当選領域を定めた抽選領域を対象として抽選を行い(当該抽選領域が定められた役抽選テーブル(図示せず)に基づき行われる)、具体的には、上記取得した内部抽選用乱数値が、いずれの当選領域に属するかを判定することで、いずれの入賞役に当選したのか、ハズレであるのかを決定する。当選役が決定された場合には、その抽選結果情報として内部当選フラグを成立させる。この内部当選フラグは、所定の処理が終了するまでメインRAM401bに格納される。
<役:図5>
ここで、役について説明する。図5は、役種別、役名称、これに対応する図柄の組み合わせ、それらの遊技価値を例示したものである(図には、役種別等の一部を示してある)。なお、本発明は図5に例示する役に限定されず、様々な遊技価値を伴う役を設定することができ、また各役がどの遊技状態においても必ずしも同一の遊技価値を有するものとは限らない。
本実施形態では役の役種別として、リプレイ役、BB役、チェリー役種(全チェリー対応役、赤チェリー役、緑チェリー役、青チェリー役、(赤+緑)チェリー役、(赤+青)チェリー役、(緑+青)チェリー役)、ベル役(図示せず)、スイカ役(図示せず)等を設けてある。なお、図の「対応する図柄の組み合わせ」の欄において、たとえば、リプレイ役に対応する「RP図柄32」−「RP図柄32」−「RP図柄32」の表記は、順に左回胴5a、中回胴5b、右回胴5cにおける停止図柄の組み合わせを示している(他の役についても同様)。
リプレイ役は、これに対応する図柄の組み合わせを「RP図柄33」−「RP図柄33」−「RP図柄33」とし、入賞が確定した場合に今回のゲームで投入した遊技メダルの枚数と同一の枚数を擬似的に付与して次回のゲームを開始可能とする再遊技を遊技者に付与する役である。すなわち、遊技者が遊技メダルを投入(クレジットからの擬似的な投入を含む)することなく、遊技開始条件を付与し、次回のゲームを開始可能とする再遊技を伴う役である。したがって、遊技者が遊技メダルを減らすことなく次回のゲームが可能になるという点で、上記再遊技は、遊技メダルと同様に遊技価値を有するものといえる。
ベル役やスイカ役は、入賞が確定した場合に所定枚数の遊技メダルの払い出しを伴う小役である。また、上記ベル役やスイカ役と同様に、所定枚数の遊技メダルの払い出しを伴う小役として、後述する、全チェリー対応役、赤チェリー役、緑チェリー役、青チェリー役、(赤+緑)チェリー役、(赤+青)チェリー役、(緑+青)チェリー役が設けてある。
BB(ビッグボーナス)役は、これに対応する図柄の組み合わせを「7図柄31」−「7図柄31」−「7図柄31」とし、入賞が確定した場合に通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態への移行契機となるボーナス役である。上記BB役への入賞が確定すると、次回以降のゲームが「BB遊技(ビッグボーナスゲーム)」と称される特別遊技状態に移行する。BB遊技では、特別役物(いわゆる、「レギュラーボーナス」)を連続的に作動させる役物連続作動装置が作動して小役やリプレイ役の当選確率が上昇するようになっているので、遊技者は短時間で大量の遊技メダルを獲得することができる。このBB遊技は、所定の終了条件、たとえば所定枚数(たとえば、466枚)の遊技メダルが払い出されたことを条件に終了する。
次に、チェリー役種について説明する。このチェリー役種には、大別して、単独で当選する赤チェリー役、緑チェリー役、および青チェリー役と、これらチェリー役同士が重複して当選する(赤+緑)チェリー役、(赤+青)チェリー役、(緑+青)チェリー役、および全チェリー対応役とがある。
赤チェリー役は、これに対応する図柄の組み合わせを、「赤チェリー図柄33」−「ANY」−「ANY」(「ANY」とは、有効入賞ライン上の停止図柄の種類は問わないという意味である)とし、入賞が確定した場合に所定枚数の遊技メダルの払い出し(本実施形態では、遊技メダル1枚の配当)を伴う小役である。また緑チェリー役は、これに対応する図柄の組み合わせを「緑チェリー図柄34」−「ANY」−「ANY」とし、青チェリー役は「青チェリー図柄35」−「ANY」−「ANY」とし、赤チェリー役と同じく入賞が確定した場合に所定枚数の遊技メダルの払い出しを伴う小役である。
(赤+緑)チェリー役は1回の抽選で赤チェリー役と緑チェリー役とに、(赤+青)チェリー役は同じく1回の抽選で赤チェリー役と青チェリー役とに、(緑+青)チェリー役は同じく1回の抽選で緑チェリー役と青チェリー役とに、重複して当選(以下、「重複当選」と称する)する重複役である。たとえば、(赤+緑)チェリー役に当選したそのゲームでは、有効入賞ライン上に「赤チェリー図柄33」−「ANY」−「ANY」、または「緑チェリー図柄34」−「ANY」−「ANY」の停止が許容され、いずれかの図柄の組み合わせ有効入賞ライン上に停止すれば1枚の配当が得られることになる。
全チェリー対応役は、1回の抽選で赤チェリー役、緑チェリー役、および青チェリー役に重複当選する重複役である。この全チェリー対応役に当選した場合には、有効入賞ライン上に「赤チェリー図柄33」−「ANY」−「ANY」、「緑チェリー図柄34」−「ANY」−「ANY」、または「青チェリー図柄35」−「ANY」−「ANY」の停止が許容され、いずれかの図柄の組み合わせ有効入賞ライン上に停止すれば1枚の配当が得られることになる。
なお本実施形態では、BB役は、抽選により当選したそのゲームで、BB役を取りこぼしたとしても、当該当選は無効とされることなく、当選した権利を次回以降のゲームに持ち越すことができる持越可能役として設定されている。つまり、上記役抽選手段による抽選によりBB役に当選し、これに対応する内部当選フラグが成立した当該ゲームにおいてBB役が入賞しなかったとしても、入賞するまでは、その内部当選フラグの成立した状態が次回以降のゲームにおいても維持され、BB役当選状態が継続する。これに対し、リプレイ役、チェリー役種、ベル役、およびスイカ役のそれぞれは、抽選により当選したそのゲームで取りこぼしてしまった場合、当該当選が無効とされ、当選した権利を次回のゲームに持ち越すことができない持越不可能役として設定されている。つまり対応する内部当選フラグが成立したそのゲームで入賞しなかった場合、次回のゲーム開始までに当該内部当選フラグはクリアされることになる。
再び図4の説明に戻り、I/F回路としては、演出制御基板420とのI/F回路404、遊技中継基板370とのI/F回路405、およびその他の基板とのI/F回路406が配置されている。I/F回路405のスイッチ入力回路408には、遊技機本体に配置された各種スイッチやセンサからの信号が入力される。
モータ駆動回路407は、マイクロコンピュータ401の制御の下、回胴駆動モータ211a、211b、211cを制御するための駆動パルス信号を出力する。
各回胴5a、5b、5cの回転制御および停止制御は、マイクロコンピュータ401とモータ駆動回路407とによって行われており、これらは停止制御手段を構成している。
マイクロコンピュータ401(メインCPU401c)は、メダル検出センサ7aからの検出信号や、MAXスイッチ8a、または貯留メダル投入スイッチ9aからの操作検出信号により遊技開始条件となる規定枚数(たとえば1〜3枚)の遊技メダルが投入されたことを確認すると、遊技開始条件を成立させる。この遊技開始条件成立下で回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号の入力を確認すると、モータ駆動回路407から出力される駆動パルス信号を制御し、3つの回胴5a、5b、5cを一斉に回転始動させ、その後、各回胴を一定速度で回転させる。これにより、回胴を回転させる回転動作を実現している。
またマイクロコンピュータ401は「停止操作位置検出手段」としての機能部を担い、この停止操作位置検出手段は、回胴の回転中において、各回胴位置検出センサ212a、212b、212cからの位置検出信号の入力により、現在、基点となる位置からどれだけの移動量で回胴が回転しているかを監視し、所定位置(本実施形態では、回胴視認部3の最下段水平方向の入賞ライン上(図8示す枠内下段の位置))に存在する図柄を把握している。そして、回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’からの操作検出信号を受けたタイミングで、上記所定位置に存在する図柄情報(図柄カウンタ)を取得し、停止制御テーブル(詳細は後述する)に基づいて、その取得した図柄カウンタ値からどれだけのコマ数分移動させて回胴を停止させるかを割り出し、目的とする位置に回胴を停止させる停止動作を実現している。
上記停止制御テーブルには、回胴の停止制御を行う際の停止データとして、回胴回転停止ボタンが操作されたタイミング、つまり回胴回転停止スイッチが操作されたタイミングで当該回胴回転停止スイッチに対応する回胴が上記所定位置に存在している図柄と、その回胴が実際に停止したときに上記所定位置に表示する図柄との関係を、回胴の停止操作順や他の回胴の停止位置や抽選結果情報に関連付けて定めてあり、いわゆる「引き込み制御」を実現するための停止データが定められている。
上記「引き込み制御」とは、従来から知られているように、役抽選手段により当選役が決定された場合、回胴回転停止ボタン12が操作されたタイミングで有効入賞ライン上に存在するその役の構成要素図柄を除き、所定の滑りコマ数(本実施形態では最大4コマ)の範囲内に有効入賞ライン上に停止可能とされる当該構成要素図柄が存在する場合、その図柄を有効入賞ライン上に引き込む形態で回胴の停止位置を制御する停止制御態様をいう。このような引き込み制御の特性を利用し、図柄配列帯200における図柄配置構成や滑りコマ数を定めれば、回胴の停止操作タイミングにかかわらず、当選役に対応する図柄の組み合わせを有効入賞ライン上に必ず停止可能(100%引き込み可能)にしたり、停止操作タイミングによっては最大滑りコマ数引き込んでも有効入賞ライン上に停止不可能としたり(「取りこぼし」を可能とする)することもできる。ただし、いずれの役に当選せず「ハズレ」の場合には、役に対応する図柄の組み合わせを有効入賞ライン上に停止させない停止位置が決定される。したがって、いずれの役にも当選していないゲームにおいて、遊技者が目押し操作により役に対応する図柄の組み合わせを有効入賞ライン上に停止させようと如何に試みようとも、その図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止することはなく、遊技結果は常に「ハズレ」となる。このように、回胴の停止操作タイミングの位置と滑りコマ数とにより回胴の停止位置は一義的に定まることになる。
各回胴が停止した際、遊技結果としての有効入賞ライン上の図柄の停止表示態様は、基準位置としての枠内下段にどの図柄番号が停止したかで自然と定まる。マイクロコンピュータ401(メインCPU401c)は、上記図柄カウンタ値を把握することで、現在、どの図柄が有効入賞ライン上に停止しているかを各回胴ごとに把握し、入賞か否かの判断ができる構成となっている。また上記図柄カウンタが取得されれば、停止制御テーブルに基づいて滑りコマ数を割り出すことができるので、回胴の停止前であっても有効入賞ライン上に停止する図柄を予測することができる。これにより回胴の停止前に入賞か否かを判断する構成としても良い。
<停止制御テーブル選択テーブル、停止制御テーブル:図6〜図10>
次に、図6〜図10を参照しながら本実施形態に係る回胴式遊技機の停止制御テーブルに基づく回胴の停止制御ついて説明する。図6および図7は従来の回胴式遊技機における回胴の停止制御の説明に供する図であり、図8は停止制御テーブルに基づく回胴の停止制御の説明に供する図であり、図9および図10は本発明の一実施形態に係る回胴式遊技機の回胴の停止制御の説明に供する図である。
先ず本発明の理解を容易なものとするため、特許文献1(特開2005−288149号公報)に代表される従来の回胴式遊技機が回胴の停止制御の際に用いる停止制御テーブル(以下、「従来の停止制御テーブル」と略称する)について説明しておく。
図6および図7は、従来の停止制御テーブルを例示した図である。ここでは、本発明との比較を容易にするため、本実施形態と同じチェリー役種を設けた場合の停止制御テーブルを示す。またここでは、最初に左回胴5aの停止操作がなされた場合の左回胴停止用停止制御テーブルについて説明し、中回胴5bおよび右回胴5cに関する停止制御テーブルや押し順に応じた停止制御テーブルについての説明は省略する。また有効入賞ラインについては、入賞ライン計5本のすべてが有効であるものとして説明する(図9および図10の説明についても同様)。
従来の停止制御テーブルには、図示のように、各当選役ごとにそれぞれ固有の停止制御テーブルが設けられている。ここで、図6および図7に示す「停止操作位置」とは、その図柄番号の図柄が枠内下段に存在するタイミングで回胴回転停止ボタン12が操作されたときに取得した図柄カウンタ値を示している。また同図に示す「停止位置」の欄における「↑(矢印)」は、上記停止操作位置の図柄から「滑りコマ数」の欄に表記されたコマ数(0〜4コマ)分だけ移動することを示している(「滑りコマ数」が「0」の場合、停止操作位置の図柄が枠内下段にそのまま停止(いわゆる、ビタ止まり)する)。また「●(黒丸印)」は、上記停止操作位置の図柄が上記滑りコマ数分移動した後に、実際に枠内下段に停止する図柄位置を示している。なお、図9および図10についても同様の表記をしている。
従来の回胴式遊技機の回胴の停止制御においては、上記役抽選手段により役の当否が決定され、回胴の停止操作がなされると、ハズレまたは当選役ごとに対応した停止制御テーブルが参照され、その停止データに基づいて回胴の停止位置が決定される。たとえば、「赤チェリー役」に当選し、遊技者により回胴の停止操作がなされた場合、図6の停止制御テーブルの「赤チェリー役」の停止制御テーブルが参照される。このときの停止操作位置が、たとえば図柄カウンタ「19」である場合、図柄カウンタ「19」に対応する滑りコマ数「1」が割り出される。したがって、実際に枠内下段に停止する図柄は図柄番号20の「赤チェリー図柄33」となる。このケースでは、図8に示すように、枠内下段に図柄番号20の「赤チェリー図柄33」が停止し、この時点で赤チェリー役の入賞が約束される。そして、残りの回胴5b、5cの停止操作がなされるごとに、図示しない中回胴用停止制御テーブル、右回胴用停止制御テーブルが順次参照され、これら停止制御テーブルに基づいて回胴を目的とする位置に停止させる。最終的に各回胴が停止した際は、2本の有効入賞ライン上に「赤チェリー図柄33」−「ANY」−「ANY」の停止形が導出表示され、入賞が確定して「配当1枚×有効入賞ライン2本分」に相当する遊技メダル2枚の払い出しが行われることになる。
一方、本実施形態に係る回胴式遊技機では、上述した従来のような当選役ごとの停止制御テーブルを用いて回胴の停止制御を行う形態とは異なり、回胴の停止操作タイミングに対応して使用する停止制御データを選択する形態となっている。以下、詳細に説明する。
(停止制御テーブル選択テーブル:図9)
図9は、回胴の停止操作タイミングに対応して使用する停止制御データを選択するために用いられる停止制御テーブル選択テーブルを示した図である。ここでは、チェリー役種が当選した際に用いられる左回胴5a停止用の停止制御テーブル選択テーブルを示してある。
この停止制御テーブル選択テーブル(以下、「CRYテーブル」と称する)には、全チェリー対応役、赤チェリー役、緑チェリー役、青チェリー役、(赤+緑)チェリー役、(赤+青)チェリー役、または(緑+青)に当選した場合において、その当選役と回胴の停止操作位置に応じて選択すべき停止制御テーブルとの関係を対応付けて定めてある。
具体的には、回胴の停止操作位置が所定の停止操作位置範囲内に属するか否かにより選択される停止制御テーブル(当該停止制御テーブルについての詳細は追って説明する)が異なるようになっている。本実施形態では、引き込み制御の特性上、左回胴5aが停止したときに赤チェリー図柄33、緑チェリー図柄34、青チェリー図柄35のそれぞれが有効入賞ライン上に重複して停止しない図柄配置構成として定めてあり(図2参照)、これにより上記停止操作位置が上記図柄番号0番〜6番、7番〜13番、14番〜20番のいずれの範囲に属するか否かで選択される停止制御テーブルが異なるようになっている。
上記CRYテーブルについて具体例を挙げて説明すれば、たとえば、全チェリー対応役に当選した場合、停止操作位置(図柄カウンタ値)にかかわらず、後述する「停止制御テーブル0」が選択される。また、たとえば、赤チェリー役に当選した場合、停止操作位置が図柄番号0番〜6番および7番〜13番の範囲であれば後述する「停止制御テーブル1」が選択され、図柄番号14番〜20番の範囲であれば後述する「停止制御テーブル0番」が選択される。その他、緑チェリー役、青チェリー役、(赤+緑)チェリー役、(赤+青)チェリー役、および(緑+青)チェリー役についても同様に、停止操作タイミングが図柄番号0番〜6番、7番〜13番、14番〜20番のいずれの範囲に属するか否かにより「停止制御テーブル0」か、または「停止制御テーブル1」のいずれかが選択される。このように、CRYテーブルには、図柄カウンタ値に応じて第1の停止制御テーブルまたは第2の停止制御テーブルを選択するための選択データが定めてあり、本実施形態では、図柄カウンタ値に対して一意の停止制御テーブル(停止制御テーブル0または停止制御テーブル1のいずれか)が選択される選択データが定められている。
(停止制御テーブル0、停止制御テーブル1:図10)
次に、上記したCRYテーブルにより選択される停止制御テーブルについて詳細に説明する。図10の(A)は、上記CRYテーブルにより選択される「停止制御テーブル0」、同図の(B)は「停止制御テーブル1」を示した図である。
停止制御テーブル0には、当選役(ここでは、チェリー役種のうちいずれかの役)の構成要素図柄を所定のコマ数範囲内で有効入賞ライン上に引き込み可能(停止可能)とする停止データが定められている。一方、停止制御テーブル1には、当選役以外のチェリー役種の構成要素図柄のいずれも引き込み不可能(停止不可能)とする停止データが定められている。これら停止制御テーブルに基づく回胴の停止制御は、上記の従来の停止制御テーブルに基づく回胴の停止制御形態と実質的に同様であるので、重複する点については適宜省略して説明する。
上述したように本実施形態では上記CRYテーブルに基づいて、たとえば、赤チェリー役に当選した場合、停止操作位置が図柄番号14番〜20番の範囲であるときには「停止制御テーブル0」が選択され、図柄番号0番〜6番または7番〜13番の範囲であるときには「停止制御テーブル1」が選択される。ここで、上記停止制御テーブル0が選択された場合、つまり停止操作位置が図柄番号14番〜20番の場合、停止制御テーブル0を参照すれば当該停止操作位置と滑りコマ数との関係により、赤チェリー役の構成要素図柄(赤チェリー図柄33)が有効入賞ライン上に停止可能となり、赤チェリー役の入賞が約束される。つまり、停止制御テーブル0が選択された場合、有効入賞ライン上には、当選役である赤チェリー役の構成要素図柄(赤チェリー図柄33)のみを引き込み、その他のチェリー役種の構成要素図柄(緑チェリー図柄34、青チェリー図柄35)は引き込まない回胴の停止位置が決定されることになる。
一方、停止制御テーブル1が選択された場合、つまり停止操作位置が図柄番号0番〜6番または7番〜13番の範囲の場合、停止制御テーブル1の当該停止操作位置と滑りコマ数との関係により、赤チェリー役の構成要素図柄(赤チェリー図柄33)が有効入賞ライン上に停止不可能となり、赤チェリー役の取りこぼしが発生することになる。このとき、当選役である赤チェリー役の構成要素図柄以外の他のチェリー役種の構成要素図柄も有効入賞ライン上に停止せず、遊技結果は「ハズレ」となる。つまり、停止制御テーブル1が選択された場合、有効入賞ライン上には、赤チェリー図柄33、緑チェリー図柄34、および青チェリー図柄35のいずれの図柄も引き込まない回胴の停止位置が決定されることになる。
同様にして、緑チェリー役、青チェリー役、(赤+緑)チェリー役、(赤+青)チェリー役、または(緑+青)チェリー役に当選した場合においても、「停止制御テーブル0」が選択された場合には、その役の構成要素図柄を有効入賞ライン上に引き込み、他の役の構成要素図柄を有効入賞ライン上に引き込まない回胴の停止位置が決定され、「停止制御テーブル1」が選択された場合には、その役の構成要素図柄を含み、チェリー役種の構成要素図柄のいずれも有効入賞ライン上に引き込まない回胴の停止位置が決定される。
また、全チェリー対応役に当選した場合、停止操作位置が図柄番号0〜6番、7番〜13番、14番〜20番の範囲、すなわち停止操作タイミングにかかわらず、いずれも「停止制御テーブル0」が選択される。したがって、赤チェリー図柄33、緑チェリー図柄34、青チェリー図柄35のいずれかの図柄が有効入賞ライン上に停止し、赤チェリー役、緑チェリー役、または青チェリー役のいずれかの入賞が約束されることになり、取りこぼしは発生しない。
本発明では、従来の当選役ごとの停止制御テーブルを用いて回胴の停止制御を行う形態とは異なり、回胴の停止操作タイミングに対応して使用する停止制御テーブルを選択し、その停止制御テーブルを用いて回胴の停止制御を行う形態としている。これにより、複数種類の当選役に対して共通の停止制御テーブルを用いることができるようなる。従来の回胴式遊技機では、役の種類を増加させた場合、増加した役に対応する停止制御テーブルをさらに設ける必要があり、停止制御に必要なデータ量が増大して記憶領域を圧迫していた。これに対し本発明では、異なる当選役であっても共通した停止制御テーブルを利用することができるので、停止制御に必要なデータ量の増加を抑制することができるようになる。
また本発明は、特定の共通性を有する役を複数種類設けた場合に効果的である。たとえば、本実施形態のチェリー役種に対応する構成要素図柄としての赤チェリー図柄33、緑チェリー図柄34、および青チェリー図柄35に着目すると、構成要素図柄のそれぞれが規則性を有する図柄配置構成を有している。これらの図柄は、最大滑りコマ数より大きいコマ数である7コマ置きに(均等)配置(図2の図柄配列帯「1ST」の図柄列を参照)され、引き込み制御上、停止操作位置がどの位置であっても異なる図柄種を同時に有効入賞ライン上に引き込めず、さらに停止操作位置がどの位置であってもいずれかの図柄種が必ず有効入賞ライン上に引き込めるようになっている。これにより、本実施形態のチェリー役種のように、特定の共通性を有する役を複数種類設けた場合、上記停止制御テーブル0、1を共通して用いることが可能になる。本実施形態では、チェリー役種を計7種類定めているが、上記停止制御テーブル0、1で足りることになる。ここでは、特定の共通性を有する役として「チェリー役種」を代表的に説明したがこれに限らず、たとえば、役に対応する図柄の組み合わせ、有効入賞ラインのライン取り、各回胴の図柄配列帯における図柄配置構成、停止操作位置に応じた滑りコマ数等により、異なる役同士であっても共通の停止制御テーブルを利用可能とする回胴式遊技機であれば、本発明の停止制御形態を等しく適用可能である。
再び、図4に戻り、次いで演出制御基板420について説明する。演出制御基板420は、サブCPU421cを内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、演出制御手順を記述した制御プログラムや演出用データ(演出シナリオ(演出パターン)データ)等を格納したサブROM421aと、ワークエリアが形成されるサブRAM421bとを搭載したマイクロコンピュータ421を中心に構成され、その他、演出I/F基板340との間の信号を入出力するI/Oポート回路422、カウンタ回路423が設けられている。またマイクロコンピュータ421は、メインROM401a、メインRAM401b、メインCPU401cの他、CTC421dやサブCPU421cに割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路421eを備えている。
また演出制御基板420には、主制御基板400からの演出制御コマンドを受けて光と音についての演出処理を行うため、装飾ランプ13やLEDを含む光表示装置に対する光表示制御部と、スピーカ16を含む音響発生装置に対する音響制御部が設けられている。
カウンタ回路423は、カウンタ回路403と同様に乱数生成回路とサンプリング回路とを含む。サブCPU421cは、演出処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数発生回路が示している数値を演出用乱数値として取得する。この演出用乱数値は、主として演出パターンの抽選に利用される。
演出制御基板420は、主制御基板400から送られてくる演出制御コマンドに基づき、演出シナリオに対応する演出パターンを、あらかじめ用意された複数種類の演出パターンの中から抽選によりまたは一意に決定し、これを実行指示する制御信号を上記音響発生装置や光表示装置に送信する。これにより、演出パターンに対応する効果音の再生と、装飾ランプ13やLED等の点灯点滅駆動とが実現される。また、演出制御基板420は、演出制御コマンドに関連付けられた液晶制御コマンドを液晶表示装置6に表示する画像再生が必要なタイミングで液晶制御基板460に送信する。
この液晶制御基板460には、演出制御基板420から受信した液晶制御コマンドに基づき、液晶表示装置6の表示制御を行うために必要な制御データを生成してVDPに出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの動作手順を記述したプログラムを内蔵する制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する制御RAMとが設けられている。また、液晶制御基板460には、上記液晶制御CPUに接続されて画像展開処理を行う映像表示プロセッサVDP(Video Display Processor)と、VDPが画像展開する必要な画像データを格納した画像データROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAMとが設けられている。液晶制御基板460側では、演出制御基板420から送られてくる上記液晶制御コマンドに基づき、液晶表示装置6に対する画像表示制御が行われる。これにより、演出パターンに対応する画像表示演出が実現される。
なお、演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなり、これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、メインCPU401cは、送信すべきコマンドがある場合、演出制御基板にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行なう。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行なう。サブCPU421cは、ストローブ信号が送信されて来ると、これに対応して割り込みを発生させ、この割り込み処理によりコマンドを受信する。ストローブ信号はメインCPU401cにより、サブCPU421cが確実にコマンドを受信することが可能となるように所定期間アクティブ状態に制御される。
液晶制御コマンドの送信に際しては、演出制御基板420は割り込み用ストローブ信号を発生し、液晶制御基板460にMODE信号とEVENT信号とで構成される2バイト長の液晶制御コマンドを前後して送信する。
(演出制御コマンド)
ここで、主制御基板400が各遊技動作の実行時に演出制御基板420に対して送信する演出制御コマンドについて説明する。主制御基板400が送信する演出制御コマンドとしては、以下のようなものがある。なお、これらのコマンド名は、発生時期または送信時期に着目して命名されており、その命名の内容の実行を促すものではない。
まず、遊技メダル1枚を投入するごとに発生する「メダル投入コマンド」、回胴回転始動レバー11の操作時に発生する「回転開始(遊技スタート)コマンド(当選役に関する情報(抽選結果情報)や遊技状態に関する情報を含む)」、回胴回転始動レバー11操作後の回胴回転開始時に発生する「回転起動コマンド」がある。ここで、回転開始コマンドが抽選結果情報や遊技状態の情報を含むとは、たとえば回転開始コマンドが16ビットの符号からなり、そのうちの6ビットが当選役を示す情報(役当選情報)に割り当てられ、他の4ビットがそのときの遊技状態を示す情報(遊技状態情報)に割り当てられるような形態を意味する。この上記回転開始コマンドに含まれる「遊技状態情報」には、「通常遊技中」、「BB遊技中」、「BB遊技終了中」、「BB持越遊技中」、「遊技状態移行情報」、「抽選結果情報(役当選情報)」等がある。
さらにまた、主制御基板400から演出制御基板420に送られる演出制御コマンドには、回胴回転停止ボタン12aの操作時(左停止操作時)、回胴回転停止ボタン12bの操作時(中停止操作時)、回胴回転停止ボタン12cの操作時(右停止操作時)にそれぞれ発生する「停止ボタン左」、「停止ボタン中」、「停止ボタン右」のコマンド(停止ボタンコマンド)や、引き込み制御後の左回胴5a停止時、中回胴5b停止時、または右回胴5c停止時に発生する「左回胴停止」、「中回胴停止」、「右回胴停止」のコマンド(回胴停止コマンド)がある。これらの各コマンドも16ビットの符号からなり、そのうちの3ビットが押し順情報に割り当てられ、他の4ビットがそのときの遊技状態を示す状態情報(遊技状態情報)や回胴の停止位置情報に割り当てられる。
なお、3つの回胴回転停止ボタンのうちで1番目に操作された回胴回転停止ボタンであることは、上記の停止操作順情報から知ることができ、「第1停止コマンド」として演出制御基板420に送信され、演出制御基板420が1番目の回胴の停止操作時に伴う演出を実行するために利用される。同様にして、2番目、3番目に操作された回胴回転停止ボタンであることも、上記の押し順情報から知ることができ、「第2停止コマンド」、「第3停止コマンド」として演出制御基板420に送信され、利用される。
さらに、主制御基板400から演出制御基板420に送られる演出制御コマンドには、3番目に回胴回転停止ボタンを離した時に発生する「全回胴停止」コマンドがある。この全回胴停止コマンドも16ビットの符号からなり、そのうちの4ビットが有効入賞ライン上に揃った役の種類を示す情報(役情報)に割り当てられ、他の3ビットが入賞ラインを示す情報(入賞ライン情報)に割り当てられ、他の4ビットがそのときの遊技状態を示す情報(遊技状態情報)に割り当てられる。
この全回胴停止コマンドは、引き込み制御中に停止ボタンから指を離した場合、3番目の回胴の引き込み制御後の回胴停止時に発生する。ここで全回胴停止コマンドに含まれる「入賞ライン情報」とは、回胴において役が揃った入賞ラインに関する情報であり、また「役情報」とは実際に揃った図柄に関する情報である。回転開始コマンドに含まれる「役」の情報では、実際に揃う図柄が未確定であるのに対し、この全回胴停止コマンドに含まれる「役」の情報は、取りこぼしをすることなく実際に揃った図柄を示す情報である点で、両者は異なる。
詳細は後述するが、演出制御基板420は、上記演出制御コマンドの内容に基づいて所定の演出処理を行い、演出手段を制御して役の当選可能性を報知可能に構成されている。
次に、図11〜図16を参照して、本実施形態に係る回胴式遊技機の遊技動作制御に関する処理の手順について説明する。
<主制御側遊技動作処理:図11、図12>
図11および図12は、遊技動作制御プログラムに従い主制御基板400が行う処理手順を示すフローチャートである。以下に説明する処理手順は、メインCPU401cにより実行されるものであるが、説明の便宜上、処理を実行する主体を主制御基板400として説明する。
まず、主制御基板400は、メダル検出センサ7aからの検出信号や、MAXスイッチ8a、または貯留メダル投入スイッチ9aからの操作検出信号が送られてくるのを監視し(ステップS101)、当該操作検出信号が送られてきた場合には、その信号に基づいて遊技開始条件成立となる規定枚数(本実施形態では、3枚とする)の遊技メダルの投入があったかどうかを判断し(ステップS102)、規定枚数の遊技メダルが投入されるまで待つ(ステップS102:NO)。なお、主制御基板400は、メダル検出センサ7aからの検出信号またはMAXBETスイッチ8aもしくは貯留メダル投入スイッチ9aからの操作検出信号を受けると、これに基づく、メダル投入コマンドを演出制御基板420に送信する。
次に、主制御基板400は、上記規定枚数の遊技メダルの投入を確認した場合(ステップS102:YES)、主制御基板400は、遊技開始条件を成立させ、条件成立状態を保持したまま、回胴回転操作始動スイッチ11aからの操作検出信号が送られてくるのを待つ(ステップS103:NO)。そして、主制御基板400は、回胴回転操作始動スイッチ11aからの操作検出信号を受けると(ステップS103:YES)、ステップS104の処理に入る。
ステップS104の処理に入ると、主制御基板400は、内部抽選用乱数値をカウンタ回路403のカウンタ値に基づいて抽出する(ステップS104)。この内部抽選用乱数値を抽出するタイミングは、回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号を受けたタイミングで行われる。内部抽選用乱数はカウンタ回路403により生成され、本実施形態では、8ビットのバイナリカウンタを2個用いて16ビットのハードウェア乱数(0000H〜FFFFH(16進数)の繰り返し)を生成している。
次に、主制御基板400は、内部抽選用乱数値に基づく役抽選処理を行う(ステップS105)。ここでは、ステップS104で抽出した内部抽選用乱数値と役抽選テーブル(図示せず)とに基づき役に関する抽選を行い、その抽選により当選役が決定された場合、対応する内部当選フラグを成立させ、メインRAM401bの所定の領域に格納すると共に、抽選結果情報を含む回転開始コマンドを演出制御基板420に送信する。格納された内部当選フラグは毎ゲームごとにクリアされるが、BB役の内部当選フラグに限り、その入賞が確定するまで次回以降のゲームに持ち越される。このBB役の内部当選フラグが持ち越されている間の遊技は「持ち越し遊技(BB役持越遊技)」と称され、この遊技中において、BB役は抽選対象から除外される。
上記役抽選処理は、回胴回転始動スイッチ11aにより開始操作が検出されることに基づいて、複数種類の特定役(チェリー役種)を含む複数種類の役のうちから当選役を決定する役抽選手段に対応する。
続いてステップS106の処理に移行し、主制御基板400は、各回胴5a、5b、5cの回転を開始させるための回胴回転始動時の設定処理(回胴回転開始処理)を行い、回胴を一斉に回転始動させる。またここでは、回胴回転開始と共に回転起動コマンドを演出制御基板420に送信する。
その後、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cが操作されるごとに、つまり回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’がオンされるごとに、順次、回胴回転停止ボタンに対応する回胴を停止させるための回胴停止処理を行う(ステップS107)。以下に、図13に従い回胴停止処理について詳細に説明する。
(回胴停止処理:図13)
図13は、ステップS107の回胴停止処理を示すフローチャートである。
まず、主制御基板400は、停止操作が有効な回胴を判定する判定処理を行い(ステップS171)、停止操作の受付が有効であるか否かを判断する(ステップS172)。たとえば、回胴回転開始直後であるならば、各回胴が回転していること、および各回胴の回転速度が略一定になったこと、停止操作スイッチの妨げとなるスイッチ類がオンされていない等が確認される。
そして回胴の停止操作の受付が有効であると判断した場合(ステップS172:YES)、回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’からの操作検出信号が送られてくるのを待つ(ステップS173:NO)。ここでは、遊技者が左回胴5a→中回胴5b→右回胴5cと順押しで順次回胴を停止操作した場合を代表的に説明し、その他の押し順で回胴を停止操作した場合については重複記載を避けるため省略する。
まず主制御基板400は、左回胴回転停止スイッチ12a’から操作検出信号を受けた場合(ステップS173:YES)、そのときに枠内下段の位置する図柄情報(図柄カウンタ)を取得し(ステップS174)、続いてステップS175の停止制御テーブル検索処理に移行する。
(停止制御テーブル検索処理:図14)
図14は、ステップS175の停止制御テーブル検索処理を示すフローチャートである。
まず主制御基板400は、内部当選フラグを確認し、全チェリー対応役、赤チェリー役、緑チェリー役、青チェリー役、(赤+緑)チェリー役、(赤+青)チェリー役、または(緑+青)チェリー役のいずれかに当選しているか否かを判断する(ステップS301)。
全チェリー対応役、赤チェリー役、緑チェリー役、青チェリー役、(赤+緑)チェリー役、(赤+青)チェリー役、または(緑+青)チェリー役のいずれかに当選している場合(ステップS301:YES)、図9のCRYテーブルを参照し、図13のステップS174で取得した図柄カウンタ値に対応する停止制御テーブル(停止制御テーブル0または停止制御テーブル1:図10参照)を選択する(ステップS302)。上記ステップS301〜S302の処理は、上記役抽選手段(ステップS104〜S105)により複数種類の特定役(チェリー役種)のいずれかが当選役として決定されたことを条件に、上記停止操作位置検出手段(ステップS173〜S174)により検出された回胴の回転位置に応じて第1の停止制御テーブル(停止制御テーブル0に相当する)または第2の停止制御テーブル(停止制御テーブル1に相当する)を選択する停止制御テーブル選択手段に相当する。
一方、全チェリー対応役、赤チェリー役、緑チェリー役、青チェリー役、(赤+緑)チェリー役、(赤+青)チェリー役、または(緑+青)チェリー役のいずれにも当選していない場合(ステップS301:NO)、これ以外の役(BB役、リプレイ役、スイカ役、またはベル役)に当選しているか否かを判断し(ステップS303)、当該役に当選していた場合には(ステップS303:YES)、その当選役に対応する停止制御テーブル(ここでは、当選役に対応する第1(停止操作順が1番目)左回胴停止用停止制御テーブル:図示せず)を選択する(ステップS304)。しかし、いずれの役にも当選していない場合、つまり「ハズレ」の場合には(ステップS304:NO)、ハズレに対応する停止制御テーブル(ハズレに対応する第1左回胴停止用停止制御テーブル:図示せず)を選択する(ステップS305)。
再び図13に戻り、ステップS175の停止制御テーブル検索処理で選択された停止制御テーブルに基づき、ステップS174で取得した図柄カウンタ値に対応する滑りコマ数を設定する(ステップS176)。
次に、設定した滑りコマ数が0であるか否かを判断し(ステップS177)、その設定値が‘0’でない場合(ステップS177:NO)、回胴が1図柄分更新、つまり1コマ分移動するまで待ち(ステップS178:NO)、1図柄分更新した場合(ステップS178:YES)、設定した滑りコマ数を1減算し(ステップS179)、設定した滑りコマ数が0になるまでステップS177〜S179の処理を行う。
そして、設定した滑りコマ数が0になった場合(ステップS177:YES)、モータ駆動回路407を制御して左回胴5aを停止し(ステップS180)、全回胴が停止したか否かを判断する(ステップS181)。本ケースでは、未だ左回胴5aだけが停止した状態であるので再びステップS171の処理に移行し、停止有効判定処理(ステップS171)、続く停止操作の受付が有効か否かの判断処理(ステップS172)を行い、残りの中回胴5b、右回胴5cに対する停止操作がなされた場合には、ステップS173〜S181の処理を行う。そして、全回胴が停止した場合には(ステップS181:YES)、図11のステップS108の入賞判定処理に移行する。
なお、図示はしていないが、左回胴回転停止ボタン12aの操作時に「停止ボタン左」のコマンド(停止ボタンコマンド)を、中回胴回転停止ボタン12bの操作時に「停止ボタン中」のコマンドを、右回胴回転停止ボタン12cの操作時に「停止ボタン右」のコマンドを、それぞれ演出制御基板420に送信する。また左回胴5a停止時に「左回胴停止」のコマンド(回胴停止コマンド)を、中回胴5bの停止時に「中回胴停止」のコマンドを、右回胴5cの停止時に「右回胴停止」のコマンドを、それぞれ演出制御基板420に送信する。
全回胴停止後、主制御基板400は入賞判定処理を行う(ステップS108)。ここでは、当選役に対応する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止したかどうかを確認する。当選役に対応する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止したことが確認されれば、その停止した図柄の組み合わせに応じた所定枚数の遊技メダルの払い出しを行う(ステップS109)。
ステップS110では、リプレイ役に対応する図柄の組み合わせ(図中では「リプレイ役対応図柄」と表記)が有効入賞ライン上に停止したか否かを判断し(ステップS110)、リプレイ役に対応する図柄の組み合わせが停止した場合(ステップS110:YES)、再遊技を付与するための所定の処理を行い(ステップS116)、続いて今回のゲームで使用した所定のワークエリアをクリアし、再びステップS101から処理を開始する。しかし、リプレイ役に対応する図柄の組み合わせが停止していない場合(ステップS110:NO)、次にBB役に対応する図柄の組み合わせ(図中では「BB役対応図柄」と表記)が有効入賞ライン上に停止したか否かを判断する(ステップS111)。
BB役に対応する図柄の組み合わせが停止した場合(ステップS111:YES)、BB遊技を開始するために必要な設定処理を行い(ステップS117)、今回のゲームで使用したワークエリアをクリアし、再びステップS101から処理を開始する。以降、BB遊技終了条件を満たすまで、遊技状態はBB遊技に移行する。
BB役に対応する図柄の組み合わせが停止していない場合(ステップS111:NO)、次に、BB遊技中であるか否かを判断し(ステップS112)、BB遊技中でない場合には(ステップS112:NO)、今回のゲームで使用した所定のワークエリアをクリアし、再びステップS101から処理を開始する。BB遊技中である場合には(ステップS112:YES)、BB遊技を進行する上で必要な管理処理(ステップS113)を行う。その後、ステップS114の判断処理に進み、BB遊技の終了条件が成立したかどうかを判断する(ステップS114)。
BB遊技の終了条件が成立していない場合には(ステップS114:NO)、今回のゲームで使用した所定のワークエリアをクリアし、再びステップS101から処理を開始する。BB遊技の終了条件が成立した場合には(ステップS114:YES)、BB遊技中に使用した所定のワークエリアをクリアし、BB遊技終了に必要な処理を行う(ステップS115)。そして、通常遊技状態に移行して再びステップS101から処理を開始する。
<演出制御部側処理:図15>
次に、本実施形態の回胴式遊技機において演出制御部が行う処理手順について説明する。以下では、演出制御基板420が行う処理手順が中心となるが、ここでは演出制御基板420の機能と液晶制御基板460の機能を、特に必要がない限り区別することなく、両機能を有した「演出制御部」として説明する。
図17は、本実施形態に係る回胴式遊技機の演出制御部側が行う処理手順を示すフローチャートである。
まず、演出制御部は、主制御基板400から送られてくる演出制御コマンドを受けると(ステップS801)、そのコマンドの内容を解析する(ステップS802)。主制御基板400から送られてくる演出制御コマンドの種別には、既に説明したように、主として「メダル投入コマンド」、「回転開始コマンド」、「回転起動コマンド」、「停止ボタン左」、「停止ボタン中」、「停止ボタン右」の各停止ボタンコマンド)、「左回胴停止」、「中回胴停止」、「右回胴停止」の各回胴停止コマンド、「全回胴停止コマンド」がある。演出制御部は、これらコマンドの種別に応じ、回転開始コマンド演出処理(ステップS807)、停止コマンド演出処理(ステップS808)、全回胴停止コマンド演出処理(ステップS809)、その他の演出処理(ステップS806)を行う(ステップS801〜S809)。ここでは、本発明に関連する「回転開始コマンド」を受けた際に実行される演出処理について説明し、他の演出処理についての説明は省略する。
(回転開始コマンド演出処理:図16)
図18は、ステップS807の回転開始コマンド演出処理を示すフローチャートである。
演出制御部は、「回転開始コマンド」を受けると、ステップS807の回転開始コマンド演出処理を行う。まず、演出制御部は、回転開始コマンドに含まれる役当選情報に基づいて、全チェリー対応役、赤チェリー役、緑チェリー役、青チェリー役、(赤+緑)チェリー役、(赤+青)チェリー役、または(緑+青)チェリー役のうちいずれの役に当選したか否かを判断する(ステップS871)。
上記のいずれの役にも当選していない場合(ステップS871:NO)、通常演出処理を行う(ステップS873)。この通常演出処理では、回転開始コマンドに含まれる役当選情報や遊技状態(通常遊技中、BB遊技中等)に関する情報に基づいて、演出パターンの決定が行われ、その演出パターンを実行指示する制御信号を音響発生装置および光表示装置に送信すると共に、液晶表示装置6に表示する画像の再生が必要なタイミングで液晶制御コマンドを液晶制御基板460に送信する。これにより、演出パターンに対応する効果音の再生、装飾ランプ13やLED等の点灯点滅駆動、液晶表示装置6(液晶画面6a)による画像表示が行われる。
一方、全チェリー対応役、赤チェリー役、緑チェリー役、青チェリー役、(赤+緑)チェリー役、(赤+青)チェリー役、または(緑+青)チェリー役のいずれかの役に当選している場合(ステップS871:YES)、いずれの役に当選したかを示唆する役報知演出処理を行う(ステップS872)。この役報知演出処理では、チェリー役種のうち、どの役に当選したかを暗示する(役の当選可能性がある旨を報知する)演出(以下、「アシスト報知演出」と称する)パターンが決定され、ステップS873の通常演出処理と同様に、その演出パターンを実行指示する制御信号を音響発生装置および光表示装置に送信すると共に、液晶表示装置6に表示する画像の再生が必要なタイミングで液晶制御コマンドを液晶制御基板460に送信する。上記アシスト報知演出がなされれば、遊技者は、チェリー役種のうちどの役に当選したのか、という情報を把握することができるので、目押し操作を慎重に行い、当選役を取りこぼす停止操作位置範囲を外すように狙い打つことができる。したがって、アシスト報知演出により当選役への入賞が容易になり、遊技者は有利な状況下で遊技を進行させることができる。
なお、上記アシスト報知演出を行うか否かの決定は、抽選により決定しても良いし、抽選によらず決定(当選すればその役を確定的に報知)しても良い。また、特定の遊技状態中(たとえば、BB遊技中)において上記アシスト報知演出を行うように構成しても良い。また、上記のアシスト報知演出では、役の当選可能性がある旨を報知すると説明したが、これに限らず、役の当選可能性がある旨については特に報知せず、取りこぼしが発生しない停止操作位置範囲か、または取りこぼしが発生する停止操作位置範囲をアシストする演出を行っても良い。
また、本実施形態では、回胴駆動モータ211a、211b、211cのような電気的駆動源を用いて回転または停止が行われる機械式の回胴の停止制御について説明した。しかしこのような構成に限らず、液晶表示装置6のような画像表示装置に表示され、画像上で回転または停止が行われる演出的な回胴を備えた遊技機において、本発明の回胴の停止制御形態を適用しても良い。
また、本実施形態では、遊技媒体に遊技メダルを利用する回胴式遊技機を例として説明したがこれに限らず、遊技媒体にパチンコ玉を利用する遊技機(たとえば、弾球遊技機)を含め、回胴を備え、停止制御テーブル(停止データ)に基づいて回胴を停止制御する遊技機であれば、本発明を適用することができる。