JP6403763B2

JP6403763B2 - 経皮的塞栓保護スリーブ

Info

Publication number: JP6403763B2
Application number: JP2016519545A
Authority: JP
Inventors: ゴラン，エレズ
Original assignee: ピ−カーディア・リミテッド
Priority date: 2013-06-16
Filing date: 2014-06-05
Publication date: 2018-10-10
Anticipated expiration: 2034-06-05
Also published as: CN105451684B; EP3010442B1; CN105451684A; US20160151145A1; JP2016523628A; EP3010442A1; WO2014204648A1

Description

本発明は、一般に、心臓血管手術またはカテーテル挿入の間などに塞栓または他の物質を捕捉することに関し、詳細には、カテーテルなどを覆って摺動することができる、経皮的保護スリーブに関する。

２０１３年４月５日に出願された、同じ発明者で現在の譲受人に対するＰＣＴ特許出願ＰＣＴ／ＵＳ２０１３／０３５３４６は、脈管構造の経皮的治療の安全性および有効性を向上するための装置および方法と、大動脈弁などの脈管構造へと導入される装置とを記載している。一実施形態では、大動脈または他の身体管腔に位置決めできる案内保護スリーブがある。案内保護スリーブを使用し、潜在的に石灰化した、またはアテローム硬化の大動脈壁を擦り取ることなく、カテーテル（または、新しい弁）を自然弁の中心へと案内することによって、展開するためにカテーテル（または、新しい弁）を正確に位置決めすることができる。別の実施形態では、この発明は、カテーテルを覆って摺動する経皮的スリーブを記載している。

一部の実施形態では、保護スリーブは、衝撃、脱灰、膨張（バルーン弁形成術によってなど）、または新しい弁の着床の間に作り出される可能性のある塞栓デブリを脳の脈管構造から捕捉する、または転向させる（divert away）ために、自然弁尖の上方（冠状動脈口の上方または下方）に、包囲された（または、一部包囲された）領域を作り出すことができる。

一部の実施形態では、装置は、カテーテルの送達および回収の間に血管壁を擦り取る、または穿孔する危険性を低減することによって、血管を経由したカテーテル送達の助けとなるように使用することができる。装置は、送達された後、カテーテル送達に使用される前に、その形を変えることができる。例えば、装置は、部位に送達された後、カテーテル送達の前に拡張される。カテーテルは、装置内の管腔を通って送達され得る。装置は、生体構造に対するカテーテルの相対的な位置決めの助けとなり得る。装置は、大動脈においてカテーテルを中心に置く助けとなり得る。装置は、治療の間に作り出される塞栓デブリを捕捉する、または転向させる助けとなり得る。

本発明は、以後においてより詳細に記載されているように、ＰＣＴ特許出願ＰＣＴ／ＵＳ２０１３／０３５３４６の装置および方法へのさらなる改良を提供しようとする。

本明細書で使用される用語「カテーテル」は、限定されないが、カテーテル、カニューレ、ガイドワイヤ、ステント、特定の経カテーテル大動脈弁着床（ＴＡＶＩ）装置など、任意の経皮的な装置を包含する。カテーテルは、治療カテーテル、診断カテーテル、撮像カテーテルなどでありうる。

本発明の一実施形態によれば、第１のシャフトに連結される近位端、および好ましくは第２のシャフトに連結される遠位端を有し、第１のシャフトが好ましくは第２のシャフトを覆って摺動する保護スリーブと、好ましくは第２のシャフトの管腔を通過するカテーテルであって、カテーテルの遠位部が医療装置を含むカテーテルとを備え、第１のシャフトおよび好ましくは第２のシャフトの互いに対する相対的な摺動移動が保護スリーブの収縮または拡張のいずれかを引き起こす装置が提供される。カテーテルに対する両方のシャフトの相対移動によってカテーテルに対する保護スリーブの軸方向位置を制御できる。それゆえ、カテーテルが生体構造に対して固定される場合、保護スリーブはカテーテルに対して位置決めでき、したがって生体構造に対しても同様に位置決めできる。代替的に、１つだけのシャフトが（近位または遠位のいずれかで）使用されてもよい。その場合、カテーテルはシャフトにおける管腔を通じて摺動し、保護スリーブの一端がカテーテルに連結され、他端がシャフトに連結される。

本発明は、図面と併せて、以下の詳細な説明からより完全に理解および解釈されるものである。

本発明の非限定的な実施形態による、頸動脈分岐部に入る塞栓から頸動脈分岐部を保護するために展開および位置決めされた折りたたまれた状態の保護スリーブの簡略化した図である。本発明の非限定的な実施形態による、頸動脈分岐部に入る塞栓から頸動脈分岐部を保護するために展開および位置決めされた拡張された状態の保護スリーブの簡略化した図である。

ここで、本発明の非限定的な実施形態に従って構築および作用される保護スリーブ１０を示す図１および図２を参照する。保護スリーブ１０は、限定されることなく、ステンレス鋼、形状記憶合金、チタン合金、ポリマーなど、医学的に安全なプラスチック、金属、または他の材料から構成できる。

好ましい構成では、保護スリーブ１０は、編まれたワイヤまたはメッシュから形成される。保護スリーブ１０を編まれたワイヤの技術で構成することは、各々のワイヤの「ピッチ」が、収縮された状態のときに比較的大きくでき、完全に拡張された状態のときに比較的小さくできるという利点を有している。収縮された状態において、編まれたワイヤによって作り出された小孔は、細長い「ダイヤモンド」形（長く狭い）を有し、そのためカテーテルに最小限の厚さを付加する。拡張された状態において、小孔は、横への「ダイヤモンド」形（短く広い）、つまり、非常に小さい小孔の大きさを有し、これは塞栓保護のために有利である。したがって、編まれたワイヤの技術を用いると、比較的小さな外形の（しかし長い）スリーブが、非常に小さい小孔の大きさの大きく拡張された直径のスリーブへと変形できる。

保護スリーブ１０の近位端は、第１の（例えば、近位の）シャフト１２に連結されており、保護スリーブ１０の遠位端は、第２の（例えば、遠位の）シャフト１４に連結されている。連結することは、限定されないが、接着剤接合、熱接合、編み込み、および多くの他のものなど、任意の適切な手段によって実現され得る。第１のシャフト１２は第２のシャフト１４を覆って摺動する。両方のシャフトはカテーテル１６を覆って送達されうる。カテーテル１６は、図示された実施形態では、近位部１８と遠位部２０とを有するピグテイル（pigtail）カテーテルである。遠位部２０は、好ましくは、ピグテイル２０などの心臓弁治療装置といった、医療装置を備えている。ピグテイルカテーテルは、弁面（洞の面位置）に印を付けるとき、動脈もしくは心臓の血圧を測定するとき、または、脈管構造を撮像するために、造影剤などの流体を部位へと送達するときに有用であり得る。別の言い方をすれば、カテーテル１６は第２のシャフト１４の管腔を通過しており、第２のシャフト１４は第１のシャフト１２の管腔を通過している。代替的に、１つだけのシャフトが保護スリーブの一端に連結され、一方で他端はカテーテルに連結され、それゆえカテーテルとシャフトとの相対移動が保護スリーブの形を変形させてもよい。

図１では、保護スリーブ１０は収縮された状態にある。これは、スリーブを体管腔へと送達するために用いられる状態である。「収縮」は、第１のシャフト１２および第２のシャフト１４についての径方向について言及したものである。保護スリーブ１０は、この状態で軸方向に細長くなっている。軸方向に細長い状態にあるとき、保護スリーブ１０は、最小限の厚さをシャフトおよびカテーテル組立体の外形に付加する。図１は、患者の脈管構造へと送達された組立体を示している。保護スリーブ１０は、頸動脈分岐部２２の近くの大動脈弓に位置決めされている。ピグテイル遠位部２０は、大動脈弁２４の弁尖のうちの１つに接して位置決めされている。

ここで図２を参照する。第１のシャフト１２が、固定保持されている第２のシャフト１４に対して遠位へと摺動され、第２のシャフト１４と保護スリーブ１０との静止した連結に対してスリーブ１０を押す。これによって、保護スリーブ１０は一纏めにされ、径方向外向きに拡張される。注目されるのは、保護スリーブ１０が径方向に拡張する間に、保護スリーブ１０の軸方向長さが減少することである。本発明の代替の実施形態において注目されるのは、第１のシャフトが遠位シャフトであってもよく、第２のシャフトが近位シャフトであってもよいことである。同じく注目されるのは、代替的には、保護スリーブ１０を、固定保持されている第１のシャフト１２に対して第２のシャフト１４を摺動させることによって拡張されてもよいことである。

図２では、展開された保護スリーブ１０は、頸動脈分岐部２２に入る塞栓から頸動脈分岐部２２を保護するために、大動脈弓で展開および位置決めされている。保護スリーブ１０は、限定されないが、弁修復もしくは弁置換の手術、または、カテーテル挿入など、外科的処置またはカテーテル挿入処置の間に潜在的な石灰性の塞栓デブリが作り出された場合に、潜在的な石灰性の塞栓を転向させて捕捉する。塞栓は、スリーブ１０の遠位軸方向端部に流入し、スリーブ１０の近位軸方向端部から流出してもよい。スリーブ１０の中間部分は、塞栓が頸動脈分岐部２２に入るのを防ぐ。保護スリーブ１０は、血流を妨げる、または血流と干渉することはない。処置が完了された後、スリーブ１０はその収縮された状態へと収納され、管腔から除去されうる。注目されるのは、カテーテルに対する２つのシャフトの相対位置が、展開された状態にあるときの保護スリーブの位置を変更しうることである。例えば、ピグテイルカテーテルは、その遠位部が洞に配置されるまで送達されてもよい。この場合、保護スリーブは、保護スリーブが完全に開くまで、近位シャフトを前方に押すことによって展開される。ここで、両方のシャフトはともに、保護スリーブが頸動脈分岐部を保護するように配置されるまで前方または後方のいずれかに移動され、そこで保護スリーブが頸動脈分岐部を「封止する」ようにピグテイルカテーテルが上向きに押される。
（項目１）
第１のシャフト（１２）に連結される近位端、および第２のシャフト（１４）に連結される遠位端を有し、前記第１のシャフト（１２）が前記第２のシャフト（１４）を覆って摺動する保護スリーブ（１０）と、
前記第２のシャフト（１４）の管腔を通過するカテーテル（１６）であって、前記カテーテル（１６）の遠位部（２０）が医療装置を含むカテーテル（１６）と
を備え、
前記第１および第２のシャフト（１２、１４）の互いに対する相対的な摺動移動が、前記保護スリーブ（１０）の収縮または拡張のいずれかを引き起こす装置。
（項目２）
前記保護スリーブ（１０）の軸方向長さが、前記保護スリーブ（１０）の径方向の拡張の間に減少する、項目１に記載の装置。
（項目３）
前記第２のシャフト（１４）が固定保持されている間の、前記第２のシャフト（１４）に対する前記第１のシャフト（１２）の遠位への摺動が、前記保護スリーブ（１０）と前記第２のシャフト（１４）との固定された連結に対して前記保護スリーブ（１０）を押すことによって前記保護スリーブ（１０）を径方向外向きに拡張させる、項目１に記載の装置。
（項目４）
前記カテーテル（１６）が、前記遠位部（２０）にピグテイルを備えるピグテイルカテーテル（１６）を含む、項目１に記載の装置。
（項目５）
前記保護スリーブ（１０）がワイヤ編組から作られる、項目１に記載の装置。
（項目６）
近位端および遠位端を有する保護スリーブ（１０）と、
シャフト（１４）の管腔を通過し、遠位部（２０）が医療装置を含むカテーテル（１６）と
を備え、
前記保護スリーブ（１０）の一端が前記カテーテル（１６）に連結され、前記保護スリーブ（１０）の他端が前記シャフト（１４）に連結され、前記カテーテル（１６）と前記シャフト（１４）との互いに対する相対的な摺動移動が、前記保護スリーブ（１０）の収縮または拡張のいずれかを引き起こす装置。

Claims

第１のシャフト（１２）に連結される近位端、および第２のシャフト（１４）に連結される遠位端を有し、前記第１のシャフト（１２）が前記第２のシャフト（１４）を覆って摺動する保護スリーブ（１０）と、
前記第２のシャフト（１４）の管腔を通過するカテーテル（１６）であって、前記カテーテル（１６）の遠位部（２０）が医療装置を含むカテーテル（１６）と
を備え、
前記第１および第２のシャフト（１２、１４）の互いに対する相対的な摺動移動が、前記保護スリーブ（１０）の収縮または拡張のいずれかを引き起こし、
前記保護スリーブ（１０）は、小孔を有する編まれたワイヤを備え、前記保護スリーブ（１０）の収縮した状態では、前記小孔は細長いダイヤモンド形（長く狭い）を有して前記カテーテル（１６）に最小限の厚さを付加し、拡張した状態では、前記小孔は、塞栓保護のために非常に小さい小孔の大きさである、横へのダイヤモンド形（短く広い）を有する、装置。
前記保護スリーブ（１０）の軸方向長さが、前記保護スリーブ（１０）の径方向の拡張の間に減少する、請求項１に記載の装置。
前記第２のシャフト（１４）が固定保持されている間の、前記第２のシャフト（１４）に対する前記第１のシャフト（１２）の遠位への摺動が、前記保護スリーブ（１０）と前記第２のシャフト（１４）との固定された連結に対して前記保護スリーブ（１０）を押すことによって前記保護スリーブ（１０）を径方向外向きに拡張させる、請求項１に記載の装置。
前記カテーテル（１６）が、前記遠位部（２０）にピグテイルを備えるピグテイルカテーテル（１６）を含む、請求項１に記載の装置。
前記保護スリーブ（１０）がワイヤ編組から作られる、請求項１に記載の装置。
近位端および遠位端を有する保護スリーブ（１０）と、
シャフト（１４）の管腔を通過し、遠位部（２０）が医療装置を含むカテーテル（１６）と
を備え、
前記保護スリーブ（１０）の一端が前記カテーテル（１６）に連結され、前記保護スリーブ（１０）の他端が前記シャフト（１４）に連結され、前記カテーテル（１６）と前記シャフト（１４）との互いに対する相対的な摺動移動が、前記保護スリーブ（１０）の収縮または拡張のいずれかを引き起こし、
前記保護スリーブ（１０）は、小孔を有する編まれたワイヤを備え、前記保護スリーブ（１０）の収縮した状態では、前記小孔は細長いダイヤモンド形（長く狭い）を有して前記カテーテル（１６）に最小限の厚さを付加し、拡張した状態では、前記小孔は、塞栓保護のために非常に小さい小孔の大きさを有する、横へのダイヤモンド形（短く広い）を有する、装置。
前記遠位部（２０）の前記医療装置は、心臓の弁面に印を付けるための装置を備える、請求項１または６に記載の装置。