以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
本発明の無線チップの一実施の形態を図1に示す。図1は無線チップの断面図である。
本実施の形態の無線チップは、電界効果トランジスタを有するチップ101と、アンテナ(以下、パッチアンテナ103と示す。)とが導電層102a、102bによって接続される。具体的には、電界効果トランジスタを有するチップ101表面に形成される接続端子104aとパッチアンテナの給電体層113とが導電層102aで接続され、電界効果トランジスタを有するチップ101表面に形成される接続端子104bと、パッチアンテナの接地体として機能する導電層112とが導電層102bにより接続される。また、パッチアンテナ103と電界効果トランジスタを有するチップ101との接続部分は、アンダーフィル104で充填されてもよい。
パッチアンテナ103は、誘電体層110と、誘電体層110の一表面に形成される第1の導電層111と、誘電体層110を介して第1の導電層111に対向し、且つ誘電体層110の他表面に形成される第2の導電層112と、給電体層113とを有する。第1の導電層111は、放射電極として機能する。また、第2の導電層112は接地体として機能する。給電体層113は、第1の導電層111と第2の導電層112と接触しないように設けられている。また、給電体層113を介して、パッチアンテナから電界効果トランジスタを有するチップ、又は電界効果トランジスタを有するチップからパッチアンテナへ給電が行われる。なお、給電体層113の代わりに給電点を用いて給電を行ってもよい。
ここで、パッチアンテナの構造について説明する。
パッチアンテナの誘電体層110は、セラミックス、有機樹脂、又はセラミックスと有機樹脂の混合物等で形成することができる。セラミックスの代表例としては、アルミナ、ガラス、フォルステライト等が挙げられる。さらには、複数のセラミックスを混合して用いてもよい。また、高い誘電率を得るためには、誘電体層110を、強誘電体材料で形成することが好ましい。強誘電体材料の代表例としては、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸鉛(PbTiO3)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、ジルコン酸鉛(PbZrO3)、二オブ酸リチウム(LiNbO3)、チタン酸ジルコン鉛(PZT)等が挙げられる。さらには、複数の強誘電体材料を混合して用いてもよい。
また、有機樹脂としては、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を適宜用いる。有機樹脂の代表例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリブタジエン樹脂、BTレジン、ビニルベンジル、ポリフマレート、フッ化樹脂等の樹脂材料を用いることができる。さらには、複数の有機樹脂材料を混合して用いてもよい。
誘電体層110がセラミックスと有機樹脂の混合物で形成される場合、粒子状のセラミックスの粒子を有機樹脂に分散させて形成することが好ましい。このとき、誘電体層110に対して粒子状のセラミックスの含有量は、20体積%以上60体積%以下が好ましい。また、セラミックスの粒径は1〜50μmが好ましい。
誘電体層110の比誘電率は2.6〜150、好ましくは、2.6〜40であることが望ましい。比誘電率の高い強誘電体材料を用いることで、パッチアンテナの容積を小さくすることが可能である。
パッチアンテナの第1の導電層111、第2の導電層112、給電体層113は、金、銀、銅、パラジウム、白金、アルミニウムから選ばれる金属、又は合金等を用いることができる。また、パッチアンテナの第1の導電層111、第2の導電層112、給電体層113は、印刷法、メッキ法を用いて形成することができる。また、誘電体層に蒸着法、スパッタリング法等で導電膜を成膜した後、導電膜の一部分をエッチングして各導電層を形成することができる。
パッチアンテナ103の平面面積としては、数mm×数mm〜数十mm×数十mmであることが好ましい。代表的には、7mm×7mm〜12mm×12mmである。また、パッチアンテナの厚さは、1mm〜15mm、代表的には1.5mm〜5mmである。また、パッチアンテナの形状は、平面が矩形の平板体が好ましいがこれに限定されるものではない。平面が円形の平板体を用いることも可能である。なお、ここでいう平面とは、放射電極として機能する第1の導電層または接地体として機能する第2の導電層が形成されている面である。
パッチアンテナの構造について図5を用いて説明する。
図5(A)は、放射電極として機能する第1の導電層202と、誘電体層201と、接地体として機能する第2の導電層203と、給電点204と、第1の導電層202、誘電体層201、及び第2の導電層203に設けられたスルーホールに形成され、且つ給電点204に接続する給電体を有するパッチアンテナである。なお、給電体は、給電点204において第1の導電層202と接続するが、第2の導電層203とは接続しない。放射電極として機能する第1の導電層202が、円形であり、且つ点対称となる2つの領域において、縮退分子素子205がある場合、円偏波のアンテナとなる。また、第1の導電層202が円形の場合、パッチアンテナは直偏波のアンテナとなる。
図5(B)は、放射電極として機能する第1の導電層212と、誘電体層211と、接地体として機能する第2の導電層213と、給電点214と、第1の導電層212、誘電体層211、及び第2の導電層213に設けられたスルーホールに形成され、且つ給電点214に接続する給電体を有するパッチアンテナである。なお、給電体は、給電点214において第1の導電層212と接続するが、第2の導電層213とは接続しない。放射電極として機能する第1の導電層212は、矩形であり、且つ点対称となる2つの角部において、縮退分子素子215がある場合、円偏波のパッチアンテナとなる。また、第1の導電層212が矩形の場合、パッチアンテナは直偏波のパッチアンテナとなる。
図5(C)は、放射電極として機能する第1の導電層222と、誘電体層221と、接地体として機能する第2の導電層223と、給電体層224とを有するパッチアンテナである。放射電極として機能する第1の導電層222は、矩形であり、且つ点対称となる2つの角部において、縮退分子素子225を有する円偏波のパッチアンテナである。また、第1の導電層222が縮退分子素子225を有さない矩形の場合、パッチアンテナは直偏波のパッチアンテナとなる。放射電極として機能する第1の導電層222と給電体層224とは、ギャップを介して容量的に結合されている。また、給電体層224は誘電体層の側面に形成されているため、表面実装が可能である。
図5(A)〜図5(C)に示すパッチアンテナは、誘電体層201、211、221の一方の面に接地体として機能する第2の導電層203、213、223が設けられているため、第1の導電層202、212、222側に指向性を有し、第1の導電層側に電波を放射する。
図5(D)は、放射電極として機能する第1の導電層242と、誘電体層241と、接地体として機能する第2の導電層243と、給電体層244とを有するパッチアンテナである。また、図5(D)に示すように、第1の導電層242において、対角線上に直交スリットが形成されている。すなわち、放射電極として機能する第1の導電層242には、十字の切欠きが設けられている。このため、誘電体層241が十字に露出している。放射電極として機能する第1の導電層242と給電体層244とは、ギャップを介して容量的に結合されている。このような形状のパッチアンテナの代表例としては、CABPB1240、CABPB0730、CABPB0715(TDK製)が挙げられる。また、給電体層244は誘電体層241の側面に形成されているため、表面実装が可能である。このような構造のパッチアンテナは、放射電極として機能する第1の導電層242の直交スリットにより無指向性であるため、全方向へ電波を放射することが可能である。このため、実装場所や設置角度を選ばなくとも良い。このため、電子機器の設計の自由度を広げることが可能である。
また、図5に示すパッチアンテナ以外にも公知のパッチアンテナを用いることが可能である。
特に、円偏波のパッチアンテナを用いることで、GPS(Global Positioning System(1.5GHz))、衛星デジタル放送(2.6GHz)等の衛星送受信、無線LAN(Local Area Network)(2.4GHz、5.2GHz)、Bluetooth(商標)(2.4GHz)、UWB(Ultra Wide Band:超広帯域無線)(3〜10GHz)等のPAN(パーソナルエリアネットワーク)の送受信、第3世代のデータ通信、パケット通信等の送受信を行うことができる。
次に、電界効果トランジスタを有するチップ101について、図4を用いて説明する。
図4は電界効果トランジスタを有するチップ101の一部の断面図であり、基板500に素子分離領域501a〜501eが形成され、素子分離領域501a〜501eそれぞれの間に電界効果トランジスタ502が形成される。
電界効果トランジスタ502は、単結晶半導体基板上に形成されるゲート絶縁膜503、ゲート絶縁膜上に形成されるゲート電極504、単結晶半導体基板におけるソース領域及びドレイン領域505a、505b、ゲート電極上に形成される層間絶縁層508、ソース領域及びドレイン領域505a、505bに接続されるソース配線及びドレイン配線509a、509bを有する。なお、ゲート電極504及びゲート絶縁膜503の側壁に形成されるサイドウォール507a、507bや、単結晶半導体基板においてサイドウォール507a、507bに覆われる低濃度不純物領域506a、506bを有してもよい。
基板500は、単結晶半導体基板又は化合物半導体基板であり、代表的には、n型またはp型の単結晶シリコン基板、GaAs基板、InP基板、GaN基板、SiC基板、サファイヤ基板、又はZnSe基板等が挙げられる。また、SOI基板(Silicon On Insulator)を用いこともできる。本実施形態では、基板500として、n型単結晶シリコン基板を用いる。
素子分離領域501a〜501eは、公知の選択酸化法(LOCOS(Local Oxidation of Silicon)法)又はトレンチ分離法等を適宜用いて形成することができる。ここでは、素子分離領域501a〜501eとしては、トレンチ分離法により酸化珪素層が形成される。
ゲート絶縁膜503は、単結晶半導体基板を熱酸化して形成される。ゲート電極504は、厚さ100〜300nmの多結晶シリコン層や、多結晶シリコン層上にタングステンシリサイド層、モリブデンシリサイド層、コバルトシリサイド層等のシリサイド層を設けた積層構造とすることができる。更には、多結晶シリコン層上に窒化タングステン層及びタングステン層を積層して形成しても良い。
ソース領域及びドレイン領域505a、505bは、pウェル領域にリンが添加されたn+領域やnウェル領域にボロンが添加されたp+領域を用いることができる。また、低濃度不純物領域506a、506bは、pウェル領域にリンが添加されたn−領域やnウェル領域にボロンが添加されたp−領域を用いることができる。ここでは、n型単結晶シリコン基板を用いているため、ボロンを基板に添加してp+領域からなるソース領域及びドレイン領域、p−領域からなる低濃度不純物領域が形成される。なお、ソース領域及びドレイン領域505a、505bに、マンガンシリサイド、タングステンシリサイド、チタンシリサイド、コバルトシリサイド、ニッケルシリサイド等のシリサイドを有しても良い。シリサイドをソース領域及びドレイン領域表面に有することにより、ソース配線及びドレイン配線とソース領域及びドレイン領域との接続抵抗を下げることが可能である。
サイドウォール507a、507bは、基板上にCVD法により酸化珪素で形成される絶縁層を形成し、該絶縁層をRIE(Reactive ion etching:反応性イオンエッチング)法により異方性エッチングすることで形成できる。
層間絶縁層508は、酸化シリコン及び酸化窒化シリコンなどの無機絶縁材料、又はアクリル樹脂及びポリイミド樹脂などの有機絶縁材料で形成する。スピン塗布やロールコーターなど塗布法を用いる場合には、有機溶媒中に溶かされた絶縁膜材料を塗布した後、熱処理により絶縁層を形成される酸化シリコンを用いることもできる。ここでは、層間絶縁層508は酸化珪素を用いて形成する。
ソース配線及びドレイン配線509a、509bは、チタン(Ti)とアルミニウム(Al)の積層構造、モリブデン(Mo)とアルミニウム(Al)との積層構造など、アルミニウム(Al)のような低抵抗材料と、チタン(Ti)やモリブデン(Mo)などの高融点金属材料を用いたバリアメタルとの組み合わせで形成することが好ましい。
なお、電界効果トランジスタを有するチップ101は、電界効果トランジスタの他に抵抗素子、コンデンサ等を有してもよい。
また、層間絶縁層508及びソース配線及びドレイン配線509a、509b上に層間絶縁層511が形成される。層間絶縁層511は層間絶縁層508と同様に形成される。また、層間絶縁層508上には、電界効果トランジスタ502に接続する接続端子512、513を有する。
また、接続端子512、513の一部及び層間絶縁層511を覆う絶縁層514が形成されてもよい。絶縁層514は、保護層として機能するため、窒化珪素、酸化珪素、窒化酸化珪素、酸化窒化珪素、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等で形成されることが好ましい。
パッチアンテナ103と電界効果トランジスタを有するチップ101とを接続する導電層102a、102bは、バンプ、導電性ペースト、異方性導電接着剤、異方性導電膜等で形成される。また、パンプ及び導電性ペーストを用いてもよい。さらには、バンプ及び異方性導電接着剤、バンプ及び異方性導電膜を用いてもよい。これらの場合、バンプ及び導電性粒子により、導電層と接続端子が接続される。
異方性導電膜及び異方性導電接着剤は、粒径数nm〜数μm程度の導電性粒子が分散された接着性の有機樹脂であり、有機樹脂としてエポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。また、導電性粒子は、金、銀、銅、パラジウム、又は白金から選ばれた一元素、若しくは複数の元素で形成される。また、これらの元素の多層構造を有する粒子でも良い。更には、樹脂で形成された粒子の表面に、金、銀、銅、パラジウム、又は白金から選ばれた一金属、若しくは複数の金属で形成される薄膜がコーティングされた導電性粒子を用いてもよい。
アンダーフィル104は、電界効果トランジスタを有するチップ101とパッチアンテナ103の接続部の補強や外部からの水分の浸入保護等の機能を有するものであり、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等を用いて形成される。
次に、図6を用いて、本実施形態で示す無線チップ900の構成を示す。本実施形態の無線チップ900は、電界効果トランジスタを有するチップ901、及びアンテナ902を有する。
電界効果トランジスタを有するチップ901は、演算処理回路部903、メモリ部904、通信回路部905、電源回路部907を備える。メモリ部904は、読み出し専用メモリや、書き換え可能メモリの一方若しくは双方を備えている。メモリ部904は、スタティックRAM(Static RAM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、フラッシュメモリ、有機メモリから選択される1つ又は複数で構成することで、アンテナ902を経由して受信した外部からの情報を随時記録することができる。
なお、有機メモリとは、一対の電極間に有機化合物を有する層を挟んで設けたものをいう。また、有機メモリとは、一対の電極間に有機化合物と無機化合物との混合層を設けたものをいう。有機化合物の代表例としては、電圧印加や光が照射されることにより、結晶状態や導電性、形状が変化する物質が挙げられる。代表的には、光を吸収することによって酸を発生する化合物(光酸発生剤)をドープした共役高分子、正孔輸送性を有する有機化合物、又は電子輸送性を有する有機化合物を用いることができる。
有機メモリは、小型化、薄膜化および大容量化を同時に実現することができるため、メモリ部904を有機メモリで設けることにより、無線チップの小型化、軽量化を達成することができる。
なお、メモリ部904の構成を逐次書き込みを可能とするとともに、データが消失しないフローティングゲート構造の記憶素子で構成してもよい。特に、フローティングゲート構造の記憶素子であって、一度だけ書き込み可能な記憶素子を適用することが可能であり、機能を単純化することにより、無線チップを小型化することができる。また、省電力化することができる。
通信回路部905は、それぞれ復調回路912、変調回路913を含んでいる。復調回路912は、それぞれアンテナ902を経由して入力される信号を復調して、演算処理回路部903に出力する。信号には、メモリ部904に記憶させる情報を含んでいる。また、メモリ部904から読み出された情報は、演算処理回路部903を通して、それぞれ変調回路913に出力される。変調回路913は、この信号を無線通信可能な信号に変調して、それぞれアンテナ902を介して外部装置に出力する。
演算処理回路部903、メモリ部904及び通信回路部905を動作させるのに必要な電力は、アンテナ902を介して供給される。
アンテナ902は、リーダ/ライタと呼ばれる外部装置から供給される電磁波を受信して、必要な電力を電源回路部907で発生させている。アンテナ902は通信する周波数帯に応じて適宜設計すれば良い。電磁波の周波数帯は、30〜135kHzまでの長波帯、6〜60MHz(代表的には13.56MHz)の短波帯、400〜950MHzの超短波帯、2〜25GHzのマイクロ波帯などを使用することができる。長波帯や短波帯のアンテナは、ループアンテナによる電磁誘導を利用したものが利用される。その他に相互誘導作用(電磁結合方式)又は静電気による誘導作用(静電結合方式)を利用したものであっても良い。電力は電源回路部907で生成する。アンテナ902はデータ通信用アンテナと、電力供給用アンテナを分離して設けても良い。
図6に示すアンテナ902に図1に示すパッチアンテナ103を用い、図6に示す電界効果トランジスタを有するチップ901に図1に示す電界効果トランジスタを有するチップ101を用いることができる。この結果、無線チップの耐久性が高まる。
(実施の形態2)
本発明の無線チップの一実施の形態を図2に示す。図2は無線チップの断面図である。本実施の形態では、電界効果トランジスタを有するチップと、パッチアンテナと、センサ装置とを有する無線チップの構造について説明する。
本実施の形態の無線チップは、電界効果トランジスタを有するチップ101が、配線基板121に実装される。具体的には、電界効果トランジスタを有するチップ101表面に形成される接続端子104a〜104cと、配線基板121上に形成される接続端子125a〜125cとがそれぞれ導電層102a〜102cで接続される。
また、センサ装置122が配線基板121に実装される。具体的には、センサ装置122表面に形成される接続端子126と、配線基板121上に形成される接続端子127と導電層129で接続される。
なお、配線基板121上に形成される接続端子125a〜125cと、接続端子127とは、配線基板121に形成される配線や、ビアーホール、スルーホール等に形成される導電層で接続される。即ち、電界効果トランジスタを有するチップ101とセンサ装置122とが電気的に接続される。
また、パッチアンテナ103は配線基板121に実装される。具体的には、パッチアンテナ103の給電体層113と配線基板121上に形成される接続端子123aとが、導電層124aで接続され、パッチアンテナの接地体として機能する導電層112と配線基板上に形成される接続端子123bとが導電層124bにより接続される。
また、接続端子123aと接続端子125aとは、図示しないが配線基板121のビアーホール、スルーホール等に形成される導電層で接続される。また、接続端子123bと接続端子125bとは、同様に配線基板121のビアーホール、スルーホール等に形成される導電層で接続される。即ち、電界効果トランジスタを有するチップ101とパッチアンテナ103とが電気的に接続される。
ここでは、パッチアンテナ103と電界効果トランジスタを有するチップ101とは、配線基板121の反対側に実装されている。このため、接続端子123a、123bは、配線基板121の一方の面に形成され、接続端子125a、125bは配線基板121の他方の面に形成されている。しかしながら、接続端子123a、123b及び接続端子125a、125bを配線基板121の一方の面に形成し、パッチアンテナ103と電界効果トランジスタを有するチップ101とを、配線基板の一方の面の上に実装してもよい。
配線基板121は、板状の基板や可撓性基板であり、且つ基板内に複数の配線層を有する多層配線基板を用いる。硬質な配線基板としては、ガラスエポキシ樹脂、セラミックス、アルミナ、窒化アルミナ等を用いて形成される基板が挙げられる。可撓性を有する配線基板としては、代表的にはTAB(Tape Automated Bonding)基板やFPC(フレキシブルプリント基板)等のポリイミドで形成される基板が挙げられる。
配線基板121上に形成される接続端子123a、123b、125a〜125c、127は、銅、金などを用いて形成される。また、それぞれの接続端子は、配線基板121表面及び内部に形成される配線と接続されている。
また、パッチアンテナ103と配線基板121との接続部分、電界効果トランジスタを有するチップ101と配線基板121との接続部分、センサ装置122と配線基板121との接続部分は、アンダーフィル114〜116で充填されてもよい。
導電層102c、124a〜124b、129は、実施の形態1に示す導電層102a、102bと同様に形成される。また、アンダーフィル114〜116は、実施の形態1のアンダーフィル104と同様に形成される。
ここで、本発明の無線チップの構成について、図7を参照して説明する。本実施の形態の無線チップは、実施の形態1で示す無線チップに加え、バス910を介して演算処理回路部903に接続するセンサ装置908を有する。また、センサ装置908は、センサ素子906及びセンサ回路909を有する。
センサ装置は、温度、圧力、流量、光、磁気、音波、加速度、湿度、気体成分、液体成分、その他の特性を物理的又は化学的手段により検出することができる装置を用いる。センサ装置908は、センサ素子906とそれを制御するセンサ回路909が含まれている。センサ素子906は低抵抗素子、容量結合素子、誘導結合素子、光起電力素子、光電変換素子、熱起電力素子、トランジスタ、サーミスタ、ダイオード、静電容量型素子、圧電素子などの素子で形成される。なお、センサ素子906は複数設けてもよく、この場合、複数の物理量または化学量を同時に検出することが可能である。
また、ここでいう物理量とは、温度、圧力、流量、光、磁気、音波、加速度、湿度等を指し、化学量とは、ガス等の気体成分やイオン等の液体に含まれる成分等の化学物質等を指す。化学量としては、他にも、血液、汗、尿等に含まれる特定の生体物質(例えば、血液中に含まれる血糖値等)等の有機化合物も含まれる。特に、化学量を検出しようとする場合には、必然的にある特定の物質を選択的に検出することになるため、あらかじめ検出素子31に検出したい物質と選択的に反応する物質を設けておく。例えば、生体物質の検出を行う場合には、検出素子31に検出させたい生体物質と選択的に反応する酵素、抗体分子または微生物細胞等を高分子等に固定化して設けておくことが好ましい。ここでは、センサ素子906として、単結晶シリコンを用いて形成される光センサを用いる。
センサ回路909はインピーダンス、リアクタンス、インダクタンス、電圧又は電流の変化を検出し、アナログ/デジタル変換(A/D変換)して演算処理回路部903に信号を出力する。
センサ装置908で検知した情報は、バス910及び演算処理回路部903を通して、それぞれ変調回路913に出力される。変調回路913は、この信号を無線通信可能な信号に変調して、それぞれアンテナ902を介して外部装置に出力する。
また、本実施の形態と実施の形態1を適宜組み合わせることが可能である。
本実施の形態の無線チップは、センサ装置で検出した情報を外部に送信することが可能である。また、センサ装置で検知した情報を信号化し、アンテナを介して該信号をリーダライタに送信することが可能である。このため、機密性を高めることが可能である。また、センサで検知した情報をメモリ部に記録することが可能であるため、センサ機能を有する装置の小型化が可能である。
(実施の形態3)
本発明の無線チップの一実施の形態を図3に示す。図3は無線チップの断面図である。
本実施の形態の無線チップは、実施の形態1に示す無線チップに電池を有する無線チップである。具体的には、電界効果トランジスタを有するチップ101表面に形成される接続端子104a〜104cと、配線基板121上に形成される接続端子125a〜125cとがそれぞれ導電層102a〜102cで接続される。
また、電池141が配線基板121に実装される。具体的には、電池141表面に形成される接続端子142と、配線基板121上に形成される接続端子143とが導電層144で接続される。
なお、配線基板121上に形成される接続端子125a〜125cと、接続端子143とは、配線基板121に形成される配線、ビアーホール、スルーホール等の導電層で接続される。すなわち、電界効果トランジスタを有するチップ101と電池141とが接続される。具体的には、電界効果トランジスタを有するチップ101の電源回路部907と電池141とが接続される。
また、パッチアンテナ103が配線基板121に実装される。具体的には、パッチアンテナ103の給電体層113と配線基板121上に形成される接続端子123aとが、導電層124aで接続され、パッチアンテナの接地体として機能する導電層112と配線基板上に形成される接続端子123bとが導電層124bにより接続される。すなわち、電界効果トランジスタを有するチップ101とパッチアンテナ103とが接続される。
電池141は、小型であることが好ましく、さらには厚さ0.5mm以下0.1mm以上のシート状であることが望ましい。また電池は、生産容易性から方形が好ましいが、円形や楕円形、さらには多角形でもよい。また、電池141は一次電池でもよく、二次電池でもよい。電池141としては、リチウム電池、好ましくはゲル状電解質を用いるリチウムポリマー電池や、ゲル状電解質を用いる有機ラジカル電池や、リチウムイオン電池等を用いることで、小型化が可能である。
なお、電池141が二次電池である場合は、配線基板121に、単結晶シリコンやアモルファスシリコンを用いた太陽電池や色素増感太陽電池などのように光起電力効果を有する装置を設けることが好ましい。また、荷重又は運動により生じるエネルギーを圧電効果により電気信号に変換する圧電素子を設けても良い。
また、パッチアンテナ103と配線基板121との接続部分、電界効果トランジスタを有するチップ101と配線基板121との接続部分、電池141と配線基板との接続部分は、アンダーフィル114〜116で充填されてもよい。
なお、本実施の形態と実施の形態1を適宜組み合わせることが可能である。また、実施の形態2に示すようなセンサ装置を有する無線チップに、電池141を設けてもよい。
電池141を有する無線チップは、自発的にリーダライタへ信号を送信することが可能である。
本発明の無線チップの用途は広範にわたるが、例えば、乗物類(自転車3901(図11(B)参照)、自動車等)、食品類、植物類、衣類、生活用品類(鞄3900(図11(A)参照)等)、電子機器、検査装置、花火玉(図11(G)参照)等の物品や、動物類、人体に、無線チップ20を設けて使用することができる。電子機器とは、液晶表示装置、EL(Electro Luminescence)表示装置、テレビジョン装置(単にテレビ、テレビ受像機、テレビジョン受像機とも呼ぶ)、携帯電話3902(図11(C)参照)、プリンター、カメラ、パーソナルコンピュータ、イヤホン付ゴーグル3903(図11(D)参照)、スピーカ装置3904(図11(E)参照)、ヘッドホン3905(図11(F)参照)、ナビゲーション装置、ETC(Electoronic Toll Collection:有料道路等の自動料金収受システム)用車載器、電子鍵等を指す。
本発明の無線チップ20を鞄3900、自転車3901等に設けることにより、GPSでこれらの所在を検出することが可能である。この結果、盗難された自転車を見つけ出すことが可能である。また、行方不明者の捜索が容易となる。
また、本発明の無線チップ20を携帯電話3902に実装することにより、情報の送受信及び通話が可能となる。
また、本発明の無線チップをイヤホン付ゴーグル3903、スピーカ装置3904やヘッドホン3905に実装することにより、オーディオ装置と当該電子機器をコードで接続することなしに、オーディオ装置で再生した音楽を楽しむことが可能である。また、イヤホン付ゴーグル3903に無線チップ20と共に、小型のハードディスク(記憶装置)を設けてもよい。また、無線チップ20に中央処理ユニットを有する場合、オーディオ装置で暗号化した音声信号を、イヤホン付ゴーグル3903、ヘッドホン3905やスピーカ装置3904で受信、復調、増幅することが可能であるため、秘匿性高く音声を聞くことが可能である。また、コードレスのため、イヤホン付ゴーグル3903やヘッドホン3905の装着が容易となり、スピーカ装置3904の設置が容易となる。なお、この場合、イヤホン付ゴーグルやヘッドホン、スピーカ装置は、バッテリーを設けることが好ましい。
また、本発明の無線チップ20を花火玉3906に設けることにより、花火玉の品質管理を行うことが可能である。具体的には、センサ装置を有する無線チップ20を、花火玉内部に充填された割薬や、花火玉の表面の玉皮に設けることにより、センサ装置で検知した花火玉の湿度、温度等の情報をリーダライタに送信することができる。この結果、花火玉の品質管理を行うこと共に、湿気った花火玉を打ち上げることを回避することが可能であり、不発玉の落下に伴う事故を防止することが可能である。
本発明の無線チップは、プリント基板に実装したり、表面に貼ったり、埋め込んだりして、物品に固定される。例えば、有機樹脂からなるパッケージなら当該有機樹脂に埋め込んだりして、各物品に固定される。また、食品類、植物類、衣類、生活用品類、電子機器等の物品や、動物類、人体に本発明の無線チップを設けることにより、検品システムや検査システム等のシステムの効率化を図ることができる。
次に、本発明の無線チップを実装した電子機器の一態様について図面を参照して説明する。ここで例示する電子機器は携帯電話機であり、筐体2700、2706、パネル2701、ハウジング2702、プリント配線基板2703、操作ボタン2704、バッテリー2705を有する(図12参照)。パネル2701はハウジング2702に脱着自在に組み込まれ、ハウジング2702はプリント配線基板2703に嵌着される。ハウジング2702はパネル2701が組み込まれる電子機器に合わせて、形状や寸法が適宜変更される。プリント配線基板2703には、パッケージングされた複数の半導体装置や本発明の無線チップ2710が実装されている。
パネル2701は、接続フィルム2708を介して、プリント配線基板2703と接続される。上記のパネル2701、ハウジング2702、プリント配線基板2703は、操作ボタン2704やバッテリー2705と共に、筐体2700、2706の内部に収納される。パネル2701が含む画素領域2709は、筐体2700に設けられた開口窓から視認できるように配置されている。
なお、筐体2700、2706は、携帯電話機の外観形状を一例として示したものであり、本実施例に係る電子機器は、その機能や用途に応じて様々な態様に変容しうる。
ここでは、携帯電話機のデータ復調変調回路に代表される高周波回路のブロック図について、図14を用いて説明する。
はじめにアンテナで受信した信号をベースバンドユニットへ送り出す工程を説明する。アンテナ301に入力された受信信号は、デュプレクサ302からローノイズアンプ(LNA)303に入力され、所定の信号に増幅される。ローノイズアンプ(LNA)303に入力された受信信号は、バンドバスフィルタ(BPF)304を経てミキサー305に入力される。このミキサー305には、混成回路306からのRF信号が入力され、RF信号成分がバンドバスフィルタ(BPF)307で除去され、復調される。ミキサー305から出力された受信信号は、SAWフィルター308を経てアンプ309で増幅されたのち、ミキサー310に入力される。ミキサー310には、局部発信回路311から所定の周波数の局部発信信号が入力され、所望の周波数に変換され、アンプ312で所定のレベルに増幅された後、ベースバンドユニット313に送り出す。なお、アンテナ301、デュプレクサ302、及びローパスフィルタ328をアンテナフロントエンドモジュール331と示す。
次に、ベースバンドユニットから送出された信号をアンテナで送信する工程について説明する。ベースバンドユニット313から送出された送信信号は、ミキサー321により混成回路306からのRF信号と混合される。この混成回路306には、電圧制御発信回路(VCO)322が接続されており、所定の周波数のRF信号が供給されるようになっている。
ミキサー321によりRF変調が行われた送信信号は、バンドパスフィルタ(BPF)323を経て、パワーアンプ(PA)324により増幅される。このパワーアンプ(PA)324の出力の一部は、カプラ325から取り出され、減衰器(APC)326で所定のレベルに調整された後、再びパワーアンプ(PA)324に入力され、パワーアンプ(PA)324の利得が一定になるように調整される。カプラ325から送出された送信信号は、逆流防止用のアイソレータ327、ローパスフィルタ(LPF)328、を経て、デュプレクサ302に入力され、これと接続されているアンテナ301から送信される。なお、減衰器(APC)326、パワーアンプ(PA)324、カプラ325、及びアイソレータ327をアイソレータパワーアンプモジュール332と示す。
本発明の無線チップは、上記復調変調回路に代表される高周波回路及びアンテナを有するため、部品の数を低減することが可能である。配線基板に実装される部品の数を低減することが可能であるため、配線基板の面積を縮小することが可能である。この結果、携帯電話を小型化することが可能である。
次に、検出した生体の機能データを無線で送信することが可能な検査装置の例について、図13を用いて説明する。図13(A)に示す検査装置3950は、保護層がコーティングされたカプセル3952内に本発明の無線チップ3951が設けられている。カプセル3952と無線チップ3951の間には、充填剤3953が満たされていてもよい。
図13(B)に示す検査装置3955は、保護層がコーティングされたカプセル3952内に本発明の無線チップ3951が設けられている。また、無線チップの電極3956がカプセル3952の外側に露出している。カプセル3952と無線チップ3951の間には、充填剤3953が満たされていてもよい。
検査装置3950、3955の無線チップ3951は、実施の形態2又は3に示すような、センサ装置を有する無線チップである。センサ装置において、物理量や化学量を測定して生体の機能データを検出する。また、なお、検出した結果を信号変換して、リーダライタへ送信することが可能である。物理量とは、圧力、光、音波等を検出する場合、図13(A)に示すような、電極がカプセル3952の外部に露出してない検査装置3950を用いることができる。また、温度、流量、磁気、加速度、湿度、ガス等の気体成分やイオン等の液体に含まれる成分等の化学物質等を検出する場合、図13(B)に示すような、電極3956がカプセル3952の外部に露出している検査装置3955を用いることが好ましい。
なお、検査装置が体内を撮像する装置である場合、検査装置にLED(Light Emitting Diode)、EL等の発光装置を設けてもよい。この結果、体内を撮像することが可能である。
カプセルの表面に設けられた保護層は、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、窒化珪素、酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素、又は窒化炭素を含んでいることが好ましい。カプセルや充填材は公知のものを適宜用いる。カプセルに保護層を設けることで、体内でカプセルや無線チップが溶解、変性することを防止することが可能である。
なお、検査装置から検出結果のデータをリーダライタに自発的に送信するためには、センサ装置に、実施の形態3で示すような電池を有する無線チップを用いてもよい。
次に、検査装置の使用方法について説明する。図13(C)に示すように、被験者3962が検査装置3950又は3955を嚥下し、体内腔3963を移動させる。無線チップのセンサ装置が検出した結果を、被験者の近傍に設置されたリーダライタ3961に送信する。リーダライタでは、この結果を受信する。この結果、無線チップを回収せずとも、その場で被験者の生体の機能データを検知することが可能である。また、体内腔及び消化器の様子を撮像することが可能である。
また、図13(D)に示すように、被験者3962の体内に検査装置3950又は3955を埋め込むことで、無線チップのセンサ装置が検出した結果を、被験者の近傍に設置されたリーダライタ3964に送信する。この場合、被験者の測定対象部に電極3956が接するように検査装置3955体内に埋め込む。リーダライタでは、この結果を受信する。この受信結果を、生体情報管理コンピュータで記録し、処理することで、被験者の生体情報を管理することが可能である。なお、リーダライタ3964をベッド3960に設けることで、身体機能が不全で、移動が困難な被験者の生体情報を常時検出することが可能であり、被験者の病状、健康状態管理することが可能である。
本実施例は上記実施の形態のいずれかと適宜組み合わせることが可能である。