JP4392287B2 - 固体高分子型燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば固体高分子型の燃料電池に関し、特に無加湿または加湿が十分でない反応ガスを利用して発電を行うことのできる固体高分子型燃料電池に関する。
固体高分子型の燃料電池は、固体高分子膜からなる電解質膜の一面側にカソード電極、他面側にアノード電極が設けられた膜電極構造体(MEA;Membrane Electrode Assembly)の両面を、一対の導電性のセパレータで挟んだ単セルが複数枚積層された構造をしている。それぞれのセパレータには、反応ガスとしての酸化剤ガスまたは水素ガスが通る流路が形成されており、前記カソード電極に対向するセパレータの流路には酸化剤ガス(空気)が供給され、前記アノード電極に対向するセパレータの流路には水素ガスが供給されて、酸素と水素との電気化学反応により発電電流が取り出される。また、同時にカソード電極側では水が生成され、生成された過剰な水はセパレータの流路を通って外部に排出される。
この種の燃料電池に搭載される電解質膜は、乾燥すると、イオン交換膜としての機能が低下するため、反応ガスを燃料電池に送り込む前に、反応ガスを加湿装置で加湿することが行われている。しかし、反応ガスを加湿するための加湿装置を設けると、水を加熱するためのヒータなどの熱源が必要であったり、また加湿時の温度を燃料電池の作動温度となるように厳密に制御する必要があるなど、システム構成が複雑になる。
そこで、簡単な加湿制御で電解質膜の乾燥を防止する手段としては、電解質膜の膜厚を従来のものよりも薄く形成して、電解質膜の表面から内部まで水を十分に補い易くする技術が提案されている(特許文献1参照)。
特開平10−106593号公報(段落0015〜0017,0034、図2)
しかし、前記特許文献1に記載のように、電解質膜の乾燥を防止するために電解質膜の膜厚を薄く形成すると、膜の機械的強度の低下によって耐久性が低下し、また電解質膜の製造も困難になるという問題がある。
また、前記特許文献1では、膜厚を薄くすることでカソード側における生成水で電解質膜内部を加湿することについては検討されているが、通流するカソードガスによる電解質膜の乾燥をどのように防止するかについては、何ら検討されていない。
そこで、本発明は、前記従来の課題を解決すべく、反応ガスを加湿する加湿装置を搭載しない簡単なシステム構成で、または加湿装置を搭載しても簡単なものとしたシステム構成で、電解質膜の乾燥を防止することができる固体高分子型燃料電池を提供することを課題とする。
本発明は、電解質膜と、前記電解質膜の一面側に設けられたカソードの電極層と、他面側に設けられたアノードの電極層とを有する膜電極構造体の両側に、反応ガスが通る流路を有する一対のセパレータが設けられた固体高分子型燃料電池において、少なくとも一方のセパレータに設けられた流路には、前記電極層の表面から離れる方向への水分の拡散を防止する遮蔽部材が設けられ、前記遮蔽部材と前記電極層の表面との距離が前記流路の上流側から下流側に向けて大きくなるように前記遮蔽部材が複数の遮蔽板により階段状に形成され、前記各遮蔽板は前記流路の深さ方向において互いに重ならないように隣接して配置され、前記各遮蔽板の境界部には前記反応ガスを前記電極層側に供給可能な導入穴が設けられていることを特徴とするものである。
また、本発明は、電解質膜と、前記電解質膜の一面側に設けられたカソードの電極層と、他面側に設けられたアノードの電極層とを有する膜電極構造体の両側に、反応ガスが通る流路を有する一対のセパレータが設けられた固体高分子型燃料電池において、少なくとも一方のセパレータに設けられた流路には、前記電極層の表面から離れる方向への水分の拡散を防止する遮蔽部材が設けられ、前記遮蔽部材と前記電極層の表面との距離が前記流路の上流側から下流側に向けて大きくなるように前記遮蔽部材が傾斜を伴って形成され、前記遮蔽部材には貫通孔が複数形成され、前記貫通孔は前記流路の上流側から下流側に向けて開口面積が大きくなるように設定されていることを特徴とするものである。
前記本発明では、多量の反応ガスが通流された場合でも、電解質膜の表面や表面近傍の水分が蒸発しても、水蒸気が遮蔽部材によって遮られて拡散するのを防止できるので、遮蔽部材がない場合に比べて電解質膜の表面近傍の湿度を高めることができ、その結果、水分の蒸発を防止できるようになり、電解質膜の乾燥を防ぐことができる。したがって、無加湿な反応ガスを導入する加湿装置を設けないシステムあるいは低加湿な反応ガスを導入する簡単なシステムに適用できるようになる。
また、前記遮蔽部材と前記電極層の表面との距離が、前記流路の上流側から下流側に向けて大きくなるように設定されていることが好ましい。
前記流路の上流側では、下流側よりも反応ガスが過剰に供給されるため、前記距離を短く設定することにより、水分の拡散が抑えられて、電解質膜の表面の湿度を高く維持できるので、電解質膜の乾燥を防止できるようになる。また、流路の下流側では、反応ガスが不足するため、前記距離を長く設定することにより、反応ガスを電極層に導入し易くし、また水分が過剰に存在するので、この過剰な水分を容易に排出できる。
例えば、前記遮蔽部材が、複数の遮蔽板により階段状に形成されて、各遮蔽板の境界部には、前記反応ガスを前記電極層側に供給可能な導入穴が設けられている。
これにより、反応ガスの導入が段階的に促進されて、流路の上流側では水分の拡散を低下させることができ、流路の下流側では反応ガスの導入が容易になる。
また、前記遮蔽部材には、貫通孔が複数形成されており、前記各貫通孔は、前記流路の上流側から下流側に向けて開口面積が大きくなるように設定されていてもよい。
また、前記遮蔽部材には、一定の開口面積の貫通孔が複数形成されており、前記各貫通孔は、前記流路の上流側から下流側に向けて開口密度が高くなるように設定されていてもよい。
このように貫通孔を設けるいずれの構成であっても、反応ガスの導入を段階的に促進できる。
また、前記遮蔽部材は、傾斜を伴って設けられている構成にしてもよい。
これにより、遮蔽部材を反応ガスの導入方向に対して傾斜する向きに設定できるので、遮蔽部材の外側に導入された反応ガスが遮蔽部材に当る頻度を高くできるので、反応ガスを貫通孔を通して遮蔽部材の内側に導入し易くできる。
また、前記遮蔽部材が、前記流路の入口側にのみ設けられている構成であってもよい。
流路の入口が最も乾燥が著しい領域であり、出口側に向けて水分量が増加するものであるため、流路の入口側にのみ設置するものであっても、電解質膜の乾燥を防止でき、電極層の入口から出口までの一面において発電させることが可能になる。
本発明は、反応ガスを加湿する加湿装置を搭載しない簡単なシステム構成で無加湿な反応ガスを導入したとしても、または搭載しても簡単なものとしたシステム構成で低加湿または加湿が十分でない反応ガスを導入したとしても、電解質膜の乾燥を防止することができる。
図1は、第1の実施形態の固体高分子型燃料電池の内部構造を示す斜視図、図2は、図1のII−II断面図、図3は、セパレータの流路の全体形状を示す平面図、図4は、燃料電池システムの一例を示す全体構成図である。
図1に示すように、燃料電池10Aは、イオン導伝性の固体高分子型の電解質膜11を有している。この電解質膜11には、その一面側(図1では上面側)に触媒を含むカソード電極層(カソードの電極層)12、他面側(図1では下面側)に触媒を含むアノード電極層(アノードの電極層)13が設けられて、前記電解質膜11とカソード電極層12とアノード電極層13とで膜電極構造体(MEA)14が構成されている。また、前記膜電極構造体14の両面には、導電性部材で形成されたセパレータ20,30が設けられており、前記セパレータ20,30と前記膜電極構造体14とで単セル40が構成され、この単セル40が、厚み方向に例えば数百枚積層されている。
前記セパレータ20には、カソード電極層12に対向する面に複数の流路21,21,・・・が互いに平行に形成されている。各流路21は、いずれも所定の幅寸法及び深さ寸法で直線状に延びて形成されている。また、図3に示すように、各流路21の一端が反応ガス(酸化剤ガス)の入口22として、他端が反応ガスの出口23として設定されている。よって、流路21の入口22側が上流側となり、出口23側が下流側となる。したがって、酸化剤ガスは、前記入口22から供給されて、各流路21,21,・・・内を一方向に向かって通流し、前記出口23から排出される。なお、図1に示す図は、流路21の手前側に見える部分が上流側である。
図1に示すように、前記セパレータ30にも、アノード電極層13に対向する面に、前記セパレータ20と同様な形状の流路31,31,・・・が複数形成されている。各流路31,31,・・・には、反応ガス(水素ガス)が供給されるようになっている。なお、セパレータ30の各流路31,31,・・・にも、図3に示すような入口と出口が設けれて、流路31,31,・・・の一端から水素ガスが導入され、他端から水素ガスが排出される。
なお、図示していないが、前記各セパレータ20,30には、それぞれ冷却液の流路が形成されており、前記冷却液が酸化剤ガス及び水素ガスと互いに混じり合わないように通流されるようになっている。前記冷却液は、例えば、前記セパレータ20,30の流路21,31とは反対側の面に形成され、この冷却液が図示しない循環装置により循環させられることにより、燃料電池10Aで発生した熱を冷却している。
図1に示すように、前記カソード電極層12側に設けられたセパレータ20の各流路21内には、遮蔽部材50Aがそれぞれ設けられている。この遮蔽部材50Aは、流路21の上流側から下流側に向けて階段状に形成されている。前記遮蔽部材50Aは、水素と酸素との電気化学反応により生成された水を遮断でき、且つ酸化剤ガスを遮断できる素材で形成されている。
図2に示すように、前記遮蔽部材50Aは、複数の遮蔽板51,52,53,54,55で構成されており、前記遮蔽板51が入口22側に位置し、前記遮蔽板55が出口23側に位置して、各遮蔽板51〜55が互いに隣接して形成されるようにその各長さ寸法が設定されている。なお、図2では、各遮蔽板51〜55の長さ寸法は全て同じに設定されているが、必ずしも同じである必要はなく、適宜変更することができる。また図2では、遮蔽部材50Aの段数を5段に限定しているが、これに限定されるものではなく、5段未満であってもよく、5段を超えるものでもよい。
図2に示すように、各遮蔽板51〜55は、カソード電極層12からの高さ寸法H1,H2,H3,H4,H5が段階的に高くなるように設定されている。また、前記遮蔽板51と52との境界部、前記遮蔽板52と53との境界部、前記遮蔽板53と54との境界部、前記遮蔽板54と55との境界部には、それぞれ、流路21の断面方向に向くスリット(導入穴)61,62,63,64が形成されている。また、遮蔽板51とカソード電極層12との間にもスリット状の隙間が形成されている。
図1に示すように、前記遮蔽板51,52,53,・・・には、両側に一対の側壁51a,52a,53a,・・・が一体に形成されており、これら側壁51a,52a,53a,・・・が、カソード電極層12上で支持されることで、各遮蔽板51,52,53,・・・が、流路21内の所定の位置に設置できるようになっている。なお、前記側壁51a,52a,53a,・・・が、流路21の側面に固定されて、遮蔽板51,52,53,・・・が流路21内に支持されるようにしてもよい。
なお、前記遮蔽板51〜55を流路21内に支持させる支持手段としては、図5乃至図8に示す方法を採用することもできる。図5及び図6は、それぞれ、別の支持手段を示す部分斜視図、図5のVI−VI断面図である。また、図7及び図8は、それぞれ、さらに別の支持手段を示す部分斜視図、図7のVIII−VIII断面図である。
図5及び図6に示す支持手段は、前記遮蔽板51,52,・・・と、前記カソード電極層12との間に、グラスウールや不織布などの繊維状の支持部材91,92,・・・を設けることで構成されている。ただし、この支持部材91,92,・・・は、酸化剤ガスを通流できる素材で形成される。前記支持部材91,92,・・・は、幅寸法が遮蔽板51,52,・・・といずれも同じで、高さ寸法がH1,H2,・・・と段階的に高くなるように形成されている。
図7及び図8に示す支持手段は、前記遮蔽板51,52,・・・のカソード電極層12に対向する面に複数本の溝部51m,51m,・・・が設けられて、これら溝部51m,51m,・・・の先端が、カソード電極層12上で支持される。前記遮蔽板51,52,・・・とカソード電極層12との間に導入された酸化剤ガスは、カソード電極層12の表面と溝部51mの表面とで形成される空間(溝部51m)を通流する。なお、前記溝部51mは、遮蔽板51と一体に形成されたものでもよく、別個の部材で形成したものでもよい。また、溝部の形状は、三角形に限定されるものではなく、四角形など他の形状であってもよい。また、溝部の本数も適宜変更できる。
図4に示すように、前記燃料電池10Aは、加湿装置を搭載しない自動車用の燃料電池システムに搭載することができる。
この燃料電池システム1は、前記燃料電池10Aと、空気供給装置2と、水素供給装置3と、制御装置4を有して構成されている。
前記空気供給装置2は、エアフィルタやコンプレッサ(いずれも図示せず)などで構成されており、コンプレッサによって高圧に処理された酸化剤ガスが、前記セパレータ20の流路21に供給されるようになっている。また、前記水素供給装置3は、例えば、高圧水素タンク(図示せず)や制御弁16などで構成され、前記高圧水素タンクから取り出された水素ガスが、前記セパレータ30の流路31に供給されるようになっている。なお、燃料電池10Aで消費されずに排出された酸化剤ガスは、そのまま車両の外部に排出される。一方、水素ガスは、高圧水素タンクを使用して供給されるものであるため、無駄に排出すると燃費悪化の原因となるため、燃料電池10Aで消費されずに排出された水素ガスは、循環路5及びエゼクタ6を介して循環されるようになっている。また、アノード電極層13側の経路出口側には、パージ弁7が設けられており、このパージ弁7を開くことにより、燃料電池10Aのアノード電極層13側に残留する水や窒素などの不純物を外部へ排出させることができるようになっている。
前記燃料電池システム1では、前記空気供給装置2から導入された酸化剤ガスが前記セパレータ20の流路21に供給され、前記水素供給装置3からの水素ガスが前記セパレータ30の流路31に供給されると、酸化剤ガスは、セパレータ20の流路21を通ってカソード電極層12に供給され、水素ガスは、セパレータ30の流路31を通ってアノード電極層13に供給される。アノード電極層13で生成された水素イオンは、電解質膜11を透過して、カソード電極層12に移動し、この移動した水素イオンと酸素(酸化剤ガス)と反応して水が生成される。
ところで、通常の燃料電池システムでは、加湿装置が設けられていないと、乾燥した酸化剤ガスがセパレータ20の流路21に導入されることになる。このような乾燥した酸化剤ガスが導入されると、カソード電極層12側では、酸素と水素との反応により一旦水が生成されるが、この水は、セパレータ20に導入される乾燥した酸化剤ガスによって蒸発させられて、蒸発した水分が拡散することにより電解質膜11の乾燥が促進される。その結果、電解質膜11がイオン交換膜としての機能が低下して、発電電流を取り出すことができなくなる。
そこで、本実施形態の燃料電池10Aを搭載したものでは、燃料電池システム1に酸化剤ガスを加湿するための加湿装置を搭載することが不要になり、これによって乾燥した酸化剤ガスが燃料電池10Aに導入された場合でも電解質膜11を乾燥させることなく発電電流を取り出すことができるようになる。以下、その電解質膜の乾燥防止制御について詳述する。
図2に示すように、前記流路21の入口22(図3参照)から無加湿ガス(乾燥した酸化剤ガス)Gが導入されると、無加湿ガスGのうちの一部分の無加湿ガスGaが、遮蔽板51の内側すなわち遮蔽板51とカソード電極層12との間の隙間に導入され、残りの無加湿ガスG1が、遮蔽板51の外側の空間すなわち、カソード電極層12に対して遮蔽板51の裏面と流路21とで囲まれる空間に導入される。遮蔽板51が設けられた領域S1では、内側に導入された無加湿ガスGaに含まれる酸素が、カソード電極層12に取り込まれるとともに電解質膜11を透過した水素イオンとが触媒作用によって反応することにより、水W1が生成される。生成された水の一部は、カソード電極層12の表面を通って下流側へと通流する。
また、領域S1において、遮蔽板51の外側を通った無加湿ガスG1は、遮蔽板52が設けられた領域S2に移行するが、このとき無加湿ガスG1の一部の無加湿ガスGbが、スリット61から遮蔽板52の内側に導入される。この領域S2では、無加湿ガスGb及び領域S1で消費されなかった無加湿ガスGaに含まれる酸素が、カソード電極層12に取り込まれて、水素イオンと反応して、水W2を生成する。同様にして、領域S3では、遮蔽板52の外側を通った無加湿ガスG2の一部が、スリット62を介して無加湿ガスGcとして内側に導入され、無加湿ガスG2とGcとに含まれる酸素が水素イオンと反応して水W3が生成される。また領域S4では、遮蔽板53の外側を通った無加湿ガスG3の一部が、スリット63を介して無加湿ガスGdとして内側に導入されて同様に水W4が生成される。また領域S5では、遮蔽板54の外側を通った無加湿ガスG4の一部が、スリット64を介して無加湿ガスGeとして導入されて同様に水W5が生成される。
このように、流路21内に遮蔽部材50Aを階段状に形成することにより、カソード電極層12に導入される無加湿ガスの量が、上流側から下流側に向けて段階的に増加させられる。また、これに伴い生成される水は、上流側から下流側に向けて段階的に増加させられる。したがって、無加湿ガスが最も多量に存在する入口22側では、遮蔽部材50Aのカソード電極層12の表面からの距離が短く設定されることにより、水の拡散が抑制されて、電解質膜11の表面や表面近傍を適度な湿度で維持できるようになる。一方、出口23側では、遮蔽部材50Aのカソード電極層12の表面からの距離が長く設定されることにより、遮蔽部材50Aの内側に無加湿ガスを導入し易くなるとともに水分を容易に排出できるようになる。
本実施形態の燃料電池10Aは、加湿装置を搭載しない燃料電池システム1に搭載することができるので、システムを簡素化することができる。また、このような無加湿な反応ガスで発電を行う燃料電池システムでは、イオン交換膜として機能しない単セルを考慮して余分に単セル40を搭載する必要があり、これにより燃料電池の小型化が阻害されるが、本実施形態の燃料電池を搭載することにより、それぞれの単セル40を一枚一枚確実に機能させることができるので、燃料電池の小型化が可能となる。
また、本実施形態の燃料電池10Aでは、流路21内に遮蔽部材50Aを設けているので、各単セル40の厚み寸法を増加させることなく電解質膜11の乾燥を防止できるようになる。したがって、単セル40を多数積層して構成する燃料電池10Aにおいて特に有効である。また、従来は、流路21の入口部分が乾燥しやすかったが、このような遮蔽部材50Aを設けることにより、流路21の全体にわたって均一な加湿を行うことができ、これにより発電効率が向上する。
参考例
図9は、参考例としての燃料電池を示す部分斜視図である。
の燃料電池10Bは、セパレータ20の流路21に別の形状の遮蔽部材50Bが設けられたものである。この遮蔽部材50Bは、流路21の幅寸法と同じで上流の入口22側から下流の出口(図示せず)側へカソード電極層12の表面12aからの高さ寸法が一定となるように形成されている。また、前記遮蔽部材50Bには、複数の貫通孔71,72,73,74,・・・が形成されており、この貫通孔71,72,73,74,・・・は、上流側から下流側に向けて、開口面積が順番に大きくなるように設定されている。
の燃料電池10Bは、遮蔽部材50Bの上流側では、貫通孔の開口面積が小さいので、カソード電極層12側で生成された水の拡散を抑制することができ、電解質膜11の乾燥を防止できる。また、下流側では貫通孔の開口面積が大きくなるので、無加湿ガスを遮蔽部材50Cの内側に導入し易くなり、しかも生成した水を容易に排出できる。
別の参考例
図10は、別の参考例としての燃料電池を示す部分斜視図である。
の燃料電池10Cは、セパレータ20の流路21にさらに別の形状の遮蔽部材50Cを設けたものである。この遮蔽部材50Cは、前記遮蔽部材50Bと同様に、幅寸法及び高さ寸法が一定の板材に複数の貫通孔81,82,83,84,・・・が形成されたものである。前記貫通孔81,82,83,84,・・・は、いずれも開口面積が同じ寸法のものであり、上流側から下流側に向けて開口密度が順に大きくなるように設定されている。
このように形成した場合でも、流路21の上流側では開口密度が小さくなるので、生成された水が拡散するのが抑制され、下流側では開口密度が大きくなるので、遮蔽部材50Cの内側に無加湿ガスを導入しやすくなる。
(第の実施形態)
図11は、第の実施形態の燃料電池を示す斜視図、図12は、第の実施形態の燃料電池における無加湿ガスの流れを示す断面図である。
この燃料電池10Dは、傾斜を伴う遮蔽部材50Dが設けられたものである。この遮蔽部材50Dは、図9に示す遮蔽部材50Bを上流側から下流側に向けてカソード電極層12からの距離が大きくなるように形成されている。また、遮蔽部材50Dには、遮蔽部材50Bと同様な貫通孔91,92,93,94,・・・が形成されている。
このように形成することで、流路21の入口22側に導入された無加湿ガスのうち遮蔽部材50Dの外側に導入された無加湿ガス(図12参照)が遮蔽部材50Dに当たる頻度を高くできる。よって、遮蔽部材50Dの外側に導入された無加湿ガスが貫通孔91,92,93,94,・・・から遮蔽部材50Dの内側に流れ込む割合を高くできる。その結果、遮蔽部材50Dをカソード電極層12と平行に形成する場合(遮蔽部材50Bの場合)と比べて、遮蔽部材50Dの内側からの水分の拡散が抑制されると同時に、遮蔽部材50Dの内側への無加湿ガスの導入を容易にできる。
なお、遮蔽部材50B,50C,50Dを流路21内で支持させる手段として、図9及び図10に示すように、側壁で支持するものであってもよく、または図5乃至図8で説明したような支持手段で支持するものでもよい。また、図10に示す参考例において、遮蔽部材50Cを第の実施形態のように傾斜させる構成としてもよい。
さらに別の参考例
図13は、さらに別の参考例の燃料電池を示す断面図である。この燃料電池10Eは、遮蔽部材50Eを入口22側にのみ設けたものである。すなわち、流路21の入口22側が乾燥の度合が最も高くなり、出口23側では水分が過剰に存在するようになるため、遮蔽部材50Eを入口22側に設けるだけであっても、電解質膜11が乾燥する領域を無くすことができるため、単セル毎に効率的に発電電流を取り出すことができる。
なお、流路21の入口22側に設ける遮蔽部材50Eは、平板状のものに限られず、前記第1の実施形態で示したように、上流側から下流側に向けてカソード電極層12からの距離が大きくなる階段状のものを適用してもよく、参考例のように貫通孔が設けられたものを適用してもよく、また第の実施形態のように傾斜を伴ったものを適用してもよい。
図14に示すように、燃料電池10Aにガス拡散層15を設けた構成にしてもよい。前記ガス拡散層15は、多孔質状の導電部材で形成されて、カソード電極層12とセパレータ20との間に設けられている。このガス拡散層15を設けることにより、導入された酸化剤ガス(反応ガス)をカソード電極層12の一面に拡散させることができるようになり、発電の効率を上げることが可能になる。なお、ガス拡散層15は、燃料電池10Aだけでなく、他の燃料電池10B〜10Eにも適用できる。
このようにガス拡散層15を設けた実施形態では、入口22側に面する遮蔽板51を、ガス拡散層15に密着させて設けることができる。このように密着させた場合には、流路21の入口22側から供給された無加湿ガスGは、スリット61から遮蔽部材50Aの内側に導入され、一部の無加湿ガスGsが、上流側に回り込むようにして導入される。ただし、遮蔽板51をガス拡散層15に密着させなくてもよい。
本発明の燃料電池は、前記した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変更できる。例えば、前記した各実施形態では、カソード電極層12側のセパレータ20に遮蔽部材50A〜50Eを設けた構成についてのみ説明したが、水素ガスが供給されるアノード電極層13側のセパレータ30に設けられた流路31にも適用できる。すなわち、アノード電極層13側でも電解質膜の乾燥を防止するために、水素ガスは、加湿装置で加湿された後に燃料電池に導入されているが、前記遮蔽部材50A〜50Eをセパレータ30の流路31にも適用することにより、無加湿な水素ガスを導入した場合であっても、電解質膜の乾燥を防止できるようになる。よって、水素ガスを加湿する加湿装置を不要にできる。それと同時に、遮蔽部材50A〜50Eのカソード電極層12からの高さ寸法が高くなるため、カソード電極層12で生成されて膜電極構造体14を浸透してきた水分の排出が容易になる。
また、セパレータ20の流路21とセパレータ30の流路31の双方に、それぞれ遮蔽部材50A〜50Eを設けることにより、空気を加湿する加湿装置と水素ガスを加湿する加湿装置の双方が不要になるので、燃料電池システムをさらに簡略化できる。また軽量化を図ることもできる。また、加湿装置が不要になることで、燃料電池内での結露の発生を抑制できるので、低温環境下での始動性を向上することができるようになる。
第1の実施形態の固体高分子型燃料電池の内部構造を示す斜視図である。 図1のII−II断面図である。 セパレータの流路の全体形状を示す平面図である。 燃料電池システムの一例を示す全体構成図である。 遮蔽部材の別の支持手段を示す斜視図である。 図5のVI−VI断面図である。 遮蔽部材のさらに別の支持手段を示す斜視図である。 図7のVIII−VIII断面図である。 参考例としての燃料電池の内部構造を示す斜視図である。 別の参考例としての実施形態の燃料電池の内部構造を示す斜視図である。 の実施形態の燃料電池の内部構造を示す斜視図である。 の実施形態の燃料電池における無加湿ガスの流れを示す断面図である。 さらに別の参考例としての燃料電池の内部構造を示す斜視図である。 ガス拡散層が設けられた燃料電池の内部構造を示す断面図である。
符号の説明
10A〜10E 燃料電池
11 電解質膜
12 カソード電極層(カソードの電極層)
12a 表面
13 アノード電極層(アノードの電極層)
14 膜電極構造体
20,30 セパレータ
21 流路
22 入口
23 出口
50A〜50E 遮蔽部材
51〜55 遮蔽板
61〜64 スリット(導入穴)
71〜74,81〜84,91〜94 貫通孔

Claims (2)

  1. 電解質膜と、前記電解質膜の一面側に設けられたカソードの電極層と、他面側に設けられたアノードの電極層とを有する膜電極構造体の両側に、反応ガスが通る流路を有する一対のセパレータが設けられた固体高分子型燃料電池において、
    少なくとも一方のセパレータに設けられた流路には、前記電極層の表面から離れる方向への水分の拡散を防止する遮蔽部材が設けられ
    前記遮蔽部材と前記電極層の表面との距離が前記流路の上流側から下流側に向けて大きくなるように前記遮蔽部材が複数の遮蔽板により階段状に形成され、
    前記各遮蔽板は前記流路の深さ方向において互いに重ならないように隣接して配置され、前記各遮蔽板の境界部には前記反応ガスを前記電極層側に供給可能な導入穴が設けられていることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
  2. 電解質膜と、前記電解質膜の一面側に設けられたカソードの電極層と、他面側に設けられたアノードの電極層とを有する膜電極構造体の両側に、反応ガスが通る流路を有する一対のセパレータが設けられた固体高分子型燃料電池において、
    少なくとも一方のセパレータに設けられた流路には、前記電極層の表面から離れる方向への水分の拡散を防止する遮蔽部材が設けられ、
    前記遮蔽部材と前記電極層の表面との距離が前記流路の上流側から下流側に向けて大きくなるように前記遮蔽部材が傾斜を伴って形成され、
    前記遮蔽部材には貫通孔が複数形成され、前記貫通孔は前記流路の上流側から下流側に向けて開口面積が大きくなるように設定されていることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
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