しかしながら、従来の携帯端末装置は、携帯端末装置に故障が有る場合には、二次電池から電子回路への電力供給は遮断されるが、外部AC電源から電子回路への電力供給は遮断されない。このため、従来の携帯端末装置は、故障が発生しているときに外部AC電源から電子回路に電力が供給されることにより、誤動作、あるいは電子回路に新たな故障が発生する恐れがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、電子回路に故障が発生したときに外部電源から電子回路への電力供給を遮断することができる携帯端末装置、異常動作検出回路および電力供給制御方法を提供することを目的とする。
本発明の携帯端末装置は、外部電源からの電力供給が可能な携帯端末装置であって、電子回路と、前記電子回路の少なくとも一箇所における異常動作を検出する検出部と、前記外部電源と前記電子回路とを接続する電力伝送路の一部を開放または短絡する第1の切替部と、前記検出部により異常動作を検出したときに、前記第1の切替部を開放するよう切り替える切替制御部と、を備えるものである。
本発明の異常動作検出回路は、電子回路に発生する異常動作を検出する異常動作検出回路であって、前記電子回路の少なくとも一箇所における異常動作を検出する検出部と、外部電源と前記電子回路とを接続する電力伝送路の一部を開放または短絡する第1の切替部と、前記検出部により異常動作を検出したときに、前記第1の切替部を開放するよう切り替える切替制御部と、を備えるものである。
本発明の電力供給制御方法は、電子回路に発生する異常動作を検出するための異常動作検出回路による電力供給制御方法であって、前記電子回路の少なくとも一箇所における異常動作を検出し、前記異常動作を検出したときに、外部電源と前記電子回路とを接続する電力伝送路の一部を開放する、ものである。
この構成により、電子回路に故障が発生したときに外部電源から電子回路への電力供給を遮断することができる。
また、本発明の携帯端末装置は、外部電源から供給される電力によって充電する二次電池と、前記二次電池と前記電子回路とを接続する電力伝送路の一部を開放または短絡する第2の切替部を備え、前記切替制御部が、前記検出部により異常動作を検出したときに、前記第2の切替部を開放するよう切り替える、ものを含む。
また、本発明の異常動作検出回路は、外部電源から供給される電力によって充電する二次電池と、前記電子回路と、を接続する電力伝送路の一部を開放または短絡する第2の切替部を備え、前記切替制御部が、前記検出部により異常動作を検出したときに、前記第2の切替部を開放するよう切り替える、ものを含む。
また、本発明の電力供給制御方法は、前記異常動作を検出したときに、外部電源から供給される電力によって充電する二次電池と前記電子回路とを接続する電力伝送路の一部を開放する、ものを含む。
この構成により、電子回路に故障が発生したときに外部電源および二次電池から電子回路への電力供給を遮断することができる。
また、本発明の携帯端末装置は、複数の前記検出部を備え、前記切替制御部が、少なくとも一つの前記検出部により異常動作を検出したときに、少なくとも前記第1の切替部および前記第2の切替部の一方、または両方を開放するよう切り替える、ものを含む。
また、本発明の異常動作検出回路は、複数の前記検出部を備え、前記切替制御部が、少なくとも一つの前記検出部により異常動作を検出したときに、少なくとも前記第1の切替部および前記第2の切替部の一方、または両方を開放するよう切り替える、ものを含む。
また、本発明の電力供給制御方法は、前記電子回路の複数箇所における異常動作を検出し、少なくとも一箇所における異常動作を検出したときに、前記外部電源と前記電子回路とを接続する電力伝送路の一部、および外部電源から供給される電力によって充電する二次電池と前記電子回路とを接続する電力伝送路の一部の一方、または両方を開放するよう切り替える、ものを含む。
この構成により、携帯端末装置に発生する様々な異常動作を複数の検出部により検出することができる。
また、本発明の携帯端末装置は、前記切替制御部が、前記検出部が異常動作を所定の期間検出し続けた場合、少なくとも前記第1の切替部および前記第2の切替部の一方、または両方を開放するよう切り替える、ものを含む。
また、本発明の異常動作検出回路は、前記切替制御部が、前記検出部が異常動作を所定の期間検出し続けた場合、少なくとも前記第1の切替部および前記第2の切替部の一方、または両方を開放するよう切り替える、ものを含む。
また、本発明の電力供給制御方法は、異常動作を所定の期間検出し続けた場合、前記外部電源と前記電子回路とを接続する電力伝送路の一部、および外部電源から供給される電力によって充電する二次電池と前記電子回路とを接続する電力伝送路の一部の一方、または両方を開放するよう切り替える、ものを含む。
この構成により、電子回路に駆動電圧を供給中に、異常動作の有無を判別するための参照情報(例えば、電圧値、電流値、または温度値)にゆらぎが発生していても、その参照情報から、正常な駆動電圧が二次電池13から電子回路に印加されているものと正確に判定することができる。
また、本発明の携帯端末装置は、検出動作を行わせるための電力を前記二次電池から前記検出部に間欠的に供給する電力供給制御部を備え、前記検出部が、前記電力供給制御部から電力を供給されている期間、異常動作を検出する、ものを含む。
また、本発明の異常動作検出回路は、検出動作を行わせるための電力を前記二次電池から前記検出部に間欠的に供給する電力供給制御部を備え、前記検出部が、前記電力供給制御部から電力を供給されている期間、異常動作を検出する、ものを含む。
また、本発明の電力供給制御方法は、前記二次電池から、電子回路に発生する異常動作を検出する検出部に検出動作を行わせるための電力を間欠的に供給し、電力が供給されている期間、前記検出部が異常動作を検出する、ものを含む。
この構成により、異常動作を検出するために検出部に必要となる電力消費を軽減することができる。
また、本発明の携帯端末装置は、複数の前記検出部を備え、前記電力供給制御部は、前記二次電池から前記検出部それぞれに、任意の時点において前記二次電池が二つ以上の前記検出部に供給することがないように切り替えて、間欠的に供給する、ものを含む。
また、本発明の異常動作検出回路は、複数の前記検出部を備え、前記電力供給制御部が、前記二次電池から前記検出部それぞれに、任意の時点において前記二次電池が二つ以上の前記検出部に供給することがないように切り替えて、間欠的に供給する、ものを含む。
また、本発明の電力供給制御方法は、複数の前記検出部それぞれに、任意の時点において前記二次電池から二つ以上の前記検出部に供給することがないように切り替えて、間欠的に供給する、ものを含む。
この構成により、電力供給制御部が複数の検出部から異常動作の有無についての信号を選択的に入力することになり、これらの信号が同時に入力されることに備えて電力供給制御部の回路規模を大きくする必要がなくなる。
また、本発明の携帯端末装置は、安定化電源を備え、前記安定化電源が、前記二次電池から入力した電力を、検出動作を行わせるための電力として、前記検出部に出力する、ものを含む。
また、本発明の異常動作検出回路は、安定化電源を備え、前記安定化電源が、前記二次電池から入力した電力を、検出動作を行わせるための電力として、前記検出部に出力する、ものを含む。
また、本発明の電力供給制御方法は、前記二次電池から安定化電源に電力を入力し、前記安定化電源が、電子回路に発生する異常動作を検出する検出部に検出動作を行わせるための電力を出力する、ものを含む。
この構成により、検出部に安定的な駆動電圧を供給することにより、検出部の動作不安定による誤動作を防止することができる。
また、本発明の携帯端末装置は、前記検出部と、当該検出部により異常動作を検出すべき箇所と、の間に配置されたローパスフィルタを備えるものを含む。
また、本発明の異常動作検出回路は、前記検出部と、当該検出部により異常動作を検出すべき箇所と、の間に配置されたローパスフィルタを備えるものを含む。
また、本発明の電力供給制御方法は、電子回路に発生する異常動作を検出する検出部と、当該検出部により異常動作を検出すべき箇所と、の間に配置されたローパスフィルタを備えるものを含む。
この構成により、検出部が検出する電圧からノイズの成分が除去され、携帯端末装置に発生し得る異常動作の有無を正確に検出することができる。
また、本発明の携帯端末装置は、前記検出部により検出した異常動作の種別を記憶する記憶部を備えるものを含む。
また、本発明の異常動作検出回路は、前記検出部により検出した異常動作の種別を記憶する記憶部を備えるものを含む。
また、本発明の電力供給制御方法は、検出した異常動作の種別を記憶するものを含む。
この構成により、携帯端末装置に故障が発生した場合、後でその記憶部に記憶された情報を読み取ることによって、故障原因を特定することが容易になる。
本発明の携帯端末装置、異常動作検出回路および電力供給制御方法によれば、電子回路に故障が発生したときに外部電源から電子回路への電力供給を遮断することができる。
以下、本発明の実施の形態の携帯端末装置について説明する。まず、本発明を実施するために、最小限必要となる基本構成について説明する。図1に、本発明の実施の形態の携帯端末装置における基本構成を表す機能ブロック図を示す。
本発明の実施の形態の携帯端末装置1に搭載される電子回路は、AC電源端子11、外部AC電圧検出回路111、第1制御回路112、OR回路113、第1スイッチ114、バッテリ電源端子12、バッテリ電流検出回路123、温度検出回路124、第2制御回路125、第2スイッチ126、二次電池13、サーミスタ14n(n=1、2、…N)、を含んで構成される。なお、図1では、携帯端末装置内部の電力線を太線で、信号線を電力線よりも細い線で、記載している。
電子回路は、二次電池13からバッテリ電源端子12(二次電池13から供給された電力を電子回路に伝送する端子)を介して供給される電力Vbatまたは外部AC電源2からAC電源端子11(外部AC電源2から供給された電力を電子回路に伝送する端子)を介して供給される電力Vacによって駆動し、携帯端末装置に備わる各種機能を実行する。バッテリ電流検出回路123は、二次電池13から電子回路に電力を供給するための電流値Ibatを検出し、その検出した電流値Ibatがある閾値を越えている期間において、異常電流を検出したことを示すIbat DETを第2制御回路125に出力する。温度検出部回路124は、電子回路の一部を構成する、故障が発生しやすい部品や故障が発生したときに携帯端末装置に深刻な問題を引き起こす部品(これらの部品は、故障が発生したときに、故障が発生していないときに比べて高温を発生することが多い)、の周辺に配置されたサーミスタ14nにより温度値VTHnを検出し、OR回路を介して複数のサーミスタ14nから入力する温度値VTHnのいずれかがある閾値を越えている期間中において、異常温度を検出したことを示すVTH DETを第2制御回路125に出力する。第2制御回路125は、OR回路を介してバッテリ電流検出回路123からIbat DETを入力している期間または温度検出回路124からVTH DETを入力している期間には、携帯端末装置に故障有りと判定して第2スイッチ126を開放する制御信号Vsw2を、一方、OR回路を介していずれも入力していない期間には、携帯端末装置に故障無しと判定して第2スイッチ126を短絡する制御信号Vsw2を、第2スイッチ126に出力して切り替える。さらに、第2制御回路125は、第2スイッチ126を開放あるいは短絡する制御信号Vsw2を第2スイッチ126に出力するとともにOR回路113にも同様の制御信号Vsw2を出力する。
さらに、外部AC電圧検出回路111は、外部AC電源2から電子回路に電力を供給するための電圧値Vacを検出し、その検出した電圧値Vacが所定の数値範囲内に収まっている期間において、外部AC電源2からの電力が正常であることを示すVac DETを第1制御回路112に出力する。第1制御回路112は、外部AC電圧検出回路111からVac DETを入力している期間において、「携帯端末装置に故障無し」であることを表す制御信号Vac DETOをOR回路113に出力する。一方、第1制御回路112は、外部AC電圧検出回路111からVac DETを入力していない期間において、「携帯端末装置に故障有り」であることを表す制御信号Vac DETOを、OR回路113に出力する。OR回路113は、第1制御回路112から「携帯端末装置に故障無し」であることを表すVac DETO、および第2制御回路125から「携帯端末装置に故障無し」であることを表す制御信号Vsw2を入力すると、第1スイッチ114を短絡させる制御信号Vsw1を出力して第1スイッチ114を短絡させ、一方、第1制御回路112から「携帯端末装置に故障有り」であることを表すVac DETO、および第2制御回路125から「携帯端末装置に故障有り」であることを表す制御信号Vsw2のいずれか一方または両方を入力すると、第1スイッチ114を開放させる制御信号Vsw1を出力して第1スイッチ114を開放させる。
このように、本発明の実施の形態の携帯端末装置によれば、携帯端末装置に故障が有る場合には、二次電池から電子回路への電力供給とともに外部AC電源から電子回路への電力供給もまた遮断されるため、外部電源から故障が発生した電子回路へ電力が供給されることによる誤動作、あるいは電子回路に発生し得る新たな故障を未然に防ぐことができる。以下で説明する実施形態では、本発明の実施の形態の携帯端末装置による、第1スイッチ114および第2スイッチ126の切り替え処理、および携帯端末装置に発生した故障の検出処理について、詳細に説明する。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態の携帯端末装置について詳細に説明する。図2に、本発明の第1実施形態の携帯端末装置における機能ブロック図を示す。図1に示した携帯端末装置の構成では、携帯端末装置の故障の有無を判定する回路として、外部AC電圧検出回路111、バッテリ電流検出回路123および温度検出回路124を挙げて説明した。第1実施形態では、これらの検出回路にさらに、バッテリ電圧検出回路122を加えた複数の検出回路を一つのモジュールによって構成し、携帯端末装置の故障を複合的に検出することができる携帯端末装置について説明する。また、携帯端末装置の故障の有無を判定する精度を向上させることができる判定処理についても併せて説明する。
なお、このモジュールを異常動作検出モジュールと称し、図2では、複数の検出回路、第1制御回路112、第2制御回路125、およびOR回路113をその内部に含む点線で囲まれる領域が異常動作検出モジュールに相当するものとする。また、図2において、図1に記載した参照符号と同一の参照符号を割り当てた対象は、図1の機能ブロック図における同一対象を説明した通りであるため、説明を省略する場合がある。また、図2では、温度検出回路124および第2制御回路125におけるOR回路が省かれているが、温度検出回路124のOR回路には複数のサーミスタからのVTHが入力され、また、第2制御回路125のOR回路には複数の検出回路からの信号が入力される構成は、図1における温度検出回路124および第2制御回路125と共通である。
まず、リセット回路121aおよびリセット一致回路121bによる携帯端末装置の故障の有無の判定処理ついて説明する。図3に、本発明の第1実施形態の携帯端末装置による、二次電池13による印加開始時の判定処理の概要を示す。リセット回路121aは、電子回路の起動時に、二次電池13から電子回路に電力を供給するための電圧値Vbatを検出し、その検出した電圧値Vbatが二次電池電圧閾値(図3における、Vbat接続時の電圧ゆらぎから安定的に電子回路が駆動させるために要求される二次電池電圧閾値)以上において、二次電池13からの電力が正常であることを示すVRSTをリセット一致回路121bに出力する。リセット回路121aは、二次電池電圧閾値以上の場合には「High」と認識される電圧をVRSTとしてリセット一致回路121bに出力し、一方、二次電池電圧閾値未満の場合には、「Low」と認識される電圧をVRSTとしてリセット一致回路121bに出力する。
リセット一致回路121bは、リセット回路121aから「High」と認識されるVRSTを入力したとき(図3におけるt1およびt2の時点)、その時点からタイマー(図示せず)により計時を開始する。リセット一致回路121bは、タイマーにより計時を開始した後、「High」と認識されるVRSTをリセット回路121aから入力している期間が所定の時間(図3における、t2からt3までのtERONで示す期間)になると、「High」と認識される電圧をVER ONとしてバッテリ電圧検出回路122a、バッテリ電流検出回路123aおよび温度検出回路124aに出力する。一方、リセット一致回路121bは、タイマーにより計時を開始した後、「High」と認識されるVRSTをリセット回路121aから入力している期間が所定の時間に満たないと(図3における、t1からt2までの期間)、「Low」と認識される電圧をVER ONとしてバッテリ電圧検出回路122a、バッテリ電流検出回路123aおよび温度検出回路124aに出力する。なお、tERONは、二次電池13から供給される電圧が一定値に収束するためにかかる時間よりも長く設定することが好ましい。
VER ONを入力したバッテリ電圧検出回路122a、バッテリ電流検出回路123aおよび温度検出回路124aは、リセット一致回路121bから入力したVER ONを「High」と認識すれば、各回路による携帯端末装置における異常検出処理を開始し、一方、リセット一致回路121bから入力したVER ONを「Low」と認識している期間中には、各回路による携帯端末装置における異常検出処理を行わず「High」のVER ONが入力するまで待機する。
二次電池13から電子回路への印加開始時には、図3に示すように、印加される電圧が規定値まで不規則に上昇するゆらぎが発生する。このようなゆらぎが発生した状態で異常動作検出モジュールによる異常検出動作を実行してしまうと、異常動作検出モジュールの動作が安定せず異常動作の検出に誤動作が発生する恐れがある。また、検出したVbatが二次電池電圧閾値以上を維持できないことが想定され、リセット回路121aから、短期間に「High」および「Low」が切り替わる電圧(電圧のバタツキ)がVRSTとして出力されることを防ぐことも考慮すべきである。本発明の第1実施形態の携帯端末装置におけるリセット回路121aおよびリセット一致回路121bによれば、二次電池から電子回路に駆動電圧を供給開始時において、リセット回路121aにより検出した電圧値Vbatがゆらぎによって異常動作検出モジュールに電力を安定的に供給できない可能性のある期間には、異常動作検出モジュールが異常動作検出処理を実行しないため、異常動作検出モジュールによる誤動作を防ぐことができる。また、故障の生じた二次電池13から異常動作検出モジュールへ印加され得る過剰な電力供給を防ぐことができる。
なお、リセット回路121aおよびリセット一致回路121bによる処理を、二次電池の脱着の度に行うことが好ましい。
次に、バッテリ電圧検出回路122aおよびバッテリ電圧一致回路122bによる携帯端末装置の故障の有無の判定処理ついて説明する。図4に、本発明の第1実施形態の携帯端末装置による、印加電圧の判定処理の概要を示す。バッテリ電圧検出回路122aは、リセット一致回路121bから「High」と認識されるVER ONを入力すると、異常検出処理を開始し、リセット一致回路121bから「Low」と認識されるVER ONを入力すると、異常検出処理を終了する。
バッテリ電圧検出回路122aは、二次電池13から電子回路に電力を供給するための電圧値Vbatを検出し、その検出した電圧値Vbatがある閾値(図4における、携帯端末装置の故障の有無を判定するための異常二次電池電圧閾値)を越えている期間において、二次電池13からの電力が異常であることを示すVbat DETをバッテリ電圧一致回路122bに出力する。バッテリ電圧検出回路122aは、大きいと判定した期間中は、「High」と認識される電圧をVbat DETとしてバッテリ電圧一致回路122bに出力し、一方、小さいと判定した期間中は、「Low」と認識される電圧をVbat DETとしてバッテリ電圧一致回路122bに出力する。
バッテリ電圧一致回路122bは、バッテリ電圧検出回路122aから「High」と認識されるVbat DETを入力したとき(図4におけるt1、t2、t3、t4およびt5の時点)、その時点からタイマー(図示せず)により計時を開始する。バッテリ電圧一致回路122bは、タイマーにより計時を開始した後、「High」と認識されるVbat DETをバッテリ電圧検出回路122aから入力している期間が所定の時間(図4における、t4からt5までのtVbatDETで示す期間)になると、「High」と認識される電圧をVbat DETOとして第2制御回路125に出力する。一方、バッテリ電圧一致回路122bは、タイマーにより計時を開始した後、「High」と認識されるVbat DETをバッテリ電圧検出回路122aから入力している期間が所定の時間に満たないと(図4における、t1、t2またはt3から、「Low」と認識されるVbat DETを入力するまでの期間は、上述した所定の時間に満たない)、「Low」と認識される電圧をVbat DETOとして第2制御回路125に出力する。第2制御回路125は、バッテリ電圧一致回路122bから「High」と認識されるVbat DETOを入力すると、第2制御回路125から「High」と認識されるVsw2を出力して第2スイッチ126を開放し、二次電池13から電子回路への電力供給を停止することになる。また、第2制御回路125から「High」と認識されるVsw2をOR回路113に出力することにより、OR回路113は「High」と認識されるVsw1を出力して第1スイッチ114を開放し、外部AC電源2から電子回路への電力供給も停止することになる。
二次電池13から電子回路へ電圧を印加しているときには、図4に示すように、印加される電圧が不規則に変動する「ゆらぎ」が発生する。このようなゆらぎが発生してしまうと、検出したVbatが異常二次電池電圧閾値をまたいで変動することが想定され、そのような短期間に変動する電圧値Vbatから二次電池から供給される電圧が正常であるか異常であるかを判定することは困難である。また、バッテリ電圧検出回路122aからは、短期間に「High」および「Low」が切り替わる電圧(電圧のバタツキ)がVbat DETとして出力されることになってしまい、これも防ぐことが必要である。本発明の第1実施形態の携帯端末装置におけるバッテリ電圧検出回路122aおよびバッテリ電圧一致回路122bによれば、二次電池から電子回路に駆動電圧を供給中に、バッテリ電圧検出回路122aにより検出した電圧値Vbatがゆらぎによって異常二次電池電圧閾値を越えている可能性のある期間には、正常な駆動電圧が二次電池13から電子回路に印加されているものと正確に判定することができる。
なお、図4におけるt5の時点において二次電池13から供給される電圧に異常があるとバッテリ電圧一致回路122bが判定した後には第2制御回路125からVsw2に「High」が出力され、第2スイッチ126が開放されるために、バッテリ電源端子12の電位VbatoはLow電位となる。一方、バッテリ電圧検出回路122aは、継続してVbat電圧の判定を行い、バッテリ一致回路122bと第2制御回路125によりVsw2の出力「High」を継続し続け(Highラッチ動作)、第2スイッチ126が開放状態を継続する。さらに第2制御回路125からVsw2「High」が入力されたOR回路113はVsw1「High」を出力して第1スイッチ114を開放するため、AC電源端子12の電位VacoがLow電位となる。また、Vbatの電圧の下がり(Vbatの脱着)を検出したリセット一致回路121bから再度「Low」のVER ONを入力したときに、バッテリ電圧一致回路122bは「Low」と認識される電圧をVbat DETOとして第2制御回路125に出力することになる。その後、「Low」と認識されるVbat DETOを入力した第2制御回路125は、第1スイッチ114と第2スイッチ126を短絡する。
次に、バッテリ電流検出回路123aおよびバッテリ電流一致回路123bによる携帯端末装置の故障の有無の判定処理ついて説明する。図5に、本発明の第1実施形態の携帯端末装置による、印加電流の判定処理の概要を示す。バッテリ電流検出回路123aは、リセット一致回路121bから「High」と認識されるVER ONを入力すると、異常検出処理を開始し、リセット一致回路121bから「Low」と認識されるVER ONを入力すると、異常検出処理を終了する。
バッテリ電流検出回路123aは、二次電池13から電子回路に電力を供給するためのバッテリ配線に設けた抵抗123cの両端の電圧値Vbat、VbatIを検出し、その検出した電圧値VbatとVbatIの電圧差と抵抗123cから算出される電流値Ibatがある閾値(図5における、携帯端末装置の故障の有無を判定するための異常二次電池電流閾値)を越えている期間において、二次電池13からの電力が異常であることを示すIbat DETをバッテリ電流一致回路123bに出力する。バッテリ電流検出回路123aは、大きいと判定した期間中は、「High」と認識される電圧をIbat DETとしてバッテリ電流一致回路123bに出力し、一方、小さいと判定した期間中は、「Low」と認識される電圧をIbat DETとしてバッテリ電流一致回路123bに出力する。なお、異常二次電池電流閾値は、抵抗123cの数値を変えることによって、任意の数値に設定することができ且つ、バッテリ電流検出回路123aに備えた異常二次電池電流閾値設定抵抗(図示せず)を変更することにより任意に設定することができる。
バッテリ電流一致回路123bは、バッテリ電流検出回路123aから「High」と認識されるIbat DETを入力したとき(図5におけるt1、t2、t3、t4およびt5の時点)、その時点からタイマー(図示せず)により計時を開始する。バッテリ電流一致回路123bは、タイマーにより計時を開始した後、「High」と認識されるIbat DETをバッテリ電流検出回路123aから入力している期間が所定の時間(図5における、t4からt5までのtIbat DETで示す期間)になると、「High」と認識される電圧をIbat DETOとして第2制御回路125に出力する。一方、バッテリ電流一致回路123bは、タイマーにより計時を開始した後、「High」と認識されるIbat DETをバッテリ電流検出回路123aから入力している期間が所定の時間に満たないと(図5における、t1、t2またはt3から、「Low」と認識されるIbat DETを入力するまでの期間は、上述した所定の時間に満たない)、「Low」と認識される電圧をIbat DETOとして第2制御回路125に出力する。第2制御回路125は、バッテリ電流一致回路123bから「High」と認識されるIbat DETOを入力すると、第2スイッチ126を開放し、電子回路への電力供給を停止することになる。また、第2制御回路125から「High」と認識されるVsw2を出力することによりOR 113から「High」と認識されるVsw1を出力して第1スイッチ114を開放し、外部AC電源2から電子回路への電力供給も停止することになる。
二次電池13から電子回路へ電圧を印加しているときには、図5に示すように、印加される電流が不規則に変動する「ゆらぎ」が発生する。このようなゆらぎが発生してしまうと、検出したIbatが異常二次電池電流閾値をまたいで変動することが想定され、そのような短期間に変動する電流値Ibatから二次電池から供給される電圧が正常であるか異常であるかを判定することは困難である。また、バッテリ電流検出回路123aからは、短期間に「High」および「Low」が切り替わる電圧(電圧のバタツキ)がIbat DETとして出力されることになってしまい、これも防ぐことが必要である。本発明の第1実施形態の携帯端末装置におけるバッテリ電流検出回路123aおよびバッテリ電流一致回路123bによれば、二次電池から電子回路に駆動電圧を供給中に、バッテリ電流検出回路123aにより検出した電流値Ibatがゆらぎによって異常二次電池電流閾値を越えている可能性のある期間には、正常な駆動電圧が二次電池13から電子回路に印加されているものと正確に判定することができる。
なお、図5におけるt5の時点において二次電池13から供給される電流に異常があるとバッテリ電流一致回路123bが判定した後には、第2スイッチ126が開放されるためにIbatはほぼ0に、Ibat DETは「Low」になる。一方、バッテリ電流一致回路123bと第2制御回路125は、Vsw2として「High」を継続して出力し第2スイッチ126を開放し、電子回路への電力供給を停止することになる。また、第2制御回路125から「High」と認識されるVsw2をOR回路113に出力することにより、OR回路113は「High」と認識されるVsw1を出力して第1スイッチ114を開放し、外部AC電源2から電子回路への電力供給も停止することになる。また、Vbatの電圧の下がり(Vbatの脱着)Vbatを検出したリセット一致回路121bから再度「Low」のVER ONを入力したときに、バッテリ電流一致回路123bは「Low」と認識される電圧をVbat DETOとして第2制御回路125に出力することになる。その後、「Low」と認識されるVbat DETOを入力した第2制御回路125は、第1スイッチ114と第2スイッチ126を短絡する。
次に、温度検出回路124aおよび温度一致回路124bによる携帯端末装置の故障の有無の判定処理ついて説明する。図6に、本発明の第1実施形態の携帯端末装置による、サーミスタによる判定処理の概要を示す。温度検出回路124aは、リセット一致回路121bから「High」と認識されるVER ONを入力すると、異常検出処理を開始し、リセット一致回路121bから「Low」と認識されるVER ONを入力すると、異常検出処理を終了する。
温度検出回路124aは、電子回路の一部を構成する、故障が発生しやすい部品や故障が発生したときに携帯端末装置に深刻な問題を引き起こす部品の周辺に配置されたサーミスタ14nにより温度値VTHnを検出し、その検出した温度値VTHnのいずれかがある閾値(図6における、携帯端末装置の故障の有無を判定するための異常温度閾値)を越えている期間中において、異常温度を検出したことを示すVTH DETを温度一致回路124bに出力する。温度検出回路124aは、大きいと判定した期間中は、「High」と認識される電圧をVTH DETとして温度一致回路124bに出力し、一方、小さいと判定した期間中は、「Low」と認識される電圧をVTH DETとして温度一致回路124bに出力する。なお、異常温度閾値は、備え付けたサーミスタの温度抵抗変化特性、常温での抵抗値(図示せず)を適宜変更することによって、任意に設定することができ且つ、温度検出回路124aに備えた異常温度閾値設定抵抗(図示せず)を変更することにより任意に設定することができる。
温度一致回路124bは、温度検出回路124aから「High」と認識されるVTH DETを入力したとき(図6におけるt1、t2、t3、t4およびt5の時点)、その時点からタイマー(図示せず)により計時を開始する。温度一致回路124bは、タイマーにより計時を開始した後、「High」と認識されるVTH DETを温度検出回路124aから入力している期間が所定の時間(図6における、t4からt5までのtVTH DETで示す期間)になると、「High」と認識される電圧をVTH DETOとして第2制御回路125に出力する。一方、温度一致回路124bは、タイマーにより計時を開始した後、「High」と認識されるVTH DETを温度検出回路124aから入力している期間が所定の時間に満たないと(図6における、t1、t2またはt3から、「Low」と認識されるVTH DETを入力するまでの期間は、上述した所定の時間に満たない)、「Low」と認識される電圧をVTH DETOとして第2制御回路125に出力する。第2制御回路125は、温度一致回路124bから「High」と認識されるVTH DETOを入力されるとVsw2を「High」(第2制御回路125と温度一致回路124bでHighラッチ動作)にして第2スイッチ126を開放し、電子回路への電力供給を停止することになる。また、第2制御回路125から「High」と認識されるVsw2をOR回路113に出力することにより、OR回路113は「High」と認識されるVsw1を出力して第1スイッチ114を開放し、外部AC電源2から電子回路への電力供給も停止することになる。
二次電池13から電子回路へ電圧を印加しているときには、図6に示すように、電子回路に配置されたサーミスタにより検出する温度が不規則に変動する「ゆらぎ」が発生する。このようなゆらぎが発生してしまうと、検出した温度値VTHが異常温度閾値をまたいで変動することが想定され、そのような短期間に変動する温度値VTHから電子回路における異常の有無を判定することは困難である。また、温度検出回路124aからは、短期間に「High」および「Low」が切り替わる電圧(電圧のバタツキ)がVTH DETとして出力されることになってしまい、これも防ぐことが必要である。本発明の第1実施形態の携帯端末装置における温度検出回路124aおよび温度一致回路124bによれば、二次電池から電子回路に駆動電圧を供給中に、温度検出回路124aにより検出した温度値VTHがゆらぎによって異常温度閾値を越えている可能性のある期間には、正常な駆動電圧が二次電池13から電子回路に印加されているものと正確に判定することができる。
なお、図6におけるt5の時点において電子回路に異常があると温度一致回路124bが判定した後には、第2スイッチ126が開放されるために電子回路内部にて発生する熱源がなくなるためにVTHは外部気温に収束し、VTH DETは「Low」になる。一方、温度一致回路124bは、第2スイッチ126が開放され電子回路に電力供給が停止している期間中、「High」と認識される電圧をVTH DETOとして第2制御回路125に出力し続け、第2スイッチ126が開放を継続する。また、第2制御回路125から「High」と認識されるVsw2をOR回路113に出力することにより、OR回路113は「High」と認識されるVsw1を出力して第1スイッチ114を開放し、外部AC電源2から電子回路への電力供給も停止することになる。また、Vbatの電圧の下がり(Vbatの脱着)Vbatを検出したリセット一致回路121bから再度「Low」のVER ONを入力したときに、温度一致回路124bは「Low」と認識される電圧をVbat DETOとして第2制御回路125に出力することになる。その後、「Low」と認識されるVbat DETOを入力した第2制御回路125は、第1スイッチ114と第2スイッチ126を短絡する。
次に、バッテリ電圧一致回路122b、バッテリ電流一致回路123bおよび温度一致回路124bから信号を入力する第2制御回路125による第2スイッチ126の短絡開放の切替処理について説明する。第2制御回路125は、少なくとも、バッテリ電圧一致回路122bから「High」と認識されるVbat DETO、バッテリ電流一致回路123bから「High」と認識されるIbat DETO、および、温度一致回路124bから「High」と認識されるVTH DETO、のいずれか1つを入力している期間には、携帯端末装置に故障有りと判定して第2スイッチ126を開放する制御信号Vsw2を第2スイッチ126に出力して切り替える(第2制御回路125は、第2スイッチ126を開放させるときには、「High」と認識される電圧を制御信号Vsw2として出力する)。一方、第2制御回路125は、そのいずれもが「Low」と認識される信号を入力している期間には、携帯端末装置に故障無しと判定して第2スイッチ126を短絡する制御信号Vsw2を、第2スイッチ126に出力して切り替える(第2制御回路125は、第2スイッチ126を短絡させるときには、「Low」と認識される電圧を制御信号Vsw2として出力するものとする)。第2制御回路125による第2スイッチ126の切替処理により、携帯端末装置の故障を複合的に検出することができる。さらに、第2制御回路125は、第2スイッチ126を開放あるいは短絡する制御信号Vsw2を第2スイッチ126に出力するとともにOR回路113にも同様の制御信号Vsw2を出力する。
さらに、第2制御回路125は、バッテリ電圧一致回路122bから「High」と認識されるVbat DETO、バッテリ電流一致回路123bから「High」と認識されるIbat DETO、または、温度一致回路124bから「High」と認識されるVTH DETO、を入力したとき、出力先となった回路122b、123b、124bを識別する情報を第2制御回路125に備わるメモリ(図示せず)に記憶しておく。このように構成することにより、携帯端末装置に故障が発生した場合、後でそのメモリに記憶された情報を読み取ることによって、故障原因を特定することが容易になる。
続いて、外部AC電圧検出回路111による携帯端末装置の故障の有無の判定処理について説明する。図7に、本発明の第1実施形態の携帯端末装置による、外部AC電源2による印加時の判定処理の概要を示す。図7(a)は、外部AC電源2から電子回路に正常な電圧のVacが印加される場合の、外部AC電圧検出回路111および第1制御回路112による処理の概要を、図7(b)は、外部AC電源2から電子回路に異常な電圧のVacが印加される場合の、外部AC電圧検出回路111および第1制御回路112による処理の概要を、それぞれ示している。
図7(a)を参照して、外部AC電源2から電子回路に正常な電圧のVacが印加される場合の、外部AC電圧検出回路111および第1制御回路112による処理について説明する。外部AC電圧検出回路111は、外部AC電源2から電子回路に電力を供給する電圧値Vacを検出し、その検出した電圧値Vacが所定の数値範囲内に収まっている期間において、外部AC電源2からの電力が正常であることを示すVac DETを第1制御回路112に出力する。詳細には、外部AC電圧検出回路111は、2つの閾値(図7における、外部から印加されていると判定するための外部AC電圧閾値と、外部AC電圧閾値よりも数値が大きく、携帯端末装置の故障の有無を判定するための異常外部電圧閾値)により特定される数値範囲に、検出した電圧値Vacが含まれているか否かを判定する。外部AC電圧検出回路111は、含まれていると判定した期間中(図7(a)における、外部AC電圧検出ポイント以降)は、「High」と認識される電圧をVac DETとして第1制御回路112に出力し、一方、含まれていないと判定した期間中(図7(a)における、外部AC電圧検出ポイント以前)は、「Low」と認識される電圧をVac DETとして第1制御回路112に出力する。
第1制御回路112は、外部AC電圧検出回路111から「High」と認識されるVac DETを入力したとき(図7(a)における外部AC電圧検出ポイント時)、その時点からタイマー(図示せず)により計時を開始する。第1制御回路112は、タイマーにより計時を開始した後、「High」と認識されるVac DETを外部AC電圧検出回路111から入力している期間が所定の時間(図7におけるtVac DETで示す期間)になると、「High」と認識される電圧をVac DETOとしてOR回路113に出力する。第1制御回路112からの「High」を反転した結果として「Low」を入力するOR回路113は、Vsw1「Low」を出力して第1スイッチを短絡させ、AC電源端子11に電圧Vacoを供給する。一方、第1制御回路112は、タイマーにより計時を開始した後、「High」と認識されるVac DETを外部AC電圧検出回路111から入力している期間が所定の時間(図7におけるtVac DETで示す期間)に満たないと、「Low」と認識される電圧をVac DETOとしてOR回路113に出力する。第1制御回路112からの「Low」を反転した結果として「High」を入力するOR回路113は、Vsw1「High」を出力して第1スイッチを開放させ、AC電源端子11に電力を供給しない。
次に、図7(b)を参照して、外部AC電源2から電子回路に異常な電圧のVacが印加される場合の、外部AC電圧検出回路111および第1制御回路112による処理について説明する。外部AC電圧検出回路111は、外部AC電源2から電子回路に電力を供給するための電圧値Vacを検出し、2つの閾値(図7における、外部から印加されていると判定するための外部AC電圧閾値と、外部AC電圧閾値よりも数値が大きく、携帯端末装置の故障の有無を判定するための異常外部電圧閾値)により特定される数値範囲に、検出した電圧値Vacが含まれているか否かを判定する。外部AC電圧検出回路111は、含まれていると判定した期間中(図7(b)における、外部AC電圧検出ポイント以降異常外部AC電圧検出ポイント以前)は、「High」と認識される電圧をVac DETとして第1制御回路112に出力し、一方、含まれていないと判定した期間中(図7(b)における、外部AC電圧検出ポイント以前および異常外部AC電圧検出ポイント以降)は、「Low」と認識される電圧をVac DETとして第1制御回路112に出力する。
第1制御回路112は、外部AC電圧検出回路111から「High」と認識されるVac DETを入力したとき(図7(b)における外部AC電圧検出ポイント時)、その時点からタイマー(図示せず)により計時を開始する。第1制御回路112は、タイマーにより計時を開始した後、「High」と認識されるVac DETを外部AC電圧検出回路111から入力している期間が所定の時間(図7におけるtVac DETで示す期間)に満たないため、「Low」と認識される電圧をVac DETOとしてOR回路113に「Low」出力することになる。第1制御回路112からの「Low」を反転した結果として「High」を入力するOR回路113は、Vsw1「High」を出力して第1スイッチを開放させ、AC電源端子11に電力を供給しない。
外部AC電源2から電子回路に印加される電圧は、正常に印加されていれば、図7(a)に示すように時間の経過と共に外部AC電圧閾値と異常外部AC電圧閾値との間の数値に収束するが、異常な電圧が印加されていれば、図7(b)に示すように異常外部AC電圧閾値を越えた数値まで上昇する。本発明の第1実施形態の携帯端末装置における外部AC電圧検出回路111および第1制御回路112によれば、異常な電圧が印加されている場合における外部AC電圧閾値から異常外部AC電圧閾値に上昇するまでの期間、つまり、外部AC電圧閾値と異常外部AC電圧閾値との間での数値であるが異常な電圧が印加されている恐れのある期間には、外部AC電源2から電子回路に印加されることがないため、異常な電圧が電子回路に印加されることを未然に防ぐことができる。
OR回路113は、第1制御回路112から、反転した結果「Low」と認識される信号Vac DETOおよび、第2制御回路125から「Low」と認識される信号Vsw2を入力すると、第1スイッチ114を短絡させる制御信号Vsw1「Low」を出力して第1スイッチ114を短絡させて、外部AC電源2から電子回路に電力を供給する。一方、OR回路113は、第1制御回路112から、反転した結果「High」と認識される信号Vac DETO、または第2制御回路125から「High」と認識される信号Vsw2の少なくとも一方を入力すると、第1スイッチ114を開放させる制御信号Vsw1「High」を出力して第1スイッチ114を開放させ、外部AC電圧2から電子回路に電力を供給しない。
以上、本発明の第1実施形態の携帯端末装置によれば、携帯端末装置に故障が有る場合には、二次電池から電子回路への電力供給とともに外部AC電源から電子回路への電力供給もまた遮断されるため、外部電源から故障が発生した電子回路へ電力が供給されることによる誤動作、あるいは電子回路に発生し得る新たな故障を未然に防ぐことができる。
また、本発明の第1実施形態の携帯端末装置によれば、携帯端末装置に発生する異常動作の検出処理が異なる複数の検出回路によって、携帯端末装置の故障を複合的に検出することができる。これまでの携帯端末装置には、本発明の第1実施形態の携帯端末装置のように、異常動作を検出することに特化した異常動作検出モジュールを搭載したものはなく、例えば二次電池の異常動作を検出する検出回路は二次電池の一回路として設けられることが常であった。本発明の第1実施形態の携帯端末装置は、複数の検出回路をモジュール化することによって、様々な動作異常に対応することができる汎用性を持つことになる。また、本発明の第1実施形態の携帯端末装置は、所定の時間、動作異常を継続して検出した場合に、動作異常が携帯端末装置に発生したと判定するため、検出回路がゆらぎやノイズを含んだ検出対象となる信号によって携帯端末装置に動作異常が発生したと誤って判定することを防ぎ、結果として、携帯端末装置の故障の有無を判定する精度を向上させることができる。
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態の携帯端末装置について詳細に説明する。図8に、本発明の第2実施形態の携帯端末装置における機能ブロック図を示す。図2に示した本発明の第1実施形態の携帯端末装置の構成は、バッテリ電圧検出回路122a、バッテリ電流検出回路123aおよび温度検出回路124aに、二次電池13から常時駆動電力が供給される構成であった。本発明の第2実施形態の携帯端末装置は、発振器127およびサンプリング制御回路128が構成として新に追加されており、発振器127およびサンプリング制御回路128が二次電池からバッテリ電圧検出回路122a、バッテリ電流検出回路123aおよび温度検出回路124aに供給する駆動電力を制御するものである。以下、図9に示す、本発明の第2実施形態の携帯端末装置における検出回路への電力供給タイミングを表す図を参照して、発振器127およびサンプリング制御回路128による処理を中心に説明する。なお、図8において、図2に記載した参照符号と同一の参照符号を割り当てた対象は、図2の機能ブロック図における同一対象を説明した通りであるため、説明を省略する場合がある。
第2スイッチ126が短絡され2次電池13から電子回路への電力供給が開始されると、同時に2次電池13から電力供給された発振器127は、所定の周波数によって発振出力する(発振器127から発振出力された信号を以後、Foscと称する)。発振器127は、第2スイッチ126が短絡される度に、サンプリング制御回路128に発振出力する。
その後、リセット回路121aがVRSTをリセット一致回路121bに出力し、リセット一致回路121bがVER ONをサンプリング制御回路128に出力すると、VER ONを入力したサンプリング制御回路128は、リセット一致回路121bから入力したVER ONを「High」と認識すれば、各検出回路による携帯端末装置における異常検出処理をさせるために各検出回路に電力の供給を開始し(異常検出処理実行期間)、一方、リセット一致回路121bから入力したVER ONを「Low」と認識している期間中には、各検出回路に電力を供給をせず「High」のVER ONが入力するまで待機する(異常検出処理停止期間)。
サンプリング制御回路128による各検出回路への電力供給処理について説明する。サンプリング制御回路128は、各検出回路に間欠的に電力を供給する。図9では、バッテリ電圧検出回路122aにはtVbatLの周期でtVatの期間電力を供給し(Sp1)、バッテリ電流検出回路123aにはtIbatLの周期でtIatの期間電力を供給し(Sp2)、温度検出回路124aには各サーミスタn毎にtVTHnLの周期でtVTHnの期間電力を供給している(Sp3〜SpN+2)。このとき、サンプリング制御回路128は、各検出回路に電力を供給する周期と期間を、発振器127から入力するFoscから算出している。
一方、サイプリング制御回路128から電力を供給される各検出回路は、電力を供給される周期毎に、電力を供給されている期間において、異常動作の有無を検出することになる。なお、サンプリング制御回路128が各検出回路に電力を供給する期間は、その検出回路に対応する一致回路がタイマーにより計時する所定の時間よりも、長い必要がある。例えば、サンプリング制御回路128がバッテリ電圧検出回路122aに電力を供給する期間tVbatは、バッテリ電圧一致回路122bがタイマーにより計時する所定の時間tVbatDETよりも、長い必要がある。
このように、検出回路に電力を間欠的に供給する構成により、二次電池13から常時検出回路に電力を供給する構成と比較して、異常動作検出に必要となる電力消費を軽減することができる。
なお、図9では、検出回路に電力を供給する周期および期間を各検出回路によって共通のものすることによって、検出回路に電力を供給する各検出回路に電力を供給する期間が重複しないようにしている。これにより、第2制御回路125は、バッテリ電圧一致回路122b、バッテリ電流一致回路123bおよび温度一致回路124bから、Vbat DETO、Ibat DETOおよびVTH DETOを選択的に入力することになり、これらの信号が同時に入力されることに備えて回路規模を大きくする必要がなくなる。なお、検出回路に電力を供給する各検出回路に電力を供給する期間が重複する構成であっても、本発明の第2実施形態の携帯端末装置が目的とするところの、異常動作検出に必要となる電力消費を軽減することができる。
サンプリング制御回路128から電力を供給され、異常動作の有無を開始した各検出回路が異常動作を検出し、その各検出回路に接続された一致回路がその異常動作が所定の時間継続していると判定すると、その一致回路から「High」と認識される信号を入力した第2制御回路125が第2スイッチ126を開放し、電子回路への電力供給を停止することになる(異常検出処理停止期間)。その後、第2スイッチ126が短絡され2次電池13から電子回路への電力供給が開始されると、上述の処理を繰り返すことになる。
以上、本発明の第2実施形態の携帯端末装置によれば、各検出回路に電力を間欠的に供給する構成により、二次電池13から常時検出回路に電力を供給する構成と比較して、異常動作検出に必要となる電力消費を軽減することができる。
(第3実施形態)
以下、本発明の第3実施形態の携帯端末装置について詳細に説明する。図10に、本発明の第2実施形態の携帯端末装置における機能ブロック図を示す。本発明の第3実施形態の携帯端末装置は、安定化電源129a、LPF129b、129c、129dが構成として新に追加されており、二次電池からバッテリ電圧検出回路122a、バッテリ電流検出回路123aおよび温度検出回路124aに供給する駆動電力に含まれるノイズを軽減するものである。以下、安定化電源129a、およびLPF129b、129c、129dによる機能を中心に説明する。なお、図10において、図8に記載した参照符号と同一の参照符号を割り当てた対象は、図8の機能ブロック図における同一対象を説明した通りであるため、説明を省略する場合がある。
近年の携帯端末装置は、低消費電力化が図られ、携帯端末装置に搭載される電子回路を駆動するための駆動電圧もまた、小さくなっている。しかしながら、高周波数帯による無線を実施する携帯端末装置において、駆動電圧が小さくなると相対的にノイズによる影響が大きくなり、駆動電圧の変動が大きくなってしまう。携帯端末装置に発生した異常動作を検出する検出回路にこのような変動が大きい駆動電圧を供給すると、検出回路の動作不安定を招き、誤った検出をしてしまうことにも繋がる。また、本発明の携帯端末装置のように二次電池13から供給される駆動電圧によって携帯端末装置に発生した異常動作の有無を検出する場合、この駆動電圧の変動によって、正確な異常動作の有無の検出が困難であった。
このため、本発明の第3実施形態の携帯端末装置は、二次電池13からの駆動電圧を安定化電源129aを介してバッテリ電圧検出回路122a、バッテリ電流検出回路123aおよび温度検出回路124aに供給することによって、検出回路の動作不安定による誤動作を防止する構成にしている。図10では、安定化電源129aが、バッテリ電圧検出回路122a、バッテリ電流検出回路123aおよび温度検出回路124aに間欠的に電力を供給するサンプリング制御回路128に駆動電圧を供給する構成について記載している。
また、本発明の第3実施形態の携帯端末装置は、二次電池13から電子回路に電力を供給するためのバッテリ配線とバッテリ電圧検出回路122aとの間にLPF129bを、バッテリ配線とバッテリ電流検出回路123aとの間にLPF129c、129dを、それぞれ配置することによって、検出回路が検出する電圧からノイズの成分が除去され、携帯端末装置に発生し得る異常動作の有無を正確に検出することができる。
以上、本発明の第3実施形態の携帯端末装置によれば、検出回路に安定的な駆動電圧を供給することにより、検出回路の動作不安定による誤動作を防止することができる。また、検出回路が検出する電圧からノイズの成分が除去され、携帯端末装置に発生し得る異常動作の有無を正確に検出することができる。