JP4971688B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、加湿装置を備える燃料電池システムに関する。
固体高分子型燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell:PEFC)等の燃料電池が良好に発電するには、これに内蔵される固体高分子膜の湿潤性を確保する必要がある。また、燃料電池は発電すると、カソードで水が生成し、高湿度のオフガスが排出される。そこで、膜を介して、燃料電池に供給される空気(反応ガス)と、燃料電池から排出された高湿のオフガスとの間で水分交換させて、前記空気を加湿する加湿装置が提案されている。
このような加湿装置に内蔵される膜としては、その有効膜面積を大きくするため、中空糸膜が一般に使用される。そして、この中空糸膜は複数本にて束ねられ、この束ねられたもの(中空糸膜束)が加湿装置に装填される。さらに、このように加湿装置に装填された中空糸膜の利用効率を高めるため、例えば、その周壁に複数の孔を有するパイプ(インナーパイプ)を中空糸膜束の中心軸線上に挿入し、オフガスをインナーパイプの中空部から、前記複数の孔を介して、中空糸膜束(詳細には各中空糸膜の外)の全体に流出させる技術がある(特許文献1参照)。
特開2004−6099号公報(図3)
このような加湿装置については、更なる加湿効率の向上が望まれている。
そこで、本発明は、燃料電池に供給される反応ガスを効率的に加湿することが可能な加湿装置を備える燃料電池システムを提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、反応ガスが供給されることで発電する燃料電池と、反応ガスを前記燃料電池に供給する反応ガス供給手段と、水分透過性を有する中空糸膜を有し、当該中空糸膜を介して、前記燃料電池に供給される反応ガスと前記燃料電池から排出されたオフガスとの間で水分交換し、前記反応ガスを加湿する加湿装置と、を備える燃料電池システムであって、前記加湿装置は、筒状のケースと、前記中空糸膜を複数束ねて構成されると共に前記ケースに収容された中空糸膜束とを備え、反応ガス及びオフガスの一方である第1ガスが前記中空糸膜の内部を流通し、反応ガス及びオフガスの他方である第2ガスが前記ケース内であって前記中空糸膜の外部を流通する構成であって、前記ケース内への第2ガスの流入口を有する第2ガス上流部と、前記第2ガス上流部の下流に配置されると共に、第2ガスの下流に向かうにつれて、第2ガスの流路断面積が減少する流路断面積減少区間と、前記流路断面積減少区間の下流に配置されると共に、当該流路断面積減少区間の下流端と同一又は下流端以下の第2ガス流路断面積が連続する連続区間と、前記連続区間の下流に配置されると共に、第2ガスの下流に向かうにつれて、第2ガスの流路断面積が増加する流路断面積増加部と、前記流路断面積増加部の下流に配置されると共に、当該流路断面積増加部の下流端と同一又は下流端以上の第2ガス流路断面積を有し、前記ケース外への第2ガスの排出口を有する第2ガス下流部と、を有し、前記加湿装置内において、第1ガスの流れの向きと、第2ガスの流れの向きとは、対向していることを特徴とする燃料電池システムである。
このような燃料電池システムによれば、加湿装置内における反応ガス及びオフガスの少なくとも一方の流速が上昇するので、中空糸膜を介しての反応ガスとオフガスとの間における水分交換が効率的に行われる。なお、水分交換が効率的に行われる一理由としては、ガスの流速が上昇すると、中空糸膜の表面(外周面及び/又は内周面)における物質移動係数が大きくなることが考えられる。
そして、このように水分交換が効率的に行われるので、反応ガスを良好に加湿することができる。その結果として、燃料電池に内蔵される固体高分子膜の湿潤性は確保され、燃料電池は好適に発電することができる。
このような燃料電池システムによれば、加湿装置が、第2ガス上流部に対して、流路断面積の小さい第2ガス流速上昇部を有するので、この第2ガス流速上昇部において、第2ガスの流速が上昇する。そうすると、第2ガスと中空糸膜の周壁である膜相との界面(中空糸膜の外周面)において、第2ガスの物質移動係数が大きくなる。
これにより、第2ガスと膜相との間において、水分が移動しやすくなる。よって、例えば、第2ガスがオフガスであり、第1ガスが反応ガスである場合、オフガス(第2ガス)中の水分が膜相に速やかに移動し、そして、膜相の水分が反応ガス(第1ガス)に移動する。その結果として、反応ガス(第1ガス)が良好に加湿され、加湿装置の加湿効率が高くなる。
これと逆に、第2ガスが反応ガスであり、第1ガスがオフガスである場合、反応ガス(第2ガス)と膜相との界面における物質移動係数が大きくなるので、膜相の水分が反応ガスに移動しやすくなると考えられる。
なお、第2ガスの流速を上昇させて効率的に水分交換するために、第2ガス流速上昇部は、第2ガスの流通方向において、ある程度の長さを有するように設定することが好ましい。
また、第2ガスの流入口を有する第2ガス上流部における第2ガスの流路断面積は、第2ガス流速上昇部よりも大きいので、前記流入口から第2ガス上流部内に流入した第2ガスは、径方向に良好に拡散する。これにより、第2ガスが中空糸膜の外を一様に下流に向かって流れやすくなる。したがって、第2ガスと第1ガスとの間で、良好に水分交換することができる。
このような燃料電池システムによれば、加湿装置における第2ガス流速上昇部の流路断面積減少区間において、第2ガスの流速を上昇させることができる。
また、第2ガスが、第2ガス上流部から流路断面積減少区間を介することで、下流に位置する連続区間に、よどみ等を発生させずスムーズに流れ込むことができる。さらに、後記する実施形態のように、第2ガス流速上昇部(後記する連続区間)において中空糸膜束の周面(外周面、内周面)が径方向において、内側及び/又は外側に押圧されている場合、流路断面積が徐々に変化する流路断面積減少区間を備えたことにより、中空糸膜束が受ける応力が徐々に変化するため、例えば、中空糸膜が折れにくくなる。
このような燃料電池システムによれば、流路断面積減少区間の下流端と同一又は下流端以下の流路断面積が連続する連続区間を流れるので、この連続区間の全体に亘って、第2ガスの流速が上昇することになる。そうすると、連続区間の全範囲において、第2ガスと中空糸膜の周壁である膜相との界面において、第2ガスの物質移動係数が大きくなり、第2ガスと膜相との間において、水分を良好に移動させることができる。
このような燃料電池システムによれば、流路断面積増加部を有していることにより、第2ガスが、第2ガス流速上昇部から当該流路断面積増加部を介して第2ガス下流部に、スムーズに流れ込むことができる。
これに加えて、第2ガス下流部における第2ガスの流路断面積は、流路断面積増加部の下流端における第2ガスの流路断面積と同一又はこれ以上であるので、第2ガス下流部において、第2ガスが受ける圧力損失が上がることなく、第2ガスは良好に拡散することができる。これにより、拡散した第2ガスが、通常、第2ガス下流部において複数にて設けられる第2ガスの排出口に分散し、加湿装置の外部にスムーズに流出することができる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記ケースの内周面が径方向内側に突出することで、前記流路断面積減少区間(第2ガス流速上昇部)が構成されていることが好ましい
このような燃料電池システムによれば、ケースの内周面を径方向内側に突出させることで、第2ガス流速上昇部を有する加湿装置を容易に構成することができる。
また、前記第1ガスは前記燃料電池に供給される反応ガス(被加湿ガス)であり、前記第2ガスは前記燃料電池から排出されたオフガス(湿潤ガス)であることを特徴とする。
このような燃料電池システムによれば、加湿装置において、水分量が多い高いオフガス(第2ガス)の流速を選択的に上昇させ、反応ガスを効率的に加湿することができる。これは、中空糸膜の外周面近傍におけるオフガスの流速が上昇することにより、外周面近傍におけるオフガス中の水分の濃度が高められ、その結果として、オフガス中の水分の中空糸膜相への拡散(移動)が促進するためと考えられる。
また、水分透過性を有する含水量の高い中空糸膜を介して、水分量の異なるガスの間で水分交換させる場合、中空糸膜内の径方向における水分の分布は、流通するガスに近い、その外周面近傍及び内周面近傍では、低くなると考えられている。そこで、このように中空糸膜外を通るオフガスの流速を上昇させることにより、前記したように、外周面近傍におけるオフガス中の水分の濃度が高められ、水分が、中空糸膜内に取り込まれやすくなり、その結果として、中空糸膜相内の水分が増加し、次いで、この水分が、中空糸膜相から反応ガスに順次に移動すると考えられる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記中空糸膜束の内側であって、前記ケース及び前記中空糸膜束の中心軸線上に配置された芯部材を備え、前記芯部材は、第2ガスが導入される中空部と、前記中空部を囲む周壁とを備え、第2ガスの前記流入口は、前記周壁に周方向で複数形成されており、第2ガスは、前記中空部、前記流入口を通って、前記ケース内へ流入することが好ましい。
本発明によれば、燃料電池に供給される反応ガスを効率的に加湿することが可能な加湿装置を備える燃料電池システムを提供することができる。
次に、本発明の一実施形態について、図1から図4を参照して説明する。
≪燃料電池システムの構成≫
図1に示す燃料電池システム100は、図示しない燃料電池自動車に搭載されている。燃料電池システム100は、燃料電池スタック60と、これに酸素を含む空気(酸化剤ガス、第1ガス、反応ガス)を供給するコンプレッサ71(反応ガス供給手段)と、燃料電池スタック60に供給される空気を加湿するための加湿装置1Aと、燃料電池スタック60に水素(燃料ガス)を供給する水素タンク81(水素供給機器)と、を主に備えている。
燃料電池スタック60は、固体高分子型燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell:PEFC)であり、MEA(Membrane Electrode Assembly、膜電極接合体)をセパレータ(図示しない)で挟持してなる単セルが複数積層されて構成されている。MEAは、固体高分子膜61と、これを挟持するカソード62及びアノード63とを備えている。
そして、カソード62には加湿空気が供給されるようになっている。因みに、加湿空気はコンプレッサ71からの空気が、加湿装置1Aによって加湿されたものである。アノード63には、水素タンク81から水素が供給されるようになっている。
そして、このように水素及び加湿空気が供給されると、カソード62及びアノード63に含まれる触媒上で電気化学反応が起こり、燃料電池スタック60が発電可能となる。燃料電池スタック60の出力端子(図示しない)には、燃料電池自動車の走行用の電動モータ(図示しない)が接続されており、この電動モータは燃料電池スタック60の発電電力によって駆動するようになっている。
燃料電池スタック60のカソード62の下流側は、配管を介して加湿装置1Aに接続されており、発電に係る電気化学反応によってカソード62で生成した水分(水蒸気)を含む空気(これをオフガスいう)が加湿装置1Aに供給されるようになっている。そして、加湿装置1Aにおける水分交換によって、オフガスの水分量(含水量)が減少し、この水分量が減少したオフガスは、背圧弁72を介して、外気中に排出されるようになっている。
一方、燃料電池スタック60のアノード63の下流側は、パージ弁82を介して外気に開放されており、アノード63から排出される未反応の水素を含むアノードオフガスが、外気中に排出されるようになっている。なお、アノード63とパージ弁82との間の配管は、循環配管83によって、アノード63と水素タンク81との間の配管に接続されており、アノードオフガス中の不純物の濃度が低い場合、言い換えると、アノードオフガス中の水素濃度が高い場合、パージ弁82が閉じられることにより、アノードオフガスが水素供給側に戻されるようになっている。
≪加湿装置の構成≫
次に、加湿装置1Aの具体的構成について説明する。
図2に示すように、加湿装置1Aは、外形が略円柱体であって、その軸方向が燃料電池自動車の前後(走行)方向に沿うように配置されている。そして、コンプレッサ71からの空気(第1ガス)は、加湿装置1Aの前側からその内部に供給され、後記する中空糸膜42の内部を通り、加湿空気となって、その後側から排出されるようになっている。一方、カソード62からの水分量の多い高湿のオフガス(第2ガス)は、加湿装置1Aの後側からその内部に供給され、ケース10内であって中空糸膜42の外部を通り、水分交換によって水分量が減少した後、ケース10の前側の周面から排出されるようになっている。すなわち、加湿装置1A内において、空気の流れの向きと、オフガスの流れの向きとは、対向している。また、加湿装置1Aの軸方向と、加湿装置1A内における空気及びオフガスの流通方向とは、平行である。
図3に示すように、加湿装置1Aは、円筒状のケース10と、ケース10の中心軸線上に配置された芯部材31(インナーパイプ)と、ケース10に内包(収容)されると共にケース10と芯部材31との間に装填された中空糸膜束41と、を主に備えている。すなわち、芯部材31は、断面視が環状の中空糸膜束41の内側であって、ケース10及び中空糸膜束41の中心軸線上に配置されている。つまり、中空糸膜束41は、芯部材31の周面を囲んでいる。
なお、図3は模式図であり、わかりやすくするために、中空糸膜42の本数を減らすと共に、その外周面に模様を付し、その直径及び間隔を大きく記載したものである。
そして、加湿装置1Aは、前方に向かうオフガスの流れの向きを基準とすると、上流側(後側)から下流側(前側)に向かって、後記するオフガス流入口31bを有する上流部A(第2ガス上流部)と、上流部Aにおけるオフガスの流路断面積S1よりも小さく、オフガスの流速を上昇させる流速上昇部B(第2ガス流速上昇部)と、オフガスの流路断面積が徐々に増加する流路断面積増加部Cと、後記するオフガス排出口15bを有する下流部D(第2ガス下流部)と、を有している。また、流速上昇部Bは、オフガスの下流側に向かって、オフガスの流路断面積が徐々に減少する流路断面積減少区間B1と、当該流路断面積減少区間B1の下流端におけるオフガスの流路断面積と同一の流路断面積S2が連続する連続区間B2と、を有している。ただし、連続区間B2における流路断面積S2は、前記流路断面積減少区間B1の下流端におけるオフガスの流路断面積以下であればよい。
因みに、下流部Dにおける流路断面積S3は、流路断面積増加部Cの下流端におけるオフガスの流路断面積と、同一となっているが、流路断面積増加部Cの下流端におけるオフガスの流路断面積以上であればよい。
<ケース等>
ケース10は、PC(ポリカーボネート)やPPO(ポリフェニレンオキサイド)等の硬質樹脂から形成された略円筒体であって、その中間部分が絞られている(窄んでいる)。ただし、ケース10は、筒状であればよく、例えば、角筒体であってもよい。
そして、ケース10は、オフガスの向きを基準として、その上流側(後側)から下流側(前側)に向かって、円筒状の上流部11と、縮径テーパ部12と、円筒状の中流部13と、拡径テーパ部14と、円筒状の下流部15とを有している。因みに、上流部11は前記した上流部Aに、縮径テーパ部12は流速上昇部Bの流路断面積減少区間B1に、中流部13は流速上昇部Bの連続区間B2に、拡径テーパ部14は流路断面積増加部Cに、下流部15が前記した下流部Dに、それぞれ対応する位置に配置されている。
[上流部、中流部、下流部]
上流部11及び下流部15の内径は略同一であり、中流部13の内径はこれよりも小さく設定されている。すなわち、中流部13の内周面13aは、上流部11の内周面11a、及び、下流部15の内周面15aに対して、径方向内側に突出しており、中流部13は中空糸膜束41の外周面を径方向内側に押圧している。
これにより、中流部13内のオフガスの流路断面積S2は、上流部11内の流路断面積S1及び下流部15内の流路断面積S3よりも小さくなっている。すなわち、加湿装置1Aの輪切り断面方向において、中流部13における中空糸膜42の充填率は、上流部11及び下流部15における充填率よりも大きくなっている。なお、中空糸膜42の充填率とは、中空糸膜42を中実と仮定した場合における中空糸膜束41の総断面積を、ケース10と芯部材31との間に形成されるリング状の空間の断面積で除したものである。
このように中流部13(流速上昇部Bの連続区間B2)における流路断面積S2は小さいので、中流部13内のオフガスの流速V2が、上流部11内の流速V1及び下流部15内の流速V3よりも大きくなるように設計されている。すなわち、オフガスが、上流部11から中流部13に流れ込むと、その流速が上昇するように構成されている。つまり、加湿装置1Aの一部分である中流部13において、オフガスの流速が上昇するように構成されている。
その結果として、オフガスで形成されるオフガス相と、中空糸膜42の周壁で形成される中空糸膜42相との間において、後記する物質移動係数が大きくなり、オフガスから中空糸膜42への水分(物質)の移動量が大きくなるように設計されている。
また、軸方向において、中流部13の両側に位置する縮径テーパ部12と拡径テーパ部14とは、離れて配置されている。すなわち、中流部13(流速上昇部Bの連続区間B2)は、軸方向において、ある程度の長さで連続している。
これにより、ある程度の長さで連続する流路断面積S2(<S1、S3)の区間を、オフガスが流れることになる。したがって、一般に、流路界面(ここでは中空糸膜42の外周面)で乱流が発生しにくい気体であるオフガスが、後記するように、中空糸膜42の外周面近傍において、乱流となりやすく、その結果として、物質移動係数が大きくなり、加湿効率の向上が図られている。
(物質の移動量、物質移動係数)
ここで、隣り合う相(ここではオフガス相と中空糸膜42相)の間における物質(ここでは水分)の移動量と、物質移動係数とについて、図4を参照して説明する。
まず、隣り合う相間における物質の移動量は、式(1)や式(2)で与えられる。よって、物質移動係数や、濃度差、分圧差が大きくなれば、隣り合う相間における物質の移動量が大きくなる。
物質の移動量=物質移動係数×その物質の濃度差 …(1)
物質の移動量=物質移動係数×その物質の分圧差 …(2)
物質移動係数は、隣り合う相間における物質の移動のしやすさを示す係数であり、この二相間を物質が移動する際に、物質が受ける移動抵抗の逆数とも考えられる係数である。そして、隣り合う相の少なくとも一方が流体によって構成されており、この流体が他方の相に対して流れる場合、物質移動係数は、式(3)で与えられる。
物質移動係数=(A)「流れがない場合における物質の移動のしやすさを示す係数」+(B)「流れによる物質の移動のしやすさを示す係数」 …(3)
よって、本実施形態において、オフガス相と中空糸膜42相との間における水分の物質移動係数は、(A)「オフガスが流れていない場合の係数」と、(B)「流れるオフガスに起因する係数」との和によって与えられる。因みに、(B)「流れに起因する物質の移動のしやすさを示す係数」は、オフガスの流速が上昇すれば、大きくなる関係となっている。
ここで、物質の移動量と物質移動係数とについて、オフガスの流速が上昇した場合であって、中空糸膜42の外周面(表面)で、(1)オフガスの乱流が発生しない場合と、(2)発生した場合とに分けて説明する。
(1)乱流が発生しない場合
この場合、オフガスの流速が上昇したことにより、式(3)における(B)「流れに起因する物質の移動のしやすさを示す係数」が大きくなり、物質移動係数が大きくなる。したがって、式(1)、式(2)により、オフガス相から中空糸膜42相への水分(物質)の移動量が増加する。次いで、中空糸膜42相の水分が、順次に、中空糸膜42の内側の空気に移動するので、空気の加湿効率が高くなると考えられる。
(2)乱流が発生した場合
オフガスの流速が上昇したことに伴って、図4(a)に示すように、中空糸膜42の外表面近傍において乱流が発生した場合、この乱流が前記外表面近傍のオフガスを攪拌すると考えられる。これにより、オフガス中の水分の濃度が中空糸膜42の外周面からの距離に関わらず均一となると考えられる。そうすると、中空糸膜42の外周面近傍の水分濃度、水分の分圧が高くなると考えられる。すなわち、前記した式(1)、式(2)における、「物質の濃度差」、「物質の分圧差」が大きくなる。このようにして、中空糸膜42相への水分の移動量が増加するので、空気の加湿効率が高くなると考えられる。
因みに、オフガスの流速が上昇しない場合、物質移動係数が大きくならず、また、乱流も発生しないため、攪拌されない。よって、中空糸膜42近傍のオフガス中の水分が移動した後、中空糸膜42近傍のオフガス中の水分濃度は低くなったままとなる。すなわち、オフガス相と中空糸膜42相との間における水分の濃度差及び分圧差が小さい状態が続く。これにより、オフガス中の水分が、中空糸膜42相に移動しにくくなり、その結果として、空気が効率的に加湿されにくくなると考えられる(図4(b)参照)。
図3に戻って説明を続ける。
このように中流部13(流速上昇部Bの連続区間B2)を経由することにより、流速が上昇したオフガスは、前側のポッティング部51の近傍まで流れやすくなる。これにより、前側(下流部D)の中空糸膜42を介しても水分交換しやすくなり、中空糸膜42の有効利用が図られる。
上流部11内には、燃料電池スタック60から排出された多湿のオフガスが、芯部材31のオフガス流入口31bを介して導入される。
また、上流部11の内径は、中流部13の内径よりも大きく、そして、その内周面11aは中空糸膜束41を押圧していない。これにより、上流部11内における中空糸膜42間の隙間は広く、上流部11内に導入されたオフガスが加湿装置1Aの輪切り断面方向(径方向)に良好に拡散するように構成されている。よって、オフガスが、中空糸膜42間をむらなく一様に、前側に向かって流れるようになっている。
下流部15内には、中流部13内を経由したことにより、水分量が減少したオフガスが流れ込む。そして、下流部15には、この流れ込んだオフガスを外部に排出するためのオフガス排出口15bが複数形成されている。複数のオフガス排出口15bは、周方向に複数配置されると共に、軸方向においても複数段(本実施形態では4段)で配置されている。
また、下流部15の内径は、中流部13の内径よりも大きく、そして、その内周面15aは中空糸膜束41を押圧していない。これにより、下流部15内における中空糸膜42間の隙間は広く、下流部15内に流れ込んだオフガスが受ける圧力損失は小さくなる。これにより、オフガスが、輪切り断面方向において、速やかに分散し、複数のオフガス排出口15bを介して、外部に排出されるようになっている。
ここで、中流部13の流路断面積S2を、上流部11及び下流部15の流路断面積S1、S3よりも小さくした構成において、オフガスが受ける圧力損失を、軸方向と径方向とに分解して説明する。
中流部13の流路断面積S2を小さくしたことにより、オフガスが中流部13において受ける軸方向の圧力損失は大きくなるが、上流部11及び下流部15では、流路断面積S1、S3が大きいため、オフガスが受ける径方向の圧力損失が下がる。よって、ケース10の形状を設計する際に、中流部13における圧力損失の増加と、上流部11及び下流部15における圧力損失の低下とをバランスさせれば、加湿装置1A全体においてオフガスが受ける圧力損失を変更せずに、中流部13における流速を上昇させ、加湿効率を高めることができる。
[縮径テーパ部]
縮径テーパ部12は、流速上昇部Bの流路断面積減少区間B1に相当する位置に配置された部分であって、上流部11(上流部A)と中流部13(流速上昇部Bの連続区間B2)との間に配置されている。そして、縮径テーパ部12の内周面12aは、後側(オフガスの上流側)から前側(オフガスの上流側)に向かって、徐々に縮径、つまり、内周面12aと芯部材31の外周面との距離は徐々に小さくなっている。これにより、オフガスが、上流部11から縮径テーパ部12を介して中流部13に、よどみ等を発生させず、スムーズに流れ込むようになっていると共に、オフガスの流速が上昇するようになっている。したがって、縮径テーパ部12においても、中流部13と同様に、オフガス相から中空糸膜42相への水分の移動量が大きくなり、これにより、空気が良好に加湿されるようになっている。
また、このように縮径テーパ部12を設けたことにより、中流部13による押圧によって中空糸膜束41が径方向内側に押されても、中空糸膜束41を構成する中空糸膜42が折れにくくなっている。よって、縮径テーパ部12と中流部13との境界は、面取りされていることが好ましく、側断面視においてR状、つまり、滑らかな曲面であることが望ましい。
[拡径テーパ部]
拡径テーパ部14は、中流部13と下流部15との間に配置されている。そして、拡径テーパ部14の内周面14aは、後側(オフガスの上流側)から前側(オフガスの上流側)に向かって、徐々に拡径、つまり、内周面14aと芯部材31の外周面との距離は徐々に大きくなっている。これにより、オフガスが、中流部13から拡径テーパ部14を介して下流部15に、よどみ等を発生させず、スムーズに流れ込むようになっている。
また、このように拡径テーパ部14を設けたことにより、中流部13によって中空糸膜束41が径方向内側に押されても、中空糸膜42が折れにくくなっている。よって、中流部13と拡径テーパ部14との境界は、面取りされていることが好ましく、側断面視においてR状、つまり、滑らかな曲面であることが望ましい。
[フロントキャップ]
フロントキャップ21は、ケース10の前側開口に蓋をするように、ケース10に取り付けられている。そして、フロントキャップ21内にコンプレッサ71から空気が導入され、次いで、この空気が各中空糸膜42内に導入されるようになっている。
[フロントマニホールド]
フロントマニホールド22は、複数のオフガス排出口15bから外部に排出したオフガスを集合させるためのカバーである。フロントマニホールド22は、その内部にリング状の中空部を有しており、周方向かつ多段で形成されたオフガス排出口15bを覆うようにケース10に取り付けられている。そして、水分交換後のオフガスが、オフガス排出口15bから、前記リング状の中空部を介して、外部に排出されるようになっている。
[リアキャップ]
リアキャップ23は、ケース10の後側開口に蓋をするように、ケース10に取り付けられている。そして、中空糸膜42から流出した加湿空気が、リアキャップ23内を介して、外部に流出するようになっている。
[芯部材]
芯部材31は、細長の円柱体であって、その後側にオフガスが導入される中空部31aを有している。そして、芯部材31は、ケース10内に、軸が一致するように配置されている。また、中空部31aを取り囲む周壁には、中空部31aに導入されたオフガスが、芯部材31を囲む中空糸膜束41(詳しくは、中空糸膜42同士の間)に流出するように、複数のオフガス流入口31b(第2ガス流入口)が形成されている。
<中空糸膜束>
中空糸膜束41は、所定本数(例えば10〜10000本)の中空糸膜42を束ねたものである。そして、中空糸膜束41は、ケース10の軸方向に沿って、ケース10と芯部材31との間に装填されると共に、前側及び後側のポッティング部51、51(封止部)を介して、ケース10及び芯部材31に固定されている。すなわち、加湿装置1Aは、軸方向において、ポッティング部51、51の間に水分交換を行う水分交換部を有している。
[中空糸膜]
中空糸膜42は、ポリイミド等から形成された、極細長の円筒体であって、その外径は3mm以下、好ましくは、0.2〜1.0mm以下である。中空糸膜42は、その周壁に数nmの複数の微細孔を有しており、これにより、中空糸膜42は、水分(水蒸気)の透過性を有している。
なお、中空糸膜42はこのように細いため、ケース10の中流部13の内周面13aによって中空糸膜束41が径方向内側に押されても、中空糸膜42が潰れることはない。
そして、このような水分透過性を有する中空糸膜42の内部を、水分量の低い空気(第1ガス)が流通し、一方、その外部を、水分量が高いオフガス(第2ガス)が流通すると、オフガスの水分が中空糸膜42の周壁に吸い出され、この水分が毛細管現象等により中空糸膜42の周壁を透過し空気に供給され、その結果として、空気が加湿され、加湿空気が生成するようになっている。
また、中空糸膜42の前側開口(第1ガス流入口)は、フロントキャップ21内と連通しており、フロントキャップ21内から中空糸膜42内に、空気が流入するようになっている。一方、中空糸膜42の後側開口(第1ガス流出口)は、リアキャップ23内と連通しており、中空糸膜42内からリアキャップ23内に、加湿空気が流出するようになっている。
さらに、板状の平膜等でなく、このような中空糸膜42を使用したことによって、単位体積当たりの有効膜面積は飛躍的に大きくなり、加湿効率が高められている。さらにまた、中空糸膜42内を、コンプレッサ71で圧縮された高圧の空気が流れる構成としたことにより、中空糸膜42が潰れにくくなっている。
≪燃料電池システム、加湿装置の効果≫
このような加湿装置1Aを備える燃料電池システム100によれば、主として次の効果を得ることができる。
中流部13(連続区間B2)及び縮径テーパ部12(流路断面積減少区間B1)において、中空糸膜42外を通るオフガスの流速を選択的に上昇させることにより、オフガスと中空糸膜42との間において、水分の物質移動係数が大きくなる。加えて、中空糸膜42の表面近傍で乱流が発生した場合、オフガス相と中空糸膜42相との間において、水分の濃度差及び分圧差が大きくなる。これにより、オフガス相から中空糸膜42相への水分の移動量が増加する。そして、中空糸膜42相の水分が、その内部を流れる空気に移動し、この空気が好適に加湿され、加湿空気となる。その結果として、加湿装置1Aによる空気の加湿効率が高くなり、よって、良好に加湿された空気(加湿空気)が、燃料電池スタック60に供給される。ゆえに、固体高分子膜61の湿潤性は確保されて、燃料電池スタック60は好適に発電することができる。
すなわち、中空糸膜42内を通る空気でなく、中空糸膜42外を通る多湿のオフガスの流速を選択的に上昇させることにより、中空糸膜42の外周面近傍におけるオフガス中の水分の濃度を選択的に高めることができる。これにより、水分が、オフガス相から中空糸膜42相内に取り込まれやすくなり、その結果として、中空糸膜42相内の水分が増加する。次いで、この水分が、中空糸膜42相から空気に順次に移動するため、空気を良好に加湿することができる。
また、このような加湿装置1Aを備えたことによって、コンプレッサ71の回転速度を増加させず、つまり、加湿装置1Aに供給される空気及びオフガスの流量を増加させなくても、加湿装置1Aにおけるオフガス(第2ガス)の流速を部分的に上昇させて、空気の加湿効率を高めることができる。すなわち、燃料電池自動車に搭載されたバッテリ等を電源として作動するコンプレッサ71の消費電力や、その作動による騒音を増加させずに、空気の加湿効率を高めることができる。
これに加えて、例えば、コンプレッサ71と、燃料電池スタック60の過昇温を防止するために冷媒を循環させる冷媒ポンプ(図示しない)とが、1つの駆動モータを共有し、このモータの駆動軸周りに一体に回転する構成である場合、空気の流速を上昇させるために前記駆動モータの回転数を増加させると、冷媒の流速も上昇するが、本発明によれば、前記したように、駆動モータの回転数を増加させる必要がないため、冷媒の流速が上昇することもない。
さらに、このような中空糸膜束41を内蔵する加湿装置1Aにおいて、加湿効率を高めるには、水分交換に寄与する膜の有効面積を増加させるために、ケース10の大きさを変えずに中空糸膜42の本数を増やす方法が考えられるが、単に、中空糸膜42の本数を増やせば、加湿装置1A全体において、中空糸膜42の充填率が高くなる。よって、オフガスが加湿装置全体から受ける圧力損失が大きくなり、オフガスが流れにくくなってしまう。また、中空糸膜42の充填率を変えずに、中空糸膜42の本数を増加させることが考えられるが、このように本数を増やせば、ケース10(加湿装置1A)が大きくなってしまう。
ところが、加湿装置1Aでは、水分交換を促進させる中流部13及び縮径テーパ部12のみを絞って、オフガスの流路断面積を部分的に小さくし、中空糸膜42の充填率を高めているため、オフガスが加湿装置1A全体から受ける圧力損失が極端に大きくなることはない。また、この中流部13における圧力損失の増加を差し引くように、上流部11及び下流部15の内径を設定し、上流部11及び下流部15におけるオフガスの流路断面積を大きく、つまり、中空糸膜42の充填率を下げ、上流部11及び下流部15においてオフガスが受ける圧力損失を下げれば、オフガスが加湿装置1A全体から受ける圧力損失を変えないことができる。さらに、中空糸膜42の収容本数が増えないので、ケース10(加湿装置1A)の体積が増加することもない。よって、積載スペースが限られている燃料電池自動車等に容易に搭載することができる。
以上、本発明の好適な一実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、例えば以下のような変更をすることができる。
前記した実施形態では、中空糸膜42内の空気(第1ガス)の向きと、中空糸膜42外のオフガス(第2ガス)の向きとが、逆であり、対向している場合について説明したが、これに限定されず、同じ向きであってもよい。
また、前記した実施形態では、燃料電池スタック60に供給される空気を加湿する構成を例示したが、水素(反応ガス)を加湿する構成であってもよい。
前記した実施形態では、空気が第1ガスとして中空糸膜42内を流れ、オフガスが第2ガスとして中空糸膜42外を流れる場合を例示したが、その他に、オフガスが第1ガスとして中空糸膜42内を流れ、反応ガスが第2ガスとして中空糸膜42外を流れる構成の加湿装置であってもよい。
例えば、図5に示すように、加湿装置1Aから、流路断面積増加部Cを除いた加湿装置1Bであってもよい。加湿装置1Bは、ケース10に代えてケース16を備えている。ケース16は、上流部11と、縮径テーパ部12と、中下流部17とを備えている。中下流部17の内径は上流部11の内径よりも小さく、流速上昇部Bが構成されている。また、中下流部17の内周面17aは中空糸膜束41を径方向内側に押圧しており、さらに、中下流部17の前側には複数のオフガス排出口17bが形成されている。
また、図6に示すように、ケース10に代えて、絞られていないケース18と、芯部材31に代えて、流路断面積減少区間B1、連続区間B2及び流路断面積増加部Cに対応して外径が変化した芯部材32と、を備える加湿装置1Cであってもよい。
ケース18の前側には、複数のオフガス排出口18bが形成されている。芯部材32は、流路断面積減少区間B1に対応する位置に、その外径が前側(オフガスの下流側)に向かって徐々に大きくなる拡径テーパ部32cと、連続区間B2に対応する位置に外径が大きい外径拡大部32dと、流路断面積増加部Cに対応する位置に、その外径が前側に向かって徐々に小さくなる縮径テーパ部32eとを有している。また、芯部材32は、芯部材31と同様に、中空部32aと、オフガス流入口32bとを有している。
また、図7に示すように、芯部材31(図3参照)を備えない加湿装置1Dであってもよい。この場合において、ケース10の上流部11には、オフガスをケース10内に導くためのオフガス流入口11bが設けられており、ケース10の下流部15にはケース10内から水分交換後のオフガスを外部に排出するためのオフガス排出口15cが設けられている。
また、図6に示す加湿装置1Cに対して、図8に示すように、中空部32a及びオフガス流入口32bが形成されていない芯部材33を備えた加湿装置1Eであってもよい。なお、芯部材33は、拡径テーパ部33cと、外径拡大部33dと、縮径テーパ部33eとを有している。そして、ケース18の後側のオフガス流入口18cを介してケース18内にオフガスが導入され、ケース18の前側のオフガス排出口18dを介して外部にオフガスが排出されるようになっている。
前記した実施形態では、オフガスの流速を上昇させる流速上昇部Bを構成するために、流路断面積減少区間B1及び連続区間B2に対応する部分が絞られた中流部13を有するケース10を備えた場合を例示したが、その他に例えば、絞られていないケース18(図6参照)の内側に、円筒状のスペーサを内装することで、オフガスの流路断面積を小さくし、流速上昇部Bを構成してもよい。その他に、芯部材32に円筒状のスペーサを外嵌して、流路断面積を小さくし、流路断面積減少区間B1及び連続区間B2を構成してもよい。
前記した実施形態では、ケース10の中流部13が全周にわたって径方向内側に絞られている構成、つまり、周方向において、中流部13の全ての内周面13aが、径方向内側に突出している構成を例示したが、周方向において、一部が径方向内側に突出している構成であってもよい。そして、図6に示す芯部材32についても同様に、周方向において、その一部が径方向外側に突出している構成であってもよい。
前記した実施形態では、中空糸膜42外を流れるオフガス(第2ガス)の流速が上昇する構成を例示したが、中空糸膜42内を流れる空気(第1ガス)の流速が上昇する構成であってもよいし、両者の流速が上昇する構成であってもよい。中空糸膜42内を流れる空気の流速を上昇させるには、例えば、加湿装置1Aの上流側に噴射ノズルを設け、このノズルによって流速が上昇した空気が、中空糸膜42内に導入される構成を採用することができる。
すなわち、前記した実施形態では、加湿装置1Aの一部である流速上昇部B(流路断面積減少区間B1及び連続区間B2)においてのみオフガスの流速が上昇するとしたが、加湿装置の全体において、空気(第1ガス)及びオフガス(第2ガス)の少なくとも一方の流速が上昇する構成であればよい。
そして、このように中空糸膜42内における空気の流速が上昇すれば、中空糸膜42の内周面近傍において乱流が発生し、これにより、空気相における水分濃度が均一され、その結果として、中空糸膜42の内周面近傍における水分の濃度が下がる。そうすると、中空糸膜42相と空気相との間において、水分の濃度差及び分圧差が大きくなり、その結果として、物質移動係数が大きくなる。したがって、水分が、中空糸膜42から空気相に移動しやすくなり、その結果として、空気が良好に加湿され、ゆえに、加湿装置による加湿効率が上がる。
前記した実施形態では、流路断面積減少区間B1及び連続区間B2を含む流速上昇部Bを有する加湿装置1Aを例示したが、図9に示すように、連続区間B2を有さず、流路断面積減少区間B1からなる流速上昇部Bのみを有する加湿装置1Fであってもよい。加湿装置1Fを構成するケース19は、オフガスの下流側に向かって、上流部11と、縮径テーパ部12Aと、拡径テーパ部14Aと、下流部15とを備えている。縮径テーパ部12Aは流路断面積減少区間B1(流速上昇部B)に対応する位置に、拡径テーパ部14Aは流路断面積増加部Cに対応する位置に、それぞれ配置されており、縮径テーパ部12Aと拡径テーパ部14Aとの切り替わり部分は、中空糸膜束41を径方向内側に押圧している。よって、当該切り替わり部分は、中空糸膜束41の外周面に傷をつけないように、面取り、R状等の処理が施されている。そして、オフガスが、上流部11から縮径テーパ部12Aに流れ込むと、その流速が上昇するようになっている。
本実施形態に係る燃料電池システムの構成を示す図である。 本実施形態に係る加湿装置の斜視図である。 本実施形態に係る加湿装置の側断面図である。 本実施形態に係る加湿装置における水分の移動を説明する図である。 変形例に係る加湿装置の側断面図である。 変形例に係る加湿装置の側断面図である。 変形例に係る加湿装置の側断面図である。 変形例に係る加湿装置の側断面図である。 変形例に係る加湿装置の側断面図である。
符号の説明
1A 加湿装置
10 ケース
11 上流部
12 縮径テーパ部
13 中流部
13a 内周面
14 拡径テーパ部
15 下流部
15b オフガス排出口
31 芯部材
31a 中空部
31b オフガス流入口
41 中空糸膜束
42 中空糸膜
60 燃料電池スタック
71 コンプレッサ
100 燃料電池システム
A 上流部(第2ガス上流部)
B 流速上昇部
B1 流路断面積減少区間
B2 連続区間流速上昇部
C 流路断面積増加部
D 下流部(第2ガス下流部)

Claims (4)

  1. 反応ガスが供給されることで発電する燃料電池と、
    反応ガスを前記燃料電池に供給する反応ガス供給手段と、
    水分透過性を有する中空糸膜を有し、当該中空糸膜を介して、前記燃料電池に供給される反応ガスと前記燃料電池から排出されたオフガスとの間で水分交換し、前記反応ガスを加湿する加湿装置と、
    を備える燃料電池システムであって、
    前記加湿装置は、
    筒状のケースと、前記中空糸膜を複数束ねて構成されると共に前記ケースに収容された中空糸膜束とを備え、反応ガス及びオフガスの一方である第1ガスが前記中空糸膜の内部を流通し、反応ガス及びオフガスの他方である第2ガスが前記ケース内であって前記中空糸膜の外部を流通する構成であって、
    前記ケース内への第2ガスの流入口を有する第2ガス上流部と、
    前記第2ガス上流部の下流に配置されると共に、第2ガスの下流に向かうにつれて、第2ガスの流路断面積が減少する流路断面積減少区間と、
    前記流路断面積減少区間の下流に配置されると共に、当該流路断面積減少区間の下流端と同一又は下流端以下の第2ガス流路断面積が連続する連続区間と、
    前記連続区間の下流に配置されると共に、第2ガスの下流に向かうにつれて、第2ガスの流路断面積が増加する流路断面積増加部と、
    前記流路断面積増加部の下流に配置されると共に、当該流路断面積増加部の下流端と同一又は下流端以上の第2ガス流路断面積を有し、前記ケース外への第2ガスの排出口を有する第2ガス下流部と、
    を有し、
    前記加湿装置内において、第1ガスの流れの向きと、第2ガスの流れの向きとは、対向している
    とを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記ケースの内周面が径方向内側に突出することで、前記流路断面積減少区間が構成されていることを特徴とする請求項に記載の燃料電池システム。
  3. 前記第1ガスは前記燃料電池に供給される反応ガスであり、前記第2ガスは前記燃料電池から排出されたオフガスであることを特徴とする請求項1又は請求項に記載の燃料電池システム。
  4. 前記中空糸膜束の内側であって、前記ケース及び前記中空糸膜束の中心軸線上に配置された芯部材を備え、
    前記芯部材は、第2ガスが導入される中空部と、前記中空部を囲む周壁とを備え、
    第2ガスの前記流入口は、前記周壁に周方向で複数形成されており、
    第2ガスは、前記中空部、前記流入口を通って、前記ケース内へ流入する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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