JP4972190B2 - 駆動システム及び駆動制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は鉄道車両の駆動システムにかかり、特に複数の車両で構成する編成列車に特有な前後動揺を抑えるように電動機の発生トルク力を調整する駆動システムに関する。
鉄道システムでは、ラッシュ時の大量輸送に対応するため、複数車両で編成列車を構成することが多い。例えば、都市部の通勤車両は8〜10両編成、新幹線車両は10〜16両編成で運行されている。特に、最近では、乗客数変動に応じた適切な車両数の確保や、行き先方面に応じたきめ細かい分割・併合サービスのため、比較的短い編成列車を複数併結して走行する例も多くなっている。
編成列車では、各車両をばね要素と減衰要素で構成される緩衝器にて連結する。編成列車全体を大きく見ると、質点(車両質量)をばね−ダンパにより結合した系であることから、車両数分の編成前後動揺モードが発生する。例えば、車両質量30tonの10量編成を想定すると、概ね0.5Hzで編成全体が伸縮する動揺モードを始めとして、全部で10通りの前後動揺モードが発生する。
この前後動揺モードは、各車両の加速力、減速力の変化に差があるときに発生する。例えば、加速力、減速力特性の異なる2編成を併結した場合、加速或は減速の開始/終了時に編成間の加速力、減速力に差分が生じるため前後動揺モードを励起しやすい。特に低次モード(低周波数)の減衰比が低く、これが人間の前後動揺に対する感度の高い1Hz前後の周波数域に合致した場合は、乗り心地を大幅に損なう。
現在、編成車両間の加速力、減速力特性を極力合わせる調整を施すことにより、乗り心地の劣化を防いでいる。また、新幹線など一部の車両では、各車両間に緩衝器とは別の車体間前後動ダンパ(ヨーダンパ)を設けて、前後動揺モードが発生した場合でも短時間で収束させている。
複数編成を併結して運行する場合、特にそれぞれの編成の駆動制御方式が異なる場合については、それぞれの加速力、減速力特性を完全に同じくすることは不可能であり、良好な乗り心地を確保できない例もある。また、制御方式が同じ編成の併結であっても、各編成には緩衝器など機械的特性にばらつきが存在するため、併結編成の組合せによって前後動揺モードを誘発する場合もあり、制御定数の調整等により乗り心地の劣化を防ぐことは困難である。
また、前後動ダンパの追加は前後動揺モードの抑制に有効であるが、ハード追加によるコスト増加を避けることはできない。
本発明の目的は、編成車両の各車両間、あるいは併結編成の各編成間における加速力、減速力特性のばらつきを許容したうえで、編成列車に特有な前後動揺を抑えるように電動機の発生トルク力を調整することで、良好な乗り心地を低コストに確保することである。
本発明は、編成前後動揺を抑えるようにするため、特定の電動車両間の速度差をもとに、各電動車両の駆動力調整値を演算し各電動車両の駆動力を制御する
編成車両の各車両間、あるいは併結編成の各編成間における加速力、減速力特性のばらつきを許容したうえで、編成列車に特有な前後動揺を抑えるように電動機の発生トルク力を調整することで、良好な乗り心地を低コストに確保する。
つまり、連結される複数車両の速度検出結果に基づいて車両間の相対運動速度を演算する相対運動速度演算手段と、相対運動速度の特定周波数の動揺成分を減少させるトルクを電動機に発生させるトルク調整値をそれぞれ演算する安定化制御器と、を備え、各運動モードによって動揺する車両の駆動制御装置に車両が動揺する際の特定周波数がそれぞれ対応付けられており、特定周波数にそれぞれ対応付けられた各車両の駆動制御装置がトルク調整値をそれぞれ用いて電動機を駆動制御することを特徴とする。または、連結される複数の車両の速度を検出し、車両の速度から車両間の相対運動速度を演算し、相対運動速度から特定周波数の動揺成分を抽出し、特定周波数の動揺成分を減少させるトルクを電動機に発生させるトルク調整値をそれぞれ演算し、各運動モードによって動揺する車両の駆動制御装置に車両が動揺する際の特定周波数がそれぞれ対応付けられており、特定周波数にそれぞれ対応付けられた各車両の駆動制御装置がトルク調整値をそれぞれ用いて電動機を駆動制御することを特徴とする。
本発明によれば、編成車両の各車両間、あるいは併結編成の各編成間における加速力、減速力特性のばらつきを許容したうえで、編成列車に特有な前後動揺を抑えるように電動機の発生トルク力を調整し、また前記電動機の発生トルクを駆動力としてレール面に有効に伝達するように電動機の発生トルク力を調整することで、良好な乗り心地を低コストに確保することができる。
本発明の電気車の駆動システムの一実施形態を示す構成図。 本発明の電気車の駆動システムの一実施形態における駆動制御装置の構成を示す図。 本発明の電気車の駆動システムの一実施形態における車両動揺の発生の様子を示す図。 本発明の電気車の駆動システムの一実施形態における安定化制御器の構成を示す図。 本発明の駆動システムの一実施形態における電流指令演算器の構成を示す図。 本発明の電気車の駆動システムの一実施形態における電動車両のトルク配分を示す図。
以下、本発明の実施形態を、図面を用いて説明する。図1は、本発明の電気車の駆動システムの一実施形態を示す構成図である。
ひとつの編成単位を付随車両1、電動車両2a,2bで構成する。付随車両1と電動車両2aは、緩衝器3bにより結合している。ここでは、特に3量編成を例に説明するが、これは編成列車の両数を限定するものではない。
付随車両1は駆動手段を持たない車両であり、付随台車4a,4bを有している。電動車両2aは駆動手段を持つ車両であり、電動台車5a,5b、駆動制御装置6aを有している。電動台車5a,5bは図示していない電動機を装備し、駆動制御装置6aは前記電動機の発生トルクを制御することで電動車両2aを駆動する。電動車両2bは駆動手段を持つ車両であり、電動台車5c,5d、駆動制御装置6bを有している。電動台車5c,5dは図示していない電動機を装備し、駆動制御装置6bは前記電動機の発生トルクを制御することで電動車両2bを駆動する。
電動車両2a,2bには、加算器7と安定化制御器8が設けられる。
加減算器7は電動台車5a,5bが装備する図示していない電動機の回転速度の平均値であるVaと、電動台車5c,5dが装備する図示していない電動機の回転速度の平均値であるVbの差分演算することにより電動車両2a,2bの相対運動速度ΔVabを演算する。安定化制御器8は相対運動速度ΔVabを入力とし、ΔVabの特定の周波数成分を低減するための駆動制御装置6a,6bへの駆動トルク調整値ΔIqa,ΔIqbを演算して出力する。
これらの構成により、編成車両に特有な前後動揺モードを電動車両2a,2bの相対運動速度ΔVabにより検出し、この相対運動速度ΔVabのうち特定の周波数成分を低減するための駆動トルク調整値ΔIqa,ΔIqbにより駆動制御装置6a,6bを制御することで、前後動揺を収束させ乗り心地の向上を可能とする。
また、本実施形態では、付随車両1、電動車両2a,2bにより構成する3両編成の編成列車を例に説明したが、これは付随車両、電動車両の両数比率を規定するものではない。例えば、付随車両を有しない電動車両のみ3両編成についても、前記と同様な構成をとることができる。
図2は、本発明の電気車の駆動システムの一実施形態における駆動制御装置の構成を示す図である。
駆動制御装置は、運転制御装置9と、電流指令演算器10と、ベクトル制御演算器11と、PWM信号演算器13と、PWMインバータ16と、回転速度検出器18と、速度演算器19を有している。PWMインバータ16はフィルタコンデンサ15で平滑化された直流電源14からの直流電電力が供給され、三相交流電力を誘導電動機17に供給する。
運転制御装置9は、カ行による加速或はブレーキによる減速を制御する運転指令信号CMDを出力する。電流指令演算器10は、運転指令信号CMD、駆動トルク調整値ΔIqa,ΔIqb、後述する速度演算器19が出力する基準回転速度信号Frを入力とし、励磁電流指令Idp,トルク電流指令Iqpを出力する。ベクトル制御演算器11は、励磁電流指令Idpとトルク電流指令Iqpと電流検出器12a,12b,12cによる電動機電流検出値Iu,Iv,Iwおよび速度演算器19が出力する基準回転速度信号Frを入力として、インバータ出力電圧指令Vpを出力する。PWM信号演算器13は、インバータ出力電圧指令Vpを入力として、PWMインバータ16の主回路を構成するスイッチング素子を駆動するゲート信号GPを演算する。PWMインバータ16は、直流電源14よりフィルタコンデンサ15を介して得られる直流電力を三相交流電力に変換して、その電力を誘導電動機17に供給する。回転速度検出器18は、誘導電動機17の回転速度を検出し、速度演算器19において基準回転速度信号Frに変換する。なお、図2ではPWMインバータで駆動する誘導電動機17とその回転速度を検出する回転速度検出器18は2組示しているが、これは誘導電動機17と回転速度検出器18の数を規定するものではなく、誘導電動機17、回転速度検出器18が1組あるいは3組、4組・・・でも構成可能である。
これらの構成により、編成車両に特有な前後動揺モードに対応する、特定の周波数成分を低減するための駆動トルク調整値デルタIqa、Iqbに基づいて電動機のトルクを制御することで、前後動揺を収束させ乗り心地の向上を可能とする。
図3は本発明の電気車の駆動システムの一実施形態における車両動揺の発生の様子を示す図である。
編成車両は、付随車両1、電動車両2a,2bの3両で構成され、付随車両1と電動車両2aは緩衝器3a、電動車両2aと電動車両2bは連結器3bで連結されている。
いま、付随車両1、電動車両2a,2bを質点、緩衝器3a,3bをばね系として考えると、3質点の前後方向の運動は3つのモード(1次モード、2次モード、3次モード)により記述できる。以下、付随車両1、電動車両2a,2bの質量を30000(kg)、緩衝器3a,3bのばね定数を2.7×10(N/m)と仮定して説明する。
図3(A)に示す1次モードは、付随車両1、電動車両2a,2bがお互いの相対変位、速度を保ちながら前後方向に移動する運動モードである。すなわち、編成全体が加速、蛇行、減速する通常の運転状態のうち、車両相互間の相対運動を除いたものである。1次モードについては、車両相互間の相対運動がないため、以下、2次モード、3次モードで説明するような周期的な相対運動は発生しない(すなわち、周期T1=∞の相対運動)。
図3(B)に示す2次モードは、付随車両1、電動車両2a,2bの全体が前後方向に伸縮する運動モードである。2次モードでは、電動車両2aは運動の節として、動揺せずに並進する。以下、2次モードの運動の様子について説明する。
(a)時刻t=0では、付随車両、電動車両2a,2bは「状態0」にある。
(b)その後、付随車両1、電動車両2bは、電動車両2aに対してそれぞれ離れる方向に運動し、時刻t=(1/4)×T2では、電動車両2aと付随車両1、電動車両2aと電動車両2bの距離がそれぞれ最大である、「状態1」に移る。
(c)「状態1」から付随車両1、電動車両2bは、電動車両2aに対してそれぞれ近づく方向に運動し、時刻t=(1/2)×T2では、電動車両2aと付随車両1、電動車両2aと電動車両2bの位置関係は「状態0」に戻る。
(d)その後、付随車両1、電動車両2bは、伝送車両2aに対してそれぞれ近づく方向に運動し、時刻t=(3/4)×T2では、電動車両2aと付随車両1、電動車両2aと電動車両2bの距離がそれぞれ最小である、「状態2」に移る。
(e)「状態2」から付随車両1、電動車両2bは、電動車両2aに対してそれぞれ離れる方向に運動し、時刻t=T2では、電動車両2aと付随車両1、電動車両2aと電動車両2bの位置関係は「状態0」に戻る。
2次モードは、以上の(a)〜(e)を周期的に繰り返す運動である。その周期T2は、付随車両1、電動車両2a,2bの質量を30000(kg)、緩衝器3a,3bのばね定数を2.7×10(N/m)と仮定したとき、T2≒0.7(s)である。
図3(C)に示す3次モードは、付随車両1、電動車両2bに対して、電動車両2aが前後方向に動揺する運動モードである。3次モードでは、付随車両1、電動車両2bは運動の節として、動揺せずに並進運動する。以下、3次モードの運動の様子について説明する。
(a)時刻t=0では、付随車両1、電動車両2a,2bは、「状態0」にある。
(b)その後、電動車両2aは、付随車両1に対して離れる方向に、電動車両2bに対して近づく方向にそれぞれ運動し、時刻t=(1/4)×T2では、付随車両1と電動車両2aの距離が最大、電動車両2bと電動車両2aの距離が最小である、「状態1」に移る。
(c)「状態1」からの電動車両2aは、付随車両1に対して近づく方向に、電動車両2bに対して離れる方向にそれぞれ運動し、時刻t=(1/2)×T2では、付随車両1と電動車両2a、電動車両2bと電動車両2aの位置関係は「状態0」に戻る。
(b)その後、電動車両2aは、付随車両1に対して近づく方向に、電動車両2bに対して離れる方向にそれぞれ運動し、時刻t=(3/4)×T2では、付随車両1と電動車両2aの距離が最小、電動車両2bと電動車両2aの距離が最大である、「状態2」に移る。
(e)「状態2」から付随車両1、電動車両2bは、電動車両2aに対してそれぞれ離れる方向に運動し、時刻t=T2では、電動車両2aと電動車両2bの位置関係は「状態0」に戻る。
3次モードは、以上の(a)〜(e)を周期的に繰り返す運動である。その周期T3は、付随車両1、電動車両2a,2bの質量を30000(kg)、緩衝器3a,3bのばね定数を2.7×10(N/m)と仮定したとき、T3≒0.4(s)である。
以上のように、付随車両1、電動車両2a,2bの相対運動は、車両質量、緩衝器ばね定数によって決まる。周期性のある3つの運動モードに限定される。本発明では、この運動モードに着目して、列車前後動揺を抑えるための制御操作量を与える位置(車両)、およびその周波数特性を限定することにより、効果的に車両前後動揺を抑制し、乗り心地の向上を可能とする。
なお、付随車両1、電動車両2a,2bにより構成する3両編成の編成列車を例に説明したが、同様に4両編成の編成列車には4つの運動モード、5両編成の編成列車には5つの運動モード、というように編成内の車両数に等しい前後方向の運動モードが存在する。本発明は、多数車両による編成列車においても、乗り心地に影響するある特定の運動モードに着目して、これを抑制して乗り心地を改善するように、相対運動速度ΔVab,駆動トルク調整値ΔIqa,ΔIqbを演算する構成とすれば、本実施形態と同じ効果を実現できる。
図4を用いて、本発明の電気車の駆動システムの一実施形態における安定化制御器の構成説明する。安定化制御器8は、通過帯域限定フィルタ20aと、通過帯域限定フィルタ20bと、PI制御器21aと、PI制御器21bとを有している。安定化制御機8には、加減算器7の出力が入力される。
PI制御器21は、比例項ゲインKpと、積分項ゲインKiと、積分器22と、加算器23を有している。
加減算器7は、図示していない電動車両2aが装備する電動機の回転速度の平均値であるVaと、同じく図示していない電動車両2bが装備する電動機の回転速度の平均値であるVbの差分を演算することにより電動車両2a,2bの相対運動速度ΔVabを演算する。
通過帯域限定フィルタ20aは、相対運動速度ΔVabを入力として、前述の3次モード(2.5(Hz)、周期T2=0.4(s))の周波数を中心に、周波数帯域を限定した相対運動速度成分ΔVafを通過させて出力する。通過帯域限定フィルタ20bは、相対運動速度ΔVabを入力として、前述の2次モード(1.4(Hz)、周期T1=1.7(s))の周波数を中心に、周波数帯域を限定した相対運動速度成分ΔVbfを通過させて出力する。
PI制御器21aは、周波数帯域を限定した相対運動速度成分ΔVafを入力として、相対運動速度成分ΔVafに比例項ゲインKp1を乗じた信号(Kp1・ΔVab)と、相対運動速度成分ΔVafに積分項ゲインKi1を乗じた信号(Ki1・ΔVab)を積分器22aにより積分した信号を、加算器23aで加算することにより、駆動トルク調整値ΔIqaを演算して出力する。
P1制御器21bは、周波数帯域を限定した相対運動速度成分ΔVbfを入力として、相対運動速度成分ΔVbfに比例項ゲインKp2を乗じた信号(Kp2・ΔVab)と、相対運動速度成分ΔVbfに積分ゲインKi2を乗じた信号(Ki2・ΔVbf)を積分器22bにより積分した信号を、加算器23bで加算することにより、駆動トルク調整値ΔIqbを演算して出力する。
これらの構成とすることにより、編成車両の運動モードに着目して、制御操作量を与える位置(車両)、およびその周波数特性を限定することにより、効果的に車両前後動揺を抑制し、乗り心地の向上を可能とする。
図を用いて、本発明の駆動システムの一実施形態における電流指令演算器10の構成を説明する。電流指令演算器10は、励磁電流指令発生部24と、トルク電流指令発生部25と、選択器27と、加算器27とを有している。
励磁電流指令発生部24は、基準回転速度信号Frと、運転指令信号CMDを入力とし、図示しない誘導電動機の特性に応じた励磁電流指令Idpを演算して出力する。トルク電流指令発生部25は、基準回転速度信号Frと、運転指令信号CMDを入力とし、図示しない誘導電動機の特性と、車両の駆動トルク特性に応じたトルク電流指令Iqp0を演算して出力する。
選択器26は、駆動トルク調整値ΔIqaまたは駆動トルク調整値ΔIqbと、運転指令信号CMDを入力とし、運転指令信号CMDの指令に応じて、入力された駆動トルク調整値ΔIqaまたは駆動トルク調整値ΔIqb、あるいは零値を選択して、トルク電流指令加算値ΔIqp0を出力する。入力された駆動トルク調整値ΔIqaまた駆動トルク調整値はΔIqb、あるいは零値を選択する条件としては、カ行(加速)開始時、ブレーキ(減速中)開始時のある期間など、特に車両前後動揺が発生しやすい期間に限定して駆動トルク調整値ΔIqaまたは駆動トルク調整値ΔIqbを出力し、それ以外の期間は零値を出力することが考えられる。
加算器27は、トルク電流指令発生部25が出力するトルク電流指令値Iqp0と、選択器26が出力するトルク電流調整値ΔIqp0を加算して、トルク電流指令値Iqpを出力する。
これらの構成により、特に車両前後動揺が発生しやすい、カ行(加速)開始時、ブレーキ(減速中)開始時のある期間に限定して制御を行うことにより、通常のカ行(加速)、ブレーキ(減速中)の動作に与える影響を最小限とし、効果的に車両前後動揺を抑え、乗り心地を向上できる。
図6は本発明の電気車の駆動システムの一実施形態における電動車両のトルク配分を示す図である。
図6のグラフを用いて、車両に乗車している乗客数の指標である「乗車率」に対して、一定の加速力を維持するために必要なトルク電流指令の上限値である「トルク電流指令リミット値」の関係について説明する。これらは、トルク電流指令発生器26a(電動車両2a)、およびトルク電流指令発生器26b(電動車両2b)の出力であるIqpの上限値を規定するものである。ここでは、進行方向前位に電動車両2a、進行方向後位に電動車両2bがある場合について説明したが、折り返し運転により、進行方向前位に電動車両2b、進行方向後位に電動車両2aとなった場合についても、進行方向前位、進行方向後位で区別する考え方は同じである。
トルク配分方法は、通常時(雨天時以外)と雨天時で変化させ、その切換は運転指令信号CMDの情報に基づいて行う。
通常については、進行方向前位の電動車両2aと、進行方向後位の電動車両2bで、乗車率とトルク電流指令リミット値の関係は同じである。乗車率が空車相当のときトルク電流指令リミット値はIqp_maxであり、乗車率がその中間値であるときは、乗車率に応じてトルク電流指令値を比例的に変化させる。
一方、雨天時については、進行方向前位の電動車両2aと、進行方向後位の電動車両2bで、乗車率とトルク電流指令リミット値の関係を次のように差を設けることで空転・滑走の発生頻度を抑える。
進行方向後位の電動車両2bについては、通常時よりもあらかじめ設定するトルク電流指令リミット調整値aを加算する。ここで、トルク電流指令リミット調整値aは、通常時のトルク電流指令リミット値の10%を上限としてあらかじめ設定する。なお、トルク電流指令リミット調整値aを上乗せすることにより、乗車率Mにてトルクリミット値Iqp_maxに達することになるが、この場合はトルク電流指令リミット値の上限をIqp_maxとし、トルク電流指令リミット値全体でIqp_maxを越えないようにトルク電流指令リミット値を設定する。
進行方向後位の電動車両2aにっいては、通常時よりもあらかじめ設定するトルク電流指令リミット調整値aを減算する。ただし、乗車率が前述のMに達した点から、乗車率が満車相当に達する点にかけてトルク電流指令リミット値がIqp_maxになるように、乗車率に応じてトルク電流指令値を比例的に変化させる。
すなわち、進行方向後位の電動車両2bのトルク電流指令リミット値の加算値と、進行方向前位の電動車両2aのトルク電流指令リミット値の減算値は、その絶対値は各乗車率において常に等しくなるように設定する。
これらのように進行方向前位の電動車両2aと、電動車両2bで雨天時にトルク配分を行うことにより空転、滑走の発生を抑え、車両前後動揺制御の操作量であるトルク電流指令調整ΔIqpa,ΔIqpbを駆動力として確実にレール面まで伝達することを可能とし、効果的に車両前後動揺を抑え、乗り心地を向上できる。
1…付随車両、2…電動車両、3…緩衝器、4…付随台車、5…電動車両、6…駆動制御装置、7…加減算器、8…安定化制御器、9…運転制御装置、10…電流指令演算器、11…ベクトル制御演算器、12…電流検出器、13…PWM信号演算器、14…直流電源、15…フィルタコンデンサ、16…PWMインバータ、17…誘導電動機、18…速度検出器、19…速度演算器、20…通過帯域限定フィルタ、21…PI制御器、22…積分器、23…加算器、24…励磁電流指令発生部、25…トルク電流指令発生部、26…加算器。

Claims (5)

  1. 連結される複数車両の速度検出結果に基づいて車両間の相対運動速度を演算する相対運動速度演算手段と、
    前記相対運動速度の特定周波数の動揺成分を減少させるトルクを電動機に発生させるトルク調整値をそれぞれ演算する安定化制御器と、を備え、
    各運動モードによって動揺する車両の駆動制御装置に前記車両が動揺する際の特定周波数がそれぞれ対応付けられており、前記特定周波数にそれぞれ対応付けられた車両の駆動制御装置前記トルク調整値をそれぞれ用いて前記電動機を駆動制御することを特徴とする駆動システム。
  2. 請求項1に記載の駆動システムにおいて、
    前記安定化制御器は、前記相対運動速度から固有の特定周波数の動揺成分を抽出するフィルタを複数備え、
    前記複数のフィルタで抽出された固有の特定周波数の動揺成分を抑えるトルク調整値をそれぞれ算出し、
    前記複数のトルク調整値を前記特定周波数とそれぞれ対応付けられた車両の駆動制御装置へ出力することを特徴とする駆動システム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の駆動システムにおいて、
    前記相対運動演算手段は、連結される複数車両の電動機の回転速度の検出結果から車両間の相対運動速度を演算することを特徴とする駆動システム。
  4. 連結される複数の車両の速度を検出し、
    前記車両の速度から車両間の相対運動速度を演算し、
    前記相対運動速度から特定周波数の動揺成分を抽出し、
    前記特定周波数の動揺成分を減少させるトルクを電動機に発生させるトルク調整値をそれぞれ演算し、
    各運動モードによって動揺する車両の駆動制御装置に前記車両が動揺する際の特定周波数がそれぞれ対応付けられており、前記特定周波数にそれぞれ対応付けられた各車両の駆動制御装置が前記トルク調整値をそれぞれ用いて前記電動機を駆動制御することを特徴とする駆動制御方法
  5. 請求項4に記載の駆動制御方法において、
    連結される複数車両の速度は、車両に搭載される電動機の回転速度により検出され、
    車両間の相対運動速度は、前記車両の速度の差分により演算されることを特徴とする駆動制御方法。
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