JP4969769B2 - 高分子修飾剤及び医薬組成物 - Google Patents
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Description
F. M. VeroneseとJ. M. Harris編、「Peptide and Protein Pegylation」、Advanced Drug Delivery Reviews, 54(4)、2002年
すなわち本発明は、
(1)下記式(I)
(置換基群Aは、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基及びカルボキシル基からなる群である。)
である。
上記共重合体又はその薬理上許容される塩のうち、好適には、
(2)式(I)の構造単位及び式(II)の構造単位が頭−頭構造、頭−尾構造、又は、その組み合わせで交互共重合している共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(3)式(I)の構造単位及び式(II)の構造単位がランダム共重合している共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(4)Alkがエチレン又はトリメチレン基である(1)乃至(3)の何れか1項に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(5)Alkがエチレン基である(4)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(6)mが3乃至50である(1)乃至(5)の何れか1項に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(7)mが3乃至40である(6)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(8)mが6乃至16又は28乃至38である(7)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(9)mが6乃至16である(8)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(10)R1が水素原子又はC1−C6アルキル基である(1)乃至(9)の何れか1項に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(11)R1が水素原子又はメチル基である(10)に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(12)R1が水素原子である(11)に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(13)R2が水素原子又はC1−C6アルキル基である(1)乃至(12)の何れか1項に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(14)R2が水素原子又はメチル基である(13)に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(15)R2がメチル基である(14)に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(16)R3が水酸基、C1−C6アルコキシ基、水酸基で1置換されたC1−C6アルコキシ基、又は、‐NR4R5(式中、R4及びR5は独立して水素原子、C1−C6アルキル基、又は、水酸基で1置換されたC1−C6アルキル基を示す。)で表される基である(1)乃至(15)の何れか1項に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(17)R3が水酸基、C1−C6アルコキシ基、又は、‐NR4R5(式中、R4及びR5は独立して水素原子、又は、C1−C6アルキル基を示す)で表される基である(16)に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(18)R3が水酸基、又は、C1−C6アルコキシ基である(17)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(19)R3が水酸基である式(II)の構造単位とR3がC1−C6アルコキシ基である式(II)の構造単位の比率が4:6乃至0:10である(18)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(20)R3がC1−C6アルコキシ基である(18)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(21)アルコキシ基がエトキシ基である(18)乃至(20)の何れか1項に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(22)R3が水酸基、又は、式‐NR4R5(式中、R4及びR5は独立して水素原子、又は、C1−C6アルキル基を示す。)で表される基である(17)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(23)R3が水酸基である式(II)の構造単位とR3が式‐NR4R5(式中、R4及びR5は独立して水素原子、又は、C1−C6アルキル基を示す)で表される基である式(II)の構造単位の比率が5:5乃至0:10である(22)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(24)R3が水酸基である式(II)の構造単位とR3が式‐NR4R5(式中、R4及びR5は独立して水素原子、又は、C1−C6アルキル基を示す)で表される基である式(II)の構造単位の比率が4:6乃至0:10である(23)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(25)R3が式‐NR4R5(式中、R4及びR5は独立して水素原子、又は、C1−C6アルキル基を示す)で表される基である(22)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(26)式‐NR4R5(式中、R4及びR5は独立して水素原子、又は、C1−C6アルキル基を示す)で表される基がアミノ基、メチルアミノ基、又は、ジメチルアミノ基である(22)乃至(25)の何れか1項に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(27)式‐NR4R5(式中、R4及びR5は独立して水素原子、又は、C1−C6アルキル基を示す。)で表される基がアミノ基である(26)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(28)式‐NR4R5(式中、R4及びR5は独立して水素原子、又は、C1−C6アルキル基を示す。)で表される基がジメチルアミノ基である(26)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(29)R3が水酸基である(16)の共重合体又はその薬理学上許容される塩であり、
(30)R3が1−アミノー2−プロパノール基である(16)の共重合体又はその薬理学上許容される塩であり、
(31)式(I)の構造単位と式(II)の構造単位との比率が10:1乃至1:10である(1)乃至(30)の何れか1項に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(32)式(I)の構造単位と式(II)の構造単位との比率が3:1乃至1:8である(31)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(33)式(I)の構造単位と式(II)の構造単位との比率が2:1乃至1:2又は1:2乃至1:6である(32)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(34)式(I)の構造単位と式(II)の構造単位との比率が1:1又は1:2乃至1:4である(33)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(35)平均重合度が5乃至200である(1)乃至(34)の何れか1項に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(36)平均重合度が5乃至50である(35)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(37)平均重合度が5乃至20である(36)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(38)平均重合度が20乃至30である(36)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(39)平均重合度が30乃至40である(36)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(40)ストークス半径が9.3nm以下である(1)乃至(39)の何れか1項に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(41)ストークス半径が7.3nm以下である(40)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(42)ストークス半径が6.2nm以下である(41)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(43)ストークス半径が4.7nm以下である(42)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(44)ストークス半径が3.1nm以下である(43)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(45)ストークス半径が1.5nm乃至4.7nmである(43)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(46)ストークス半径が3.1nm乃至6.2nmである(42)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(47)AlKがエチレン基、R1が水素原子、R2がメチル基であり、m、R3、式(I)の構造単位と式(II)の構造単位との比率(組成比という)、R3が水酸基である式(II)の構造単位とR3が水酸基以外である式(II)の構造単位の比率(加水分解率という)、及び、ストークス半径が下記の何れかの組み合わせである、(1)の共重合体又はその薬理上許容される塩、
(i)mが6乃至16、R3が水酸基、組成比が1:1、平均重合度が30乃至40、
(ii)mが28乃至38、R3が水酸基、組成比が1:1、平均重合度が10乃至15、
(iii)mが6乃至16、R3がアミノ基、組成比が1:1、平均重合度が30乃至40、
(iv)mが6乃至16、R3がジメチルアミノ基、組成比が1:1、平均重合度が30乃至40、
(v)mが6乃至16、R3が1−アミノ‐2‐プロパノール基、組成比が1:1、平均重合度が30乃至40、
(vi)mが6乃至16、R3がエトキシ基及び水酸基、組成比が1:1、平均重合度が30乃至40、加水分解率が4:6、
(vii)mが28乃至38、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:1、平均重合度が10乃至15、加水分解率が4:6、
(viii)mが28乃至38、R3がジメチルアミノ基及び水酸基、組成比が1:1、平均重合度が30乃至40、加水分解率が4:6、
(ix)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:1、平均重合度が30乃至40、加水分解率が3.1:6.9、ナトリウム塩、
(x)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:1、平均重合度が30乃至40、加水分解率が1.4:8.6、
(xi)mが6乃至16、R3がジメチルアミノ基及び水酸基、組成比が1:1、平均重合度が30乃至40、加水分解率が2.9:7.1、ナトリウム塩、
(xii)mが6乃至16、R3がアミノ基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、
(xiii)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が0.4:9.6、
(xiv)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が2.9:7.1、
(xv)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が0.9:9.1、
(xvi)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が0.5:9.5、
(xvii)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が1.3:8.7、
(xviii)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が1.9:8.1、
(xix)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が1.0:9.0、
(xx)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が0.8:9.2、
(xxi)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が4.6:5.4、
(xxii)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が1.2:8.8、
(xxiii)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が2:8、
(xxiv)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が1.1:8.9、
(xxv)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が2.4:7.6、
(xxvi)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が0.9:9.1、
(xxvii)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が1.5:8.5、
(xxviii)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が0.7:9.3、
(xxix)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が4.5:5.5、
(xxx)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が1.4:8.5、
(xxxi)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が0.7:9.3、
(xxxii)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が0.8:9.2、
(xxxiii)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が1.4:8.6、
(xxxiv)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:3.1、平均重合度が20乃至30、加水分解率が0.7:9.3、
(xxxv)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が0.9:9.1、
(xxxvi)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が1.9:8.1、
(xxxvii)mが6乃至16、R3がエトキシ基及び水酸基、組成比が1:3、平均重合度が20乃至30、加水分解率が3.1:6.9、
(xxxviii)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:1、加水分解率が1.4:8.6、ストークス半径が9.3nm以下、
(xxxix)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:1、加水分解率が1.4:8.6、ストークス半径が3.1nm乃至6.2nm、
(xl)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:1、加水分解率が1.4:8.6、ストークス半径が1.5nm乃至4.7nm、
(xli)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:1、加水分解率が1.4:8.6、ストークス半径が3.1nm以下、
(xlii)
)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:1、加水分解率が1.4:8.6、ストークス半径が7.8nm以下、
(xliii)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:1、加水分解率が1.4:8.6、ストークス半径が6.2nm以下、
(xliv)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:1、加水分解率が1.4:8.6、ストークス半径が4.7nm以下、
また、本発明の別の態様は、
(48)下記式(I)
a)加水分解、b)アンモノリシス、c)アミノリシス、d)アルコリシス、又は、e)任意にa)からd)のうち2以上の反応を組み合わせた反応
を行うことにより得られる共重合体又はその薬理上許容される塩、
(置換基群Aは、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基及びカルボキシル基からなる群である。)
である。
上記共重合体のうち、好適には、
(49)式(I)の構造単位及び式(III)の構造単位が頭−頭構造、頭−尾構造、又は、その組み合わせで交互共重合している(48)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(50)式(I)の構造単位及び式(III)の構造単位がランダム共重合している(48)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(51)Alkがエチレン又はトリメチレン基である(48)乃至(50)の何れか1項に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(52)Alkがエチレン基である(51)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(53)mが3乃至50である(48)乃至(52)の何れか1項に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(54)mが3乃至40である(53)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(55)mが6乃至16又は28乃至38である(54)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(56)mが6乃至16である(55)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(57)R1が水素原子又はC1−C6アルキル基である(48)乃至(56)の何れか1項に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(58)R1が水素原子又はメチル基である(57)に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(59)R1が水素原子である(58)に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(60)R2が水素原子又はC1−C6アルキル基である(48)乃至(59)の何れか1項に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(61)R2が水素原子又はメチル基である(60)に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(62)R2がメチル基である(61)に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(63)式(I)の構造単位と
式(III)の構造に対して、
a)加水分解、b)アンモノリシス、c)アミノリシス、d)アルコリシス、又は、e)任意にa)からd)のうち2以上の反応を組み合わせた反応
を行うことにより得られる構造単位との比率が10:1乃至1:10である(48)乃至(62)の何れか1項に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(64)式(I)の構造単位と
式(III)の構造に対して、
a)加水分解、b)アンモノリシス、c)アミノリシス、d)アルコリシス、又は、e)任意にa)からd)のうち2以上の反応を組み合わせた反応
を行うことにより得られる構造単位との比率が3:1乃至1:8である(63)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(65)式(I)の構造単位と
式(III)の構造に対して、
a)加水分解、b)アンモノリシス、c)アミノリシス、d)アルコリシス、又は、e)任意にa)からd)のうち2以上の反応を組み合わせた反応
を行うことにより得られる構造単位との比率が2:1乃至1:2又は1:2乃至1:6である(64)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(66)式(I)の構造単位と
式(III)の構造に対して、
a)加水分解、b)アンモノリシス、c)アミノリシス、d)アルコリシス、又は、e)任意にa)からd)のうち2以上の反応を組み合わせた反応
を行うことにより得られる構造単位との比率が1:1又は1:2乃至1:4である(65)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(67)平均重合度が5乃至200である(48)乃至(66)の何れか1項に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(68)平均重合度が5乃至50である(67)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(69)平均重合度が5乃至20である(68)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(70)平均重合度が20乃至30である(68)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(71)平均重合度が30乃至40である(68)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(72)ストークス半径が9.3nm以下である(48)乃至(71)の何れか1項に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(73)ストークス半径が7.3nm以下である(72)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(74)ストークス半径が6.2nm以下である(73)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(75)ストークス半径が4.7nm以下である(74)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(76)ストークス半径が3.1nm以下である(75)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(77)ストークス半径が1.5nm乃至4.7nmである(75)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(78)ストークス半径が3.1nm乃至6.2nmである(74)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(79)式(III)の構造単位の無水カルボン酸部分構造に対して、アンモノリシスを行う(48)乃至(78)の何れか1項に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(80)アンモニア水を用いてアンモノリシスを行う(79)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(81)式(III)の構造単位の無水カルボン酸部分構造に対して、アミノリシスを行う(48)乃至(78)の何れか1項に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(82)ジメチルアミン水溶液を用いてアミノリシスを行う(81)の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(83)式(III)の構造単位の無水カルボン酸部分構造に対して、アルコリシスを行う(48)乃至(78)の何れか1項に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩であり、
(84)エタノールを用いてアルコリシスを行う(83)の共重合体又はその薬理上許容される塩である。
さらに、本発明の共重合体又はその薬理上許容される塩を用いた医薬組成物、タンパク質修飾剤、複合体、タンパク質の血中滞留性を向上させる方法、及び、疾患の治療方法は、
(85)(1)乃至(84)の何れか1項に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬組成物であり、
(86)(1)乃至(84)の何れか1項に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩及びタンパク質を含有する(85)の医薬組成物であり、
(87)タンパク質が、塩基性タンパク質である(86)の医薬組成物であり、
(88)塩基性タンパク質が、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、表皮細胞成長因子(EGF)、破骨細胞形成抑制因子(OCIF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、神経細胞成長因子(NGF)、ヒト成長ホルモン(HGH)、肝細胞増殖因子(HGF)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)又はそれらの類縁体若しくは変異体である(87)の医薬組成物であり、
(89)塩基性タンパク質が、破骨細胞形成抑制因子(OCIF)又はその類縁体若しくは変異体である(88)の医薬組成物であり、
(90)破骨細胞形成抑制因子(OCIF)又はその類縁体若しくは変異体が、天然型OCIF又はその類縁体若しくは変異体、あるいは、組換え型OCIF又はその類縁体若しくは変異体である(89)の医薬組成物であり、
(91)破骨細胞形成抑制因子(OCIF)又はその類縁体若しくは変異体が、単量体OCIF又はその類縁体若しくは変異体、あるいは、ニ量体OCIF又はその類縁体若しくは変異体である(89)の医薬組成物であり、
(92)破骨細胞形成抑制因子(OCIF)又はその類縁体若しくは変異体が、非還元SDS電気泳動により約60000の分子量を示す単量体ヒトOCIF又はその類縁体若しくは変異体、あるいは、非還元SDS電気泳動により約120000の分子量を示すニ量体ヒトOCIF又はその類縁体若しくは変異体である(89)の医薬組成物であり、
(93)破骨細胞形成抑制因子(OCIF)又はその類縁体若しくは変異体が、配列表の配列番号1の‐21乃至+380からなるアミノ酸配列を含むタンパク質である(89)の医薬組成物であり、
(94)破骨細胞形成抑制因子(OCIF)又はその類縁体若しくは変異体が、配列表の配列番号1の+1乃至+380からなるアミノ酸配列を含むタンパク質である(93)の医薬組成物であり、
(95)骨代謝異常症の予防及び/又は治療剤であることを特徴とする、(89)乃至(94)の何れか1項に記載の医薬組成物であり、
(96)(1)乃至(84)の何れか1項に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩を含有し、且つ、タンパク質を修飾することができるタンパク質修飾剤であり、
(97)タンパク質が、塩基性タンパク質である(96)のタンパク質修飾剤であり、
(98)塩基性タンパク質が、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、表皮細胞成長因子(EGF)、破骨細胞形成抑制因子(OCIF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、神経細胞成長因子(NGF)、ヒト成長ホルモン(HGH)、肝細胞増殖因子(HGF)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)又はそれらの類縁体若しくは変異体である(97)のタンパク質修飾剤であり、
(99)塩基性タンパク質が、破骨細胞形成抑制因子(OCIF)又はその類縁体若しくは変異体である(98)のタンパク質修飾剤であり、
(100)破骨細胞形成抑制因子(OCIF)又はその類縁体若しくは変異体が、天然型OCIF又はその類縁体若しくは変異体、あるいは、組換え型OCIF又はその類縁体若しくは変異体である(99)のタンパク質修飾剤であり、
(101)破骨細胞形成抑制因子(OCIF)又はその類縁体若しくは変異体が、単量体OCIF又はその類縁体若しくは変異体、あるいは、ニ量体OCIF又はその類縁体若しくは変異体である(99)のタンパク質修飾剤であり、
(102)破骨細胞形成抑制因子(OCIF)又はその類縁体若しくは変異体が、非還元SDS電気泳動により約60000の分子量を示す単量体ヒトOCIF又はその類縁体若しくは変異体、あるいは、非還元SDS電気泳動により約120000の分子量を示すニ量体ヒトOCIF又はその類縁体若しくは変異体である(99)のタンパク質修飾剤であり、
(103)破骨細胞形成抑制因子(OCIF)又はその類縁体若しくは変異体が、配列表の配列番号1の‐21乃至+380からなるアミノ酸配列を含むタンパク質である(99)のタンパク質修飾剤であり、
(104)破骨細胞形成抑制因子(OCIF)又はその類縁体若しくは変異体が、配列表の配列番号1の+1乃至+380からなるアミノ酸配列を含むタンパク質である(103)のタンパク質修飾剤であり、
(105)(1)乃至(84)の何れか1項に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩が少なくとも一つ結合したタンパク質を含有する複合体であり、
(106)タンパク質が、塩基性タンパク質である(105)の複合体であり、
(107)塩基性タンパク質が、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、表皮細胞成長因子(EGF)、破骨細胞形成抑制因子(OCIF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、神経細胞成長因子(NGF)、ヒト成長ホルモン(HGH)、肝細胞増殖因子(HGF)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)又はそれらの類縁体若しくは変異体である(106)の複合体であり、
(108)塩基性タンパク質が、破骨細胞形成抑制因子(OCIF)又はその類縁体若しくは変異体である(107)の複合体であり、
(109)破骨細胞形成抑制因子(OCIF)又はその類縁体若しくは変異体が、天然型OCIF又はその類縁体若しくは変異体、あるいは、組換え型OCIF又はその類縁体若しくは変異体である(108)の複合体であり、
(110)破骨細胞形成抑制因子(OCIF)又はその類縁体若しくは変異体が、単量体OCIF又はその類縁体若しくは変異体、あるいは、ニ量体OCIF又はその類縁体若しくは変異体である(108)の複合体であり、
(111)破骨細胞形成抑制因子(OCIF)又はその類縁体若しくは変異体が、非還元SDS電気泳動により約60000の分子量を示す単量体ヒトOCIF又はその類縁体若しくは変異体、あるいは、非還元SDS電気泳動により約120000の分子量を示すニ量体ヒトOCIF又はその類縁体若しくは変異体である(108)の複合体であり、
(112)破骨細胞形成抑制因子(OCIF)又はその類縁体若しくは変異体が、配列表の配列番号1の‐21乃至+380からなるアミノ酸配列を含むタンパク質である(108)の複合体であり、
(113)破骨細胞形成抑制因子(OCIF)又はその類縁体若しくは変異体が、配列表の配列番号1の+1乃至+380からなるアミノ酸配列を含むタンパク質である(112)の複合体であり、
(114)(105)乃至(113)の何れか1項記載の複合体を有効成分として含有する医薬組成物であり、
(115)(108)乃至(113)の何れか1項記載の複合体を有効成分として含有する医薬組成物であり、
(116)骨代謝異常症の予防及び/又は治療剤である、(115)の医薬組成物であり、
(117)下記式(I)
a)加水分解、b)アンモノリシス、c)アミノリシス、d)アルコリシス、又は、e)任意にa)からd)のうち2以上の反応を組み合わせた反応
を行い、該反応液から(1)乃至(84)に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩を単離・精製することを特徴とする、(1)乃至(84)に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩の製造方法、
(置換基群Aは、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基及び炭酸基からなる群である)
であり、
(118)(1)乃至(84)の何れか1項に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩とタンパク質を複合体形成に適した条件下で混合することを特徴とする(105)乃至(113)の何れか1項に記載の複合体の製造方法であり、
(119)(1)乃至(84)の何れか1項に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩が少なくとも一つ結合したタンパク質を含有する複合体を投与することにより、該タンパク質又はその類縁体若しくは変異体の血中滞留性を向上させる方法であり、
(120)タンパク質が、塩基性タンパク質である(119)の方法であり、
(121)塩基性タンパク質が、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、表皮細胞成長因子(EGF)、破骨細胞形成抑制因子(OCIF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、神経細胞成長因子(NGF)、ヒト成長ホルモン(HGH)、肝細胞増殖因子(HGF)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)又はそれらの類縁体若しくは変異体である(120)の方法であり、
(122)塩基性タンパク質が、破骨細胞形成抑制因子(OCIF)又はその類縁体若しくは変異体である(121)の方法であり、
(123)破骨細胞形成抑制因子(OCIF)又はその類縁体若しくは変異体が、天然型OCIF又はその類縁体若しくは変異体、あるいは、組換え型OCIF又はその類縁体若しくは変異体である(122)の方法であり、
(124)(1)乃至(84)の何れか1項に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩が少なくとも一つ結合したタンパク質を含有する複合体を投与することにより、該タンパク質の異常に起因する疾患、又は、該タンパク質の血中量が増大することにより治療又は予防効果が期待される疾患を予防及び/又は治療する方法であり、
(125)タンパク質が、塩基性タンパク質である(124)の方法であり、
(126)塩基性タンパク質が、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、表皮細胞成長因子(EGF)、破骨細胞形成抑制因子(OCIF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、神経細胞成長因子(NGF)、ヒト成長ホルモン(HGH)、肝細胞増殖因子(HGF)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)又はそれらの類縁体若しくは変異体である(125)の方法であり、
(127)塩基性タンパク質が、破骨細胞形成抑制因子(OCIF)又はその類縁体若しくは変異体である(126)の方法であり、
(128)破骨細胞形成抑制因子(OCIF)又はその類縁体若しくは変異体が、天然型OCIF又は組換え型OCIFである(127)の方法であり、
(129)疾患が、骨代謝異常症である(128)の方法である。
Rii/Ri = (C×FWi)/(2000‐C×FWii)
(式中、Riは共重合体1分子中の構造単位(I)、Riiは共重合体1分子中の構造単位(II)にそれぞれ対応してRi:Riiとして組成比を表し、Cは共重合体1g中のカルボキシル基含有量(mmol/g)、FWiは構造単位(I)の式量、FWiiは構造単位(II)の式量を其々表す。)
組成比の同定においては加水分解により製造された共重合体又はその塩を用いる必要があるが、このような共重合体は、後述のように出発物質を加水分解して製造することもできるし、本発明の共重合体を周知の方法により加水分解して製造することもできる。
平均重合度=(Mc×Ri)/(FWi×Ri+FWii×Rii)
(式中、Mcは共重合体の分子量、FWiは構造単位(I)の式量、FWiiは構造単位(II)の式量、Ri、Riiは組成比(Ri:Rii(Ri + Rii = 1となるよう調整))を其々表す。)。
A 2000×(Rii/Ri)‐C×(FWi+FWii×(Rii/Ri)
-------- = -----------------------------------------
H+A (Rii/Ri)×(C×(FW(A)ii‐FWii)+1000)
(式中、H、Aは加水分解率(H:A)、FWiは構造単位(I)の式量、FWiiはR3が水酸基である構造単位(II)の式量、FW(A)iiはR3がアルコキシ基、アリルオキシ基又はNR4R5である構造単位(II)の式量、Ri、Riiは組成比(Ri:Rii)、を其々表す。)
本発明の共重合体は、様々な加水分解率を有する共重合体が含まれ、加水分解率によって特に限定されるものではないが、本発明の共重合体の加水分解率の範囲として好適にはは、5:5乃至0:10、4:6乃至0:10、3:7乃至0:10、2:8乃至0:10及び1:9乃至0:10である。なお、加水分解により製造された共重合体は加水分解率が10:0であり、このような共重合体も好適な例としてあげることができる。
又、所望の平均重合度又は分子量を有する化合物を得るために、さらにゲルろ過クロマトグラフィーを用いて分画しても良い。
1)半透膜及び酢酸水溶液などの酸を用いた透析により過剰のアンモニアを除き(但し、適宜水で透析するなど反応液が酸性とならないような条件下で行う)、限外ろ過膜にて反応混合物を濃縮し、更に凍結乾燥するか、又は、
2)水酸化ナトリウム水溶液とジエチルエーテルのような混和しない有機溶媒を加え、振とう後、目的化合物を含む水層を分離し(必要に応じて振とうは複数回行っても良い)凍結乾燥すること、
で得られる。また、本発明の化合物は、濃縮、精製の過程を経ずに水溶液の状態で所望の用途に供することもできる。
又、所望の平均重合度又は分子量を有する化合物を得るために、さらにゲルろ過クロマトグラフィーを用いて分画しても良い。
1)半透膜及び酢酸水溶液などの酸を用いた透析により過剰のアンモニアを除き(但し、適宜水で透析するなど反応液が酸性とならないような条件下で行う)、限外ろ過膜にて反応混合物を濃縮し、更に凍結乾燥するか、又は、
2)水酸化ナトリウム水溶液とジエチルエーテルのような混和しない有機溶媒を加え、振とう後、目的化合物を含む水層を分離し(必要に応じて振とうは複数回行っても良い)凍結乾燥すること、
で得られる。また、本発明の化合物は、濃縮、精製の過程を経ずに水溶液の状態で所望の用途に供することもできる。
を用いた当業者周知の共重合反応(例えば、「Comprehensive Polymer Science」、Pergamon Press(Oxford)(1989年)等)によって得ることができる。なお、所望の平均重合度、分子量又は分子サイズを有する共重合体を得るために、さらにゲルろ過クロマトグラフィーを用いて分画しても良い。
側鎖を構成するポリオキシエチレン鎖の平均分子量が約500であり、主鎖の平均重合度が30乃至40である、ポリオキシエチレンアリルメチルジエーテル−無水マレイン酸共重合体(m=6乃至16、R1=水素原子、R2=メチル基、Alk=エチレン基:カタログ番号:AM-0530K、日本油脂(株)製)以下、「poly(PEG500-MA)」とする)3gに対し、蒸留水50mLを加えて溶解し、40℃で15時間撹拌した。この溶液を、ポリエーテルスルホン製限外ろ過膜(分画分子量:10000、型番:PBGC07610、Millipore社製)を使用して濃縮した後、凍結乾燥することにより、油状のpoly(PEG500-MA)h(化合物1) 1.3gを得た。
側鎖を構成するポリオキシエチレン鎖の平均分子量が約1500であり、主鎖の平均重合度が10乃至15である共重合体である、ポリオキシエチレンアリルメチルジエーテル−無水マレイン酸共重合体(m=28乃至38、R1=水素原子、R2=メチル基、Alk=エチレン基、カタログ番号:AM−1510K、日本油脂(株)製)、以下、「poly(PEG1500-MA)」とする)を出発物質として用いた。1.5gの前記poly(PEG1500-MA)に対し蒸留水25mLを加えて溶解し、室温で20時間撹拌した。この溶液を、実施例1で示した方法で濃縮した後、凍結乾燥することにより、油状のpoly(PEG1500-MA)h(化合物2)0.8gを得た。
poly(PEG500-MA)(AM−0530K、日本油脂(株)製)1gに対し、アンモニア水(アンモニアの重量濃度28%)9.5gを加えて溶解し、室温で16時間撹拌した。この反応液を、再生セルロース膜(分画分子量:12000乃至14000、型番:UC36−32−100、三光純薬(株)製)を使用して、0.1重量%の酢酸水溶液1Lに対して1日透析し、更に水1Lに対して1日透析した後、水1Lを入れ替えた後更に1日透析することで過剰のアンモニアを除去した。この透析後溶液を、ポリエーテルスルホン製限外ろ過膜(分画分子量:10000、型番:PBGC07610、Millipore社製)を使用して濃縮した後、凍結乾燥することにより、油状のpoly(PEG500-MA)a(化合物3)を得た。
poly(PEG500-MA)(AM−0530K、日本油脂(株)製)10gに対し、ジメチルアミン水溶液(ジメチルアミンの重量濃度50%) 71gを加えて溶解し、室温で20時間撹拌した。この反応液を、再生セルロース膜(分画分子量:12000乃至14000、型番:UC36−32−100、三光純薬(株)製)を使用して、0.1重量%の酢酸水溶液10Lに対して1日透析し、更に水10Lに対して1日透析し、水10Lを入れ替えた後更に1日透析することで過剰のアンモニアを除去した。この透析後溶液を、ポリエーテルスルホン製限外ろ過膜(分画分子量:10000、型番:PBGC07610、Millipore社製)を使用して濃縮した後、凍結乾燥することにより、油状のpoly(PEG500-MA)dma(化合物4)6.3gを得た。
poly(PEG500-MA)(AM-0530K、日本油脂(株)製)1.5gに対し、1−アミノ−2−プロパノール14gを加えて溶解し、室温で16時間撹拌した。この反応液に蒸留水300mLを加え、さらに氷酢酸を加えることにより中和した。この溶液を、ポリエーテルスルホン製限外ろ過膜(分画分子量:10000、型番;PBGC07610、Millipore社製)を使用して50mLに濃縮した。この濃縮液に蒸留水300mLを加えて、再び同様に濃縮した。この「蒸留水による濃縮液の希釈−濃縮」を5回繰り返すことにより、過剰の1−アミノ−2−プロパノールを除去した。この濃縮液を凍結乾燥することにより、油状のpoly(PEG500-MA)ipa(化合物5)1.3gを得た。
poly(PEG500-MA)(AM−0530K、日本油脂(株)製) 1.5gに対し、25gの100%エタノールを加えて溶解し、室温で16時間撹拌した。この反応液に水300mLを加え、ポリエーテルスルホン製限外ろ過膜(分画分子量:10000、型番:PBGC07610、Millipore社製)を使用して50mLに濃縮した。この濃縮液に蒸留水300mLを加えて、再び同様に濃縮した。この「蒸留水による濃縮液の希釈−濃縮」を5回繰り返すことにより、過剰のエタノールを除去した。この濃縮液を凍結乾燥することにより、油状のpoly(PEG500-MA)ea(化合物6) 0.8gを得た。
poly(PEG1500-MA)(AM−1510K、日本油脂(株)製)1.5gに対し、アンモニア水(アンモニアの重量濃度28%)14.5gを加えて溶解し、室温で20時間撹拌した。この溶液に蒸留水300mLを加え、さらに氷酢酸を使用して中和した後、ポリエーテルスルホン製限外ろ過膜(分画分子量:10000、型番:PBGC07610、Millipore社製)を使用して50mLまで濃縮した。この濃縮液に蒸留水300mLを加えて、再び同様に濃縮した。この「蒸留水による濃縮液の希釈−濃縮」を5回繰り返すことにより、過剰のアンモニアを除去した。その後、凍結乾燥することにより、油状のpoly(PEG1500-MA)a(化合物7) 0.7gを得た。
poly(PEG1500-MA)(AM−1510K、日本油脂(株)製) 1gに対し、ジメチルアミン水溶液(重量濃度50%)11gを加えて溶解し、室温で20時間撹拌した。この溶液に蒸留水300mLを加え、さらに氷酢酸を使用して中和した後、ポリエーテルスルホン製限外ろ過膜(分画分子量:10000、型番:PBGC07610、Millipore社製)を使用して50mLまで濃縮した。この濃縮液に蒸留水300mLを加えて、再び同様に濃縮した。この「蒸留水による濃縮液の希釈−濃縮」を5回繰り返すことにより、過剰のジメチルアミンを除去した。その後、凍結乾燥することにより、油状のpoly(PEG1500-MA)dma(化合物8)を得た。
実施例1乃至8で製造した高分子修飾剤(化合物1乃至8)をそれぞれリン酸緩衝生理食塩液(PBS(pH6.0)10mMのリン酸水素二ナトリウムと150mM塩化ナトリウムからなる水溶液、10mMのリン酸二水素ナトリウムと150mM塩化ナトリウムからなる水溶液を一定の体積比で混合して得られるpH6.0の緩衝液)に溶解し、修飾剤濃度が1mg/mL乃至20mg/mLである水溶液を調製した。この高分子修飾剤水溶液0.625mLに、ヒト成熟体OCIFタンパク質(WO96/26217に記載の方法により作製した。以下実施例において単に「OCIF」ということもある)の水溶液(タンパク質濃度2mg/mL、媒体PBS(pH6.0))0.625mLを加えて混和し4℃乃至37℃で1時間以上放置することにより、媒体をPBS(pH6.0)とする高分子修飾OCIF(以下「複合体」と呼ぶこともある、各種修飾剤(化合物1乃至8のいずれか)とOCIFの比率は、高分子修飾剤水溶液の濃度から求められる)の水溶液を得た。本実施例で得られた複合体中の修飾剤とOCIFの比率、及び混合条件の一例は、試験例2の表6に記載ざれている。本実施例で製造されたいくつかの複合体のストークス半径は試験例11に記載されている。本実施例で製造された複合体における、OCIFのELISA検出活性は試験例3に記載されている。
側鎖を構成するポリオキシエチレン鎖の平均分子量が約500であり、主鎖の平均重合度が30乃至40であるポリオキシエチレンアリルメチルジエーテル−無水マレイン酸共重合体(m=6乃至16、R1=水素原子、R2=メチル基、Alk=エチレン基:カタログ番号:AM-0530K(ロット番号:M34529)、日本油脂(株)製)以下、「poly(PEG500-MA)」とする)を出発物質とし、当該出発物質10.1gに対し、0.5Mアンモニア/1,4−ジオキサン溶液61mLを加え、25℃で20時間撹拌した。その後、この溶液に、ジエチルエーテル 200mLおよび0.2M水酸化ナトリウム水溶液 100mLを加え、激しく振とう後、下層を回収した。この下層に対し、ジエチルエーテル 200mLおよび1,4−ジオキサン 60mLを加えて、激しく振とうし、再び下層を回収した。この下層を凍結乾燥することにより、固体(黄色)のpoly(PEG500-MA)aナトリウム塩(化合物9) 10.1gを得た。
poly(PEG500-MA)(AM−0530K(ロット番号:M34529)日本油脂(株)製) 1gに対し、28重量%アンモニア水 9.5gを加えて溶解し、25℃で4時間撹拌した。この溶液に0.28%アンモニア水 250mLを加えてからポリエーテルスルホン製限外ろ過膜(分画分子量:10000、型番:PBGC07610、Millipore社製)を使用して濃縮し、凍結乾燥することにより油状のpoly(PEG500-MA)a(化合物10) 0.8gを得た。
(実施例12)poly(PEG500-MA)ジメチルアミン分解物(poly(PEG500-MA)dma)[m=6乃至16、R3=N(CH3)2、組成比=約1:1、平均重合度=30乃至40、加水分解率=約1.4:8.6(以下、「化合物11」という)]の製造
poly(PEG500-MA)(AM−0530K(ロット番号:M34529)日本油脂(株)製) 5gに対し、50重量%ジメチルアミン水溶液 35gを加えて溶解し、25℃で3時間、4℃で16時間撹拌した。この溶液に0.1M 水酸化ナトリウム水溶液 100mLを加え、凍結乾燥することにより固体状(黄色)のpoly(PEG500-MA)dma(化合物11) 5.4gを得た。
(実施例13)poly(PEG500-MA)加水分解物(poly(PEG500-MA)h)[m=6乃至16、R3=水酸基、組成比=約1:1、平均重合度=30乃至40、加水分解率=約10:0(以下、「化合物12」という)]の製造
poly(PEG500-MA)(AM−0530K(ロット番号:M34529)日本油脂(株)製) 1gに対し、蒸留水17mLを加えて溶解し、40℃で4時間撹拌した。この溶液に0.28重量%アンモニア水 250mLを加えてからポリエーテルスルホン製限外ろ過膜(分画分子量:10000、型番:PBGC07610、Millipore社製)を使用して濃縮し、凍結乾燥することにより油状のpoly(PEG500-MA)h(化合物12) 0.7gを得た。
実施例10乃至13で製造した高分子修飾剤(化合物9乃至12)をそれぞれリン酸緩衝生理食塩液(PBS(pH7.0):10mMリン酸水素二ナトリウムと150mM塩化ナトリウムからなる水溶液、10mMのリン酸二水素ナトリウムと150mM塩化ナトリウムからなる水溶液を所定の割合で混合して得られるpH7.0の水溶液)に溶解し、修飾剤濃度が1.25乃至105mg/mLの所定値である水溶液を調製した。この各種高分子修飾剤水溶液とヒト成熟体OCIF(実施例9と同様の方法で作製)の水溶液(タンパク質濃度:0.25乃至14mg/mLの所定値、媒体:PBS(pH6.0))とを1:1の体積比で混和することにより、修飾剤/OCIF重量比率が異なる種々の複合体水溶液を調製した。このように調製した水溶液の一部に対し、1M塩酸水溶液又は1M水酸化ナトリウム水溶液を適宜加えることにより、pH5.0、5.5、6.0、6.5、7.0及び7.4の水溶液を其々調製した。これら水溶液を25℃で12時間乃至1週間放置することにより、本発明の高分子修飾剤−OCIF複合体を水溶液として得た。この水溶液は、4℃で保存した。本実施例で製造された複合体の分子サイズは、試験例6及び11において同定された。また、当該複合体におけるOCIFのELISA検出活性の結果は試験例8に示す。
実施例10で得たpoly(PEG500-MA)aナトリウム塩(化合物9) 100mgをリン酸緩衝生理食塩液(PBS(pH7.4)10mMリン酸水素二ナトリウムと150mM塩化ナトリウムからなる水溶液、10mMリン酸二水素ナトリウムと150mM塩化ナトリウムからなる水溶液を所定の割合で混合して得られるpH7.4の水溶液) 1mLに溶解した。この試料をゲルろ過クロマトグラフィーにより分画した。2種類のゲルろ過クロマトグラフィーの条件を下に示す。
(i) Superose 6による分画法(以下、「SRF法」という)
カラム :Superose 6 HR 10/30 Amersham Bioscience
カラム温度 :8 ℃
移動相 :PBS(pH 7.4)
検出波長 :280nm
流速 :0.3mL/min
注入量 :100 μL
(ii) Superdex 200による分画(以下、「SDF法」という)
カラム :Superdex 200 HR 16/60 Amersham Bioscience
カラム温度 :室温
移動相 :PBS(pH7.4)
検出波長 :280nm
流速 :2mL/min
注入量 :5mL
これらの分画法で、溶出時間x分乃至y分で溶出された画分に含まれる修飾剤を、それぞれpoly(PEG500-MA)a-Na(SRFx-y)および、poly(PEG500-MA)a-Na(SDFx-y)とする。各々の画分(水溶液)中の修飾剤濃度は、高速液体クロマトグラフィーで求めた。その条件を次に示す。
ガードカラム:Shodex OHpak SB-G(昭和電工(株)製)
カラム温度 :40℃
移動相 :1M塩酸でpH7.0とした50mMリン酸水素二ナトリウム水溶液
検出波長 :210nm
流速 :0.5mL/min
注入量 :50μL
SRF法およびSDF法での分画により得られたpoly(PEG500-MA)a(SRFx-y)および、poly(PEG500-MA)a(SDFx-y)を再度ゲルろ過クロマトグラフィー(SRF法)で分析することにより、分画後の試料の分子サイズを評価した。ここで標準物質としては分子サイズ既知のタンパク質(Amersham Bioscience社、分子量および分子サイズはカタログに記載。)を使用した。
分子サイズの評価結果を表1に示す。
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分子量 ストークス半径(nm) 保持時間(min)
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標準タンパク質
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Thyroglobulin 669k 8.50 38.48
Ferritin 440k 6.10 44.85
Catalase 232k 5.22 48.77
Aldolase 158k 4.81 50.11
Albumin 67k 3.55 51.85
Ovalbumin 43k 3.05 53.95
Chymotripsinogen A 25k 2.09 59.26
Ribonuclease A 13.7k 1.64 60.23
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
高分子修飾剤 化合物番号
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poly(PEG500-MA)a-Na(非分画) 9.3以下** 35−65* 9
poly(PEG500-MA)a-Na
(SRF50-55)収率23% 3.1−6.2** 45−55* 13
poly(PEG500-MA)a-Na
(SRF55-60)収率29% 1.5−4.7** 50−60* 14
poly(PEG500-MA)a-Na
(SRF60-65)収率12% 3.1以下** 55−65* 15
poly(PEG500-MA)a-Na
(SDF46-52)収率22% 7.8以下** 40−65* 16
poly(PEG500-MA)a-Na
(SDF52-58)収率22% 6.2以下** 45−65* 17
poly(PEG500-MA)a-Na
(SDF58-64)収率13% 3.1以下** 55−65* 18
poly(PEG500-MA)a-Na
(SDF60-70)収率13% 3.1以下** 55−65* 19
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*保持時間に幅があることは、当該画分に含まれる高分子が分子量分布を有することを示す。
**標準タンパク質の分子サイズと保持時間を使用して作成された検量線を使用して算出された値。「XX以下」のように下限が示されていない場合には、本ゲルろ過クロマトグラフィー条件で評価不可能な低分子成分を含むことを意味する。
以上のように、分子サイズが異なる種々のpoly(PEG500-MA)a-Naが化合物13乃至19として製造された。これら分画された共重合体の平均重合度は、分子サイズが小さいほど小さな値をとると考えられる為、化合物13の平均重合度は30以下であり、化合物14の平均重合度は化合物13の平均重合度よりも小さい値であり、化合物15の平均重合度は化合物14の平均重合度よりも小さい値であり、化合物16の平均重合度は30以下であり、化合物17の平均重合度は化合物16の平均重合度よりも小さい値であり、化合物18の平均重合度は化合物17の平均重合度よりも小さい値であり、及び、化合物19の平均重合度は化合物17の平均重合度よりも小さい値であると推定された。
実施例7で製造された化合物7を出発物質とし、実施例15と同様の方法によりpoly(PEG1500-MA)a(SRFx-y)を製造した。溶出条件は実施例15と同様であり、その収率を表2に示した。
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高分子修飾剤 化合物番号
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poly(PEG1500-MA)a(非分画) 7
poly(PEG1500-MA)a
(SRF50-55)収率12.2% 20
poly(PEG1500-MA)a
(SRF55-60)収率13.1% 21
poly(PEG1500-MA)a
(SRF60-65)収率16.4% 22
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以上のように、分子サイズが異なる種々のpoly(PEG1500-MA)aが化合物20乃至22として製造された。これら分画された共重合体の平均重合度は、分子サイズが小さいほど小さな値をとり、保持時間ゲルろ過クロマトグラフィにおいて保持時間が長いほど分子サイズは小さいので、化合物20の平均重合度は10以下であり、化合物21の平均重合度は化合物20の平均重合度よりも小さい値であり、及び、化合物22の平均重合度は化合物21の平均重合度よりも小さい値であると推定された。
実施例15及び16で水溶液として得られた其々の高分子修飾剤(poly(PEG500-MA)a-Na(SRFx-y)(化合物13−15)、poly(PEG500-MA)a-Na(SDFx-y)(化合物16−19)、及び、poly(PEG1500-MA)a(SRFx-y)(化合物20−22)(媒体:PBS(pH7.4)))とヒト成熟体OCIF水溶液(OCIFは実施例9と同様の方法で作製、媒体:PBS(pH6.0))を使用して、実施例14と同様の方法により、本発明の各種高分子修飾剤とOCIFの複合体を水溶液として得た。pH7.4のPBSを用いて其々の高分子修飾剤の0.5mg/mL溶液を調製し、0.5mg/mL OCIF溶液(媒体:PBS(pH6.0))と体積比1:1で混合し、得られた混合液を25℃で7日間放置した。製造された各種複合体の分子サイズは試験例11において測定された。
2種類の本発明のpoly(PEG500-MA)a-Na(化合物27及び化合物28)を以下のように製造した。化合物27の出発物質としては、側鎖を構成するポリオキシエチレン鎖の平均分子量が約500であり、主鎖の平均重合度が20乃至30である、ポリオキシエチレンアリルメチルジエーテル−無水マレイン酸共重合体(m=6乃至16、R1=水素原子、R2=メチル基、Alk=エチレン基、ポリオキシエチレンアリルメチルジエーテル単位と無水マレイン酸単位の組成比=約1:2、分子量=約6000[数平均分子量約6000、分子量分布指数(Mw/Mn)=約1.25、AM−0510K、日本特許第2621308号、特開2003−105040、特開2003−1050032等に記載の方法に準じて製造)を用いた。また、化合物28の出発物質としては、側鎖を構成するポリオキシエチレン鎖の平均分子量が約500であり、主鎖の平均重合度が約15である、ポリオキシエチレンアリルメチルジエーテル−無水マレイン酸共重合体(m=6乃至16、R1=水素原子、R2=メチル基、Alk=エチレン基、ポリオキシエチレンアリルメチルジエーテル単位と無水マレイン酸単位の組成比=約1:1、分子量=約10000、AM−0515K、日本特許第2621308号、特開2003−105040、特開2003−1050032等に記載の方法に準じて製造)を用いた。
実施例18で製造した化合物27及び28を出発物質とし、実施例14と同様の方法により、本発明の高分子修飾剤とヒト成熟体OCIFの複合体を水溶液として得た。pH7.4のPBSを用いて其々の高分子修飾剤の5mg/mL溶液を調製し、5mg/mLのOCIF溶液(媒体:PBS(pH6.0))と体積比1:1で混合し、1M塩酸により得られた混合液のpHを5.5に調整した。この混合液を25℃で7日間放置して複合体を作製した。製造された各種複合体の分子サイズは試験例11において測定された。
1)poly(PEG500-MA)の組成比の決定
poly(PEG500-MA)に含まれるポリオキシエチレンアリルメチルジエーテル単位と無水マレイン酸単位の比率(組成比)を下記の通り同定した。poly(PEG500-MA)としてはAM−0510Kのいくつかの製造ロット(側鎖を構成するポリオキシエチレン鎖の平均分子量が約500であり、主鎖の平均重合度が20乃至30である、ポリオキシエチレンアリルメチルジエーテル−無水マレイン酸共重合体(m=6乃至16、R1=水素原子、R2=メチル基、Alk=エチレン基、ポリオキシエチレンアリルメチルジエーテル単位と無水マレイン酸単位の組成比=約1:2、分子量=約6000[数平均分子量約6000、分子量分布係数(Mw/Mn)=約1.25、日本特許第2621308号、特開2003−105040及び特開2003−1050032記載の方法に準じて製造)を用いた。これらの各ロット中の高分子の数平均分子量Mnおよび分子量分布指数(Mw/Mn)を下に示す。ただし、これらの分子量は、当業者周知のゲルろ過クロマトグラフィー法により、分子量既知のポリエチレングリコール(PEG)を標準物質として決定された値であり、下記のpoly(PEG500-MA)の分子量は絶対分子量ではなく、PEGを標準物質とする相対的な分子量である。
M3N549 Mn=6360;Mw/Mn=1.23
M3N550 Mn=5891;Mw/Mn=1.28
M3N569 Mn=5897;Mw/Mn=1.25
組成比を決定する為には、其々のpoly(PEG500-MA)を加水分解し、該加水分解体のカルボキシル基を定量する。加水分解体ナトリウム塩の製造は以下の通り行った。
FW((PEGアリルメチルジエーテル)1+(マレイン酸ナトリウム塩)a)
=FW(P)+a(FW(M))
=541+160a
このpoly(PEG500-MA)hナトリウム塩最小構成単位に含まれるカルボキシル基数は「2a」であるから、そのナトリウム塩最小構成単位1g中のカルボキシル基量(C,mmol/g)は、下記の式(式5)で表される。
C=2a/(541+160a)×1000
実際のpoly(PEG500-MA)hナトリウム塩における組成比は、poly(PEG500-MA)hナトリウム塩最小構成単位における組成比(すなわち1:a)と同一であるから、電導度滴定法により求められたpoly(PEG500-MA)hナトリウム塩のカルボキシル基量は式5におけるCと等しいので、式5を利用してaを求めることができ、poly(PEG500-MA)hの組成比を求めることができる。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
poly(PEG500-MA) カルボキシル基 組成比
ロット番号 含有量 (マレイン酸ナトリウム塩/
(mmol/g) PEGアリルメチルジエーテル)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
poly(PEG500-MA)h #1 M3O538 4.66 2.01
-ナトリウム塩 #2 M3N549 5.21 2.42
#3 M3N550 5.98 3.10
#4 M3N569 6.14 3.26
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
これらのpoly(PEG500-MA)hナトリウムの組成比は、PEGアリルメチルジエーテル部分:マレイン酸ナトリウム塩部分=1:2乃至1:3.3であることが確認された。なお、poly(PEG500-MA)とpoly(PEG500-MA)hナトリウム塩との間では、組成比が同一であることは自明であり、poly(PEG500-MA)の組成比は、PEGアリルメチルジエーテル:無水マレイン酸=1:2乃至1:3.3であることが確認された。
2)様々な反応条件下におけるpoly(PEG500−MA)のアンモノリシス反応によるpoly(PEG500−MA)a(化合物29−53)の製造及び当該化合物の加水分解率の同定
上記で求めたpoly(PEG500-MA)の組成比およびpoly(PEG500-MA)hナトリウム塩のカルボキシル基量を使用して、poly(PEG500-MA)のアンモノリシス体(poly(PEG500-MA)a)の加水分解率(アンモノリシス反応中に、加水分解を受けたマレイン酸単位とアンモノリシスを受けたマレイン酸単位との比率)を求めることができる。無水マレイン酸に対するアンモノリシス反応により生成するアミド化されたマレイン酸単位ナトリウム塩(「マレアミン酸ナトリウム塩」という)の構造を次に示す。(マレアミン酸ナトリウム塩の式量を以下「FW(Ma)」と表記する。)
FW((PEGアリルメチルジエーテル)1+(マレアミン酸ナトリウム塩)ax+(マレイン酸ナトリウム塩)a(1-x))
=FW(P)+ax(FW(Ma)+a(1‐x)FW(M)
=541+137ax+160a(1−x)
=541+160a‐23ax
このpoly(PEG500-MA)aナトリウム塩最小構成単位に含まれるカルボキシル基数はax+2a(1‐x)=2a‐axであるから、poly(PEG500-MA)aナトリウム塩最小構成単位のカルボキシル基量(C, mmol/g)は、下記式(式7)で表される。
C=(2a‐ax)/(541+160a‐23ax)×1000
ここで、電導度滴定法により求められたpoly(PEG500-MA)aナトリウム塩のカルボキシル基量Cと、既に上記1)で求められた「a」を式7に代入することにより、加水分解率((1−x):x)を求めることができる。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
poly(PEG500-MA) 0.5MNH3 反応条件 カルボキシル アミン成分
ロット番号 添加量 温度 時間 基含有量 反応率(%)
(mL/g) (℃) (h) (mmol/g)
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poly(PEG500-MA)h #8 M3N549 38 25 20 2.79 99.5
-ナトリウム塩 #9 M3N549 17.5 25 20 2.87 96.4
#10 M3N549 6 25 24 3.26 80.9
#11 M3N549 10 25 24 3.01 90.9
#12 M3N549 15 25 24 2.91 94.6
#13 M3N549 20 25 24 3.11 86.9
#14 M3N549 11 25 24 3.26 81.1
#15 M3N549 12 25 24 3.02 90.3
#16 M3N549 13 25 24 2.98 92.1
#17 M3N549 7 25 24 3.94 53.8
#18 M3N549 8 25 24 3.08 88.1
#19 M3N549 9 25 24 3.29 80.0
#25 M3N549 9 15 24 3.05 89.4
#27 M3N549 9 25 24 3.40 75.6
#28 M3N549 9 30 24 3.02 90.6
#29 M3N549 9 37 24 3.16 85.0
#30 M3N549 9 25 16 3.00 91.3
#31 M3N549 9 25 1 2.96 93.2
#32 M3N549 9 25 5 3.25 81.3
#33 M3N549 9 25 4day 3.92 54.8
#34 M3N549 9 25 21 3.13 86.2
#35 M3N549 9 25 21 2.95 93.3
#36 M3N549 9 25 21 2.98 91.9
#37 M3N549 9 25 21 3.15 85.5
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#41 M3N550* ‐ ‐ ‐ 3.26 85.5
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*反応試薬:アンモニアガス、溶媒:DMF(N,N−ジメチルフォルムアミドを用いて反応(下記(ロ)参照)。
表4中、#8乃至19、#25、#27乃至37の共重合体はpoly(PEG500-MA)a(化合物29乃至52)である。其々の共重合体は、m=6乃至16、R3=NH2、組成比=1:2.4、平均重合度=20乃至30、であるランダム共重合体である。
側鎖を構成するポリオキシエチレン鎖の平均分子量が約500であり、主鎖の平均重合度が20乃至30である、ポリオキシエチレンアリルメチルジエーテル−無水マレイン酸共重合体(m=6乃至16、R1=水素原子、R2=メチル基、Alk=エチレン基、ポリオキシエチレンアリルメチルジエーテル単位と無水マレイン酸単位の組成比=約1:3、数平均分子量=約5891、分子量分布係数(Mw/Mn)=約1.28であるpoly(PEG500-MA)(AM−0510K、ロット番号:M3N550、日本特許第2621308号、特開2003−105040、特開2003−1050032等に記載の方法に準じて製造)を出発物質として用いた。該出発物質 100mgに、エタノール1mLを加えて、40℃で16時間放置した。この溶液に、2.5N 水酸化ナトリウムのエタノール溶液52μLを加え混和した。35℃で減圧濃縮した後、真空乾燥することにより、poly(PEG500-MA)eaのナトリウム塩(化合物54)を油状物質として得た。上記の方法により加水分解率を算出した。すなわち、電導度滴定法により測定されたpoly(PEG500-MA)eaナトリウム塩(化合物54)のカルボキシル基量およびpoly(PEG500-MA)hナトリウム塩のカルボキシル基量(実施例20)化合物54に含まれる総マレイン酸残基中、アルコリシスを受けたマレイン酸残基の割合は0.69と算出された。その結果、化合物54の加水分解率は、約3.1:6.9と同定された。
OCIFと実施例21で作製された化合物54との複合体は実施例14と同様の方法により、水溶液として製造された。すなわち、0.472mLの化合物54の水溶液(高分子濃度 17.2mg/mL、溶媒:PBS pH7.4(10mMリン酸水素二ナトリウムと150mM塩化ナトリウムからなる水溶液、10mMのリン酸二水素ナトリウムと150mM塩化ナトリウムからなる水溶液を所定の割合で混合して得られるpH7.4の水溶液))を、1.328mLのヒト成熟体OCIF水溶液(実施例9、14と同様の方法で作製、OCIF濃度 4mg/mL、溶媒:10mM リン酸イオンおよび150mM塩化ナトリウムを含む緩衝液、pH6.0)に加え、4.5mg/mLの化合物54と3mg/mLのヒト成熟体OCIFのを含む混合溶液を作製した。この混合溶液を4℃、10℃または25℃で3日間放置することにより、本発明の複合体の水溶液を得た。ここで得られた複合体の分子サイズは試験例13において測定した。
側鎖を構成するポリオキシエチレン鎖の平均分子量が約500であり、主鎖の平均重合度が20乃至30である、ポリオキシエチレンアリルメチルジエーテル−無水マレイン酸共重合体(m=6乃至16、R1=水素原子、R2=メチル基、Alk=エチレン基、ポリオキシエチレンアリルメチルジエーテル単位と無水マレイン酸単位の組成比=約1:3、数平均分子量=約5891、分子量分布指数(Mw/Mn)=約1.28であるpoly(PEG500-MA)(AM−0510K、ロット番号:M3N550、日本特許第2621308号、特開2003−105040、特開2003−1050032等に記載の方法に準じて製造)を出発物質として用いた。該出発物質 50mgに100%エタノール 0.5mLを加えて、37℃で24時間放置することにより、poly(PEG500-MA)ea(化合物55)のエタノール溶液を得た(poly(PEG500-MA)ea(化合物55)濃度:100mg/mL)。
OCIFと実施例23で作製された化合物55との複合体は実施例14と同様の方法により、水溶液として製造された。
すなわち、実施例23で得られた化合物55のエタノール溶液 37.5μLを、0.5mLのヒト成熟体OCIF水溶液(実施例9及び14と同様の方法で作製した。OCIF濃度 5mg/mL、溶媒:10mM リン酸イオンおよび150mM塩化ナトリウムを含む緩衝液、pH6.0)に加え、この混合溶液を25℃で3日間放置することにより、本発明の複合体の水溶液を得た。ここで得られた複合体の分子サイズは試験例13において測定した。
グラフト共重合体であるモノメトキシポリエチレングリコール‐メチルビニルエーテルとマレイン酸の共重合体(PEG−PMVMA)を特開平11‐302199の実施例2に記載されている方法に従い製造した。
実施例9と同様にして、PEG-PMVMAで修飾したヒト成熟体OCIFを水溶液(媒体:PBS(pH6.0))として得た。1mLのヒト成熟体OCIF溶液(OCIF濃度 2mg/mL、媒体:PBS(pH6.0))を1mLのPEG−PMVMA溶液(高分子濃度 2又は20mg/mL、媒体:PBS(pH6.0)と混合し、該混合溶液を25℃で24時間放置することにより、目的の複合体を得た。
28.4μLのヒト成熟体OCIF水溶液(タンパク質濃度 3.5mg/mL、媒体:0.5M NaH2PO4水溶液(5M 水酸化ナトリウム水溶液でpH7.6に調整))に対し、2.2μLのpoly(PEG500-MA)(AM−0530、日本油脂(株)製)ジメチルスルホキシド溶液(高分子濃度:35乃至350mg/mLの所定値)を加え、25℃で40時間振とうした。得られた混合溶液(OCIF濃度:3.2mg/mL、poly(PEG500-MA)濃度:2.5mg/mLまたは6.3mg/mL)をPBS(pH7.0)で希釈することにより、OCIF濃度が0.25mg/mLである高分子修飾OCIFを水溶液として得た。この水溶液は、4℃で保存した。
実施例10乃至13で製造した高分子(poly(PEG500-MA)a-Na(化合物9)、poly(PEG500-MA)a(化合物10)、poly(PEG500-MA)dma(化合物11)、およびpoly(PEG500-MA)h(化合物12))に含まれるカルボキシル基量は次のようにして、電導度滴定法により求めた。
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実施例 高分子種類 カルボキシル基量 アミン成分 加水分解率
番号 (化合物番号) (mmol / g高分子) 反応率
(%)
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10 poly(PEG500-MA)a-Na(9) 2.10 69% 3.1:6.9
11 poly(PEG500-MA)a(10) 1.83 86% 1.4:8.6
12 poly(PEG500-MA)dma(11) 2.02 71% 2.9:7.1
13 poly(PEG500-MA)h(12) 3.21 − 10:0
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実施例10乃至12で製造された共重合体において、出発物質の無水マレイン酸部分がアンモノリシス又はアミノリシスを受けた量と加水分解を受けた量との割合は、次のようにして算出した。表5に示すように、poly(PEG500-MA)h(化合物12) 1gあたりのカルボキシル基量は、3.21mmolと求められた。この値より、カルボキシル基1molあたりのpoly(PEG500-MA)h重量は、312g、開環されたマレイン酸残基1molあたりのpoly(PEG500-MA)h重量は、623gと算出される。この値から、加水分解前の重合体であるpoly(PEG500-MA)、およびpoly(PEG500-MA)にアンモニアが付加されたpoly(PEG500-MA)aの官能基1gあたりの重量が順次求まる。すなわち、無水マレイン酸残基1molあたりのpoly(PEG500-MA)(すなわち加水分解前の共重合体)重量は、加水分解後の値から水分子の分子量を差し引いた605gである。さらに、このpoly(PEG500-MA)にアンモニアが付加されたpoly(PEG500-MA)aについて、カルボキシル基1molあたりの共重合体重量は、poly(PEG500-MA)の値にアンモニア分子の分子量を加えた622gと求められる。この値より、poly(PEG500-MA)の全ての無水マレイン酸残基がアンモノリシスされた場合、poly(PEG500-MA)a 1gあたりのカルボキシル基量は、1.61mmolと算出される。同様にして、poly(PEG500-MA)にジメチルアミンが付加されたpoly(PEG500-MA)dmaについて、カルボキシル基1molあたりの共重合体重量は、poly(PEG500-MA)の値にジメチルアミン分子の分子量を加えた650gと求められる。この値より、poly(PEG500-MA)の全ての無水マレイン酸残基がジメチルアミンで分解された場合、poly(PEG500-MA)dma 1gあたりのカルボキシル基量は、1.54mmolと算出される。
実施例9および比較例2において製造した各種の試料、および非修飾ヒト成熟体OCIF(WO96/26217に記載の方法と同様に製造)をPBS(pH6.0)で適宜希釈し、OCIF濃度を0.25mg/mLとした。Wistarラット(メス、5週齢、体重100g前後、投与前日より絶食)に対し、OCIF投与量として0.5mg/kg(投与体積として2mL/kg)となるように上記希釈検体を、尾静脈より投与した。検体投与6時間後に心臓より200μL採血し、血清中のOCIF濃度を試験例3に記載と同様の方法で測定した。
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修飾剤 修飾剤/OCIF 投与6時間後の 混合条件*
(化合物番号) (重量比) 血清中OCIF濃度
(ng/mL)
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(非修飾OCIF) − 25±19
PEG-PMVMA 1 101±26
10 361±33
poly(PEG1500-MA)h(2) 10 502±70
poly(PEG1500-MA)a(7) 10 1029±30
poly(PEG1500-MA)dma(8) 1 2145±721
poly(PEG500-MA)h(1) 10 750±80
2.5 434±92
poly(PEG500-MA)a(3) 10 3416±440
10 2445±195 37℃
2.5 3428±27
2.5 484±92 1時間
1 3004±158
1 2275±130 pH7.4
1 3786±461 40時間
1 777±153 4℃
0.5 2951±512
poly(PEG500-MA)dma(4) 1 1014±331
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*混合の際の基本条件は、OCIF濃度1mg/mL、pH6.0、16時間、25℃とし、これらと異なる条件で混合した場合には、その条件を記載した。
このように、本発明で製造した高分子修飾剤−タンパク質複合体は、構成成分とするタンパク質の血中滞留性を、該タンパク質を単独で投与した場合と比べて著しく向上させることが確認された。さらに、同一の修飾剤/タンパク質重量比(10または1)である場合に、本発明の高分子修飾剤−タンパク質複合体と比較例2で製造した特開平11-302199記載のPEG‐PMVMAを用いたタンパク質複合体の血中滞留性向上効果とを比較すると、本発明の高分子修飾剤−タンパク質複合体は、PEG‐PMVMA−タンパク質複合体と比べ顕著な血中滞留性の向上効果を有することが判明した。
公知のタンパク質修飾剤における問題の一つとして、修飾剤がタンパク質と結合する際過剰な架橋構造が形成され、粗大な複合体を形成してしまうことが挙げられる。本発明の修飾剤とOCIFの複合体を用いてこの点について検討するため、実施例9及び比較例2で作製した其々の複合体のELISA検出度を非修飾のOCIFと比較した。ELISAは以下に示す手順で行った。
損失率=(1‐(ELISAにより測定されたOCIF濃度)/(ローリー法により測定されたOCIF
濃度)×100
式8におけるローリー法とは、特願2002−190407に記載されている。この方法により、複合体に含まれる全OCIF料が測定される。ELISAによるOCIF検出度の損失率は、修飾剤との結合に伴うOCIFの非認識性の変化およびOCIFの構造の変化の指標となる。損失率が低いということは、複合体中のOCIFがOI−19及びOI−4(抗OCIF抗体)と結合できる状態にあることを意味し、複合体中のOCIFの被認識性および構造がほとんど又は全く変化しないことが示唆される。すなわち、OCIFの薬理活性がほとんど又はまったく低下しないことが示唆される。また、損失率が低い、すなわちELISA法による測定感度が高いということは、それ自体、生体内挙動等を評価する上で大きな長所である。
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修飾剤 修飾剤/OCIF ELISA検出度の損失率
(化合物番号) (重量比) (非修飾OCIF比、%)
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非修飾OCIF − −
PEG-PMVMA 1 25
10 39
poly(PEG1500-MA)h(2) 10 13
poly(PEG1500-MA)a(7) 10 15
poly(PEG1500-MA)dma(8) 10 0
poly(PEG500-MA)h(1) 10 17
poly(PEG500-MA)a(3) 10 0
2.5 0
poly(PEG500-MA)dma(4) 1 12
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表7の結果より、本発明の高分子修飾剤−タンパク質複合体は、修飾に伴うタンパク質のELISA検出度の損失が著しく軽減されることが判明した。これに対し、比較例2で製造したPEG‐PMVMA−タンパク質複合体においてはELISA検出度の損失は大きかった。
実施例9に記載の試料と同様にして製造した各種の試料およびヒト成熟体OCIFをPBS(pH6.0乃至7.4)で適宜希釈し、OCIF濃度を0.1mg/mL乃至1mg/mLとする。カニクイザル(メス、6または7歳、体重2乃至4kg、投与前日より絶食)に対し、OCIF投与量として0.1乃至1mg/kg(投与体積として1mL/kg)となるように上記希釈検体を、後肢伏在静脈または背部皮下より投与する。検体投与5分乃至1ヵ月後の所定の時間後に大腿部血管より500μL採血し、血清中のOCIF濃度を試験例3に記載のELISA法に従って測定する。本発明の共重合体及び化合物は優れた血中濃度維持特性を示す。
実施例9に記載の試料と同様にして製造した各種の試料およびヒト成熟体OCIFをPBS(pH6.0乃至7.4)で適宜希釈し、OCIF濃度を0.7mg/mL乃至3.5mg/mLとする。Mycobacterium butyricumの死菌および流動パラフィンより調製したアジュバントを、Lewisラット(メス、5乃至10週齢、体重100乃至300g)の尾根部皮内に投与することにより、関節炎を惹起させる。アジュバント投与2週間後に、OCIF投与量として1.4mg/kg乃至7mg/kg(投与体積として2mL/kg)となるように上記検体を、尾静脈または背部皮下より投与する。アジュバント投与3週間後に解剖を行い、左右の大腿骨を採取し、骨密度を測定する。本発明の共重合体及び化合物は優れた骨密度改善作用を示す。
実施例14および比較例3で製造した各種の高分子修飾OCIFと非修飾OCIFの分子サイズを、次の方法により非還元条件下SDS−PAGEで評価した。
(試験例7)poly(PEG500-MA)aの共有結合形成活性の評価
アミノ基を有する蛍光物質であるtetramethylrhodamine cadaverine(分子量514.62、Molecular Probes社製、以下「Rho-NH2」とする)に対する、高分子修飾剤poly(PEG500-MA)a-Na(化合物9)およびpoly(PEG500-MA)h(化合物12)との反応性を次のように比較し、poly(PEG500-MA)aの共有結合形成活性を評価した。
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高分子へのRho-NH2 結合率*(%)
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Rho-NH2+poly(PEG500-MA)a-Na 11.5、12.6
Rho-NH2+poly(PEG500-MA)h 0.8、1.6
Rho-NH2単独 0、0
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*2回の実験結果を併記した。
このように、Rho-NH2とpoly(PEG500-MA)a-Na(化合物9)の混合液においては、高分子画分で高レベルのRho-NH2が検出された。対照的に、poly(PEG500-MA)h(化合物12)とRho-NH2の混合液においては高分子画分に低レベルのRho-NH2しか検出されなかった。また、Rho-NH2単独条件では、高分子画分にはRho-NH2は全く検出されなかった。これらの結果から、本発明の高分子修飾剤poly(PEG500-MA)a-Na(化合物9)は、アミノ基に対する強い結合性を有していることが示唆された。一方、本発明の高分子修飾剤poly(PEG500-MA)h(化合物12)は、アミノ基に対する強い結合性を有していないことが示唆された。
実施例14および比較例3で製造した、高分子修飾OCIFのELISA検出度を、非修飾OCIFと比較した。ELISAは以下に示す手順で行った。
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修飾剤 修飾剤/OCIF ELISA検出度の損失率
(化合物番号) (重量比) (非修飾OCIF比、%)
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(非修飾OCIF単独) − −
poly(PEG500-MA)h(12) 1 8
poly(PEG500-MA)a-Na(9) 1 0
0.75 0
0.5 0
0.25 0
poly(PEG500-MA) 7.8 98
1.9 89
0.78 60
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これらの結果より、実施例14で製造した本発明の高分子修飾剤−タンパク質複合体は、修飾に伴うタンパク質のELISA検出度の損失が著しく軽減されることが判明した。これに対し、比較例3で製造した既存の高分子−タンパク質複合体においてはELISA検出度の損失は大きかった。
実施例14において製造した各種の試料、および非修飾OCIFをPBS(pH7.0)で適宜希釈し、OCIF濃度を0.25mg/mLまたは0.025mg/mLとした。Wistarラット(メス、5週齢、体重100g前後、投与前日より絶食)に対し、OCIF投与量として0.5mg/kgまたは0.05mg/kg(投与体積として2mL/kg)となるように上記検体を、大腿静脈より投与した。検体投与6時間後に頚静脈より200μL採血し、血清中のOCIF濃度を上記のELISA法により測定した。
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修飾剤 修飾剤/OCIF 投与量 投与6時間後の血清中
[化合物番号) (重量比) (mg/kg) OCIF濃度(ng/mL)
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(非修飾OCIF単独) − 0.5 18
Poly(PEG500-MA)h(12) 1 0.05 127
Poly(PEG500-MA)a-Na(9) 1 0.05 603
1 0.5 5549
0.75 0.5 4770
0.5 0.5 4292
0.25 0.5 3020
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このように、本発明で製造した高分子修飾剤−タンパク質複合体は、構成成分とするタンパク質の血中滞留性を著しく向上させることが確認された。
本発明の高分子修飾剤−タンパク質複合体は、幅広い条件下で安定した製造が可能であり、タンパク質の血中滞留性を著しく向上させることができ、医薬分野および生化学分野で有用性が高い。
実施例17および実施例19において製造した各種の試料を試験例9と同様にして評価した。測定した各種試料投与後の血清中OCIF濃度を表11に示す。
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実施例 修飾剤 分画 修飾剤/OCIF 投与量 投与6時間後の
番号 (化合物番号) (重量比) (mg/kg) 血清中OCIF濃度
(ng/mL)
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17 Poly(PEG500-MA)a-Na
(14) SRF55-60 1 0.05 437
(14) 2.5 0.05 460
(15) SRF60-65 1 0.05 478
(19) SDF60-70 1 0.5 4255
17 Poly(PEG1500-MA)a
(21) SRF55-60 1 0.5 256
(21) 2.5 0.05 334
19 Poly(PEG500-MA)a-Na
(27) 非分画 1 0.5 6138
(28) 非分画 1 0.5 6713
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このように、種々の分子サイズを有する本発明の高分子修飾剤は、いずれもタンパク質の血中滞留性を著しく向上させることが確認された。
(試験例11)サイズ排除クロマトグラフィーによる分子サイズの確認
実施例9、実施例14、実施例17及び実施例19で製造した高分子修飾剤‐OCIF複合体の分子サイズをサイズ排除クロマトグラフィーにより評価した。試験条件は表12に示す通りである。
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クロマトグラフィー装置:Explorer 10S(Amersham Biotech社製)
カラム:Superdex 200 HR10/30 (Amersham Biotech社製)
移動相:リン酸緩衝生理食塩液
(8mM Na2HPO4、15mM KH2PO4、145mM NaCl、0.5g/L NaN3)
分析温度:4℃
検出波長:280nm
移動相流速:0.6mL/min
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上記条件下での標準タンパク質保持時間を表13に示す。
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タンパク質 分子量 ストークス半径 保持時間
(kD) (nm) (min)
Ferritin 440 6.10 18.41
Aldose 158 4.81 22.48
Ovalbumin 43 3.05 25.19
Ribonuclease 13.7 1.64 29.56
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上記のサイズ排除クロマトグラフィーの結果、非修飾OCIFのストークス半径は5.63nmであり、本発明の各種高分子修飾剤とOCIFの複合体のストークス半径は以下に示す値であった。
poly(PEG500-MA)h(化合物1)−OCIF複合体(ストークス半径6.13乃至7.32nm)
poly(PEG500-MA)a(化合物3)−OCIF複合体(同6.12乃至6.54nm)
poly(PEG500-MA)dma(化合物4)−OCIF複合体(同6.39nm)
poly(PEG500-MA)ipa(化合物5)−OCIF複合体(同6.26nm)
poly(PEG500-MA)ea(化合物6)−OCIF複合体(同6.44nm)
poly(PEG1500-MA)h(化合物2)−OCIF複合体(同6.44乃至6.71nm)
poly(PEG1500-MA)a(化合物7)−OCIF複合体(6.40乃至6.47nm)
poly(PEG1500-MA)dma(化合物8)−OCIF複合体(6.55nm)
いずれの複合体も移動相として使用したリン酸緩衝生理食塩液中で、非修飾OCIF(同5。63nm)と比較して1nm前後大きなストークス半径を有していることが確認された。また、いずれの試料においても、非修飾OCIFに帰属されるピークは検出されなかった。
実施例14で製造した、複合化のためのインキュベーション条件が、OCIF濃度:5mg/mL、高分子修飾剤濃度:1.25乃至5mg/mL、pH7.4、25℃、36時間、媒体リン酸緩衝生理食塩液(リン酸濃度:10mM、塩化ナトリウム濃度:150mM)である複合体は、いずれもストークス半径6.2乃至6.5nmを有していた。また、非修飾OCIF(ストークス半径約5.6nm)に帰属されるピークは検出されなかった。
実施例17で製造した、複合化のためのインキュベーション条件が、OCIF濃度:0.5mg/mL、高分子修飾剤濃度:0.5mg/mL、pH6.0、25℃、168時間、媒体リン酸緩衝生理食塩液(リン酸濃度:10mM、塩化ナトリウム濃度:150mM)である複合体は、いずれも6.1乃至6.7nmのストークス半径を有しており、非修飾のOCIF(ストークス半径約5.6nm)に帰属されるピークは検出されなかった。
実施例19で製造した、複合化のためのインキュベーション条件が、OCIF濃度:5mg/mL、高分子修飾剤濃度:5mg/mL、pH5.5、25℃、168時間、媒体リン酸緩衝生理食塩液(リン酸濃度:10mM、塩化ナトリウム濃度:150mM)である複合体は、いずれも6.3乃至6.8nmの範囲のストークス半径を有しており、非修飾OCIF(ストークス半径約5.6nm)に相当するピークは検出されなかった。
試験例2及び試験例3と同様にして、実施例22で製造した複合体(化合物54とOCIFの複合体、インキュベーション温度:25℃)の血中滞留性およびELISA反応性を評価した。なお、本試験ではOCIF換算投与量を0.1mg/kgとした。当該複合体投与後6時間の血清中OCIF濃度は、189ng/mLであった。すなわち、poly(PEG500-MA)ea(化合物54)を使用して製造された複合体が高い血中滞留性を有することが確認された。また、当該複合体のELISA検出度の損失率が、非常に低い値であったことも確認された。
実施例22および24で製造した複合体(実施例22:化合物54とOCIFの複合体、実施例24:化合物55とOCIFの複合体)の分子サイズを試験例11と同様にして、サイズ排除クロマトグラフィーで評価した。
(製剤例)
滅菌条件下、実施例14、実施例17、実施例19等に記載の方法に従って得た複合体を含む溶液を凍結乾燥して凍結乾燥製剤を得る。
Claims (86)
- 下記式(I)
(上記式中、mは3乃至100の整数、Alkは、C1−C6アルキレン基を示し、R1およびR2は、独立してA)水素原子、B)C1−C6アルキル基又はC)次に挙げる基から選択される少なくともひとつで置換されたC1−C6アルキル基(水酸基、ハロゲン原子、C6−C14アリール基(該アリール基は置換基群Aから選択される1乃至5個の置換基で置換されていてもよい))を示す。)で表される互いに同じか、又は、互いに異なる1以上の構造単位、及び、式(II)
(上記式中、R3は、A)水酸基、B)C1−C6アルコキシ基、C)以下から選択される少なくともひとつで置換されたC1−C6アルコキシ基(水酸基、ハロゲン原子、C6−C14アリール基及び置換基群Aから選択される1乃至5個の置換基で置換されたC6−C14アリール基)、D)置換基群Aから選択される1乃至5個の置換基で置換されてもよいC6−C14アリールオキシ基、又は、E)式‐NR4R5(式中、R4及びR5は独立してa)水素原子、b)C1−C6アルキル基、又は、c)以下から選択される少なくともひとつで置換されたC1−C6アルキル基(水酸基、ハロゲン原子、C6−C14アリール基及び置換基群Aから選択される1乃至5個の置換基で置換されたC6−C14アリール基))を示す。)で表される基を示す)で表される互いに同じか又は互いに異なる1以上の構造単位(ここで、式(II)で表される構造単位の全てにおいてR3が水酸基であるものを除く)、を構成単位とする共重合体又はその薬理上許容される塩、からなるタンパク質修飾剤。
(置換基群Aは、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基及びカルボキシル基からなる群である。)
- 式(I)の構造単位及び式(II)の構造単位が頭−頭構造、頭−尾構造、又は、その組み合わせで交互共重合している請求項1のタンパク質修飾剤。
- 式(I)の構造単位及び式(II)の構造単位がランダム共重合している請求項1のタンパク質修飾剤。
- Alkがエチレン又はトリメチレン基であり、R1及びR2が水素原子又はC1−C6アルキル基である請求項1乃至3の何れか1項に記載のタンパク質修飾剤。
- Alkがエチレン又はトリメチレン基であり、R1及びR2が水素原子又はメチル基である請求項4に記載のタンパク質修飾剤。
- Alkがエチレン基であり、R1が水素原子であり、R2がメチル基である請求項5のタンパク質修飾剤。
- mが3乃至50である請求項1乃至6の何れか1項に記載のタンパク質修飾剤。
- mが3乃至40である請求項7のタンパク質修飾剤。
- mが6乃至16又は28乃至38である請求項8のタンパク質修飾剤。
- mが6乃至16である請求項9のタンパク質修飾剤。
- R3が水酸基、C1−C6アルコキシ基、水酸基で1置換されたC1−C6アルコキシ基、又は、‐NR4R5(式中、R4及びR5は独立して水素原子、C1−C6アルキル基、又は、水酸基で1置換されたC1−C6アルキル基を示す。)で表される基である請求項1乃至10の何れか1項に記載のタンパク質修飾剤。
- R3が水酸基、C1−C6アルコキシ基、又は、‐NR4R5(式中、R4及びR5は独立して水素原子、又は、C1−C6アルキル基を示す)で表される基である請求項11に記載のタンパク質修飾剤。
- R3が水酸基、又は、C1−C6アルコキシ基である請求項12のタンパク質修飾剤。
- R3が水酸基である式(II)の構造単位とR3がC1−C6アルコキシ基である式(II)の構造単位の比率が4:6乃至0:10である請求項13のタンパク質修飾剤。
- R3がC1−C6アルコキシ基である請求項14のタンパク質修飾剤。
- アルコキシ基がエトキシ基である請求項13乃至15の何れか1項に記載のタンパク質修飾剤。
- R3が水酸基、又は、式‐NR4R5(式中、R4及びR5は独立して水素原子、又は、C1−C6アルキル基を示す。)で表される基である請求項12のタンパク質修飾剤。
- R3が水酸基である式(II)の構造単位とR3が式‐NR4R5(式中、R4及びR5は独立して水素原子、又は、C1−C6アルキル基を示す)で表される基である式(II)の構造単位の比率が5:5乃至0:10である請求項17のタンパク質修飾剤。
- R3が水酸基である式(II)の構造単位とR3が式‐NR4R5(式中、R4及びR5は独立して水素原子、又は、C1−C6アルキル基を示す)で表される基である式(II)の構造単位の比率が4:6乃至0:10である請求項18のタンパク質修飾剤。
- R3が式‐NR4R5(式中、R4及びR5は独立して水素原子、又は、C1−C6アルキル基を示す)で表される基である請求項17のタンパク質修飾剤。
- 式‐NR4R5(式中、R4及びR5は独立して水素原子、又は、C1−C6アルキル基を示す)で表される基がアミノ基、メチルアミノ基、又は、ジメチルアミノ基である請求項17乃至20の何れか1項に記載のタンパク質修飾剤。
- 式‐NR4R5(式中、R4及びR5は独立して水素原子、又は、C1−C6アルキル基を示す。)で表される基がアミノ基である請求項21のタンパク質修飾剤。
- 式‐NR4R5(式中、R4及びR5は独立して水素原子、又は、C1−C6アルキル基を示す。)で表される基がジメチルアミノ基である請求項21のタンパク質修飾剤。
- R3が1−アミノー2−プロパノール基である請求項11のタンパク質修飾剤。
- 式(I)の構造単位と式(II)の構造単位との比率が10:1乃至1:10である請求項1乃至24の何れか1項に記載のタンパク質修飾剤。
- 式(I)の構造単位と式(II)の構造単位との比率が3:1乃至1:8である請求項25のタンパク質修飾剤。
- 式(I)の構造単位と式(II)の構造単位との比率が2:1乃至1:2又は1:2乃至1:6である請求項26のタンパク質修飾剤。
- 式(I)の構造単位と式(II)の構造単位との比率が1:1又は1:2乃至1:4である請求項27のタンパク質修飾剤。
- 平均重合度が5乃至200である請求項1乃至28の何れか1項に記載のタンパク質修飾剤。
- 平均重合度が5乃至50である請求項29のタンパク質修飾剤。
- 平均重合度が5乃至20である請求項30のタンパク質修飾剤。
- 平均重合度が20乃至30である請求項30のタンパク質修飾剤。
- 平均重合度が30乃至40である請求項30のタンパク質修飾剤。
- ストークス半径が9.3nm以下である請求項1乃至33の何れか1項に記載のタンパク質修飾剤。
- ストークス半径が7.3nm以下である請求項34のタンパク質修飾剤。
- ストークス半径が6.2nm以下である請求項35のタンパク質修飾剤。
- ストークス半径が4.7nm以下である請求項36のタンパク質修飾剤。
- ストークス半径が3.1nm以下である請求項37のタンパク質修飾剤。
- ストークス半径が1.5nm乃至4.7nmである請求項37のタンパク質修飾剤。
- ストークス半径が3.1nm乃至6.2nmである請求項36のタンパク質修飾剤。
- AlKがエチレン基、R1が水素原子、R2がメチル基であり、m、R3、式(I)の構造単位と式(II)の構造単位との比率(組成比という)、R3が水酸基である式(II)の構造単位とR3が水酸基以外である式(II)の構造単位の比率(加水分解率という)、及び、ストークス半径が、下記(i)乃至(xliv)の何れかの組み合わせである請求項1のタンパク質修飾剤、
(iii)mが6乃至16、R3がアミノ基、組成比が1:1、平均重合度が30乃至40、
(iv)mが6乃至16、R3がジメチルアミノ基、組成比が1:1、平均重合度が30乃至40、
(v)mが6乃至16、R3が1−アミノ‐2‐プロパノール基、組成比が1:1、平均重合度が30乃至40、
(vi)mが6乃至16、R3がエトキシ基及び水酸基、組成比が1:1、平均重合度が30乃至40、加水分解率が4:6、
(vii)mが28乃至38、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:1、平均重合度が10乃至15、加水分解率が4:6、
(viii)mが28乃至38、R3がジメチルアミノ基及び水酸基、組成比が1:1、平均重合度が30乃至40、加水分解率が4:6、
(ix)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:1、平均重合度が30乃至40、加水分解率が3.1:6.9、ナトリウム塩、
(x)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:1、平均重合度が30乃至40、加水分解率が1.4:8.6、
(xi)mが6乃至16、R3がジメチルアミノ基及び水酸基、組成比が1:1、平均重合度が30乃至40、加水分解率が2.9:7.1、ナトリウム塩、
(xii)mが6乃至16、R3がアミノ基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、
(xiii)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が0.4:9.6、
(xiv)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が2.9:7.1、
(xv)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が0.9:9.1、
(xvi)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が0.5:9.5、
(xvii)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が1.3:8.7、
(xviii)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が1.9:8.1、
(xix)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が1.0:9.0、
(xx)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が0.8:9.2、
(xxi)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が4.6:5.4、
(xxii)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が1.2:8.8、
(xxiii)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が2:8、
(xxiv)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が1.1:8.9、
(xxv)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が2.4:7.6、
(xxvi)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が0.9:9.1、
(xxvii)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が1.5:8.5、
(xxviii)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が0.7:9.3、
(xxix)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が4.5:5.5、
(xxx)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が1.4:8.5、
(xxxi)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が0.7:9.3、
(xxxii)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が0.8:9.2、
(xxxiii)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が1.4:8.6、
(xxxiv)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:3.1、平均重合度が20乃至30、加水分解率が0.7:9.3、
(xxxv)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が0.9:9.1、
(xxxvi)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:2.4、平均重合度が20乃至30、加水分解率が1.9:8.1、
(xxxvii)mが6乃至16、R3がエトキシ基及び水酸基、組成比が1:3、平均重合度が20乃至30、加水分解率が3.1:6.9、
(xxxviii)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:1、加水分解率が1.4:8.6、ストークス半径が9.3nm以下、
(xxxix)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:1、加水分解率が1.4:8.6、ストークス半径が3.1nm乃至6.2nm、
(xl)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:1、加水分解率が1.4:8.6、ストークス半径が1.5nm乃至4.7nm、
(xli)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:1、加水分解率が1.4:8.6、ストークス半径が3.1nm以下、
(xlii)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:1、加水分解率が1.4:8.6、ストークス半径が7.8nm以下、
(xliii)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:1、加水分解率が1.4:8.6、ストークス半径が6.2nm以下、
(xliv)mが6乃至16、R3がアミノ基及び水酸基、組成比が1:1、加水分解率が1.4:8.6、ストークス半径が4.7nm以下。
- 下記式(I)
(上記式中、mは3乃至100の整数、Alkは、C1−C6アルキレン基を示し、R1およびR2は、独立してA)水素原子、B)C1−C6アルキル基又はC)次に挙げる基から選択される少なくともひとつで置換されたC1−C6アルキル基(水酸基、ハロゲン原子、C6−C14アリール基(該アリール基は置換基群Aから選択される1乃至5個の置換基で置換されていてもよい))を示す。)で表される互いに同じか、又は、互いに異なる1以上の構造単位、及び、式(III)
で表される構造単位を構成単位とする共重合体の無水カルボン酸部分構造に対して、
b)アンモノリシス、c)アミノリシス、d)アルコリシス、又は、e)任意にa)加水分解及びb)乃至d)から選択される2以上の反応を組み合わせた反応
を行うことにより得られる共重合体又はその薬理上許容される塩、からなるタンパク質修飾剤。
(置換基群Aは、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基及びカルボキシル基からなる群である。)
- 式(I)の構造単位及び式(III)の構造単位が頭−頭構造、頭−尾構造、又は、その組み合わせで交互共重合している請求項42のタンパク質修飾剤。
- 式(I)の構造単位及び式(III)の構造単位がランダム共重合している請求項42のタンパク質修飾剤。
- Alkがエチレン又はトリメチレン基であり、R1及びR2が水素原子又はC1−C6アルキル基である請求項42乃至44の何れか1項に記載のタンパク質修飾剤。
- Alkがエチレン又はトリメチレン基であり、R1及びR2が水素原子又はメチル基である請求項45に記載のタンパク質修飾剤。
- Alkがエチレン基であり、R1が水素原子であり、R2がメチル基である請求項46のタンパク質修飾剤。
- mが3乃至50である請求項42乃至47の何れか1項に記載のタンパク質修飾剤。
- mが3乃至40である請求項48のタンパク質修飾剤。
- mが6乃至16又は28乃至38である請求項49のタンパク質修飾剤。
- mが6乃至16である請求項50のタンパク質修飾剤。
- 式(I)の構造単位と
式(III)の構造に対して、
b)アンモノリシス、c)アミノリシス、d)アルコリシス、又は、e)任意にa)加水分解及びb)乃至d)から選択される2以上の反応を組み合わせた反応
を行うことにより得られる構造単位
との比率が10:1乃至1:10である請求項42乃至51の何れか1項に記載のタンパク質修飾剤。
- 式(I)の構造単位と
式(III)の構造に対して、
b)アンモノリシス、c)アミノリシス、d)アルコリシス、又は、e)任意にa)加水分解及びb)乃至d)から選択される2以上の反応を組み合わせた反応
を行うことにより得られる構造単位
との比率が3:1乃至1:8である請求項52のタンパク質修飾剤
- 式(I)の構造単位と
式(III)の構造に対して、
b)アンモノリシス、c)アミノリシス、d)アルコリシス、又は、e)任意にa)加水分解及びb)乃至d)から選択される2以上の反応を組み合わせた反応
を行うことにより得られる構造単位
との比率が2:1乃至1:2又は1:2乃至1:6である請求項53のタンパク質修飾剤。
- 式(I)の構造単位と
式(III)の構造に対して、
b)アンモノリシス、c)アミノリシス、d)アルコリシス、又は、e)任意にa)加水分解及びb)乃至d)から選択される2以上の反応を組み合わせた反応
を行うことにより得られる構造単位
との比率が1:1又は1:2乃至1:4である請求項54のタンパク質修飾剤。
- 平均重合度が5乃至200である請求項42乃至55の何れか1項に記載のタンパク質修飾剤。
- 平均重合度が5乃至50である請求項56のタンパク質修飾剤。
- 平均重合度が5乃至20である請求項57のタンパク質修飾剤。
- 平均重合度が20乃至30である請求項57のタンパク質修飾剤。
- 平均重合度が30乃至40である請求項57のタンパク質修飾剤。
- ストークス半径が9.3nm以下である請求項42乃至60の何れか1項に記載のタンパク質修飾剤。
- ストークス半径が7.3nm以下である請求項61のタンパク質修飾剤。
- ストークス半径が6.2nm以下である請求項62のタンパク質修飾剤。
- ストークス半径が4.7nm以下である請求項63のタンパク質修飾剤。
- ストークス半径が3.1nm以下である請求項64のタンパク質修飾剤。
- ストークス半径が1.5nm乃至4.7nmである請求項64のタンパク質修飾剤。
- ストークス半径が3.1nm乃至6.2nmである請求項63のタンパク質修飾剤。
- 式(III)の構造単位の無水カルボン酸部分構造に対して、アンモノリシスを行う請求項42乃至67の何れか1項に記載のタンパク質修飾剤。
- アンモニア水を用いてアンモノリシスを行う請求項68のタンパク質修飾剤。
- 式(III)の構造単位の無水カルボン酸部分構造に対して、アミノリシスを行う請求項42乃至67の何れか1項に記載のタンパク質修飾剤。
- ジメチルアミン水溶液を用いてアミノリシスを行う請求項70のタンパク質修飾剤。
- 式(III)の構造単位の無水カルボン酸部分構造に対して、アルコリシスを行う請求項42乃至67の何れか1項に記載のタンパク質修飾剤。
- エタノールを用いてアルコリシスを行う請求項72のタンパク質修飾剤。
- 請求項1乃至73の何れか1項に記載のタンパク質修飾剤が少なくとも一つ結合したタンパク質を含有する複合体。
- タンパク質が、塩基性タンパク質である請求項74の複合体。
- 塩基性タンパク質が、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、表皮細胞成長因子(EGF)、破骨細胞形成抑制因子(OCIF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、神経細胞成長因子(NGF)、ヒト成長ホルモン(HGH)、肝細胞増殖因子(HGF)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)又はそれらの類縁体若しくは変異体である請求項75の複合体。
- 塩基性タンパク質が、破骨細胞形成抑制因子(OCIF)又はその類縁体若しくは変異体である請求項75の複合体。
- 破骨細胞形成抑制因子(OCIF)又はその類縁体若しくは変異体が、天然型OCIF又はその類縁体若しくは変異体、あるいは、組換え型OCIF又はその類縁体若しくは変異体である請求項77の複合体。
- 破骨細胞形成抑制因子(OCIF)又はその類縁体若しくは変異体が、単量体OCIF又はその類縁体若しくは変異体、あるいは、ニ量体OCIF又はその類縁体若しくは変異体である請求項77の複合体。
- 破骨細胞形成抑制因子(OCIF)又はその類縁体若しくは変異体が、非還元SDS電気泳動により60000の分子量を示す単量体ヒトOCIF又はその類縁体若しくは変異体、あるいは、非還元SDS電気泳動により120000の分子量を示すニ量体ヒトOCIF又はその類縁体若しくは変異体である請求項77の複合体。
- 破骨細胞形成抑制因子(OCIF)又はその類縁体若しくは変異体が、配列表の配列番号1の‐21乃至+380からなるアミノ酸配列を含むタンパク質である請求項77の複合体。
- 破骨細胞形成抑制因子(OCIF)又はその類縁体若しくは変異体が、配列表の配列番号1の+1乃至+380からなるアミノ酸配列を含むタンパク質である請求項77の複合体。
- 下記式(I)
(上記式中、mは3乃至100の整数、Alkは、C1−C6アルキレン基を示し、R1およびR2は、独立してA)水素原子、B)C1−C6アルキル基又はC)次に挙げる基から選択される少なくともひとつで置換されたC1−C6アルキル基(水酸基、ハロゲン原子、C6−C14アリール基(該アリール基は置換基群Aから選択される1乃至5個の置換基で置換されていてもよい))を示す。)で表される互いに同じか、又は、互いに異なる1以上の構造単位、及び、式(III)
で表される構造単位を構成単位とする共重合体に対して、
b)アンモノリシス、c)アミノリシス、d)アルコリシス、又は、e)任意にa)加水分解及びb)乃至d)から選択される2以上の反応を組み合わせた反応
を行い、該反応液から請求項1乃至73に記載の共重合体又はその薬理上許容される塩を単離・精製することを特徴とする、請求項1乃至73に記載のタンパク質修飾剤の製造方法。
(置換基群Aは、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基及び炭酸基からなる群である。)
- 請求項1乃至73の何れか1項に記載のタンパク質修飾剤とタンパク質又はその類縁体若しくは変異体を、複合体形成に適した条件下で混合することを特徴とする請求項74乃至82の何れか1項に記載の複合体の製造方法。
- 請求項74乃至82の何れかに記載の複合体を有効成分として含有する医薬組成物。
- 複合体が請求項77乃至82の何れかに記載されたものであり、且つ、骨代謝異常症の予防及び/又は治療剤であることを特徴とする、請求項85に記載の医薬組成物。
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