JPH10138048A - 放電加工方法 - Google Patents

放電加工方法

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JPH10138048A
JPH10138048A JP29093996A JP29093996A JPH10138048A JP H10138048 A JPH10138048 A JP H10138048A JP 29093996 A JP29093996 A JP 29093996A JP 29093996 A JP29093996 A JP 29093996A JP H10138048 A JPH10138048 A JP H10138048A
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久 山田
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 同一条件下での加工精度の再現性を向上さ
せ、さらには複数台の同一構成の装置での加工精度の再
現性を向上させること。 【解決手段】 電極1と被加工物2との間に形成される
加工間隙に電圧を印加するとともに、電極1と被加工物
2とを相対的に移動させつつ加工を行う放電加工におい
て、前記加工間隙が所定距離だけ離れた開放状態におい
て電極1と被加工物2との間の平均開放電圧値Vtを計
測する第1工程と、加工条件に応じて予め設定された所
定の基準電圧値Vbと平均開放電圧値Vtとによって補
正値を設定する第2工程と、加工工程で計測される電極
1と被加工物2との間の平均加工電圧値Vgを補正値K
により補正する第3工程と、補正値Kにより補正された
平均加工電圧値Vg’と所定の基準電圧値Vbとの偏差
に基づき電極1と被加工物2との相対移動速度を制御し
つつ加工を行う第4工程とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、形彫り放電加工
装置やワイヤ放電加工装置等で適用される放電加工方法
に関し、特に電極と被加工物との相対移動速度の制御を
行う放電加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9は、従来における放電加工装置を示
すものである。図において、1は電極、2は被加工物、
3は加工用電源、4は極間に供給する電圧・電流パルス
を制御する加工用電源制御部、5は加工電流を制限する
抵抗器、6は極間に並列に接続されたコンデンサ、7お
よび8は極間に並列に接続された抵抗器であり、9は抵
抗器7および8によって分圧された加工電圧をローパス
フィルタにより平均的な加工電圧変化を求める平均加工
電圧検出器である。また、10は平均加工電圧検出器9
の出力に基づいて電極1と被加工物2の相対移動の速度
(加工速度)を制御する加工速度制御部、11は加工速
度制御部10の指令値に基づいて電極1と被加工物2の
相対移動を行うための軸駆動制御を行う駆動制御装置で
ある。
【0003】つぎに、上述のような従来における放電加
工装置の動作について説明する。図9において、電極1
と被加工物2の間隙(以降、極間と呼ぶ)には、加工用
電源3により加工電流が供給され、両者の間に放電を発
生させることにより加工が進行する。その際、NC装置
(図示せず)に予め与えられたNCプログラムに基づい
て、加工速度制御部10の速度信号により駆動制御装置
11がサーボモータ(図示せず)を駆動し、電極1と被
加工物2の移動が行われ、加工が進行するものである。
加工中の移動速度は一般には、平均加工電圧が所定の目
標値と一致するよう、移動速度の制御が行われる。
【0004】図10は加工中の極間電圧波形を示してい
る。平均加工電圧検出器10において、極間電圧を分圧
して適当な電圧レンジに変換して入力すると、このパル
ス状電圧は平均化処理またはフィルタ処理により入力電
圧を平滑化する。加工速度制御部10では平均化された
極間電圧(平均加工電圧Vg)と基準電圧Vとの差Ve
(=Vg−V)を計算し、この誤差電圧Veを0とする
ように速度指令値を決定するフィードバック制御を行
い、この演算結果によるFを指令速度に変換することに
より、駆動制御装置11に信号が送られる。
【0005】上述のように電極1と被加工物2を相対的
に移動させる放電加工では、電極1と被加工物2の間隙
が狭くなると、電圧を印加してから放電が発生するまで
の時間(無負荷時間)Tdが短くなり、これに応じて平
均加工電圧Vgが低下し、基準電圧Vと平均加工電圧V
gとの差Veが小さい値となり、速度指令値Fが低下す
る。
【0006】速度指令値Fが低下すると、電極1と被加
工物2の間隙が広がることになり、無負荷時間Tdが長
くなるため逆に平均加工電圧Vgは上昇し、速度指令値
Fは大きくなる。このように平均加工電圧Vgを検出し
て速度指令値Fを制御することにより電極1と被加工物
2の間隙距離が一定に保持される。
【0007】上述のような極間平均電圧から速度指令値
を演算する場合、被加工物2の加工精度は、電極1と被
加工物2の間の平均加工電圧の検出値により左右され
る。実際に放電加工装置を構成した場合、電気条件に関
わる放電回路上に構成した抵抗器5およびコンデンサ6
等によるインピーダンス(以降、電気条件インピーダン
スと呼ぶ)以外に、給電ケーブルに存在する抵抗分、コ
ンデンサ分、インダクタンスおよび極間の浮遊容量等の
装置本体、電極、被加工物に関わるインピーダンス(以
降、変動インピーダンスと呼ぶ)が存在する、この変動
インピーダンスはも図9中、符号12、13により示さ
れている。
【0008】図10は放電中の加工電圧波形であり、V
oは電極1と被加工物2に印加する電圧値、Tdは無負
荷時間、OFFは電圧パルスの休止時間、Tiは電圧の
立ち上がり時間をそれぞれ示しており、電圧の立ち上が
り時間Tiは前述の電気条件インピーダンスと変動イン
ピーダンスの値によって決定される。
【0009】平均加工電圧は加工電圧の全時間平均値で
あるから、無負荷時間Tdが同一であっても、検出され
る平均加工電圧Vgは変動インピーダンスの影響を受け
ている加工電圧の立ち上がり時間Tiによって変動する
ことになる。
【0010】変動インピーダンスは、同一の装置でも電
極および被加工物の形状や大きさ毎に異なるばかりか、
同一構成の別の加工装置で同一内容の加工を行った場合
でも異なる場合がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来における放電加工
装置では、上述のように、変動インピーダンス成分を含
む加工電圧の平均電圧によって加工速度(移動速度)の
制御を行っているため、同一条件下の加工での加工精度
の再現性が悪く、さらには複数台の同一構成の装置での
加工精度の再現性が悪いと云う問題点があった。
【0012】このため、加工精度の再現性を改善するた
めには、電極および被加工物の形状や大きさごと、さら
には装置ごとに加工条件を変更する必要があり、試し加
工や加工ノウハウが必要であり、また、同一の加工条件
に対して再現よく高精度に加工を行うためには、加工前
に変動インピーダンス分を予め検出して加工速度変動分
を自動的に補正する必要がある。
【0013】この発明は、上述のような従来の問題点を
解決するためになされたもので、同一条件下での加工精
度の再現性を向上させ、さらには複数台の同一構成の装
置での加工精度の再現性を向上させる放電加工方法を得
ることを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、この発明による放電加工方法は、電極と被加工物
との間に形成される加工間隙に電圧を印加するととも
に、前記電極と前記被加工物とを相対的に移動させつつ
加工を行う放電加工方法において、前記加工間隙が所定
距離だけ離れた開放状態において前記電極と前記被加工
物との間の平均開放電圧値を計測する第1工程と、加工
条件に応じて予め設定された所定の基準電圧値と前記平
均開放電圧値とによって補正値を設定する第2工程と、
加工工程で計測される前記電極と前記被加工物との間の
平均加工電圧値を前記補正値により補正する第3工程
と、前記補正値により補正された平均加工電圧値と所定
の基準電圧値との偏差に基づき前記電極と前記被加工物
との相対移動速度を制御しつつ加工を行う第4工程と、
を含むものである。
【0015】この発明による放電加工方法では、第1工
程の計測によって変動インピーダンス分を含む平均開放
電圧値を予め検出し、第2工程でその平均開放電圧値と
加工条件に応じて予め設定された所定の基準電圧値とに
よって補正値、云うならば変動インピーダンス補償用の
補正値を設定し、第3工程では加工工程で計測される電
極と被加工物との間の平均加工電圧値を第2工程で設定
した補正値により補正し、第4工程で補正済みの平均加
工電圧値、即ち変動インピーダンスの成分をキャンセル
された平均加工電圧値と所定の基準電圧値との偏差に基
づき電極と被加工物との相対移動速度を制御する。
【0016】つぎの発明による放電加工方法は、前記第
1工程において予め加工条件ごとに平均開放電圧値を計
測してこれを記憶部に記憶し、前記第2工程において加
工条件に対応する平均開放電圧値を前記記憶部より読み
込み、この平均開放電圧値と加工条件に応じて予め設定
された所定の基準電圧値とによって補正値を設定するよ
うにしたものである。
【0017】この発明による放電加工方法では、第1工
程の平均開放電圧値の計測を予め加工条件ごとに行って
加工条件ごとの平均開放電圧値を記憶部に前もって記憶
しておき、加工時には加工条件に対応する平均開放電圧
値を記憶部より読み込んで、加工条件に対応する補正値
を設定する。これにより加工直前に第1工程を行う必要
がなくなる。
【0018】つぎの発明による放電加工方法は、前記第
1工程において予め加工条件ごとに平均開放電圧値を計
測し、この平均開放電圧値と加工条件に応じて予め設定
された所定の基準電圧値とによって補正値を各加工条件
毎に予め設定してこれを記憶部に記憶し、前記第3工程
での補正演算に際して加工条件に対応する補正値を前記
記憶部より読み込み、平均加工電圧値の補正を行うよう
にしたものである。
【0019】この発明による放電加工方法では、加工条
件ごとの補正値を予め設定してこれを記憶部に前もって
記憶しておき、加工時には加工条件に対応する補正値を
記憶部より読み込んで、加工条件に対応する補正値をも
って平均加工電圧値を補正する。これにより加工直前に
第1工程、第2工程を行う必要がなくなる。
【0020】つぎの発明による放電加工方法は、前記平
均開放電圧値あるいはを不揮発性の記憶部に記憶するよ
うにしたものである。
【0021】この発明による放電加工方法では、平均開
放電圧値あるいは補正値を不揮発性の記憶部に記憶する
ことが行われ、記憶部に記憶された平均開放電圧値ある
いは補正値のデータが再利用されるから、放電加工の度
に第1工程や第2工程を行う必要がなくなる。
【0022】つぎの発明による放電加工方法は、前記第
1工程では加工間隙に印加する電圧を所定のオン時間と
所定のオフ時間を一定周期で繰り返すパルス状電圧に切
り換えるようにしたものである。
【0023】この発明による放電加工方法では、第1工
程における平均開放電圧値の計測時には印加電圧がパル
ス状電圧に切り換えられ、直流方式の加工電源を使用す
るものでも変動インピーダンス分を含む平均開放電圧値
を検出できる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照してこの発
明に係る放電加工方法の実施の形態を詳細に説明する。
なお、以下に説明するこの発明の実施の形態において、
上述の従来例と同一構成の部分は、上述の従来例に付し
た符号と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0025】(実施の形態1)図1は、この発明による
放電加工方法の実施に使用される放電加工装置を示して
いる。この放電加工装置は、平均電圧補正部20と、記
憶部21とを有している。
【0026】平均電圧補正部20は、検査(計測)工程
では、電極1と被加工物2を放電の発生しない距離を保
った状態で平均加工電圧検出器9により計測された極間
の平均電圧値、即ち平均開放電圧値を取り込み、この平
均開放電圧値を記憶部21に格納する。
【0027】平均電圧補正部20は、加工工程では、記
憶部21に記憶されている基準電圧と平均開放電圧値と
に基づいて補正係数を決定し、加工工程で平均加工電圧
検出器9によって計測される電極1と被加工物2との間
の平均加工電圧値を補正係数により補正し、補正された
平均加工電圧値を加工速度制御部10へ出力する。
【0028】加工速度制御部10は、その補正済みの平
均加工電圧値と基準電圧との差を計算し、この誤差電圧
を0とするように速度指令値を決定する。
【0029】つぎに、図2に示されているフロー図を参
照して実施の形態1における放電加工方法の手順を説明
する。
【0030】まず、加工工程の前工程として検査工程を
行う。この検査工程では、電極1と被加工物2とを放電
の発生しない距離を保った状態(開放状態)にし、この
開放状態において極間に加工電圧(検査用開放電圧)を
印加する。
【0031】この際、加工用電源3を加工用電源制御部
4において電圧パルス発振方式のものに切り換え、図3
に示されているように、一定のオン時間T1に続いて一
定のオフ時間T2を周期的に繰り返すパルス状電圧を検
査用開放電圧として極間に印加する(ステップ1)。
【0032】平均加工電圧検出器9では、図4に示され
ているように、検査用開放電圧パルスのオン、オフを繰
り返す状態で、パルス状の極間電圧の分圧値を所定のカ
ットオフ周波数に設定されたローパスフィルタで平均処
理し、検査電圧信号(平均開放電圧値)Vtに変換、取
得する(ステップ2)。なお、カットオフ周波数は、こ
の開放状態で、電圧値が変動しない程度に設定するのが
よい。
【0033】このようにして、電圧パルスのオン、オフ
によって回路インピーダンスの影響により立ち上がり時
間Tiの変動分を含んだ電圧信号を得ることができ、そ
の結果、同一の開放電圧値Voを印加した場合であって
も、検査電圧Vtの値はインピーダンスが基準値より大
きい場合には値が小さく、逆にインピーダンスが基準値
より小さい場合には値が大きく出力されることになる。
この検査電圧Vtの値を一旦記憶部21に記憶し(ステ
ップ3)、検査工程を終了する。
【0034】つぎに、加工工程における手順について説
明する。記憶部21には図5に示すように基準電圧Vb
が加工条件毎に予め記憶されており、平均電圧補正部2
0では設定されている加工条件に応じた基準電圧Vbを
読み込み(ステップ4)、さらに検査電圧Vtとの比で
ある補正係数K=Vb/Vtを計算する(ステップ
5)。
【0035】加工用電源3により電圧パルスが印加され
て放電が発生すると、極間電圧波形は図10に示されて
いるようになるため、この加工工程下で平均加工電圧検
出器9により平均処理された電圧信号Vgも極間距離に
基づいて変動する。
【0036】この電圧信号Vgに、図4に示すように平
均電圧補正部20において補正係数Kを掛けることによ
って電圧信号Vgが電圧信号Vg’(=K・Vg)に変
換される(ステップ6)。
【0037】この補正により電圧信号Vg’は、放電が
全く発生しない開放状態および電極1と被加工物2が接
触した状態(短絡状態)で、常に基準値と同一電圧レン
ジに設定され、電圧信号Vg’が加工速度制御部10へ
出力される。
【0038】したがって、同一加工条件下で、回路イン
ピーダンスが何らかの影響で変動しても、放電の状態に
応じて常に同一のレベルで加工速度制御部10に出力す
ることができる。
【0039】加工速度制御部10では、上述のように補
正係数Kによって補正された平均電圧信号Vg’と基準
電圧Vbとの差Veを計算し、この誤差電圧Veを0と
するように速度指令値を決定して加工を行う(ステップ
7)。
【0040】これにより、変動インピーダンスの成分を
キャンセルされた平均加工電圧値と所定の基準電圧値と
の偏差に基づいて電極と被加工物との相対移動速度が制
御される。この結果、同一条件下での加工精度の再現性
が向上し、また複数台の同一構成の装置での加工精度の
再現性も向上する。
【0041】なお、加工状態を切り換りない限り、以上
のように加工を継続し、加工状態を切り換えた後に加工
を再開する場合には、前述の検査工程および加工工程を
繰り返す。
【0042】この実施の形態1の放電加工方法は、形彫
り放電加工装置、ワイヤ放電加工装置のどちらにも適用
することができる。
【0043】(実施の形態2)実施の形態1では、上述
のように、加工工程直前に検査工程を実施するようにし
たが、検査工程と加工工程を別に行なってもよい。
【0044】図6は、実施の形態2における放電加工方
法の手順を示している。実施の形態2では、検査工程に
おける加工条件の切り換え設定(ステップ10)、検査
用開放電圧の印加(ステップ11)、検査電圧読み取り
(ステップ12)、検査電圧の記憶(ステップ13)と
云った一連の工程を各加工条件毎に繰り返し行い、すべ
ての加工条件について検査電圧の記憶を完了すること
で、検査工程を終了するものである。
【0045】これにより、図7に示されているように、
各加工条件n毎に、基準電圧Vbと検査電圧Vtとが対
をなして記憶部21に格納される。
【0046】加工工程では、先ず、使用する加工条件番
号nを判別し(ステップ20)、加工条件番号nに応じ
た基準電圧Vbnを記憶部21より読み込み(ステップ
21)、さらに検査工程で記憶した加工条件番号nに応
じた検査電圧Vtnも記憶部21より読み込み、基準電
圧Vbと検査電圧Vtとから補正係数Kn(=Vbn/
Vtn)を計算し(ステップ22)、補正係数Knを平
均電圧補正部20にセットする(ステップ23)。
【0047】実施の形態1と同様に、平均電圧補正部2
0において電圧信号Vgを電圧信号Vg’(=Kn・V
g)に変換し、この電圧信号Vg’を基にしたサーボ送
りによって加工を行う(ステップ24)。
【0048】順次加工条件を切り換えて加工する場合に
は、加工毎に加工条件番号nを判別し(ステップ2
0)、同様な手順で加工を行う。
【0049】この実施の形態でも、変動インピーダンス
の成分をキャンセルされた平均加工電圧値と所定の基準
電圧値との偏差に基づいて電極と被加工物との相対移動
速度が制御され、このことにより同一条件下での加工精
度の再現性が向上し、また複数台の同一構成の装置での
加工精度の再現性も向上し、さらに複数の加工条件を使
用する場合にも、それぞれの加工条件で加工精度の再現
性が向上する。
【0050】上述の実施の形態では、加工工程において
補正係数Knを計算したが、検査工程において補正係数
Knを予め計算しておき、これを、図8に示されている
ように、検査電圧に代えて各加工条件毎に記憶するよう
にしてもよい。
【0051】さらにこれらの記憶データを、不揮発性R
AMや、フロッピーディスク等の外部記憶媒体に保持し
ておけば、一旦検査工程で同一加工内容で設定したデー
タテーブルを再利用でき、加工毎の検査を省略すること
ができる。
【0052】これは、記憶部21を不揮発性RAMや、
フロッピーディスク等の外部記憶媒体により構成するこ
とにより、実現することができる。
【0053】なお、上述の実施の形態では、加工用電源
3が直流電源を用いた例で説明したが、交流、あるいは
正極性と逆極性のパルスを発生させる両極性の電源を用
いた場合には、平均加工電圧検出器9に入力する電圧波
形を半波整流もしくは全波整流すれば、検査工程におけ
る検査用パルスへの切り換えが不要になり、同等な効果
が得られる。
【0054】
【発明の効果】以上の説明から理解される如く、この発
明による放電加工方法によれば、放電加工に先だって平
均開放電圧値を計測して変動インピーダンス補償用の補
正値を設定し、補正値によって変動インピーダンスの成
分をキャンセルされた平均加工電圧値と所定の基準電圧
値との偏差に基づき電極と被加工物との相対移動速度を
制御するから、変動インピーダンスの影響を受けること
がなくなり、このことによって同一条件下での加工精度
の再現性が向上し、また複数台の同一構成の装置での加
工精度の再現性も向上する。
【0055】つぎの発明による放電加工方法によれば、
平均開放電圧値の計測を予め加工条件ごとに行って加工
条件ごとの平均開放電圧値を記憶部に前もって記憶して
おき、加工時には加工条件に対応する平均開放電圧値を
記憶部より読み込んで、加工条件に対応する補正値を設
定するから、加工直前に平均開放電圧値を計測する必要
がなくなり、また複数の加工条件を使用する場合にもそ
れぞれの加工条件で加工精度の再現性が向上すると共
に、複数台の同一構成の装置での加工精度の再現性も向
上する。
【0056】つぎの発明による放電加工方法によれば、
加工条件ごとの補正値を予め設定してこれを記憶部に前
もって記憶しておき、加工時には加工条件に対応する補
正値を記憶部より読み込んで、加工条件に対応する補正
値をもって平均加工電圧値の補正をするから、加工直前
に平均開放電圧値を計測したり、補正値を計算する必要
がなくなり、また複数の加工条件を使用する場合にもそ
れぞれの加工条件で加工精度の再現性が向上すると共
に、複数台の同一構成の装置での加工精度の再現性も向
上する。
【0057】つぎの発明による放電加工方法によれば、
平均開放電圧値あるいは補正値を不揮発性の記憶部に記
憶することが行われ、記憶部に記憶された平均開放電圧
値あるいは補正値のデータが再利用されるから、放電加
工の度に平均開放電圧値を計算する必要がなくなる。
【0058】つぎの発明による放電加工方法によれば、
平均開放電圧値の計測時には印加電圧がパルス状電圧に
切り換えられるから、直流方式の加工電源を使用するも
のでも変動インピーダンス分を含む平均開放電圧値を検
出でき、この場合も、同一条件下での加工精度の再現
性、複数台の同一構成の装置での加工精度の再現性を向
上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による放電加工方法の実施に使用さ
れる放電加工装置を示すブロック線図である。
【図2】 この発明による放電加工方法の実施の形態1
を示すフロー図である。
【図3】 この発明による放電加工方法で使用される開
放電圧波形を示す波形図である。
【図4】 この発明による放電加工方法における平均電
圧補正部での処理手順を示すブロック線図である。
【図5】 実施の形態1における記憶部のデータ形式を
示す説明図である。
【図6】 この発明による放電加工方法の実施の形態2
を示すフロー図である。
【図7】 実施の形態2における記憶部のデータ形式を
示す説明図である。
【図8】 この発明による放電加工方法の他の実施の形
態における記憶部のデータ形式を示す説明図である。
【図9】 従来における放電加工装置の構成を示すブロ
ック線図である。
【図10】 放電加工時の電圧波形を示す波形図であ
る。
【符号の説明】
1 電極,2 被加工物,3 加工用電源,4 加工用
電源制御部,9 平均加工電圧検出器,10 加工速度
制御部,11 駆動制御装置,20 平均電圧補正部,
21 記憶部。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極と被加工物との間に形成される加工
    間隙に電圧を印加するとともに、前記電極と前記被加工
    物とを相対的に移動させつつ加工を行う放電加工方法に
    おいて、 前記加工間隙が所定距離だけ離れた開放状態において前
    記電極と前記被加工物との間の平均開放電圧値を計測す
    る第1工程と、 加工条件に応じて予め設定された所定の基準電圧値と前
    記平均開放電圧値とによって補正値を設定する第2工程
    と、 加工工程で計測される前記電極と前記被加工物との間の
    平均加工電圧値を前記補正値により補正する第3工程
    と、 前記補正値により補正された平均加工電圧値と所定の基
    準電圧値との偏差に基づき前記電極と前記被加工物との
    相対移動速度を制御しつつ加工を行う第4工程と、 を含むことを特徴とする放電加工方法。
  2. 【請求項2】 前記第1工程において予め加工条件ごと
    に平均開放電圧値を計測してこれを記憶部に記憶し、前
    記第2工程において加工条件に対応する平均開放電圧値
    を前記記憶部より読み込み、この平均開放電圧値と加工
    条件に応じて予め設定された所定の基準電圧値とによっ
    て補正値を設定することを特徴とする請求項1に記載の
    放電加工方法。
  3. 【請求項3】 前記第1工程において予め加工条件ごと
    に平均開放電圧値を計測し、この平均開放電圧値と加工
    条件に応じて予め設定された所定の基準電圧値とによっ
    て補正値を各加工条件毎に予め設定してこれを記憶部に
    記憶し、前記第3工程での補正演算に際して加工条件に
    対応する補正値を前記記憶部より読み込み、平均加工電
    圧値の補正を行うことを特徴とする請求項1に記載の放
    電加工方法。
  4. 【請求項4】 前記平均開放電圧値あるいは前記補正値
    を不揮発性の記憶部に記憶することを特徴とする請求項
    2または3に記載の放電加工方法。
  5. 【請求項5】 前記第1工程では加工間隙に印加する電
    圧を所定のオン時間と所定のオフ時間を一定周期で繰り
    返すパルス状電圧に切り換えることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれか一つに記載の放電加工方法。
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