JP4972958B2 - 樹脂組成物、樹脂層、積層体、配線板および配線板の製造方法 - Google Patents

樹脂組成物、樹脂層、積層体、配線板および配線板の製造方法 Download PDF

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本発明は、難燃化された樹脂組成物、樹脂層、積層体、配線板(特に多層配線板)、および配線板の製造方法に関する。
近年の電子機器の使用においては、情報伝達に高速伝送が行われており、高速伝送においては電気信号の劣化が問題となっている。前記電気信号の劣化は、導体損失と誘電体損失の和を示すものであり、特に多層配線板の層間絶縁材料の誘電特性に起因する誘電体損失は、電気信号周波数を増加させると、顕著に増加することから、GHz帯の周波数においては、電気信号劣化の主要因となっている。この問題を解決するために、絶縁材料に比誘電率及び低誘電正接を有する材料を用いることが求められている。
このような背景より、これまで配線板などの電子部品の絶縁材料として用いられてきたエポキシ樹脂やポリイミド樹脂では、比誘電率および誘電正接の電気特性が充分でない場合があり、高速伝送化に対応することが困難である。
一方、ノルボルネン系樹脂は、高いガラス転移温度を有する高耐熱性樹脂であり、しかもGHz帯の周波数領域において、比誘電率が2.2〜2.8、誘電正接が0.001〜0.006であり、優れた電気特性を示すことから、高周波数対応の配線板用絶縁樹脂として期待されている。
また、ポリイミド樹脂も高いガラス転移温度と高耐熱性を有することに加えて、フッ素原子を化学構造内に導入することによりGHz帯の周波数領域における比誘電率が2.6〜2.7、誘電正接が0.004〜0.007となり優れた電気特性を示すことから、高周波数対応の配線板用絶縁樹脂として期待されている。
線熱膨張係数を低下させる手法としては、シリカを樹脂組成物中に配合する手法が従来から採用されているが、低誘電率樹脂系においてはシリカ表面と低誘電率樹脂との界面濡れ性が低く、界面剥離または界面空隙を生じやすく、特に平均粒径3μm以下のシリカを高充填した場合に顕著に生じ、低熱膨張性、及び高強度、強靭性を発揮することが非常に困難であった。
これまで、配線板などの絶縁材料としてノルボルネン系樹脂が開示されている(例えば、特許文献1参照。)が、絶縁材料としての樹脂の特性のみ言及しており、レーザー加工などにおける実際の加工性は不十分であり、一般的なノルボルネン系樹脂は線膨張係数が大きいために配線板内部で加熱または冷却された際の発生応力が大きいために高い信頼性を得ることが困難であった。
また、一般的にノルボルネン系樹脂は耐燃性が低く、十分な耐燃性を有するためには難燃剤の添加が必要であるが、環境適応のためには従来の臭素系、リン系或いはアンチモン系の難燃剤は好ましくなく、また、低い比誘電率や高い信頼性を維持することが困難であった。
特開2001-301088号公報
本発明の目的は、絶縁層として必要な低誘電率と低熱膨張性による高信頼性、及び高強度、強靭性、レーザー加工性、さらには環境適正を合わせ持った難燃化樹脂組成物を提供することである。また、本発明の目的は、低誘電率と低熱膨張性と電気特性及びレーザー加工性に優れる難燃化積層体を提供することである。
また、本発明の目的は、電気特性と難燃性に優れた配線板およびその製造方法を提供することである。
このような目的は、下記[1]〜[22]に記載の本発明により達成される。
[1]
配線板の樹脂層を構成する樹脂組成物であって、ノルボルネン系樹脂と、組成モル比SiO2/Al2O3=1/1〜9/1のゼオライトを難燃剤として含有することを特徴とする樹脂組成物。
[2]
前記ゼオライトの含有量は、前記樹脂組成物全体の1〜20重量%である[1]に記載の樹脂組成物。
[3]
平均粒径3μm以下の溶融シリカを含む[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4]
前記平均粒径3μm以下の溶融シリカの含有量は、前記樹脂組成物全体の30〜85重量%である[3]に記載の樹脂組成物。
[5]
前記ノルボルネン系樹脂は、下記一般式(1)で表される繰り返し構造を含むノルボルネン系樹脂である[1]乃至[4]のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
Figure 0004972958
[式(1)中のXは、−CH−、−CHCH−、または−O−を示し、R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立して水素原子、炭化水素基、炭素数1〜12の極性基、又は、該極性基を含む有機基を示す。nは0から2の整数を示し、その繰り返しは異なっていても良い。]
[6]
前記ノルボルネン系樹脂は、下記一般式(2)で表されるモノマーを含むノルボルネン系モノマーの付加重合体である[1]乃至[4]のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
Figure 0004972958
[式(2)中のXは、−CH−、−CHCH−、または−O−を示し、R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立して水素原子、炭化水素基、炭素数1〜12の極性基、又は、該極性基を含む有機基を示す。nは0から2の整数を示し、その繰り返しは異なっていても良い。]
[7]
前記樹脂組成物は、さらにレーザー加工性付与剤を含有するものである[1]乃至[6]のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
[8]
前記レーザー加工性付与剤の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分100重量部に対して0.1〜15重量部である[7]に記載の樹脂組成物。
[9]
レーザー加工性付与剤は、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2,6−ビス(4’−アジドベンザル)−4−メチル−シクロヘキサノン、又は2-(3-t-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾールである[7]に記載の樹脂組成物。
[10]
[1]乃至[9]のいずれか一項に記載の樹脂組成物を用いて形成したことを特徴とする樹脂層。
[11]
前記樹脂層は、3.0以下の比誘電率を有するものである[10]に記載の樹脂層。
[12]
前記樹脂層は、0.006以下の誘電正接を有するものである[10]又は[11]に記載の樹脂層。
[13]
前記樹脂層は、50ppm/℃以下の線膨張係数を有するものである[10]乃至[12]のいずれか一項に記載の樹脂層。
[14]
配線板に用いる積層体であって、[10]乃至[13]のいずれか一項に記載の樹脂層とキャリアフィルムとを積層してなることを特徴とする積層体。
[15]
[1]乃至[9]のいずれか一項に記載の樹脂組成物を用いて形成した樹脂層を有することを特徴とする配線板。
[16]
配線基板上に回路層を形成する工程と、[1]乃至[9]のいずれか一項に記載の樹脂組成物を用いて前記配線基板上に樹脂層を形成する工程と、前記樹脂層をレーザー照射により開孔する工程と、を含む配線板の製造方法。
[17]
前記樹脂層を形成する工程は、前記樹脂組成物を塗布して樹脂層を形成するものである[16]に記載の配線板の製造方法。
[18]
前記樹脂層を形成する工程は、[1]乃至[9]のいずれか一項に記載の樹脂組成物からなる樹脂フィルムを前記配線基板にラミネートして樹脂層を形成するものである[16]に記載の配線板の製造方法。
[19]
前記樹脂層を形成する工程は、前記[14]に記載の積層体を用い、当該積層体の樹脂層を前記配線基板上に貼り合わせた後、キャリアフィルムを剥離するものである[16]に記載の配線板の製造方法。
[20]
前記樹脂層を形成する工程は、金属キャリアフィルム付きの前記[14]に記載の積層体を用い、当該積層体の樹脂層を前記配線基板上に貼り合わせた後、金属キャリアフィルムを加工して回路層とするものである[16]に記載の配線板の製造方法。
[21]
前記樹脂層を加熱硬化する工程を含む[16]乃至[20]のいずれか一項に記載の配線板の製造方法。
[22]
[16]乃至[21]のいずれか一項に記載の製造方法により得られる配線板。
本発明によれば、絶縁層として必要な低誘電率と高強度、強靭性、低熱膨張性による高信頼性を持った難燃化樹脂組成物を得ることができる。
また、本発明によれば、前記樹脂組成物を用いることで、低誘電率と低熱膨張性と電気特性及び高強度、強靭性、レーザー加工性に優れる難燃化積層体を得ることができる。
さらに、本発明によれば、電気特性と難燃性に優れた配線板を得ることができるものである。
本発明は、絶縁層や絶縁膜等の絶縁要素又は絶縁部材に用いられ、特に、配線板内における樹脂層を形成するために好適に用いられる難燃化樹脂組成物であって、低誘電率樹脂と難燃剤としてゼオライトを構成成分として含有するものである。
これにより、耐燃性の低い(すなわち燃えやすい)低誘電率樹脂を、絶縁材料として用いることが可能となり、従来のプリント配線板の絶縁層に用いられていたエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂等の樹脂では対応できなかった電子機器の高速伝送化を可能とする電気特性と低熱膨張性、高強度、強靭性、更には難燃性を有する樹脂組成物が提供される。
また、従来の臭素系、リン系或いはアンチモン系難燃剤は環境的に好ましくないのに対して、ゼオライトは環境への対応が優れている。
また、本発明は、配線板の絶縁層を形成するために用いる積層体であって、前記樹脂組成物により構成される樹脂層とキャリアフィルムとを積層してなる積層体であり、電子機器の高速伝送化を可能とする電気特性を有する樹脂層を有し、さらには平坦性にも優れるものである。
また、本発明は、前記樹脂組成物を用いて絶縁層を形成する工程と、回路層を形成する工程と、前記樹脂層をレーザー照射により開孔する工程と、を含む配線板の製造方法であり、このようにして得られた配線板は、電子機器の高速伝送化を可能とする電気特性と、レーザー照射による微細加工により層間の接続信頼性、更には絶縁層の高密着性に優れるものである。
本発明の樹脂組成物、樹脂層、積層体、配線板および該配線板の製造方法について詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は、配線板の絶縁層を形成するために用いる樹脂組成物であって、前記樹脂組成物は、低誘電率樹脂と難燃剤としてゼオライトを含むものであり、ゼオライトが組成モル比SiO2/Al2O3=1/1〜9/1であることを特徴とするものである。
本発明で用いる低誘電率樹脂は、高速伝送時の電気信号の劣化が極めて少ない絶縁材料を得るために、当該低誘電率樹脂そのものの比誘電率が3.0以下であることが好ましく、2.9以下であることがさらに好ましい。
比誘電率の点だけに注目するなら、従来のプリント配線板の絶縁層に用いられていたエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂等の樹脂よりも優れた樹脂は存在する。しかし、絶縁層に用いる樹脂には、絶縁性や比誘電率等の電気特性だけでなく、高強度、強靭性等の一般的な物性、さらには通電時の高温環境に耐え得る低熱膨張性、耐熱性、耐燃性が要求される。
本発明においては、絶縁性や比誘電率等の電気特性に優れた低誘電率樹脂に、上記特定の組成を有するゼオライトを組み合わせることにより、特に、優れた耐燃性を有する絶縁材料が得られる。
本発明で用いる低誘電率樹脂としては、環状オレフィン系樹脂が挙げられる。環状オレフィン系樹脂としては、例えばノルボルネン系樹脂が挙げられ、更に具体的には、例えば、ノルボルネン型モノマーの(共)重合体、ノルボルネン型モノマーとα−オレフィン類などの共重合可能な他のモノマーとの共重合体、およびこれらの共重合体の水素添加物などが挙げられる。これらノルボルネン系樹脂は、公知の重合法により製造することが可能であり、その重合方法には付加重合法と開環重合法とがある。このうち、ノルボルネンモノマーを付加(共)重合することによって得られたポリマーが好ましいが、本発明はなんらこれに限定されるものではない。なお重合方法はランダム重合、ブロック重合など公知の方法が用いられる。
本発明に用いるノルボルネン系樹脂の付加重合体としては、(1)ノルボルネン型モノマーを付加(共)重合させて得られるノルボルネン型モノマーの付加(共)重合体、(2)ノルボルネン型モノマーとエチレンやα−オレフィン類との付加共重合体、(3)ノルボルネン型モノマーと非共役ジエン、および必要に応じて他のモノマーとの付加共重合体が挙げられる。これらの樹脂は公知のすべての重合方法で得ることができる。
本発明に用いるノルボルネン系樹脂の開環重合体としては、(4)ノルボルネン型モノマーの開環(共)重合体、及び必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂、(5)ノルボルネン型モノマーとエチレンやα−オレフィン類との開環共重合体、及び必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂、(6)ノルボルネン型モノマーと非共役ジエン、又は他のモノマーとの開環共重合体、及び必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂が挙げられる。これらの樹脂は公知のすべての重合方法で得ることができる。
上記のうち、(1)ノルボルネン型モノマーを付加(共)重合させて得られる付加(共)重合体が好ましいが、本発明はなんらこれに限定されるものではない。
前記ノルボルネン系樹脂の付加重合体は、金属触媒による配位重合、又はラジカル重合によって得られる。このうち、配位重合においては、モノマーを、遷移金属触媒存在下、溶液中で重合することによってポリマーが得られる(NiCOLE R. GROVE et al. Journal of Polymer Science:part B,Polymer Physics, Vol.37, 3003−3010(1999))。
配位重合に用いる金属触媒として代表的なニッケルと白金触媒は、PCT WO 9733198と、PCT WO 00/20472に述べられている。配位重合用金属触媒の例としては、(トルエン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、(メシレン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、(ベンゼン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、ビス(テトラヒドロ)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、ビス(エチルアセテート)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、ビス(ジオキサン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケルなどの公知の金属触媒が挙げられる。
ラジカル重合技術については、Encyclopedia of Polymer Science, John Wiley & Sons,13,708(1988)に述べられている。
一般的には、ラジカル重合はラジカル開始剤の存在下、温度を50℃〜150℃に上げ、モノマーを溶液中で反応させる。ラジカル開始剤としてはアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル、アゾビスイソカプトロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、t−ブチル過酸化水素などである。
ノルボルネン系樹脂の開環重合体は、公知の開環重合法により、チタンやタングステン化合物を触媒として、少なくとも一種以上のノルボルネン型モノマーを開環(共)重合して開環(共)重合体を製造し、次いで必要に応じて通常の水素添加方法により前記開環(共)重合体中の炭素−炭素二重結合を水素添加して熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂を製造することによって得られる。
上述した重合系の適当な重合溶媒としては炭化水素や芳香族溶媒が含まれる。炭化水素溶媒の例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンやシクロヘキサンなどであるがこれに限定されない。芳香族溶媒の例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンやメシチレンなどであるがこれに限定されない。ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチルアセテート、エステル、ラクトン、ケトン、アミドも使用できる。これら溶剤を単独や混合しても重合溶媒として使用できる。
前記ノルボルネン系樹脂の分子量は、開始剤とモノマーの比を変えたり、重合時間を変えたりすることにより制御することができる。上記の配位重合により合成する場合には、米国特許No.6,136,499に開示されるように、分子量は連鎖移動触媒を使用することにより制御することができる。この発明においては、エチレン、プロピレン、1−ヘキサン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィンが、分子量制御するのに適当である。
本発明においてノルボルネン系樹脂の重量平均分子量は10,000〜500,000、好ましくは30,000〜100,000、さらに好ましくは50,000〜80,000である。重量平均分子量は標準ポリスチレンを用いて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定することができる(ASTMDS3536−91準拠)。
前記ノルボルネン系樹脂の分子量分布[重量平均分子量:Mwと、数平均分子量:Mnとの比(Mw/Mn)]は、特に限定されないが、5以下が好ましく、特に4以下が好ましく、特に1〜3が好ましい。分子量分布が前記範囲内であると、電気特性に特に優れる。
前記分子量分布を測定する方法としては、例えばシクロヘキサンまたはテトラヒドロフランを有機溶剤とするGPCで測定することができる。
また、上記方法で重量平均分子量や分子量分布が測定できないノルボルネン系樹脂の場合には、通常の溶融加工法により樹脂層を形成し得る程度の溶融粘度や重合度を有するものを使用することができる。前記ノルボルネン系樹脂のガラス転移温度は、使用目的に応じて適宜選択できるが、通常50℃以上、好ましくは70℃以上、より好ましくは100℃以上、さらに好ましくは125℃以上である。
本発明で用いるノルボルネン系樹脂は、下記一般式(1)で表される繰り返し構造を含むものを挙げることができる。
Figure 0004972958
[式(1)中のXは、−CH−、−CHCH−、または−O−を示し、R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立して水素原子、炭化水素基、炭素数1〜12の極性基、又は、該極性基を含む有機基を示す。nは0から2の整数を示し、その繰り返しは異なっていても良い。]
R1、R2、R3、R4は、少なくとも1つが炭素数1〜12の環状エーテル基、反応性二重結合を有する有機基、又はアルコキシシリル基を含む基であることが好ましい。
前記極性基としては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エステル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、シリル基、エポキシ基、ケトン基、エーテル基などを挙げることができる。
該極性基を含む有機基としては、極性基が、直鎖もしくは分岐したアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、環状脂肪族基、アリール基、エーテル基、又は、ケトン基によりノルボルネン骨格上に結合されたものなどを挙げることができる。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等;アルケニル基の具体例としては、ビニル基、アリル基、ブチニル基、シクロヘキセニル基等;アルキニル基の具体例としては、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基等;環状脂肪族基の具体例として、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等;アリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等;アラルキル基の具体例としてはベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
より詳しくは、シリル基の具体例として、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基などのアルコキシシリル基;シリルを含有する有機基として、ジフェニルメチルシリル基トリエトキシシリルエチル基、トリメトキシシリルプロピル基、トリメチルシリルメチルエーテル基等;エポキシ基を含有する有機基の具体例としては、メチルグリシジルエーテル基、アリルグリシジル−エーテル基等が、それぞれ挙げられるが、本発明は何らこれらに限定されない。エステル基を含有する官能基、ケトン基を含有する官能基、エーテル基を含有する官能基については、これらの基を有している有機基であれば特に構造は限定されない。
前記極性基の置換量は、特に限定されないが、前記ノルボルネン系樹脂全体に占める極性基を有する繰り返し構造の共重合割合が3〜70モル%であることが好ましく、特に5〜40モル%であることが好ましい。
置換量が前記範囲内であると、特に比誘電率に優れる。また、このような側鎖に極性基を有するノルボルネン系樹脂は、例えば1)前記ノルボルネン系樹脂に前記極性基を有する化合物を変性反応により導入することによって、2)前記極性基を有する単量体を重合することによって、3)前記極性基を有する単量体を共重合体成分として他の成分と共重合することによって、または4)エステル基等の前記極性基を有する単量体を共重合成分として共重合した後、エステル基を加水分解することによって得ることができる。
前記ノルボルネン系樹脂の含有量は、樹脂組成物中に、通常20〜60重量%の範囲内とし、好ましくは、30〜50重量%の範囲内とする。
本発明で用いるノルボルネン系樹脂を製造するために使用するノルボルネン型モノマーとしては、一般式(2)で表されるノルボルネン型モノマーが好ましい。
Figure 0004972958
[式(2)中のXは、−CH−、−CHCH−、または−O−を示し、R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立して水素原子、炭化水素基、炭素数1〜12の極性基、又は、該極性基を含む有機基を示す。nは0から2の整数を示し、その繰り返しは異なっていても良い。]
本発明で用いられるノルボルネン系樹脂を製造するために使用する環状オレフィンモノマーとしては、例えば、アルキル基を有するものとして、5-メチル-2-ノルボルネン、5-エチル-2-ノルボルネン、5-プロピル-2-ノルボルネン、5-ブチル-2-ノルボルネン、5-ペンチル-2-ノルボルネン、5-ヘキシル-2-ノルボルネン、5-ヘプチル-2-ノルボルネン、5-オクチル-2-ノルボルネン、5-ノニル-2-ノルボルネン、5-デシル-2-ノルボルネンなど、アルケニル基を有するものとしては、5-アリル-2-ノルボルネン、5-メチリデン-2-ノルボルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネン、5-(2-プロペニル)-2-ノルボルネン、5-(3-ブテニル)-2-ノルボルネン、5-(1-メチル-2-プロペニル)-2-ノルボルネン、5-(4-ペンテニル)-2-ノルボルネン、5-(1-メチル-3-ブテニル)-2-ノルボルネン、5-(5-ヘキセニル)-2-ノルボルネン、5-(1-メチル-4-ペンテニル)-2-ノルボルネン、5-(2,3-ジメチル-3-ブテニル)-2-ノルボルネン、5-(2-エチル-3-ブテニル)-2-ノルボルネン、5-(3,4-ジメチル-4-ペンテニル)-2-ノルボルネン、5-(7-オクテニル)-2-ノルボルネン、5-(2-メチル-6-ヘプテニル)-2-ノルボルネン、5-(1,2-ジメチル-5-ヘキセニル)-2-ノルボルネン、5-(5-エチル-5-ヘキセニル)-2-ノルボルネン、5-(1,2,3-トリメチル-4-ペンテニル)-2-ノルボルネンなど、アルキニル基を有するものとしては、5-エチニル-2-ノルボルネンなどが挙げられ、アルコキシシリル基を有するものとしては、ジメチルビス((5-ノルボルネン-2-イル)メトキシ))シランなど、シリル基を有するものとしては、1,1,3,3,5,5-ヘキサメチル-1,5-ジメチルビス((2-(5-ノルボルネン-2-イル)エチル)トリシロキサンなど、アリール基を有するものとしては、5-フェニルー2-ノルボルネン、5-ナフチル-2-ノルボルネン、5-ペンタフルオロフェニル-2-ノルボルネンなど、アラルキル基を有するものとしては、5-ベンジル-2-ノルボルネン、5-フェネチル-2-ノルボルネン、5-ペンタフルオロフェニルメタン-2-ノルボルネン、5-(2-ペンタフルオロフェニルエチル)-2-ノルボルネン、5-(3-ペンタフルオロフェニルプロピル)-2-ノルボルネンなど、アルコキシシリル基を有するものとしては、5-トリメトキシシリル-2-ノルボルネン、5-トリエトキシシリル-2-ノルボルネン、5-(2-トリメトキシシリルエチル)-2-ノルボルネン、5-(2-トリエトキシシリルエチル)-2-ノルボルネン、5-(3-トリメトキシプロピル)-2-ノルボルネン、5-(4-トリメトキシブチル)-2-ノルボルネン、5ートリメチルシリルメチルエーテル-2-ノルボルネンなど、ヒドロキシル基、エーテル基、カルボキシル基、エステル基、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有するものとしては、5-ノルボルネン-2-メタノール、及びこのアルキルエーテル、酢酸5-ノルボルネン-2-メチルエステル、プロピオン酸5-ノルボルネン-2-メチルエステル、酪酸5-ノルボルネン-2-メチルエステル、吉草酸5-ノルボルネン-2-メチルエステル、カプロン酸5-ノルボルネン-2-メチルエステル、カプリル酸5-ノルボルネン-2-メチルエステル、カプリン酸5-ノルボルネン-2-メチルエステル、ラウリン酸5-ノルボルネン-2-メチルエステル、ステアリン酸5-ノルボルネン-2-メチルエステル、オレイン酸5-ノルボルネン-2-メチルエステル、リノレン酸5-ノルボルネン-2-メチルエステル、5-ノルボルネン-2-カルボン酸、5-ノルボルネン-2-カルボン酸メチルエステル、5-ノルボルネン-2-カルボン酸エチルエステル、5-ノルボルネン-2-カルボン酸t-ブチルエステル、5-ノルボルネン-2-カルボン酸i-ブチルエステル、5-ノルボルネン-2-カルボン酸トリメチルシリルエステル、5-ノルボルネン-2-カルボン酸トリエチルシリルエステル、5-ノルボルネン-2-カルボン酸イソボニルエステル、5-ノルボルネン-2-カルボン酸2-ヒドロキシエチルエステル、5-ノルボルネン-2-メチル-2-カルボン酸メチルエステル、ケイ皮酸5-ノルボルネン-2-メチルエステル、5-ノルボルネン-2-メチルエチルカルボネート、5-ノルボルネン-2-メチルn-ブチルカルボネート、5-ノルボルネン-2-メチルt-ブチルカルボネート、5-メトキシ-2-ノルボルネン、(メタ)アクリル酸5-ノルボルネン-2-メチルエステル、(メタ)アクリル酸5-ノルボルネン-2-エチルエステル、(メタ)アクリル酸5-ノルボルネン-2-n-ブチルエステル、(メタ)アクリル酸5-ノルボルネン-2-nプロピルエステル、(メタ)アクリル酸5-ノルボルネン-2-i-ブチルエステル、(メタ)アクリル酸5-ノルボルネン-2-i-プロピルエステル、(メタ)アクリル酸5-ノルボルネン-2-ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸5-ノルボルネン-2-オクチルエステル、(メタ)アクリル酸5-ノルボルネン-2-デシルエステルなど、エポキシ基を有するものとしては、5-[(2,3-エポキシプロポキシ)メチル]-2-ノルボルネンなど、
またテトラシクロ環から成るものとして、8-メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン、8-エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン、8-n-プロピルカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン、8-i-プロピルカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン、8-n-ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン、8-(2-メチルプロポキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン、8-(1-メチルプロポキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン、8-t-ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン、8-シクロヘキシロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン、8-(4’-t-ブチルシクロヘキシロキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン、8-フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン、8-テトラヒドロフラニロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン、8-テトラヒドロピラニロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン、8-メチル-8-メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン、8-メチル-8-エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン、8-メチル-8-n-プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン、8-メチル-8-i-プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン、8-メチル-8-n-ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン、8-メチル-8-(2-メチルポロポキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン、8-メチル-8-(1-メチルポロポキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン、8-メチル-8-t-ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン、8-メチル-8-シクロヘキシロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン、8-メチル-8-(4‘-t-ブチルシクロヘキシロキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン、8-メチル-8-フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン、8-メチル-8-テトラヒドロフラニロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン、8-メチル-8-テトラヒドロピラニロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン、8-メチル-8-アセトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン、8,9-ジ(メトキシカロボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン、8,9-ジ(エトキシカロボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン、8,9-ジ(n-プロポキシカロボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン、8,9-ジ(i-プロポキシカロボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン、8,9-ジ(n-ブトキシカロボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン、8,9-ジ(t-ブトキシカロボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン、8,9-ジ(シクロへキシロキシカロボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン、8,9-ジ(フェノキシロキシカロボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン、8,9-ジ(テトラヒドロフラニロキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン、8,9-ジ(テトラヒドロピラニロキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン、8,9-テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン-8-カルボン酸、8-メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン-8-カルボン酸、8-メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン、8-エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック-3-エン、8-メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.01,6]ドデック-3-エン、8-エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,12]ドデック-3-エン、8-エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,101,6]ドデック-3-エンなどが挙げられる。
本発明で用いるノルボルネン系樹脂は、側鎖置換基を有する場合、一般的には、上記置換基を有するノルボルネン型モノマーを直接重合することによって得ることができるが、重合後に変性反応によって側鎖に置換基を導入する方法によっても同様の重合体を得ることができる。変性反応としては、例えば、エポキシ基の場合、上記重合体にエポキシ基含有不飽和モノマーをグラフト反応させる、上記重合体の反応性官能基部位にエポキシ基を有する化合物を反応させる、分子内に炭素−炭素二重結合を有する上記重合体に過酸やハイドロパーオキサイドなどのエポキシ化剤を用いて直接エポキシ化させる等の公知の方法がある。
本発明においては、絶縁用樹脂組成物の耐燃性を向上させ、且つ、環境適応性に優れる難燃剤として、上記特定の組成を有するゼオライトを用いる。
ゼオライトは、下記式で表わされる無機材料である。
2/nO・Al・xSiO・yH
(式中、MはNa、K、Ca2+、Ba2+、H、NH 等のアルカリ金属、アルカリ土類金属、その他のカチオンであり、nはMの価数、xはSiOの数、yはHOの数である。)
本発明で用いるゼオライトの組成はモル比SiO2/Al2O3=1/1〜9/1であることが必須であり、モル比SiO2/Al2O3=2.5/1〜7/1であることが好ましい。ゼオライトの組成がこの範囲内ならば、十分な難燃化効果を発揮する。
本発明で用いる組成モル比SiO2/Al2O3=1/1〜9/1のゼオライトの含有量は、前記樹脂組成物全体の1〜20重量%が好ましく、1〜10重量%がさらに好ましい。含有量がこの範囲内であると、特に難燃性と比誘電率、線膨張係数、電気特性及びレーザー加工性の両立に優れる。また、流動性、回路埋め込み性、樹脂溶液粘度から、平均粒径0.2〜1μmのものが好ましい。
本発明においては、樹脂組成物の線熱膨張係数を低下させるために、シリカを樹脂組成物中に配合してもよい。シリカとしては、平均粒径3μm以下の溶融シリカを用いることが好ましく、流動性、回路埋め込み性、樹脂溶液粘度等の点から、平均粒径0.2〜1μmの溶融シリカを用いることが特に好ましく、溶融シリカの中でも球状溶融シリカを用いることがさらに好ましい。
平均粒径3μm以下のシリカの含有量は、前記樹脂組成物全体の30〜85重量%が好ましく、40〜75重量%がさらに好ましい。含有量がこの範囲内であると、特に比誘電率と線膨張係数と電気特性及びレーザー加工性の両立に優れる。
本発明においては、レーザー加工性付与剤を樹脂組成物に配合してもよい。レーザー加工性付与剤としては、例えば、トリアゾール化合物、トリアジン化合物、ベンゾフェノン化合物、およびアジド化合物などが挙げられる。より具体的には、トリアゾール化合物としては、例えば、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2-ヒドロキシ−5−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾールおよび2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール等が挙げられ、トリアジン化合物としては、例えば、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2イル]−5−(オクチルオキシ)フェノールおよび2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等が挙げられ、ベンゾフェノン化合物としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンおよび4,4−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられ、アジド化合物としては、例えば、2,6−ビス(4’−アジドベンザル)−4−メチル−シクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−アジドベンザル)−4−エチル−シクロヘキサノン、4,4’−ジアジドジフェニルスルフォンおよび4,4’−ジアジドベンゾフェノン等が挙げられる。レーザー加工性付与剤は、2種類以上組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、レーザー加工性を向上させる上で、2−(4,6-ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2,6−ビス(4’−アジドベンザル)−4−メチル−シクロヘキサノン、または2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールが、より好ましい。
本発明に用いるレーザー加工性付与剤の含有量としては、環状オレフィン系樹脂等の樹脂成分100重量部に対して0.1〜15重量部の範囲が好ましく、特に1〜10重量部の範囲が好ましい。含有量がこの範囲内であると、特に電気特性とレーザー加工性の両立に優れる。
本発明の樹脂組成物には、耐熱性や物理特性などを向上させることを目的として、さらに溶融シリカ以外の無機充填材を含むこともできる。
溶融シリカ以外の無機充填材としては、例えば、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカおよびガラス等のケイ酸塩、酸化チタン、アルミナ、結晶シリカ等の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよびハイドロタルサイト等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムおよび水酸化カルシウム等の水酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウムおよび亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウムおよびホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素および窒化ケイ素等の窒化物等を挙げることができる。
前記溶融シリカ以外の無機充填材の平均粒径は、特に限定されないが、必須成分である溶融シリカと同じく平均粒径3μm以下が好ましい。平均粒径が前記範囲内であると、特に、配線板の樹脂層における回路埋め込み性に優れる。
前記球状溶融シリカ以外の無機充填材の含有量は、特に限定されないが、前記樹脂組成物全体の10重量%以下が好ましい。含有量が前記範囲内であると、電気特性と低線膨張化の両立に優れる。
本発明の樹脂組成物では、さらに光および/または熱重合開始剤を添加することができる。これにより、光の照射および/または加熱により、環状オレフィン系樹脂中の二重結合部位やエポキシ基等の官能基を容易に反応させ架橋させると共に、その後の硬化により回路基板への密着性を向上させることができる。
前記光および/または熱重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、4−フェニルベンゾフェノンおよびヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテルおよびベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類、4−フェノキシジクロロアセトフェノンおよびジエトキシアセトフェノン等のアセトフェノン類、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソンおよび2,4−ジメチルチオキサンソン等のチオキサンソン類、エチルアントラキノンおよびブチルアントラキノン等のアルキルアントラキノン類等を挙げることができる。
また、アゾビスイソブチロニトリル、イソブチリルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカルボナート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイドおよびt−ブチルヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物を挙げることができる。
更に、光および/または熱重合開始剤として、光酸発生剤を用いると、エポキシ基やアルコキシシリル基等の官能基部位の架橋を行うとともに、その後の硬化により基板との密着性を向上する。好ましい光酸発生剤としては、オニウム塩、ハロゲン化合物、硫酸塩やその混合物である。例えば、オニウム塩としては、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、スルフォニウム塩、リン酸塩、アルソニウム塩、オキソニウム塩などである。前記オニウム塩のカウンターアニオンとしては、オニウム塩とカウンターアニオンを作ることができる化合物である限り、制限はない。カウンターアニオンの例としては、ホウ酸、リン酸、アンチモニック酸、硫酸塩、カルボン酸とその塩化物などであるが、これに限定されない。オニウム塩の光酸発生剤としては、トリフェニルスルフォニウムテトラフルオロフォスフェート、トリフェニルスルフォニウムテトラフルオロサルフェート、4−チオフェノキシジフェニルスルフォニウムテトラフルオロボレート、4−チオフェノキシジフェニルスルフォニウムテトラフルオロアンチモネート、4−チオフェノキシジフェニルスルフォニウムテトラフルオロアーセナート、4−チオフェノキシジフェニルスルフォニウムテトラフルオロフォスフェート、4−チオフェノキシジフェニルスルフォニウムテトラフルオロスルフォネート、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルフォニウムテトラフルオロボレート、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルフォニウムテトラフルオロスルフォニウム、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルフォニウムテトラフルオロアンチモネート、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルフォニウムトリフルオロフォスフォネート、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルフォニウムトリフルオスルフォネート、トリス(4−メチルフェニル)スルフォニウムトリフルオロボレート、トリス(4−メチルフェニル)スルフォニウムテトラフルオロボレート、トリス(4−メチルフェニル)スルフォニウムヘキサフルオロアーセネート、トリス(4−メチルフェニル)スルフォニウムヘキサフルフォスフェート、トリス(4−メチルフェニル)スルフォニウムヘキサフルオロスルフォネート、トリス(4−メトキシフェニル)スルフォニウムテトラフルオロボレート、トリス(4−メチルフェニル)スルフォニウムヘキサフルオアンチモネート、トリス(4−メチルフェニル)スルフォニウムヘキサフルオフォスフェート、トリス(4−メチルフェニル)スルフォニウムトリフルオロスフォネート、トリフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルヨードニウムヘキサフルオロアーセネート、トリフェニルヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、トリフェニルヨードニウムトリフルオロスルフォネート、3,3−ジニトロジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、3,3−ジニトロジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、3,3−ジニトロジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアーセネイト、3,3−ジニトロジフェニルヨードニウムトリフルオロサルフォネート、4,4−ジニトロジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4,4−ジニトロジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、4,4−ジニトロジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアーセネイト、4,4−ジニトロジフェニルヨードニウムトリフルオロサルフォネート、4,4’−ジ−t−ブチルフェニルヨードニウムトリフレート、4,4’,4’’−トリス(t-ブチルフェニル)スルフォニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルフォニウムジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4,4’−ジ-t-ブチルフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス(t−ブチルフェニル)スルフォニムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、(4−メチルフェニル)(4−(1−メチルエチル)フェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートおよび4−(2−メチルプロピル)フェニル(4−メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェイトなどが挙げられる。これらを単独で使用しても混合して使用しても良い。
これらの中でも、光酸発生剤としては、4,4’−ジ−t−ブチルフェニルヨードニウムトリフレート、4,4’,4’’−トリス(t−ブチルフェニル)スルフォニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルフォニウムジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4,4’−ジ−t−ブチルフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス(t−ブチルフェニル)スルフォニムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、(4−メチルフェニル)(4−(1-メチルエチル)フェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートおよび4−(2−メチルプロピル)フェニル(4−メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェイトや、それらの混合物が、より好ましい。
本発明の樹脂組成物には、上記成分以外の成分として、安定化剤として、紫外線吸収剤、光安定化剤および酸化防止剤を使用することができる。前記紫外線吸収剤としては、例えば、p−メトキシケイ皮酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’ −ジヒドロキシ-4,4’−ジヒドロキシ、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾールおよび2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレートなどが挙げられる。
また、前記光安定化剤としては、例えば、ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]]などのヒンダードアミン系などが挙げられる。
また、前記酸化防止剤としては、例えば、トリエチレングリコール-ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクチル化ジフェニルアミン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエテル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン6−イル]オキシ]−N,N−ビス[2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2,]ジオキサフォスフェピン−6−イル]オキシ]−エチル]エタナミンなどのフェノール系、リン系酸化防止剤が挙げられる。これらは単独、あるいは2種以上の混合して用いることができる。これら安定化剤の含有量としては、環状オレフィン系樹脂100重量部に対し、各0.01〜10重量部が好ましい。
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、さらに、イオン性硬化剤やラジカル性硬化剤などの硬化剤、硬化促進剤、硬化助剤、難燃剤、レベリング剤、カップリング剤、滑剤および染顔料などの添加剤や、反応性希釈剤、溶媒、上記樹脂以外の樹脂やオリゴマーなどを含むことができる。
本発明の樹脂組成物は、少なくとも、上記低誘電率樹脂及びゼオライト、さらに必要に応じて上記他の成分の少なくとも一つをブレンドすることにより得られる。この場合、それぞれの官能基の一部が反応して、成分同士が共有結合で結合していても差し支えない。
本発明の樹脂組成物は、優れた電気特性、耐燃性およびレーザー加工性を有するため、プリント配線板や多層配線板などの配線板だけでなく、半導体装置および液晶表示装置などの絶縁体等に好適である。特に、層間絶縁層における厚みの均一性および表面の平滑性が求められる多層配線板の絶縁層に用いる場合、回路埋め込み性および表面平滑性に優れるため、安定性した高速伝送特性を有する多層配線板を提供することができる。
次に、樹脂層および積層体について説明する。
図1は、本発明の積層体の一例を模式的に示す断面図である。
積層体1は、上記の樹脂組成物で構成される樹脂層3と、キャリアフィルム2とを積層してなるものである。
上記樹脂組成物で構成される樹脂層は、電子機器の高速伝送化を可能とする電気特性およびレーザー加工性に優れる特性を有する絶縁層として用いることができる。
樹脂組成物で構成される樹脂層3の厚さは、特に限定されないが、0.1〜60μmが好ましく、特に1〜40μmが好ましい。樹脂組成物で構成される樹脂層の厚さは、絶縁信頼性を向上させる上で、前記下限値以上が好ましく、多層配線板における目的の一つである薄膜化を達成する上で、前記上限値以下が好ましい。
キャリアフィルム2は、銅やアルミニウムなどの導体層として使用可能な金属箔、または樹脂組成物で構成される樹脂層2から適度な強度で剥離容易である樹脂フィルムが、好ましい。前記樹脂フィルムとしては、ポリエステル、芳香族ポリイミド、ポリエチレン等で構成されるフィルムが挙げられる。これらキャリアフィルムの中でも、ポリエステルで構成されるフィルムが最も好ましい。これにより、樹脂組成物で構成される樹脂層3から適度な強度でキャリアフィルムを剥離することが、特に容易となる。また、反応性希釈剤に対する安定性にも優れている。さらに、反応性希釈剤および溶剤に溶解している樹脂組成物成分が、キャリアフィルムにマイグレーションするのを防止することもできる。また、キャリアフィルム2の厚さは、特に限定されないが、10〜200μmが好ましく、特に20〜100μmが好ましい。キャリアフィルムの厚さが前記範囲内であると、特に配線板における回路上での樹脂層の平坦性に優れる。
樹脂組成物で構成される樹脂層3をキャリアフィルム2に積層する方法としては、例えば、前記樹脂組成物を溶剤等に溶解してワニスとし、これをキャリアフィルム2に塗布して樹脂層を形成する方法等が挙げられる。前記塗布する方法としては、例えば、ロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、グラビアコーター、ダイコーターおよびカーテンコーターなどにより塗布または流延する方法、スプレーにより噴霧する方法、デッィピングにより浸漬する方法、印刷機、真空印刷機およびディスペンサーにより描画する方法、場合によりスピンコート等が挙げられる。これらの中でも、ダイコーターを用いる方法が好ましい。これにより、所定の厚さを有する積層体1を安定して生産できる。
具体的に、積層体1を製造する方法としては、例えば、樹脂組成物を溶剤に溶解したものを、キャリアフィルム2に1〜100μm程度の厚さで塗布し、その塗布層を、例えば、80〜200℃で20秒〜30分乾燥し、好ましくは残留溶媒量が全体の1.0重量%以下とする。これにより、樹脂組成物で構成される樹脂層3がキャリアフィルム2上に積層された積層体1を得ることができる。
この様にして得られた樹脂層は、加工性と電気特性に優れており、例えば、0.5μm以下の表面凹凸の高低差にすることができ、表面平滑性にも優れ、1GHzにおいて3.0以下の比誘電率、0.006以下の誘電正接を達成することができ、また、熱線膨張係数においては50ppm/℃以下のものが得られ、低熱膨張性のものとなる。
次に、配線板について説明する。
図2は、本発明の配線板の一例を示す断面図である。
図2に示すように、配線板10は、コア基板5と、コア基板5の両面に設けられた樹脂層3とで構成されている。
コア基板5には、ドリル機で開口された開口部51が形成されている。また、コア基板5の両表面には導体回路52が形成されている。
開口部51の内部はメッキ処理されており、コア基板5の両表面の導体回路52が導通されている。
導体回路52を覆うようにコア基板5の両面に、樹脂層3が設けられている。樹脂層3には、レーザー加工により形成された開口部31が形成されている。
また、樹脂層3の両表面には、第2導体回路32が形成されている。
導体回路52と、第2導体回路32とは、開口部31を介して導通されている。
このような配線板を製造する方法は、コア基板上に回路層を形成する工程と、回路層を形成したコア基板上に樹脂組成物を用いて絶縁層を形成する工程と、当該絶縁層をレーザー照射等の適宜の手段で開口する工程と、該絶縁層上に回路層を形成する工程とを含む。その一例を図3を用いて説明すると、コア基板(例えばFR−4の両面銅箔)107にドリル機で開孔して開口部102を設けた後、無電解めっきにより、開口部102にメッキ処理を行い、コア基板107の両面の導通を図る。そして、前記コア基板107の銅箔をエッチングすることにより導体回路101を形成する(図3(a))。
導体回路101の材質としては、この製造方法に適するものであれば、どのようなものでも良いが、導体回路の形成においてエッチングや剥離などの方法により除去可能であることが好ましく、前記エッチングにおいては、これに使用される薬液などに耐性を有するものが好ましい。そのような導体回路101の材質としては、例えば、銅、銅合金、42合金およびニッケル等が挙げられる。特に、銅箔、銅板および銅合金板は、電解めっき品や圧延品を選択できるだけでなく、様々な厚みのものを容易に入手できるため、導体回路101として使用するのに最も好ましい。
次に、導体回路101を覆うように、樹脂層104を形成する(図3(b))。樹脂層104を形成する方法としては、本発明の樹脂組成物を絶縁層形成面に直接塗布して形成する方法、上述の積層体(キャリアフィルム付き積層フィルム)をプレスしキャリアフィルムを剥離する方法、真空プレス、常圧ラミネーター、真空ラミネーターおよびベクレル式積層装置等を用いて積層して樹脂層104を形成する方法が挙げられる。
また、キャリアフィルムとして金属層を用いた場合、該金属層を剥離せずに、導体回路として加工することができる。
次に、樹脂層形成に積層体(キャリアフィルム付き積層フィルム)を用いた場合、キャリアフィルムを剥離した後、形成した樹脂層104を加熱・硬化する。加熱・硬化する温度は、150℃〜300℃の範囲が好ましい。特に、150℃〜250℃が好ましい。また、一層目の樹脂層104を加熱、半硬化させ、樹脂層104上に、一層ないし複数の樹脂層104を、さらに形成し半硬化の樹脂層104を実用上問題ない程度に再度加熱硬化させることにより、樹脂層104間および樹脂層104と導体回路101間の密着力を向上させることができる。この場合の半硬化の温度は、100℃〜250℃が好ましく、150℃〜200℃がより好ましい。
次に、樹脂層104に、レーザーを照射して、開口部105を形成する(図3(c))。前記レーザーとしては、エキシマレーザー、UVレーザーおよび炭酸ガスレーザー等が使用できる。前記レーザーによる開口部105の形成は、樹脂層104の材質が感光性・非感光性に関係なく、微細な開口部105を容易に形成することができる。したがって、樹脂層104に微細加工が必要とされる場合に、特に好ましい。
次に、導体回路106を形成する(図3(d))。導体回路106の形成方法としては、公知の方法であるセミアディティブ法などで形成することができる。
次に、導体ポスト107を形成する(図3(e))。導体ポスト107の形成方法としては、公知の方法である電解メッキ等で形成することができる。例えば、導体回路106を電解メッキ用リードとして、銅電解メッキを行ない、銅で充填し銅ポストを形成することができる。以上の手順を経て、配線板を得ることができる。
上記配線板を得る工程において、上記図3(b)〜図3(e)で示した工程を繰り返すことにより、さらに多層の配線板を得ることができる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
A.ノルボルネン系樹脂Aの合成
環状オレフィン系樹脂として、ポリマーAを下記の方法で合成した。
重合系の雰囲気を不活性ガスの窒素で十分に満たした反応容器中に、5−デシル−2−ノルボルネン16.4g(0.07mol)、5−メチルグリシジルエーテル−2−ノルボルネン5.41g(0.03mol)、重合溶剤としてエチルアセテート130g、シクロヘキサン115g(0.53mol)を仕込んだ。次いで、遷移金属触媒(η6−トルエンニッケルビス(ペンタフルオロフェニル)0.69g(1.4×10−3mol)をトルエン5gに溶解させた触媒溶液を反応容器に投入した。室温で4時間攪拌重合させた後、氷酢酸47ml、30%過酸化水素水87ml、純水300mlの混合液に前記重合溶液を投入し、2時間攪拌した。水層の遷移金属触媒と樹脂溶液の有機層とに分離した溶液の水層を除去した。更に有機層を数回純水で洗浄した、そして、樹脂溶液をメタノール中に投入しノルボルネン系樹脂を析出させた。固形分を濾過後、減圧乾燥し溶剤を除きノルボルネン系樹脂Aを得た。
B.積層体の作製
配合表に従って各実施例および各比較例の樹脂溶液を調製し、各樹脂溶液をキャリアフィルムであるポリエステルフィルム(ダイヤホイル社製、MRX−50、厚さ50μm)上に、ロールコーターで、乾燥時厚さが25μmになるように塗布して樹脂層を形成した。その後、80℃で10分、140℃で10分乾燥を行い、キャリアフィルム付き樹脂層からなる積層体を得た。
C.配線板の作製
(1)内層回路の形成
総厚さが0.3mmで、銅箔厚さが12μmの両面銅張り積層板(住友ベークライト(株)製ELC−4781)を用いて、ドリル機で開孔後、無電解めっきで前記開孔部にめっきを行い上下銅箔間の導通を図り、前記積層板の両面の銅箔をエッチングすることにより内層導体回路を両面に形成した。
次に、内層導体回路に、過酸化水素水と硫酸を主成分とする薬液(旭電化工業(株)製テックSO−G)をスプレー吹きつけすることにより粗化処理による凹凸形成を行った。
(2)絶縁層の形成
上記で得た内層回路に対して、各実施例および各比較例に従って、下記(2−a)または(2−b)のいずれかの方法で絶縁層を形成した。
(2−a)
上記で得られた積層体(キャリアフィルム付き樹脂層)の樹脂層面を導体回路面に合わせて、真空ラミネーターを使用して導体回路を埋め込み、200℃で60分間のベーキング処理を行い、絶縁層を形成した。
(2−b)
配合表に従って得られた各実施例および各比較例の樹脂溶液を、上記で得た内層回路上に、スピンコーターで厚さが25μmになるように塗布して樹脂層を形成した。その後、80℃で10分、140℃で10分乾燥を行い、更に200℃で60分間のベーキング処理を行い、絶縁層を形成した。
(3)レーザー加工および外層回路の形成
次に、UV−YAGレーザー装置(三菱電機(株)製ML605LDX)を用いてφ40μmの開口部(ブラインド・ヴィアホール)を形成し、該開口部底部のデスミア処理(日本マクダーミッド(株)製マキュダイザーシリーズ)を施した後、無電解銅めっき(上村工業(株)製スルカップPRX)を15分間行い、厚さ0.5μmの給電層を積層板表面に形成した。次に、この給電層表面に、厚さ25μmの紫外線感光性ドライフィルム(旭化成(株)製AQ−2558)をホットロールラミネーターにより貼り合わせ、最小線幅/線間が20/20μmのパターンが描画されたクロム蒸着マスク((株)トウワプロセス製)を使用して、位置合わせ、露光装置(ウシオ電機(株)製UX−1100SM−AJN01)により露光した。炭酸ソーダ水溶液にて現像し、めっきレジストを形成した。
次に、給電層を電極として電解銅めっき(奥野製薬(株)81−HL)を3A/dm、30分間行って、厚さ約20μmの銅配線を形成した。ここで2段階剥離機を用いて、前記めっきレジストを剥離した。各薬液は、1段階目のアルカリ水溶液層にはモノエタノールアミン溶液(三菱瓦斯化学(株)製R−100)、2段階目の酸化性樹脂エッチング剤には過マンガン酸カリウムと水酸化ナトリウムを主成分とする水溶液(日本マクダーミッド(株)製マキュダイザー9275、9276)、中和には酸性アミン水溶液(日本マクダーミッド(株)製マキュダイザー9279)をそれぞれ用いた。
次に、給電層を過硫酸アンモニウム水溶液(メルテックス(株)製AD−485)に浸漬処理することで、エッチング除去し、配線間の絶縁を確保した。最後に、回路表面にドライフィルムタイプのソルダーレジスト(住友ベークライト(株)製CFP−1121)を真空ラミネーターにて回路埋め込みを行いながら形成し、最終的に配線板を得た。
D.評価項目・評価方法
(1)電気特性(誘電率、誘電正接)
周波数1GHzにおける誘電特性を測定した。測定機器は、円筒空洞共振機(アジレント・テクノロジー社製、マイクロ波ネットワークアナライザ HP8510B)を用いた。なお、測定用サンプルは、積層体よりキャリアフィルムを除去し、続いて窒素雰囲気下の乾燥機により、200℃で1時間熱処理して得られた樹脂層フィルムを用いた。
(2)熱線膨張係数
積層体よりキャリアフィルムを除去し、続いて窒素雰囲気下の乾燥機により、180℃で2時間熱処理して得られた樹脂層フィルムを測定サンプルとし、引っ張りモードにてTMA測定機(セイコーインスツルメント社製)を行い、30℃から150℃間の平均線膨張係数を求めた。
(3)耐屈曲性
積層体よりキャリアフィルムを除去し、続いて窒素雰囲気下の乾燥機により、180℃で2時間熱処理して得られた樹脂層フィルムを測定サンプルとし、各種サイズ径の円筒形マンドレルで180度屈曲させて割れ等の異常を観察し、以下に示す4段階基準で評価した。
◎:3mm径円筒形マンドレルで異常無し
○:5mm径円筒形マンドレルで異常無し、4mm径円筒形マンドレルで割れ発生
△:10mm径円筒形マンドレルで異常無し、8mm径円筒形マンドレルで割れ発生
×:10mm径円筒形マンドレルで割れ発生
(4)加工性
線幅/線間/厚み=20μm/20μm/10μmである回路層を有する回路基板上に、上記で得た積層体を、最高到達温度170℃、圧力1.96×10−2MPa(20Kgf/cm)の条件で、真空プレスによりラミネート後、キャリアフィルムを剥離し、窒素雰囲気下の乾燥機により200℃で1時間熱処理して、樹脂層を硬化させて絶縁層を形成した。得られた絶縁層を、更に、UVYAGレーザー(三菱電機(株)社製)により100穴の50μm径ビアの開孔を行った際の加工性を観察し、合格ビア個数を以下に示す4段階基準で評価した。
◎:全て目標ビア径の開孔可能、外観問題なし
○:80%以上良好なビア径および実用上使用可な外観
△:80%未満良好なビア径および実質上使用不可
×:ビア形状不良、外観不良
(5)耐熱性
積層体を200℃で1時間熱処理を行い、積層体よりキャリアフィルムを除去し、耐熱性を示差熱量分析(TG−DTA)を用いて、昇温速度10℃/minとして加熱し、5%重量減少する温度を観察し、以下に示す4段階基準で評価した。
◎:350℃以上
○:300〜350℃
△:260〜300℃
×:260℃未満
(6)密着性
上記評価(4)で得た回路基板の絶縁層に、カッターナイフにて10×10升の碁盤目状に切れ目を入れ、その上に接着テープを一旦貼り付けて引き剥がし、剥がれた升目の数を数えた。
(7)回路埋め込み性
線幅/線間/厚み=5μm/5μm/10μmである回路層を有する回路基板上に、上記で得た積層体を、最高到達温度170℃、圧力1.96×10−2MPa(20Kgf/cm)の条件で、真空プレスによりラミネート後、キャリアフィルムを剥離し、窒素雰囲気下の乾燥機により200℃で1時間熱処理して、樹脂層を硬化させて絶縁層を形成した。得られた絶縁層を切断して断面を観察し、樹脂の埋め込まれ具合とフィラーの分散具合を観察し、以下に示す4段階基準で評価した。
○:樹脂充填性、フィラー分散性ともに異常無し
△:樹脂充填性は異常無し、線間へのフィラー分散性に異常有り
×:樹脂未充填部分有り
(8)接続信頼性
接続信頼性は、温度30℃、湿度70%の雰囲気下で1965時間放置後、260℃リフローを3回行い、温度サイクル試験(−40℃、125℃各30分、さらしなし)を行ない、100サイクル毎に導通テストして、不良発生サイクル数を計測し、以下に示す4段階基準で評価した。
◎:800サイクル以上
○:500〜800サイクル
△:100〜500サイクル
×:100サイクル未満
(9)絶縁信頼性
絶縁信頼性は、温度85℃、湿度85%の雰囲気下で100時間放置後の導体間の絶縁抵抗値を測定し、以下に示す4段階基準で評価した。
◎:絶縁抵抗値1010Ω以上
○:絶縁抵抗値108〜109Ω
△:絶縁抵抗値107〜108Ω
×:絶縁抵抗値107未満
(10)耐燃性
樹脂組成物を成形後、加熱硬化して1mm厚の試験片を作製した。この試験片を用いて、UL−94規格に従い、垂直法により評価した。
(実施例1)
平均粒径0.5μmのシリカBを60gと、ノルボルネン系樹脂Aを34g、ゼオライトA(東ソー株式会社製HSZ−341NHA、モル比SiO/Al=7/1)を3g、さらに、レーザー加工性付与剤Aとして2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールを3gとを、メシチレン200gに溶解させて樹脂溶液を調整し、上記手順に従って樹脂層付き積層体と配線板、及び各試験片を作製、評価した。結果を表1に示す。
(実施例2)
ゼオライトAをゼオライトB(東ソー株式会社製HSZ−331NHA、モル比SiO/Al=6/1)に変更した以外は実施例1と同様に実施した。
(実施例3)
ゼオライトAをゼオライトC(和光純薬工業(株)製F−9、モル比SiO/Al=2.5/1)に変更した以外は実施例1と同様に実施した。
(実施例4)
ゼオライトAの量を2gに、シリカBの量を61gに変更した以外は実施例1と同様に実施した。
(実施例5)
ゼオライトAの量を8gに、シリカBの量を55gに変更した以外は実施例1と同様に実施した。
(実施例6)
シリカBの量を40gに、ノルボルネン樹脂Aの量を54gに変更した以外は実施例1と同様に実施した。
(実施例7)
シリカBの量を75gに、ノルボルネン樹脂Aの量を19gに変更した以外は実施例1と同様に実施した。
(実施例8)
シリカ成分を、シリカBを40gと、シリカCを20gに変更した以外は実施例1と同様に実施した。
(実施例9)
シリカ成分を、シリカBを50gと、シリカCを10gに変更した以外は実施例1と同様に実施した。
(実施例10)
シリカ成分を、シリカAを60gに変更した以外は実施例1と同様に実施した。
(実施例11)
積層体を金属層付きフィルムに変えた以外は実施例1と同様に実施した。
(実施例12)
絶縁層を形成する工程をスピンコーターで塗布した以外は実施例1と同様に実施した。
(比較例1)
ゼオライトを配合せず、シリカBの配合量を63gに変更した以外は実施例1と同様に実施した。
(比較例2)
ゼオライトAをゼオライトD(東ソー株式会社製HSZ−350HUA、モル比SiO/Al=10/1)に変更した以外は実施例1と同様に実施した。
(比較例3)
低誘電率樹脂を、高誘電率樹脂であるエポキシ樹脂Bを33gに、溶媒メシチレンをN-メチル−2−ピロリドン(NMP)に変更し、硬化促進剤2−メチルイミダゾールを1g加えた以外は実施例1と同様に実施した。
Figure 0004972958
シリカA:電気化学工業社製FB−1SDX、平均粒径1.7μm
シリカB:アドマテックス社製SE−2030、平均粒径1.5μm
シリカC:トクヤマ社製DM−10、平均粒径0.06μm
ノルボルネン系樹脂A:実施例内にて弊社合成
エポキシ樹脂B:住友化学社製ESCN195−LB
レーザー加工性付与剤A:2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
ゼオライトA:東ソー株式会社製 HSZ−341NHA(Y型ゼオライト、カチオン種=NH 、SiO/Alモル比=7/1)
ゼオライトB:東ソー株式会社製 HSZ−331NHA(Y型ゼオライト、カチオン種=H、SiO/Alモル比=6/1)
ゼオライトC:和光純薬工業株式会社製 F−9(X型ゼオライト、カチオン種=Na、SiO/Alモル比=2.5/1)
ゼオライトD:東ソー株式会社製 HSZ−350 HUA(Y型ゼオライト、カチオン種=H、SiO/Alモル比=10/1)
表1から明らかなように、実施例1〜12は、電気特性(絶縁信頼性、接続信頼性、低誘電率)、回路埋め込み性、難燃性、耐熱性、熱線膨張係数、密着性および加工性に優れていた。
これに対して、比較例1及び2は難燃性が劣っていた。比較例3は低誘電率性が激しく劣った。
本発明によれば、絶縁層として必要な絶縁信頼性、接続信頼性、低誘電率等の電気特性、難燃性、耐熱性、低熱膨張性、高密着性、高信頼性、耐屈折性等の物性、更にはレーザー加工性を持った樹脂組成物を得ることができるので、電気特性や、レーザーによる微細加工を必要とする半導体搭載用基板などの絶縁材として用いることができる。また、これにより、電気特性、特に誘電特性に優れた配線板が得られるので、部品の小型化や信号の高速伝送性が要求される電子機器用の多層配線板などに適用できる。
本発明の積層体の一例を示す断面図である。 本発明の配線板の一例を示す断面図である。 本発明の配線板の製造方法の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 積層体
2 キャリアフィルム
3 樹脂層
5 コア基板
10 配線板
31 樹脂層の開口部
32 導体回路
51 コア基板の開口部
52 導体回路
101 導体回路
102 開口部
103 コア基板
104 樹脂層
105 開口部
106 導体回路
107 導体ポスト

Claims (22)

  1. 配線板の樹脂層を構成する樹脂組成物であって、ノルボルネン系樹脂と、組成モル比SiO2/Al2O3=1/1〜9/1のゼオライトを難燃剤として含有することを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記ゼオライトの含有量は、前記樹脂組成物全体の1〜20重量%である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 平均粒径3μm以下の溶融シリカを含む請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記平均粒径3μm以下の溶融シリカの含有量は、前記樹脂組成物全体の30〜85重量%である請求項3に記載の樹脂組成物。
  5. 前記ノルボルネン系樹脂は、下記一般式(1)で表される繰り返し構造を含むノルボルネン系樹脂である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
    Figure 0004972958
    [式(1)中のXは、−CH−、−CHCH−、または−O−を示し、R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立して水素原子、炭化水素基、炭素数1〜12の極性基、又は、該極性基を含む有機基を示す。nは0から2の整数を示し、その繰り返しは異なっていても良い。]
  6. 前記ノルボルネン系樹脂は、下記一般式(2)で表されるモノマーを含むノルボルネン系モノマーの付加重合体である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
    Figure 0004972958
    [式(2)中のXは、−CH−、−CHCH−、または−O−を示し、R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立して水素原子、炭化水素基、炭素数1〜12の極性基、又は、該極性基を含む有機基を示す。nは0から2の整数を示し、その繰り返しは異なっていても良い。]
  7. 前記樹脂組成物は、さらにレーザー加工性付与剤を含有するものである請求項1乃至6のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  8. 前記レーザー加工性付与剤の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分100重量部に対して0.1〜15重量部である請求項7に記載の樹脂組成物。
  9. レーザー加工性付与剤は、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2,6−ビス(4’−アジドベンザル)−4−メチル−シクロヘキサノン、又は2-(3-t-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾールである請求項7に記載の樹脂組成物。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の樹脂組成物を用いて形成したことを特徴とする樹脂層。
  11. 前記樹脂層は、3.0以下の比誘電率を有するものである請求項10に記載の樹脂層。
  12. 前記樹脂層は、0.006以下の誘電正接を有するものである請求項10又は11に記載の樹脂層。
  13. 前記樹脂層は、50ppm/℃以下の線膨張係数を有するものである請求項10乃至12のいずれか一項に記載の樹脂層。
  14. 配線板に用いる積層体であって、請求項10乃至13のいずれか一項に記載の樹脂層とキャリアフィルムとを積層してなることを特徴とする積層体。
  15. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の樹脂組成物を用いて形成した樹脂層を有することを特徴とする配線板。
  16. 配線基板上に回路層を形成する工程と、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の樹脂組成物を用いて前記配線基板上に樹脂層を形成する工程と、前記樹脂層をレーザー照射により開孔する工程と、を含む配線板の製造方法。
  17. 前記樹脂層を形成する工程は、前記樹脂組成物を塗布して樹脂層を形成するものである請求項16に記載の配線板の製造方法。
  18. 前記樹脂層を形成する工程は、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の樹脂組成物からなる樹脂フィルムを前記配線基板にラミネートして樹脂層を形成するものである請求項16に記載の配線板の製造方法。
  19. 前記樹脂層を形成する工程は、前記請求項14に記載の積層体を用い、当該積層体の樹脂層を前記配線基板上に貼り合わせた後、キャリアフィルムを剥離するものである請求項16に記載の配線板の製造方法。
  20. 前記樹脂層を形成する工程は、金属キャリアフィルム付きの前記請求項14に記載の積層体を用い、当該積層体の樹脂層を前記配線基板上に貼り合わせた後、金属キャリアフィルムを加工して回路層とするものである請求項16に記載の配線板の製造方法。
  21. 前記樹脂層を加熱硬化する工程を含む請求項16乃至20のいずれか一項に記載の配線板の製造方法。
  22. 請求項16乃至21のいずれか一項に記載の製造方法により得られる配線板。
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