JP4975431B2 - 硫化アルミニウムの電解方法 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、Alが中に溶解している溶融塩の浴、好ましくは溶融塩化物塩の浴を使用する、Alの電解方法に関する。
アルミニウム鉱石からアルミニウムを製造するのに、最も一般的に使用されている方法は、Hall-Heroult製法である。
Hall-Heroult製法で電解による第一アルミニウム製造は、アルミニウム1トンあたり約13〜15MWhの電気エネルギーを消費する。アノードは、製造中に消費されるので、定期的に交換しなければならない。さらに、Hall-Heroult製法は、CFおよびCのような温室効果放出物を発生するので、環境規制に従って、これらの物質を排出ガスから除去すべきである。
別の方法では、酸化アルミニウムを、硫化物化工程で、硫化炭素CSとの反応により硫化アルミニウムAlに転化する。この、圧縮アルミニウム製法(Compact Aluminium Production Process)あるいはCAPP、またはより一般的に硫化物製法、とも呼ばれる別の方法は、ここにその内容を参考として含める特許出願第WO/00/37691号に、より詳細に説明されている。アルミニウム金属は、Alから電解により抽出することができ、アノード、好ましくはグラファイトアノード、で硫黄ガスが形成される。硫黄ガスは、集められ、硫化物化工程で使用されるCSの製造に循環使用されるが、これはCAPP製法との組合せで特に有利である。この電解製法の簡素化された反応(錯体形成が全く無い)は、
カソード Al3++3e→Al (1)
アノード 2S2−→S(g)+4e (2)
全体的 Al→2Al+1.5S(g) (3)
電解質が基本的に塩化物から構成されているので、Hall-Heroult製法の副生成物、例えばフッ化物排ガス、ならびに使用済みポットライニングは形成されない。
図1は、電解によりアルミニウムを製造するための各種アルミニウム化合物の分解電位を示しており、Alの電解が、エネルギー消費に関して非常に有利である、すなわちAlが最も低い分解電位を有することがすぐ分かる。最初の棒は比較用の理論値である。第二の棒は、AlがAlに転化され、これが分解される過程を表している。第四の棒は別の硫化物製法を表し、第三の棒は実際のHall-Heroult製法を表す。分解電位の理論値は、
Figure 0004975431
により決定され、式中、
=分解電位
ΔG=Gibbsの自由エネルギー
n=イオンの原子価(アルミニウムに関しては3)
F=Faraday定数
である。
硫化物製法の問題は、低い電流密度であり、これは公知の溶融塩化物浴中で達成できる。
MgCl−NaCl−KCl混合物(50−30−20モル%)の共融組成物が、Alの電解に好適な電解質として以前に提案されている(N.Q.Minh、R.O. Loutfy、N.P.Yao、「The Electroysis of AlS in AlCl-MgCl-NaCl-KCl Melts」、J.Appl. Electrochem, Vol. 12, 1982, 652-658、R.O. Loutfy、N.Q.Ming、C. Hsu、N.P.Yao、「Potential Energy Savings in the Production of Aluminium: Aluminium Sulfide Route」、Chemical Metallurgy-A Tribute To Carl Wagner, Proc. Of Symp. on Metallurgical Thermodynamics and Electrochemistry at the 110th AIME annual meeting, N.A. Gokeen, Ed. Chicago, Febr. 1981, The Metallurgical Society of AIME, New York, 1981、N.Q. Ming、R.O. Loutfy、N.P.Yao、「Electrochemical Behaviour of AlS in Molten MgCl-NaCl-KCl Eutectic」、J. Electroanal. Chem. Vol. 131, 198, 229-242参照)。
溶融塩化物塩の浴中で達成し得る電流密度における制限ファクターは、Alの溶解度であると考えられていた。この溶解度は、MgClを使用することにより高められたが、これは、反応により溶解度が増加すると考えられた。
MgCl+Al→2AlSCl+MgS(s) (5)
Alの飽和溶解度(約3重量%)における制限電流密度0.3A/cmおよびAl約2重量%を含むMgCl−NaCl−KCl共融組成物における制限電流密度0.2A/cmが測定されている。
電流効率、すなわち電流の、電解質に実際に使用される百分率、は、電流密度0.2A/cm、セル電位約1.5Vおよびアノードとカソードとの間の電極間隙間3cmで、約80%であることが確認されている。
文献では、溶融塩化物中におけるAl電解の電気化学的研究により、グラファイト電極におけるAlイオンの還元は、拡散により制御される過程であり、可逆的な3電子電荷移動により進行することが示されると報告されている。塩化物電解質中でのSイオンの酸化は、下記の2段階の機構により進行する可逆的な拡散により制御される過程であろう。
2−→S+2e(電気化学的2電子プロセス) (6)
S+S→S(硫黄原子のSへの二量体化) (7)
Hall-Heroult製法が行われる通常の電流密度は、約0.8A/cmである。共融MgCl−NaCl−KCl浴中でのAlの電解質で達成できる電流密度は、約0.3A/cmである。つまり、セル面積は、硫化物製法を適用する場合、Hall-Heroult製法に必要とされるより約3倍大きくすべきである。このために、硫化物製法は、Hall-Heroult製法には欠点があるにも関わらず、魅力的な代替製法になっていない。
見出された制限電流密度は、0.8A/cmを使用するHall-Heroult製法と競合するには低過ぎるので、Alの溶解度を増加し、溶融物中のAlおよびSの両方の活性を高めるために、融剤を溶融物に加えることが考えられた。
溶融塩浴の酸性度の増加は、Alの溶解度に有益な効果を有することが知られている。AlClを加えることは、溶融物の酸性を高くし、溶解度に好ましい筈である。しかし、AlClの蒸気圧が高い(沸点447℃)ので、揮発のために溶融塩溶融物への添加が制限される。Al5〜10重量%を加えると、下記の反応により、AlClの溶解度は最大5〜7重量%まで増加する。
AlCl+Al→3AlSCl
AlClを加えることにより、2A/cmまでの電流密度が可能になるが、AlClの使用は、実用的な代替案ではない。MgCl−NaCl−KCl混合物の共融温度は比較的低いが、AlClの蒸気圧が高いので、大量のAlClが揮発する。
以前の文献では、AlClを使用して電解質採取プロセスを強化している。AlClは、溶融物から容易に揮発し、下流の硫黄から分離し、電解質採取プロセスに循環使用する必要があるので、実用的ではないとして放棄された。
発明の具体的説明
本発明の目的は、高電流密度、好ましくはHall-Heroult製法で達成される電流密度に匹敵するか、またはそれよりも高い電流密度を可能にする、Alの電解方法を提供することである。
本発明の別の目的は、AlClを使用せずに、高い電流密度を可能にする、Alの電解方法を提供することである。
本発明の別の目的は、事実上すべての硫黄を循環使用し、Alから新しいAlを形成することができる、Alの電解方法を提供することである。
これらの、および他の目的は、Alが溶解している溶融塩の浴、好ましくは溶融塩化物塩の浴を使用するAlの電解方法であって、浴中の電流密度を増加することができるように、浴の電導度を改良する手段を採ることを特徴とする方法により達成される。
先行技術で示唆されていることと異なり、本発明者らは、適切な組成を有する溶融塩浴中のAlの溶解度は、達成可能な電流密度における制限ファクターではないことを見出した。電解セルのセル電位は、熱力学的、速度論的(活性化電位および物質移動制限)およびオーム的貢献から成り立っている。本発明者らは、異なった手法を採り、電流密度とセル電位との間にほぼ直線的な関係を見出したが、これは、少なくとも溶解したAlの最小濃度より上では、電解プロセスは、拡散により制御されず、オーム的限界を有することを示唆している。従って、本発明者らにより観察されたように、Alの溶解度が増加しても、セル性能は大きく強化されない。セル電位と電流密度との間の関係はほとんど直線的である、つまり、この関係はオーム的関係により決定される。従って、浴の電導度を改良することにより、許容電流密度を増加することができる。
好ましくは、電導度は、本発明の該手段が、浴に添加剤を加えることを含んでなる一実施態様により改良される。
添加剤は、溶融塩浴中の全体的な電導度を増加するように選択する。追加的な効果として、添加剤は、アルミニウムと硫黄の両方の活性、およびAlの溶解度も増加することができる。上記のように、AlClは好ましい添加剤ではない。
本発明の方法の好ましい実施態様は、添加剤が、フッ化物化合物を含んでなる、好ましくは主としてフッ化物化合物からなる。
この実施態様は、フッ化物の量が、AlF m−の活性がAlS化学種よりも高いために、電解プロセスに好ましい効果をもたらすという洞察に基づいている。また、アルミニウムとフッ素の錯体形成は、アルミニウムと硫黄の錯体形成よりも優先するので、フッ化物を加えた時、硫黄イオンの濃度はより高くなり、アノード反応に好ましい。
本発明の方法の他の好ましい実施態様は、フッ化物化合物が氷晶石であることを特徴とする。
氷晶石を加えることにより、他のフッ化物、例えばNaF(NaFの比電導度ははるかに高いが)、を加えるよりも、電導度が大きく改良されることが分かった。
氷晶石を加えることのもう一つの優位性は、氷晶石が高い融点(1012℃、従って、AlClの沸点よりはるかに高い)を有し、電解セルの通常操作温度における氷晶石の揮発は無視できると考えられることである。
フッ化物の添加は、フッ化物の放出を引き起こすので、好ましくないという論点が有ろう。しかし、必要とされる氷晶石の量は、比較的少なく、操作温度は、従来のHall-Heroult製法における約950℃と比較して、約700℃に過ぎない。従って、フッ化物の蒸気圧は非常に低い。硫黄はアノードで反応するので、アノード効果は回避することができる。非消耗性アノードを使用できるので、電解採取を閉鎖系で行うことができ、排ガス捕獲を改善することができる。
本発明の方法の別の実施態様は、氷晶石の濃度が5〜30重量%、好ましくは7〜15重量%、より好ましくは約10重量%であることを特徴とする。試験により、比較的低い氷晶石濃度で、所望の電導度増加を達成するのに十分であり、最適濃度は約10重量%であることが分かった。
溶融塩浴を含む電解セル中の電流密度とセル電位の関係から、および氷晶石とNaF添加の効果から、フッ化物含有添加剤の添加の有益な効果は、溶融物の比電導度増加のみではないと結論付けられた。
本発明の方法は、本手段が、アノードを覆う気泡の量および/または大きさを下げることにより、浴中に伸びるアノードの有効面積を高めることを含んでなることを特徴とする実施態様によっても改良されることが結論付けられた。
フッ化物含有融剤を添加することの有益な効果は、溶融物の比電導度を増加することだけではない、という結論を正当化する下記の観察が得られている。
・電流密度対セル電位の関係の勾配は、氷晶石をMgCl−NaCl−KCl共融物に加えることにより、約3倍増加するが、これは、電導度増加から予想されるよりもはるかに大きい。
・NaFの比電導度ははるかに高いにも関わらず、氷晶石10重量%を加えることにより、NaFの添加より、見掛け電導度が大きく改良される。
・電解質中の、最適なフッ化物の量、またはフッ化物とアルミニウムの比があるようである。
提案される説明は、オーム低下の大部分は、溶融塩自体の浴に関連するのではなく、アノードにおける気泡による、というものであるが、これは、気泡は、電導度が事実上ゼロであり、有効アノード表面を還元するためである。文献では、セル電位に対する主な貢献は、アノード反応のためであることが示されている。塩化物溶融物中における塩素発生に関して、見掛けの電導度は、気泡のために、電解質の比電導度の約40%に過ぎないことが以前に確認されている。塩素気泡は、成長し、アノードに密着する傾向があり、過電圧は、アノードにおける表面層のオーム電位低下として解釈されよう。同じ理由付けを、塩化物溶融物中の硫黄ガス発生に関して当てはめることができる。
アノードで形成される硫黄ガスの量は、氷晶石の添加により変化しないが、気泡の密着は弱くなるか、またはアノードから容易に除去されるので、気泡の層は希薄になる。
従って、フッ化物の添加により、錯体イオンが形成され、アノードにおける界面張力が変化し、アノード表面区域における硫酸気泡層の特性が変化し、オーム低下ならびにエネルギー消費を大幅に低減させる、という仮説をたてることができる。
本発明の方法の好ましい実施態様は、溶融塩の浴が主としてアルカリ金属塩化物、好ましくはKClおよびNaCl、を含んでなることを特徴とする。
先行技術から、NaCl、KClおよびMgClを含んでなる溶融塩化物塩の浴を使用することは公知である。特に、最後の化合物は、Alの溶解度を増加するために添加するが、これは、溶融したNaClおよびKClの浴にほとんど溶解しないためである。しかし、本発明者らは、好適な添加剤、例えば氷晶石、を添加することにより、溶融アルカリ金属塩化物の浴におけるAlの溶解度が、電導度を除いて、その溶解度が電解質プロセスにおける制限ファクターには、最早ならないレベルにまで増加することを見出した。
本発明の方法の特に有利な実施態様は、溶融金属の浴が、アルカリ土類塩化物を実質的に含まないことを特徴とする。
十分な溶解度と高電導度の組合せは、特に上記のフッ化物を添加する場合、アルカリ土類塩化物を実質的に含まない、特にMgClを含まない、溶融塩の浴でも得られることが分かった。これは、Mgのようなアルカリ土類金属は浴中の硫黄と反応し、固体のMgSを形成し、それによって硫黄を消費するので、特に重要である。基本的に、CAPP製法の形態にある硫化物製法は、すべての硫黄を循環使用できるので、硫黄を消費しない。
MgSの形成により、大量の硫黄が硫黄循環使用回路から除去され、特別なコストで硫黄を供給しなければならない。その上、MgSの形成は、循環使用する必要がある、環境的に好ましくない物質の大量の廃棄物流につながる。最後に、MgSの形成は、セル操作を妨害し、セルを定期的に清掃することが必要になるが、これは閉鎖セル概念と矛盾し、作業条件を悪くする。他のアルカリ土類塩化物、例えばCaCl、を使用する場合にも、同様の問題が予想される。従って、溶融塩の浴は、アルカリ土類塩化物を実質的に含まないのが好ましい。
本発明の方法の別の好ましい実施態様では、電解を浴温度600℃〜850℃、好ましくは700℃〜800℃で行う。
公知の製法では、AlClを加えて溶解度を増加できるように、MgClを溶融塩の浴に加え、Alの溶解度を増加し、浴の融解温度を下げる。
MgClを除外し、氷晶石を加えることにより、浴の融解温度は増加するが、氷晶石の融点は提案される浴温度よりもはるかに高いので、これは許容できる。さらに、NaCl−KCl共融物の融解温度は、提案される浴温度よりもかなり低いことを理解しなければならない。
本発明の方法のさらに好ましい実施態様は、電解が多極電解セルで行われることを特徴とする。
非消耗性アノードで操作するために、電極間隙間を小さくし、一定に維持することができ、多極セル操作が可能になり、それによって生産性を高め、エネルギー消費を下げ、資本コストを下げることができる。
ここで、図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
図1は、上に説明してある。
硫化アルミニウムからアルミニウムの電解は、2電極系で行う。実験用セルを図2に図式的に示す。カソードは、溶融したアルミニウムのプール(1)であり、これは、石英管(4)により遮蔽されたステンレス鋼製の棒(3)に接続されたグラファイトブロック(2)により分極されている。アノードは、1cm、高さ5cmのグラファイトブロック(5)から構築され、電解質中に2cm浸漬されており、ステンレス鋼製の棒(7)に接続されている。電極間の隙間は2cmである。アノードは、電解中にセル電位を測定するための基準電極として作用する。電気化学的セルは、焼結させたAl(Alsint)壁(10)から構築されている。溶融物は、不活性Ar雰囲気により保護されている。セルは、加熱素子を備えた2100Wの円筒形炉(図には示していない)により外部から加熱されている。最高作動温度は1400℃である。温度は、タイプS熱電対および制御装置(図には示していない)により測定され、制御される。
電位は、電流ブースタと併用する電位可変器/電流可変器で測定し、高電流処理能力(20A領域)を可能にする。電気化学的測定装置は、完全コンピュータ制御される。
下記の試験は、MgCl−NaCl−KCl混合物で行ったが、それらの結果はNaCl−KCl混合物にも当てはまる。
薬品はすべて、アルゴン雰囲気(<1ppmHO、O)を有するグローブボックス中に保存し、取り扱った。KCl、NaClおよびNaFは分析用品質を有していた。無水MgCl(98%)、Al(98%)およびNaAlF(98%)を供給者から購入した。塩化物電解質混合物を構成し、グローブボックス中の容器に入れた。次いで、この容器をグローブボックスから取り出し、450℃に加熱しながら、固体を通し、続いて溶融物を通してHClガスで掃気し、すべての水および酸化物を除去した。冷却後、容器をグローブボックス中に戻した。Alおよび添加剤は、室温で、グローブボックス中で加えた。電解セルをグローブボックス中に組み立て、閉鎖し、次いで炉に移し、そこでAr流により空気との接触を阻止した。本明細書で考察する実験プログラムに使用した塩混合物の概観を下記の表に示す。
MgCl−NaCl−KCl50−30−20モル%の電解質中、725℃で、AlからAlを電解する実験プログラムの概観

実験 Al 融剤 融剤の量
(重量%)
A 4 − −
B 4 − −
C 4 NaAlF 10
D 10 NaAlF 10
E 4 NaAlF
F 4 NaAlF 15
G 4 NaAlF 20
H 4 NaAlF 30
K 4 NaF 10
L 4 NaF 30
図3は、NaAlF添加による電解質性能の大きな改良を示す。10重量%のNaAlFを加えた時、電解質組成は、MgCl−NaCl−KCl−NaAlF48−29−19−4モル%の四元混合物に変化する。電流密度は、特定セル電位で3倍強高くなる。直線外挿により、E=0.98Vとなり、これは理論的分解電位に等しい。これは、拡散制御されているのではなく、オーム制限されていることの、もう一つの示唆である。Nernst等式は、氷晶石を加えた溶融物中でのAlの活性が1に近づくことを示唆している。溶融物中でAl濃度をさらに増加しても、大きな効果は得られない(実験CおよびDを比較)。
図4は、溶融物に加える氷晶石量の影響を示すグラフである。約10重量%氷晶石添加が最適であると思われる。
電解採取の性能に対する氷晶石の好ましい影響が、添加されたフッ化物量により引き起こされるのか、または電解質中のAlイオン量の増加によるのかを調べるために、実験を行った。そこで、NaFを融剤として使用した。NaF10重量%を添加することにより、溶融物組成は、MgCl−NaCl−KCl−NaF42−25−17−16モル%組成になる。元素ベースで、電解質中のF量は、氷晶石溶融物と同等である、すなわちそれぞれ6.4および7.6モル%Fである。図5は、これらの実験の結果を示す。NaFの量を30重量%に増加すると、セル性能の低下を示し、これは氷晶石添加の結果とやはり一致している。
図3〜図5から観察される直線的な電流密度−セル電位の関係は、高濃度の溶解したAlによる電解質プロセスが、最早拡散制御されているのではなく、オーム的制限であることを示している。その場合、Alの溶解度増加により、セル性能は大きく向上しないであろう。これは実験結果により支持されている。溶融物にNaAlFを添加することは、Alの溶解度に好ましい影響を及ぼすと考えられる。その結果、四元混合物に加えるAlの量は、4%から10%に増加した(図3に示す実験CおよびD)。しかし、これはセル性能を大きく改良せず、使用したAlのこれらの比較的高い濃度では、拡散は速度制限段階ではないことを示している。
一見して、プロセスのオーム的制御のため、溶融物の電導度が増加すると、電流密度が増加する筈であることが論じられよう。氷晶石は塩化物共融物よりも電導度が高いので、優れた性能は、少なくともある程度、電導度増加の結果である。10重量%のNaAlFを加えると、電解質組成は、MgCl−NaCl−KCl−NaAlF48−29−19−4モル%の四元混合物に変化し、これは、著しく異なった特性を有することができる。しかし、氷晶石を添加した時、直線的関係の勾配は約3倍増加したが、これは溶融物の電導度増加だけに帰すことはできない。さらに、NaFの比電導度は、全成分の中で最高である、すなわち725℃で4.2Ω−1cm−1であるが、NaF添加の影響は、それ程顕著ではない。
氷晶石およびNaFの添加は類似の影響をもたらすので、AlS化学種よりもAlF m−の活性が高いために、フッ化物の量が電解質プロセスに対する好ましい影響に貢献すると論じられる。また、AlとFの錯体形成がSとの錯体形成よりも優先する場合、フッ化物を添加した時、Sイオンの濃度は高くなり、アノード反応を強化する。
前に記載したように、フッ化物添加の大きな利点は、溶融物の溶解度増加であり、これは、硫黄の気泡層によるアノードの被覆が減少することで最も良く説明できる。
電解によりアルミニウムを製造するためのアルミニウム化合物の分解電位を示す。 実験用電解セルを図式的に示す図である。 氷晶石を添加剤(融剤)として使用し、725℃で、MgCl−NaCl−KCl電解質50−30−20モル%中でAlからアルミニウムを電解する際の、カソード電流密度に対するセル電位のプロットを示す。 氷晶石を添加剤(融剤)として使用し、725℃で、MgCl−NaCl−KCl電解質50−30−20モル%中でAl4重量%からアルミニウムを電解する際の、カソード電流密度に対するセル電位のプロットを示す。 NaFを添加剤(融剤)として使用し、725℃で、MgCl−NaCl−KCl電解質50−30−20モル%中でAl4重量%からアルミニウムを電解する際の、カソード電流密度に対するセル電位のプロットを示す。

Claims (13)

  1. Alが溶解している溶融塩化物塩の浴を使用する、Alの電解による第一アルミニウムの製造方法であって、前記溶融塩化物塩がMgCl −NaCl−KCl混合物であり、前記浴中の電流密度を増加することができるように、フッ化物化合物を含んでなる添加剤を前記浴に加える、方法。
  2. 前記添加剤が、主としてフッ化物化合物からなる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記フッ化物化合物が、氷晶石である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記氷晶石の濃度が5〜30重量%である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記氷晶石の濃度が7〜15重量%である、請求項3に記載の方法。
  6. 前記氷晶石の濃度が約10重量%である、請求項3に記載の方法。
  7. 前記浴中に伸びるアノードの有効面積が、前記アノードを覆う気泡の量および/または大きさを下げることにより、高められる、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記溶融塩化物塩の浴が、主としてアルカリ金属塩化物を含んでなる、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記溶融塩化物塩の浴が、主としてKClおよびNaClを含んでなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記溶融金属の浴が、アルカリ土類塩化物を実質的に含まない、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記電解が、600℃〜850℃の浴温度で行われる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記電解が、700℃〜800℃の浴温度で行われる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記電解が、多極電解セル中で行われる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
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