JP4973084B2 - 体腔挿入用医療装置 - Google Patents

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Description

本発明は、経皮的経管的に体腔内に導入され、診断や治療などに使用される体腔挿入用医療装置に関し、特にループ構造を有する体腔挿入用医療装置に関する。
従来、血管などの脈管において狭窄あるいは閉塞が生じた場合、血管の狭窄部位あるいは閉塞部位を拡張して、血管末梢の血流を改善するために行う血管成形術(PTA:Percutaneous Transluminal Angioplasty、PTCA: Percutaneous Transluminal Coronary Angioplastyなど)は、多くの医療機関において多数の術例があり、この種の症例における手術としては一般的になっている。さらに、拡張した狭窄部の状態を保持するためのステントなども、近年多く用いられるようになってきた。
PTA、PTCAに用いられるバルーンカテーテルは、主に血管の狭窄部位あるいは閉塞部位を拡張するために、ガイドカテーテルとガイドワイヤーとのセットで使用される。このバルーンカテーテルを用いた血管成形術は、まずガイドカテーテルを大腿動脈から挿入して大動脈を経て冠状動脈の入口に先端を位置させた後、バルーンカテーテルを貫通させたガイドワイヤーを血管の狭窄部位あるいは閉塞部位を越えて前進させ、その後バルーンカテーテルをガイドワイヤーに沿って前進させ、バルーンを狭窄部位あるいは閉塞部位に位置させた状態で膨張させて、狭窄部位あるいは閉塞部位を拡張する手順で行い、そしてバルーンを収縮させて体外に除去するのである。このバルーンカテーテルは、血管の狭窄部位あるいは閉塞部位の治療だけに限定されず、血管内への挿入、並びに種々の体腔、管状組織への挿入を含む多くの医療的用途に有用である。
しかしながら、これらのPTAやPTCAの問題点として、血栓やプラークによる末梢塞栓や、高度な石灰化病変などにおける拡張不良や血管の解離などが挙げられている。末梢塞栓とは、バルーンカテーテルによる拡張で、病変部から血栓やプラーク(アテローマ)が下流側の末梢血管へ飛散し、その末梢血管を閉塞してしまう現象である。このように末梢血管を閉塞させてしまう場合は、閉塞部や狭窄部を拡張しても、末梢に血液が流れなくなってしまい、スローフローやノーリフローの状況に陥ってしまう。
このような末梢塞栓を防止するために、一時閉塞用バルーンカテーテルやフィルターデバイスといった医療装置が使用されている。これらの医療装置には、例えば特許文献1のようなフィルターデバイスがある。このようなフィルターデバイスは、先端に血栓等を捕捉するためのフィルター要素を有しており、そのフィルター要素は展開、収縮が可能である。このフィルター要素を病変部の末梢側で展開して血栓等を捕捉するが、血管などの体腔内で拡張するため、X線造影下で展開されていることが確認される必要がある。
しかし、現在のフィルターデバイスでは、X線造影下でフィルター要素の展開を確認できないものも多い。また、特許文献1のフィルターデバイスのように、フィルター要素の一部にX線不透過部分を有するものも存在するが、X線不透過部分が非常に小さく、フィルター要素のごく一部にしか存在しないため、満足な透視画を得ることができない。フィルターデバイスの機能を発揮するためには、フィルター要素は確実に展開され、血管などの体腔内壁に密着する必要があり、これまではこのフィルター要素の状態をX線透視下で満足に確認することができていない。
また、PTAやPTCAの別の問題である拡張不良や血管の解離を防ぐ手段として、通常のバルーンカテーテルのバルーン上に刃やワイヤーを装着したカテーテルが使用されることがある。これらの刃やワイヤーはバルーン上に直接固定されているものもあるが、特許文献2のように、刃やワイヤーがバルーンの遠位部及び近位部に接合されている構造の方が、カテーテルの柔軟性などの観点から有利である。しかし、特許文献2に開示されているカテーテルの刃やワイヤー、またはその刃やワイヤーを固定している固定部材はX線透視下で確認することができない。そのため、これらの部分のバルーン拡張時における状態、またはバルーン収縮後における状態が確認できず、バルーン拡張中や収縮後における異常な状態を検出することは不可能である。
また、特許文献3では、特許文献2と同様に、バルーンの遠位部及び近位部から伸びている部材により、刃がバルーン上に固定されているカテーテルが開示されている。本先行技術の刃付近にはX線不透マーカーを備えているが、このX線不透マーカーでは刃部分の状態を満足に確認することができず、バルーン拡張中や収縮後における異常な状態を検出することは不可能である。
これらのフィルターデバイスやバルーン上に刃やワイヤーを有するカテーテルの共通点として、カテーテルの中心となる軸に接合された、刃やワイヤーによって形成されるループ構造を有することが挙げられる。このようなループ構造を有する医療装置は、ループ構造を有さない医療装置と比較して、新しい機能を発現する、柔軟性などの医療装置の性能をより向上する、などといった効果がある反面、体腔内の突起物に対する引っかかりや他の医療装置に対する引っかかりといった不具合の発生の可能性、引っかかりが生じた後の危険度が上昇する、といったデメリットも存在する。そのため、ループ構造部分の拡張時、収縮時の挙動をX線透視下で確認できること、ループ構造部分の異常を検出できることが重要となってくる。特許文献1〜3の先行技術では、X線透視下でこれらのことを満足に確認できないという問題があった。
特開2004−305788号公報 特表2005−517474号公報 特表2006−87554号公報
これらの状況を鑑み、本発明が解決しようとする課題は、医療装置上に存在するループ構造部分の状態をX線透視下で確認することができ、ループ構造部分の異常を検出できることにより、安全に使用することが可能となる体腔挿入用医療装置を提供することにある。
本発明は、遠位端と近位端とを有する第一軸と、遠位部及び近位部にて前記第一軸に接合されることによって当該第一軸との間でループ構造を形成するとともに当該第一軸の半径方向に離れる方向に拡張可能な第二軸と、を有する体腔挿入用医療装置であって、前記第二軸の少なくとも一部に第二軸X線不透過部分が備えられていることを特徴とする体腔挿入用医療装置である。
これらの構造によれば、ループ構造部分の状態をX線透視下で確認することができ、ループ構造部分の異常を検出できることにより、体腔挿入用医療装置をより安全に使用することが可能となる。
また、前記第一軸の少なくとも一部に第一軸X線不透過部分が備えられていることが好ましく、前記第二軸X線不透過部分が、前記第二軸の全長にわたって存在することがさらに好ましい。これらの構造によれば、より明確にループ構造部分の状態をX線透視下で確認することが可能となる。
また、特定の解除部位で前記ループ構造が解除可能であることが好ましく、前記ループ構造が解除されたことがX線透視下で確認可能なように、前記第二軸X線不透過部分が、前記解除部位の遠位側と近位側とに存在することがさらに好ましい。これらの構造によれば、医療装置が体内から抜去不能となることがなく、確実に体内から抜去でき、より安全に治療を実施することが可能となる。
また、前記第二軸は、ブレードを備えており、前記第二軸X線不透過部分が、前記第二軸のブレードより遠位側に存在することが好ましい。この構造によれば、通常のバルーンカテーテルで拡張不良を引き起こす病変に対して効果的に拡張を実施することができ、さらに、安全に治療を実施することが可能となる。
また、前記X線不透過部分が、X線不透過物質を練りこんだ樹脂で構成されていることが好ましい。この構造によれば、医療装置の先端部をより柔軟に構成することが可能となり、医療装置を体腔内に挿入する際の抵抗が少なく、より安全に治療を実施することが可能となる。
また、前記第二軸X線不透過部分が、前記第二軸が前記第一軸の半径方向に離れる方向に拡張されるときに最も移動距離の長い部分を含むことが好ましい。この構造によれば、X線透視下において、より確実にループ構造部分の状態を確認することができ、より安全に治療を実施することが可能となる。
また、前記第二軸を前記第一軸の半径方向に離れる方向に拡張する拡張手段を備え、前記拡張手段の拡張時に、前記第二軸X線不透過部分の少なくとも一部がバルーン表面から離れて存在することが好ましい。この構造によれば、より確実にループ構造部分の状態を確認することができ、安全に治療を実施することが可能となる。
以上の如く、本発明の体腔挿入用医療装置は、第一軸と第二軸との間にループ構造を形成し、第二軸上にX線不透過部分を有することで、ループ構造部分の状態をX線透視下で確認することができ、ループ構造部分の異常を検出できることにより、体腔挿入用医療装置をより安全に使用することが可能となる。
以下に本発明に係る体腔挿入用医療装置について、実施形態に基づいて説明する。本発明は、遠位端と近位端とを有する第一軸と、遠位部及び近位部にて前記第一軸に接合されることによって当該第一軸との間でループ構造を形成するとともに当該第一軸の半径方向に離れる方向に拡張可能な第二軸と、を有する体腔挿入用医療装置であって、前記第二軸の少なくとも一部に第二軸X線不透過部分が備えられていることを特徴とする体腔挿入用医療装置を提供する。これらの構造によれば、ループ構造部分の状態をX線透視下で確認することができ、ループ構造部分の異常を検出できることにより、体腔挿入用医療装置をより安全に使用することが可能となる。
なお、第一軸とは、医療装置の概ね中心に存在する軸であり、第二軸の遠位部及び近位部と接合されている部分を含む軸のことである。例えば、第二軸を有するバルーンカテーテルの場合、バルーンを含むカテーテル本体全てが第一軸である。詳細については、後述する実施形態において説明する。また、ループ構造とは、遠位部と近位部を有する第二軸の一部が医療装置の第一軸から半径方向に離れており、その第二軸の一部の近位側及び遠位側で医療装置の第一軸と第二軸が接合されている、第一軸と第二軸で形成された閉じられた部分のことである。
以下で説明する各実施形態における第一軸と第二軸との接合は、当業者に周知の方法を用いることができ、例えば溶着または接着、溶接などが挙げられる。第一軸と第二軸とは、別種類の部材とする場合のほか、同一部材である両者を一体的に成形してもよい。
体腔挿入用医療装置の複数の実施形態として、以下、バルーンカテーテルを例示する。体腔挿入用医療装置の実施形態は、バルーンカテーテルに限らず、体腔へ挿入するその他の医療器具、例えばフィルターデバイスや温度センサー付きカテーテルなどであってもよい。
1.第1実施形態
(1)体腔挿入用医療装置
本発明に係る体腔挿入用医療装置の一実施様態(第1実施形態)の先端部を図1〜3に示す。医療装置101は、第一軸102、第二軸103、拡張手段としてのバルーン104、X線不透過部分105(105A、105B)、拡張ルーメン106、ガイドワイヤールーメン107を備えているカテーテルである。第一軸102は第二軸103を除いた、バルーン104、拡張ルーメン106、ガイドワイヤールーメン107を含むカテーテル本体のことである。第二軸は複数の用途に使用されるものであり、それらの用途は後述する。以下の各実施形態では、説明の便宜上、第二軸を1つのみ備える形態を例示するが、これに限らず、第二軸が2以上備える形態を採用してもよい。
図1〜図3はカテーテルの先端部であり、図1はバルーン104が拡張した状態、図2、図3はバルーン104が収縮した状態である。図2と図3では第二軸103の収縮状態が異なっている。図2と図3の状態の相違については、後述する第二実施形態の項目にて説明する。
本実施様態では、第一軸102と第二軸103が、遠位側接合部108及び近位側接合部109でそれぞれ接合されており、第一軸102と第二軸103により形成されるループ構造を有している。医療装置101はガイドワイヤールーメン107を有しているため、体腔内に先に挿入されたガイドワイヤーに沿って簡単に体腔内に挿入することが可能である。
(2)第二軸
医療装置101の第二軸103は、その用途によって種々の構成を有することが可能である。例えば、通常のバルーンカテーテルによって拡張不良の生じた病変で使用するための、拡張を補助するための機能を求める場合には、第二軸103は金属製のワイヤーであることが好ましい。そのワイヤーの形状は特に問わず、断面が円形である円柱状のワイヤーでもよいし、断面が三角形である三角柱形状のワイヤーでもよい。さらに、後述の実施様態に示されるように、第二軸103上にブレードを有していてもよい。ブレードは、ブレードに接合されている支持部分を有していてもよく、その場合ブレードと支持部分により第二軸が構成され、支持部分が第一軸と接合される。また、このように第二軸がブレードと支持部分で構成される場合、第二軸の全長にわたって支持部分が存在し、支持部分の表面にブレードが配置されていてもよいし、第二軸の中央付近はブレードのみで構成され、その両端に支持部分が存在していてもよい。
第二軸103に電流を流し、病変部を切断する機能を求める場合には、第二軸103はステンレス製またはタングステン製のワイヤーで構成されていることが好ましい。第二軸103を体腔の内壁に接触させることで体腔内の温度などを計測する機能を求める場合には、第二軸103に温度センサ-を有することが好ましい。また、第二軸103の少なくとも一部がゴムやバネのような弾性材料で構成されていることが好ましい。この構造により、バルーン104収縮時のバルーン104表面と第二軸103の間隔が狭くなり、体内へ挿入した医療装置101をより安全に体外へ引き戻すことが可能となる。この場合、弾性材料は第二軸103の遠位部にあってもよいし、近位部にあってもよい。また、第二軸103の全長が弾性材料により構成されていても構わない。求める機能によっては、第二軸103の少なくとも一部が樹脂により構成されていても構わない。
(3)X線不透過部分
医療装置101は第二軸103上に第二軸X線不透過部分105Bを有する。この構造により、ループ構造部分の状態をX線透視下で確認することが可能となり、ループ構造部分の異常を検出でき、医療装置101をより安全に使用することが可能となる。医療装置101はバルーン104を有するカテーテルであり、通常体内でバルーン104を拡張する際には造影剤を含む流体を拡張液として使用し、拡張ルーメン106を通じてバルーンに拡張液を注入する。そのため、第二軸103上に第二軸X線不透過部分105Bを有することでバルーン104と第二軸103との位置関係を確認することができ、ループ構造部分の状態をX線透視下で確認することが可能となる。
さらに医療装置101は第一軸102上に第一軸X線不透過部分105Aを有しており、この構造により、造影剤を含まない流体を拡張液としてバルーン104を拡張した際にも、第一軸102と第二軸103の位置関係をX線透視下で確認することが可能となる。造影剤を含まない流体の例としては、生理食塩水や炭酸ガスなどが挙げられ、造影剤を含む流体を拡張液として使用した場合よりも、バルーン104を収縮させる時間が短くなり、迅速に且つ安全に治療を実施することが可能となる。
図1を参照すると、第二軸X線不透過部分105Bはバルーン104の表面から離れた位置に存在している。このように、第二軸X線不透過部分105Bが、バルーン104を拡張した際にバルーン104表面から離れた位置に存在することが好ましい。前述したように、通常バルーンは造影剤を含む拡張液を使用して拡張させるため、バルーン104拡張時のバルーン104内部はX線不透過である。そのバルーン104に第二軸X線不透過部分105Bが接していると、バルーン104表面との見分けがつかず、ループ構造部分の状態を把握しにくくなる。よって、第二軸X線不透過部分105Bの少なくとも一部がバルーン104表面から離れた位置に存在することにより、より確実にループ構造部分の状態を確認することができ、安全に治療を実施することが可能となる。
バルーン104は通常、体腔内の内壁または病変部に押し付けられて拡張される。そのため、そのような状態になったときにでも、第二軸X線不透過部分105Bがバルーン104の表面から離れた位置に存在することがより好ましい。第二軸103の剛性を調節することでこのような状態を達成することが可能となる。
また、第二軸X線不透過部分105Bは、図1のように第二軸103がバルーン104により拡張された際に、第二軸103上で第一軸102から最も離れた部分を含んでいることが好ましい。特に、第一軸102上に第一軸X線不透過部材105Aを有する場合、第一軸X線不透過部材105Aと第二軸X線不透過部材105Bの距離が離れているほど、X線透視下で確実にループ構造部分の状態を確認することができ、より安全に治療を実施することが可能となる。さらに、第二軸103が収縮状態にある際に、第二軸X線不透過部分105Bは第一軸102にできるだけ近いことが好ましい(図3参照)。第二軸103の少なくとも一部を弾性材料により構成することで、このように第二軸103を第一軸102にできる限り近づけることが可能となることは前述の通りである。
また、第二軸103が第一軸102の半径方向に離れる方向に収縮状態から拡張状態に移行される際に、第二軸103上で最も移動距離の長い部分が、第二軸X線不透過部分105Bの少なくとも一部であることがさらに好ましい。これらの構造によると、X線透視下において、より確実にループ構造部分の状態を確認することができ、より安全に治療を実施することが可能となる。
2.第2実施形態
本発明に係る体腔挿入用医療装置の別の一実施様態(第2実施形態)の先端部を図4〜6に示す。医療装置201は図1〜3に示した医療装置101と同様に、第一軸202、第二軸203、拡張手段としてのバルーン204、X線不透過部分205(205A、205B)、拡張ルーメン206、ガイドワイヤールーメン207を備えているカテーテルである。第一軸202は第二軸203を除いた、バルーン204、拡張ルーメン206、ガイドワイヤールーメン207を含むカテーテル本体のことであり、第一軸202と第二軸203が、遠位側接合部208及び近位側接合部209でそれぞれ接合されている。
図4はバルーン204が拡張した状態、図5、図6はバルーン204が収縮した状態である。医療装置201は第二軸203上に第二軸X線不透過部分205Bを有し、第二軸X線不透過部分205Bは第二軸203の全長にわたって存在している。この構造により、図1〜3に示した医療装置101と比較して、X線透視下でループ構造部分の状態をより明確に確認することが可能となる。特にバルーン204を収縮した際には、バルーン204拡張時の病変の状態や性状によって、収縮状態が異なることが多い。
図2、3及び図5、6はそれぞれバルーン204を収縮した際の図であるが、第二軸203の収縮状態が異なっている。これらの状態をX線透視下で確認した場合、図2及び図3では第一軸X線不透過部分105A、第二軸X線不透過部分105Bが点として確認されるため、場合によっては図2または図3のいずれの状態であるかを見分けることができないことがある。なぜなら図2の状態に収縮された医療装置101を違う角度から透視すると、図3のような状態に見える場合があるからである。しかし、図5及び図6のように、第二軸X線不透過部分205Bが第二軸203の全長にわたって存在していることで、図5と図6の収縮状態の違いをX線透視下で確認することが可能となる。図2や図5のような収縮状態の場合、ループ構造部分の第一軸102、202と第二軸103、203の間に隙間が存在し、医療装置101、201を体内から抜去する際に、留置されたステントなどに引っかかる可能性がある。よって、このような拡張状態になっていることをX線透視下で確認することができれば、再度拡張収縮を繰り返すなどの操作により、安全な収縮状態へ移行させることもできる。そのため、より安全に医療装置を体内から引き抜くことができ、安全に治療を実施することが可能となる。
図1〜3に示す医療装置101と同様に、医療装置201の第二軸203はその用途によって種々の構成を有することが可能である。よって、第二軸X線不透過部分205Bを全長にわたって備える方法も、医療装置201の用途によって様々である。例えば第二軸203に白金コイルを使用しても構わないし、剛性が必要であれば、細い金属ワイヤーを素線として、その周りにX線不透過性の物質、例えば白金コイルやタングステン素線などを巻きつけることも可能である。必要であれば、金属ワイヤーの素線と白金コイルなどを当業者に周知の方法(接着、ろうづけなど)で接合することも可能である。医療装置によく使用されるステンレス鋼やNi−Ti合金などの金属は、X線透視下において全く見えないわけではないが、冠動脈のように拍動している血管や、X線造影装置の種類によっては見えないことが多く、一般的にはX線不透過性があるとは言えない。
3.第3実施形態
本発明に係る体腔挿入用医療装置の別の一実施様態(第3実施形態)の先端部を図7〜8に示す。医療装置301は図1〜3に示した医療装置101と同様に、第一軸302、第二軸303、拡張手段としてのバルーン304、X線不透過部分305(305A、305B)、拡張ルーメン306、ガイドワイヤールーメン307を備えているカテーテルである。第一軸302は第二軸303を除いた、バルーン304、拡張ルーメン306、ガイドワイヤールーメン307を含むカテーテル本体のことであり、第一軸302と第二軸303が、遠位側接合部308及び近位側接合部309でそれぞれ接合されている。図7はバルーン304が拡張した状態、図8はバルーン304が収縮した状態である。医療装置301は第二軸303上に第二軸X線不透過部分305Bを有し、第二軸X線不透過部分305Bは第二軸303の全長にわたって存在している。この構造により、図1〜3に示した医療装置101と比較して、X線透視下でループ構造部分の状態をより明確に確認することが可能となる。
また、医療装置301は第二軸303上にブレード310を備えており、通常のバルーンカテーテルによって拡張不良が生じた病変で使用し、拡張不良を解消する機能を有している。ブレード310はどのような材質で構成されていても構わないが、病変部への拡張効果、及び製造方法の容易さの観点からステンレス鋼で構成されていることが好ましい。ブレードの枚数、位置、長さ等も特に限定されず、病変部の拡張性の観点からブレードは複数存在することが好ましく、3枚以上のブレードが半径方向に均等に配置されていることがさらに好ましい。
また、第二軸X線不透過部分305Bの構成は特に限定されないが、少なくともその一部がX線不透過物質を練りこんだ樹脂で構成されていることが好ましい。この構造により、医療装置301の先端部をより柔軟に構成することが可能となり、医療装置301を体腔内に挿入する際の抵抗が少なく、より安全に治療を実施することが可能となる。樹脂に練りこむX線不透過物質は特に限定されず、バリウム、ビスマス等の金属元素を含む化合物、金や白金等の貴金属元素を含む化合物が好適に使用されるが、製造方法の容易さの観点からバリウム、ビスマス等の金属元素を含む化合物を使用することが好ましい。好適な化合物の例として、硫酸バリウム、次炭酸ビスマスなどが挙げられる。
さらに、第二軸303のブレード310以外の部分の少なくとも一部が、弾性材料で構成されていることが好ましい。この構造により、バルーン304収縮時のバルーン304表面と第二軸303の間隔が狭くなり、体内へ挿入した医療装置301をより安全に体外へ抜去することが可能となる。第二軸303上のブレード310とその他の部分との接合方法は特に限定されず、当業者に周知の方法(溶着、接着など)により接合される。また、ブレード310近傍に接合された第二軸X線不透過部分305Bは、ブレード310が病変部に深く入り過ぎないように、または、医療装置301を体腔内で移動させる際に正常な内壁を傷つけないように、保護材としての役割を有していてもよい。この場合、ブレード310近傍に接合された第二軸X線不透過部分305Bは軟らかい樹脂のシートから作製されることが好ましく、さらに好ましくはショア硬度が35D以下の樹脂から作製される。
4.第4実施形態
本発明に係る体腔挿入用医療装置の別の一実施様態(第4実施形態)の先端部を図9〜10に示す。医療装置401は図1〜3に示した医療装置101と同様に、第一軸402、第二軸403、拡張手段としてのバルーン404、X線不透過部分405(405A、405B)、拡張ルーメン406、ガイドワイヤールーメン407を備えているカテーテルである。第一軸402は第二軸403を除いた、バルーン404、拡張ルーメン406、ガイドワイヤールーメン407を含むカテーテル本体のことであり、第一軸402と第二軸403が、遠位側接合部408及び近位側接合部409でそれぞれ接合されている。本発明に係る医療装置のようにループ構造を有するものについては、体内でループ構造部分にステント等が引っかかると抜去不能といった事態に陥る可能性がある。このような状態で無理に医療装置に力を加えると、体内に留置されたステントを破壊する、医療装置が破断して先端部分が体内に残留してしまう、という可能性もある。
ループ構造部分に他の装置が引っかかることを避けるために、好適な実施形態では、医療装置401のように第二軸403上に特定のループ構造解除部位411を備えることを一つの特徴としている。
ループ構造の「解除」とは、第一軸と第二軸で形成された閉じられた部分が、第一軸上、または第二軸上の特定の解除部位で開かれることである。また、ループ構造の「解除」は、第一軸および/または第二軸が分離する概念を含み、一方または両者が切断によって分離する場合のほか、着脱可能な解除部位が分離する場合もこの「解除」の概念に含まれる。好適な実施形態では、第一軸および/または第二軸を引っ張る力が、医療装置本体が破断する力よりも小さく、ループ構造部分に引っかかりが生じていない、通常の使用時にかかる力よりも大きい力の時に「解除」される。
この構造により、もしループ構造部分にステント等が引っかかった場合にも、ループ構造解除部位411でループ構造が解除されるため、ステント等の引っ掛かりを解除することが可能となる。このことにより、医療装置401が体内から抜去不能となることがなく、より安全に治療を実施することが可能となる。また、医療装置が非常に蛇行した体腔や非常に細い体腔に挿入された場合、体内へ挿入した医療装置を操作する際に大きな抵抗を示すことがある。この場合、ループ構造部分に引っかかりが生じても、術者が気づかない可能性があるため、ループ構造が解除されたことがX線透視下で確認可能であることが好ましい。X線透視下で確認する方法は特に限定しないが、第二軸403のループ構造解除部位411の遠位側と近位側にそれぞれ第二軸X線不透過部分405Bが存在することが好ましい(図10参照)。さらに、ループ構造が解除される前は、遠位側と近位側のそれぞれの第二軸X線不透過部分405Bは隣接していることがより好ましい。言い換えると、第二軸X線不透過部分は、ループ構造の解除にともなって当該解除部位において2つに分離することが好ましい。この構造により、ループ構造が解除された際に、第二軸X線不透過部分405BがX線透視下で2つに分離し、より確実にループ構造が解除されたことが確認できる。また、非常に細い体腔内に医療装置が挿入された場合、ループ構造が解除されて生じる第二軸の変化が微小であり、X線透視下でループ構造が解除されたことを確認しにくい場合がある。そのため、ループ構造が解除された後、第二軸X線不透過部分の少なくとも一部が、医療装置の軸方向に移動することがさらに好ましい。この構造により、分離した第二軸X線不透過部分405B間の間隔が広がり、より確実にループ構造が解除されたことがX線透視下で確認できる。第二軸X線不透過部分405Bを移動させる方法は特に限定されない。例えば、第二軸403の少なくとも一部に弾性材料を使用し、その弾性材料が医療装置401の軸方向に常に引き伸ばされた状態とすることで、ループ構造が解除された際に、弾性材料が引き伸ばされる元の状態に戻り、分離した第二軸X線不透過部分405B間の間隔を広げることが可能となる。
医療装置401のループ構造が解除され体内から安全に抜去することを考えると、ループ構造解除部位411は、第二軸403の遠位側(または、医療装置401を体腔から抜き取る方向の後方側)であることが好ましい。また、ループ構造解除部位411の作製方法は特に限定されない。例えば、ループ構造解除部位411近傍の第二軸403における断面積を小さくしておいても構わないし、異なる材料の接合点をループ構造解除部位411として使用しても構わない。また、応力が集中しやすいように、第二軸403の断面積を急激に変化させてもよい。
5.第5実施形態
本発明に係る体腔挿入用医療装置の別の一実施様態(第5実施形態)の先端部を図11〜13に示す。医療装置501は図7〜8に示した医療装置301と同様に、第一軸502、第二軸503、拡張手段としてのバルーン504、X線不透過部分505(505A、505B)、拡張ルーメン506、ガイドワイヤールーメン507、ブレード510を備えているカテーテルである。第一軸502は第二軸503を除いた、バルーン504、拡張ルーメン506、ガイドワイヤールーメン507を含むカテーテル本体のことであり、第一軸502と第二軸503が、遠位側接合部508及び近位側接合部509でそれぞれ接合されている。図11はバルーン504が拡張した状態、図12及び図13はバルーン504が収縮した状態である。
図13に示すように、医療装置501は、第一軸502と第二軸503の遠位側接合部508に、ループ構造が解除されるループ構造解除部位511を有する構造となっている。体内でループ構造部分に引っかかりが生じた場合、このようにループ構造が特定のループ構造解除部位511で解除されることが好ましいことは前述したとおりである。さらに、ループ構造解除部位511が第一軸502と第二軸503の遠位側接合部508であることがより好ましい。この構造により、ループ構造が解除されて医療装置501を体内から抜去する際に、第二軸503が何かに引っかかることなく安全に抜去することが可能となる。バルーン504を拡張後収縮した際に、ループ構造部分で引っかかりが発生する可能性を低減するために、第二軸503の少なくとも一部に弾性材料を使用することが好ましいことは前述したとおりである。医療装置501のループ構造が解除され、体内から安全に抜去することを考えると、ブレード510の遠位側(または、医療装置501を体腔から抜き取る方向の後方側)に弾性材料を使用することがより好ましい。ブレード510の近位側により硬い樹脂や金属を使用することで、ループ構造が解除された後、第二軸503上の他の部分が切断され、第二軸503の一部またはブレード510が体内に残留することを防止することが可能となる。
医療装置501は、第一軸502と第二軸503の遠位側接合部508の第一軸502上にも第一軸X線不透過部分505Aを有しており、この構造により、遠位側接合部508でループ構造が解除されたことを、より確実にX線透視下で確認することが可能となる。
また、第二軸503の一部に弾性材料を使用している場合、ループ構造部分に引っかかりが生じても、弾性材料が抵抗無く伸びると術者が引っかかりに気が付かない可能性がある。この場合、第二軸X線不透過部分505Bが、弾性材料を使用している部分の少なくとも一部であることが好ましく、弾性材料の全長にわたって存在することがより好ましい。これらの構造により、術者の手元で引っかかりを確認できなくても、X線透視下でループ構造部分の引っかかりを確認することができ、より安全に治療を実施することが可能となる。
6.第6実施形態
これまで第二軸を拡張する手段としてのバルーンを有するカテーテルについて説明してきたが、本発明に係る医療装置における拡張手段はこれに限定されるものではない。本発明に係る体腔挿入用医療装置の別の一実施様態(第6実施形態)の先端部を図14〜16に示す。医療装置601は、第一軸602、第二軸603、X線不透過部分605(605A、605B)、センサー部分612を有している。図14はループ構造部分が拡張した状態、図15及び図16はループ構造部分が収縮した状態であり、第一軸602と第二軸603が、遠位側接合部608及び近位側接合部609でそれぞれ接合されている。医療装置601のループ構造部分の拡張手段及び収縮手段は特に限定されない。例えば、図14及び図15に示すように、第一軸602と第二軸603の近位側接合部分609が医療装置601本体に対して相対的に移動可能となっていることで、近位側接合部609を移動させてループ構造部分を拡張、収縮する手段を有していてもよい。近位側接合部609を移動させる手段は特に問わないが、例えば近位側接合部609に接合された移動要素613が医療装置601の手元端まで伸びており、その移動要素613を術者が操作することでループ構造部分の拡張、収縮することができる構造となっていてもよい。移動要素613は、例えば医療装置601本体の外側に被せられ、医療装置601本体に対して相対的に移動可能なチューブから構成されることが可能である。このチューブの遠位端は近位側接合部609と接合され、近位端は医療装置601の手元端まで伸びていることで、ループ構造を拡張、収縮させることが可能となる。移動要素613の別の例としては、近位側接合部609と接合された金属ワイヤーを使用することも可能である。この金属ワイヤーは、医療装置601本体の外側、または内側を通って手元端まで伸びていることで、ループ構造を拡張、収縮させることが可能となる。
また、第二軸603が超弾性金属、または形状記憶金属からなり、ループ構造部分が拡張した状態に形状付けされていてもよい。この場合、図16に示すように、医療装置601を体内に挿入する際、及び医療装置601を体内から抜去する際に、シース614を被せてループ構造部分を収縮状態にすることも可能である。これらの拡張手段を有する医療装置601の第二軸603には、図14〜16に示すように、体腔内の温度や圧力を計測するセンサー部分612を有していてもよいし、血栓を捕捉するためのフィルター(図示せず)を有していてもよい。センサー部分612およびフィルターは、当業者に周知の部材を採用すればよい。
医療装置601に備えられたこれらの機能を発現するためには、ループ構造部分の拡張状態をX線透視下で確認できることが好ましい。第二軸603が超弾性金属などで形成されている場合には、第二軸603に白金コイルを巻きつける、X線不透過物質を練りこんだ樹脂で覆うなどの方法により、第二軸X線不透過部分605Bを形成することが可能である。
7.第7実施形態
本発明に係る体腔挿入用医療装置の別の一実施様態(第7実施形態)の先端部を図17〜19に示す。医療装置701は、第一軸702、第二軸703、X線不透過部分705(705A、705B)、センサー部分712、移動要素713を有している。図17はループ構造部分が拡張した状態、図18及び図19はループ構造部分が収縮した状態であり、第一軸702と第二軸703が、遠位側接合部708及び近位側接合部709でそれぞれ接合されている。また、第二軸703の近位側部分に超弾性金属などを使用し、遠位側部分、特に第一軸702との遠位側接合部708に、X線不透過物質を練りこんだ弾性材料の樹脂を使用して第二軸X線不透過部分705Bを形成することで、ループ構造部分のX線透視下における視認性、及び医療装置701の先端部における柔軟性を向上させることが可能となる。さらに、図19に示すように、ループ構造部分にステント等が引っかかった際に、ループ構造解除部位711を第二軸703の遠位側に存在する樹脂部分に有することにより、より安全に治療を実施することが可能となる。このループ構造解除部位711は、医療装置を体内から抜去する際の安全性の観点から、第一軸702と第二軸703の遠位側接合部708付近であることが好ましいことは前述のとおりである。
以下に本発明に係る医療装置について、バルーンを有するカテーテルの先端部を使用した実施例と比較例について詳説するが、以下の実施例は本発明を何ら限定するものではない。
実施例1では、第二軸のごく一部に金属製の第二軸X線不透過部分を有する。実施例2では、第二軸の遠位側支持部分の全長に金属製の第二軸X線不透過部分を有する。実施例3では、第二軸の遠位側支持部分の全長に樹脂製の第二軸X線不透過部分を有する。実施例4では、第二軸の全長に樹脂製の第二軸X線不透過部分を有する。比較例1では、第二軸X線不透過部分を有さない。
(実施例1)
SUS440製で、厚さが0.1mm、高さが0.3mm、長さが10mmのブレードを使用した。ブレードの両端の支持部分として、遠位側支持部分は内径0.30mm、外径0.55mmのポリアミドエラストマー製チューブ(ショア硬度40D)を、近位側支持部分は内径0.30mm、外径0.55mmのポリアミドエラストマー製チューブ(ショア硬度72D)を使用した。ブレードの両端1mmずつをそれぞれの支持部分に差し込み、接着剤で固定して、ブレードと各支持部分からなるブレード構造体(「第二軸」の概念に含まれる)を作製した。
遠位側支持部分のブレードとの接着部分に、長さ1mm、内径0.60mm、外径0.65mmの白金リング(「第二軸X線不透過部分」の概念に含まれる)を被せて接着剤で固定した。
バルーンは直管部の長手方向長さが12mm、拡張時の外径が3.0mm、近位側のスリーブ内径が0.90mm、遠位側のスリーブ内径が0.60mmであるポリアミドエラストマー製のバルーン(「拡張手段」の概念に含まれる)を使用した(ショア硬度72D)。アウターチューブは内径0.71mm、外径0.88mm、長さ400mmであるポリアミドエラストマー製チューブ(ショア硬度72D)を、インナーチューブは内径0.43mm、外径0.56mm、長さ435mmであるポリアミドエラストマー製チューブ(ショア硬度72D)を使用した。アウターチューブの遠位端とバルーンの近位側スリーブを、インナーチューブの遠位端と拡張体の遠位側スリーブをそれぞれ熱溶着により接合して、バルーン、アウターチューブ、インナーチューブからなるカテーテル本体(「第一軸」の概念に含まれる)を作製した。
ブレード構造体の遠位側支持部分遠位端をバルーンの遠位側スリーブに、近位側支持部分近位端をバルーンの近位側スリーブに、それぞれ熱溶着により接合した。アウターチューブの近位端とインナーチューブの近位端を、それぞれポリカーボネート製のハブに接着して、ブレード構造体とカテーテル本体によるループ構造を有するバルーンカテーテルを作製した。
(実施例2)
ブレードの遠位側支持部分を白金リングによって0.5mm間隔で全て覆う形で接着する以外は、実施例1と同様の方法で、ブレード構造体とカテーテル本体によるループ構造を有するバルーンカテーテルを作製した。
(実施例3)
遠位側支持部分に使用するチューブを、X線不透過物質である硫酸バリウムを40重量%含んだポリアミドエラストマー製チューブ(ショア硬度40D)とする以外は、実施例1と同様の方法で、ブレード構造体とカテーテル本体によるループ構造を有するバルーンカテーテルを作製した。
(実施例4)
ブレードの遠位側支持部分、近位側支持部分に使用するチューブを、それぞれ、X線不透過物質である硫酸バリウムを40重量%含んだポリアミドエラストマー製チューブ(ショア硬度72D、40D)とした。また、厚さ0.30mm、高さ0.15mm、長さ8mmの、X線不透過物質である硫酸バリウムを40重量%含んだポリアミドエラストマー製シート(ショア硬度40D)をブレードの両側に接着した。その他は実施例1と同様の方法で、ブレード構造体とカテーテル本体によるループ構造を有するバルーンカテーテルを作製した。
(比較例1)
遠位側支持部分のブレードとの接着部分の白金リング(「第二軸X線不透過部分」の概念に含まれる)を使用しないこと以外は、実施例1と同様の方法で、ブレード構造体とカテーテル本体によるループ構造を有するバルーンカテーテルを作製した。
(評価)
仔ブタの腸骨動脈を使用し、X線透視下におけるループ構造部分の視認性について評価した。仔ブタの腸骨動脈に挿入したガイドワイヤーに沿わせて、実施例1〜4、比較例1のループ構造を有するバルーンカテーテルを挿入し、X線造影装置(OEC Series 9600、OEC MEDICAL SYSTEMS社)を使用して、仔ブタ体内におけるループ構造の状態の確認度合を評価した。
腸骨動脈内までカテーテルのバルーン部分を挿入し、カテーテルのハブに造影剤(イオパミロン350)50%生理食塩水の入ったインデフレーターを接続して、バルーンの拡張収縮を3回繰返した。このときのループ構造の状態の確認度合を、よく確認できる方から順番に◎、○、△、×の4段階で評価し、通常拡張時の視認性を評価した。
その後、バルーンカテーテルを仔ブタ体内から引き抜き、ブレード構造体(第二軸)とカテーテル本体(第一軸)との遠位側接合部分付近で故意に切断し、再度仔ブタの腸骨動脈に挿入した。バルーンの拡張収縮を3回繰返し、このときのループ構造の状態の確認度合を、よく確認できる方から順番に◎、○、△、×の4段階で評価し、ループ構造解除時の視認性を評価した。評価結果を表1に示す。
表1:視認性評価
Figure 0004973084

これ以降は便宜上、カテーテル本体を「第一軸」、ブレード構造体を「第二軸」と表記する。
実施例1については、通常拡張時には、バルーンの拡張に伴ってループ構造部分が拡張されていることが確認できた。しかし、ループ構造解除時には、第二軸の白金リング付近の挙動に変化は見られず、ループ構造が解除されたことを確認することはできなかった。
実施例2については、遠位側支持部分の視認性は非常に良好であったが、通常拡張時にはループ構造部分の近位側の挙動が確認できないため、完全にループ構造の状態を確認できるとは言えなかった。ただし、ループ構造解除時には、遠位側支持部分の挙動が変化したことが明確に確認できた。
実施例3については、通常拡張時にはループ構造部分の近位側の挙動が確認できず、実施例2と比較しても、遠位側支持部分の視認性が若干劣る結果であった。しかし、ループ構造解除時には、第二軸の第一軸との遠位側接合部付近がX線透視下で確認できるため、その挙動が変化したことが確認できた。
実施例4については、第二軸の全長にわたってX線透視下で状態を確認することができ、通常拡張時にもループ構造の状態が明確に確認できた。ループ構造解除時には、実施例3と同様に遠位側支持部分の挙動が変化したことが確認できたが、遠位側支持部分のみの視認性については実施例2と比較して若干劣る結果となった。
比較例1については、通常拡張時、ループ構造解除時のどちらの状態においても、ループ構造部分はX線透視下で全く確認することができなかった。
図1は、本発明に係る医療装置の第1実施様態の拡張状態における側面図である。 図2は、第1実施様態の収縮状態における側面図である。 図3は、第1実施様態の収縮状態における側面図である。 図4は、第2実施様態の拡張状態における側面図である。 図5は、第2実施様態の収縮状態における側面図である。 図6は、第2実施様態の収縮状態における側面図である。 図7は、第3実施様態の拡張状態における側面図である。 図8は、第3実施様態の収縮状態における側面図である。 図9は、第4実施様態の収縮状態における側面図である。 図10は、第4実施様態のループ構造解除状態における側面図である。 図11は、第5実施様態の拡張状態における側面図である。 図12は、第5実施様態の収縮状態における側面図である。 図13は、第5実施様態のループ構造解除状態における側面図である。 図14は、第6実施様態の拡張状態における側面図である。 図15は、第6実施様態の収縮状態における側面図である。 図16は、第6実施様態の収縮状態における側面図である。 図17は、第7実施様態の拡張状態における側面図である。 図18は、第7実施様態の収縮状態における側面図である。 図19は、第7実施様態のループ構造解除状態における側面図である。
符号の説明
101 医療装置
102 第一軸
103 第二軸
104 バルーン
105 X線不透過部分
105A 第一軸X線不透過部分
105B 第二軸X線不透過部分
106 拡張ルーメン
107 ガイドワイヤールーメン
108 遠位側接合部
109 近位側接合部
201 医療装置
202 第一軸
203 第二軸
204 バルーン
205 X線不透過部分
205A 第一軸X線不透過部分
205B 第二軸X線不透過部分
206 拡張ルーメン
207 ガイドワイヤールーメン
208 遠位側接合部
209 近位側接合部
301 医療装置
302 第一軸
303 第二軸
304 バルーン
305 X線不透過部分
305A 第一軸X線不透過部分
305B 第二軸X線不透過部分
306 拡張ルーメン
307 ガイドワイヤールーメン
308 遠位側接合部
309 近位側接合部
310 ブレード
401 医療装置
402 第一軸
403 第二軸
404 バルーン
405 X線不透過部分
405A 第一軸X線不透過部分
405B 第二軸X線不透過部分
406 拡張ルーメン
407 ガイドワイヤールーメン
408 遠位側接合部
409 近位側接合部
411 ループ構造解除部位
501 医療装置
502 第一軸
503 第二軸
504 バルーン
505 X線不透過部分
505A 第一軸X線不透過部分
505B 第二軸X線不透過部分
506 拡張ルーメン
507 ガイドワイヤールーメン
508 遠位側接合部
509 近位側接合部
510 ブレード
511 ループ構造解除部位
601 医療装置
602 第一軸
603 第二軸
605 X線不透過部分
605A 第一軸X線不透過部分
605B 第二軸X線不透過部分
608 遠位側接合部
609 近位側接合部
612 センサー部分
613 移動要素
614 シース
701 医療装置
702 第一軸
703 第二軸
705 X線不透過部分
705A 第一軸X線不透過部分
705B 第二軸X線不透過部分
708 遠位側接合部
709 近位側接合部
711 ループ構造解除部位
712 センサー部分
713 移動要素

Claims (8)

  1. 遠位端と近位端とを有する第一軸と、遠位部及び近位部にて前記第一軸に接合されることによって当該第一軸との間でループ構造を形成するとともに当該第一軸の半径方向に離れる方向に拡張可能な第二軸と、を有する体腔挿入用医療装置であって、
    前記第二軸の少なくとも一部に第二軸X線不透過部分が備えられており、
    前記第二軸X線不透過部分が、前記第二軸の全長にわたって存在することを特徴とする体腔挿入用医療装置。
  2. 遠位端と近位端とを有する第一軸と、遠位部及び近位部にて前記第一軸に接合されることによって当該第一軸との間でループ構造を形成するとともに当該第一軸の半径方向に離れる方向に拡張可能な第二軸と、を有する体腔挿入用医療装置であって、
    前記第二軸の少なくとも一部に第二軸X線不透過部分が備えられており、
    特定の解除部位で前記ループ構造が解除可能であることを特徴とする体腔挿入用医療装置。
  3. 請求項1または2の体腔挿入用医療装置であって、さらに、
    前記第一軸の少なくとも一部に第一軸X線不透過部分が備えられていることを特徴とする体腔挿入用医療装置。
  4. 請求項2または3の体腔挿入用医療装置において、
    前記ループ構造が解除されたことがX線透視下で確認可能なように、前記第二軸X線不透過部分が、前記解除部位の遠位側と近位側とに存在することを特徴とする体腔挿入用医療装置。
  5. 請求項1〜のいずれかの体腔挿入用医療装置であって、さらに、
    前記第二軸は、ブレードを備えており、
    前記第二軸X線不透過部分が、前記第二軸のブレードより遠位側に存在することを特徴とする体腔挿入用医療装置。
  6. 請求項1〜のいずれかの体腔挿入用医療装置において、
    前記X線不透過部分が、X線不透過物質を練りこんだ樹脂で構成されていることを特徴とする体腔挿入用医療装置。
  7. 請求項1〜のいずれかの体腔挿入用医療装置において、
    前記第二軸X線不透過部分が、前記第二軸が前記第一軸の半径方向に離れる方向に拡張されるときに最も移動距離の長い部分を含むことを特徴とする体腔挿入用医療装置。
  8. 請求項1〜のいずれかの体腔挿入用医療装置であって、さらに、
    前記第二軸を前記第一軸の半径方向に離れる方向に拡張する拡張手段を備え、前記拡張手段の拡張時に、前記第二軸X線不透過部分の少なくとも一部が前記拡張手段の表面から離れて存在することを特徴とする体腔挿入用医療装置。


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