JP4972037B2 - 放射線測定装置及びその製造方法 - Google Patents

放射線測定装置及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4972037B2
JP4972037B2 JP2008148139A JP2008148139A JP4972037B2 JP 4972037 B2 JP4972037 B2 JP 4972037B2 JP 2008148139 A JP2008148139 A JP 2008148139A JP 2008148139 A JP2008148139 A JP 2008148139A JP 4972037 B2 JP4972037 B2 JP 4972037B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
light emitting
film
light
radiation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008148139A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009294089A (ja
Inventor
原  雅樹
栄一 皆川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Aloka Medical Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Aloka Medical Ltd filed Critical Hitachi Aloka Medical Ltd
Priority to JP2008148139A priority Critical patent/JP4972037B2/ja
Publication of JP2009294089A publication Critical patent/JP2009294089A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4972037B2 publication Critical patent/JP4972037B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Conversion Of X-Rays Into Visible Images (AREA)
  • Measurement Of Radiation (AREA)

Description

本発明は放射線測定装置に関し、特に、α線を検出する発光層の形成技術に関する。
特許文献1には、従来の放射線測定装置が開示されている。かかる放射線測定装置は、発光皮膜を有するシンチレータ部材を有する。シンチレータ部材は、β線を検出するプラスチックシンチレータ材料により構成されている。発光皮膜は、放射線の入射側から見て、保護層、遮光層、及び、発光層を有する。遮光層はアルミニウム蒸着層として構成されている。発光層は、接着材料と、α線の入射によって発光を生じる発光材料と、からなる。具体的には、接着材料に対して、粉体としての発光材料を添加することによって混合材料が製作され、それを塗布することによって発光層が形成される。発光材料は、一般に、ZnS(Ag)からなる。その粒径は、一般に、1.0〜10μmの範囲内においてばらついている。いずれにしても、通常の状態では、ZnS(Ag)はパウダー状である。この従来構成によれば、シンチレータプレート上に、転写によって発光皮膜を迅速かつ容易に形成できる。特許文献2には、塗布による発光層の形成が記載されている。
特開2007―218710号公報 特許第4061367号公報
上記従来の構成では、場合によっては、α線の検出感度を高めることが難しい。すなわち、α線の検出感度を高めるためには、接着層としての発光層における発光材料(一般には粉体としてのZnS(Ag))の添加割合を高める必要があるが、添加割合を高めると、発光層を安定的に形成できない、あるいは、接着作用が弱まってしまう、という問題が生じる。単位面積当たりの発光材料の量を増大させるために、接着層の厚みを増大させると、その接着層内で発光を生じるまでにα線が大きく減弱されてしまい、あるいは、生じた光の自己吸収が大きくなって、発光効率が低下してしまうという問題が生じる。従来においては、パウダー状の発光材料をそのまま利用する考え方しかなかったといえる。そのような考え方の下では、発光層の厚みを発光材料の粒径以下にすることはできない。
本発明の目的は、発光層の新しい形成技術を提供することにある。本発明の他の目的は、α線検出用発光材料を高密度に有する極めて薄い発光層を実現することにある。
本発明は、発光皮膜と、前記発光皮膜で生じた光を検出する光検出器と、を含み、前記発光皮膜は、放射線の入射により発光を生じる発光材料を有する発光層を有し、前記発光層は前記発光材料の蒸着層として構成された、ことを特徴とする放射線測定装置に関する。
上記構成によれば、発光皮膜に放射線が入射すると、発光層にて発光が生じ、生じた光が光検出器で検出される。発光層は、発光材料を有する蒸着層として構成される。望ましくは、発光材料を真空中で気化させ、発光材料の原子又は分子(成膜物質)を対象物表面上に蒸着させることにより、発光層が形成される。これによれば、発光層における発光材料の密度を極めて高めることができ、その厚みもナノレベルで制御できるから、極めて薄く且つ高密度の発光層を実現することが可能である。蒸着法それ自体は公知の手法であるが、本発明はそれを発光材料に適用することにより、従来方法ではその原理上得られない新しい物性あるいは機能を有する発光層を実現したものである。蒸着法としては、蒸発タイプの蒸着法、スパッタリングタイプの蒸着法、等があげられる。
望ましくは、前記発光材料はα線の入射により発光を生じる材料である。一般に、物質中でのα線の飛程は非常に小さく、発光層での光の自己吸収も問題となるので、発光層を薄く高密度に形成することが要請されるところ、α線発光層を発光材料の蒸着層として構成すれば、理想的なα線検出層を実現できる。
望ましくは、前記発光層は0.1〜2.0μmの範囲内の厚みを有する。検出対象となるα線や発光層の密度に応じて発光層の厚みを設定するのが望ましい。従来法では、粉体を利用していたため厚み限界や密度限界があったが、上記構成によれば、厚みや密度の制御が容易である。安定した固体状の発光層を形成することも容易である。
望ましくは、前記発光皮膜が接着される透明性を有する背面部材を含み、前記発光皮膜は、当該発光皮膜を前記背面部材に接着するための基礎接着層を有する。背面部材は透明性を有するサポート部材であってもよいし、それがシンチレータで構成されてもよい。望ましくは、前記発光皮膜は、前記発光層の放射線入射側に設けられた遮光層を有する。α線の検出器を構成する場合、極めて薄い遮光層を形成するのが望ましい。望ましくは、前記遮光層は遮光材料の蒸着層として構成される。望ましくは、前記発光皮膜は、前記遮光層の放射線入射側に設けられた保護層を有する。保護層が遮光機能を有していてもよく、その場合には保護層を着色処理するのが望ましい。
望ましくは、前記発光皮膜は、第1転写シートから剥離された第1剥離膜及び第2転写シートから剥離された第2剥離膜からなる積層体として構成され、前記第1剥離膜は前記発光層を有し、前記第2剥離膜は前記遮光層を有し、前記第1剥離膜及び前記第2剥離膜の一方がそれらを接着する中間接着層を有する。望ましくは、前記発光皮膜は、単一の転写シートから剥離された単一の剥離膜として構成され、前記発光層と前記遮光層は、直接的に接合した関係にあり、あるいは、中間層を介して接合した関係にある。
望ましくは、前記発光皮膜の放射線入射側には別の皮膜が積層される。当該別の皮膜が第2の遮光層及び第2の保護層を有していてもよい。望ましくは、前記背面部材はβ線を検出するシンチレータ材料を有する。望ましくは、前記発光層を構成する発光材料はZnS(Ag)であり、前記発光層は前記ZnS(Ag)の蒸着により形成された固体層である。
また、本発明は、透明性を有する背面部材の上に、転写法により発光皮膜を形成する工程と、前記発光皮膜が形成された背面部材を用いて放射線測定装置を組み立てる工程と、を含み、前記発光皮膜は、α線の入射により発光を生じる発光材料で構成される第1蒸着層としての発光層と、前記発光層の放射線入射側に設けられた第2蒸着層としての遮光層と、を有する、ことを特徴とする放射線測定装置の製造方法に関するものである。転写技術を利用すれば皮膜形成を迅速かつ容易に行える。転写方式としては熱転写が一般的であるが、感圧転写等もあげられる。蒸着層は薄い層であるが、転写前においては基礎部材上に存在しているので、それが物理的に保護され、転写後においても転写先部材上に存在することになるので、それが物理的に保護される。例えば、プラスチックシンチレータ表面上に直接的に蒸着層を形成できない場合であっても、転写技術を利用すれば、別途形成された蒸着層を簡便にプラスチックシンチレータ上に形成できるという利点がある。もっとも、対象物が蒸着に適するものであれば、その表面に対して直接的に蒸着層としての発光層を形成することが可能である。
また、本発明は、第1転写シートから剥離された第1剥離膜の転写及び第2転写シートから剥離された第2剥離膜の転写により、透明性を有する部材の上に、前記第1剥離膜及び前記第2剥離膜からなる発光皮膜を形成する工程と、前記発光皮膜が形成された背面部材を用いて放射線測定装置を組み立てる工程と、を含み、前記第1剥離膜は、α線の入射により発光を生じる第1蒸着層としての発光層を有し、前記第2剥離膜は、第2蒸着層としての遮光層を有する、ことを特徴とする放射線測定装置の製造方法に関するものである。
また、本発明は、α線検出用のZnS(Ag)を気化させ、その気化したZnS(Ag)を対象物に堆積させ、これにより、対象物の表面上に0.1〜2.0μmの範囲内の厚みを有する発光層を形成した、ことを特徴とする発光層の形成方法に関するものである。
以上説明したように、本発明によれば、発光層の新しい形成技術を提供できる。あるいは、α線検出用発光材料を高密度に有する発光層を実現できる。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、シンチレータ部材8の好適な実施形態が示されている。このシンチレータ部材8は、サーベイメータ、体表面モニタ等の放射線測定装置において放射線の検出を行うものである。検出対象となる放射線は、本実施形態においてα線及びβ線である。但し、α線又はβ線が単独で検出されてもよい。また、γ線が検出対象となってもよい。
シンチレータ部材8は、大別して、透明性を有するシンチレータプレート10とその放射線入射側に形成された発光皮膜12とで構成される。シンチレータプレート10は、図1に示す構成例において、平板形を有しており、それはβ線を検出するプラスチックシンチレータにより構成される。その形態は平板以外であってもよく、例えば湾曲形態や棒状形態であってもよい。α線だけを検出する場合にはシンチレータプレート10に代えて透明性を有する背面基板が利用される。シンチレータプレート10は、検出対象となるβ線に応じた厚みを有する。例えば、その厚みは0.5〜2.0mmの範囲内に設定される。
発光皮膜12は、図1に示す構成例において、下層としての第1積層体14と、上層としての第2積層体16とで構成される。後に説明するように、第1積層体14は、第1の転写工程において形成され、第2積層体16は、第2の転写工程により形成される。よって、第1積層体14及び第2積層体16はいずれも剥離膜に相当する。発光皮膜12において、第2積層体16は、放射線入射側から、保護層18、遮光層(アルミ蒸着層)20、接着層(中間接着層)22によって構成され、第1積層体14は、放射線入射側から、発光層(α線検出層)24、接着層(基礎接着層)26で構成される。各積層体14,16に上記であげた層以外の層を設けるようにしてもよい。また、シンチレータプレート10の上面に表面層を形成し、その上に第1積層体14及び第2積層体16が積層形成されてもよい。いずれの層も図1に示す構成においては水平方向に均一な厚みを有している。発光皮膜12の放射線入射側に1又は複数の別の保護皮膜が積層形成されてもよい。
保護層18は、その下面側の各層を外力から保護するための層であり、それは例えばアクリルエポキシ系の材料によって構成される。その厚みは例えば0.5〜3μmの範囲内に設定され、望ましくは1.0μmに設定される。保護層18は硬い材料によって薄く均一に形成されるのが望ましく、それが着色層として構成されてもよい。例えば黒色に着色すれば保護層18に遮光機能をもたせることができる。
遮光層20は、本実施形態において、アルミニウム材料あるいはアルミニウム材料を含む混合材料によって構成されている。それ以外の材料によって構成されてもよい。遮光層20は、転写シートの形成過程において、保護層18の裏面に対する蒸着処理によって形成された蒸着層である。その厚みは、例えば0.01〜1.50μmの範囲内に設定され、望ましくは0.04μmである。蒸着法以外の製法によって遮光層20を形成するようにしてもよい。遮光層20は、外来光が入射してしまうことを阻止する遮光機能の他、内部光を内部へ反射する反射機能を有する。それに代えて、後述の発光層24が反射作用を発揮してもよい。
接着層22は、剥離膜間での中間的な接着作用を発揮する。接着層22は、例えば熱可塑性の接着材料により構成され、例えばオレフィン系の材料(PP系接着材、アクリル系接着材、等)が用いられる。接着層26も同様の接着材により構成される。但し、接着層22と接着層26とで異なる接着材を利用するようにしてもよい。少なくとも接着層26は透明性を有する材料で構成される。接着層22の厚みは例えば、1〜3μmの範囲内に設定され、望ましくは、1μmである。接着層26の厚みは例えば、1〜3μmの範囲内に設定され、望ましくは、1μmである。
発光層24は、本実施形態において、α線の入射により発光を生じるシンチレータ材料によって構成され、具体的には、ZnS(Ag)により構成されている。本実施形態においては、発光層24を高密度層且つ薄膜層として構成するために、発光層24が蒸着層として構成されている。従来においては、パウダー状のZnS(Ag)がそのまま利用されていた。そのような手法では、発光層において、単位面積当たりのシンチレータ材料の密度を高めることが困難であり、また、その密度を高めようとすると、どうしても発光層を厚くしなければならい。それはα線検出効率あるいは発光効率の低下を招く。しかも、パウダー状のシンチレータ材料の添加比率を上げると、安定的に発光層を形成できないという問題も指摘される。これに対し、本実施形態では、蒸着法を利用したので、高密度で(例えば密度100%で又はそれに近い密度で)且つ極めて薄い発光層が実現できたのである。蒸着法としては、蒸発を利用した方法及びスパッタリングを利用した方法があげられるが、本実施形態では、前者の手法を用いて発光層が形成されている。すなわち、真空中において、ZnS(Ag)を気化させて、成膜物質を生じさせ、それを対象部材の表面上に堆積させることにより、蒸着層としての発光層が構成される。そのような発光層は従来のような塗布層とは性状がまったく異なる固相あるいは固体層とも言えるものである。発光層24の厚みは、検出対象となるα線等に応じて適宜定めるのが望ましく、その厚みは例えば0.1〜2.0μmの範囲内に設定され、望ましくは0.3〜0.7μmの範囲内に設定される。特に望ましくは、その厚みは0.5μmである。蒸着法を利用するので、パウダー状態での粒径よりも小さい厚みを実現可能であり、また、ナノオーダーでの厚み制御が可能である。
図1において、外部からのβ線はシンチレータプレート10に到達し、そこで生じた光Pがシンチレータプレート10の裏面側の暗室へ放出される。外部からのα線は発光層24に到達し、そこで生じた光Pがシンチレータプレート10を介して暗室側へ放出される。外来光P1は遮光層20で遮断され、内部からの光P2は遮光層20で反射される。但し、発光層24が反射作用を発揮してもよい。なお、上記に掲げた数値はいずれも一例であって、検出器の用途や対象放射線等に応じて適当な数値を採用するのが望ましい。作図上の便宜から、各図において層間の厚み比率が実際の厚み比率とは異なっている。
図2には、図1に示したシンチレータ部材の製造方法が概念図として示されている。なお、図1に示した構成と同様の構成には同一符号を付し、その説明を省略する。図2に示す製造方法では、2つの熱転写シート28,30が利用される。第1の熱転写工程では、S101に示されるように、第1の熱転写シート28から第1積層体14が剥がされ、その第1積層体14がシンチレータプレート10の上面10A上に転写される。第1の熱転写シート28は、残留体としてのベースフィルム32と離型層34とを有する。なお、離型層34が設けられていない熱転写シートを利用するようにしてもよい。このことは第2の熱転写シート30についても同様に言えることである。
第2の熱転写工程においては、符号S102で示すように、第2の熱転写シート30から第2積層体16が剥がされ、その第2積層体が、シンチレータプレート10上に転写された第1積層体14の上面に転写される。これによって発光皮膜12が構成される。第2の熱転写シート30は、残留体42としてのベースフィルム38及び離型層40を有する。接着層22は、中間接着層として機能し、すなわち第1積層体14と第2積層体16とを相互に接着する機能を発揮する。図2に示す製造方法においては2つの熱転写工程が実行されるため、遮光層20の裏面側に直接的に発光層24を形成できない場合においても、それらの層を含んだ発光皮膜12を形成できるという利点がある。但し、遮光層22の裏面側に蒸着により発光層24を直接的に形成できる場合には、あるいは、それらの間に形成された中間層を介して発光層24を蒸着層として形成できる場合には、一つの熱転写工程において発光皮膜12を形成することも可能である。これについては後に図5および図6を用いて説明する。
図3には図2に示した第1の熱転写シート28を製造するプロセスの一部が示されている。符号28Aは、蒸着層としての発光層24を形成する過程を示しており、符号28Bは、蒸着層としての発光層24が形成された後の状態を示している。発光層24の形成過程においては、蒸着装置44内が真空状態とされ、加熱により気化されたZnS(Ag)が生成される。それが符号46で示されている。そのような気化された成膜物質雰囲気中に離型層34が形成されたベースフィルム32を設置し、あるいは通過させることにより、離型層34の裏面側に発光層24を均一の厚みで形成することが可能である。
図4には、図1に示した発光皮膜8についての他の製造方法が示されている。なお、図1に示した構成と同様の構成には同一符号を付し、その説明を省略する。図4に示す例では、第1の熱転写シート44が、残留体50の上面側に発光層24を有しており、その発光層24が第2の熱転写シート30側に転写される。それが符号S201で示されている。その後、シンチレータプレート10の上面10Aに設けられた接着層26Aが利用されて、その上面に対して符号51で示される積層体が熱転写により転写される。それが符号S202で示されている。その2番目の転写後においては、図1に示した発光皮膜12と同様の発光皮膜12Aが形成される。熱転写に代えて一般的な接着法が利用されてもよい。以上に示す例ではシンチレータプレート10にあらかじめ接着層26Aが形成されていたが、それに代えて発光皮膜24の裏面側に接着層26Bを形成しておくようにしてもよい。また、遮光層20と発光層24との接着にあたっては、第2の熱転写シート30側に接着層22を設けるのではなく、第1の熱転写シート44側に接着層22Aを設けるようにしてもよい。すなわち、二段階の熱転写方式を採用するにあたっては、さまざまなバリエーションが考えられ、いずれにしても、2つの蒸着層を含む発光皮膜が適正にシンチレータプレート10上に形成されるようにするのが望ましい。
図5には、他の実施形態に係るシンチレータ部材52が示されている。なお、図1に示した構成と同様の構成には、同一符号を付し、その説明を省略する。図5においては、発光皮膜54が、放射線入射側から見て、保護層18、遮光層20、発光層24および接着層26で構成されている。すなわち、遮光層20の裏面側に直接的に発光層24が形成されている。このような発光皮膜54を熱転写シートとして製造する場合、上記同様に二段階の蒸着法が適用されることになる。図5において、入射するα線は発光層24において光を生じさせ、その光Pがシンチレータプレート10を通過してその裏面側に到達する。入射したβ線は、発光皮膜54を通過してシンチレータプレート10に到達し、そこで生じた光Pがシンチレータプレート10の裏面側に放出される。外来光P1は遮光層20によって遮断され、一方、内部からの光P2は遮光層20等によって反射され、それが再び内部に戻される。
図6には、図5に示したシンチレータ部材の製造方法が示されている。熱転写シート54は残留体としてのベースフィルム58及び離型層60を有する。その裏面側には、発光皮膜54が形成されている。その発光皮膜54の形成にあたっては、二段階の蒸着法が適用されている。S301で示されるように、1回の熱転写により、熱転写シート56から剥離膜としての発光皮膜54がシンチレータプレート10の上面に転写される。ちなみに、蒸着層20の裏面側に直接的に発光層24を形成することが困難であれば、それらの間に中間層を設けるようにしてもよい。
図7には、放射線測定装置の一例が示されている。図7に示す放射線測定装置は、ケース70を有し、その内部は暗室72である。暗室72内に受光面を臨ませて2つの光電子増倍管76A,76Bが設けられている。ケース70の上端部によりシンチレータ部材8が保持され、具体的にはシンチレータ部材8の周囲全体がパッキン74によって保持されている。このパッキン74は外来光の内部への侵入を阻止するとともにシンチレータ部材8を安定的に保持する部材である。複数のシンチレータ部材8を一次元あるいは二次元に配列して大面積型の放射線測定装置を構成するようにしてもよい。図7に示される放射線測定装置は、例えばサーベイメータ、体表面モニタ等として利用されるものである。
上記の実施形態においては、熱転写方式によるシンチレータ部材の製造方法が示されていたが、感圧方式等の他の転写方式が利用されてもよい。また、上記実施形態においては、シンチレータプレート10が平坦型を有していたが、発光皮膜はさまざまな形態を持った背面側部材の表面上に設けることが可能である。上記の実施形態においてはα線及びβ線の両者を検出する構造が示されていたが、α線だけが検出されてもよい。また、上記実施形態において説明した発光層を蒸着層として構成する技術はα線以外の他の放射線を検出する場合においても利用することが可能である。
第1実施形態におけるシンチレータ部材を示す断面図である。 図1に示したシンチレータ部材の製造方法を説明するための概念図である。 蒸着法を利用した発光層の形成を説明するための概念図である。 図1に示したシンチレータ部材の他の製造方法を説明するための概念図である。 第2実施形態におけるシンチレータ部材を示す断面図である。 図5に示したシンチレータ部材の製造方法を説明するための外面図である。 図1に示したシンチレータ部材を有する放射線測定装置を表す断面図である。
符号の説明
8 シンチレータ部材、10 シンチレータプレート 12 発光皮膜、14 第1積層体、16 第2積層体、18 保護層、20 遮光層、22 接着層、24 発光層(α線検出用蒸着層)、26 接着層。

Claims (13)

  1. 透明性を有する背面部材と、
    前記背面部材の放射線入射側に設けられた発光皮膜と、
    前記発光皮膜で生じた光を前記放射線入射側とは反対側で検出する光検出器と、
    を含み、
    前記発光皮膜は、
    第1転写シートから剥離されて形成された0.1〜2.0μmの範囲内の厚みを有する層であって、測定対象放射線であるα線の入射により発光を生じるα線発光材料であるZnS(Ag)の第1蒸着層且つ固層且つ転写層としての発光層と、
    前記発光層の放射線入射側に設けられた第2蒸着層としての遮光層と、
    前記発光層と前記遮光層との間に設けられ、それらを接合する中間層と、
    を有することを特徴とする放射線測定装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記発光層は0.3〜0.7μmの範囲内の厚みを有する、ことを特徴とする放射線測定装置。
  3. 請求項1記載の装置において、
    前記発光層の前記放射線入射側とは反対側に基礎接着層が設けられた、ことを特徴とする放射線測定装置。
  4. 請求項1記載の装置において、
    前記中間層は中間接着層である、ことを特徴とする放射線測定装置。
  5. 請求項1記載の装置において、
    前記遮光層はアルミ蒸着層として構成された、ことを特徴とする放射線測定装置。
  6. 請求項1記載の装置において、
    前記発光皮膜は、前記遮光層の放射線入射側に設けられた保護層を有する、ことを特徴とする放射線測定装置。
  7. 請求項1記載の装置において、
    前記発光皮膜は、前記第1転写シートから剥離された第1剥離膜及び第2転写シートから剥離された第2剥離膜からなる積層体として構成され、
    前記第1剥離膜は前記発光層を有し、
    前記第2剥離膜は前記遮光層を有し、
    前記第1剥離膜及び前記第2剥離膜の一方がそれらを接着する前記中間層を有する、ことを特徴とする放射線測定装置。
  8. 請求項1記載の装置において、
    前記発光皮膜は、単一の前記転写シートから剥離された単一の剥離膜として構成された、ことを特徴とする放射線測定装置。
  9. 請求項6記載の装置において、
    前記発光皮膜の放射線入射側には前記保護層とは別の保護層が積層された、ことを特徴とする放射線測定装置。
  10. 請求項1記載の装置において、
    前記背面部材はβ線を検出するシンチレータ材料を有する、ことを特徴とする放射線測定装置。
  11. 請求項1記載の装置において、
    前記発光層は前記ZnS(Ag)を気化させた上で堆積させることにより形成された前記固層である、ことを特徴とする放射線測定装置。
  12. 透明性を有する背面部材の放射線入射側に、転写法により発光皮膜を形成する工程と、
    前記発光皮膜が形成された背面部材と、前記発光皮膜で生じた光を前記放射線入射側とは反対側で検出する光検出器と、を用いて放射線測定装置を組み立てる工程と、
    を含み、
    前記発光皮膜は、
    転写シートから剥離されて形成された0.1〜2.0μmの範囲内の厚みを有する層であって、測定対象放射線であるα線の入射により発光を生じるα線発光材料であるZnS(Ag)の第1蒸着層且つ固層且つ転写層としての発光層と、
    前記発光層の放射線入射側に設けられた第2蒸着層としての遮光層と、
    前記発光層と前記遮光層との間に設けられ、それらを接合する中間層と、
    を有する、ことを特徴とする放射線測定装置の製造方法。
  13. 第1転写シートから剥離された第1剥離膜の転写及び第2転写シートから剥離された第2剥離膜の転写により、透明性を有する部材の放射線入射側に、前記第1剥離膜及び前記第2剥離膜からなる発光皮膜を形成する工程と、
    前記発光皮膜が形成された背面部材と、前記発光皮膜で生じた光を前記放射線入射側とは反対側で検出する光検出器と、を用いて放射線測定装置を組み立てる工程と、
    を含み、
    前記第1剥離膜は、0.1〜2.0μmの範囲内の厚みを有する層であって測定対象放射線であるα線の入射により発光を生じるα線発光材料であるZnS(Ag)の第1蒸着層且つ固層且つ転写層としての発光層を有し、
    前記第2剥離膜は、前記発光層の放射線入射側に設けられた第2蒸着層且つ転写層としての遮光層を有し、
    前記発光皮膜は、更に前記発光層と前記遮光層との間に設けられた中間層を有する、
    ことを特徴とする放射線測定装置の製造方法。
JP2008148139A 2008-06-05 2008-06-05 放射線測定装置及びその製造方法 Active JP4972037B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008148139A JP4972037B2 (ja) 2008-06-05 2008-06-05 放射線測定装置及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008148139A JP4972037B2 (ja) 2008-06-05 2008-06-05 放射線測定装置及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009294089A JP2009294089A (ja) 2009-12-17
JP4972037B2 true JP4972037B2 (ja) 2012-07-11

Family

ID=41542392

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008148139A Active JP4972037B2 (ja) 2008-06-05 2008-06-05 放射線測定装置及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4972037B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5976429B2 (ja) * 2012-07-11 2016-08-23 株式会社東芝 放射線弁別検出器及びその製造方法
JP5904511B2 (ja) 2014-07-23 2016-04-13 国立大学法人お茶の水女子大学 放射線測定方法及び装置

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS628539Y2 (ja) * 1979-11-14 1987-02-27
JPS63146980A (ja) * 1986-12-11 1988-06-18 Fujitsu Ltd X線画像変換シ−ト
JPS63181426A (ja) * 1987-01-23 1988-07-26 Canon Inc リソグラフイ−用装置
US5012107A (en) * 1988-06-13 1991-04-30 Konica Corporation Radiation image storage panel
JPH02114193A (ja) * 1988-10-24 1990-04-26 Showa Denko Kk 薄膜放射線検出体の製造方法
JPH11160441A (ja) * 1997-11-28 1999-06-18 Canon Inc 放射線検出素子
JP2004219085A (ja) * 2003-01-09 2004-08-05 Konica Minolta Holdings Inc 放射線画像変換パネル
JP4594188B2 (ja) * 2004-08-10 2010-12-08 キヤノン株式会社 放射線検出装置及び放射線検出システム
JP2006335887A (ja) * 2005-06-02 2006-12-14 Canon Inc 蛍光板
JP4299310B2 (ja) * 2006-02-16 2009-07-22 アロカ株式会社 放射線測定装置の製造方法及びシンチレータ部材の製造方法
JP5089195B2 (ja) * 2006-03-02 2012-12-05 キヤノン株式会社 放射線検出装置、シンチレータパネル、放射線検出システム及び放射線検出装置の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009294089A (ja) 2009-12-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6492422B2 (ja) 放射線画像変換パネル
JP4670955B2 (ja) フラットパネルディテクター
JP6102599B2 (ja) 放射線画像検出器
JP2004281439A (ja) 放射線検出装置及びその製造方法
JP5195424B2 (ja) シンチレータパネル
JP6507564B2 (ja) シンチレータパネルおよび放射線検出器
US8598532B2 (en) Radiation conversion elements with reflectors for radiological imaging apparatus
JP2014232083A (ja) 放射線画像変換パネル、および放射線画像検出器
WO2016167334A1 (ja) 放射線像変換スクリーン、フラットパネルディテクタ、放射線検出装置、及びシンチレータ
JP4972037B2 (ja) 放射線測定装置及びその製造方法
JP6519195B2 (ja) シンチレータパネル及び放射線検出器
JP2016038324A (ja) 放射線画像検出器およびその製造方法
JPWO2008090796A1 (ja) シンチレータパネル及び放射線フラットパネルディテクタ
JP2017003543A (ja) 放射線画像検出器
JP2019060821A (ja) X線タルボ撮影用パネル
US20220221597A1 (en) Method for producing a solid-state digital detector of incident radiation
US11633162B2 (en) Radiation detector and radiographic imaging apparatus
JP2004335870A (ja) 放射線検出装置
JP2011128031A (ja) 放射線検出器及びシンチレータパネル
US20190298282A1 (en) Radiation detector and radiographic imaging apparatus
JP2016085194A (ja) 放射線検出器及びその製造方法
JP5518457B2 (ja) 放射線検出器およびシンチレータパネル
JP2008111698A (ja) シンチレータプレート、シンチレータパネル、及びそれらを用いた放射線フラットパネルディテクター
JP2017122733A (ja) X線検出器
JP7287515B2 (ja) 放射線検出器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100816

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100824

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101013

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110104

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110816

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111004

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120403

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120406

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150413

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4972037

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350