JP4970304B2 - 二部材組付け構造 - Google Patents
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Description
第1の発明は、所定の装着部材を相手部材に組み付けるために、装着部材に設けられている座部に取り付けたクリップを、相手部材に開けられているクリップ孔に挿入する形式の二部材組付け構造であって、クリップは、該クリップが相手部材のクリップ孔に挿入されたときに、内方へ押し撓められるように弾性変形しながらクリップ孔を通過する係止腕を有する。この係止腕に、クリップ孔の縁部に係止してクリップが相手部材から外れないように保持する係止面が設けられている。
装着部材の座部は、相手部材の内面を基準とするクリップの取付け高さが異なる高保持用および低保持用が準備されているとともに、クリップにおける係止腕の係止面は、傾斜角度の異なる高保持用および低保持用がある。高保持用あるいは低保持用のいずれかの座部を選択してクリップを取り付けることにより、この選択に対応した高保持用あるいは低保持用の係止面がクリップ孔の縁部に係止するように構成されている。
これにより、相手部材のクリップ孔に対するクリップの挿入荷重がより安定する。
この構成によれば、クリップを取り付ける装着部材の座部を選択することで、このクリップの保持荷重を高保持あるいは低保持と使い分けるための構造が簡素化される。
このように、クリップの形式を、その結合部の両外側に係止腕がそれぞれ設けられた構成とすることにより、相手部材のクリップ孔に対するクリップの保持が高保持あるいは低保持のいずれにおいても安定する。
二部材を組み付けるために用いるクリップ10は、図1〜図4で示すように頭部12の側が閉塞され、基部14の側が開放された形状であり、合成樹脂材によって一体に成形されている。このクリップ10により、図1で示すセンタークラスタなどの装着部材30をインストルメントパネルなどの相手部材40に組み付けることが可能である。
クリップ10は、結合部16と、この結合部16の両外側に位置する一対の係止腕20とを有する。結合部16は、クリップ10の頭部12側から基部14側に向かって突出しているとともに、該基部14に向かって開放されている。そして、結合部16の相対向する内側面17には、開放側の端部近くにおいて係合爪18がそれぞれ設けられている。また、結合部16はクリップ10の頭部12側を支点として左右へ開くように弾性変形することが可能である。
両係止腕20には、個々の自由端側で連続した「U」字状のスリット22がそれぞれ設けられている(図3)。これにより、両係止腕20は個々の幅方向に関し、その中央に位置する一つの分割片24と、その両側に位置する一対の分割片26とにそれぞれ分けられており、これらの分割片24,26が個別に弾性変形するようになっている。なお、一対の分割片26の自由端部は連接部分28によって繋がっているいるとともに、中央に位置する分割片24の幅は、両分割片26の幅の合計値とほぼ等しく設定されている。なお、これらの分割片24,26が個々に撓むときの弾性力は、クリップ10の後述する保持力の目標に応じて個別もしくは均等の値に設定される。
また、高保持用の係止面24aは、クリップ孔42に対するクリップ10の挿入方向に関する範囲が狭く、低保持用の係止面26aは、その範囲が広い。言い換えると、高保持用の係止面24aは、クリップ10の基部14に近い所定の範囲だけを占めているのに対し、低保持用の係止面26aは、係止面24aよりも基部14に近い箇所から遠い箇所までの範囲を占めている(図3および図4)。
リブ32a,34aには、それぞれの両面にわたって貫通する係合孔32c,34cが開けられている。前記のようにリブ32a,34aが結合部16の両内側面17の間に進入することにより、係合孔32c,34cにクリップ10における結合部16の両係合爪18がリブ32a,34aの両側から係合する。つまり、これらの係合孔32c,34cは、それぞれの座部32,34に対するクリップ10の取付け高さを決定することができる。
そして、寸法L1,L2は、(L1<L2)に設定されている。このため、二種類の座部32,34を使い分けることにより、相手部材40の内面41を基準とする係合孔32c,34cの位置が二段階に切り替えられる。つまり、低保持用の座部32よりも高保持用の座部34の方が、相手部材40の内面41を基準としたときのクリップ10の取付け位置が高くなる。
まず、クリップ10を低保持荷重で使用する場合、該クリップ10を装着部材30における低保持用の座部32に対し、その先端側から取り付ける。これにより、クリップ10の結合部16に、その開放側から両内側面17の間に座部32のリブ32aが相対的に進入する。このときのリブ32aは、結合部16を左右へ押し開きながら両係合爪18の間を進入し、結果的に両係合爪18が係合孔32cに両側から係合する。
この状態においては、結合部16の両内側面17がリブ32aをその両側面から挟み付けているとともに、結合部16は座部32の両側板32bの間に収まっている(図6および図7)。これにより、クリップ10が装着部材30の座部32に、安定した状態で取り付けられる。そして、このときのクリップ10は、図5の(A)で示す寸法L1に基づいた取付け位置になっている。
一方、両係止腕20における高保持用の分割片24は、それぞれの係止面24aおよび肩部24bがクリップ孔42を通過しきっておらず、内方へ押し撓められたままである。このため、クリップ孔42に対するクリップ10の保持荷重は、低保持用の係止面26aによってほぼ決定される。
そして、この状態では低保持用の分割片26における係止面26aもクリップ孔42の縁部に係止しており(図9)、それによってクリップ孔42に対するクリップ10のガタツキが抑えられる。また、このときのクリップ孔42に対するクリップ10の保持荷重は高保持用の係止面24aによってほぼ決定される。
なお、二種類の座部32,34は、装着部材30の規格などに基づいて一方を採用するのが一般的であり、仮に一つの装着部材30に二種類の座部32,34をそれぞれ採用するとしても、座部32,34の配置箇所は明確に分離される。したがって、装着部材30にクリップ10を取り付ける工程では、保持荷重を使い分けるための判断を必要とせず、作業ミスが解消される。
また、図10で示すクリップ10においては、両係止腕20が高保持用の分割片24と低保持用の分割片26とに二分割されている。つまり、この図面で示すクリップ10の両係止腕20は、高保持用の分割片24および低保持用の分割片26を共に一個ずつ備えた構成になっている。
さらに、クリップ10の形式については、それに要求される保持荷重に伴い、例えば図4において結合部16の左右両側の片側にのみ係止腕20を配置したものもある。その場合にも、図1ないし図9で示す係止腕20の構成、あるいは図10で示す係止腕20の構成を採用することにより、前述した場合と同様の機能をはたすことができる。
20 係止腕
24 分割片
24a 係止面
26 分割片
26a 係止面
30 装着部材
32,34 座部
40 相手部材
42 クリップ孔
Claims (5)
- 所定の装着部材を相手部材に組み付けるために、装着部材に設けられている座部に取り付けたクリップを、相手部材に開けられているクリップ孔に挿入する形式の二部材組付け構造であって、
クリップは、該クリップが相手部材のクリップ孔に挿入されたときに、内方へ押し撓められるように弾性変形しながらクリップ孔を通過する係止腕を有し、この係止腕に、クリップ孔の縁部に係止してクリップが相手部材から外れないように保持する係止面が設けられ、装着部材の座部は、相手部材の内面を基準とするクリップの取付け高さが異なる高保持用および低保持用が準備されているとともに、クリップにおける係止腕の係止面は、傾斜角度の異なる高保持用および低保持用があり、高保持用あるいは低保持用のいずれかの座部を選択してクリップを取り付けることにより、この選択に対応した高保持用あるいは低保持用の係止面がクリップ孔の縁部に係止するように構成された二部材組付け構造。 - 請求項1に記載された二部材組付け構造であって、
クリップの係止腕は、高保持用および低保持用の係止面よりも外方へ張り出した肩部を備え、この肩部は、クリップが相手部材のクリップ孔に挿入されるときに該クリップ孔の内周に接触して係止腕を内方へ押し撓める形状に設定されている二部材組付け構造。 - 請求項1又は2に記載された二部材組付け構造であって、
クリップの係止腕に設けられている高保持用および低保持用の係止面は、係止腕の幅方向に関して個別に配列されているとともに、クリップ孔に対するクリップの挿入方向に関する個々の位置または斜面の範囲が異なるように設定されている二部材組付け構造。 - 請求項3に記載された二部材組付け構造であって、
クリップの係止腕は、その幅方向に関して、高保持用の係止面を有する分割片と、低保持用の係止面を有する分割片とに分けられており、これらの分割片が個別に弾性変形可能になっている二部材組付け構造。 - 請求項1,2,3又は4に記載された二部材組付け構造であって、
クリップは、装着部材の座部に取り付けることが可能な結合部を有するとともに、係止腕は結合部の両外側にそれぞれ設けられている二部材組付け構造。
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