JP2008309371A - 加湿器及び燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】中空糸膜束の長手方向においてガス流量を均一に分配でき、加湿性能を向上できる加湿器及び燃料電池システム。
【解決手段】加湿器15は、中空糸膜46の内側と外側とにそれぞれ水分含有量の異なるガスを流すことにより、これらガス間で水分交換を行う。加湿器15は、中空糸膜46を複数本束ねてなる中空糸膜束41と、中空糸膜束41の外周を覆うケーシング42と、を備える。ケーシング42には、中空糸膜束46の外周にガスを導入するための導入孔51INが貫通形成される。隔壁43が、中空糸膜束41とケーシング42との間で一部が導入孔51INに対向して配置され、中空糸膜束41の長手方向に延在する。そして、隔壁43には、開口率が中空糸膜束41の長手方向で異なるように貫通形成された開口部63〜69を有する。
【選択図】図3
【解決手段】加湿器15は、中空糸膜46の内側と外側とにそれぞれ水分含有量の異なるガスを流すことにより、これらガス間で水分交換を行う。加湿器15は、中空糸膜46を複数本束ねてなる中空糸膜束41と、中空糸膜束41の外周を覆うケーシング42と、を備える。ケーシング42には、中空糸膜束46の外周にガスを導入するための導入孔51INが貫通形成される。隔壁43が、中空糸膜束41とケーシング42との間で一部が導入孔51INに対向して配置され、中空糸膜束41の長手方向に延在する。そして、隔壁43には、開口率が中空糸膜束41の長手方向で異なるように貫通形成された開口部63〜69を有する。
【選択図】図3
Description
本発明は、中空糸膜を利用してガスの加湿を行う加湿器及び燃料電池システムに関するものである。
燃料電池システムは、燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応によって発電する燃料電池を備えている。固体高分子型の燃料電池では、その発電効率を高めるために電解質膜が湿潤状態に保持されることが必要である。この湿潤状態の保持は、一般に、燃料ガス又は酸化ガスを加湿する加湿器で行っている。
従来の加湿器では、高湿の酸化オフガスと低湿の酸化ガスとの間で水分交換を行う内部加湿方式が多く採用されている。酸化オフガスが酸化ガスよりも高湿であるのは、燃料電池の空気極から排出される酸化オフガスには、電気化学反応によって生成された水が含まれているからである。
特許文献1には、中空糸膜を束ねてなる中空糸膜束をケーシング内に備えた内部加湿方式の加湿器が開示されている。中空糸膜の内部には酸化オフガスが流れ、中空糸膜束の外部に酸化ガスが流れることで、中空糸膜を介した水分交換が行われる。ケーシングの長手方向の一端側の周壁には、酸化ガスを中空糸膜束の外周に導入するための導入孔が貫通形成され、他端側の周壁には、水分交換後の酸化ガスを外部に排出するための排出孔が貫通形成されている。
したがって、酸化ガスは、ケーシングに接続された供給管からケーシング内に流入して導入孔を通った後、中空糸膜束の外側を長手方向の一端から他端へと流れ、排出孔から外部に排出される。この場合、複数の導入孔は、ケーシングの周方向に形成されている。そして、各導入孔を通る酸化ガスの流量が均一になるように、複数の導入孔のうち、供給管に近いものほど開口を小さく、遠いものほど大きく形成している。
特開2005−44665号公報
このような加湿器によれば、中空糸膜束の一端側の周方向に酸化ガスの流量を均一に分配できる点では有用である。しかし、中空糸膜束の長手方向においては、導入孔に近いところでは酸化ガスの流量が多いのに対し、導入孔から遠い排出孔に近いところでは酸化ガス流量が少なくなる。このため、中空糸膜束の長手方向において酸化ガスの流量にバラツキがあった。
そこで、本発明は、中空糸膜束の長手方向においてガス流量を均一に分配でき、加湿性能を向上できる加湿器及び燃料電池システムを提供することをその目的としている。
上記目的を達成するための本発明の加湿器は、中空糸膜の内側と外側とにそれぞれ水分含有量の異なるガスを流すことにより、これらガス間で水分交換を行う。加湿器は、中空糸膜を複数本束ねてなる中空糸膜束と、中空糸膜束の外周を覆うケーシングと、を備える。ケーシングには、中空糸膜束の外周にガスを導入するための導入孔が貫通形成される。また、中空糸膜束とケーシングとの間には、一部が導入孔に対向して隔壁が配置される。隔壁は、中空糸膜束の長手方向に延在すると共に、開口率が中空糸膜束の長手方向で異なるように貫通形成された開口部を有する。
また、上記目的を達成するための本発明の燃料電池システムは、酸化ガスと燃料ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池を備え、本発明の加湿器を用いて、燃料電池に供給される酸化ガスと燃料ガスの少なくとも一方を加湿するものである。
本発明によれば、導入孔からケーシング内に導入されたガスを、隔壁の開口部を通過させて、導入孔に対向する中空糸膜束の外周部位に導入させることが可能となると共に、導入孔に対向しない中空糸膜束の外周部位に導入させることが可能となる。これにより、中空糸膜束の長手方向に亘ってガスを積極的に導入できる。また、この長手方向において開口部の開口率が異なるので、中空糸膜束へのガス流量が部分的に多くなったり少なくなったりしないように開口率を設計できる。これにより、隔壁のない構成及び開口率が一定の構成に比べて、中空糸膜束の長手方向にガス流量を均一に分配できる。そして、均一に分配されたガスが水分交換に供されるので、複数の中空糸膜を広く利用でき、それゆえに加湿性能を向上できる。なお、開口率とは、隔壁の総面積に対する、ガスを通過させる開口の面積の比を意味する。
好ましくは、隔壁は、導入孔に最も近い領域において第1の開口率を有し、且つ領域と隔壁の端部領域との間の中間領域において第1の開口率よりも高い第2の開口率を有するとよい。
もし隔壁のない加湿器であれば、導入孔に近い中空糸膜束の外周部位ほど、ガスが導入され易いので、中空糸膜束の長手方向でガス流量がばらつく。
これに対し、上記した本発明の好ましい構成によれば、隔壁のない加湿器に比べて、導入孔に近い中空糸膜束の外周部位に少量のガスを導入できると共に、隔壁の中間領域に対向する中空糸膜束の外周部位に多量のガスを導入できる。よって、中空糸膜束の長手方向におけるガス流量の均一な分配を促進できる。
これに対し、上記した本発明の好ましい構成によれば、隔壁のない加湿器に比べて、導入孔に近い中空糸膜束の外周部位に少量のガスを導入できると共に、隔壁の中間領域に対向する中空糸膜束の外周部位に多量のガスを導入できる。よって、中空糸膜束の長手方向におけるガス流量の均一な分配を促進できる。
より好ましくは、中空膜束の長手方向の両端部とこれに面するケーシングの内壁との間は閉塞されており、隔壁は、その長手方向の端部領域において第2の開口率よりも低い第3の開口率を有するとよい。
このような閉塞部分があると、ケーシング内に導入されたガスは、閉塞部分にあたって流れが変化し、隔壁の端部領域にある開口部を通って中空糸膜束へと流れ易い。このため、端部領域に対応する中空糸膜束の文へのガス流量は、中間領域に対応する中空糸膜束の部分へのガス流量よりも多くなり得る。
しかし、上記した本発明の好ましい構成によれば、隔壁の端部領域の開口率を中間領域の開口率よりも下げているので、開口率が一定の構成に比べて、中空糸膜束の長手方向の端部外周及び中間外周へのガス流量を均一にできる。
しかし、上記した本発明の好ましい構成によれば、隔壁の端部領域の開口率を中間領域の開口率よりも下げているので、開口率が一定の構成に比べて、中空糸膜束の長手方向の端部外周及び中間外周へのガス流量を均一にできる。
好ましくは、加湿器は、導入孔と中空糸膜束との間に設けられた流量分配部を備え、流量分配部は、導入孔から中空糸膜束の外周へと流れるガスを隔壁の長手方向で均等に分配するように構成されているとよい。
この構成によれば、ガスが隔壁の開口部を通過する前に、隔壁の長手方向にガスを均等に分配できる。これにより、中空糸膜束の長手方向におけるガス流量の均一さを向上できる。なお、流量分配部は、隔壁から導入孔に向かって延在する隔壁の部位であるとよい。
好ましくは、加湿器は、ケーシングの内壁及びこれに面する隔壁の壁部の少なくとも一方に、導入孔から導入されたガスに乱流を発生させる乱流発生部を備え、乱流発生部は、中空糸膜束の長手方向において導入孔から遠い位置にあるとよい。
この構成によれば、導入孔から遠い位置で、ガスの流れの方向を変えることができる。これにより、導入孔から遠い位置においても、ガスが開口部から中空糸膜束の外周部位へと導入され易くなる。
好ましい一態様によれば、乱流発生部は、ケーシングの内壁に面する隔壁の壁面に形成された傾斜面であり、傾斜面は、導入孔に近い部位よりも遠い部位がケーシングの内壁に近くなるように傾いているとよい。
別の好ましい一態様によれば、乱流発生部は、ケーシングの内壁に突設された突起であるとよい。
好ましくは、隔壁は、中空糸膜束の外周をその長手方向に沿って支持するとよい。
この構成によれば、隔壁を有効に利用して、中空糸膜束をたるまないように支持できる。
上記した本発明の加湿器及び燃料電池システムによれば、中空糸膜束の長手方向においてガス流量を均一に分配でき、加湿性能を向上できる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態に係る加湿器を燃料電池システムに適用した例について説明する。
図1に示すように、燃料電池システム1は、燃料電池2、酸化ガス配管系3及び燃料ガス配管系4を備える。燃料電池システム1は、車両に搭載することができるが、もちろん車両のみならず各種移動体(例えば、船舶や飛行機、ロボットなど)や定置型電源にも適用可能である。
燃料電池2は、多数の単セルを積層したスタック構造を備える。固体高分子電解質型の単セルは、電解質の一方の面に空気極を有し、他方の面に燃料極を有し、さらに空気極及び燃料極を両側から挟みこむように一対のセパレータを有する。一方のセパレータの酸化ガス流路2aに酸化ガスが供給され、他方のセパレータの燃料ガス流路2bに燃料ガスが供給される。供給された燃料ガス及び酸化ガスの電気化学反応により、燃料電池2は電力を発生する。また、電気化学反応により、燃料電池2は発熱すると共に空気極側に水を生成する。固体高分子電解質型の燃料電池2の温度は、およそ60〜80℃となる。
酸化ガス配管系3は、供給路11及び排出路12を有する。供給路11には、酸化ガス流路2aに供給される酸化ガスが流れる。排出路12には、酸化ガス流路2aから排出された酸化オフガスが流れる。酸化オフガスは、燃料電池2の電気化学反応により生成された水分を含むため高湿潤状態となっている。コンプレッサ14は、供給路11に設けられ、エアクリーナ13を介して酸化ガスとしての外気を取り込み、燃料電池2に圧送する。圧送される酸化ガスは、加湿器15によって酸化オフガスとの間で水分交換がなされ、適度に加湿される。エア調圧弁16は、排出路12において空気極出口付近に配設され、空気極側の背圧を調整する。
燃料ガス配管系4は、燃料ガスとしての水素ガスを燃料電池2に給排する。燃料ガス配管系4は、水素供給源21、供給路22、循環路23、ポンプ24及びパージ路25を有する。水素ガスは、元弁26を開くことで水素供給源21から供給路22に流出し、レギュレータ27及び遮断弁28を経て燃料ガス流路2bに供給される。その後、水素ガスは、燃料ガス流路2bから水素オフガスとして循環路23に排出される。水素オフガスは、循環路23と供給路22との合流点Aにポンプ24によって戻され、再び燃料ガス流路2bに供給される。水素オフガスの一部は、パージ弁33の適宜の開弁により、循環路23からパージ路25へと排出され、図示省略した水素希釈器を経て外部に排出される。
図2に示すように、加湿器15は、内部加湿方式を採用し、低湿潤状態の酸化ガスを高湿潤状態の酸化オフガスで加湿する。加湿器15は、中空糸膜束41と、中空糸膜束41の外周を覆うケーシング42と、ケーシング42に収容された一対の支え板43,44(隔壁)と、を有する。
ケーシング42は、長手方向の両端が開口する円筒状をなしている。ケーシング42の中心軸線と中空糸膜束41の中心軸線とは略一致する。ケーシング42の内壁42aは、中空糸膜束41の外周と所定の隙間を存する。ケーシング42の周壁には、酸化ガスの導入孔51IN及び酸化ガスの排出孔52OUTが長手方向に離間して形成されている。本実施形態では、導入孔51INと排出孔52OUTとは、ケーシング42の長手方向の各端部に形成されている。導入孔51INは、供給路11の上流配管11IN(図1参照)に接続され、排出孔52OUTは、供給路11の下流配管11OUT(図1参照)に接続される。
中空糸膜束41は、内径が例えば数百m程度の公知の中空糸膜46を多数束ねたものである。中空糸膜46は、水蒸気透過性を有するフィルタ部材であり、望ましくは水蒸気のみを透過させる特性を有するとよい。中空糸膜46の外部に酸化ガスが流れ、中空糸膜46の内部46a(中空部)に、長手方向の一端から他端(図2(B)では下端から上端)へと酸化オフガスが流れる。高湿の酸化オフガスの水分は、中空糸膜46に吸収され、その外周へと毛細管現象により吸い上げられる。吸い上げられた水分は、中空糸膜46同士の間を通過する低湿の酸化ガスに移動する。これにより、酸化ガスが加湿される。なお、配管の接続先を変更することにより、中空糸膜46の外側に酸化オフガスを流通させ、内側に酸化ガスを流通させてもよい。
中空糸膜束41の長手方向の両端部は、ケーシング42の両端の内壁に接着剤や樹脂モールド等により固着されている。この固着されてなるポッティング部により、中空糸膜46の内部46aを流れる酸化オフガスと、中空糸膜46の外側を流れる酸化ガスとがケーシング42内で直接混ざり合うことがないようになっている。なお、ポッティング部の一部は、中空糸膜束41とケーシング42の内壁42aとの間の隙間を閉塞する閉塞部53として機能する。
一対の支え板43,44は、中空糸膜束41の長手方向に延在し、中空糸膜束41と略同程度の長さを有する。一対の支え板43,44は、中空糸膜束41を挟んで対向し、中空糸膜束41の外周に接してこれを両側から支持する。これにより、中空糸膜束41がたるむことが抑制される。一対の支え板43,44は、互いに異なる形状であってもよいが、ここでは同様の形状からなり、一方を長手方向に反転させたような状態で配置されている。
支え板43は、一部が導入孔51INに対向して配置される。図2(B)及び図3に示すように、支え板43は、板状部材を複数個所で刳り貫いてなるものであり、長手方向に延在する二本の縦桟61、61と、この二本の縦桟61,61の間でこれらに直交して延在する複数本の横桟62,62,・・・,62と、からなる。そして、縦桟61,61と二本の横桟62,62との間に貫通形成されている開口63〜69が、酸化ガスを通過させるための流路となっている。
加湿前の酸化ガスは、導入孔51INからケーシング42内の入口側チャンバ71に導入され、入口側チャンバ71から開口63〜69を通過して、中空糸膜束41の外周に導入される。その後、酸化ガスは、中空糸膜46間をすり抜けるように流れる間に加湿される。加湿後の酸化ガスは、支え板44の複数の開口73を通ってケーシング42内の出口側チャンバ72に排出され、出口側チャンバ72から排出孔52OUTを介して外部に流出する。
開口63〜69は、例えば長方形の貫通孔であり、導入孔51INに近いものと遠いものとの間で大きさが異なっている。具体的には、導入孔51INに対向するような近い位置にある開口63〜65は開口面積が小さく、導入孔51INに対向しない遠い位置にある開口66〜69は開口63〜65よりも開口面積が大きく形成されている。
開口率の観点で考えれば、導入孔51INに近い領域81の開口率は、導入孔51INから遠い端部領域82の開口率よりも低い。また、領域81と端部領域82との間にある中間領域83は、領域81よりも開口率が高い。なお、領域81、端部領域82及び中間領域83は、支え板43の領域を長手方向に便宜上三つに区画した各領域であり、領域81は、導入孔51INに対向していて上記三つの開口63〜65を含んでいる。
以上説明した加湿器15の効果について説明する。
もし支え板43を有しない従来型の加湿器であれば、導入孔51INから導入された酸化ガスは、導入孔51INに対向する中空糸膜束41の外周部分に導入され易い一方、導入孔51INから離れた位置にある中空糸膜束41の外周部分には導入されにくい。つまり、酸化ガスの導入量が中空糸膜束41の長手方向でばらつく。
もし支え板43を有しない従来型の加湿器であれば、導入孔51INから導入された酸化ガスは、導入孔51INに対向する中空糸膜束41の外周部分に導入され易い一方、導入孔51INから離れた位置にある中空糸膜束41の外周部分には導入されにくい。つまり、酸化ガスの導入量が中空糸膜束41の長手方向でばらつく。
これに対し、本実施形態のように、支え板43を有する加湿器15であれば、導入孔51INから導入された酸化ガスは、領域81の横桟62につきあたるので、導入孔51IN近傍の中空糸膜束41の外周部分に導入されにくくなる。これにより、支え板43のない構成や、領域81の開口率を他の領域82,83の開口率と同じにする場合に比べて、導入孔51IN近傍の中空糸膜束41への酸化ガスの導入量を相対的に減らすことができる。
また、この部分への酸化ガスの導入量が相対的に減ることから、入口側チャンバ71の中央部側(中間領域83側)及び奥側(端部領域82側)へと流れる酸化ガスの流量が相対的に増える。その結果、領域81よりも開口率が高い中間領域83及び端部領域82では、開口率が一定の構成や、支え板43を有しない構成の場合に比べて、開口66〜69を介して、導入孔51INから遠い中空糸膜束41の外周部分への酸化ガスの導入量を相対的に増やすことができる。
したがって、本実施形態の加湿器15によれば、酸化ガスの流量を中空糸膜束41の長手方向に均一に分配できる。そして、均一に分配された酸化ガスが水分交換に供されるので、中空糸膜束41を広く有効利用でき、それゆえに加湿性能を向上できる。
なお、上記実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれに限定するものではなく、その要旨を逸脱しない限り適宜変更を加えることができる。例えば、加湿器15は、燃料電池2に供給される燃料ガスを加湿するものでもよい。また、加湿される乾燥ガスを酸化ガス又は燃料ガスとした場合、これらの加湿に用いる湿潤ガスは、酸化オフガス又は燃料オフガスに限らず、燃料電池2の運転とは無関係のガスであってもよい。
次に、図4ないし図6を参照して、本実施形態を改良した変形例について説明する。なお、以下の変形例1〜3は相互に組み合わせることができる。
<変形例1>
図4に示す変形例1では、支え板43の端部領域82の開口率を変更すると共に、流量分配部102を更に設けている。
図4に示す変形例1では、支え板43の端部領域82の開口率を変更すると共に、流量分配部102を更に設けている。
入口側チャンバ71内に導入された酸化ガスは、導入孔51INから遠い閉塞部53aにあたって端部領域82側へと流れが変化する。このため、中空糸束膜41では、中間領域83に対応する中間エリアよりも、端部領域82に対応する端部エリアの方が、酸化ガスが内部に引き込まれ易い傾向にある。かかる事情に鑑みて、変形例1では、中空糸束膜41の中間エリア及び端部エリアの両方に均一に酸化ガスが導入されるように、端部領域82の開口率を中間領域83の開口率よりも低くしている。なお、端部領域82の開口率を領域81の開口率と同程度に設計してもよい。
流量分配部102は、支え板43と一体に形成され、入口側チャンバ71内に配置される。流量分配部102は、支え板43の長手方向の中間部から内壁42aに向かって水平に延びる第1水平部121と、第1水平部121から長手方向に延びる鉛直部122と、鉛直部122から内壁42aに向かって水平に延びる第2水平部123と、からなる。鉛直部122は、内壁42aと中空糸膜束41の外周との間の中間位置にある。第2水平部123は、導入孔51INの中心軸線上にあり、先端が導入孔51INの直前にまで達している。
このような流量分配部102によれば、導入孔51INから導入された酸化ガスは、先ず、第2水平部123によって二方向に分配される。分配後の一方の酸化ガスは、第2水平部123に沿って直線的に流れ、その流線の先方にある低開口率の領域81に達して開口131,32を通過すると共に、一部が高開口率の中間領域83の半部83aに達して開口133,134を通過する。また、分配後の他方の酸化ガスは、鉛直部122と内壁42aとの間の隙間を流れて、一部が高開口率の中間領域83の半部83bに達して開口135,136を通過すると共に、残りが低開口率の端部領域82に達して開口137,138を通過する。
したがって、入口側チャンバ71内の酸化ガスが開口131〜138に達する前に、酸化ガスを中空糸膜束41の長手方向に均等に分配しておくことができる。よって、中空糸膜束41の長手方向における酸化ガスの流量の均一さをより一層向上できる。なお、流量分配部102は、支え板43と別体に形成してもよい。
<変形例2>
図5に示す変形例2では、支え板43の端部領域82及び中間領域83に乱流発生部を設けている。
図5に示す変形例2では、支え板43の端部領域82及び中間領域83に乱流発生部を設けている。
乱流発生部は、端部領域82及び中間領域83の横桟の壁面に形成された傾斜面141である。傾斜面141は、内壁42aに面する湾曲した面であり、導入孔51INに近い部位よりも遠い部位が内壁42aに近くなるように傾いている。このような傾斜面141を設けることで、図5に示す酸化ガスの流れのように、負圧となる傾斜面141の下側において酸化ガスに乱流が発生する。これにより、傾斜面141の下側にある開口151に酸化ガスが引き込まれ易くなり、中空糸膜束41における酸化ガスの流量の均一さを向上できる。
<変形例3>
図6に示す変形例3では、内壁42aに突起161を突設させ、これを乱流発生部として機能させている。突起161は、支え板43の端部領域82及び中間領域83に対向する位置に複数形成されている。このような突起161を設けることで、図6に示すように、各突起161の下流側で酸化ガスに乱流が発生する。これにより、酸化ガスの流れる方向が変わり、端部領域82及び中間領域83にある開口171に酸化ガスが導入され易くなり、中空糸膜束41における酸化ガスの流量の均一さを向上できる。
図6に示す変形例3では、内壁42aに突起161を突設させ、これを乱流発生部として機能させている。突起161は、支え板43の端部領域82及び中間領域83に対向する位置に複数形成されている。このような突起161を設けることで、図6に示すように、各突起161の下流側で酸化ガスに乱流が発生する。これにより、酸化ガスの流れる方向が変わり、端部領域82及び中間領域83にある開口171に酸化ガスが導入され易くなり、中空糸膜束41における酸化ガスの流量の均一さを向上できる。
1:燃料電池システム、2:燃料電池、15:加湿器、41:中空糸膜束、42:ケーシング、42a:内壁、43:支え板(隔壁)、44:支え板(隔壁)、46:中空糸膜、51IN:導入孔、63〜69:開口、81:領域、82:端部領域、83:中間領域、102:流量分配部、141:傾斜面、161:突起
Claims (9)
- 中空糸膜の内側と外側とにそれぞれ水分含有量の異なるガスを流すことにより、これらガス間で水分交換を行う加湿器であって、
前記中空糸膜を複数本束ねてなる中空糸膜束と、
前記中空糸膜束の外周を覆い、この外周にガスを導入するための導入孔が貫通形成されたケーシングと、
前記中空糸膜束と前記ケーシングとの間で一部が前記導入孔に対向して配置され、当該中空糸膜束の長手方向に延在する隔壁と、を備え、
前記隔壁には、開口率が前記中空糸膜束の長手方向で異なるように開口部が貫通形成されている、加湿器。 - 前記隔壁は、
前記導入孔に最も近い領域において第1の開口率を有し、且つ当該領域と前記隔壁の端部領域との間の中間領域において前記第1の開口率よりも高い第2の開口率を有する、請求項1に記載の加湿器。 - 前記中空膜束の長手方向の両端部とこれに面する前記ケーシングの内壁との間は閉塞されており、
前記隔壁は、その長手方向の端部領域において前記第2の開口率よりも低い第3の開口率を有する、請求項2に記載の加湿器。 - 前記導入孔と前記中空糸膜束との間に設けられた流量分配部を備え、
前記流量分配部は、前記導入孔から前記中空糸膜束の外周へと流れるガスを前記隔壁の長手方向で均等に分配するように構成されている、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の加湿器。 - 前記ケーシングの内壁及びこれに面する前記隔壁の壁部の少なくとも一方に、前記導入孔から導入されたガスに乱流を発生させる乱流発生部を備え、
前記乱流発生部は、前記中空糸膜束の長手方向において前記導入孔から遠い位置にある、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の加湿器。 - 前記乱流発生部は、前記ケーシングの内壁に面する前記隔壁の壁面に形成された傾斜面であり、
前記傾斜面は、前記導入孔に近い部位よりも遠い部位が前記ケーシングの内壁側に傾いている、請求項5に記載の加湿器。 - 前記乱流発生部は、前記ケーシングの内壁に突設された突起である、請求項5に記載の加湿器。
- 前記隔壁は、前記中空糸膜束の外周をその長手方向に沿って支持する、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の加湿器。
- 酸化ガスと燃料ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池と、
前記燃料電池に供給される酸化ガスと燃料ガスの少なくとも一方を加湿する加湿器と、を備えた燃料電池システムにおいて、
前記加湿器として、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の加湿器が用いられている燃料電池システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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