以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
本発明の無線チップの一実施の形態を図1に示す。図1(A)及び図1(B)は無線チップの断面図である。
本実施の形態の無線チップは、絶縁性基板101上に形成された薄膜トランジスタを有する層102と、アンテナ103とが異方性導電接着材104によって固着される。また、薄膜トランジスタを有する層102の接続端子107とアンテナの給電体層113とが異方性導電接着材104に分散される導電性粒子109で電気的に接続される。又、図示しないが、薄膜トランジスタを有する層のグラウンド配線と、アンテナの接地体として機能する導電層とが電気的に接続される。
絶縁性基板101としては、非可撓性の絶縁性基板であることが好ましく、石英基板、無アルカリガラス基板等のガラス基板を用いる。
薄膜トランジスタを有する層102は、絶縁性基板101表面に形成される絶縁層105と、絶縁層105上に形成される薄膜トランジスタ106、薄膜トランジスタ106上に形成される層間絶縁層108、層間絶縁層108の表面に露出し、且つ薄膜トランジスタ106と接続する接続端子107で形成される。なお、薄膜トランジスタを有する層102は、薄膜トランジスタのほかに抵抗素子、コンデンサ等を有してもよい。
絶縁性基板101及びその上に形成される薄膜トランジスタを有する層102は、アンテナ103と同様の面積を有することが好ましく、数mm×数mm〜数十mm×数十mmであることが好ましい。また、薄膜トランジスタを有する層の厚さは、数μm〜数十μm、代表的には1μm以上10μm以下、好ましくは2μm以上5μm以下である。
絶縁性基板101表面に形成される絶縁層105は、絶縁性基板101が無アルカリガラス基板の場合に形成する。絶縁層105により、無アルカリガラス基板中の可動イオンの移動をブロックすることが可能である。絶縁層105は、スパッタリング法やプラズマCVD法等の公知の手段により、酸化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素、窒化珪素等で形成される。
薄膜トランジスタ106の一態様について、図18を参照して説明する。図18(A)はトップゲート型の薄膜トランジスタを適用する一例を示している。絶縁性基板101上に絶縁層105が形成され、その上に薄膜トランジスタ106が設けられている。薄膜トランジスタ106は、絶縁層105の上に半導体層1302、半導体層1302の上にゲート絶縁層として機能することができる絶縁層1303が設けられている。絶縁層1303の上には、半導体層1302に対応してゲート電極1304が形成され、その上層に保護層として機能する絶縁層1305、絶縁層1305の上に層間絶縁層として機能する絶縁層1306が設けられている。さらに絶縁層1306の上層には、保護層として機能する絶縁層を形成しても良い。
半導体層1302は、結晶構造を有する半導体で形成される層であり、非単結晶半導体若しくは単結晶半導体を用いることができる。特に、非晶質若しくは微結晶質の半導体を、レーザ光の照射により結晶化させた結晶性半導体、加熱処理により結晶化させた結晶性半導体、加熱処理とレーザ光の照射を組み合わせて結晶化させた結晶性半導体を適用することが好ましい。加熱処理においては、シリコン半導体の結晶化を助長する作用のあるニッケルなどの金属元素を用いた結晶化法を適用することができる。
レーザ光を照射して結晶化する場合には、連続発振レーザ光の照射若しくは繰り返し周波数が10MHz以上であって、パルス幅が1ナノ秒以下、好ましくは1乃至100ピコ秒である高繰返周波数超短パルス光を照射することによって、結晶性半導体が溶融した溶融帯を、当該レーザ光の照射方向に連続的に移動させながら結晶化を行うことができる。このような結晶化法により、大粒径であって、結晶粒界が一方向に延びる結晶性半導体を得ることができる。キャリアのドリフト方向を、この結晶粒界が延びる方向に合わせることで、トランジスタにおける電界効果移動度を高めることができる。例えば、400cm2/V・sec以上を実現することができる。
上記結晶化工程を、ガラス基板の耐熱温度(約600℃)以下の結晶化プロセスを用いる場合、大面積ガラス基板を用いることが可能である。このため、基板あたり大量の無線チップを作製することが可能であり、低コスト化が可能である。
また、ガラス基板の耐熱温度以上の加熱により、結晶化工程を行い、半導体層1302を形成してもよい。代表的には、絶縁性基板101に石英基板を用い、非晶質若しくは微結晶質の半導体を700度以上で加熱して半導体層1302を形成する。この結果、結晶性の高い半導体を形成することが可能である。このため、応答速度や移動度などの特性が良好で、高速な動作が可能な薄膜トランジスタを提供することができる。
さらには、半導体層1302として、単結晶半導体を用いて形成してもよい。このような 半導体層は、第1の単結晶半導体層と、絶縁層と、第2の単結晶半導体層が順に積層された基板(SIMOX(Separation by Implanted Oxygen)基板)を用い、第1の単結晶半導体層をチャネル部としたトランジスタを作製した後、第2の単結晶半導体層をエッチングして除去したのち、絶縁層を絶縁性基板101上に貼り合わせればよい。第2の単結晶半導体層のエッチング方法としては、砥石等の研削研磨装置を用いた研磨、エッチング剤を用いたドライエッチング又はウエットエッチング、さらには研削研磨装置とエッチング剤を併用して行ってもよい。エッチング剤は、ウエットエッチングであれば、フッ酸を水やフッ化アンモニウムで希釈した混液、フッ酸と硝酸の混液、フッ酸と硝酸と酢酸の混液、過酸化水素と硫酸の混液、過酸化水素とアンモニア水との混液、過酸化水素と塩酸の混液等を用いる。また、ドライエッチングであれば、フッ素等のハロゲン系の原子や分子を含む気体、又は酸素を含む気体を用いる。好ましくは、フッ化ハロゲン又はハロゲン化合物を含む気体又は液体を使用する。例えば、フッ化ハロゲンを含む気体として三フッ化塩素(ClF3)を用いるとよい。
このような単結晶半導体で半導体層が形成されるトランジスタは、応答速度や移動度などの特性が良好なために、高速な動作が可能なトランジスタを提供することができる。また、トランジスタは、その特性のバラツキが少ないために、高い信頼性を実現した無線チップを提供することができる。
ゲート電極1304は金属又は一導電型の不純物を添加した多結晶半導体で形成することができる。金属を用いる場合は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)などを用いることができる。また、上記した金属を窒化させた金属窒化物を用いることができる。或いは、当該金属窒化物からなる第1層と当該金属から成る第2層とを積層させた構造としても良い。積層構造とする場合には、第1層の端部が第2層の端部より外側に突き出した形状としても良い。このとき第1層を金属窒化物とすることで、バリアメタルとすることができる。すなわち、第2層の金属が、絶縁層1303やその下層の半導体層1302に拡散することを防ぐことができる。
ゲート電極1304の側面には、サイドウォール(側壁スペーサ)1308が形成される。サイドウォールは、基板上にCVD法により酸化珪素で形成される絶縁層を形成し、該絶縁層をRIE(Reactive ion etching:反応性イオンエッチング)法により異方性エッチングすることで形成できる。
半導体層1302、絶縁層1303、ゲート電極1304などを組み合わせて構成されるトランジスタは、シングルドレイン構造、LDD(低濃度ドレイン)構造、ゲートオーバーラップドレイン構造など各種構造を適用することができる。ここでは、サイドウォールが重畳する半導体層において、低濃度不純物領域1310が形成されるLDD構造の薄膜トランジスタを示す。また、シングルゲート構造、等価的には同電位のゲート電圧が印加されるトランジスタが直列に接続された形となるマルチゲート構造、半導体層を上下にゲート電極で挟むデュアルゲート構造を適用することができる。
絶縁層1306は、酸化シリコン及び酸化窒化シリコンなどの無機絶縁材料、又はアクリル樹脂及びポリイミド樹脂などの有機絶縁材料で形成する。スピン塗布やロールコーターなど塗布法を用いて絶縁層を形成する場合には、有機溶媒中に溶かされた絶縁膜材料を塗布した後、熱処理により酸化シリコンで絶縁層を形成することもできる。例えば、シロキサン結合を含む材料からなる膜を塗布法により形成しておいて、200乃至400度での熱処理により酸化シリコンで絶縁層を形成することができる。絶縁層1306を、塗布法で形成される絶縁層やリフローにより平坦化した絶縁層を用いることで、その層上に形成する配線の断線を防止することができる。また、多層配線を形成する際にも有効に利用することができる。
絶縁層1306の上に形成される配線1307は、ゲート電極1304と同じ層で形成される配線と交差して設けることが可能であり、多層配線構造を形成している。絶縁層1306と同様に機能を有する絶縁層を複数積層して、その層上に配線を形成することで多層配線構造を形成することができる。配線1307はチタン(Ti)とアルミニウム(Al)の積層構造、モリブデン(Mo)とアルミニウム(Al)との積層構造など、アルミニウム(Al)のような低抵抗材料と、チタン(Ti)やモリブデン(Mo)などの高融点金属材料を用いたバリアメタルとの組み合わせで形成することが好ましい。
図18(B)は、ボトムゲート型の薄膜トランジスタを適用する一例を示している。絶縁性基板101上に絶縁層105が形成され、その上に薄膜トランジスタ106が設けられている。薄膜トランジスタ106には、ゲート電極1304、ゲート絶縁層として機能する絶縁層1303、半導体層1302、チャネル保護層1309、保護層として機能する絶縁層1305、層間絶縁層として機能する絶縁層1306が設けられている。さらにその上層には、保護層として機能する絶縁層を形成しても良い。配線1307は、絶縁層1305の層上若しくは絶縁層1306の層上に形成することができる。なお、ボトムゲート型の薄膜トランジスタの場合は、絶縁層105が形成されなくともよい。
図1(A)に示す層間絶縁層108は、絶縁層1306と同様の手法により形成される。また、接続端子107は、配線1307と同様の手法により形成される。また、配線の最上表面に、金、銀、銅、パラジウム、又は白金から選ばれた一元素、若しくは複数の元素で形成される層を、印刷法、メッキ法、スパッタリング法等を用いて設けてもよい。
異方性導電接着材104は、導電性粒子109(粒径数nm〜数μm程度)が分散された接着性の有機樹脂であり、有機樹脂としてエポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。また、導電性粒子は、金、銀、銅、パラジウム、又は白金から選ばれた一元素、若しくは複数の元素で形成される。また、これらの元素の多層構造を有する粒子でも良い。更には、樹脂で形成された粒子の表面に、金、銀、銅、パラジウム、又は白金から選ばれた一金属、若しくは複数の金属で形成される薄膜がコーティングされた導電性粒子を用いてもよい。
なお、異方性導電接着材104の代わりに、導電性ぺーストを硬化した導電層を用いてもよい。導電性ペーストを硬化した導電層の代表例としては、スズ(Sn)、銀(Ag)、ビスマス(Bi)、銅(Cu)、インジウム(In)、ニッケル(Ni)、アンチモン(Sb)、亜鉛(Zn)の複数を含む合金があげられる。
アンテナ103は、誘電体層110と、誘電体層110の一表面に形成される第1の導電層111と、誘電体層110を介して第1の導電層111に対向し、且つ誘電体層の他表面に形成される第2の導電層112と、給電体層113とを有する。このような構造を有するアンテナを、以下パッチアンテナと示す。第1の導電層111は、放射電極として機能する。また、第2の導電層112は接地体として機能する。給電体層113は、第1の導電層111と第2の導電層112と接触しないように設けられている。また、給電体層113を介して、アンテナから薄膜トランジスタで構成される回路へ、又は薄膜トランジスタで構成される回路からアンテナへ給電が行われる。
本実施の形態では、接続端子107と給電体層113とが、異方性導電接着材104の導電性粒子109を介して電気的に接続されている。なお、図示しないが薄膜トランジスタで形成される回路の接地電極とアンテナ103の第2の導電層112とが同様に導電性粒子109を介して電気的に接続されている。
ここで、パッチアンテナについて説明する。
パッチアンテナの誘電体層110は、セラミックス、有機樹脂、又はセラミックスと有機樹脂の混合物等で形成することができる。セラミックスの代表例としては、アルミナ、ガラス、フォルステライト等が挙げられる。さらには、複数のセラミックスを混合して用いてもよい。また、高い誘電率を得るためには、誘電体層110を、強誘電体材料で形成することが好ましい。強誘電体材料の代表例としては、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸鉛(PbTiO3)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、ジルコン酸鉛(PbZrO3)、二オブ酸リチウム(LiNbO3)、チタン酸ジルコン鉛(PZT)等が挙げられる。さらには、複数の強誘電体材料を混合して用いてもよい。
また、誘電体層110に用いることが可能な有機樹脂としては、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を適宜用いる。有機樹脂の代表例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ビニルベンジル、ポリフマレート、フッ素樹脂等の樹脂材料を用いることができる。さらには、複数の有機樹脂材料を混合して用いてもよい。
誘電体層110がセラミックスと有機樹脂の混合物で形成される場合、粒子状のセラミックスの粒子を有機樹脂に分散させて形成することが好ましい。このとき、誘電体層110に対して粒子状のセラミックスの含有量は、20%体積%以上60体積%以下が好ましい。また、セラミックスの粒径は1〜50μmが好ましい。
誘電体層110の比誘電率は2.6〜150、好ましくは、2.6〜40であることが望ましい。比誘電率の高い強誘電体材料を用いることで、パッチアンテナの容積を小さくすることが可能である。
パッチアンテナの第1の導電層111、第2の導電層112、給電体層113は、金、銀、銅、パラジウム、白金、アルミニウムから選ばれる金属、該金属を含む合金等を用いることができる。また、パッチアンテナの第1の導電層111、第2の導電層112、給電体層113は、印刷法、メッキ法を用いて形成することができる。また、誘電体層に蒸着法、スパッタリング法等で導電膜を成膜した後、導電膜の一部分をエッチングして各導電層を形成することができる。
パッチアンテナの大きさとしては、12mm×12mm×4mm、7mm×7mm×3mm、7mm×7mm×1.5mmの矩形の平板体が好ましいがこれに限定されるものではない。円形の平板体を用いることも可能である。
本実施の形態のアンテナ103として用いるパッチアンテナについて図7を用いて説明する。
図7(A)は、放射電極として機能する第1の導電層202と、誘電体層201と、接地体として機能する第2の導電層203と、給電点204とを有するパッチアンテナである。放射電極として機能する第1の導電層202が円形であり、且つ点対称となる2つの領域において、縮退分離素子205がある場合、パッチアンテナは円偏波のアンテナとなる。また、第1の導電層202が円形の場合、パッチアンテナは直偏波のアンテナとなる。
図7(B)は、放射電極として機能する第1の導電層212と、誘電体層211と、接地体として機能する第2の導電層213と、給電点214とを有するパッチアンテナである。放射電極として機能する第1の導電層212が矩形であり、且つ点対称となる2つの角部において、縮退分離素子215がある場合、パッチアンテナは円偏波のアンテナとなる。また、第1の導電層212が矩形の場合、パッチアンテナは直偏波のアンテナとなる。
図7(C)は、放射電極として機能する第1の導電層222と、誘電体層221と、接地体として機能する第2の導電層223と、給電体層224とを有するパッチアンテナである。放射電極として機能する第1の導電層222は、矩形であり、且つ点対称となる2つの角部において、縮退分離素子225がある。放射電極として機能する第1の導電層222は、矩形であり、且つ点対称となる2つの角部において、縮退分離素子225がある場合、円偏波のアンテナとなる。また、第1の導電層222が矩形の場合、パッチアンテナは直偏波のアンテナとなる。放射電極として機能する第1の導電層222と給電体層224とは、ギャップを介して容量的に結合されている。また、給電体層224は誘電体層の側面に形成されているため、表面実装が可能である。
図7(A)〜図7(C)に示すパッチアンテナは、誘電体層201、211、221の一方の面に接地体として機能する第2の導電層203、213、223が設けられているため、第1の導電層202、212、222側に指向性を有する。
図7(D)は、放射電極として機能する第1の導電層242と、誘電体層241と、接地体として機能する第2の導電層243と、給電体層244とを有するパッチアンテナである。また、第1の導電層242において、対角線上に直交スリットが形成されている。すなわち、十字の切欠きが設けられている。このため、誘電体層241が十字に露出している。放射電極として機能する第1の導電層242と給電体層244とは、ギャップを介して容量的に結合されている。このような形状のパッチアンテナの代表例としては、CABPB1240、CABPB0730、CABPB0715(TDK製)が挙げられる。また、給電体層244が誘電体層の側面に形成されているため、表面実装が可能である。このような構造のパッチアンテナは、放射電極の直交スリットにより無指向性であるため、搭載場所や設置角度を選ばなくとも良い。このため、電子機器の設計の自由度を広げることが可能である。
また、図7に示すパッチアンテナ以外にも公知のパッチアンテナを用いることが可能である。
パッチアンテナを用いることで、GPS(Global Positioning System(1.5GHz))、衛星デジタル放送(2.6GHz)等の衛星送受信、無線LAN(Local Area Network)(2.4GHz、5.2GHz)、情報機器間を結ぶ無線通信技術(Bluetooth(商標))(2.4GHz)、UWB(Ultra Wide Band:超広帯域無線)(3〜10GHz)等のPAN(パーソナルエリアネットワーク)の送受信、第3世代のデータ通信、パケット通信等の送受信を行うことができる。
なお、図1(B)に示すように、絶縁性基板上に薄膜トランジスタを有する層が複数積層されていてもよい。具体的には、第1の薄膜トランジスタを有する層121上に、第2の薄膜トランジスタを有する層122が形成される。第2の薄膜トランジスタを有する層122上に第3の薄膜トランジスタを有する層123が形成される。第3の薄膜トランジスタを有する層123において、薄膜トランジスタ上に絶縁層127が形成される。また、絶縁層127の表面に、第1の薄膜トランジスタを有する層乃至第3の薄膜トランジスタを有する層のいずれかの薄膜トランジスタに接続する接続端子126が形成される。
なお、第1の薄膜トランジスタを有する層121において、薄膜トランジスタ上に第1の絶縁層124が形成される。第1の絶縁層124において、第1の薄膜トランジスタを有する層121の薄膜トランジスタと、第2の薄膜トランジスタを有する層122の薄膜トランジスタとが絶縁される。また、第2の薄膜トランジスタを有する層122において、薄膜トランジスタ上に第2の絶縁層125が形成される。第2の絶縁層125において、第2の薄膜トランジスタを有する層122の薄膜トランジスタと、第3の薄膜トランジスタを有する層123の薄膜トランジスタとが絶縁される。また、第3の薄膜トランジスタを有する層123において、薄膜トランジスタ上に第3の絶縁層127が形成される。第3の絶縁層127において、第3の薄膜トランジスタを有する層123の薄膜トランジスタと、接続端子とが絶縁される。
第1の薄膜トランジスタを有する層乃至第3の薄膜トランジスタを有する層のそれぞれを、プロセッサユニット、電源回路、クロック発生回路、データ復調・変調回路、制御回路、インターフェイス回路、記憶回路、検出回部等のいずれかの回路とすることで、小型で多機能を有する無線チップを形成することが可能である。
図1(B)において、第1の薄膜トランジスタを有する層乃至第3の薄膜トランジスタを有する層を用いて、薄膜トランジスタを有する層120と示したが、これに限れられるものではなく、2つの薄膜トランジスタを有する層で構成してもよい。また4つ以上の薄膜トランジスタを有する層で構成してもよい。
ここで、本発明の無線チップの構成について、図9、図10を参照して説明する。図9(A)に示すように、本発明の無線チップ20は、非接触でデータを交信する機能を有し、電源回路11、クロック発生回路12、データ復調・変調回路13、他の回路を制御する制御回路14、インターフェイス回路15、記憶回路16、バス17、アンテナ18を有する。
また、図9(B)に示すように、本発明の無線チップ20は、非接触でデータを交信する機能を有し、電源回路11、クロック発生回路12、データ復調・変調回路13、他の回路を制御する制御回路14、インターフェイス回路15、記憶回路16、バス17、アンテナ18の他、中央処理ユニット21(CPU)を有しても良い。
また、図9(C)に示すように、本発明の無線チップ20は、非接触でデータを交信する機能を有し、電源回路11、クロック発生回路12、データ復調・変調回路13、他の回路を制御する制御回路14、インターフェイス回路15、記憶回路16、バス17、アンテナ18、中央処理ユニット21の他、検出素子31及び検出制御回路32からなる検出部30を有しても良い。
本発明の無線チップは、薄膜トランジスタを有する層により、電源回路11、クロック発生回路12、データ復調・変調回路13、他の回路を制御する制御回路14、インターフェイス回路15、記憶回路16、バス17、アンテナ18、中央処理ユニット21の他、検出素子31、検出制御回路32からなる検出部30等を構成する。
電源回路11は、アンテナ18から入力された交流信号を基に、無線チップ20の内部の各回路に供給する各種電源を生成する回路である。クロック発生回路12は、アンテナ18から入力された交流信号を基に、無線チップ20の内部の各回路に供給する各種クロック信号を生成する回路である。データ復調・変調回路13は、リーダライタ19と交信するデータを復調・変調する機能を有する。制御回路14は、記憶回路16を制御する機能を有する。アンテナ18は、リーダライタ19と電磁波或いは電波の送受信を行う機能を有する。リーダライタ19は、無線チップとの交信、制御及びそのデータに関する処理を制御する。なお、無線チップは上記構成に制約されず、例えば、電源電圧のリミッタ回路や暗号処理専用ハードウエアといった他の要素を追加した構成であってもよい。
記憶回路16は、DRAM、SRAM、FeRAM、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、及び有機メモリから選択される1つ又は複数を有する。
なお、有機メモリとは、一対の電極間に有機化合物を有する層を挟んで設けたものをいう。また、有機メモリとは、一対の電極間に有機化合物と無機化合物との混合層を設けたものをいう。有機化合物の代表例としては、電気的作用や光が照射されることにより、結晶状態、導電性、または形状が変化する物質を用いる。代表的には、光を吸収することによって酸を発生する化合物(光酸発生剤)をドープした共役高分子、正孔輸送性が高い有機化合物、又は電子輸送性が高い有機化合物を用いることができる。
また、一対の電極間に有機化合物と無機化合物との混合層を設ける場合には、正孔輸送性の高い有機化合物と電子を受け取りやすい無機化合物とを混合させることが好ましい。また、電子輸送性の高い有機化合物と電子を与えやすい無機化合物とを混合させることが好ましい。このような構成とすることによって、本来内在的なキャリアをほとんど有さない有機化合物に多くのホールキャリアや電子キャリアが発生し、極めて優れたホール注入性・輸送性や電子注入性・輸送性を示す。
有機メモリは、小型化、薄膜化および大容量化を同時に実現することができるため、記憶回路16を有機メモリで設けることにより、無線チップの小型化、軽量化を達成することができる。
なお、薄膜トランジスタと同時に、マスクROMを形成することができる。マスクROMは複数のトランジスタで形成する。その際、トランジスタの例えばドレイン領域と接続する配線用のコンタクトホールを開口するか開口しないかによってデータを書き込むことが可能であり、例えば開口する場合は1(オン)、開口しない場合は0(オフ)のデータ(情報)を、メモリセルに書き込むことが可能である。
例えば、図1(A)に示す薄膜トランジスタ106上の層間絶縁層108上に形成されるフォトレジストを露光する工程において、ステッパなどの露光装置を用いてレチクル(フォトマスク)を通して露光する工程の前又は後に、上記コンタクトホールが開口される領域上のフォトレジストに電子ビーム又はレーザを照射する。その後、通常どおり現像、エッチング、フォトレジストの剥離を行い、配線を形成する工程をおこなう。こうすることで、レチクル(フォトマスク)を交換せずに、電子ビーム又はレーザの照射領域を選択するのみで、上記コンタクトホールを開口するパターンと開口しないパターンをつくり分けることができる。すなわち、電子ビーム又はレーザの照射領域を選択することで、製造時において、半導体装置毎に異なるデータが書き込まれたマスクROMを作製することが可能となる。
このようなマスクROMを用いて、製造時に半導体装置ごとの固有識別子(UID:Unique Identifier)等を形成することが可能となる。
ここで、中央処理ユニット21の構成について、図10のブロック図を用いて説明する。
まず、信号がバス17に入力されると、解析回路1003(Instruction Decoderともいう)において信号が解読され、信号が制御信号発生回路1004(CPU Timing Controller)に入力される。信号が入力されると、制御信号発生回路1004から、演算回路(以下、ALU1009と示す)、および記憶回路(以下、レジスタ1010と示す)に制御信号が出力される。
なお、制御信号発生回路1004には、ALU1009を制御するALUコントローラ1005(以下、ACONと示す)、レジスタ1010を制御する回路1006(以下、RCONと示す)、タイミングを制御するタイミングコントローラ1007(以下、TCONと示す)、および割り込みを制御する割り込みコントローラ1008(以下、ICONと示す)を含むものとする。
一方、処理信号がバス17に入力されると、ALU1009、およびレジスタ1010に出力される。そして、制御信号発生回路1004から入力された制御信号に基づく処理(例えば、メモリリードサイクル、メモリライトサイクル、あるいはI/Oリードサイクル、I/Oライトサイクル等)がなされる。
なお、レジスタ1010は、汎用レジスタ、スタックポインタ(SP)、プログラムカウンタ(PC)等により構成される。
また、アドレスコントローラー1011は、16ビットのアドレスをバス17へ出力する。
なお、本実施例に示した中央処理ユニットの構成は、本発明の構成を限定するものではなく、上記構成以外の公知の中央処理ユニットの構成を用いることも可能である。
検出部30は、温度、圧力、流量、光、磁気、音波、加速度、湿度、気体成分、液体成分、その他の特性を物理的又は化学的手段により検出することができる。また、検出部30は、物理量または化学量を検出する検出素子31と当該検出素子31で検出された物理量または化学量を電気信号等の適切な信号に変換する検出制御回路32とを有している。検出素子31としては、抵抗素子、容量結合素子、誘導結合素子、光起電力素子、光電変換素子、熱起電力素子、トランジスタ、サーミスタ、ダイオード、ピエゾ素子、静電容量型素子、等で形成することができる。なお、検出部30は複数設けてもよく、この場合、複数の物理量または化学量を同時に検出することが可能である。
また、ここでいう物理量とは、温度、圧力、流量、光、磁気、音波、加速度、湿度等を指し、化学量とは、ガス等の気体成分やイオン等の液体成分等の化学物質等を指す。化学量としては、他にも、血液、汗、尿等に含まれる特定の生体物質(例えば、血液中に含まれる血糖値等)等の有機化合物も含まれる。特に、化学量を検出しようとする場合には、必然的にある特定の物質を選択的に検出することになるため、あらかじめ検出素子31に検出したい物質と選択的に反応する物質を設けておく。例えば、生体物質の検出を行う場合には、検出素子31に検出させたい生体物質と選択的に反応する酵素、抗体分子または微生物細胞等を高分子等に固定化して設けておくことが好ましい。
なお、リーダライタと無線チップとの通信時に、検出部30を用いて温度、圧力、流量、光、磁気、音波、加速度、湿度、気体成分、液体成分、その他の特性を検出することができる。また、無線チップに、フィルム状の二次電池を用いても良い。フィルム状の二次電池の代表例として、電解液が浸透したゲルを有する薄型の二次電池を用いることができる。この場合、リーダライタと通信しないときでも、検出部30を用いて上記特性を検出することができる。
本実施の形態の無線チップは、絶縁性基板上に形成された薄膜トランジスタを有する層とアンテナとをほぼ同様の面積で形成することができる。絶縁性基板が、薄膜トランジスタを有する層の保護部材となると共に、絶縁性基板がアンテナの保護部材となる。このため、無線チップの機械的強度が向上する。
(実施の形態2)
本発明の無線チップの一実施の形態を図2に示す。図2は無線チップの断面図である。本実施の形態では、異方性導電接着材で固着された複数の薄膜トランジスタを有する層と、パッチアンテナとを有する無線チップの構造について説明する。
本実施の形態の無線チップは、実施の形態1と同様に、絶縁性基板101上に第1の薄膜トランジスタを有する層102が形成される。また、第1の薄膜トランジスタを有する層102と、第2の薄膜トランジスタを有する層131とが異方性導電接着材133で固着される。
第1の薄膜トランジスタを有する層102の表面に形成される第1の接続端子と、第2の薄膜トランジスタを有する層の表面に形成される第2の接続端子とは、異方性導電接着材133中に分散される導電性粒子で電気的に接続される。
第2の薄膜トランジスタを有する層131は、基板上に剥離層を設け、剥離層上に第2の薄膜トランジスタを有する層131を形成した後、第2の薄膜トランジスタを有する層131を剥離層から剥離し、第1の薄膜トランジスタを有する層102上に異方性導電接着材133を介を貼り合わせる。なお剥離方法としては、(1)耐熱性の高い基板と第2の薄膜トランジスタを有する層の間に剥離層として金属酸化膜を設け、当該金属酸化膜を結晶化により脆弱化して、当該第2の薄膜トランジスタを有する層を剥離する方法、(2)耐熱性の高い基板と第2の薄膜トランジスタを有する層の間に剥離層として水素を含む非晶質珪素膜を設け、レーザ光の照射またはエッチングにより当該非晶質珪素膜を除去することで、当該第2の薄膜トランジスタを有する層を剥離する方法、(3)第2の薄膜トランジスタを有する層が形成された耐熱性の高い基板(ガラス基板、シリコン基板等)を機械的に削除又は溶液やNF3、BrF3、ClF3等のフッ化ハロゲンガスによるエッチングで除去する方法、(4)耐熱性の高い基板と第2の薄膜トランジスタを有する層の間に金属層及び金属酸化膜を設け、当該金属酸化膜を結晶化により脆弱化し、金属層の一部を溶液やNF3、BrF3、ClF3等のフッ化ハロゲンガスによりエッチングで除去した後、脆弱化された金属酸化膜において物理的に剥離する方法、(5)基板に、耐熱性を有する基板を用い、当該基板と絶縁層との間に剥離層及び金属酸化膜を設け、絶縁層上に第2の薄膜トランジスタを有する層131を形成すると共に金属酸化膜を脆弱化し、第2の薄膜トランジスタを有する層131の絶縁層の一部にレーザ光を照射して、開口部(剥離層の一部を露出する開口部)を形成した後、基体を第2の薄膜トランジスタを有する層131上に貼り付け、脆弱化された金属酸化膜を用いて物理的に基板から第2の薄膜トランジスタを有する層131を剥離する方法等を適宜用いればよい。
第1の薄膜トランジスタを有する層102及び第2の薄膜トランジスタを有する層131と同様に、第2の薄膜トランジスタを有する層131及び第3の薄膜トランジスタを有する層132が、異方性導電接着材134で固着される。
また、第2の薄膜トランジスタを有する層131の表面に形成される第3の接続端子と、第3の薄膜トランジスタを有する層132の表面に形成される第4の接続端子とは、異方性導電接着材134中に分散される導電性粒子で電気的に接続される。
第1の薄膜トランジスタを有する層102乃至第3の薄膜トランジスタを有する層132のそれぞれを、プロセッサユニット、電源回路、クロック発生回路、データ復調・変調回路、制御回路、インターフェイス回路、記憶回路、検出回部等のいずれかの回路とすることで、小型で多機能を有する無線チップを形成することが可能である。
また、アンテナ103と、第3の薄膜トランジスタを有する層132の表面に形成される第5の接続端子とが、異方性導電接着材の導電性粒子を介して電気的に接続されている。なお、図示しないが薄膜トランジスタで形成される回路の接地電極とアンテナの第2の導電層112とが同様に導電性粒子を介して電気的に接続されている。なお、異方性導電接着材135の代わりに、導電性ペーストを硬化した導電層を用いてもよい。
図2において、第1の薄膜トランジスタを有する層乃至第3の薄膜トランジスタを有する層が異方性導電接着材により固着される無線チップを示したが、これに限れられるものではなく、2つの薄膜トランジスタを有する層で構成してもよい。また4つ以上の薄膜トランジスタを有する層で構成してもよい。
また、本実施の形態と実施の形態1を適宜組み合わせることが可能である。
本実施の形態の無線チップは、絶縁性基板上に形成された薄膜トランジスタを有する層とアンテナとをほぼ同様の面積で形成することができる。絶縁性基板が、薄膜トランジスタを有する層の保護部材となると共に、絶縁性基板がアンテナの保護部材となる。このため、無線チップの機械的強度が向上する。
また、本実施の形態の無線チップは、薄膜トランジスタを有する層複数がパッチアンテナと固着されるため、複合化された機能を有する無線チップである。
(実施の形態3)
本発明の無線チップの一実施の形態を図3に示す。図3は無線チップの断面図である。本実施の形態では、薄膜トランジスタを有する層と、パッチアンテナとが、絶縁性基板において異なる領域に設けられた無線チップの構造について説明する。
絶縁性基板101において、第1の領域145に薄膜トランジスタを有する層141が形成される。薄膜トランジスタを有する層141の表面には、接続端子143が形成される。薄膜トランジスタを有する層141は、実施の形態1の薄膜トランジスタを有する層102と同様に形成することが可能である。また、図3に示すように、薄膜トランジスタ及びその上に形成される絶縁層において、第2の領域146に形成されている部分を、除去してもよい。
また、第2の領域146に異方性導電接着材142によりアンテナ103が固着される。薄膜トランジスタを有する層141の接続端子143は、第1の領域145及び第2の領域146に重なるように形成される。アンテナ103の給電体層113と薄膜トランジスタを有する層141の接続端子143とが、異方性導電接着材142中に分散された導電性粒子で電気的に接続される。なお、図示しないが薄膜トランジスタで形成される回路の接地電極とアンテナの第2の導電層112とが同様に導電性粒子を介して電気的に接続されている。なお、異方性導電接着材142の代わりに、導電性ペーストを硬化した導電層を用いてもよい。
なお、本実施の形態では、薄膜トランジスタを有する層を単層としたが、実施の形態2で示されるような薄膜トランジスタを有する層が複数積層された構造とすることができる。また、実施の形態3で示されるように、薄膜トランジスタを有する層が複数異方性導電接着材で固着された構造とすることができる。
本実施の形態の無線チップは、薄膜トランジスタを有する層複数がパッチアンテナと固着されるため、複合化された機能を有する無線チップである。
(実施の形態4)
本発明の無線チップの一実施の形態を図4に示す。図4は無線チップの断面図である。本実施の形態では、絶縁性基板上に形成された薄膜トランジスタを有する層と、受動素子と、パッチアンテナとが、異方性導電接着材や導電層等で固着された無線チップの構造について説明する。
実施の形態1に示すように絶縁性基板101上に薄膜トランジスタを有する層102が形成される。薄膜トランジスタを有する層102と受動素子150が異方性導電接着材104で固着される。ここでは、受動素子150を、第1の受動素子151及び第2の受動素子152で示す。また、薄膜トランジスタを有する層102の表面に露出された接続端子107と受動素子150の第1の接続端子161とが異方性導電接着材104中の導電性粒子で電気的に接続される。なお、異方性導電接着材104の代わりに、導電性ペーストを硬化した導電層を用いてもよい。
また、受動素子150とアンテナ103とは、導電層171、172で固着される。アンテナ103の給電体層113及び受動素子150の第2の接続端子168、パッチアンテナの接地体として機能する第2の導電層112及び受動素子の第3の接続端子169は、それぞれ導電層171、172で電気的に接続される。導電層171、172は、導電性ペーストを硬化して形成する。導電性ペーストを硬化した導電層の代表例としては、スズ(Sn)、銀(Ag)、ビスマス(Bi)、銅(Cu)、インジウム(In)、ニッケル(Ni)、アンチモン(Sb)、亜鉛(Zn)の複数を含む合金があげられる。
また、第1の受動素子151は、絶縁層154〜157とその間に設けられた導電層162〜164とで、キャパシタ、インダクタ、抵抗のいずれか一つ以上が構成される。第2の受動素子152も同様に、絶縁層157〜160とその間に設けられた導電層165〜167とで、キャパシタ、インダクタ、抵抗のいずれか一つ以上が構成される。
第1の受動素子151又は第2の受動素子152の絶縁層154〜160の比誘電率は2.6〜40が好ましい。導電層162〜167は、金、銀、銅、アルミニウムなど導電率の高い金属、またはこれらいずれか複数で形成される合金を用いる。
第1の受動素子151、第2の受動素子152の形成方法を以下に示す。酸化アルミニウムと酸化珪素を有するセラミックスを膜厚10〜150μmにシート状としたもの(いわゆるグリーンシート)に、金、銀、銅、アルミニウムなど導電率の高い金属、またはこれらいずれか複数で形成される合金を印刷法により印刷し導電層を形成する。なお、必要であればグリーンシートにスルーホールを形成し、該スルーホールに導電性ペーストを充填してプラグを形成してもよい。また、グリーンシートは、実施の形態1で示すパッチアンテナの誘電体層110を形成するセラミックス、有機樹脂等を適宜混合して形成してもよい。このような導電層が印刷されたクリーンシートを複数積み重ねて熱圧着し、所定の大きさに加工し、800〜1300度で加熱して絶縁層と導電層を焼成して、1の受動素子151、第2の受動素子152を形成することができる。更には、絶縁層の側面に導電層を形成して、各層に形成される導電層に接続されてもよい。
キャパシタ、インダクタ、抵抗、配線等の受動素子を複数組み合わせることで、コンデンサ、ディプレクサ、及びローパスフィルタを含むアンテナフロントエンドモジュール、アイソレータ、カプラ、減衰器、及びパワーアンプを含むアイソレータパワーアンプモジュール、VCO(電圧制御発振器)、バンドバスフィルタ(BPF)、積層フィルター、バルントランス、誘電体フィルター、カプラ、共振器等を構成することが可能である。
また、薄膜トランジスタを有する層及び受動素子により、電源回路、クロック発生回路、データ復調・変調回路、他の回路を制御する制御回路、インターフェイス回路、記憶回路、バス、アンテナ、中央処理ユニット、検出素子、検出制御回路からなる検出部等を構成する。
本実施の形態と実施の形態1乃至実施の形態3のいずれかを適宜組み合わせることが可能である。
本実施の形態の無線チップは、厚膜パターンで形成される受動素子と薄膜トランジスタを用いて形成された集積回路からなる。このため、適した機能を有する素子で各回路を構成されるため、複合化された機能を有する。本発明の無線チップを配線基板に実装することで、実装部品数を削減することが可能であるため、配線基板面積の縮小及びそれを有する電子機器の小型化が可能である。
(実施の形態5)
本発明の無線チップの一実施の形態を図5に示す。図5は無線チップの断面図である。本実施の形態では、異方性導電接着材で固着した薄膜トランジスタを有する層複数と、受動素子と、パッチアンテナとが、異方性導電接着材や導電層等で固着された無線チップの構造について説明する。
実施の形態2と同様に、絶縁性基板101上に第1の薄膜トランジスタを有する層102が形成される。第1の薄膜トランジスタを有する層102と、第2の薄膜トランジスタを有する層131とが異方性導電接着材133で固着される。
第1の薄膜トランジスタを有する層102の表面に形成される第1の接続端子と、第2の薄膜トランジスタを有する層の表面に形成される第2の接続端子とは、異方性導電接着材133中に分散される導電性粒子で電気的に接続される。
第1の薄膜トランジスタを有する層102及び第2の薄膜トランジスタを有する層131と同様に、第2の薄膜トランジスタを有する層131及び第3の薄膜トランジスタを有する層132が、異方性導電接着材134で固着される。
また、第2の薄膜トランジスタを有する層131の表面に形成される第3の接続端子と、第3の薄膜トランジスタを有する層132の表面に形成される第4の接続端子とは、異方性導電接着材134中に分散される導電性粒子で電気的に接続される。
第3の薄膜トランジスタを有する層132と受動素子150が異方性導電接着材135で固着される。ここでは、実施の形態4と同様に受動素子150を、第1の受動素子151及び第2の受動素子152で示す。また、第3の薄膜トランジスタを有する層132の表面に露出された接続端子と受動素子150の第1の接続端子とが異方性導電接着材中の導電性粒子で電気的に接続される。なお、異方性導電接着材135の代わりに、導電性ペーストを硬化した導電層を用いてもよい。
また、実施の形態4と同様に、受動素子150とアンテナ103とは、導電層171、172で固着される。アンテナ103の給電体層113及び受動素子150の第2の接続端子168、パッチアンテナの接地体として機能する第2の導電層112及び受動素子の第3の接続端子169は、それぞれ導電層171、172で電気的に接続される。導電層171、172は、導電性ペーストを硬化した導電層を用いる。
本実施の形態と実施の形態1乃至実施の形態4のいずれかを適宜組み合わせることが可能である。
本実施の形態の無線チップは、厚膜パターンで形成される受動素子と薄膜トランジスタを用いて形成された集積回路からなる。このため、適した機能を有する素子で各回路を構成されるため、複合化された機能を有する。本実施の形態の無線チップを配線基板に実装することで、実装部品数を削減することが可能であるため、配線基板面積の縮小及びそれを有する電子機器の小型化が可能である。
(実施の形態6)
本発明の無線チップの一実施の形態を図6に示す。図6(A)は無線チップの展開図であり、図6(B)は図6(A)のA−Bにおける断面図である。本実施の形態では、複数のアンテナを有する無線チップにおいて、特に薄膜トランジスタを有する層上に形成されたアンテナと、パッチアンテナとを有する無線チップの構造について説明する。
実施の形態1と同様に、絶縁性基板101上に薄膜トランジスタを有する層102が形成される。薄膜トランジスタを有する層102上に層間絶縁層182が形成される。層間絶縁層182上に第1のアンテナ181が形成される。第1のアンテナ181上には絶縁層183が形成され、絶縁層183の表面に接続端子184が形成される。
接続端子184が露出された絶縁層183と第2のアンテナ103であるパッチアンテナとが、異方性導電接着材104により固着される。また、接続端子184とパッチアンテナの給電体層113とが、異方性導電接着材104に分散される導電性粒子で電気的に接続される。接続端子184と薄膜トランジスタを有する層102に形成される第1の薄膜トランジスタ185とが電気的に接続される。また、薄膜トランジスタを有する層102に形成される第2の薄膜トランジスタ186と第1のアンテナ181とが接続される。なお、異方性導電接着材の代わりに、導電性ペーストを硬化した導電層を用いてもよい。
第1のアンテナ181は、アルミニウム、銅、銀を含む金属材料で形成する。例えば、銅又は銀のペースト状組成物を、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット方式の印刷法で形成することができる。また、スパッタリングなどでアルミニウム膜を形成し、エッチング加工により形成しても良い。その他、電解メッキ法、無電解メッキ法を用いて形成しても良い。
ここでは、第1のアンテナ181の形状は、図8(A)に示すように方形コイル状である。
第1のアンテナ181の形状について図8を用いて説明する。図8は、層間絶縁層182及びその上に形成されたアンテナを示す上面図である。本実施の形態では、図6(A)及び図8(A)に示すように、第1のアンテナ181は方形コイル状181aであるがこの形状に限定されるものではない。円形コイル状としてもよい。また、図8(B)に示すように方形ループ状181bのアンテナとすることができる。また、円形ループ状アンテナとすることができる。また、図8(C)に示すように直線型ダイポール状181cのアンテナとすることができる。また、曲線型ダイポール状のアンテナとすることができる。
本実施の形態と実施の形態1乃至実施の形態5のいずれかを適宜組み合わせることが可能である。
このように複数のアンテナを設けることで、一つの無線チップで多数の電波を受信することが可能なマルチバンド対応の無線チップを形成することができる。
本実施の形態の無線チップは、厚膜パターンで形成される受動素子と薄膜トランジスタを用いて形成された集積回路からなる無線チップは、適した機能を有する素子で各回路を構成されるため、複合化された機能を有する。本発明の無線チップを配線基板に実装することで、実装部品数を削減することが可能であるため、配線基板面積の縮小及びそれを有する電子機器の小型化が可能である。
本実施例では、本発明の無線チップに適応可能な薄膜トランジスタの作製方法について図15、図16を用いて説明する。
図15(A)に示すように、基板401上にブロッキング膜として機能する絶縁層402を形成する。次に、特開2002−313811号公報で開示される手法により、結晶性半導体層403を形成する。具体的には、非晶質半導体層に触媒元素を添加して加熱した後、レーザ光を照射して結晶性半導体層を形成する。次に、当該結晶性半導体層上に膜厚1〜5nmの酸化膜で形成される絶縁層、及び膜厚の10nm〜400nm希ガスが添加された非晶質半導体層を形成し、加熱して触媒元素の濃度が低減された結晶性半導体層403を形成する。
非晶質半導体層は減圧熱CVD法、プラズマCVD法、スパッタ法等で得られる半導体材料、例えば、シリコンまたはシリコンを主成分とする合金を用いることが可能である。
次に、結晶性半導体層403の表面にオゾン水で薄い酸化膜を形成した後、レジストを塗布し焼成した後、露光現像を行ってマスクを形成する。次に、マスクを用いて結晶性半導体層403を所望の形状にエッチング処理して、所望の形状に分離された結晶性半導体層411、412を形成する。結晶性半導体層411、412を形成した後、マスクを除去する(図15(B)参照)。
次に、結晶性半導体層411、412の表面上に膜厚1〜10nmの絶縁層413、414を形成する。絶縁層413、414は、酸素雰囲気中でのUV光の照射、熱酸化法、ヒドロキシラジカルを含むオゾン水又は過酸化水素による処理等により結晶性半導体層411、412の表面に形成する。または、プラズマCVD法により基板全面に酸化珪素からなる絶縁層を形成する。ここでは、オゾン水で結晶性半導体層表面を処理して酸化珪素で形成される絶縁層413、414を形成する。
次に、図15(C)に示すように、レジストを塗布し焼成した後、露光現像を行って絶縁層413、414上にマスク415、416を形成する。次に、結晶性半導体層411、412に、不純物元素をドーピングして高濃度不純物領域417、418を形成する。ここでは、不純物元素としてリンをドーピングする。
次に、図15(D)に示すように、マスク415、416を除去した後、結晶性半導体層を加熱する。ここでは、450〜650度に加熱して結晶性半導体層411、412中に残存する触媒元素を高濃度不純物領域417、418に拡散させて、マスクに覆われている結晶性半導体層の領域421、422の触媒元素濃度を低減する。
次に、図15(E)に示すように、絶縁層413、414を除去した後、基板表面にゲート絶縁層として機能する絶縁層423を形成する。ここでは、CVD法により、酸化珪素で形成される絶縁層423を形成する。
次に、絶縁層423上にゲート電極として機能する導電層424、425を形成する。なお、導電層424、425は実施の形態1の薄膜トランジスタ106のゲート電極と同様の手法により形成することが可能である。
次に、図15(F)に示すように、レジストを塗布し焼成した後、露光現像を行って結晶性半導体層412上にマスク431を形成する。次に、導電層424をマスクとして結晶性半導体層411に不純物元素をドーピングして低濃度不純物領域432を形成する。ここでは、不純物元素としてリンをドーピングする。
次に、図15(G)に示すように、マスク431を除去した後、マスク431と同様の工程により結晶性半導体層411上にマスク441を形成する。次に、導電層425をマスクとして結晶性半導体層412に不純物元素をドーピングして高濃度不純物領域443を形成する。ここでは、不純物元素としてボロンをドーピングする。
この後、基板上に絶縁層を形成した後、結晶性半導体層の水素化処理及び低濃度不純物領域及び高濃度不純物領域の不純物の活性化を行い、n型を呈するソース領域及びドレイン領域444、p型を呈するソース領域及びドレイン領域445、並びにn型を呈する低濃度不純物領域446を形成する。
次に、図15(H)に示すように、基板上に絶縁層451を形成し、絶縁層451の一部を除去してソース領域及びドレイン領域444、445を露出する。次に、ソース電極及びドレイン電極452、453を形成する。
以上の工程により、n型を呈するソース領域及びドレイン領域444、チャネル形成領域447、ゲート絶縁層として機能する絶縁層423、ゲート電極として機能する導電層424、ソース電極及びドレイン電極452を有するnチャネル型の薄膜トランジスタ454を形成することができる。また、p型を呈するソース領域及びドレイン領域445、チャネル形成領域448、ゲート絶縁層として機能する絶縁層423、ゲート電極として機能する導電層425、ソース電極及びドレイン電極453を有するpチャネル型の薄膜トランジスタ455を形成することができる。
さらには、nチャネル型の薄膜トランジスタ454のソース電極又はドレイン電極とpチャネル型の薄膜トランジスタ455のソース電極又はドレイン電極とを接続することで、CMOS回路を作製することができる。
次に、図15で示される薄膜トランジスタの作製工程において、所望の形状に分離された結晶性半導体層411、412及びその表面に形成される絶縁層の作製工程が異なる例について図16を用いて説明する。
図16(A)に示すように、基板401上に図15(A)と同様にブロッキング膜として機能する絶縁層402を形成する。次に、結晶性半導体層403を形成する。
次に、結晶性半導体層403の表面に、膜厚1〜10nmの絶縁層461を形成する。絶縁層461は図15(B)で示す絶縁層413、414と同様の工程により形成することが可能である。
次に、レジストを塗布し焼成した後、露光現像を行ってマスクを形成する。次に、マスクを用いて絶縁層461及び結晶性半導体層403を所望の形状にエッチング処理して、所望の形状に分離された絶縁層462、463、及び結晶性半導体層411、412を形成する。結晶性半導体層411、412を形成した後、マスクを除去する(図16(B)参照)。
次に、レジストを塗布し焼成した後、露光現像を行って絶縁層462、463上にマスク415、416を形成する。
次に、図16(C)に示すように、結晶性半導体層411、412に、不純物元素をドーピングして高濃度不純物領域417、418を形成する。ここでは、不純物元素としてリンをドーピングする。
次に、図16(D)に示すように、マスク415、416を除去した後、結晶性半導体層411、412を加熱する。ここでは、450〜650度に加熱して結晶性半導体層中に残存する触媒元素を高濃度不純物領域417、418に拡散させて、マスクに覆われている結晶性半導体層の領域の触媒元素濃度を低減する。
次に、図16(E)に示すように、結晶性半導体層411、412上の絶縁層462、463を除去した後、基板表面にゲート絶縁層として機能する絶縁層423を形成する。ここでは、CVD法により、酸化珪素で形成される絶縁層423を形成する。
以後、図15(E)〜(H)と同様の工程により、nチャネル型の薄膜トランジスタ454及びpチャネル型の薄膜トランジスタ455を形成することができる。
本実施例で形成される薄膜トランジスタ454、455は、結晶性半導体層中の触媒元素を低減する工程が2度あるため、結晶性半導体層の触媒元素濃度が低減される。このため、薄膜トランジスタ454、455のオン電流を低減することが可能である。
本実施例と上記実施の形態のいずれかを適宜組み合わせることが可能である。
本発明の無線チップの用途は広範にわたるが、例えば、乗物類(自転車3901(図11(B)参照)、自動車等)、食品類、植物類、衣類、生活用品類(鞄3900(図11(A)参照)等)、電子機器、検査装置等の物品に、無線チップ20を設けて使用することができる。電子機器とは、液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置(単にテレビ、テレビ受像機、テレビジョン受像機とも呼ぶ)、携帯電話3902(図11(C)参照)、プリンター、カメラ、パーソナルコンピュータ、ゴーグル3903(図11(D)参照)、スピーカ装置3904(図11(E)参照)、ヘッドホン3905(図11(F)参照)、ナビゲーション装置、ETC(Electoronic Toll Collection:有料道路等の自動料金収受システム)用車載器、電子鍵等を指す。
本発明の無線チップ20を鞄3900、自転車3901等に設けることにより、GPSでこれらの所在を検出することが可能である。この結果、盗難された自転車を見つけ出すことが可能である。また、行方不明者の捜索が容易となる。
また、本発明の無線チップ20を携帯電話3902に搭載することにより、情報の送受信及び通話が可能となる。
また、本発明の無線チップをイヤホン付のゴーグル3903、スピーカ装置3904やヘッドホン3905に搭載することにより、オーディオ装置とコードで接続することなしに、オーディオ装置で再生した音楽を楽しむことが可能である。また、イヤホン付のゴーグル3903に無線チップ20と共に、小型のハードディスク(記憶装置)を設けてもよい。また、無線チップ20に中央処理ユニットを有する場合、オーディオ装置で暗号化した音声信号を、イヤホン付のゴーグル3903、ヘッドホン3905やスピーカ装置3904で受信、復調、増幅することが可能であるため、秘匿性高く音声を聞くことが可能である。また、コードレスのため、イヤホン付のゴーグル3903やヘッドホン3905の装着が容易となり、スピーカ装置3904の設置が容易となる。なお、この場合スピーカ装置は、バッテリーを設けることが好ましい。
本発明の無線チップは、プリント基板に実装したり、表面に貼ったり、埋め込んだりして、物品に固定される。例えば、有機樹脂からなるパッケージなら当該有機樹脂に埋め込んだりして、各物品に固定される。また、食品類、植物類、動物類、人体、衣類、生活用品類、電子機器等の物品に本発明の無線チップを設けることにより、検品システム等のシステムの効率化を図ることができる。
次に、本発明の無線チップを実装した電子機器の一態様について図面を参照して説明する。ここで例示する電子機器は携帯電話機であり、筐体2700、2706、パネル2701、ハウジング2702、プリント配線基板2703、操作ボタン2704、バッテリー2705等を有する(図13参照)。パネル2701はハウジング2702に脱着自在に組み込まれ、ハウジング2702はプリント配線基板2703に嵌着される。ハウジング2702はパネル2701が組み込まれる電子機器に合わせて、形状や寸法が適宜変更される。プリント配線基板2703には、パッケージングされた複数の半導体装置が実装されている。プリント配線基板2703に実装される複数の半導体装置は、コントローラ、中央処理ユニット、メモリ、電源回路、音声処理回路、送受信回路等のいずれかの機能を有する。また、本発明の無線チップ2710を用いることができる。
パネル2701は、接続フィルム2708を介して、プリント配線基板2703と接続される。上記のパネル2701、ハウジング2702、プリント配線基板2703は、操作ボタン2704やバッテリー2705と共に、筐体2700、2706の内部に収納される。パネル2701が含む画素領域2709は、筐体2700に設けられた開口窓から視認できるように配置されている。
なお、筐体2700、2706は、携帯電話機の外観形状を一例として示したものであり、本実施例に係る電子機器は、その機能や用途に応じて様々な態様に変容しうる。
ここでは、携帯電話機のデータ復調変調回路に代表される高周波回路のブロック図について、図14を用いて説明する。
はじめにアンテナで受信した信号をベースバンドユニットへ送り出す工程を説明する。アンテナ301に入力された受信信号は、デュプレクサ302からローノイズアンプ(LNA)303に入力され、所定の信号に増幅される。ローノイズアンプ(LNA)303に入力された受信信号は、バンドバスフィルタ(BPF)304を経てミキサー305に入力される。このミキサー305には、混成回路306からのRF信号が入力され、RF信号成分がバンドバスフィルタ(BPF)307で除去され、復調される。ミキサー305から出力された受信信号は、SAWフィルター308を経てアンプ309で増幅されたのち、ミキサー310に入力される。ミキサー310には、局部発信回路311から所定の周波数の局部発信信号が入力され、所望の周波数に変換され、アンプ312で所定のレベルに増幅された後、ベースバンドユニット313に送り出す。なお、アンテナ301、デュプレクサ302、及びローパスフィルタ328をアンテナフロントエンドモジュール331と示す。
次に、ベースバンドユニットから送出された信号をアンテナで発信する工程について説明する。ベースバンドユニット313から送出された送信信号は、ミキサー321により混成回路306からのRF信号と混合される。この混成回路306には、電圧制御発信回路(VCO)322が接続されており、所定の周波数のRF信号が供給されるようになっている。
ミキサー321によりRF変調が行われた送信信号は、バンドパスフィルタ(BPF)323を経て、パワーアンプ(PA)324により増幅される。このパワーアンプ(PA)324の出力の一部は、カプラ325から取り出され、減衰器(APC)326で所定のレベルに調整された後、その出力は再びパワーアンプ(PA)324に入力され、パワーアンプ(PA)324の利得が一定になるように調整される。カプラ325から送出された送信信号は、逆流防止用のアイソレータ327、ローパスフィルタ328(LPF)、を経て、デュプレクサ302に入力され、これと接続されているアンテナ301から送信される。なお、減衰器(APC)326、パワーアンプ(PA)324、カプラ325、及びアイソレータ327をアイソレータパワーアンプモジュール332と示す。
本発明の無線チップは、上記高周波回路を有するため、部品の数を低減することが可能である。このため、配線基板に実装される部品の数を低減することが可能であるため、配線基板の面積を縮小することが可能である。この結果、携帯電話を小型化することが可能である。
次に、検出した生体の機能データを無線で送信することが可能な検査装置の例について、図12を用いて説明する。図12(A)に示す検査装置3950は、保護層がコーティングされたカプセル3952内に本発明の無線チップ3951が設けられている。カプセル3952と無線チップ3951の間には、充填剤3953が満たされていてもよい。
図12(B)に示す検査装置3955は、保護層がコーティングされたカプセル3952内に本発明の無線チップ3951が設けられている。また、無線チップの電極3956がカプセル3952の外側に露出している。カプセル3952と無線チップ3951の間には、充填剤3953が満たされていてもよい。
検査装置3950、3955の無線チップ3951は、図9(C)に示すような、検出部を有する無線チップである。検出部において、物理量や化学量を測定して生体の機能データを検出する。また、なお、検出した結果を信号変換して、リーダライタへ送信することが可能である。物理量とは、圧力、光、音波等を検出する場合、図12(A)に示すような、電極がカプセル3952の外部に露出してない検査装置3950を用いることができる。また、温度、流量、磁気、加速度、湿度、ガス等の気体成分やイオン等の液体成分等の化学物質等を検出する場合、図12(B)に示すような、電極3956がカプセル3952の外部に露出している検査装置3950を用いることが好ましい。
なお、検査装置が体内を撮像する装置である場合、検査装置にLED、EL等の発光装置を設けてもよい。この結果、体内を撮像することが可能である。
カプセルの表面に設けられた保護層は、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、窒化珪素、酸化珪素、酸窒化珪素、又は窒化炭素を含んでいることが好ましい。カプセルや充填材は公知のものを適宜用いる。カプセルに保護層を設けることで、体内でカプセルや無線チップが溶解、変性することを防止することが可能である。
なお、検査装置から検出結果のデータをリーダライタに自発的に発信するためには、検出装置に公知のバッテリーを設けてもよい。
次に、検査装置の使用方法について説明する。図12(C)に示すように、被験者3962が検査装置3950又は3955を嚥下し、体内腔3963を移動させる。無線チップの検出部が検出した結果を、被験者の近傍に設置されたリーダライタ3961に発信する。リーダライタでは、この結果を受信する。この結果、無線チップを回収せずとも、その場で被験者の生体の機能データを検知することが可能である。また、体内腔及び消化器の様子を撮像することが可能である。
また、図12(D)に示すように、被験者3962の体内に検査装置3950又は3955を埋め込むことで、無線チップの検出部が検出した結果を、被験者の近傍に設置されたリーダライタ3964に発信する。この場合、被験者の測定対象部に電極3956が接するように検査装置3955体内に埋め込む。リーダライタでは、この結果を受信する。この受信結果を、生体情報管理コンピュータで記録し、処理することで、被験者の生体情報を管理することが可能である。なお、リーダライタ3964をベッド3960に設けることで、身体機能が不全で、移動が困難な被験者の生体情報を常時検出することが可能であり、被験者の病状、健康状態管理することが可能である。
本実施例と上記実施の形態のいずれかを適宜組み合わせることが可能である。