JP4971655B2 - メタ型全芳香族ポリアミド溶液の製造法 - Google Patents

メタ型全芳香族ポリアミド溶液の製造法 Download PDF

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Description

本発明はメタ型全芳香族ポリアミド溶液の製造法に関するものであり、さらに詳しくは、全芳香族ジアミンと全芳香族ジカルボン酸クロライドとを有機溶媒中で重合した後、該重合で副生する塩化水素を効率的に中和して成形性などが良好なメタ型全芳香族ポリアミド溶液を製造する方法に関するものである。
メタ型全芳香族ポリアミドは分子骨格が殆ど全芳香族環から構成されているため、優れた耐熱性と寸法安定性とを有しており、産業用途において繊維、フィルム、ペーパーなどとして耐熱性、耐炎性が重視される用途に用いられている。
このように各分野で利用価値の高いメタ型全芳香族ポリアミドは、特公昭35−13247号公報(特許文献1)に記載の界面重合法あるいは特公昭35−14399号公報(特許文献2)に記載のいわゆる低温溶液重合法に従って全芳香族ジカルボン酸クロライドと全芳香族ジアミン及び/又は全芳香族アミノカルボン酸クロライドを重合せしめることにより製造されている。
前者の界面重合法の場合は、ポリマーの重合度の調節が困難であり、またポリマーを単離、洗浄、乾燥し、さらに再溶解といくつもの工程を経て成形物を製造するという煩わしさがある。
これに対して、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)などの有機溶媒中で低温溶液重合を行う方法は、重合度の調節が容易であり、重合に引き続いて重合反応で副生した塩化水素を溶媒に可溶性の塩を形成する中和剤、例えば、炭酸カルシウム、炭酸リチウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウムなどの無機アルカリ、で中和することで成形に供し得る重合溶液を得ることが可能である。中和後の重合溶液は長時間安定な均一溶液として存在するので、これを湿式あるいは乾式成形することにより繊維、フィルム、パルプ状粒子などの製造が可能であり、従って、メタ型全芳香族ポリアミドの製造では低温溶液重合法が多く採用されている。
しかし、この低温溶液重合法の一つの欠点として重合反応で副生する塩化水素の中和工程の難しさがある。すなわち、上述した中和剤はいずれも固体であり、固液反応は長時間を要するという問題があり、また、この固体の中和剤の反応が不十分で、固体の中和剤が重合溶液中に残存していると、繊維、フィルムなどの製造に際して工程調子悪化やフィルター交換頻度増加の原因になるという問題がある。特に、重合溶液中の未反応中和剤の存在は繊度の小さい繊維の製造では糸切れが多発する原因となる。そこで、中和反応を完全に行うことが必要であるが、従来は、中和反応を完全に行わせるために、反応時間を長くとる必要があり、このため生産性が犠牲になっていた。
特許第3089759号公報(特許文献3)には、全芳香族ポリアミド製造における中和工程で系内を減圧にすることにより中和時間を短縮する方法が提案されているが、この方法では炭酸ガスなどと同時に溶剤も揮発するため、重合溶液の組成比率が中和時間によって変化するという問題点がある。
特公昭35−13247号公報 特公昭35−14399号公報 特許第3089759号公報
本発明の主たる目的は、全芳香族ジアミンと全芳香族ジカルボン酸クロライドとを有機溶媒中で重合した後、該重合で副生する塩化水素を中和剤として無機アルカリを用いて乾式中和する場合において、中和時間を短縮し、生産性の向上を図る方法を提供することにある。本発明のさらなる目的は、乾式中和によっても中和剤が残らない成形性の良好なメタ型全芳香族ポリアミド溶液を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、前述の目的を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、無機アルカリを添加した重合溶液を特定の混練装置で後処理を行うことで、中和時間を短縮でき、生産性の向上を図ることができること、また、該後処理を行う代わりに同様の混練装置を用いて中和を行うことでも同様の効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、前述の目的を達成する手段として、
(1)全芳香族ジアミンと全芳香族ジカルボン酸クロライドとを有機溶媒中で重合した後、該重合で副生する塩化水素を無機アルカリで乾式中和し、さらに、中和した重合溶液をクリアランスが6mm以下のバッチ式又は連続式の混練装置で撹拌・混練する後処理を行うことにより、該溶液中に残存する無機アルカリの中和反応を完結せしめることを特徴とするメタ型全芳香族ポリアミド溶液の製造法、ならびに、
(2)全芳香族ジアミンと全芳香族ジカルボン酸クロライドとを有機溶媒中で重合した後、該重合で副生する塩化水素を、無機アルカリで乾式中和する際、無機アルカリを添加した重合溶液をクリアランスが6mm以下のバッチ式又は連続式の混練装置を用いて撹拌・混練しながら乾式中和することにより、無機アルカリの中和反応を完結せしめることを特徴とするメタ型全芳香族ポリアミド溶液の製造法、
が提供される。
ここで、「クリアランス」とは、バッチ式混練装置では該装置内に設けた撹拌翼先端と該混練装置内壁との最短距離を意味し、連続式混練装置では該装置内のパドルやスクリューの先端と該混練装置内壁との最短距離を意味する。また、「乾式中和」とは、中和剤の無機アルカリを粉末や粒子などの固体状態で塩化水素を含む重合溶液に添加して中和する方法を意味する。
本発明では、バッチ式、連続式のいずれの場合もクリアランスが6mm以下、好ましくはクリアランスが0.2mm以上、5mm以下、の混練装置を用いる必要がある。クリアランスが6mmを超える装置では、重合溶液に十分なせん断応力がかけられないため、中和完結までの時間が長くなる。このように乾式中和後に特定範囲のクリアランスを持つバッチ式又は連続式の混練装置で重合溶液の後処理(混練処理)を行うか、あるいは、特定範囲のクリアランスを持つバッチ式又は連続式の混練装置で混練下に乾式中和を行うことにより、該重合溶液中に残存する無機アルカリの中和反応を完結せしめることができる。
本発明において、上記(1)(2)の方法で、中和剤として使用する無機アルカリとしては、炭酸カルシウム、炭酸リチウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の無機アルカリが好ましい。
以上のような本発明の全芳香族ポリアミド溶液の製造法によれば、低温溶液重合で副生した塩化水素の中和時間が短縮され、全芳香族ポリアミド溶液の製造の生産性向上を図ることができる。また、繊維、フィルムなどの製造における工程調子を改善することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明を実施する際に用いられるメタ型全芳香族ポリアミドを構成する単量体は全芳香族ジアミンとしては、例えば、メタフェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン等及びこれらの芳香環にハロゲン原子、炭素数1〜3の低級アルキル基等の置換基を有する誘導体、例えば2,4−トルイレンジアミン、2,6−トルイレンジアミン、2,4−ジアミノクロルベンゼン、2,6−ジアミノクロルベンゼンなどが挙げられる。また、全芳香族ジカルボン酸クロライドとしては、例えば、イソフタル酸クロライド及びその芳香環にハロゲン、炭素数1〜3のアルコキシ基等の置換基を有する誘導体、例えば3−クロルイソフタル酸クロライド、3−メトキシイソフタル酸クロライドなどが挙げられる。ただし、本発明では、全芳香族ジアミンと全芳香族ジカルボン酸クロライドともこれらに限定されるものではない。また、本発明の目的を阻害しない範囲内でパラ型等の他の共重合成分、例えば、パラフェニレンジアミン、テレフタル酸、ナフタレン2,6ジカルボン酸あるいはこれらの芳香環にハロゲン原子や炭素数1〜3の低級アルキル基などの置換基を有するもの、を少量使用してもよい。
本発明で使用するに適した有機溶媒としては、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)などが挙げられる。これらは単独溶媒で使用するのが好ましいが、2種以上の混合溶媒として使用してもよい。本発明では、必要に応じて、さらにこれ以外の有機溶媒を少量含有しても差し支えない。
本発明で溶液重合に用いる重合槽の形式は特に限定されないが、竪型重合槽の場合、例えば、ダブルヘリカルリボン型、パドル型、プロペラ型などの撹拌翼を備えたものが用いられる。ニーダの場合は、フィッシュテール型やゼット型のブレードを取り付けたものが用いられる。いずれも減圧可能な構造のものが好適である。また、連続重合の場合は、減圧が可能なコンテニアスニーダーなどが適当である。重合工程と後続の中和工程は竪型重合槽、ニーダなどの場合は、同一槽で実施可能である。コンテニアスニーダーの場合は重合工程と中和工程とは分離されて実施される。
重合反応で副生した塩化水素は、溶媒に可溶性の塩を形成する中和剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸リチウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウムなどの無機アルカリで中和することによって成形用原液とすることができる。無機アルカリの添加方法としては、乾式中和法、すなわち粉末状、粒子状などの固体状態の無機アルカリを重合溶液に添加して中和する方法が、従来から採用されているスラリー添加法(湿式中和法)に比較して、重合工程でのポリマー濃度に制限がなく、工程の煩雑さがないので、好ましい。
添加する無機アルカリは、平均粒径1〜20μmのものが適当であるが、平均粒径1〜10μmのものが特に好ましい。平均粒径が1μm未満になると粒子が凝集を起こしやすくなり、かえって中和時間が長くなるため好ましくない。一方、平均粒径が20μmより大きい場合には、本発明方法を適用しても中和時間が長くなるので、好ましくない。
無機アルカリは、通常、平均粒経が15μm又はそれ以上の粒子として入手される。従って、必要に応じ、該粒子を前処理して、処理後の無機アルカリの平均粒径を1〜10μmに調整した後に使用するのがよい。無機アルカリにこのような前処理を行う場合は、窒素雰囲気下でボールミル、ジェットミルなどを用いた乾式粉砕を行うのが好ましい。
無機アルカリの添加量は、通常、副生する塩化水素に対して90〜100モル%とするが、好ましくは95〜100モル%の範囲である。無機アルカリの添加は、常温〜100℃で行うことが好ましい。この範囲より低温では反応速度が十分でなく、高温になると溶媒が蒸発するので好ましくない。
本発明方法では、中和剤添加後の溶液に特別な混練装置で後処理を施す。中和剤の添加攪拌後に後処理を行う場合、後処理に用いる装置としては、クリアランスが6mm以下、好ましくは0.2mm以上5mm以下の、プラネタリーミキサーやバッチニーダーを備えるバッチ式混練装置、コンティニュアスニーダーなどを備える連続混練装置が用いられる。ここで、クリアランスとは、既に述べたごとく、バッチ式混練装置では撹拌翼先端と内壁との最短距離、連続処理装置ではパドルやスクリューの先端と内壁との最短距離を意味する。本発明では、いずれもクリアランスが6mm以下の混練装置を用いる必要がある。クリアランスが6mmを超える装置では、重合溶液に十分なせん断応力がかけられないため、中和完結までの時間が長くなる。
本発明の上記(1)の方法では、上述のようにして特定範囲のクリアランスを持つバッチ式又は連続式の混練装置で後処理を行うことによって、重合溶液中に残存する無機アルカリの中和反応を完結せしめ、無機アルカリ粒子が残存しないポリマー溶液を得ることができる。すなわち、ダブルヘリカルリボン型、パドル型、プロペラ型などの撹拌翼を用いる一般的な縦型反応槽で中和反応を完結させようとする場合には、特に中和反応が進行して塩化水素が希薄となった中和末期の残存中和剤は塩化水素との中和反応が鈍化し、完全に中和するには相当な長時間を要するが、上述の後処理を行うことにより中和時間の大幅な短縮が可能となる。なお、この場合、重合反応槽に無機アルカリを投入してもよく、重合溶液をバッチ式又は連続式の混練装置に移した後に無機アルカリを投入することも可能である。
以上、無機アルカリを添加・中和した後の重合溶液を、特定の混練装置を用いて攪拌・混練することにより後処理を行う方法について説明したが、本発明では、上記(2)の方法のように、中和反応そのものを同様の混練装置で行い同様の効果を得ることも可能である。すなわち、クリアランスが6mm以下のバッチ式又は連続式の混練装置を用いて、塩化水素を含む重合溶液を無機アルカリで中和することにより、残存する無機アルカリの中和反応を完結せしめることもできる。この場合は重合溶液をクリアランスが6mm以下のバッチ式又は連続式の混練装置に導入し、無機アルカリを添加して混練を行うことにより中和反応を完結せしめる。
上述のように、本発明に従い、中和後に特定の混混練置によって後処理を行うか、あるいは、中和時に特定の装混練置を用い、その中で中和を行うことによって、重合溶液中の残存無機アルカリ粒子をなくすことができ、例えば、該重合溶液から繊維を製造する場合には、製糸工程での延伸時に異物による糸切れが低減するため、工程調子を改善できる。
なお、中和反応で形成された塩化カルシウムなどの無機塩化物は腐蝕性があるので、重合溶液配管、紡糸口金、フィルム形成用の流延ドラム、流延ベルトなどの腐蝕を防止するため、必要に応じて、腐蝕防止剤を加えてもよい。適当な腐蝕防止剤としては、トリエチルアミン、アンモニア、プロピレンオキサイド、硝酸リチウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなどが例示される。これらの腐蝕防止剤を発生塩化水素量に対して1〜150モルパーセントを添加すると腐蝕防止効果がある。
次に実施例及び比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例でいう「部」は全て重量部を表わし「%」は全て重量%を表わす。また、本発明における物性の測定法及び効果の評価方法は以下の方法による。
<粒径評価>
レーザー回折・散乱式粒度分布測定器を用いて評価した。
<残存粒子評価>
ガラス板上にドクターブレードで重合溶液を流延し、デジタルマイクロスコープを用いて溶液中の残存中和剤粒子を評価した。
<固有粘度(IV)>
ポリマーを97%濃硫酸に溶解し、オストワルド粘度計を用い30℃で測定した。
[実施例1]
温度計、撹拌装置及び原料投入口を備えた反応容器に、水分率が100ppm以下のNMP854.8部を入れ、このNMP中にメタフェニレンジアミン(以下、MPDAと略す)83.4部を溶解し、0℃に冷却した。この冷却したジアミン溶液にイソフタル酸クロライド(以下、IPCと略す)156.9部を徐々に撹拌しながら添加し反応させた。
この反応で溶液の温度は70℃に上昇した。反応開始から40分間攪拌を継続した後、平均粒径が10μmの水酸化カルシウム粉末を57.1部添加し、15分間撹拌した後、さらに連続式二軸混練機(クリアランス:0.5mm)で3分間混練処理した後に反応を終了させて重合溶液を取り出し、透明な重合溶液を得た。
この重合溶液からポリメタフェニレンイソフタルアミドを単離してIVを測定したところ1.82であった。また、この重合溶液のポリマー濃度は16%であった。これをデジタルマイクロスコープで観察したところ、残存粒子のない溶液であることが確認された。
[実施例2]
連続式二軸混練機(クリアランス:5mm)で5分間混練処理する以外は実施例1と全く同様にして、透明な重合溶液を得た。これをデジタルマイクロスコープで観察したところ、残存粒子のない溶液であることが確認された。
[実施例3]
実施例1と同様に、温度計、撹拌装置及び原料投入口を備えた反応容器に、水分率が100ppm以下のNMP854.8部を入れ、このNMP中にMPDA83.4部を溶解し、0℃に冷却した。この冷却したジアミン溶液にIPC156.9部を徐々に撹拌しながら添加し反応させた。この反応で溶液の温度は70℃に上昇した。反応開始から40分間攪拌を継続した後、予めボールミルで窒素雰囲気下に前処理して平均粒径を4μmとした水酸化カルシウム粉末を57.1部添加し、10分間撹拌した後、さらに連続式二軸混練機(クリアランス:0.5mm)で1分間混練処理した後に反応を終了させて重合溶液を取り出し、透明な重合溶液を得た。
この重合溶液からポリメタフェニレンイソフタルアミドを単離してIVを測定したところ1.82であった。また、この重合溶液のポリマー濃度は16%であった。これをデジタルマイクロスコープで観察したところ、残存粒子のない溶液であることが確認された。
この重合溶液を紡糸原液に用いて、塩化カルシウム40重量%、NMP5重量%、残りの水が55重量%からなる凝固浴中に紡糸速度10m/分で湿式紡糸し、全延伸倍率3.0倍にて延伸・熱処理したところ、工程調子は良好で、単糸切れなどは全く見られなかった。
[実施例4]
実施例1と同様にして、温度計、撹拌装置及び原料投入口を備えた反応容器に水分率が100ppm以下のNMP753.8部を入れ、このNMP中にMPDA85.7部を溶解し、0℃に冷却した。この冷却したジアミン溶液にIPC160.5部を徐々に攪拌しながら添加し反応させた。この反応で溶液の温度は70℃に上昇した。反応開始から40分間攪拌を継続した後、平均粒径が10μmの水酸化カルシウム粉末を58.7部添加して15分間撹拌し、さらにバッチ式プラネタリーミキサー(クリアランス:3mm)で10分間混練処理した後に反応を終了させ重合溶液を取り出し、透明な重合溶液を得た。
この重合溶液からポリメタフェニレンイソフタルアミドを単離してIVを測定したところ1.42であった。また、この重合溶液のポリマー濃度は17.8%であった。これをデジタルマイクロスコープで観察したところ、残存粒子のない溶液であることが確認された。
[実施例5]
実施例1と同様にして、温度計、撹拌装置及び原料投入口を備えた反応容器に水分率が100ppm以下のNMP753.8部を入れ、このNMP中にMPDA85.7部を溶解し、0℃に冷却した。この冷却したジアミン溶液にIPC160.5部を徐々に攪拌しながら添加し反応させた。この反応で溶液の温度は70℃に上昇した。反応開始から40分間攪拌を継続した後、バッチ式プラネタリーミキサー(クリアランス:3mm)で混練しながら平均粒径10μmの水酸化カルシウム粉末を58.7部添加して20分間混練した後に反応を終了させ重合溶液を取り出し、透明な重合溶液を得た。
この重合溶液からポリメタフェニレンイソフタルアミドを単離してIVを測定したところ1.40であった。また、この重合溶液のポリマー濃度は17.8%であった。これをデジタルマイクロスコープで観察したところ、残存粒子のない溶液であることが確認された。
[比較例1]
実施例1と同様にして、反応容器にNMP731.5部を入れ、このNMP中にMPDA93.4部を溶解し、0℃に冷却した。この冷却したジアミン溶液にIPC175.1部を徐々に攪拌しながら添加し反応させた。この反応で溶液の温度は70℃に上昇した。反応開始から40分間攪拌を継続した後、平均粒径が15μmの水酸化カルシウム粉末を64.0部添加し、40分間攪拌して中和反応を終了させて重合溶液を取り出し、透明な重合溶液を得た。
この重合溶液からポリメタフェニレンイソフタルアミドを単離してIVを測定したところ1.61であった。また、溶液のポリマー濃度は19.3%であった。これをデジタルマイクロスコープで観察したところ、未反応の水酸化カルシウムが無数に存在することが認められた。
[比較例2]
実施例1と同様にして、反応容器にNMP731.5部を入れ、このNMP中にMPDA93.4部を溶解し、0℃に冷却した。この冷却したジアミン溶液にIPC175.1部を徐々に攪拌しながら添加し反応させた。この反応で溶液の温度は70℃に上昇した。反応開始から40分間攪拌を継続した後、平均粒径が10μmの水酸化カルシウム粉末を64.0部添加し、40分間攪拌し、さらにバッチ式プラネタリーミキサー(クリアランス:7mm)で10分間混練処理した後に反応を終了させて、重合溶液を取り出し、透明な重合溶液を得た。
この重合溶液からポリメタフェニレンイソフタルアミドを単離してIVを測定したところ1.61であった。また、この重合溶液のポリマー濃度は19.3%であった。これをデジタルマイクロスコープで観察したところ、未反応の水酸化カルシウム粒子が残存することが認められた。

Claims (3)

  1. 全芳香族ジアミンと全芳香族ジカルボン酸クロライドとを有機溶媒中で重合した後、該重合で副生する塩化水素を無機アルカリで乾式中和し、さらに、中和した重合溶液をクリアランスが6mm以下のバッチ式又は連続式の混練装置で撹拌・混練する後処理を行うことにより、該溶液中に残存する無機アルカリの中和反応を完結せしめることを特徴とするメタ型全芳香族ポリアミド溶液の製造法。
  2. 全芳香族ジアミンと全芳香族ジカルボン酸クロライドとを有機溶媒中で重合した後、該重合で副生する塩化水素を、無機アルカリで乾式中和する際、無機アルカリを添加した重合溶液をクリアランスが6mm以下のバッチ式又は連続式の混練装置を用いて撹拌・混練しながら乾式中和することにより、無機アルカリの中和反応を完結せしめることを特徴とするメタ型全芳香族ポリアミド溶液の製造法。
  3. 中和剤として使用する無機アルカリが、炭酸カルシウム、炭酸リチウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の無機アルカリであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のメタ型全芳香族ポリアミド溶液の製造法。
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