JP4973436B2 - 放電加工装置 - Google Patents
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Description
すなわち、従来のワイヤ放電加工装置においては、NCプログラムまたは加工条件パラメータにより予め定められた加工条件に基づく所定幅の基準パルス信号を繰り返し供給することで、放電加工を行っている。
例えば、最小パルス幅が仮に100nsである場合、100ns単位のパルス幅しか制御できないため、仮に2倍のパルス幅200nsに変更すると、放電エネルギーはパルス幅100nsの4倍となり、100nsを基本とした場合の2倍、3倍といったきめ細かい放電エネルギーの供給を制御することができない。
しかしながら、高精度な加工を安定して行うためには放電エネルギーの調整を行い、加工速度、取り量を同等にすることが極めて重要である。
なお、特開平8−90342号公報には、積算パルス数から放電エネルギー量を算出し、演算結果に基づいて加工条件を変更するワイヤ放電加工機の技術が開示されているが、これは、加工形態によっては予め設定された放電エネルギーに達しない或いは超過した場合に、予め設定したNCプログラム或いはパラメータで設定された放電エネルギーとなるように制御するものである。
本発明の実施の形態を図1〜3を用いて説明する。
図1は、本実施の形態1に係るワイヤ放電加工装置の概略構成を示す図である。
図において、ワイヤ電極1は、所定のワイヤ駆動装置により走行し、所定間隙離間したワイヤ電極1と被加工物2間に供給された放電電流パルスに基づき放電が発生し、被加工物2が切断加工される。
ここで、被加工物2はテーブル4上に載置され、該テーブル4がX軸駆動モータ5a、Y軸駆動モータ5bに基づきXY軸方向に駆動され、所定の形状に切断加工される。
なお、テーブル4は、NCプログラム12に記載された加工プログラムに基づきNC制御装置10が軸駆動制御装置6に対して軸駆動指令を出力することにより駆動される。
そして、電圧検出回路9は加工間隙3における電圧波形により放電の発生を検出するとともに、電圧が加工間隙3に印加されてから放電が発生するまでの遅れ時間(以下、無負荷時間とする)を計測し、この結果を加工電源制御回路8に出力する。
平均電圧検出回路11は、加工中の平均電圧を検出するものであり、この検出された平均電圧に基づいて、NC制御装置10が駆動指令を軸駆動制御装置6に出力し、電極送り制御(軸移動速度)を増大させ、平均電圧が所定値以下の場合には電極送り速度(軸移動速度)を減少させるよう、制御が行われている。
NCプログラム12をNC制御装置10に読み込ませ、加工条件を設定する際に、ユーザは、本ワイヤ放電加工装置の加工条件入力画面において、予め設定された所定時間における放電回数である「電流パルス個数」、該電流パルス個数のうち基準パルスに対してパルス幅の変調を行うパルス個数である「変調パルス個数」、スイッチング回路の最小動作周波数に対応して、基準パルス幅信号の幅を変更する「変調パルス幅」、該電流パルス個数のうちいかほどの基準パルスを間引くかが規定された「間引きパルス個数」を入力設定する。
そして、これら入力は、NC制御装置10内部でパラメータ情報に変換され、加工電源制御回路8に転送される。
ここで、電圧検出回路9の放電発生の検出信号に同期し、放電電流を流すための基準パルス幅を制御すべくパルス列を加工電源7に供給し、スイッチング動作により初手インパルス幅分放電電流が流れるように制御される。
本実施の形態における基準パルス幅信号は、加工電源制御回路8の動作周波数に依存し、例えば、加工電源制御回路8におけるスイッチング回路が50nsで駆動する際、4つのパルス列により基準パルス幅信号(200ns)となるように予め設定される。
なお、基準パルス信号は、NCプログラム或いは加工条件パラメータに基づき所定の放電電流を流す時間が決定されるものであり、本実施の形態では、4つのパルス列として説明する。
そのため、ユーザにより、NC制御装置10に対して、例えば、放電電流パルス個数を「4」、変調パルス個数を「2」、変調パルス幅を「+100ns」、間引きパルス個数「0」と設定した際の動作について説明する。
図2において、所定の無負荷時間経過後に放電が発生した際の正常放電は、電圧波形21a〜21dに示されるとおりである。
ここで、本来の基準パルス信号は、4つのパルス列により200nsの放電電流が、所定時間に4回流れ加工が行われるのであるが、上述の設定がなされている場合には、変調パルス個数に設定されたパルス個数分、基準パルス信号を+100nsとなるようにパルス列が加工電源制御回路8より出力され、図2に示される如き波形となる。
具体的には、電圧波形21aにおける放電を電圧検出回路9が検出すると、4つのパルス列24aが加工電源7に出力され、200nsの基準パルス幅信号23aとなり、放電電流22aに基づき放電加工が行われる。
そして、電圧波形21bによる放電検出を検出すると、基準パルス幅信号に対して、100ns伸ばした変調パルス幅信号23bを供給すべく、100nsに相当する2つのパルス列が加えられた合計6つのパルス列24bが加工電源7に出力され、300nsの基準パルス幅信号23bとなり、放電電流22bに基づき放電加工が行われる。
なお、図2においては、間引きパルス個数が「0」であるため、放電を検出したとしても加工電流を流さない間引き制御は行われていない。
図3において、所定の無負荷時間経過後に放電が発生した際の正常放電は、電圧波形31a〜31hに示されるとおりである。
ここで、本来の基準パルス信号は、4つのパルス列により200nsの放電電流が、所定時間に8回流れ加工が行われるのであるが、上述の設定がなされている場合には、間引きパルス個数に設定されたパルス個数分、放電が検出されても加工電源からは放電電流が供給されず、加工が行われない図3に示される如き波形となる。
なお、説明に際しては、200nsの基準パルス信号に基づく加工エネルギーを、基準値1として説明する。
具体的には、図2において、従来の如き200nsの基準パルス信号を4回供給することで加工を行う場合には、基準値1×4パルスの合計「4」のエネルギーが供給され加工が行われる。
一方、2つの変調パルス個数に対して+100nsの変調を行った場合には、本願発明では、基準値1×2と、2.25×2との合計「7」のエネルギーを供給することができる。
なお、2つの変調パルス個数に対して、例えば、-100nsの変調を行った場合には、基準値1×2と、0.25×2との合計「2.5」のエネルギー供給となる。
なお、従来技術において、合計「7」のエネルギーを供給することは、1パルスあたり、「1.75」のエネルギーを4回供給しなければならず、加工電源制御回路の動作周波数に大きく左右され、現実的ではない。
また、「2.5」のエネルギー供給の場合には、1パルスあたり「0.625」のエネルギーを供給することとなり、このような様々な加工エネルギーを調整しつつ加工を行うことはできない。
また、加工位置の変化、フィーダ線の形態変化、加工装置全体での電気的の変化などによって、ユーザが変調パルス個数、変調パルス幅、間引きパルス個数を変更し、減少する加工エネルギーの変化に応じて調整できるため、加工の取り量、加工速度の調節ができ高精度な形状加工を行なえる。
また、最小単位の制御幅より小さな加工エネルギーを擬似的に投入できることになり、調整範囲を大きくでき、加工の取り量、加工速度の変化を増やすことができる。
そのときのフィードバック手段としては、図4のようにテーブル4と加工電源7の間に電流測定手段13を追加して、NC制御装置10にピーク電流値をフィードバックする。
なお、電流測定手段40としてはカレントトランス、電流計などを用いる。
Claims (4)
- 電極及び被加工物を相対移動させるための軸駆動指令を出力する軸駆動制御手段と、
この軸駆動制御手段からの軸駆動指令を受け、上記電極及び被加工物を相対移動させる軸駆動手段と、
上記NCプログラム或いは加工条件パラメータに基づき、上記電極及び被加工物との加工間隙に放電電流パルスを供給すべく加工電源を制御する加工電源制御手段と、
この加工電源制御手段からの駆動信号によって放電電流パルスを上記加工間隙に供給する加工電源と、
を備えた放電加工装置において、
上記加工電源制御手段は、所定時間における放電回数である電流パルス個数のうちパルス幅変調を行うパルス個数が規定される変調パルス個数、該パルス幅変調が行われる変調パルスでのパルス幅変調量を示す変調パルス幅を記憶し、該記憶された変調パルス個数及び変調パルス幅に応じて、上記NCプログラム或いは加工条件パラメータによって定められた上記加工電源への駆動信号を変調することを特徴とする放電加工装置。 - 加工位置や機械のバラツキによって変化するピーク電流値をフィードバックするピーク電流フィードバック手段を備え、
加工電源制御手段は、ピーク電流フィードバック手段ピーク電流値によってパルス幅を変調することを特徴とする放電加工装置。 - 加工電源制御手段は、所定の電流パルス個数のうち、基準パルスを間引く回数が規定された間引きパルス個数を記憶し、加工電源への駆動信号を変調することを特徴とする請求項1または2に記載の放電加工装置。
- 加工電源制御手段による駆動信号の変調は、全ての放電電流パルスの個数に応じて偏りが少なく平均化すべく、同じパターンが連続して発生するように変調を行うことを特徴とする請求項1乃至4何れかに記載の放電加工装置。
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