JP4257745B2 - 移動体の走行制御装置 - Google Patents

移動体の走行制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4257745B2
JP4257745B2 JP2004264119A JP2004264119A JP4257745B2 JP 4257745 B2 JP4257745 B2 JP 4257745B2 JP 2004264119 A JP2004264119 A JP 2004264119A JP 2004264119 A JP2004264119 A JP 2004264119A JP 4257745 B2 JP4257745 B2 JP 4257745B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
torque limit
wheel
value
limit value
moving body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2004264119A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006079436A (ja
Inventor
清石 前川
啓 寺田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2004264119A priority Critical patent/JP4257745B2/ja
Publication of JP2006079436A publication Critical patent/JP2006079436A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4257745B2 publication Critical patent/JP4257745B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Warehouses Or Storage Devices (AREA)
  • Forklifts And Lifting Vehicles (AREA)
  • Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)

Description

この発明は、高さ位置を変更することができる昇降台を有し、前後の車輪がいずれも別々のモータで駆動されるスタッカクレーン、フォークリフトなどの移動体の走行を制御する走行制御装置に関するものであり、特に移動体の走行においてスリップを効率よく低減することができるものである。
従来の移動体の走行制御装置では、輪重の重い側の車輪を駆動する走行駆動手段を速度制御し、他方の車輪を駆動する走行駆動手段をトルク制御している(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−240213号公報
このような移動体の走行制御装置では、スリップを防止しながらどこまで加速度を上げられるかがはっきりしない。そのため、できるだけ動作時間を短くするには、試行錯誤しながら加速度の調整を実施する必要があり制御が煩雑になるという問題点があった。さらに車輪を駆動するモータのトルク制限値をスリップを考慮した値に設定していないため、輪重の軽い側の車輪がスリップする場合があり、こうしたスリップを防止するため、必要以上に加速度を低減するために動作時間が長くなるという問題点があった。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、設定が容易でかつ動作時間を短縮してスリップを防止できる移動体の走行制御装置を得ることを目的とする。
本発明は、高さ位置を変更することができるように設置された昇降台と、移動方向の前後にそれぞれ形成された車輪と、各車輪をそれぞれ駆動する各モータとを備えた移動体であって、移動体を所定の路面上に各車輪を各モータにて駆動させて移動する走行の制御を行う移動体の走行制御装置において、
昇降台を制御する昇降台制御部から入力される昇降台の位置の中で最も高い位置となる昇降台位置情報と、あらかじめ記憶されている各モータの最大トルク値と、各車輪のスリップ率を入力する摩擦係数関数の極大値であるスリップ特性極大値と、各車輪の摩擦抵抗の和の摩擦最大値および摩擦最小値と、移動体の質量と各モータの慣性モーメントを考慮した総質量をモータ側に換算した値と、昇降台の質量と、移動体の固定部の質量と、移動体の固定部の重心高さと、各車輪間の距離とを用いて、移動体の過大なスリップを引き起こさない条件下での加速区間の最大加速度と、そのときの輪重の軽いほうの車輪を駆動するモータのトルク制限値と、減速区間の最大減速度と、そのときの輪重の軽いほうの車輪を駆動するモータのトルク制限値とを算出するパラメータ算出手段と、算出された加速区間の最大加速度、減速区間の最大減速度及び指定された指令速度から指令を生成し、加速区間の輪重の軽い側のモータのトルク制限値を算出された加速区間における輪重の軽い側のトルク制限値とし、減速区間の輪重の軽い側のモータのトルク制限値を算出された減速区間における輪重の軽い側のトルク制限値とする各モータへの指令値およびトルク制限値を生成する生成手段とを備え、生成手段にて生成した各モータへの指令値およびトルク制限値を用いて各モータを位置制御もしくは速度制御するものである。
備えたものである。
この発明の移動体の走行制御装置は、高さ位置を変更することができるように設置された昇降台と、移動方向の前後にそれぞれ形成された車輪と、各車輪をそれぞれ駆動する各モータとを備えた移動体であって、移動体を所定の路面上に各車輪を各モータにて駆動させて移動する走行の制御を行う移動体の走行制御装置において、
昇降台を制御する昇降台制御部から入力される昇降台の位置の中で最も高い位置となる昇降台位置情報と、あらかじめ記憶されている各モータの最大トルク値と、各車輪のスリップ率を入力する摩擦係数関数の極大値であるスリップ特性極大値と、各車輪の摩擦抵抗の和の摩擦最大値および摩擦最小値と、移動体の質量と各モータの慣性モーメントを考慮した総質量をモータ側に換算した値と、昇降台の質量と、移動体の固定部の質量と、移動体の固定部の重心高さと、各車輪間の距離とを用いて、移動体の過大なスリップを引き起こさない条件下での加速区間の最大加速度と、そのときの輪重の軽いほうの車輪を駆動するモータのトルク制限値と、減速区間の最大減速度と、そのときの輪重の軽いほうの車輪を駆動するモータのトルク制限値とを算出するパラメータ算出手段と、算出された加速区間の最大加速度、減速区間の最大減速度及び指定された指令速度から指令を生成し、加速区間の輪重の軽い側のモータのトルク制限値を算出された加速区間における輪重の軽い側のトルク制限値とし、減速区間の輪重の軽い側のモータのトルク制限値を算出された減速区間における輪重の軽い側のトルク制限値とする各モータへの指令値およびトルク制限値を生成する生成手段とを備え、生成手段にて生成した各モータへの指令値およびトルク制限値を用いて各モータを位置制御もしくは速度制御するで、スリップを起こさない範囲でできるだけ動作時間を短くできるパラメータを算出し、算出したパラメータに基づいて指令を生成するため、試行錯誤による調整を行うことなしに動作時間を短縮できるものである。
また、車輪を適切にトルク制限するため、車輪が過度にスリップすることを常に防止できる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による移動体の走行制御装置の構成を示すブロック図、図2が図1に示した移動体の構成を示す図、図3は図1に示した移動体の走行制御装置の制御方法を示すフローチャート、図4は図2に示した移動体の路面上における摩擦特性を示した図である。図において、移動体100は第1の車輪7および第2の車輪8と、これら第1の車輪7および第2の車輪8をそれぞれ駆動するための第1のモータ5および第2のモータ6と、これら第1のモータ5および第2のモータ6のそれぞれの制御を行う第1のサーボ3および第2のサーボ4と、移動体100上に載置され上下方向に昇降する昇降台101とを備えている。そして、この移動体100は所定の路面102上を、第1の車輪7および第2の車輪8を第1のモータ5および第2のモータ6にて駆動させて移動する。
尚、ここで言う移動体100とは例えばフォークリフトやスタッカクレーンのようなものを指す。よって路面102とは、移動体100がフォークリフトの場合には所定のエリア内の路面を指し、移動体100の昇降台101がスタッカクレーンのような場合にはあらかじめ形成されているレールを指す。よって、路面102はあらかじめ状況を把握することが可能な箇所である。また、第1のモータ5および第2のモータ6は説明の便宜上略同一のモータ特性を備えたものを使用する場合について示す。
次にこの移動体100の走行を制御する走行制御装置10は、昇降台101の高さの位置情報と、第1のモータ5および第2のモータ6のトルク特性情報と、路面102の摩擦特性情報と、移動体100の構造上の固有値とを用いて移動体100の指令曲線のパラメータとしての加減速値とトルク制限のパラメータとを算出するパラメータ算出手段としての指令・トルク制限パラメータ算出手段1と、指令・トルク制限パラメータ算出手段1で算出した加減速値及びトルク制限のパラメータに基づいて上記各モータ5、6への指令値としての位置指令値と、トルク制限値を生成し第1および第2のサーボ3、4にそれぞれ送信する生成手段としての指令値・トルク制限値生成手段2とを備えている。
次に上記のように構成された実施の形態1の移動体の走行制御装置の制御方法について説明する。まず、指令・トルク制限パラメータ算出手段1には、図示しない昇降台制御部からこれから行う動作(指令曲線・トルク制限パラメータを算出しようとしている動作)における昇降台101の位置の中で最も高い位置となる昇降台位置情報hが入力される。次に、入力された昇降台位置情報hと、指令・トルク制限パラメータ算出手段1内部にあらかじめ記憶されている第1のモータ5および第2のモータ6のトルク特性情報と、路面102の摩擦特性情報と、移動体100の構造上の固有値とを用いて、移動体100の指令曲線のパラメータしての最大加速度値、最大減速度値およびトルク制限のパラメータとしての加速区間トルク制限値および減速区間トルク制限値の算出をそれぞれ行う。以下、図3のフローチャートに基づいて算出方法について説明する。
まず図3のステップS1において、第1のモータ5および第2のモータ6がいずれも最大トルクを発生した場合に実現できる最大加速度kkおよび最大減速度gkを算出する。第1の車輪7と第2の車輪8との両輪の摩擦抵抗の和の摩擦最大値をfmax、第1の車輪7と第2の車輪8との両輪の摩擦抵抗の和の摩擦最小値をfmin、移動体100の質量とモータの慣性モーメントを考慮した総質量をモータ側に換算した値をM、第1のモータ5および第2のモータ6の各最大トルク値をτmaxとする。このとき、トルク制限からの最大加速度kkおよび最大減速度gkはそれぞれ下記式の(1)、(2)にて算出することができる。
kk=(τmax×2−fmax)/M ・・・(1)
gk=(τmax×2+fmin)/M ・・・(2)
尚、第1のモータ5および第2のモータ6の最大トルク値τmaxは各モータ5、6ののトルク特性情報であり、また、第1の車輪7および第2の車輪8の両輪の摩擦抵抗の和の摩擦最大値fmaxおよび摩擦最小値fminおよび移動体100の質量とモータの慣性モーメントを考慮した総質量をモータ側に換算した値Mは移動体100の構造上の固有値でありいずれもあらかじめ指令・トルク制限パラメータ算出手段1内部に記憶されているものである。
次に図3のステップS2において、昇降台101の質量Mc2(昇降台101の質量とは、昇降台101の本来の質量が設定される場合、または、昇降台101にて搬送される対象物の想定質量を加味した質量が設定される場合などがある)と、移動体100の固定部(移動体100の全体から昇降台10を除く部分を指す)の質量Mc1と、移動体100の固定部の重心高さh1(各車輪7、8の中心点Aからの高さにて示す)と、振動の影響を考慮した補正係数βと、第1の車輪7と第2の車輪8との距離L(各車輪7、8の中心点A間の長さ)と、入力された昇降台位置情報h(各車輪7、8の中心点Aからの高さにて示す)とから中間変数αを下記式の(3)にて算出する。
α=β×(Mc1×h1+Mc2×h)/L ・・・(3)
尚、昇降台101の質量Mc2、移動体100の固定部の質量Mc1、移動体100の固定部の重心高さh1、第1の車輪7と第2の車輪8との距離Lは、いずれも移動体100の構造上の固有値であり、いずれもあらかじめ指令・トルク制限パラメータ算出手段1の内部に記憶されている。また、振動の影響を考慮した補正係数βは経験則などから導き出されている数値であり、振動の影響を考慮に入れない場合などは補正係数βは1として考え、算出において加味しないことも可能である。
次に図3のステップS3において、過大なスリップを引き起こさない条件下(スリップを考慮した条件下)での加速区間の最大加速度acmaxと、そのときの輪重の軽いほうの車輪(加速時であるため進行方向側の車輪を指す)を駆動するモータのトルク制限値tkmaxを算出する。図4に示すように第1の車輪7および第2の車輪8のスリップ特性極大値をμ、そして、移動体100の第1の車輪7および第2の車輪8における静止時の垂直抗力をNとし、輪重の軽いほうの車輪を駆動するモータのトルク制限値tkmaxおよび加速区間の最大加速度acmaxは下記式の(4)、(5)にて算出する。
tkmax=(μ×N×M+μ×α×fmin+M×fmin/2−μ×α×τmax)/(M+μ×α) ・・・(4)
acmax=(τmax+tkmax−fmin)/M ・・・(5)
尚、第1の車輪7および第2の車輪8のスリップ特性極大値μは、路面102の摩擦特性情報として、移動体100の第1の車輪7および第2の車輪8における静止時の垂直抗力Nは移動体100の構造上の固有値としていずれもあらかじめ指令・トルク制限パラメータ算出手段1の内部に記憶されている。
次に図3のステップS4において、過大なスリップを引き起こさない条件下(スリップを考慮した条件下)での減速区間の最大減速度dcmaxと、そのときの輪重の軽いほうの車輪(減速時であるため進行方向とは逆側の車輪を指す)を駆動するモータのトルク制限値tgmaxを下記式の(6)、(7)にて算出する。
tgmax=(μ×N×M−μ×α×fmax−M×fmax/2−μ×α×τmax)/(M+μ×α) ・・・(6)
dcmax=(τmax+tgmax+fmax)/M ・・・(7)
次に図3のステップS5において、最大加速度kkと加速区間の最大加速度acmaxとの比較を行う。そしてkk≧acmaxの場合には、図3のステップS6にて加速区間の最大加速度をacmax、輪重の軽い側のトルク制限値をtkmaxとする。また、kk<acmaxの場合には、図3のステップS7で加速区間の最大加速度kkとし、輪重の軽い側のトルク制限値を下記の式(8)にて再算出する。
tkmax’=μ×(N−α×kk)+fmin/2 ・・・(8)
このように輪重の軽い側のトルク制限値tkmax’として求めなおし、加速区間の最大加速度をkkとし、輪重の軽い側のトルク制限値をtkmax’とする。
次に図3のステップS8において、最大減速度gkと減速区間の最大減速度dcmaxとの比較を行う。そしてgk≧dcmaxの場合には、図3のステップS9で減速区間の最大減速度値をdcmax、輪重の軽い側のトルク制限値をtgmaxとする。また、gk<dcmaxの場合には、図3のステップS10で減速区間の最大減速度値をgkとし、輪重の軽い側のトルク制限値を下記の式(9)にて再算出する。
tgmax’=μ×(N−α×gk)−fmax/2 ・・・(9)
このように、輪重の軽い側のトルク制限値tgmax’として求めなおし、減速区間の最大減速度値をgkとし、輪重の軽い側のトルク制限値をtgmax’とする。
そして指令値・トルク制限値生成手段2は、指令・トルク制限パラメータ算出手段1で算出された加速区間の最大加速度値(kkかacmaxのいずれか)及び減速区間の最大減速度値(gkかdcmaxのいずれか)と指定された指令速度(指定速度は、外部から指令される場合、内部にて決定する場合などが考えられる)とから第1のサーボ3及び第2のサーボ4の位置指令を生成する。そして、加速区間及び等速区間での輪重の軽い側のモータのトルク制限値は、指令・トルク制限パラメータ算出手段1で算出した加速区間における輪重の軽い側のトルク制限値tkmax又はtkmax’とし、輪重の重い側のトルク制限値はモータ本来のトルク制限値τmaxとする。例えば図2の移動体100が右側に動作する場合は、右側の第2の車輪8の第2のモータ6のトルク制限値をtkmax又はtkmax’とし、左側の第1の車輪7の第1のモータ3の最大トルク値τmaxをトルク制限値とする。
また、減速区間では輪重の軽い側のモータのトルク制限値を指令・トルク制限パラメータ算出手段1で算出した減速区間における輪重の軽い側のトルク制限値tgmax又はtgmax’とし、輪重の重い側のモータのトルク制限値を本来のトルク制限値τmaxとする。例えば図2の移動体100が右側に動作する場合は、左側の第1の車輪7の第1のモータ3のトルク制限値をtgmax又はtgmax’とし、右側の第2の車輪8の第2のモータ6の最大トルク値τmaxをトルク制限値とする。第1のサーボ3、第2のサーボ4は指令値・トルク制限値生成手段2で生成された位置指令に基づいて第1のモータ5、第2のモータ6をそれぞれ位置制御する。また、第1のサーボ3、第2のサーボ4の発生トルクは指令値・トルク制限値生成手段2で生成されたトルク制限値に基づいて制限される。ここでは、等速区間について、各車輪において輪重の差は無いものの、加速区間と同様の制限値を設定する場合ついて示した。尚、上記に示した場合と逆に、等速区間を減速区間と同様の制限値を設定することも可能である。以下の実施の形態においても等速区間については本実施の形態1と同様のことが言えるため、その説明は適宜省略する。
上記のように構成された実施の形態1の移動体の走行制御装置は、スリップを起こさない範囲でできるだけ動作時間を短くできる移動体の指令曲線のパラメータを算出し、算出した指令曲線のパラメータに基づいて指令値を生成するため、試行錯誤による調整を行うことなく動作時間を短縮することができる。また、輪重の軽いほうの車輪を適切にトルク制限するため、輪重の軽いほうの車輪が過度にスリップすることを常に防止できる効果がある。さらにモータのトルク制限の制約を考慮した指令曲線のパラメータの算出が行えるため、スリップ限界よりもモータトルク限界が低い場合にも、試行錯誤による調整を行うことなく動作時間を短縮することができる。
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2による移動体の走行制御装置の制御方法のフローチャトを示す。尚、移動体100および走行制御装置10の構成は上記実施の形態1と同様であるため説明を省略する。図において、上記実施の形態1と同様の部分は同一の符号を付して省略する。上記実施の形態1では、指令・トルク制限パラメータ算出手段1で第1のモータ5、第2のモータ6がいずれも最大トルクを発生した場合に実現できる最大加速度kkおよび最大減速度gkの算出を行う例を示したが、本実施の形態2においてはこの最大加速度kkおよび最大限速度gkを算出せずに、過大なスリップを起こさないことのみを考慮した指令・トルク制限パラメータ算出を行う例について説明する。
まず、図5のステップS2において、昇降台101の質量Mc2と、移動体100の固定部の質量Mc1と、移動体100の固定部の重心高さh1と、振動の影響を考慮した補正係数βと、第1の車輪7と第2の車輪8との距離Lと、入力された昇降台位置情報hとから中間変数αを上記実施の形態1と同様に式(3)にて算出する。次に図5のステップS3において、過大なスリップを引き起こさない条件下での加速区間の最大加速度acmaxと、そのときの輪重の軽いほうの車輪を駆動するモータのトルク制限値tkmaxを算出する。第1の車輪7および第2の車輪8のスリップ特性極大値をμ、そして、移動体10の第1の車輪7および第2の車輪8における静止時の垂直抗力をNとし、輪重の軽いほうの車輪を駆動するモータのトルク制限値tkmaxおよび加速区間の最大加速度acmaxは上記実施の形態1と同様に式(4)、(5)にて算出する。
次に図5のステップS4において、過大なスリップを引き起こさない条件での減速区間の最大減速度dcmaxと、そのときの輪重の軽いほうの車輪を駆動するモータのトルク制限値tgmaxとを上記実施の形態1と同様に上記式(6)、(7)にて算出する。そして、加速区間の最大加速度をacmax、輪重の軽い側のトルク制限値をtkmaxとする。また、減速区間の最大減速度値をdcmax、輪重の軽い側のトルク制限値をtgmaxとする。そして指令値・トルク制限値生成手段2は、指令・トルク制限パラメータ算出手段1で算出された加速区間の最大加速度値acmax及び減速区間の最大減速度値dcmaxと指定された指令速度とから第1のサーボ3及び第2のサーボ4の位置指令を生成し、以下上記実施の形態1と同様に制御を行う。
上記のように構成された実施の形態2の移動体の走行制御装置は、上記実施の形態1と同様にスリップを起こさない範囲でできるだけ動作時間を短くできる指令曲線のパラメータを算出し、算出したパラメータに基づいて指令を生成するため、試行錯誤による調整を行うことなしに動作時間を短縮できる効果がある。また、輪重の軽いほうの車輪を適切にトルク制限するため、輪重の軽いほうの車輪が過度にスリップすることを常に防止できる効果がある。また、上記実施の形態1より算出を簡便に行うことができる。
実施の形態3.
図6はこの発明の実施の形態3による移動体の走行制御装置の制御方法のフローチャトを示す。尚、移動体100および走行制御装置10の構成は上記実施の形態1と同様であるため説明を省略する。まず、指令・トルク制限パラメータ算出手段1ではまず図6のステップS1において、第1のモータ5および第2のモータ6がいずれも最大トルクが発生した場合に実現できる最大加速度kkおよび最大減速度gkを、第1の車輪7と第2の車輪8との両輪の摩擦抵抗の和の摩擦最大値をfmax、第1の車輪7と第2の車輪8との両輪の摩擦抵抗の和の摩擦最小値をfmin、移動体100の質量とモータの慣性モーメントを考慮した総質量をモータ側に換算した値をM、第1のモータ5および第2のモータ6の各最大トルク値をτmaxとして上記実施の形態1と同様に式(1)、(2)にて算出する。次に図6のステップS2において、昇降台101の質量Mc2と、移動体100の固定部の質量Mc1と、移動体100の固定部の重心高さh1、振動の影響を考慮した補正係数βと、第1の車輪7と第2の車輪8との距離Lと、入力された昇降台位置情報hとから中間変数αを上記実施の形態1と同様に上記式(3)にて算出する。
次に図6のステップS31において、過大なスリップを引き起こさない条件下での加速区間の最大加速度acmaxを算出する。第1の車輪7および第2の車輪8のスリップ特性極大値をμ、そして、移動体10の第1の車輪7および第2の車輪8における静止時の垂直抗力をNとし、上記実施の形態1と同様に上記式(4)、(5)にて算出する。次に図6のステップS41において、過大なスリップを引き起こさない条件下の減速区間の最大減速度dcmaxと、そのときの輪重の軽いほうの車輪を駆動するモータのトルク制限値tgmaxを上記実施の形態1と同様に上記式(6)、(7)にて算出する。
次に図6のステップS5において、最大加速度kkと加速区間の最大加速度acmaxとの比較を行う。そしてkk≧acmaxの場合には、図6のステップS61にて加速区間の最大加速度をacmaxとする。また、kk<acmaxの場合には、図6のステップS7で加速区間の最大加速度kkとする。次に図6のステップS8では、最大減速度gkと減速区間の最大減速度dcmaxとの比較を行う。そしてgk≧dcmaxの場合には、図6のステップS91で減速区間の最大減速度値をdcmaxとする。また、gk<dcmaxの場合には、図6のステップS11で減速区間の最大減速度値をgkとする。
そして指令値・トルク制限値生成手段2は、指令・トルク制限パラメータ算出手段1で算出された加速区間の最大加速度値(kkかacmaxのいずれか)及び減速区間の最大減速度値(gkかdcmaxのいずれか)と指定された指令速度(指定速度は、外部から指令される場合、内部にて決定する場合などが考えられる)とから第1のサーボ3及び第2のサーボ4の位置指令を生成する。また、加速区間及び等速区間での輪重の軽い側のモータのトルク制限値は、モータの本来のトルク制限値τmaxを第1のサーボ3、第2のサーボ4のトルク制限値として出力する。以下上記実施の形態1と同様に制御を行うことができる。
上記のように構成された実施の形態3の移動体の走行制御装置は、上記実施の形態1と同様にスリップを起こさない範囲でできるだけ動作時間を短くできる指令曲線のパラメータを算出し、算出したパラメータに基づいて指令を生成するため、試行錯誤による調整を行うことなしに動作時間を短縮できる効果がある。また、上記実施の形態1より算出を簡便に行うことができる。
実施の形態4.
図7はこの発明の実施の形態4による移動体の走行制御装置の制御方法のフローチャートを示す。尚、移動体100および走行制御装置10の構成は上記実施の形態1と同様であるため説明を省略する。図において、上記各実施の形態と同様の部分は同一の符号を付して省略する。この実施の形態4では図示しない昇降台制御部からこれから行う動作(指令・トルク制限パラメータを算出しようとしている動作)における昇降台101の高さ位置情報として、加速区間での昇降台位置情報hkと、減速区間での昇降台位置情報hgとがそれぞれ入力される場合について説明する。
まず図7のステップS1において、上記実施の形態1と同様に第1のモータ5および第2のモータ6がいずれも最大トルクを発生した場合に実現できる最大加速度kkおよび最大減速度gkを算出する。次に図7のステップS21において、昇降台101の質量Mc2と、移動体100の固定部の質量Mc1と、移動体100の固定部の重心高さh1と、振動の影響を考慮した補正係数βと、第1の車輪7と第2の車輪8との距離Lと、入力された昇降台位置情報hk、hgとから中間変数αk、αgを下記式(10)、(11)にてそれぞれ算出する。
αk=β×(Mc1×h1+Mc2×hk)/L ・・・(10)
αg=β×(Mc1×h1+Mc2×hg)/L ・・・(11)
次に図7のステップS3において、過大なスリップを引き起こさない条件下での加速区間の最大加速度acmaxと、そのときの輪重の軽いほうの車輪(加速時であるため進行方向側の車輪を指す)を駆動するモータのトルク制限値tkmaxを算出する。第1の車輪7および第2の車輪8のスリップ特性極大値をμ、そして、移動体10の第1の車輪7および第2の車輪8における静止時の垂直抗力をNとし、輪重の軽いほうの車輪を駆動するモータのトルク制限値tkmaxおよび加速区間の最大加速度acmaxは下記式(12)、(13)にて算出する。
tkmax=((μ×N×M+μ×αk×fmin+M×fmin/2−μ×αk×τmax)/(M+μ×αk) ・・・(12)
acmax=(τmax+tkmax−fmin)/M ・・・(13)
次に図7のステップS4において、過大なスリップを引き起こさない条件下での減速区間の最大減速度dcmaxと、そのときの輪重の軽いほうの車輪を駆動するモータのトルク制限値tgmaxを下記式(14)、(15)にて算出する。
tgmax=(μ×N×M−μ×αg×fmax−M×fmax/2−μ×αg×τmax)/(M+μ×αg) ・・・(14)
dcmax=(τmax+tgmax+fmax)/M ・・・(15)
次に図7のステップS5において、最大加速度kkと加速区間の最大加速度acmaxとの比較を行う。そしてkk≧acmaxの場合には、図7のステップS6にて加速区間の最大加速度をacmax、輪重の軽い側のトルク制限値をtkmaxとする。また、kk<acmaxの場合には、図7のステップS7で加速区間の最大加速度kkとし、輪重の軽い側のトルク制限値を下記の式(16)にて再算出する。
tkmax’=μ×(N−αk×kk)+fmin/2 ・・・(16)
このように輪重の軽い側のトルク制限値tkmax’を求めなおし、加速区間の最大加速度をkkとし、輪重の軽い側のトルク制限値をtkmax’とする。
次に図7のステップS8において、最大減速度gkと減速区間の最大減速度dcmaxとの比較を行う。そしてgk≧dcmaxの場合には、図7のステップS9で減速区間の最大減速度値をdcmax、輪重の軽い側のトルク制限値をtgmaxとする。また、gk<dcmaxの場合には、図7のステップS10で減速区間の最大減速度値をgkとし、輪重の軽い側のトルク制限値を下記の式(17)にて再算出する。
tgmax’=μ×(N−αg×gk)−fmax/2 ・・・(17)
このように、輪重の軽い側のトルク制限値tgmax’を求めなおし、減速区間の最大減速度値をgkとし、輪重の軽い側のトルク制限値をtgmaxとする。
そして指令値・トルク制限値生成手段2は、指令・トルク制限パラメータ算出手段1で算出された加速区間の最大加速度値(kkかacmaxのいずれか)及び減速区間の最大減速度値(gkかdcmaxのいずれか)と指定された指令速度とから第1のサーボ3及び第2のサーボ4の位置指令を生成し、以下上記実施の形態1と同様に制御を行う。
上記のように構成された実施の形態4の移動体の走行制御装置は、上記実施の形態1と同様に、スリップを起こさない範囲でかつできるだけ動作時間を短くできる指令曲線のパラメータを算出し、算出したパラメータに基づいて指令を生成するため、試行錯誤による調整を行うことなしに動作時間を短縮できる効果がある。また、輪重の軽いほうの車輪を適切にトルク制限するため、輪重の軽いほうの車輪が過度にスリップすることを常に防止できる効果がある。さらにモータのトルク制限の制約も考慮した指令曲線のパラメータの算出も行えるため、スリップ限界よりもモータトルク限界が低い場合にも、試行錯誤による調整を行うことなしに動作時間を短縮できる。さらに、中間変数を加速時および減速時の2通りに分けて算出したためより一層正確な制御を行うことができる。
実施の形態5.
図8はこの発明の実施の形態5による移動体の走行制御装置の構成を示すブロック図である。尚、移動体100の構成は上記実施の形態1と同様であるため説明を省略する。図において、上記各実施の形態と同様の部分は同一の符号を付して省略する。上記実施の形態1とは異なる点は、昇降台101の高さ位置情報以外に、昇降台で搬送する対象物の質量(搬送質量)と、指定された指定速度とが指令・トルク制限パラメータ算出手段1にそれぞれ入力される。よって、指令・トルク制限パラメータ算出手段1での算出において、昇降台101の質量Mc2と、移動体100の質量とモータの慣性モーメントを考慮した総質量をモータ側に換算した値Mとの値が、入力された昇降台で搬送する対象物の質量(搬送質量)を考慮した値にて算出されて入力される。また、第1の車輪7および第2の車輪8の両輪の摩擦抵抗の和の最大値fmaxは指定速度に応じて適切な値が設定される。
上記のように構成された実施の形態5の移動体の走行制御装置は、入力される設定値に応じて上記実施の形態1と同様に算出することが可能であり、上記実施の形態1と同様に、スリップを起こさない範囲でできるだけ動作時間を短くできる指令曲線のパラメータを算出し、算出したパラメータに基づいて指令を生成するため、試行錯誤による調整を行うことなしに動作時間を短縮できる効果がある。また、輪重の軽いほうの車輪を適切にトルク制限するため、輪重の軽いほうの車輪が過度にスリップすることを常に防止できる効果がある。さらにモータのトルク制限の制約も考慮した指令曲線のパラメータの算出も行えるため、スリップ限界よりもモータトルク限界が低い場合にも、試行錯誤による調整を行うことなしに動作時間を短縮できる。さらに、搬送質量および指定速度に応じた両輪の摩擦抵抗の和の最大値が入力されるため、より一層正確な制御を行うことができる。
実施の形態6.
図9はこの発明の実施の形態6による移動体の走行制御装置の構成を示すブロックである。尚、移動体100の構成は上記実施の形態1と同様であるため説明を省略する。図において、上記各実施の形態と同様の部分は同一の符号を付して省略する。移動体100が搭載している昇降台101の高さ位置情報と、移動体100の指令曲線のパラメータと、路面102の摩擦特性情報と、移動体100の構造上の固有値とを用いてトルク制限のパラメータを算出するパラメータ算出手段としてのトルク制限パラメータ算出手段9を備え、移動体100の指令曲線のパラメータと、トルク制限パラメータ算出手段9で算出したトルク制限のパラメータに基づいて上記各モータ5、6への指令値としての位置指令値と、トルク制限値を生成し第1および第2のサーボ3、4にそれぞれ送信する生成手段としての指令値・トルク制限値生成手段20を備えている。尚、移動体100の指令曲線のパラメータは最終的に指令値・トルク制限値生成手段20から指令値として各サーボ3、4に送信する必要があるため、本実施の形態においては移動体100の指令曲線のパラメータは指令値・トルク制限値生成手段20内部に記憶させる。
次に上記のように構成された実施の形態6の移動体の走行制御装置の制御方法について説明する。まず、トルク制限パラメータ算出手段9では、図示しない昇降台制御部からこれから行う動作における昇降台101の位置の中で最も高い位置での昇降台位置情報hが入力される。また、指令値・トルク制限値生成手段2から移動体100の指令曲線のパラメータとしての、加速区間の最大加速度ak及び減速区間の最大減速度dkが入力される。次に入力された昇降台位置情報h、加速区間の最大加速度ak、減速区間の最大減速度dkと、トルク制限パラメータ算出手段9内部に記憶されている路面102のスリップ特性極大値μを用いて、加速区間トルク制限値tkmax、減速区間トルク制限値tgmaxを算出する。
まず、昇降台101の質量Mc2と、移動体100の固定部の質量Mc1と、移動体100の固定部の重心高さh1と、振動の影響を考慮した補正係数βと、第1の車輪7と第2の車輪8との距離Lと、入力された昇降台位置情報hとから中間変数αを上記実施の形態1と同様に上記式(3)に基づいて算出する。次に、加速区間トルク制限値tkmax、減速区間トルク制限値tgmaxを下記式(18)および(19)に基づいて算出し、指令値・トルク制限値生成手段2へ出力する。
tkmax=μ×(N−α×ak)+fmin/2 ・・・(18)
tgmax=μ×(N−α×dk)−fmax/2 ・・・(19)
次に、指令値・トルク制限値生成手段2では内部に記憶されている加速区間の最大加速度ak、減速区間の最大減速度dkと指定された指定速度とから第1のサーボ3および第2のサーボ4に出力する位置指令を生成する。
また、加速区間及び等速区間では輪重の軽い側のモータのトルク制限値をトルク制限パラメータ算出手段9で算出した加速区間における輪重の軽い側のトルク制限値tkmaxとし、輪重の重い側のモータのトルク制限値をモータの本来のトルク制限値τmaxとする。例えば図2の移動体100が右側に動作する場合は、右側の第2の車輪8の第2のモータ6のトルク制限値をtkmaxとし、左側の第1の車輪7の第1のモータ5のトルク制限値をモータ本来のトルク制限値τmaxとする。
また、減速区間では輪重の軽い側のモータのトルク制限値をトルク制限パラメータ算出手段9で算出した減速区間における輪重の軽い側のトルク制限値tgmaxとし、輪重の重い側のモータのトルク制限値をモータの本来のトルク制限値τmaxとする。例えば図2の移動体100が右側に動作する場合は、左側の第1の車輪7の第1のモータ5のトルク制限値をtgmaxとし、右側の第2の車輪8の第2のモータ6のトルク制限値をτmaxとする。そして、第1のサーボ3および第2のサーボ4は指令値・トルク制限値生成手段20で生成された位置指令に基づいて第1のモータ5、第2のモータ6を位置制御する。また、第1のサーボ5、第2のサーボ6の発生トルクは指令値・トルク制限値生成手段20で生成されたトルク制限値に基づいて制限される。
上記のように構成された実施の形態6の移動体の走行制御装置は、輪重の軽いほうの車輪を適切にトルク制限するため、輪重の軽いほうの車輪が過度にスリップすることを常に防止できる効果がある。
尚、上記各実施の形態では生成手段で位置指令を生成する場合について説明したがこれに限られることはなく、例えば生成手段で速度指令を生成し、第1のサーボ3、第2のサーボ4に速度制御を行っても上記各実施の形態と同様の効果を奏することは言うまでもない。
また、指令・トルク制限パラメータ算出手段には、hの代表値に対する加速区間の最大加速度値及び輪重の軽い側のトルク制限値と減速区間の最大減速度値及び輪重の軽い側のトルク制限値の計算結果を記憶させておき、指令・トルク制限パラメータ算出手段では入力された昇降台位置情報hから最も近い代表値を選択し、選択された代表値に対応する加速区間の最大加速度値及び輪重の軽い側のトルク制限値と減速区間の最大減速度値及び輪重の軽い側のトルク制限値の計算結果を記憶させておいた結果より出力するようにしてもよい。
実施の形態7.
図10はこの発明の実施の形態7による移動体の走行制御装置の構成を示すブロック図である。尚、移動体100の構成は上記実施の形態1と同様であるため説明を省略する。図において、上記各実施の形態と同様の部分は同一の符号を付して省略する。移動体100が搭載している昇降台101の高さの位置情報、移動体100の加速度に関する加速度情報と、路面の摩擦特性情報と、移動体100の構造上の固有値とを用いてトルク制限値を生成する生成手段としてのトルク制限値生成手段11と、トルク制限値生成手段11にて生成されたその内部に記憶してあるパラメータを用いて指令値を生成する指令値生成手段12とを備えている。そしてこの実施の形態7においては、右方向をプラス(正方向)と、左方向をマイナス(負方向)と既定して説明する。
次に上記のように構成された実施の形態7の移動体の走行制御装置の制御方法について説明する。まず、トルク制限値生成手段11では、昇降台101の質量Mc2と、移動体100の固定部の質量Mc1と、移動体100の固定部の重心高さh1と、振動の影響を考慮した補正係数βと、第1の車輪7と第2の車輪8との距離Lと、入力された昇降台101の現在の位置指令値hdとから、中間変数αdを下記の式(20)にて算出する。
αd=β×(Mc1×h1+Mc2×hd)/L ・・・(20)
現在の移動体100の加速度指令adが正の規定値以上(即ち、ここでは右方向を正方向と考えているため、右方向が進行方向の場合の加速および左方向が進行方向の場合の減速の状態を指す)の場合には第2のサーボ4のトルク制限値t2maxを下記式(21)にて算出する。
t2max=μ×(N−αd×ad)+fmin/2 ・・・(21)
そして、第1のサーボ3のトルク制限値はモータの本来のトルク制限値であるτmaxとする。
また、現在の移動体100の加速度指令adが負の規定値以下(即ち、ここでは右方向を正方向と考えているため、右方向が進行方向の場合の減速および左方向の進行方向の加速の状態を指す)の場合には第1のサーボ3のトルク制限値t1maxを下記式(22)にて算出する。
t1max=μ×(N−αd×|ad|)−fmax/2 ・・・(21)
そして、第2のサーボ4のトルク制限値はモータの本来のトルク制限値であるτmaxとする。
次に、現在の移動体100の加速度指令adが正の規定値未満で負の規定値より大きい場合はトルク制限値を算出する必要性が少ないため、第1のサーボ3及び第2のサーボ4のトルク制限値としてモータの本来のトルク制限値であるτmaxを利用する。そして、トルク制限値生成手段11では定められた周期毎に第1のサーボ3及び第2のサーボ4のトルク制限値を定期的に算出し、算出したトルク制限値を第1のサーボ3及び第2のサーボ4に送信する。指令値生成手段12では、第1のサーボ3、第2のサーボ4を位置制御する場合は位置指令を生成し、第1のサーボ3および第2のサーボ2を速度制御する場合は速度指令を生成する。そして、第1のサーボ3及び第2のサーボ4では指令値生成手段12から送られてきた指令に基づいて位置制御もしくは速度制御を行うとともに、トルク制限値生成手段11から送られてきたトルク制限値に基づいて発生トルクの制限を行う。
上記のように構成された実施の形態7の移動体の走行制御装置は、輪重の軽いほうの車輪を適切にトルク制限するため、輪重の軽いほうの車輪が過度にスリップすることを常に防止できる効果がある。
実施の形態8.
この発明の実施の形態8による移動体および移動体の走行制御装置の構成は上記実施の形態7と同様であるため同一符号を付して説明を省略する。本実施の形態8では昇降台の高さ位置情報として昇降台の現在の位置指令hdを用い、移動体の加速度情報として現在の加速度指令adを用いる。まず、トルク制限値生成手段11では、昇降台101の質量Mc2と、移動体100の固定部の質量Mc1と、移動体100の固定部の重心高さh1と、振動の影響を考慮した補正係数βと、第1の車輪7と第2の車輪8との距離Lと、入力された昇降台101の現在の位置指令値hdとから、中間変数αdを上記実施の形態7と同様に上記式(20)にて算出する。次に、現在の加速度指令adから判断して加速区間もしくは等速区間にある場合は輪重の軽いほうのトルク制限値tkmaxを下記式(22)より算出する。
tkmax=μ×(N−αd×ad)+fmin/2 ・・・(22)
そして、輪重の重いほうのモータのトルク制限値はモータの本来のトルク制限値であるτmaxとする。例えば図2の移動体100が右側に動作する場合は、右側の第2の車輪8の第2のモータ6のトルク制限値をtkmaxとし、左側の第1の車輪7の第1のモータ5のトルク制限値を本来のトルク制限値τmaxとする。
また、現在の加速度指令adから判断して減速区間もしくは停止区間(停止しようとしている区間)にある場合は輪重の軽いほうのトルク制限値tgmaxを下記式(23)にて算出する。
tgmax=μ×(N−αd×|ad|)−fmax/2 ・・・(23)
そして、輪重の重いほうのトルク制限値はモータ本来のトルク制限値であるτmaxとする。例えば図2の移動体100が右側に動作する場合は、左側の第1の車輪7の第1のモータ5のトルク制限値をtgmaxとし、右側の第2の車輪8の第2のモータ5のトルク制限値をτmaxとする。トルク制限値生成手段11では定められた周期毎に第1のサーボ3及び第2のサーボ4のトルク制限値を定期的に算出し、算出したトルク制限値を第1のサーボ3及び第2のサーボ4に送信する。そして、第1のサーボ3及び第2のサーボ4ではトルク制限値生成手段11から送られてきたトルク制限値に基づいて発生トルクの制限を行う。
上記のように構成された実施の形態8の移動体の走行制御装置は、輪重の軽いほうの車輪を適切にトルク制限するため、輪重の軽いほうの車輪が過度にスリップすることを常に防止できる効果がある。
尚、上記実施の形態7および実施の形態8では昇降台の位置に関する情報として、昇降台の現在の位置指令値hdを用いる例を示したが、これに限られることはなく、昇降台の現在の位置指令値hdの代わりに、昇降台の現在の位置の測定値hmを用いることも考えられる。また、上記実施の形態7および実施の形態8では移動体の加速度に関する情報として、現在の加速度指令値adを用いる例を示したが、これに限られることはなく、現在の加速度指令adの代わりに現在の加速度の測定値amを用いることも考えられる。
この発明の実施の形態1における移動体および移動体の走行制御装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1における移動体の構成を示す図である。 図1に示した移動体の走行制御装置の制御方法を示すフローチャートである。 図2に示した移動体の車輪のスリップ特性を示す図である。 この発明の実施の形態2における移動体の走行制御装置の制御方法を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態3における移動体の走行制御装置の制御方法を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態4における移動体の走行制御装置の制御方法を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態5における移動体および移動体の走行制御装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態6における移動体および移動体の走行制御装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態7における移動体および移動体の走行制御装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 指令・トルク制限パラメータ算出手段、
2,20 指令値・トルク制限値生成手段、3 第1のサーボ、4 第2のサーボ、
5 第1のモータ、6 第2のモータ、7 第1の車輪、8 第2の車輪、
9 トルク制限パラメータ算出手段、10 移動体の走行制御装置、
11 トルク制限値生成手段、12 指令値生成手段、100 移動体、
101 昇降台。

Claims (1)

  1. 高さ位置を変更することができるように設置された昇降台と、移動方向の前後にそれぞれ形成された車輪と、上記各車輪をそれぞれ駆動する各モータとを備えた移動体であって、上記移動体を所定の路面上に上記各車輪を上記各モータにて駆動させて移動する走行の制御を行う上記移動体の走行制御装置において、
    上記昇降台を制御する昇降台制御部から入力される上記昇降台の位置の中で最も高い位置となる昇降台位置情報と、あらかじめ記憶されている上記各モータの最大トルク値と、上記各車輪のスリップ率を入力する摩擦係数関数の極大値であるスリップ特性極大値と、上記各車輪の摩擦抵抗の和の摩擦最大値および摩擦最小値と、上記移動体の質量と上記各モータの慣性モーメントを考慮した総質量をモータ側に換算した値と、上記昇降台の質量と、上記移動体の固定部の質量と、上記移動体の固定部の重心高さと、上記各車輪間の距離とを用いて、上記移動体の過大なスリップを引き起こさない条件下での加速区間の最大加速度と、そのときの輪重の軽いほうの車輪を駆動するモータのトルク制限値と、減速区間の最大減速度と、そのときの輪重の軽いほうの車輪を駆動するモータのトルク制限値とを算出するパラメータ算出手段と、算出された上記加速区間の最大加速度、上記減速区間の最大減速度及び指定された指令速度から指令を生成し、加速区間の輪重の軽い側のモータのトルク制限値を算出された加速区間における輪重の軽い側のトルク制限値とし、減速区間の輪重の軽い側のモータのトルク制限値を算出された減速区間における輪重の軽い側のトルク制限値とする上記各モータへの指令値およびトルク制限値を生成する生成手段とを備え、上記生成手段にて生成した上記各モータへの指令値およびトルク制限値を用いて上記各モータを位置制御もしくは速度制御することを特徴とする移動体の走行制御装置。
JP2004264119A 2004-09-10 2004-09-10 移動体の走行制御装置 Active JP4257745B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004264119A JP4257745B2 (ja) 2004-09-10 2004-09-10 移動体の走行制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004264119A JP4257745B2 (ja) 2004-09-10 2004-09-10 移動体の走行制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006079436A JP2006079436A (ja) 2006-03-23
JP4257745B2 true JP4257745B2 (ja) 2009-04-22

Family

ID=36158824

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004264119A Active JP4257745B2 (ja) 2004-09-10 2004-09-10 移動体の走行制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4257745B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4186082B2 (ja) 2006-05-01 2008-11-26 村田機械株式会社 走行台車
JP5862556B2 (ja) * 2012-07-12 2016-02-16 株式会社豊田自動織機 モータ制御装置及びモータ制御方法
JP6719183B2 (ja) * 2015-08-21 2020-07-08 シャープ株式会社 自律走行装置
JP7171528B2 (ja) 2019-09-17 2022-11-15 日立建機株式会社 運搬車両

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006079436A (ja) 2006-03-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6233420B2 (ja) 電動車両の制御装置および電動車両の制御方法
US10858010B2 (en) Control method for electric vehicle and control device for electric vehicle
RU2720227C1 (ru) Способ управления электромотором электротранспортного средства и устройство управления электромотором электротранспортного средства
CN110191818B (zh) 电动车辆的控制方法以及电动车辆的控制装置
JP5761347B2 (ja) 倒立型移動体制御装置、その制御方法及びプログラム
WO2017183231A1 (ja) 電動車両の制御方法、及び、電動車両の制御装置
JP6711064B2 (ja) 電動車両の制御方法、及び、電動車両の制御装置
JP2001171924A (ja) ダブルデッキエレベータ制御装置
JP5037135B2 (ja) エレベータ用回転機の制御装置
JP6237789B2 (ja) 電動車両の制御装置および電動車両の制御方法
US20230249558A1 (en) Electric vehicle control method and electric vehicle control device
JP4155527B2 (ja) 昇降装置の制御システム
JP4257745B2 (ja) 移動体の走行制御装置
JP2008126985A (ja) 車両用操舵制御装置
JP2019146450A (ja) 電動車両の制御方法および電動車両の制御装置
JP6641784B2 (ja) 電動車両の制御方法、及び、制御装置
KR101252605B1 (ko) 엘리베이터 모션 프로파일 제어
WO2012127607A1 (ja) エレベータのドア制御装置
JP5850801B2 (ja) エレベータおよびその速度制御方法
WO2019044025A1 (ja) 移動体の運動制御装置、コンピュータプログラム、移動体の運動制御方法、および制御器
JP2021102503A (ja) 懸架式クレーンの制御装置及びインバータ装置
JP5772373B2 (ja) 倒立型移動体制御装置、及びその制御方法
JP2006180592A (ja) 電気車の駆動システム
JP6641787B2 (ja) 電動車両の制御方法、及び、制御装置
JP5029799B2 (ja) エレベータの着床制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061101

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080610

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080617

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080806

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080930

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090127

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090128

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4257745

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120213

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130213

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130213

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140213

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250