JP4968727B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
このような不正行為に対抗する技術として、例えば、昇降リンクと錠部品の間に別途ロック機構を形成し、施錠位置にある昇降リンクに解錠方向の不正な外力が作用したとき、そのロック機構で昇降リンクの動きを止め、一方、鍵を使った正規の解錠操作時に、前記カム部材の回転力でロック機構を解除するようにしたものがある(特許文献1)。
また、カム部材の回転力でロック機構を解除する構造であるため、カム部材には、解錠に要する負荷以外に、ロック機構の解除に要する負荷が加わるから、鍵がこれまでより重くなる。
さらにまた、前記ロック機構は、機械式のリンク機構であるため、不正者によるワイヤー操作でロック自体が解除される可能性があり、そうした場合には、扉形前面部材の不正な解錠が阻止できない、などの問題点があった。
該外本体の前面に横開きの扉状に開閉可能に取り付けた扉形前面部材と、
該扉形前面部材を閉位置に施錠する錠装置と、を有し、
さらに前記錠装置は、
前記扉形前面部材の開き側の裏面に取り付けたベース部材と、
該ベース部材に取り付けられていて、錠主体の後方に突出させた錠軸にカム部材を設けると共に前方から装着する鍵で錠軸とカム部材を回転させるようになし、鍵無し状態で錠軸の回転が不能である錠部品と、
前記ベース部材に取り付けられていて、前記錠部品のカム部材の回転運動を直線昇降運動に変換する昇降リンクと、
前記ベース部材に取り付けられていて、扉形前面部材を閉位置に施錠すると共に前記昇降リンクの直線昇降運動に連動して少なくともその施錠を解除する方向に動作する錠手段と、を備えた遊技機において、
前記昇降リンクの施錠解除に至らない範囲の変位に対し、鍵無し状態にある錠部品のカム部材の一部が昇降リンクに係合するようにカム部材と昇降リンクを連携させ、もって施錠位置にある昇降リンクに解錠方向の不正な外力が作用した場合に、その外力がカム部材を介して錠軸に伝達され、回転不能な錠軸の抵抗で昇降リンクの直線昇降運動が阻止されるようになし、
一方、扉形前面部材の開き側内側面及びそれと同方向の外本体内側面と、錠装置との間に、扉形前面部材の開き側と外本体との突き合わせ部に対向させて障壁部材を設けるようになし、
さらに前記ベース部材の下端にローラ支片を突設すると共に該ローラ支片に回転自在な位置決めローラを取り付けてその位置決めローラを前記外本体の前記底板上に載せるようにした遊技機を提供する。
また、扉形前面部材の開き側と外本体の突き合わせ部に対向させて障壁部材を設けたことにより、機内へのワイヤー等の差込みが困難になることはもちろん、仮にワイヤーの差込みに成功したとしても、ワイヤーが複雑に曲がりくねるため、錠装置への細工が困難である。
さらにまた、ワイヤーが錠装置に偶然引っ掛かったとしても、曲がりくねったワイヤーを引っ張る抵抗は非常に大きいから、錠装置にまで大きな力が伝わらない。従って障壁部材は、錠軸を破壊する程の大きな力がワイヤーにより加えられる危険をも回避することができるから、前記の錠軸を利用した昇降リンクの不正防止策と組み合わせることにより、相乗的な効果を発揮する。
外本体100は、底板101の左右に側板102,102を取着すると共に該側板102,102の頂部に天板103を設置して正面視縦長「口」字形の枠状となし、その枠の背に背板(図示せず)を固着して前面のみ開口する箱形に形成してなる。なお、パチンコ機の外本体は、背板のない枠形である。
この外本体100の開口を構成する4枚の板101,102,102,103のうち、扉形前面部材200の開き側に対応する図7において右側の側板102と、天板103及び底板101に、各板101,102,103の内側面から7mm程度の出幅で前方に突出する金属製の障壁部材400が固着されている。この障壁部材400は、図5に示したように、扉形前面部材200と外本体100との突き合わせ部Sに対向し、その突き合わせ部Sの隙間をガードしてワイヤー等の異物の差込みを困難にするものである。なお、障壁部材400は、断面クランク形状にして突出部分401が側板102(天板103と底板101も同じ。)の中央寄りに位置するようになっている。そうすることにより障壁部材400と扉形前面部材200の内側面200aとの距離が狭められるから異物へのガードが堅くなる。
図9に示すように、扉形前面部材200は、表側の下方にメダル用受皿201を有し、また、表側のほぼ中央に操作部202が設けられている。この操作部202には、メダル投入用の投入口203と、メイン基板のメモリーにデータとして蓄えられているメダルから1枚のみの投入(引き落とし)を指示する1枚投入ボタン205と、同じく1回のゲームで使用可能な最高枚数(例えば3枚)の投入を指示するMAX投入ボタン206と、後述するメダルセレクタ207の中に詰まったメダルをメダル用受皿201に戻すためのメダル返却ボタン208と、メイン基板のメモリーにデータとして蓄えられているメダルの貯留解除命令(精算による放出命令)を入力するための貯留解除スイッチ209と、前記図柄変動表示装置108を作動させる始動レバー210と、図柄変動表示装置108の各リール108a,108b,108cを停止させる3個のリール停止ボタン211a,211b,211c等が設けられている。
錠装置300は、図5,図7に示したように、扉形前面部材200の開き側の裏面に取り付けられている。この錠装置300は、平面視略L字形のベース部材301と、該ベース部材301にビス止めされた錠部品302と、ベース部材301の上下に揺動自在に軸着された錠手段303,303と、ベース部材301に昇降自在に支持された昇降リンク304と、から概略構成される。
ベース部材301は、図1の斜視図、図2の分解斜視図、図5の断面図に示したように、扉形前面部材200にビス止めする取付基板301aと、該取付基板301aの一側縁(具体的には図5に示したように、扉形前面部材200の開き側内側面200aから離れた側の側縁)から直角に立ち上げた起立基板301bで構成される平面視略L字形の金属部品である。
錠部品302は、図3,図4に示したように、円筒状の錠主体302aと、該錠主体302aに内嵌して後方に突出する錠軸302bと、その錠軸302bの端部に固着したカム部材302cで概略構成される。この錠部品302は、錠主体302aと錠軸302bに複数の縦穴302d,302d…を形成し、各縦穴302dに上下に並べて一対のピン302e,302fを装填し、図3拡大図の鍵無し状態でピン302e,302f同士の境界が錠主体302aと錠軸302bの境界からずれて錠軸302bの回転を阻害し、さらに、錠軸302bに差し込んだ鍵Kによって、図4拡大図に示したようにピン302e,302f同士の境界と錠主体302aと錠軸302bの境界とを一致させ、そうして錠軸302bの回転を可能にする、いわゆるピンタンブラー式シリンダー錠(例えば特公昭58−44832号参照。)である。この種の錠部品302は、鍵無し状態において錠軸302bのカム部材302cを捻っても回らない。
カム部材302cは、前記ベース部材301の起立基板301bに向けて3本の爪片30H,30C,30Lを突設した板カムであり(図6参照)、錠軸302bの軸端にビスで止められていて錠軸302bと一体に回転する。なお、ベース部材301の起立基板301bには、カム部材302cの爪片30H,30C,30Lの回転軌道と交差する部分に長孔形態のカム旋回用スリット301iが形成されている(図2参照)。
図1〜図3に示すように、錠手段303,303は、ベース部材301の起立基板301bの上下に揺動軸303aにより揺動自在に軸着された金属部品であり、先端に上向きの鍵部303bを有するフック形である。この錠手段303,303は、外本体100の内側面102aに固着した係留片303c,303c(図3,図5,図7参照)に前記鍵部303bを下から引っ掛けて扉形前面部材200を閉じ位置に施錠するものであり、前記揺動軸303aに通したスプリング303dで施錠方向(図3において反時計方向)に付勢されている。なお、実施形態の前記係留片303c,303cは、前記障壁部材400の後縁に一体に形成されており(図5参照)、従って、障壁部材400を設置すると係留片303c,303cの設置も同時に完了する。
昇降リンク304は、1本の原リンク304aと2本の従リンク304b,304cの組合せで構成され、ベース部材301の起立基板301bに昇降自在に支持されている。
前記原リンク304aは、前記カム部材302cに係合して従動するものであり、カム部材302cの3本の爪片30H,30C,30Lに対応させて3個の係合孔40H,40C,40Lが縦一列に穿設されている。この原リンク304aは、起立基板301bとの間に張設したコイルスプリング304dの牽引力によって常時上向きに付勢されている。なお、原リンク304aには起立基板301bを横断してその裏側(取付基板301aのない側)に臨む板状のスイッチ片304eが一体に形成されている。
一方、2本の従リンク304b,304cのうち、原リンク304aの上につながる従リンク304bは、上の錠手段303の揺動軸303aより前(スロットマシン1の正面側を「前」、反対側を「後ろ」とする。以下同じ。)にピン303eで接合されている。また、原リンク304aの下につながる従リンク304cも、下の錠手段303の揺動軸303aより前にピン303fで接合されている。従って、昇降リンク304の上昇運動は、錠手段303を後傾させる解錠方向への揺動運動に変換される。
前記のように昇降リンク304(原リンク304a)の係合孔40H,40C,40Lは、カム部材302cの爪片30H,30C,30Lに対応しているのであって、図3の施錠時には図6(a)のように中央の爪片30Cのみが中央の係合孔40Cに遊嵌し、他の爪片30H,30Lは係合孔40H,40Lから離間している。上記のように原リンク304aは、コイルスプリング304dの弾性により上向きに付勢されているが、その力はカム部材302cを経由して回転不能の錠軸302bに伝わるため、原リンク304a、つまり昇降リンク304は動かない。
前記のように外本体100の開口には前方に突出部分401を有する障壁部材400が設けられている。この障壁部材400のうち、扉形前面部材200の開き側に対応する外本体100の側板102に設けたものは、扉形前面部材200の開き側と外本体100との突き合わせ部Sに対向し、また、扉形前面部材200の開き側内側面200a及び外本体100内側面102aと、錠装置300との間に位置する。
通常、扉形前面部材200は外本体100の開口を塞ぐ閉じ位置にあり、このとき錠装置300の錠手段303,303は、図3のように上下の係留片303c,303cに引っ掛かった施錠位置にある。もちろん錠部品302には鍵Kが付けられておらず、従って、錠軸302bとカム部材302cは回転不能であり、その回転不能なカム部材302cの中央の爪片30Cが原リンク304aの中央の係合孔40Cに係合している。
閉じ位置にある扉形前面部材200を正規に開く場合は、スロットマシン1の正面から錠部品302の鍵穴に図4のように鍵Kを差し込んで該鍵Kを時計回りに回す(※図4は、鍵Kを差し込んで時計回りに回した後の状態を示すものであるが、図4の拡大図については、説明の便宜上、鍵Kを差し込んだ直後の回転前の状態が示してある。)。そうすると図6(b)においてカム部材302cが反時計回りに回転し、カム部材302cの下の爪片30Lが原リンク304aの下の係合孔40Lに係合し、さらなる回転で原リンク304aが上昇する。そうすると原リンク304aと一体に従リンク304b,304cが上昇し、その先の錠手段303,303の前方を突き上げる。これにより錠手段303,303の後方が下がって鍵部303bが係留片303c,303cから外れるから扉形前面部材200が開く。
次に、開いた扉形前面部材200を閉じる場合は、扉形前面部材200の開き側を外本体100に向けて押し込めばよい。そうすると、錠手段303,303の傾斜した先端部分が係留片303c,303cに擦れて図4のように回動し、スプリング303dの付勢によって施錠位置に自動的に復動する。このときの錠手段303,303の動きは、ピン303e,303fが長孔304f,304g内を摺動するのみで、昇降リンク304に伝わらない。
スロットマシン1にトラブルが発生して遊技が中断した場合、トラブルからの復帰を制御装置に入力するためのスイッチ301eが、ベース部材301の起立基板301bのほぼ中央裏側(取付基板301aの無い側)に設けられている。このスイッチ301eからリセット信号を発信するには、錠部品302の鍵穴に鍵Kを差し込んで該鍵Kを反時計回りに回す。そうすると図6(c)においてカム部材302cが時計回りに回転し、カム部材302cの上の爪片30Hが原リンク304aの上の係合孔40Hに係合し、その後のさらなる回転で原リンク304aが下動する。なお、既に説明したように、原リンク304aを駆動源とする下向きの運動は、ピン304h,304iが長孔304j,304k内を摺動するのみで従リンク304b,304cに伝わらない。
メダルエンプティーエラー発生時に鍵Kを錠部品302の鍵穴に差し込んで扉形前面部材200を開き、メダル放出装置105にメダルを補充して扉形前面部材200を閉める。次いで、錠部品302に差し込んだままの鍵Kを反時計回りに回して、メダルエンプティーエラーを解除する。なお、この場合、鍵Kは、扉形前面部材200を開いたときに一旦鍵穴から外し、エラー解除の段階で再度鍵穴に差し込むようにしてもよい。
100…外本体
101…底板
102…側板
102a…外本体の内側面
103…天板
200…扉形前面部材
200a…扉形前面部材の開き側内側面
300…錠装置
301…ベース部材
301c…ローラ支片
301d…位置決めローラ
302…錠部品
302a…錠主体
302b…錠軸
302c…カム部材
30H,30C,30L…爪片
303,303…錠手段
304…昇降リンク
304a…原リンク
40H,40C,40L…係合孔
304b,304c…従リンク
304h,304i…ピン
304j,304k…長孔
400…障壁部材
K…鍵
Claims (3)
- 底板と左右の側板と頂部の天板を備えた前面が開口する枠形か又はその枠の背に背板を設けて前面が開口する箱形にした外本体と、
該外本体の前面に横開きの扉状に開閉可能に取り付けた扉形前面部材と、
該扉形前面部材を閉位置に施錠する錠装置と、を有し、
さらに前記錠装置は、
前記扉形前面部材の開き側の裏面に取り付けたベース部材と、
該ベース部材に取り付けられていて、錠主体の後方に突出させた錠軸にカム部材を設けると共に前方から装着する鍵で錠軸とカム部材を回転させるようになし、鍵無し状態で錠軸の回転が不能である錠部品と、
前記ベース部材に取り付けられていて、前記錠部品のカム部材の回転運動を直線昇降運動に変換する昇降リンクと、
前記ベース部材に取り付けられていて、扉形前面部材を閉位置に施錠すると共に前記昇降リンクの直線昇降運動に連動して少なくともその施錠を解除する方向に動作する錠手段と、を備えた遊技機において、
前記昇降リンクの施錠解除に至らない範囲の変位に対し、鍵無し状態にある錠部品のカム部材の一部が昇降リンクに係合するようにカム部材と昇降リンクを連携させ、もって施錠位置にある昇降リンクに解錠方向の不正な外力が作用した場合に、その外力がカム部材を介して錠軸に伝達され、回転不能な錠軸の抵抗で昇降リンクの直線昇降運動が阻止されるようになし、
一方、扉形前面部材の開き側内側面及びそれと同方向の外本体内側面と、錠装置との間に、扉形前面部材の開き側と外本体との突き合わせ部に対向させて障壁部材を設けるようになし、
さらに前記ベース部材の下端にローラ支片を突設すると共に該ローラ支片に回転自在な位置決めローラを取り付けてその位置決めローラを前記外本体の前記底板上に載せるようにしたことを特徴とする遊技機。 - 前記カム部材に3本の爪片を突設すると共に昇降リンクに3個の係合孔を上下に並べて穿設し、施錠時であって錠部品に鍵が無い状態のときカム部材の中央の爪片を昇降リンクの中央の係合孔に遊嵌させ、また、カム部材の回転に伴う上の爪片と昇降リンクの上の係合孔の係合をもって昇降リンクを移動させ、さらにカム部材の逆方向の回転に伴う下の爪片と昇降リンクの下の係合孔の係合をもって昇降リンクを逆向きに移動させ、その昇降リンクの上向き又は下向きの何れかの移動により扉形前面部材の施錠を解除させ、さらに昇降リンクの逆向きの移動によりそれ以外の仕事を行わせるようにしたことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
- 前記昇降リンクは、カム部材に係合して従動する原リンクと、該原リンクの端部にピンと長孔の組合せで接合した従リンクで構成し、
さらに前記ピンと長孔の組合せが、原リンクから解錠方向の力を受けた場合にピンと長孔の端部とが係合して従リンクに伝達し、逆に従リンクから解錠方向の力を受けた場合に長孔内をピンが移動して原リンクに伝達されない設定であることを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機。
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